JP2020163744A - 炭酸ガス吸収積層体とバルブレス包装体 - Google Patents

炭酸ガス吸収積層体とバルブレス包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】製造適正に優れ、包装体に包装される焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物が脱炭酸反応を進行することによって発生する炭酸ガスが包装体内に充満して膨れることを防ぎ、ガス抜けバルブを必要としない、長期間の保管性に優れた、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物向けの、包装材料用の炭酸ガス吸収積層体、炭酸ガス吸収包装材料および炭酸ガス吸収バルブレス包装体を提供する。【解決手段】少なくとも、基材層2と、炭酸ガス吸収層3と、炭酸ガス発生抑制層4とを有する、包装材用の炭酸ガス吸収積層体1であって、該包装材は、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物を包装するためのものであり、該炭酸ガス吸収層3は、特定の炭酸ガス吸着剤と炭酸ガス吸着剤分散樹脂と吸水剤と反応促進剤とを含有し、該炭酸ガス発生抑制層4は、特定の酸素吸収剤と酸素吸収剤分散樹脂とを含有することを特徴とする、炭酸ガス吸収積層体1。【選択図】図1

Description

本発明は、包装体に包装される内容物である焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物からの炭酸ガスの発生を抑え、且つ発生した炭酸ガスを吸収する、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物向けの包装材料用の炭酸ガス吸収積層体、および該炭酸ガス吸収積層体から作製された、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、炭酸ガス吸収包装材料、バルブレス包装体に関する。
保管中に炭酸ガスを発生する内容物を充填した包装体においては、発生した炭酸ガスが包装体内部に充満して、包装体が膨れ上がってしまう現象が発生することから、これを防止する為に、予め包装体の容量に余裕をもった大きなものにしておくか、あるいは炭酸ガス吸収剤を同梱する必要があった。内容物が焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物である場合には、炭酸ガスの発生量が特に多い。
包装材料中に炭酸ガス吸収能を有する化合物を含有させた包装材料が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、内容物からの炭酸ガス発生量が多い場合には、吸収容量が不充分であり、ガス抜けバルブが装着されていない包装体が膨れ上がることを防止するには不十分であった。
包装材料中に炭酸ガス吸収能を有する化合物を含有させ、さらに、包装材料に通気性を持たせた包装材料が提案されている(特許文献3)。しかしながら、内容物の香気や風味が包装体外部に散逸したり、包装体外部から内容物への異成分の浸入が発生したりする虞があり、包装体としては用途が限定されるものであった。
特開2010−234525公報 特開2000−355079公報 特開平7−31829公報
本発明は、上述の問題を解決し、製造適正に優れ、包装体に包装される焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物が脱炭酸反応を進行することによって発生する炭酸ガスが包装体内に充満して膨れることを防ぎ、ガス抜けバルブを必要としない、長期間の保管性に優れた、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物向けの、包装材料用の炭酸ガス吸収積層体、炭酸ガス吸収包装材料および炭酸ガス吸収バルブレス包装体を提供することを課題とする。
本発明者らは、種々検討の結果、少なくとも、特定の炭酸ガス吸収剤と特定の炭酸ガス発生抑制剤とを含有する包装材料用の積層体が、上記の目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.少なくとも、基材層と、炭酸ガス吸収層と、炭酸ガス発生抑制層とを有する、包装材料用の炭酸ガス吸収積層体であって、
該包装材は、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物を包装するためのものであり、
該炭酸ガス吸収層は、炭酸ガス吸着剤と、炭酸ガス吸着剤分散樹脂と、吸水剤と、反応促進剤とを含有し、
該炭酸ガス吸着剤は、炭酸ガス吸収性アルカリ金属化合物および/または炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物を含有し、
該吸水剤は、高吸水性樹脂、潮解性化合物、親水性ゼオライト、シリカゲルからなる群から選ばれる1種または2種以上であり、
該反応促進剤は、LiCl、LiOH、NaCl、KClからなる群から選ばれる1種または2種以上を含み、
該炭酸ガス発生抑制層は、酸素吸収剤と、酸素吸収剤分散樹脂とを含有し、
該酸素吸収剤は、酸素吸収性金属酸化物、酸素吸収性無機系混合物、酸素吸収性有機系混合物からなる群から選ばれる1種または2種以上であり、
該酸素吸収性金属酸化物は、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上であり、
該酸素吸収性無機系混合物は、還元鉄とハロゲン化金属を含有し、
該酸素吸収性有機系混合物は、アスコルビン酸、MXD6ナイロン、エチレン性不飽和炭化水素、シクロヘキセン基含有樹脂、および遷移金属触媒を含有し、
該遷移金属触媒は、後周期遷移金属元素を含むことを特徴とする、炭酸ガス吸収積層体。
2.前記炭酸ガス吸着剤分散樹脂および/または前記酸素吸収剤分散樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であり、
炭酸ガス吸収層および/または炭酸ガス発生抑制層が、ヒートシール性を有することを特徴とする、
上記1に記載の炭酸ガス吸収積層体。
3.基材層と、炭酸ガス吸収層および炭酸ガス発生抑制層との間に、さらに、バリア層を有し、
該バリア層は、バリア性樹脂塗膜、金属箔、金属蒸着層付き樹脂フィルム、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、
上記1または2に記載の炭酸ガス吸収積層体。
4.前記炭酸ガス吸収層が、前記炭酸ガス発生抑制層よりも、基材層側に積層されていることを特徴とする、
上記1〜3の何れかに記載の炭酸ガス吸収積層体。
5.前記炭酸ガス発生抑制層が、前記炭酸ガス吸収層よりも、基材層側に積層されていることを特徴とする、
上記1〜4の何れかに記載の炭酸ガス吸収積層体。
6.前記炭酸ガス吸収層中の前記炭酸ガス吸着剤の含有量が、0.5質量%以上、50質量%以下であり、
前記炭酸ガス発生抑制層中の前記酸素吸収剤の含有量が、0.5質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする、
上記1〜5の何れかに記載の炭酸ガス吸収積層体。
7. 前記炭酸ガス吸収積層体の、基材層とは反対側の面の表面に、さらにヒートシール層が積層されていることを特徴とする、
