JP2020158680A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
このような帯電防止性に優れる塗膜を形成できる組成物として、特許文献2には、特定の2種類の樹脂を含む組成物が開示されている。
しかし、従来の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、前述の自浄作用を有しておらず、長期にわたって優れた耐汚染性を維持できる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は実用化されていなかった。
本発明の構成例は以下の通りである。
[3] 前記アニオン(A2)が、エチレン性不飽和結合を有さず、かつ、オキシアルキレン構造を有する、[2]に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
[8] 基材と、[7]に記載の塗膜とを含む、塗膜付き基材。
また、本発明によれば、前記耐汚染性として、親水性表面による耐汚染性および帯電しにくいことによる耐汚染性を併有し、さらに、耐温水性に優れる塗膜を形成することができる。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(以下「本組成物」ともいう)は、エチレン性不飽和基を有するイオン性化合物(A)(以下「成分(A)」ともいう。他の成分についても同様。)、ポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリレート(B)、ウレタン(メタ)アクリレート(C)および重合開始剤(D)を含有する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを表し、同様の記載もこれに準ずる。
この場合、本組成物は、耐候性および耐汚染性に優れる高光沢な塗膜を形成できるため、これらの効果がより発揮されるよう、基材上に塗膜を形成する際の最外層(最上層)の塗膜を形成するための組成物であることが好ましい。
前記成分(A)は特に制限されず、イオン性化合物を構成するカチオンとアニオンのいずれかがエチレン性不飽和基を有する化合物であればよい。
このような成分(A)を用いることで、帯電しにくく、埃等の付着を防止する耐汚染性に優れる塗膜を容易に得ることができ、また、このような成分(A)は、ブリードアウトし難いため、長期にわたり所望の効果を奏する塗膜を容易に得ることができる。
成分(A)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
このような成分(A)を用いることで、基材に対する密着性、長期にわたる耐候性、親水性表面による耐汚染性、および、帯電しにくいことによる耐汚染性にバランスよく優れる塗膜をより容易に形成することができる。
R1−Aax+ ・・・(1)
含窒素カチオンとしては、例えば、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピラジニウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、トリアゾリウムカチオン、トリアジニウムカチオン、キノリニウムカチオン、イソキノリニウムカチオン、インドリニウムカチオン、キノキサリニウムカチオン、オキサゾリニウムカチオン、チアゾリニウムカチオン、モルホリニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、アクリジニウムカチオン、ジアゾニウムカチオン、ヒンダードアミン構造を有するカチオンが挙げられる。
含硫黄カチオンとしては、例えば、スルホニウムカチオン、チオフェニウムカチオン、チオモルホリニウムカチオン、チオキソニウムカチオン、スルホキソニウムカチオン、チアンスレニウムカチオンが挙げられる。
含リンカチオンとしては、例えば、ホスホニウムカチオンが挙げられる。
含酸素カチオンとしては、例えば、オキソニウムカチオン、ピリリウムカチオンが挙げられる。
含ハロゲンカチオンとしては、例えば、ヨードニウムカチオンが挙げられる。
これらの中でも、耐汚染性により優れる塗膜を容易に得ることができる等の点から、含窒素カチオンが好ましく、含窒素オニウムカチオンが好ましく、アンモニウムカチオン、ヒンダードアミン構造を有するカチオンがより好ましく、アンモニウムカチオンが特に好ましい。
前記式(2)中、R15は、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、または、該炭化水素基の少なくとも1つの炭素原子を酸素原子に置き換えた基であり、好ましくは、水素原子、炭素数1〜8の鎖状もしくは環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアリールアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアシル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜5のアシル基である。
なお、式(2)中の左の「―」は、前記式(1)のR1に結合する結合手である。
該R16は独立して、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、または、該炭化水素基の少なくとも1つの炭素原子を酸素原子に置き換えた基であり、好ましくは、水素原子、炭素数1〜8の鎖状もしくは環状のアルキル基またはアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアリールアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアシル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜5のアシル基である。
該エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、プロペニル基、(メタ)アクリロイル基((メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基等を含む)等のエチレン性不飽和基が挙げられる。これらの中でも、活性エネルギー線硬化性および成分(B)や(C)との共重合性に優れる等の点から、好ましくはプロペニル基、(メタ)アクリロイル基である。
前記R2は、前記エチレン性不飽和基である。
前記R3は、炭素数1〜120の炭化水素基、または、該炭化水素基の少なくとも1つの炭素原子を酸素原子に置き換えた基であり、−R3−は、好ましくは、−R4−、−O−(AO)n−、−R4−O−(AO)n−、−O−(AO)n−R4−[R4は独立して、炭素数1〜18のアルケニル基であり、該炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4である。Aは独立して、炭素数2〜6のアルケニル基であり、該炭素数は、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3である。nは1〜20である。]である。
Ab1 y- ・・・(3)
R5−(Ab2 y-)z ・・・(4)
なお、前記xとz×yとは、同じであっても、異なっていてもよいが、異なる場合、成分(A)全体として電気的に中性になるように、カチオンやアニオンの個数が調整される。
なお、前記アニオン(A2)は、末端に前記アニオン(Ab2 y-)を有するポリオキシアルキレン構造を2個以上有すること、すなわち前記式(4)においてzが2以上であるアニオンであることも好ましい。
また、「ポリオキシアルキレン構造」は、−(AO)n−で表される構造のことをいい、該Aは前記と同義であり、該nは平均付加数を表し(以下「平均付加数n」ともいう。)、1を超える値である。なお、ポリオキシアルキレン構造に含まれる複数のAはそれぞれ、同一でも、異なっていてもよい。
前記平均付加数は、核磁気共鳴装置(NMR)、ガスクロマトグラフィー(GPC)等を用いて測定することができる。
前記成分(B)は、成分(A)および(C)以外の化合物であり、前記−(AO)n−で表される構造を有する(メタ)アクリレートであれば特に制限されないが、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートおよびブチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが好ましい。
このような成分(B)を用いることで、親水性表面による耐汚染性、および、帯電しにくいことによる耐汚染性に優れる塗膜をより容易に形成することができる。
成分(B)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記成分(C)は、成分(A)以外の化合物であれば特に制限されないが、例えば、1種または2種以上のジイソシアネートと、1種または2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートと、必要に応じて、1種または2種以上のジオールとを反応させることによって得られる化合物が挙げられる。
成分(C)は、親水性、帯電防止性、耐温水性および耐候性にバランスよくより優れる塗膜を容易に得ることができる等の点から、ポリオキシアルキレン構造を有するウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。このようなウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、前記水酸基含有(メタ)アクリレートや、ジオールとして、前記−(AO)n−で表される構造を有する化合物を用いることで得ることができ、また、前記反応後の化合物を、従来公知の方法で、アルキレンオキサイド変性することで得ることもできる。
成分(C)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
これらの中でも、イソシアネート基含有脂環式炭化水素が好ましく、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネートがより好ましく、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
これらの中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
これらの中でも、ポリオキシテトラメチレングリコールが好ましい。
前記成分(D)としては特に制限されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
成分(D)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;
ベンジルジメチルケタール(別名、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、ジエトキシアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;
ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤;
などが挙げられる。
本組成物には、前記成分(A)〜(D)の他に、必要に応じて、成分(A)〜(C)以外のエチレン性不飽和基を有する化合物(E)、体質顔料、着色顔料、沈降防止剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有機溶剤等のその他の成分を用いることができる。
