JP2022039753A - 外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物およびその用途 - Google Patents

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圭佑 中谷
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Motohiro Ohashi
晴彦 高橋
Haruhiko Takahashi
和夫 牧
Kazuo Maki
大悟 下野
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Abstract

【課題】光や水に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下や変色が少なく、クラックが生じない、長期耐候性に優れる塗膜を形成可能な外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物を提供すること。【解決手段】イソホロンジイソシアネート(a1)と、水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを用いて得られ、イソシアヌレート骨格を有しないウレタン(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、および、光重合開始剤(C)を含有する外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物であって、前記(メタ)アクリレートモノマー(B)がポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を含む場合、該(メタ)アクリレート(b1)の含有量は、組成物の不揮発分100質量%に対し、15質量%以下である、外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物、塗膜、塗膜付き基材およびその製造方法に関する。
従来、サイディングボード等の外装建材には、溶剤系塗料や水性塗料が使用されてきた。しかしながら、溶剤系塗料は揮発性有機化合物(VOC)の含有量が多いため、環境保全や作業環境の安全性などの点から使用が制限され、また、水性塗料は、ロールコーターなどの塗装機によっては厚膜(例:50μm)の塗膜を形成することが困難であり、さらに、高光沢(高外観)の塗膜を形成することが困難であった。
このように、溶剤系塗料や水性塗料にはそれぞれ問題があるため、これらの代わりに、実質的に溶剤をほとんど含有しない非溶剤型とすることができ、美観(高光沢)に優れる塗膜を形成できる等の点から、活性エネルギー線硬化型塗料を用いることが検討されている。
前記サイディングボード等の外装建材に塗装される塗料には、耐候性に優れる塗膜を形成できることが要求される。
このような耐候性に優れる活性エネルギー線硬化型塗料として、特許文献1には、イソシアヌレートと、水酸基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物とからなるウレタンアクリレート樹脂と、酸素および/または窒素含有複素環を有するラジカル重合性単量体とを含有する塗料が記載されている。
特開2002-53774号公報
近年、外装建材に形成される塗膜には、より長期(例:10年以上)にわたる耐候性が求められるようになり、具体的には、光(紫外線)や水に長時間暴露されても光沢の低下や変色が少なく、クラックが生じない(耐クラック性に優れる)、長期耐候性に優れることが求められるようになっている。
しかしながら、前記特許文献1に記載されているような従来の活性エネルギー線硬化型塗料から形成される塗膜は、光や水に長時間暴露された場合、光沢の低下やクラックが生じることが分かり、これらの点で改良の余地があった。
本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、光や水に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下や変色が少なく、クラックが生じない、長期耐候性に優れる塗膜を形成可能な外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた結果、特定の組成物によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は以下の通りである。
[1] イソホロンジイソシアネート(a1)と、水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを用いて得られ、イソシアヌレート骨格を有しないウレタン(メタ)アクリレート(A)、
(メタ)アクリレートモノマー(B)、および、
光重合開始剤(C)
を含有する外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物であって、
前記(メタ)アクリレートモノマー(B)がポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を含む場合、該(メタ)アクリレート(b1)の含有量は、組成物の不揮発分100質量%に対し、15質量%以下である、
外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物。
[2] 前記ウレタンアクリレート(A)および前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が、ポリオキシアルキレン構造を有しない、[1]に記載の組成物。
[3] 前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が単官能モノマーを含む、[1]または[2]に記載の組成物。
[4] 塗料用である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の組成物から形成された塗膜。
[6] 基材と、[5]に記載の塗膜とを含む、塗膜付き基材。