上記1〜6の何れかに記載の炭酸ガス吸収積層体。
8.上記1〜7の何れかに記載された炭酸ガス吸収積層体からなる、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、炭酸ガス吸収包装材料。
9.上記8に記載された炭酸ガス吸収包装材料から作製された、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、バルブレス炭酸ガス吸収包装体。
10.上記8に記載された炭酸ガス吸収包装材料から作製された、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、バルブレス炭酸ガス吸収包装袋。
11.上記8に記載された炭酸ガス吸収包装材料から作製された、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、バルブレス炭酸ガス吸収パウチ袋。
本発明の炭酸ガス吸収積層体と炭酸ガス吸収包装材料とバルブレス炭酸ガス吸収包装体は、製造適正に優れ、包装体に包装される焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物が脱炭酸反応を進行することによって発生する多量の炭酸ガスが包装体内に充満して膨れ上がることを防ぎ、ガス抜けバルブを必要とせず、長期間の保管性に優れた、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物向けの、包装材料用の炭酸ガス吸収積層体、炭酸ガス吸収包装材料およびバルブレス炭酸ガス吸収包装体を得ることができる。
本発明の炭酸ガス吸収積層体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の炭酸ガス吸収積層体の層構成について、その別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明の炭酸ガス吸収積層体の層構成について、さらに別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明の炭酸ガス吸収積層体の層構成について、またさらに別態様の一例を示す概略的断面図である。
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
更に、各図において、凹凸部は明確な角を有するパターンとして例示されているが、角が丸まった形状でもよい。
本発明の包装材料用の炭酸ガス吸収包装積層体、炭酸ガス吸収包装材料および炭酸ガス吸収包装体について、以下に更に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<<炭酸ガス吸収積層体>>
本発明の炭酸ガス吸収積層体は、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物向けの包装材料用であり、図1と図2に示したように、少なくとも、基材層と、特定の炭酸ガス吸着剤を含有する炭酸ガス吸着層と、特定の炭酸ガス発生抑制剤を含有する炭酸ガス発生抑制層を有する。
本発明においては、炭酸ガス吸着層と炭酸ガス発生抑制層の総称として、炭酸ガス吸収層とも表記する。
炭酸ガス吸収層は、炭酸ガス吸収積層体の表面または表面近傍に積層されていることが好ましい。これによって、包装体を作製した際に、炭酸ガス吸収層を内容物(焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物)に近い層にすることができ、炭酸ガス低減効果の効率を高くすることができる。
炭酸ガス吸着層と炭酸ガス発生抑制層のどちらがより表面に積層されていてもよいが、図1に示したように、炭酸ガス吸着層がより表面に積層されていることが、包装体内の炭酸ガスの充満を抑制する点では好ましい。
内容物が焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物の場合には、他の内容物よりも非常に多量の炭酸ガスが、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物から発生することが知られている。
例えば、焙煎済みコーヒー豆を収容したコーヒー用パウチ袋の内容量は250gとすると、これを40℃で4日間保管した際には、凡そ750〜1750ccの炭酸ガスが発生する。また、焙煎済みコーヒー豆の粉挽きされた粉粒化物を収容したコーヒー用パウチ袋
の内容量を180gとした場合、これを40℃で4日間保管した際には、凡そ300ccの炭酸ガスが発生する。
したがって、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用途には、上記の炭酸ガス低減効果が非常に高い炭酸ガス吸収積層体を用いる必要がある。
炭酸ガス吸収積層体は、必要に応じて、図3に示したように、基材層と炭酸ガス吸収層との間に、さらにバリア層を有することもできる。
炭酸ガス吸収積層体は、炭酸ガス吸収層がヒートシール性を有していない場合には、図4に示したように,ヒートシール層を炭酸ガス吸収層上に積層することもできる。ヒートシール層が接着剤層を介して炭酸ガス吸収層上に積層されていてもよい。
ヒートシール層は、炭酸ガス吸収積層体においてシーラント層を構成する層であるが、炭酸ガス吸着層と炭酸ガス発生抑制層がヒートシール性を有する場合や、ヒートシール層が炭酸ガス吸着層と炭酸ガス発生抑制層を挟んで2層以上積層されている場合には、ヒートシール層と炭酸ガス吸着層と炭酸ガス発生抑制層とを総称してシーラント層とも表記する。
また、各層内または各層との間には、接着性を向上させるために、接着剤層を設けたり、各層の表面に、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けたりすることができる。
例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスまたは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いたる酸化処理等の前処理を任意に施して、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等を形成して設けることができる。
或いは、表面に、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、蒸着アンカーコート剤層等の各種コート剤層を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の各種コート剤層には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂またはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を用いることができる。
<基材層>
基材層には、樹脂フィルムを用いることが好ましく、1層で構成されていてもよく、組成が同一または異なる樹脂フィルムを2層以上含む多層構成であってもよい。
基材層の厚さは、素材にもよるが、樹脂フィルムの場合には、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜30μmである。
