JP2005231568A - ハッチカバー装置 - Google Patents

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Masahiro Kuwajima
正寛 桑島
Yukinori Torii
幸典 鳥井
Muneharu Toyoda
宗晴 豊田
Tomoaki Takahira
智明 高平
Masakata Mizuno
雅方 水野
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Abstract

【課題】 エンドローリング型ハッチカバー装置を採用した場合であっても、比較的単純な構造でハッチ開口部を大きくでき、荷役効率を向上できるハッチカバー装置を提供する。
【解決手段】 船Sのエンドローリング型ハッチカバー装置1において、隣接するハッチ開口部6a,6bのハッチコーミング高さを変えて形成し、ハッチカバー7a,7bをハッチ開口部6a,6bの前又は後に格納するハッチ開口時に、隣接する一方のハッチ開口部6aを覆っていたハッチカバー7aを他方のハッチ開口部6bを覆っていたハッチカバー7bの下側に格納することを特徴とするハッチカバー装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、船のハッチカバー装置に関するものであり、より詳細には、エンドローリング型ハッチカバー装置において、ハッチ開口部を大きく取ることができるハッチカバー装置の構造に関する。
大型のバラ積み貨物船等では、図9の上甲板の配置を示す図に示すように、船Sの上甲板10には、後方の居住区2とエンジンケーシング3の部分を除いて、隔壁4に仕切られた船倉5のハッチ開口部(倉口)6が設けられている。このハッチ開口部6は船の横方向に設けられたハッチサイドコーミング6Sと、船の前後方向に設けられたハッチエンドコーミング6Eとにより矩形形状に構成されている。また、このハッチ開口部6にはハッチカバー7が載置され、荷役等のためにハッチを開口する時には、ハッチカバー7をレール8上に移動してハッチ開口部6の周囲に格納するように構成されている。
そして、このハッチカバーの移動方向により、ハッチカバー装置のタイプが分かれているが、船の左右方向(横方向)にハッチカバーが水平状態のまま移動して格納されるサイドローリング型(横方向移動型)ハッチカバー装置と、船の前後方向(縦方向)にハッチカバーが水平状態のまま移動して格納されるエンドローリング型(前後方向移動型)カバー装置等がある。これらのタイプのハッチカバー装置は広い格納面積を必要とする欠点があるが、機構がシンプルであり、多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
このサイドローリング型ハッチカバー装置1Xは、パナマクッスサイズ以上の大型のバラ積み貨物船等に広く用いられており、図9及び図10に示すように、船Sの上甲板10にハッチ開口部6から船側方向に延びて設けられたレール8上をハッチカバー7が移動することによってハッチを開口する。
しかし、図11の点線で示すようなハッチ開口時にハッチカバー7が舷側(デッキサイドライン)9の外側にはみ出さないようにする必要があるため、ハッチカバー7の幅Bhが制限され、それに伴いハッチ開口幅Boも制限される。即ち、ハッチカバー7を横方向に水平移動した場合のハッチ開口部6と格納されたハッチカバー7の幅Bhを考えると、ハッチ開口幅Boは、船幅Bsの半分より小さくならざるを得ない。
一方、船体の構造強度面および工作性の面から、ハッチサイドコーミング6Sをトップサイドタンク11の垂直壁11Wと直線とする構造が採用される。穀物をバラ積みにて運送する貨物船では、穀物貨物積込み後の荷繰りが免除されるためには、国際条約(海上人命安全条約)により直線構造が要求される。
しかし、近年、国際海事機関(IMO)にてバラ積み貨物船に対し、船側外板12のダブルハル化が検討されており、これに伴い図12のシングルハル構造から図13のダブルハル構造に移行するようになってきている。このダブルハル構造では、船側外板12部分にダブルハル区画13が設けられるため、シングルハル構造に比べダブルハル区画の容積だけ船倉5の容積が減少する。ダブルハル構造の船倉5の容積を、シングルハル構造の船倉5の容積と同等にするための対策として、トップサイドタンク11を小さくすることは有効な方法であり、トップサイドタンク11の垂直壁11Wの位置を船側外板側に移動させることが検討されている。