[7] [1]~[4]のいずれかに記載の組成物を基材の少なくとも一部に設け、次いで、活性エネルギー線を照射する工程を含む、塗膜付き基材の製造方法。
本発明によれば、光や水に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下や変色が少なく、クラックが生じない、長期耐候性に優れる塗膜を形成可能な外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、厚膜にしてもクラックが生じず、高光沢の塗膜を形成することができる。
特に、本発明によれば、長時間(例:240時間)温水に接触させても耐水性に優れ(基材に対する密着性に優れ)、15年程度の紫外線暴露に相当する紫外線を照射(アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製)による促進耐候性試験の試験時間が1500時間)しても、クラックが生じず、光沢の低下や変色が少ない塗膜を形成することができる。
≪外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物≫
本発明に係る外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物(以下「本組成物」ともいう)は、
イソホロンジイソシアネート(a1)と、水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを用いて得られ、イソシアヌレート骨格を有しないウレタン(メタ)アクリレート(A)(以下「成分(A)」ともいう。他の成分についても同様。)、
(メタ)アクリレートモノマー(B)、および、
光重合開始剤(C)
を含有し、
前記(メタ)アクリレートモノマー(B)がポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を含む場合、該(メタ)アクリレート(b1)の含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、15質量%以下である。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを表し、同様の記載もこれに準ずる。
本組成物は、耐候性に優れる高光沢な塗膜を形成できるため、これらの効果がより発揮されるよう、基材上に塗膜を形成する際の最外層(最上層)の塗膜を形成するための組成物であることが好ましい。このように、最外層に塗膜を形成する場合、基材に直接該塗膜を形成してもよいが、通常、シーラー層、下塗り層、中塗り層および化粧層(例:着色層)等から選ばれる少なくとの1種の層を介して基材上に形成される。
本組成物は、塗装作業性に優れるため、塗料用の組成物、つまり塗料組成物であることが好ましい。
<ウレタン(メタ)アクリレート(A)>
前記成分(A)は、イソホロンジイソシアネート(a1)と、水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを用いて得られ、イソシアヌレート骨格を有しないウレタン(メタ)アクリレートである。
このような成分(A)を他の成分とともに用いることで、前記効果を奏する塗膜を形成することができる。特に、イソシアネートとして、脂環式イソシアネートであるイソホロンジイソシアネート(a1)を用いるため、紫外線に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下が少なく、クラックが生じない高光沢で耐候性に優れる塗膜を形成することができる。
また、イソホロンジイソシアネートは、イソシアヌレート骨格を有しておらず、脂環式骨格にイソシアネート基と、それとは化学構造の異なるイソシアネート含有基(-CH2-NCO)とが結合しており、このような化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレートでは、基材が収縮し得る外装建材に厚膜の塗膜を形成しても、光沢の低下が少なく、クラックが生じない高光沢で長期耐候性に優れる塗膜を形成することができる。
成分(A)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(A)は、長期耐候性、特に紫外線に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下が少ない塗膜を容易に形成することができる等の点から、ポリオキシアルキレン構造を有しないことが好ましい。
このような成分(A)は、該成分(A)を合成する際に、例えば、前記モノマー(a2)や下記ポリオール(a3)として、ポリオキシアルキレン構造、具体的には、-(AO)n-[Aは独立して、炭素数2~6のアルケニル基である。nは1を超える数であり、好ましくはnは2~30である。]で表される構造を有する化合物を用いないことで得ることができる。
前記光重合性不飽和基とは、光により重合反応する不飽和基を意味する。該光としては、例えば、可視光線や活性エネルギー線が挙げられる。
このような光重合性不飽和基としては、具体的には、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
成分(A)は、オリゴマーまたはポリマーであることが好ましく、オリゴマーであることがより好ましい。
成分(A)の原料モノマーは、イソホロンジイソシアネート(a1)と、水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを含めば特に制限されず、さらにポリオール(a3)を含んでいてもよく、ポリオール(a3)を含んでいることが好ましい。
成分(A)は、該原料モノマーを共重合することで合成することができ、また、市販品を用いてもよい。原料モノマーを共重合する際には、重合禁止剤、触媒等の公知の添加剤を用いてもよい。
前記モノマー(a2)としては、例えば、水酸基を1個有する単官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。このようなモノマー(a2)としては、炭素数2~20の炭化水素部位、または、該炭化水素部位の一部をハロゲン原子または酸素原子で置き換えた部位を有することが好ましい。ここで、炭化水素部位とは、直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基から選ばれる少なくとも1種を有する有機基をいい、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよい。