基材層に用いられる樹脂フィルムには、熱可塑性樹脂をフィルム化したものを用いることができ、化学的または物理的強度に優れ、金属酸化物の蒸着膜を形成する条件に耐え、それら金属酸化物の蒸着膜の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
このような樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフイン系樹脂、環状ポリオレフイン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂が挙げられる。
本発明においては、樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフイン系樹脂が好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポ
リプロピレン(PP)が好ましい。
本発明において、基材層に用いられる熱可塑性樹脂は、公知公用の各種製膜法でフィルム化することができる。
例えば、1種の樹脂を使用して、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて製膜する方法、2種以上の樹脂を使用して多層共押し出し製膜する方法、2種以上の樹脂を製膜する前に混合して上記製膜法で製膜する方法、等が挙げられる。さらに、テンター方式やチューブラマ方式等を利用して1軸または2軸方向に延伸したフィルムとすることができる。
または、他の樹脂フィルム上に、1種または2種以上の樹脂を、塗布及び乾燥してコーティングしたり、Tダイ法等によって溶融した樹脂を積層したりすることもできる。
本発明においては、樹脂フィルムとしては、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸PPフィルムまたはシートが好ましく用いられる。
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフイン系樹脂が好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレン(PP)が好ましい。
なお、樹脂フィルムには、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等を使用することができる。
本発明において、炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤の平均粒子径は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、平均粒子径0.01μm〜25μmのものが好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が上記範囲よりも小さい場合には炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤に凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。平均粒子径が上記範囲よりも大きい場合には、表面積が減少する為に、十分な炭酸ガス吸着効果や吸水効果が得られない可能性が生じる。また、製膜性が劣り易くなり、炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤を多くは添加し難い傾向になり、十分な炭酸ガス吸着効果や吸水効果が得られない可能性が高まる。
<炭酸ガス吸着層>
炭酸ガス吸着層は、炭酸ガス吸着剤と、炭酸ガス吸着剤を分散させて保持するための炭酸ガス吸着剤分散樹脂を含有する層であり、さらに、吸水剤や、反応促進剤を含有することが好ましい。
炭酸ガス吸着層は、1層で構成されていてもよく、炭酸ガス吸着剤等の種類や濃度の異なる多層で構成されていてもよい。
炭酸ガス吸着層はヒートシール性を有していなくともよく、有していてもよい。
炭酸ガス吸着層は、さらに、滑剤、酸化防止剤、アンチブロック剤、その他の添加剤を含むことができる。
炭酸ガス吸着層の厚さは、5μm以上、100μm以下が好ましく、7μm以上、90μm以下がより好ましい。上記範囲よりも薄いと、充分な炭酸ガス吸着効果を発揮し難くなり易く、上記範囲より厚くても、炭酸ガス吸着効果があまり変わらず、炭酸ガス吸着層の形成性が低下し、コストが増大する。
[炭酸ガス吸着剤]
炭酸ガス吸着剤は、炭酸ガス吸収性アルカリ金属化合物および/または炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物を含有することが好ましい。
炭酸ガス吸着層中の炭酸ガス吸着剤の含有量は、0.5質量%以上、50質量%以下が好ましく、1質量%以上、45質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも少ないと、充分な炭酸ガス吸着効果を発揮し難くなり易く、上記範囲より多いと、含有量が多い割には炭酸ガス吸着効果が向上せず、炭酸ガス吸着層の形成性が低下し、コストが増大する。
(炭酸ガス吸収性アルカリ金属化合物)
炭酸ガス吸収性アルカリ金属化合物は、炭酸ガスと化学的に反応するアルカリ金属化合物であり、具体的な化合物としては、例えば、LiOH、KOH、NaOH、RbOH、Na2CO3等が挙げられる。
(炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物)
炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物は、炭酸ガスと化学的に反応するアルカリ土類金属化合物であり、具体的な化合物としては、例えば、Be(OH)2、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2、等が挙げられ、Ca(OH)2、Mg(OH)2が特に好ましい。
[炭酸ガス吸着剤分散樹脂]
炭酸ガス吸着層に含有される炭酸ガス吸着剤分散樹脂は、炭酸ガス吸収剤を分散して、炭酸ガス吸着層を形成し得るものであれば特に制限は無く、公知公用の樹脂を用いることができる。
炭酸ガス吸着層がヒートシール性を有する場合には、炭酸ガス吸着剤分散樹脂はヒートシール性樹脂を含有することが好ましい。
良好なヒートシール性と炭酸ガス吸着剤の分散性を得る為には、ヒートシール性樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の低溶出化されたもの及びそれらの樹脂の混合物が挙げられる。
上記の中でも、ポリエチレン系の樹脂が好ましく、ポリエチレン系の樹脂の中でも、LLDPEがより好ましい。
[吸水剤]
炭酸ガス吸収層において、吸水剤は、吸水または吸湿によって、炭酸ガス発生を抑制する効果を発揮する。
炭酸ガスの発生機構において、加水分解反応過程があり、吸水剤が水分を奪うことによって加水分解反応の進行を抑制することによって、最終生成物である炭酸ガスの発生を抑制することができる。
炭酸ガス吸着層に含有される吸水剤は、高吸水性樹脂、潮解性化合物、ゼオライト、シリカゲルからなる群から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
炭酸ガス吸着層中の吸水剤の含有量は、0.5質量%以上、35質量%以下が好ましく、1質量%以上、30質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも少ないと、充分な吸水効果を発揮し難くなり易く、上記範囲より多いと、含有量が多い割には吸水効果が向上せず、炭酸ガス吸着層の形成性が低下し、コストが増大する。