このトップサイドタンク11の垂直壁11Wとハッチサイドコーミング6Sとは同じ位置にあって構造的に直線状に連続することが好ましく、また、穀物貨物を荷繰り免除で輸送する場合には規則要求があるため、このトップサイドタンク11の垂直壁11Wの位置の船側外板側への移動は、ハッチサイドコーミング6Sの位置の船側外板側への移動となり、また、幅広のハッチカバー7の採用を伴うことになる。
しかし、サイドローリング型ハッチカバー装置では、上述したような理由で、この幅広のハッチカバーの採用に対応できないので、エンドローリング型ハッチカバー装置の採用が一つの対応策として考えられる。
図14〜図16に示すように、エンドローリング型ハッチカバー装置1Yの場合には、ハッチ開口のためにハッチカバー7を船長方向に移動して格納するが、このハッチカバー7を格納するためのスペースが必要になる。そのため、ハッチカバー7の長さLhが制限され、それに伴いハッチ開口長さLoも制限されるので、シングルハル構造の船に比べハッチ開口部6を小さくしなければならず、荷役効率が悪くなるという問題がある。
そして、このハッチ開口部の大きさの問題を解決するために、エンドローリング型ハッチカバー装置において、ハッチ開口部を大きく取るために、船長方向に多数枚のハッチカバーを並べ、ハッチ開口時には、ハッチ開口部の一端側において、ハッチカバーを90度回転させて上下方向に立てて、順次連続して格納する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、パナマックスサイズ(7万トンクラス)のバラ積み貨物船でも、ハッチカバー1枚は長さが17m程度、幅が8m程度、重量が30トン程度にもなり、ハッチカバーを90度回転させて縦にして格納するためには、装置が大がかりとなり、コストアップになるという問題がある。
実開昭61−122194号公報 実開昭60−60390号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、エンドローリング型ハッチカバー装置を採用した場合であっても、比較的単純な構造でハッチ開口部を大きくでき、荷役効率を向上できるハッチカバー装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明のハッチカバー装置は、船のエンドローリング型ハッチカバー装置において、隣接するハッチ開口部のハッチコーミング高さを変えて形成し、ハッチカバーをハッチ開口部の前又は後に格納するハッチ開口時に、隣接する一方のハッチ開口部を覆っていたハッチカバーを他方のハッチ開口部を覆っていたハッチカバーの下側に格納するように構成される。
つまり、船長方向に隣接するハッチ開口部のハッチコーミング高さに高低差を設けることで、ハッチカバー開放時に必要なカバー格納スペースを小さくする。これにより、エンドローリング型ハッチカバー装置を採用した時でも、大きなハッチ開口を確保できる。
そして、上記のハッチカバー装置において、前記隣接する一方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレール間の幅を、他方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレール間の幅よりも広く設けて構成される。この構成によれば、隣接するハッチ開口部を覆うハッチカバーの幅が異なることになるが、レール支柱の構造を単純化できる。
あるいは、前記隣接する一方のハッチ開口部を覆う前記ハッチカバーが移動するレール間の幅を、他方のハッチ開口部を覆う前記ハッチカバーが移動するレール間の幅と同じに形成すると共に、前記隣接する一方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレールと、他方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレールを別々または共に支持するレール支柱を少なくとも1本以上設けて構成される。この構成によれば、ハッチカバーの幅を揃えることができ、レール支柱の数も減少できる。
本発明に係るハッチカバー装置によれば、エンドローリング型ハッチカバー装置を採用し、ハッチ開口時に隣接するハッチ開口部のハッチカバーを上下方向に重なり合うように格納するので、ハッチ開口部を大きくできる。従って、荷役効率を向上できる。
以下図面を参照して本発明に係るハッチカバー装置の実施の形態について説明する。
図1〜図5に示すように、本発明に関わる第1の実施の形態のハッチカバー装置1は、エンドローリング型ハッチカバー装置であり、上甲板10に設けられたハッチ開口部6a,6bに船長方向に2分割したハッチカバー7a,7bを載置してハッチ開口部6a,6bを閉鎖し、このハッチカバー7a,7bを船長方向に延びるレール8a,8b上を移動することによってハッチ開口部6a,6bの前方又後方に格納し、ハッチ開口部6a,6bを開口する。