モノマー(a2)としては、ポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を用いないことが好ましい。
モノマー(a2)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
モノマー(a2)としては、具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、これら以外にも、(ポリ)カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の変性体を用いてもよい。
これらの中でも、2-ヒドロキシプロピルアクリレートが好ましい。
前記ポリオール(a3)としては、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等の公知のポリオールを用いることができ、具体的には、ポリカプロラクトンジオール、アルキレンポリオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
ポリオール(a3)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(A)の合成に用いる、モノマー(a2)の使用量は、前記イソホロンジイソシアネート(a1)100質量部に対し、通常10~300質量部、好ましくは50~150質量部であり、前記ポリオール(a3)を用いる場合には、該ポリオール(a3)の使用量は、前記イソホロンジイソシアネート(a1)100質量部に対し、通常10~300質量部、好ましくは30~120質量部である。
溶剤を使用しなくても塗装作業性に優れる本組成物を容易に得ることができる等の点から、成分(A)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常500~20,000、好ましくは600~8,000、より好ましくは650~4,000である。
溶剤を使用しなくても塗装作業性に優れる本組成物を容易に得ることができる等の点から、成分(A)のB型粘度計を用いて測定した25℃における粘度は、好ましくは500~50,000mPa・s、より好ましくは1,500~25,000mPa・s、特に好ましくは3,000~15,000mPa・sである。
本組成物中の成分(A)の含有量は、長期耐候性、特に紫外線に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下が少ない塗膜を容易に形成することができる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは20~80質量%、より好ましくは40~70質量%である。
なお、本発明において、不揮発分とは、溶剤以外の成分のことをいう。なお、本組成物の不揮発分とは、本組成物を硬化させたときに塗膜を構成する成分でもある。
<(メタ)アクリレートモノマー(B)>
前記成分(B)は、成分(A)以外の化合物であり、成分(B)が、ポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を含む場合、該(メタ)アクリレート(b1)の含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、15質量%以下である。
つまり、成分(B)は、
(I)ポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を含まない場合と、
(II)ポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を含む場合
の2つの態様があり、該(II)の場合、ポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)の含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、15質量%以下に限定され、長期耐候性、特に紫外線に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下が少ない塗膜を容易に形成することができる等の点から、好ましくは14.5質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。
成分(B)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(B)は、長期耐候性、特に紫外線に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下が少ない塗膜を容易に形成することができる等の点から、ポリオキシアルキレン構造、具体的には、-(AO)n-[Aは独立して、炭素数2~6のアルケニル基である。nは1を超える数であり、好ましくはnは2~30である。]を有しないことが好ましい。このような成分(B)は、前記(I)の場合、ポリオキシアルキレン構造を有するモノマーを含まないことを意味する。
成分(B)は、本組成物の粘度を下げ、塗装作業性を向上させることができ、被塗物、特に化粧層との密着性に優れる塗膜を容易に形成することができる等の点から、単官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
また、硬度や耐擦傷性に優れる塗膜を容易に形成することができる等の点から、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましく、2官能(メタ)アクリレート化合物と、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物とを併用することがより好ましい。