(高吸水性樹脂)
高吸水性樹脂としては、特に制限は無いが、例えば、カルボキシメチルセルロース系等のセルロース系高吸水性ポリマー、ポリビニルアルコール系高吸水性ポリマー、ポリアクリル酸等のアクリル酸系高吸水性ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム架橋物等のアクリル酸塩系高吸水性ポリマー、等を挙げることができる。
(潮解性化合物)
潮解性化合物とは、水分子を取り込んで、自身の水溶液を生成する化合物である。
具体的な化合物としては、クエン酸、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化リチウム、等が挙げられる。これらの中でも、衛生面からは、塩化マグネシウム、塩化カルシウムが使い易く、好ましい。
(ゼオライト)
ゼオライトは、親水性ゼオライトが好ましく、親水性ゼオライトは、SiO2/Al23モル比が、1/1〜20/1であることが好ましく、1.5/1〜19/1であることがさらに好ましい。
一般的にゼオライトはSiO2/Al23モル比が低い程、親水性が高くなる。そして、親水性が高くなることによって、極性の高い水分子を吸着し易くなる。
本発明においては、吸水性能と入手し易さのバランスから、上記範囲のモル比の親水性ゼオライトが好ましく用いられる。
また、ゼオライトは耐熱性が高く、230℃以上の高温に晒されても、吸湿効果を維持することができ、エクストルージョンによる230℃以上の高温積層に用いることもできる。
ゼオライトの形状は、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、樹脂中に分散させた際の、均一な分散性や混練特性、製膜性等の観点から、粉体状が好ましい。
(シリカゲル)
シリカゲルは、ケイ酸ゲルを脱水・乾燥して得られる物質であり、シラノール基と多孔質構造を持ち、表面積が広い。これによって、シリカゲルは、化学的吸着(シラノール基による吸着)と、物理的吸着(毛細管現象による吸着)によって、水分を吸着する作用を有する。
シリカゲルは、表面積が大きく、主にシラノール基による水の化学吸着によって吸着するA型と、表面積がA型よりも小さく、主に毛細管現象による水の物理吸着によって吸着するB型とがあるが、本発明においては、どちらを用いてもよく、両者を併用してもよい。
[反応促進剤]
炭酸ガス吸着層に含有される反応促進剤は、炭酸ガス吸収剤と炭酸ガスの化学的な反応を促進する作用を有するものである。
反応促進剤としては、具体的には、LiCl、LiOH、NaCl、MgCl2、KCl、等が挙げられ、LiCl、NaClが好ましい。
炭酸ガス吸着層中の反応促進剤の含有量は、0.1質量%以上、20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上、10質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも少ないと、充分な反応促進効果を発揮し難くなり易く、上記範囲より多いと、含有量が多い割には促進効果が向上せず、炭酸ガス吸着層の形成性が低下し、コストが増大する。
[炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤の分散方法]
炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤を炭酸ガス吸着剤分散樹脂中に分散させる方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。
炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤を直接、炭酸ガス吸着剤分散樹脂と混合して混練することも可能である。
或いは、炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤を高濃度で熱可塑性樹脂と混合した後に溶融混練(メルトブレンド)してマスターバッチを作製し、これを、目標含有率に応じた比率で、炭酸ガス吸着剤分散樹脂と混合、溶融混練する、いわゆるマスターバッチ方式によっても可能である。
マスターバッチは、炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤の1種のみを含有するものでってもよく、2種以上を含有するものであってもよい。
マスターバッチ方式の場合には、凝集が発生し易い炭酸ガス吸着剤と炭酸ガス吸着剤分散樹脂の組み合わせであっても、効率的に、均質に分散させることができる。
マスターバッチが、炭酸ガス吸着剤、吸水剤、反応促進剤から選ばれる1種のみを含有する場合の、マスターバッチ中の、炭酸ガス吸着剤、吸水剤、または反応促進剤の各々の含有率は、0.5質量%以上、65質量%以下が好ましく、1質量%以上、60質量%以下がより好ましい。
マスターバッチに用いる熱可塑性樹脂としては、汎用のポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。
この際、マスターバッチ中の熱可塑性樹脂は、炭酸ガス吸着剤分散樹脂と同一であっても、異なっていてもよく、目的に応じて異なる種類の樹脂を大きな悪影響を与えない範囲内で組み合わせることが可能である。
例えば、炭酸ガス吸着剤分散樹脂と同一の樹脂をマスターバッチに用いていれば、炭酸ガス吸着層は均質になり易く、良好な、製膜性、ヒートシール性、層間接着強度、炭酸ガス吸着性を、効率的に得ることが可能である。
[炭酸ガス吸着層の形成方法]
本発明において、炭酸ガス吸着層または炭酸ガス吸着層を構成する各層の製膜、積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法、積層方法を適用することができる。
炭酸ガス吸着層を、押出しまたは共押出しで、他の層上に、エクストルージョンコート法で積層したり、インフレーション法やキャスト法により製膜後に接着層を介して積層したりすることもできる。エクストルージョンコート法の場合でも、必要に応じて接着層を介して、積層してもよい。
または、予め製膜された炭酸ガス吸着層用のフィルムを、エクストルージョンコート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等により積層された接着層を介して積層、接着してもよい。
エクストルージョンコート法により積層する場合においては、まず、炭酸ガス吸着層を形成する樹脂組成物を加熱して溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に(共)押出し、該溶融樹脂を被積層面上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、炭酸ガス吸着層の形成と、被積層面への積層および接着や、炭酸ガス吸着層を構成する各層間の積層および接着等を、同時に行うことができる。
エクストルージョンコート法により積層する場合の、炭酸ガス吸着層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜50g/10分が好ましく、0.5〜30g/10分がより好ましい。なお、本明細書において、MFRとはJIS K7210に準拠した手法から測定された値である。