これらその他の成分はそれぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記成分(E)は、分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有していればよく、ポリマー、オリゴマー、モノマーのいずれであってもよい。なお、該成分(E)は、本組成物の粘度を低減でき、塗装性に優れる組成物を容易に得ることができる等の点から、モノマーであることが好ましい。
これらの中でも、粘度調整(ハンドリング)と硬化性の観点から、ヘキサンジオールジアクリレート、アクリロイルモルホリン、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の3官能以下のモノマーが好ましい。
前記体質顔料としては、タルク、ネフェリン閃長岩、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、マイカ等が挙げられ、また、前記着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄(弁柄)等が挙げられる。
これら体質顔料および着色顔料は、形成される塗膜への美観、下地隠ぺい性を付与できることが好ましい。
前記重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカルビトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、トリアジン骨格を有する化合物、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物等が挙げられる。また、前記光安定剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定剤が挙げられる。
これらの市販品としては、例えば、「TINUVIN400」、「TINUVIN405」、「TINUVIN460」、「TINUVIN479」(以上商品名、BASF社製)が挙げられる。
これらの市販品としては、例えば、「RUVA−93」(大塚化学(株)製)、「DAINSORB T−31」(大和化成(株)製)、「DAINSORB T−84」(大和化成(株)製)、「TINUVIN928」(BASF社製)が挙げられる。
これらの市販品としては、例えば、「TINUVIN292」、「TINUVIN144」、「TINUVIN123」(以上商品名、BASF社製)が挙げられる。
前記有機溶剤としては特に制限されないが、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、メトキシプロピルアセテートが挙げられる。
有機溶剤は、前述の各成分の混合物として本組成物に配合されてもよい。
本組成物は、有機溶剤を含まなくても十分な塗装性を有するため、環境保全や作業環境の安全性等の点から、特に、本組成物をサイディングボード等の外装建材に用いる場合、有機溶剤を含まないことが好ましいが、有機溶剤を含有する場合、有機溶剤の含有量が少ない低VOC組成物とすることが好ましく、具体的には、本組成物中のVOC含有量は、好ましくは30g/L以下、より好ましくは10g/L以下である。
本組成物は、成分(A)〜(D)および必要に応じて前記その他の成分を、ハイスピードディスパー等の混合機、分散機、攪拌機等を用いて混合(混練)することにで製造することができる。
この混合(混練)の際には、各成分を一度に添加・混合してもよく、複数回に分けて添加・混合してもよい。また、この混合(混練)は、季節、環境等に応じて加温、冷却等しながら行ってもよい。
本発明に係る塗膜(以下「本塗膜」ともいう。)は、前記本組成物を用いて形成され、具体的には、本組成物に活性エネルギー線を照射することで形成され、本発明に係る塗膜付き基材は、本塗膜と基材とを有する積層体である。
また、本発明に係る塗膜付き基材の製造方法は、本組成物を基材の少なくとも一部に設け、次いで、活性エネルギー線を照射する工程を含む。
なお、これらの基材は、予めシーラー層、下塗り層、中塗り層等が形成されていてもよい。
本組成物を基材に塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、スポンジロールコーター、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター、カーテンフローコーター、ナイフコーター、ダイコーター、エアースプレー、エアレススプレー、ローラー、刷毛塗りが挙げられる。
また、この硬化の際には、必要に応じて加熱等を行ってもよい。
容器に、Irgacure 184を6質量部、Irgacure TPOを0.5質量部、ハイドロキノンを0.02質量部、ビスコート#230を15質量部、GX8839を16質量部加え、ディスパーにて十分に撹拌した。そこに、CUV−174を56質量部、アミノイオンRE3000MAを4質量部、EFKA−2720を0.98質量部、TINUVIN 400を0.5質量部、TINUVIN 123を1質量部加え、十分に撹拌することで、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。
各成分の種類および配合量を、下記表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして各活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。
なお、表1中の各成分の欄の数値は、それぞれ質量部を示す。なお、表1に記載の各成分の説明を表2に示す。