これらの効果が同時に発揮される等の点から、成分(B)は、単官能(メタ)アクリレート化合物と、2官能(メタ)アクリレート化合物と、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物とを併用することが特に好ましい。
・単官能(メタ)アクリレート化合物
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート(C12~C13、炭素数12のものと炭素数13のものの混合物を含む)、セチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-コハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-フタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンテレフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンテレフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-ヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタルフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(n≒2)モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー(n≒1.4)、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、用いる単官能(メタ)アクリレート化合物は1種でもよく、2種以上でもよい。
・2官能(メタ)アクリレート化合物
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリル酸安息香酸エステルが挙げられる。
これらの中でも、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
2官能(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、用いる2官能の(メタ)アクリレート化合物は1種でもよく、2種以上でもよい。
・3官能以上の(メタ)アクリレート化合物
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、用いる3官能以上の(メタ)アクリレート化合物は1種でもよく、2種以上でもよい。
ポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)としては、具体的には、例えば、アルキレンオキサイド変性の、具体的には、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性および/またはブチレンオキサイド変性の、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本組成物中の成分(B)の含有量は、長期耐候性、特に紫外線に長時間暴露された場合であっても、光沢の低下が少ない塗膜を容易に形成することができる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは5~70質量%、より好ましくは20~50質量%である。
本組成物が単官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合、その含有量は、被塗物、特に化粧層との密着性に優れる塗膜を容易に形成することができる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは5~65質量%、より好ましくは10~45質量%である。
本組成物が2官能(メタ)アクリレート化合物を含む場合、その含有量は、耐クラック性と硬度とにバランスよく優れる塗膜を容易に形成することができる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは1~65質量%、より好ましくは5~45質量%である。
本組成物が3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含む場合、その含有量は、耐クラック性と硬度とにバランスよく優れる塗膜を容易に形成することができる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは1~30質量%である。
<光重合開始剤(C)>
前記成分(C)としては特に制限されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
成分(C)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(C)としては、具体的には、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;
ベンジルジメチルケタール(別名、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン)、ジエトキシアセトフェノン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-トリクロロアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;
ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤;
などが挙げられる。
成分(C)の含有量は、被塗物に対する密着性および長期耐候性に優れる塗膜を容易に形成することができる等の点から、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは0.1~30質量%、より好ましくは1~20質量%である。
<その他の成分>
本組成物には、前記成分(A)~(C)の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、体質顔料、着色顔料、沈降防止剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有機溶剤等のその他の成分を用いることができる。