MFRが0.2g/分未満、又は50g/分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
インフレーション法を用いる場合の、炭酸ガス吸着層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜10g/10分が好ましく、0.2〜9.5g/10分がより好ましい。
MFRが0.2g/10分未満、又は10g/10分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
<炭酸ガス発生抑制層>
炭酸ガス発生抑制層は、酸素吸収剤と、酸素吸収剤を分散させて保持するための酸素吸収剤分散樹脂を含有する層である。
炭酸ガス発生抑制層は、1層で構成されていてもよく、酸素吸収剤等の種類や濃度の異なる多層で構成されていてもよい。
炭酸ガス発生抑制層はヒートシール性を有していなくともよく、有していてもよい。
炭酸ガス発生抑制層は、さらに、滑剤、酸化防止剤、アンチブロック剤、その他の添加剤を含むことができる。
炭酸ガス発生抑制層の厚さは、1μm以上、60μm以下が好ましく、5μm以上、50μm以下がより好ましい。上記範囲よりも薄いと、充分な炭酸ガス発生抑制効果を発揮し難くなり易く、上記範囲より厚くても、炭酸ガス発生抑制効果があまり変わらず、炭酸ガス発生抑制層の形成性が低下し、コストが増大する。
[酸素吸収剤]
炭酸ガス発生抑制層に含有される酸素吸収剤は、酸素吸収性金属酸化物、酸素吸収性無機系混合物、酸素吸収性有機系混合物からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
炭酸ガス発生抑制層中の酸素吸収剤の含有量は、0.5質量%以上、40質量%以下が好ましく、1質量%以上、35質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも少ないと、充分な炭酸ガス発生抑制効果を発揮し難くなり易く、上記範囲より多いと、含有量が多い割には炭酸ガス発生抑制効果が向上せず、炭酸ガス発生抑制層の形成性が低下し、コストが増大する。
酸素吸収性金属酸化物としては、具体的には、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることが好ましい。
酸素吸収性無機系混合物は、還元鉄とハロゲン化金属を含有する混合物が好ましい。ハロゲン化金属の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウムなどのアルカリ金属系ハロゲン化物、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、などのアルカリ土類金属系ハロゲン化物、並びに塩化銀、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銅、臭化亜鉛、臭化スズ、臭化マンガン、臭化鉄、臭化銅が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることが好ましい。これらの中でも、塩化ナトリウムを用いることがより好ましい。
還元鉄の含有量は、炭酸ガス発生抑制層中の樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上、200質量部以下が好ましい。
ハロゲン化金属の含有量は、炭酸ガス発生抑制層の樹脂成分100質量部に対して、0.001質量部以上、60質量部以下が好ましい。
上記範囲よりも少なくても、多くても、充分な酸素吸収効果を発揮し難くなり易い。
酸素吸収性有機系混合物は、アスコルビン酸と遷移金属触媒と有機樹脂とを含有する混合物である。アスコルビン酸は、自らが酸素と結合して酸化されることによって酸素を消
費する作用を奏する。
遷移金属触媒は、上記のアスコルビン酸の酸化を促進する触媒であり、後周期遷移金属元素を含むものが好ましい。具体的には、Co、Ni、Pd、Ru、Ag、Ptから選ばれる1種または2種以上を含むことが好ましい。
有機樹脂には、アスコルビン酸と遷移金属触媒を分散して、酸素吸収性有機系混合物を形成し得るものであれば特に制限は無く、公知公用の樹脂を用いることができる。具体的には、MXD6ナイロン等のエチレン性不飽和炭化水素、シクロヘキセン基含有樹脂等が挙げられる。
[酸素吸収剤分散樹脂]
炭酸ガス発生抑制層に含有される酸素吸収剤分散樹脂は、酸素吸収剤を分散して、炭酸ガス発生抑制層を形成し得るものであれば特に制限は無く、公知公用の樹脂を用いることができる。
炭酸ガス発生抑制層がヒートシール性を有する場合には、酸素吸収剤分散樹脂はヒートシール性樹脂を含有することが好ましい。
良好なヒートシール性と炭酸ガス発生抑制剤の分散性を得る為には、ヒートシール性樹脂はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の低溶出化されたもの及びそれらの樹脂の混合物が挙げられる。
上記の中でも、ポリエチレン系の樹脂が好ましく、ポリエチレン系の樹脂の中でも、LLDPEがより好ましい。
[酸素吸収剤の分散方法]
酸素吸収剤を酸素吸収剤分散樹脂中に分散させる方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。
酸素吸収剤を直接、酸素吸収剤分散樹脂と混合して混練することも可能であり、或いは、酸素吸収剤を高濃度で熱可塑性樹脂と混合した後に溶融混練(メルトブレンド)してマスターバッチを作製し、これを、目標含有率に応じた比率で、酸素吸収剤分散樹脂と混合、溶融混練する、いわゆるマスターバッチ方式によっても可能である。
マスターバッチ方式の場合には、凝集が発生し易い酸素吸収剤と酸素吸収剤分散樹脂の組み合わせであっても、効率的に、均質に分散させることができる。
マスターバッチ中の、酸素吸収剤の含有率は、0.5質量%以上、65質量%以下が好ましく、1質量%以上、60質量%以下がより好ましい。
マスターバッチに用いる熱可塑性樹脂としては、汎用のポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。
この際、マスターバッチ中の熱可塑性樹脂は、酸素吸収剤分散樹脂と同一であっても、異なっていてもよく、目的に応じて異なる種類の樹脂を大きな悪影響を与えない範囲内で組み合わせることが可能である。
例えば、酸素吸収剤分散樹脂と同一の樹脂をマスターバッチに用いていれば、炭酸ガス発生抑制層は均質になり易く、良好な、製膜性、ヒートシール性、層間接着強度、炭酸ガス吸着性を、効率的に得ることが可能である。
[炭酸ガス発生抑制層の形成方法]
本発明において、炭酸ガス発生抑制層または炭酸ガス発生抑制層を構成する各層の製膜、積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法、積層方法を適用することができる。
炭酸ガス発生抑制層を、押出しまたは共押出しで、他の層上に、エクストルージョンコート法で積層したり、インフレーション法やキャスト法により製膜後に接着層を介して積層したりすることもできる。エクストルージョンコート法の場合でも、必要に応じて接着層を介して、積層してもよい。
または、予め製膜された炭酸ガス発生抑制層用のフィルムを、エクストルージョンコート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等により積層された接着層を介して積層、接着してもよい。