本発明においては、隣接する船倉5a,5bにおいて、ハッチ開口部6a,6b、及び、ハッチカバー7a,7bを移動するレール8a,8bの高さHa,Hbを変えて高低差をつけて形成し、ハッチ開口時にハッチカバー7aが、このハッチカバー7aに隣接するハッチカバー7bの下側に格納されるように、即ち、ハッチ開口部6a,6bの近傍において上下方向に重なって格納されるように構成される。
より詳細には、船倉5a(例えば、ハッチ番号が奇数)のハッチコーミング6Sa,6Eaの高さを第1高さHaで形成し、この船倉5aに隣接する船倉5b(例えば、ハッチ番号が偶数)のハッチコーミング6Sb,6Ebの高さを第1高さHaよりも高い第2高さHbで形成する。この第2高さHbは、第1高さHaとハッチカバー7aの厚さHhの和よりも高くする。
そして、第1のハッチ開口部6aにおいて、コーミング6Sa,6Eaと、ハッチカバー7aをその上に載せてハッチ開口時に移動させるレール8aの高さを第1高さHaで形成し、隣接する第2のハッチ開口部6bにおいて、コーミング6Sb,6Ebと、ハッチカバー7bをハッチ開口時にその上に載せて移動させるレール8bの高さを第2高さHbで形成し、第1のハッチ開口部6aを覆っていたハッチカバー7aが、隣接する第2のハッチ開口部6bを覆っていたハッチカバー7bの下側に入り込み、上下方向に隙間を有して二段に重なって格納されるように構成される。なお、ハッチ開口部6a,6bを大きくするためには、これらのハッチカバー7a,7bの重なり合う部分が多くなることが好ましく、完全に重ね合わせることが最も好ましい。しかし、実際には、種々の制約があるので、一部が重なりあえばよく、完全に重なりあわなくてもよい。
この第1のハッチ開口部6a用のレール8aと第2のハッチ開口部6b用のレール8bとの関係については、幾つかの関係が考えられる。
図1〜図4の第1の実施の形態のハッチカバー装置1では、第2のハッチ開口部6b用のレール8bの内側に、第1のハッチ開口部6a用のレール8aが入るように形成される。即ち、隣接する一方のハッチ開口部6aを覆うハッチカバー7aが移動するレール8a,8a間の幅を、他方のハッチ開口部6bを覆うハッチカバー7bが移動するレール8b,8b間の幅よりも広く設けて構成される。
この場合、第2のハッチ開口部6bの幅Bobは、第1のハッチ開口部6aの幅Boaよりも大きく形成できる。この構成では、互いに隣接するハッチカバーの幅Bha,Bhbは異なるが、両方のレール8a,8bの荷重を垂直のレール支柱81a,81bでそれぞれ支持できる。そのため、レール支柱81a,81bの構造を単純化できる。
なお、図5の第2の実施の形態のハッチカバー装置1Aでは、ハッチ開口部6aの幅Boaと隣接するハッチ開口部6bの幅Bobを同じに形成し、隣接する一方のハッチ開口部6aを覆うハッチカバー7aが移動するレール8a,8a間の幅を、他方のハッチ開口部6bを覆うハッチカバー7bが移動するレール8b,8b間の幅と同じに形成する。
そして、レール8aは垂直のレール支柱81aで支持するが、レール8bは内側に曲がったレール支柱81bで支持する。この構成によれば、レール支柱81bを垂直荷重だけでなく、曲げモーメントも加わるので,これに耐えて支持できる形状にする必要が生じるが、ハッチカバーの幅Bha,Bhbを揃えることができる。
また、図6の第3の実施の形態のハッチカバー装置1Bでは、第2の実施の形態のハッチカバー装置1Aと同様に、ハッチ開口部6aの幅Bhaと隣接するハッチ開口部6bの幅Bhbを同じに形成する。しかし、レール8aとレール8bの両方を内側に曲がったレール支柱81で支持する。即ち、隣接する一方のハッチ開口部6aを覆うハッチカバー7aが移動するレール8aと、他方のハッチ開口部6bを覆うハッチカバー7bが移動するレール8bとを共に支持するレール支柱が設けられる。この構成によれば、ハッチカバーの幅Bha,Bhbを揃えることができ、また、レール支柱81を隣接するハッチ開口部6a,6b同士で共有できるのレール支柱81の数を減少できる。
そして、図1〜図6のハッチカバー7a,7bは,2分割で構成されているが、図7に示す第4の実施の形態のハッチカバー装置1Cのように1体で形成することもできる。
また、ハッチカバー7a,7bを移動する駆動方式としては、ワイヤ方式、チェーン方式、ラックピニオン方式等を使用できる。