これらその他の成分はそれぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[体質顔料、着色顔料]
前記体質顔料としては、タルク、ネフェリン閃長岩、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、マイカ等が挙げられ、また、前記着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄(弁柄)等が挙げられる。
これら体質顔料および着色顔料は、形成される塗膜への美観、下地隠ぺい性を付与できることが好ましい。
体質顔料および着色顔料を用いる場合、その含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは1~30質量%、より好ましくは5~15質量%である。
[消泡剤]
本組成物は、気泡の発生を抑制し、得られる塗膜の外観を良好にすることができる等の点から、消泡剤を含むことが好ましい。
前記消泡剤としては、例えば、ポリマー系、アクリル系、シリコーン系、ミネラルオイル系、オレフィン系などの従来公知の各種消泡剤を使用することができるが、中でも、ポリマー系やオレフィン系の消泡剤が好ましい。
このような消泡剤としては、ビックケミー・ジャパン(株)製の「BYK-1788」、「BYK-1790」、「BYK-1794」;AFCONA ADDITIVE社製の「AFCONA-2290」;ExxonMobil Chemical Company製の「SpectraSyn 40」、「SpectraSyn Elite150」、「SpectraSyn Elite65」、BASF社製の「Efka PB 2720」等の商品が挙げられる。
消泡剤を用いる場合、その含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは0.0001~1質量%、より好ましくは0.01~0.5質量%である。
[レベリング剤]
本組成物には、該組成物を塗装した際の塗膜のハジキを改善して、被塗物面への濡れ性を向上させ、膜厚の均一な塗膜を容易に形成できる等の点から、レベリング剤を配合することが好ましい。該レベリング剤としては特に制限されないが、例えば、フッ素系、アクリル系、シリコーン系等の各種レベリング剤が挙げられる。
レベリング剤を用いる場合、その含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは0.005~1.5質量%、より好ましくは0.01~1質量%である。
[重合禁止剤]
前記重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p-t-ブチルカルビトール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール等が挙げられる。
重合禁止剤を用いる場合、その含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは0.005~1.5質量%である。
[紫外線吸収剤、光安定剤]
前記紫外線吸収剤としては、トリアジン骨格を有する化合物、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物等が挙げられる。また、前記光安定剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定剤が挙げられる。
前記トリアジン骨格を有する化合物としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-[イソオクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチルオキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2’-エチルヘキシルオキシ)プロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンが挙げられる。
これらの市販品としては、例えば、「TINUVIN400」、「TINUVIN405」、「TINUVIN460」、「TINUVIN479」(以上商品名、BASF社製)が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物としては、例えば、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(4-アリルオキシ-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールが挙げられる。
これらの市販品としては、例えば、「RUVA-93」(大塚化学(株)製)、「DAINSORB T-31」(大和化成(株)製)、「DAINSORB T-84」(大和化成(株)製)、「TINUVIN928」(BASF社製)が挙げられる。
前記ヒンダードアミン系の光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステルが挙げられる。
これらの市販品としては、例えば、「TINUVIN292」、「TINUVIN144」、「TINUVIN123」(以上商品名、BASF社製)が挙げられる。
紫外線吸収剤および光安定剤を用いる場合、その含有量は、本組成物の不揮発分100質量%に対し、好ましくは0.1~2質量%である。
[有機溶剤]
前記有機溶剤としては特に制限されないが、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、メトキシプロピルアセテートが挙げられる。
有機溶剤は、前述の各成分の混合物として本組成物に配合されてもよい。
本組成物は、有機溶剤を含まなくても十分な塗装作業性を有するため、環境保全や作業環境の安全性等の点から、特に、本組成物をサイディングボード等の外装建材に用いる場合、有機溶剤を含まないことが好ましいが、有機溶剤を含有する場合、有機溶剤の含有量が少ない低VOC組成物とすることが好ましく、具体的には、本組成物中のVOC含有量は、好ましくは30g/L以下、より好ましくは10g/L以下である。