エクストルージョンコート法により積層する場合においては、まず、炭酸ガス発生抑制層を形成する樹脂組成物を加熱して溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に(共)押出し、該溶融樹脂を被積層面上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、炭酸ガス発生抑制層の形成と、被積層面への積層および接着や、炭酸ガス発生抑制層を構成する各層間の積層および接着等を、同時に行うことができる。
エクストルージョンコート法により積層する場合の、炭酸ガス発生抑制層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜50g/10分が好ましく、0.5〜30g/10分がより好ましい。
MFRが0.2g/分未満、又は50g/分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
インフレーション法を用いる場合の、炭酸ガス発生抑制層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜10g/10分が好ましく、0.2〜9.5g/10分がより好ましい。
MFRが0.2g/10分未満、又は10g/10分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
<バリア層>
バリア層は、酸素、水、光等に対するバリア性を有する層である。包装体内に外部からこれらが浸入することを抑制する層であり、内容物からの炭酸ガスの発生や、その他の劣化を抑制することができる。
バリア層には、バリア性樹脂塗膜、金属箔、金属蒸着層付き樹脂フィルム、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムからなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
バリア性樹脂塗膜としては、金属アルコキシドと水溶性高分子とから形成されたゾルゲル法加水分解重縮合物を含有する塗膜が好ましく、金属箔としてはアルミニウム箔が好ましく、金属蒸着層付き樹脂フィルムとしてはアルミニウム蒸着膜付き樹脂フィルムが好ましく、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムとしては酸化アルミニウム蒸着膜付き樹脂フィルムが好ましい。
商業的にも入手可能な酸化アルミニウム蒸着膜付き樹脂フィルムとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB−PET−PIR(厚さ12μm)、シリカ蒸着IB−ON−UB(厚さ15μm)が挙げられる。
バリア層用の金属箔、金属蒸着層付き樹脂フィルム、または金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムは、ドライラミネート接着剤を用いて、他の層と接着することができる。
あるいは、金属蒸着層付き樹脂フィルムまたは金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムの樹
脂フィルムに、基材層用の樹脂フィルムを用いて、基材層への積層を省略することもできる。
<ヒートシール層>
ヒートシール層は、1種または2種以上のヒートシール性樹脂を含む層であり、加熱によって接着することができる層である。
ヒートシール層は、積層体がヒートシール性を有する為に、積層体の最表面に積層されていることが好ましい。
ヒートシール層に含有されるヒートシール性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、α−オレフィン共重合体、アイオノマー樹脂、およびこれらの1種または2種以上を混合した樹脂、あるいはそれら樹脂のフィルムを用いることができる。
ヒートシール層は、単層であってもよく、2層以上の多層構成であってもよい。多層構成の場合には、それぞれの層の組成が同一であってもよく、異なっていてもよく、ヒートシール性樹脂のみからなる層や、ヒートシール性樹脂を含まない層を含むこともできる。
また、ヒートシール層は、種々の機能を備えた機能層や、接着剤層を、更に含むこともできる。
また、ヒートシール層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤、顔料、滑剤、充填剤、補強剤、改質用樹脂等の種々の無機又は有機添加剤等の1種ないし2種以上を、適宜含有することができる。その含有率としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に含有することができる。
本発明において、ヒートシール層またはヒートシール層を構成する各層の製膜、積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法、積層方法を適用することができる。
ヒートシール層を、押出しまたは共押出しで、他の層上に、エクストルージョンコート法で積層したり、インフレーション法やキャスト法により製膜後に接着層を介して積層したりすることもできる。エクストルージョンコート法の場合でも、必要に応じて接着層を介して、積層してもよい。
または、予め製膜されたヒートシール層用のフィルムを、エクストルージョンコート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等により積層された接着層を介して積層、接着してもよい。
エクストルージョンコート法により積層する場合においては、まず、ヒートシール層を形成する樹脂組成物を加熱して溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に(共)押出し、該溶融樹脂を被積層面上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、ヒートシール層の形成と、被積層面への積層および接着や、ヒートシール層を構成する各層間の積層および接着等を、同時に行うことができる。
エクストルージョンコート法により積層する場合の、ヒートシール層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜50g/10分が好ましく、0.5〜30g/10分がより好ましい。
MFRが0.2g/分未満、又は50g/分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
インフレーション法を用いる場合の、ヒートシール層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜10g/10分が好ましく、0.2〜9.5g/10分がより好ましい。
MFRが0.2g/10分未満、又は10g/10分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
<<炭酸ガス吸収包装材料>>
本発明の炭酸ガス吸収包装材料は、本発明の炭酸ガス吸収積層体から作製される包装材料であり、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の包装材料であり、用途や必要に応じて、炭酸ガス吸収積層体に様々な層を積層して作製することもできる。
<<バルブレス炭酸ガス吸収包装体>>