重質珪酸カルシウム板(比重1.2)を熱風乾燥機(熱風温度100℃)で板面温度40〜45℃に昇温し、「C−10シーラー 3X−W」(中国塗料(株)製)と、「C−10NY 添加剤」(中国塗料(株)製)と、「ウレタン用シンナーBX」(中国塗料(株)製)とを、100:35:100の質量割合で混合撹拌した組成物を、前記重質珪酸カルシウム板の表面に、塗布量が90g/m2になるようにエアスプレーで塗布し、23℃で3分間乾燥した後、熱風乾燥機(熱風温度80℃)で10分間乾燥させることで、シーラー塗装板を作成した。
自動接触角計(「Drop Master DM500」、協和界面科学(株)製)を用いて、各試験体の塗膜表面の水に対する接触角の測定を行った。具体的には、各試験体に、水10μLを滴下し、滴下してから10秒後の水の接触角を測定した。
下記評価基準に従って、塗膜の親水性を評価した。
・評価基準
○ : 水の接触角が20°未満
△ : 水の接触角が20°以上60°未満
× : 水の接触角が60°以上
各試験体上の塗膜の帯電防止性を評価するため、高抵抗率計「ハイレスターUP」((株)三菱化学アナリテック製)を用いて、印加電圧500Vにおける表面抵抗値(Ω/□)を測定し、下記評価基準に従って、塗膜の帯電防止性を評価した。
・評価基準
○ : 塗膜の表面抵抗値が1.0×1013(Ω/□)未満
× : 塗膜の表面抵抗値が1.0×1013(Ω/□)以上
塗膜の耐汚染性を評価するため、カーボン水溶液浸漬試験を行った。具体的には、以下のようにして試験を行った。
各試験体を5%カーボン水溶液に1分間浸漬した後、該水溶液から取り出し、1分間風乾した後、霧吹きで水を吹きかけることで洗浄した後、風乾した。分光測色計(「JP7100F」、JUKI電子工業(株)製)を用いて、前記風乾後の試験体の塗膜面と、カーボン水溶液に浸漬前の試験体の塗膜面との色差(ΔE)を測定し、下記評価基準に従って評価した。ΔEが1.0未満の場合を合格とする。
・評価基準
○ : ΔEが1未満
△ : ΔEが1以上2未満
× : ΔEが2以上
塗膜の重質珪酸カルシウム板(無機建材)への密着性を評価するため、JIS K 5600−5−6;1999に基づいて、以下のようにして試験を行った。具体的には、各試験体の塗膜面に、カッターで4mm幅、25マスの傷(重質珪酸カルシウム板に届く傷)を入れることで、クロスカットした試験体を作製し、この塗膜面に「セロテープ(登録商標)」を貼り付けた後、テープを剥離した。重質珪酸カルシウム板上に残存した塗膜の残存マス数により、下記評価基準に従って、塗膜の密着性を評価した。
・評価基準
○ : 残存マス数が24以上
△ : 残存マス数が20以上24未満
× : 残存マス数が20未満
塗膜の耐温水性を評価するため、耐温水試験を行った。具体的には、各試験体を60℃の温水に120時間浸漬した後、該温水から取り出し、塗膜面を軽く拭いた試験体を用いた以外は、前述の密着性と同様にして、温水に浸漬した後の塗膜の密着性を下記評価基準に従って評価した。
・評価基準
○ : 残存マス数が24以上
△ : 残存マス数が20以上24未満
× : 残存マス数が20未満
塗膜の耐候性を評価するため、アイスーパーUVテスターによる促進耐候性試験を行った。具体的には、以下の条件で耐候性試験を行った。
試験機:アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製、フィルター;WJ100−SUV、試験体面への放射照度;75mW/cm2、波長域;295〜450nm)
試験時間:750時間
試験サイクル;照射4時間→結露4時間(結露前後のシャワー30秒間)
平均湿度;照射時50%、結露時98%、
ブラックパネル温度;照射時63℃、結露時30℃
さらに、耐候性試験前後における塗膜のb*値を耐汚染性試験で用いた前記分光測色計を用いて測定し、その差(Δb*)を下記評価基準に従って評価した。
○ : 光沢保持率が85%以上
△ : 光沢保持率が70%以上85%未満
× : 光沢保持率が70%未満
○ : Δb*が1未満
△ : Δb*が1以上3未満
× : Δb*が3以上
Claims (9)
- エチレン性不飽和基を有するイオン性化合物(A)、ポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリレート(B)、ウレタン(メタ)アクリレート(C)および重合開始剤(D)を含有する、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 前記イオン性化合物(A)が、エチレン性不飽和結合を有するカチオン(A1)と、エチレン性不飽和結合を有さないアニオン(A2)とを含有する、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 前記アニオン(A2)が、エチレン性不飽和結合を有さず、かつ、オキシアルキレン構造を有する、請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 前記ウレタン(メタ)アクリレート(C)がポリオキシアルキレン構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 前記イオン性化合物(A)1質量部に対する、前記(メタ)アクリレート(B)の含有量が3.5〜70質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 外装用である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー硬化型樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物から形成された塗膜。
- 基材と、請求項7に記載の塗膜とを含む、塗膜付き基材。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を基材の少なくとも一部に設け、次いで、活性エネルギー線を照射する工程を含む、塗膜付き基材の製造方法。
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