図8にハッチカバー7aの駆動方式の一例を示すが、レール8a上に、ハッチカバー7aに枢支した車輪71を載置し、ハッチカバー7aに固定された支持体72にワイヤ又はチェーンで形成される引張部材73を固定し、この引張部材73をウィンチ又は専用のモータで巻き取って、この引張部材73によりハッチカバー7aを引張り、レール8a上を移動させる。なお、大型のハッチカバーの場合は、片側のみを引張って移動させると、蛇行するおそれがあるので、両側で同期させながらら引張って移動させる。
また、ラックピニオン方式では、ハッチカバーかレール側の一方にラック(水平歯)を設け、他方にラックと噛み合うピニオン(歯車)を固定し、このピニオンを油圧モータや電動モータで駆動してハッチカバーを開閉する。
上記の構成のハッチカバー装置によれば、船舶のエンドローリング型ハッチカバー装置において、船の前後方向に隣接するハッチコーミング6Sa,6Ea,6Sb,6Ebの高さHa,Hbに高低差を設けることで、ハッチ開口部(倉口)開放時に必要なハッチカバー7a,7bの格納スペースを小さくすることができる。これにより、エンドローリング型ハッチカバー装置を採用した時でも、ハッチ開口部6a,6bの長さLoを大きくでき、ハッチ開口部6a,6bを大きくすることができる。
本発明に係る第1実施の形態のハッチカバー装置の閉止状態を示す斜視図である。 図1のハッチカバー装置のハッチ開口部の開放状態を示す斜視図である。 図1のハッチカバー装置のハッチカバーの移動を示す模式的な側断面図である。 図1のハッチカバー装置のレールの支持方法を示す模式的な横断面図である。 本発明に係る第2実施の形態のハッチカバー装置のレールの支持方法を示す模式的な横断面図である。 本発明に係る第3実施の形態のハッチカバー装置のレールの支持方法を示す模式的な横断面図である。 本発明に係る第4実施の形態のハッチカバー装置のレールの支持方法を示す模式的な側断面図である。 ハッチカバーの水平移動の駆動方式の例を示す図である。 サイドローリング型ハッチカバー装置を説明するための上甲板図である。 サイドローリング型ハッチカバー装置の構成を示す斜視図である。 図10のサイドローリング型ハッチカバー装置のハッチカバーの移動を示す模式的な横断面図である。 シングルハルタイプのバラ積み貨物船の中央断面を模式的に示す図である。 ダブルハルタイプのバラ積み貨物船の中央断面を模式的に示す図である。 従来技術のエンドローリング型ハッチカバー装置の構成を示す斜視図である。 図14のエンドローリング型ハッチカバー装置のハッチカバーの移動を示す模式的な側断面図である。 一体型のエンドローリング型ハッチカバー装置のハッチカバーの移動を示す模式的な側断面図である。
符号の説明
S 船
1,1A,1B,1C ハッチカバー装置
5a,5b 船倉
6a,6b ハッチ開口部
6Sa,6Sb ハッチサイドコーミング(ハッチコーミング)
6Ea,6Eb ハッチエンドコーミング(ハッチコーミング)
7a,7b ハッチカバー
8a,8b レール
81,81a,81b レール支柱
Boa,Bob ハッチ開口部の幅
Bha,Bhb ハッチカバーの幅
Ha レールの高さ(第1高さ)
Hb レールの高さ(第2高さ)
Hh ハッチカバーの厚さ

Claims (3)

  1. 船のエンドローリング型ハッチカバー装置において、隣接するハッチ開口部のハッチコーミング高さを変えて形成し、ハッチカバーをハッチ開口部の前又は後に格納するハッチ開口時に、隣接する一方のハッチ開口部を覆っていたハッチカバーを他方のハッチ開口部を覆っていたハッチカバーの下側に格納することを特徴とするハッチカバー装置。
  2. 前記隣接する一方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレール間の幅を、他方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレール間の幅よりも広く設けたことを特徴とする請求項1記載のハッチカバー装置。
  3. 前記隣接する一方のハッチ開口部を覆う前記ハッチカバーが移動するレール間の幅を、他方のハッチ開口部を覆う前記ハッチカバーが移動するレール間の幅と同じに形成すると共に、前記隣接する一方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレールと、他方のハッチ開口部を覆うハッチカバーが移動するレールを別々または共に支持するレール支柱を少なくとも1本以上設けたことを特徴とする請求項1記載のハッチカバー装置。
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