本発明のバルブレス炭酸ガス吸収包装体は、本発明の炭酸ガス吸収包装材料から作製される包装体であり、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の包装体である。
従来の炭酸ガスを多量に発生させる内容物を収容する為の包装体は、包装体内部に高圧に充満した炭酸ガスを排気する為のガス抜けバルブを有している。
これに対して、本発明のバルブレス炭酸ガス吸収包装体は、包装体は充満したガスを排気する為のガス抜けバルブを有していないバルブレスの包装体である。
ガス抜けバルブには、例えば、シール型アウターバルブやボタン型インナーバルブがある。
これらのガス抜けバルブは、内容物から発生した炭酸ガスによって、包装体内部が包装体外部よりも高圧になった時に、弁として機能して、包装体内部に充満した炭酸ガスを含む高圧空気を外部に排出して、包装袋内部の気圧を外部と同等になるように調節する働きをする。
本発明のバルブレス炭酸ガス吸収包装体は、内容物である焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物からの炭酸ガスの発生を抑制し、且つ発生した炭酸ガスを吸収して、炭酸ガス発生量を低減することができることによって、包装体内部が包装体外部よりも高圧になることを防ぐことができ、ガス抜けバルブを必要としない。
バルブレス炭酸ガス吸収包装体がガス抜けバルブを必要としないことによって、内容物である焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物の香気や風味が包装袋外部に散逸されることが防止でき、また、包装体外部から酸素や水分やその他異物がガス抜けバルブを逆流して浸入する虞も無く、さらには、包装材料および/または包装体の構成を簡素化でき、原材料の削減、製造工程の簡略化、コスト削減が可能になる。
<<バルブレス炭酸ガス吸収包装袋>>
本発明のバルブレス炭酸ガス吸収包装袋は、本発明のバルブレス炭酸ガス吸収包装体の一形態として、袋状に製袋されたものであり、バルブレス炭酸ガス吸収包装体と同様に、ガス抜けバルブを有していない。
製袋方法としては、例えば、本発明の炭酸ガス吸収包装材料を、シーラント層同士を対向させて重ね合わせ、その周辺端部を例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールすることにより作製することができる。
ヒートシールの方法としては、例えばバーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知方法を適用することができる。
<<バルブレス炭酸ガス吸収パウチ袋>>
本発明のバルブレス炭酸ガス吸収パウチ袋は、本発明のバルブレス炭酸ガス吸収包装袋
の一形態として、パウチ袋状に製袋されたものであり、バルブレス炭酸ガス吸収包装袋と同様に、ガス抜けバルブを有していない。
<原材料>
本実施例で用いた主な原材料は下記の通り。但し。「平均粒子径20μm以下」と記載しているものは、目開き20μmのステンレス篩による篩い分けを実施して得たものである。
[炭酸ガス吸着剤]
・炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物1:井上満吉商店(株)社製、水酸化カルシウム(小粒径)、平均粒子径10μm以下。
・炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物3:神島化学工業(株)社製、水酸化マグネシウム(小粒径)。平均粒子径10μm以下。
[吸水剤]
・高吸水性樹脂1:日本触媒(株)社製アクアリックFH。ポリアクリル酸ナトリウム、pH:9.5(0.1%aq)、平均粒子径20μm以下。
・潮解性化合物1:仁尾興産(株)社製塩化マグネシウム:。平均粒子径20μm以下。・親水性ゼオライト1:ミズカシーブス5AP:水澤化学工業(株)製。SiO2/AL23モル比=2/1、平均粒子径5μm。
[反応促進剤]
・反応促進剤1:和光純薬工業(株)社製、塩化リチウム。平均粒子径20μm以下。
[酸素吸収剤]
(酸素吸収性金属酸化物)
・酸素吸収性金属酸化物1:酸化セリウム。平均粒子径20μm以下。
(酸素吸収性無機系混合物)
・還元鉄1:平均粒子径20μm以下。
・ハロゲン化金属1:塩化ナトリウム。平均粒子径20μm以下。
[その他]
・LDPE1:日本ポリエチレン(株)社製LDPE、ノバテックLC600A。MFR6.0g/10分。
・LLDPE1:プライムポリマー(株)社製LLDPE、エボリューSP2020。MFR2.0g/10分。
・PETフィルム1:東洋紡(株)社製2軸延伸PETフィルム、E5100。12μm厚。
・アルミニウム箔1:東洋アルミニウム(株)社製アルミニウム箔、1N30。7μm厚。
・DL接着剤1:ロックペイント(株)社製ドライラミネート用接着剤、RU−004/H−1。
<酸素吸収性無機系混合物の調製>
下記の原料をドライブレンドして、粒状の酸素吸収性無機系混合物1を得た。
還元鉄粉 100重量部
塩化ナトリウム 3重量部
<マスターバッチの調製>
[マスターバッチ1(MB1)の調整]
炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物1と、LDPE1とを下記の割合でメルトブレンドし、マスターバッチ1(MB1)を得た。
炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物1 40質量部
LDPE1 60質量部
[マスターバッチ2〜8(MB2〜8)の調整]
表1に記載された配合に従って、マスターバッチ1と同様に操作して、メルトブレンドし、マスターバッチ2〜8(MB2〜8)を得た。
Figure 2020163744
<実施例1>
<炭酸ガス吸収積層体の作製>
[炭酸ガス吸収層用樹脂組成物1の調整]
上記で得たマスターバッチのMB1、3、5を下記の割合でドライブレンドして、炭酸ガス吸収層用樹脂組組成物1を調製した。
MB1 35質量部
MB3 35質量部
MB5 5質量部
LLDPE1 25質量部

[炭酸ガス発生抑制層用樹脂組組成物1の調整]
上記で得たマスターバッチのMB6とLLDPE1を下記割合でドライブレンドして、炭酸ガス発生抑制層用樹脂組組成物1を調整した。
MB6 25質量部
LLDPE1 75質量部
上記で得た炭酸ガス吸収層用樹脂組成物1と炭酸ガス発生抑制層用樹脂組組成物1とLLDPE1とを、180℃でインフレーション製膜によって積層して、下記4層構成のシーラントフィルム1を作製した。
ヒートシール層1(10μm)/炭酸ガス吸収層(25μm)/炭酸ガス発生抑制層(25μm)/ヒートシール層2(10μm)
次いで、PETフィルム1と、アルミニウム箔1と、上記で得たシーラントフィルム1とを、DL接着剤1を介してドライラミネート法により積層して、下記層構成の炭ガス吸収積層体を作製した。
得られた積層体を包装材料として用いて、製膜性、シール強度、吸着効果について評価した。
PETフィルム1(12μm)/DL接着剤1(3g/m2)/アルミニウム箔1(7μm)/DL接着剤1(3g/m2)/[ヒートシール層1(10μm)/炭酸ガス吸
収層(25μm)/炭酸ガス発生抑制層(25μm)/ヒートシール層2(10μm)]
[実施例2〜12]
表2〜表4の記載に従って、炭酸ガス吸収層と炭酸ガス発生抑制層を選択して、実施例1と同様に操作して、炭酸ガス吸収積層体を作製し、同様に評価した。