<本組成物の製造方法>
本組成物は、成分(A)~(C)および必要に応じて前記その他の成分を、ハイスピードディスパー等の混合機、分散機、攪拌機等を用いて混合(混練)することにで製造することができる。
この混合(混練)の際には、各成分を一度に添加・混合してもよく、複数回に分けて添加・混合してもよい。また、この混合(混練)は、季節、環境等に応じて加温、冷却等しながら行ってもよい。
≪塗膜、塗膜付き基材および塗膜付き基材の製造方法≫
本発明に係る塗膜(以下「本塗膜」ともいう。)は、前記本組成物を用いて形成され、具体的には、本組成物に活性エネルギー線を照射することで形成され、本発明に係る塗膜付き基材は、本塗膜と基材とを有する積層体である。
また、本発明に係る塗膜付き基材の製造方法は、本組成物を基材の少なくとも一部に設け、次いで、活性エネルギー線を照射する工程を含む。
前記基材としては、例えば、珪酸カルシウム板、スレート板、繊維セメント板、軽量コンクリート板、モルタル板、石膏板、石材、ガラス、タイル、瓦、レンガ、窯業系サイディング材等の無機質基材、金属系サイディング材、鋼材、ステンレス材、アルミ材等の金属系基材、合成樹脂材、木材、紙等の有機質基材、および、これらの複合基材が挙げられる。
本組成物は、これらの中でも、無機質基材に好適に用いられ、無機質化粧板により好適に用いられる。
なお、これらの基材は、予めシーラー層、下塗り層、中塗り層、化粧層等が形成されていてもよい。
本組成物を基材の少なくとも一部に設ける方法としては特に制限されないが、本組成物を基材に塗布する方法、または、基材を本組成物に浸漬する方法が好ましい。
本組成物を基材に塗布する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、スポンジロールコーター、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター、カーテンフローコーター、ナイフコーター、ダイコーター、エアスプレー、エアレススプレー、ローラー、刷毛等を用いて塗布する方法が挙げられる。
前記活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線などの光線に加えて、X線、γ線などの電磁波、電子線、プロトン線、中性子線などが挙げられ、中でも、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格などの点から、紫外線が好ましい。
活性エネルギー線を照射して、本組成物を硬化させる方法としては、波長75~2,600nm程度の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、積算光量が30~3,000mJ/cm2となるように光を照射する方法などが挙げられる。
また、この硬化の際には、必要に応じて加熱等を行ってもよい。
本塗膜の膜厚は、所望の用途に応じて適宜選択すればよく、特に制限されないが、光や水に長時間暴露された場合であってもクラックが生じず、長期耐候性に優れる塗膜を容易に形成することができる等の点から、好ましくは5~100μm、より好ましくは10~60μmである。
本塗膜は、厚膜、好ましくは20μm以上、より好ましくは30~60μmの厚さの塗膜としても、耐クラック性、特に紫外線に長時間暴露された場合であっても耐クラック性に優れるため、長期にわたり所望の物性を基材に付与できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
攪拌装置、温度計、空気導入管を備えた200mL反応容器に、IPDIを36.4質量部、HPAを21.8質量部、プラクセルFA-2Dを28.1質量部、クラレポリオールを13.4質量部、MQを0.04質量部、グレックTLを0.3質量部添加し、80℃で5時間反応させることにより、ウレタンアクリレートオリゴマー(以下「ウレタンアクリレート1」ともいう。)を得た。
[合成例2、3、5、6]
表1に記載の各原材料を、該表に記載の量(質量部)で用いた以外は合成例1と同様にして、それぞれウレタンアクリレート2、3、5、6を合成した。
表1中の原材料の詳細を表2に示す。
[合成例4]
攪拌装置、温度計、空気導入管を備えた200mL反応容器に、IPDIを27.1質量部、HPAを23.3質量部、クラレポリオールを24.3質量部、MQを0.04質量部、グレックTLを0.3質量部添加し、80℃で5時間反応させることにより、ウレタンアクリレートオリゴマー(以下「ウレタンアクリレート4」ともいう。)を合成した。その後、2-EHAを25.0質量部加えてウレタンアクリレートオリゴマー溶液を調製した。
Figure 2022039753000001
Figure 2022039753000002
[実施例1]
容器に、Omnirad 184を6質量部、Omnirad TPOを0.5質量部、ハイドロキノンを0.02質量部、2-EHAを28質量部、ビスコート#230を8.5質量部、アロニックスM400を5質量部加え、ディスパーにて十分に撹拌した。そこに、合成例1で得られたウレタンアクリレート1を50質量部、DOWSILを0.05質量部、Efkaを0.1質量部、TINUVIN 400を0.5質量部、TINUVIN 123を1質量部加え、十分に撹拌することで、活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
[実施例2~8および比較例1~7]
各成分の種類および配合量を、下記表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして各活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
なお、表3中の各成分の欄の数値は、それぞれ質量部を示す。なお、表3に記載の各成分の説明を表4に示す。
[塗膜付き試験板の作製]
重質珪酸カルシウム板(比重1.2)を熱風乾燥機(熱風温度100℃)で板面温度40~45℃に昇温し、そこに、「C-10シーラー 3X-W」(中国塗料(株)製)と、「C-10NY 添加剤」(中国塗料(株)製)と、「ウレタン用シンナーBX」(中国塗料(株)製)とを、100:35:100の質量割合で混合撹拌した組成物を、塗布量が90g/m2になるようにエアスプレーで塗布し、23℃で3分間乾燥した後、熱風乾燥機(熱風温度80℃)で10分間乾燥させることで、シーラー塗装板を作成した。