[比較例1]
炭酸ガス吸収層と炭酸ガス発生抑制層を形成せず、70μm厚のLLDPE1のみでシーラントフィルムを作製したこと以外は、実施例1と同様に実施して、積層体を得て、同様に評価した。
[比較例2]
炭酸ガス吸収層用樹脂組組成物を下記配合で調整し、炭酸ガス発生抑制層を形成せずに積層体を作製したこと以外は、実施例1と同様に評価した。
[炭酸ガス吸収層形成組成物]
マスターバッチ1 35質量部
LLDPE1 65質量部
<評価結果まとめ>
実施例1〜12の積層体は、良好な製膜性を示し、良好なヒートシール性、製袋性と、低い炭酸ガス発生量を示した。
シーラント層に炭酸ガス吸収層と炭酸ガス発生抑制層を有さ無い比較例1の積層体、及びシーラント層が炭酸ガス吸収層のみを有し、炭酸ガス発生抑制層を有していない比較例2の積層体は、高い炭酸ガス発生量を示した。
<評価方法>
[製膜性]
積層体の外観を肉眼で観察し、不良の有無を下記評価基準で評価した。
○:積層体に皺やぶつが無かった。
△:積層体に皺やぶつが少量有った。
×:積層体に皺やぶつが多く有った。
[ヒートシール性]
積層体を10cm×10cmに切り分け、半分に折ってシーラント面を重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP−701−A)を用いて、端部はヒートシールせずに二股に分かれている状態に残るように、1cm×10cmの領域を下記条件でヒートシールし、さらに、15mm幅で短冊状に切断して、試験片を作製した。
そして、試験片の二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して、下記条件で引張強度(N/15mm)を測定し、下記合否判定基準で評価した。
ヒートシール条件
温度:180℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
引張強度試験条件:100N
合否判定
○:引張強度が25N/15mm以上であり、合格。
×:引張強度が25N/15mm未満であり、不合格。
[炭酸ガス発生量]
積層体から下記条件でシール巾10mmで四方シールしてA4サイズのパウチ袋を作製
し、パウチ袋中に100gの焙煎済み物珈琲豆の粉粒化品をヘッドスペースが無いように封入をした。
そして、45℃環境下で7日間保存し、炭酸ガス発生量を測定した。
ヒートシール条件
温度:180℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
Figure 2020163744
Figure 2020163744
Figure 2020163744
1 炭酸ガス吸収積層体、炭酸ガス吸収包装材料
2 基材層
3 炭酸ガス吸収層
4 炭酸ガス発生抑制層
5 バリア層
6 ヒートシール層

Claims (11)

  1. 少なくとも、基材層と、炭酸ガス吸収層と、炭酸ガス発生抑制層とを有する、包装材料用の炭酸ガス吸収積層体であって、
    該包装材料は、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物を包装するためのものであり、
    該炭酸ガス吸収層は、炭酸ガス吸着剤と、炭酸ガス吸着剤分散樹脂と、吸水剤と、反応促進剤とを含有し、
    該炭酸ガス吸着剤は、炭酸ガス吸収性アルカリ金属化合物および/または炭酸ガス吸収性アルカリ土類金属化合物を含有し、
    該吸水剤は、高吸水性樹脂、潮解性化合物、親水性ゼオライト、シリカゲルからなる群から選ばれる1種または2種以上であり、
    該反応促進剤は、LiCl、LiOH、NaCl、KClからなる群から選ばれる1種または2種以上を含み、
    該炭酸ガス発生抑制層は、酸素吸収剤と、酸素吸収剤分散樹脂とを含有し、
    該酸素吸収剤は、酸素吸収性金属酸化物、酸素吸収性無機系混合物、酸素吸収性有機系混合物からなる群から選ばれる1種または2種以上であり、
    該酸素吸収性金属酸化物は、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上であり、
    該酸素吸収性無機系混合物は、還元鉄とハロゲン化金属を含有し、
    該酸素吸収性有機系混合物は、アスコルビン酸、MXD6ナイロン、エチレン性不飽和炭化水素、シクロヘキセン基含有樹脂、および遷移金属触媒を含有し、
    該遷移金属触媒は、後周期遷移金属元素を含むことを特徴とする、炭酸ガス吸収積層体。
  2. 前記炭酸ガス吸着剤分散樹脂および/または前記酸素吸収剤分散樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であり、
    炭酸ガス吸収層および/または炭酸ガス発生抑制層が、ヒートシール性を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の炭酸ガス吸収積層体。
  3. 基材層と、炭酸ガス吸収層および炭酸ガス発生抑制層との間に、さらに、バリア層を有し、
    該バリア層は、バリア性樹脂塗膜、金属箔、金属蒸着層付き樹脂フィルム、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の炭酸ガス吸収積層体。
  4. 前記炭酸ガス吸収層が、前記炭酸ガス発生抑制層よりも、基材層側に積層されていることを特徴とする、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の炭酸ガス吸収積層体。
  5. 前記炭酸ガス発生抑制層が、前記炭酸ガス吸収層よりも、基材層側に積層されていることを特徴とする、
    請求項1〜4の何れか1項に記載の炭酸ガス吸収積層体。
  6. 前記炭酸ガス吸収層中の前記炭酸ガス吸着剤の含有量が、0.5質量%以上、50質量%以下であり、
    前記炭酸ガス発生抑制層中の前記酸素吸収剤の含有量が、0.5質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1〜5の何れか1項に記載の炭酸ガス吸収積層体。
  7. 前記炭酸ガス吸収積層体の、基材層とは反対側の面の表面に、さらにヒートシール層が積層されていることを特徴とする、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の炭酸ガス吸収積層体。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載された炭酸ガス吸収積層体からなる、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、炭酸ガス吸収包装材料。
  9. 請求項8に記載された炭酸ガス吸収包装材料から作製された、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、バルブレス炭酸ガス吸収包装体。
  10. 請求項8に記載された炭酸ガス吸収包装材料から作製された、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、バルブレス炭酸ガス吸収包装袋。
  11. 請求項8に記載された炭酸ガス吸収包装材料から作製された、焙煎済みコーヒー豆またはその粉粒化物用の、バルブレス炭酸ガス吸収パウチ袋。
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