続いて、前記シーラー塗装板の上に、「EPコート No.300-70 ホワイト」(中国塗料(株)製)と、「硬化剤73-E」(中国塗料(株)製)と、「ウレタン用シンナーA」(中国塗料(株)製)とを、80:10:80の質量割合で混合撹拌した組成物を、塗布量が150g/m2になるようにエアスプレーで塗布し、熱風乾燥機(熱風温度80℃)で10分間乾燥することで、中塗り塗装板を作成した。
前記中塗り塗装板に、スポンジロールコーター(「UV-N-1」、(株)望月機工作所製)を用いて、実施例1~8または比較例1~7で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、塗布量が45g/m2になるように塗布し、UV照射機(「コンベア式UV装置」、(株)GSユアサ製)および高圧水銀灯(80W/cm)を用いて、積算光量が500mJ/cm2になるように紫外線を照射することで、塗膜付き試験板を作製した。
<密着性>
塗膜の重質珪酸カルシウム板(外装建材)への密着性を評価するため、JIS K 5600-5-6;1999に基づいて、以下のようにして試験を行った。具体的には、各塗膜付き試験板の塗膜面に、カッターで4mm幅、25マスの傷(重質珪酸カルシウム板に届く傷)を入れることで、クロスカットした試験体を作製し、この塗膜面に「セロテープ(登録商標)」を貼り付けた後、テープを剥離した。重質珪酸カルシウム板上に残存した塗膜の残存マス数により、下記評価基準に従って、塗膜の密着性を評価した。
・評価基準
○ : 残存マス数が24以上
△ : 残存マス数が20以上24未満
× : 残存マス数が20未満
<耐温水性>
塗膜の耐水性を評価するため、耐温水試験を行った。具体的には、各塗膜付き試験板を60℃の温水に240時間浸漬した後、該温水から取り出し、塗膜面を軽く拭いた試験体を用いた以外は、前述の密着性と同様にして、温水に浸漬した後の塗膜の密着性を下記評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ : 残存マス数が25
○ : 残存マス数が24以上
△ : 残存マス数が20以上24未満
× : 残存マス数が20未満
<耐候性>
塗膜の耐候性を評価するため、塗膜付き試験板を用い、アイスーパーUVテスターによる促進耐候性試験を行った。具体的には、以下の条件で耐候性試験を行った。
試験機:アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製、フィルター;WJ100-SUV、塗膜面への放射照度;75mW/cm2、波長域;295~450nm)
試験時間:1500時間
試験サイクル;照射4時間→結露4時間(結露前後のシャワー30秒間)
平均湿度;照射時50%、結露時98%、
ブラックパネル温度;照射時63℃、結露時30℃
前記耐候性試験前後の塗膜の外観を目視にて確認し、下記評価基準に従って評価した。
・外観目視の評価基準
○ : 外観の異状なし
△ : 塗膜の一部で異状
× : 塗膜全面での異状
前記耐候性試験前の塗膜の光沢(初期光沢)を「GLOSSMETER」((株)村上色彩技術研究所製)で測定した。また、耐候性試験後における塗膜の光沢を同様に測定し、これらの値から、耐候性試験前の光沢値を基準として、試験後における塗膜の光沢保持率を算出した。該光沢保持率については、下記評価基準に従って評価した。
さらに、耐候性試験前後における塗膜のb*値を、分光測色計(「JP7100F」、JUKI電子工業(株)製)を用いて測定し、耐候性試験前後における塗膜の差(Δb*)を下記評価基準に従って評価した。
・光沢保持率の評価基準
◎ : 光沢保持率が90%以上
○ : 光沢保持率が85%以上
△ : 光沢保持率が70%以上85%未満
× : 光沢保持率が70%未満
・Δb*の評価基準
○ : Δb*が1未満
△ : Δb*が1以上3未満
× : Δb*が3以上
Figure 2022039753000003
Figure 2022039753000004

Claims (7)

  1. イソホロンジイソシアネート(a1)と、水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを用いて得られ、イソシアヌレート骨格を有しないウレタン(メタ)アクリレート(A)、
    (メタ)アクリレートモノマー(B)、および、
    光重合開始剤(C)
    を含有する外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物であって、
    前記(メタ)アクリレートモノマー(B)がポリオキシアルキレン変性された(メタ)アクリレート(b1)を含む場合、該(メタ)アクリレート(b1)の含有量は、組成物の不揮発分100質量%に対し、15質量%以下である、
    外装建材用活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記ウレタンアクリレート(A)および前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が、ポリオキシアルキレン構造を有しない、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレートモノマー(B)が単官能モノマーを含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 塗料用である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物から形成された塗膜。
  6. 基材と、請求項5に記載の塗膜とを含む、塗膜付き基材。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物を基材の少なくとも一部に設け、次いで、活性エネルギー線を照射する工程を含む、塗膜付き基材の製造方法。
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