JP2006219576A5 - - Google Patents

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重合体の製造方法
本発明は、重合体の製造方法に関する。
(メタ)アクリル酸等のビニル系単量体には、ビニル系単量体の保存安定性等を高めるために、ラジカル重合禁止剤として、p−メトキシフェノール、p−ヒドロキシフェノール等のキノン化合物が添加されいる。しかし、ビニル系単量体にキノン化合物が含まれていると、ビニル系単量体、その重合体、および該重合体を用いた製品が着色する問題がある。
ビニル系単量体またはその重合体に含まれるキノン化合物を低減させる方法としては、以下の方法が提案されている。
(1)キノン化合物を含むメタクリル酸エステルを亜硫酸塩で処理し、キノン化合物を有機スルホン酸塩にして除去する方法(特許文献1参照)。
(2)(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体を、過硫酸塩と亜硫酸水素塩を用いて、水溶性金属塩の存在下、50℃以下の温度で重合させる方法(特許文献2参照)。
しかし、(1)の方法では、ラジカル重合禁止剤であるキノン化合物が低減してしまうため、メタクリル酸エステルの保存安定性が著しく低下する問題がある。
(2)の方法では、(メタ)アクリル酸(塩)に亜硫酸水素塩が付加する副反応がおこり、(メタ)アクリル酸(塩)が減るため、目的とする性能の重合体およびこれを用いた製品が得られない問題、および(メタ)アクリル酸(塩)に亜硫酸水素塩が付加した副生成物が、重合体およびこれを用いた製品の品質に影響を及ぼす問題がある。
特開平7−278053号公報 特開2004−10713号公報
本発明の目的は、ビニル系単量体を副反応で減らすことなく、着色が抑えられた重合体を得ることができる重合体の製造方法、着色が抑えられた塗料用樹脂組成物、および塗膜の着色が抑えられた塗装物品を提供することにある。
本発明者らは、着色の原因物質が、ビニル系単量体にラジカル重合禁止剤として含まれる、p−メトキシフェノール、p−ヒドロキシフェノール等のキノン化合物が多量化した物質であることを見出した。そして、ビニル系単量体の重合によって得られた重合体に、酸化剤を添加してキノン化合物を分解する、または還元剤を添加して多量化を抑制することにより、着色が抑えられることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、キノン化合物を含む特定のビニル系単量体混合物を重合して重合体を得る工程と、重合体を含む液に酸化剤または還元剤を添加する工程とを有する重合体の製造方法である
また本発明は、塗料用樹脂として用いられる重合体の製造方法に関する。
本発明の重合体の製造方法によれば、ビニル系単量体を副反応で減らすことなく、着色が抑えられた重合体を得ることができる。本発明の重合体を用いた塗料用組成物は、着色が抑えられたものとなる。また塗装物品は、塗膜の着色が抑えられたものとなる。
<重合体の製造方法>
本発明の重合体の製造方法は、特定のビニル系単量体を含むビニル単量体混合物を重合して重合体を得る工程(以下、重合工程と記す。)と、重合体を含む液に酸化剤または還元剤を添加する工程(以下、添加工程と記す。)とを有する方法である。
(重合工程)
本発明のビニル系単量体混合物としては、後述する式(A)で表される単量体(A)、式(B)で表される2つの炭素原子(ただし、少なくとも1つの炭素原子には少なくとも1つの水素原子が結合している。)に結合したカルボニル基、を有するビニル系単量体(B)、および下式(C)で表される2つの水素原子が結合した炭素原子に結合した水酸基、を有するビニル系単量体(C)を含有するビニル系単量体混合物である。本発明において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
本発明のビニル系単量体混合物、キノン化合物を含有している。キノン化合物としては、p−メトキシフェノール、p−ヒドロキシフェノール等が挙げられる。
ビニル系単量体混合物の重合法としては、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法等の公知の重合法が挙げられる。
ビニル系単量体混合物の重合は、亜硫酸水素塩の非存在下で行うことが好ましい。ビニル系単量体混合物の重合を亜硫酸水素塩の非存在下で行うことにより、副生成物が抑えられ、目的の性能を有する重合体を得ることができる。
(添加工程)
重合体を含む液としては、溶液重合後に得られる重合体溶液、乳化重合後に得られるエマルション、懸濁重合後に得られる懸濁液等が挙げられる。
酸化剤としては、キノン化合物を酸化、分解するものであればよく、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化マンガン、硝酸、過マンガン酸カリウム、塩化銅等が挙げられる。これら酸化剤のうち、キノン化合物を酸化、分解する能力、分解による副生成物の安全性、重合体および塗料用組成物の品質への影響、入手のしやすさ、経済性等の点から、過酸化水素が好ましい。
酸化剤の添加量は、重合体100質量部に対して0.05〜4質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。酸化剤の添加量を0.05質量部以上とすることにより、キノン化合物の酸化、分解が充分に進行する。酸化剤の添加量を4質量部以下とすることにより、残存する酸化剤による重合体および塗料用組成物への影響等が抑えられ、経済的にも有利である。
酸化剤を添加する場合、酸化剤の分解が促進され、キノン化合物の酸化、分解が促進されることから、さらに塩基性化合物を添加することが好ましい。重合体を含む液のpHは、8〜13が好ましい。本発明においてpHは、ガラス電極式pHメーターを用いて測定できる。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。これら塩基性化合物のうち、入手のしやすさ、取り扱いやすさ等の点から、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアが好ましい。塩基性化合物は、添加工程の途中の重合体を含む液のpHをコントロールするために、添加工程の途中で追加してもよい。
還元剤としては、キノン化合物に対して還元力を持つものであればよく、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫化水素、アンモニア、およびその誘導体等が挙げられる。
これら還元剤のうち、キノン化合物の多量化を抑える能力、安全性、取り扱いやすさ、入手のしやすさ、経済性等の点から、チオ硫酸ナトリウムが好ましい。
還元剤の添加量は、重合体100質量部に対して0.1〜1質量部が好ましく、0.2〜0.5質量部がより好ましい。還元剤の添加量を0.1質量部以上とすることにより、重合体および塗料組成物の着色が充分に抑えられる。還元剤の添加量を1質量部以下とすることにより、経済的に有利である。
添加工程における重合体を含む液の温度は、0〜100℃が好ましく、25〜60℃がより好ましい。温度を0℃以上とすることにより、重合体の着色が充分に抑えられる。温度を100℃以下とすることにより、重合体および塗料用組成物への影響が抑えられ、また、添加工程における安全性が向上する。
(他の工程)
本発明の重合体の製造方法は、必要に応じて上述の重合工程、添加工程以外の他の工程を有していてもよい。
他の工程としては、溶液重合法によって重合体を得た場合、有機溶剤を留去する工程等が挙げられる。乳化重合法によって重合体を得た場合、重合体を凝固させる工程、重合体の凝固物を分離する工程等が挙げられる。懸濁重合法によって重合体を得た場合、重合体を分離する工程等が挙げられる。
他の工程は、添加工程の後に行う。他の工程は、酸化剤または還元剤を重合体を含む液に添加した直後に行ってもよく、酸化剤または還元剤を重合体を含む液に添加した後、該液をしばらく放置した後に行ってもよい。
他の工程における重合体を含む液の温度は、0〜100℃が好ましく、25〜60℃がより好ましい。温度を0℃以上とすることにより、重合体の着色が充分に抑えられる。温度を100℃以下とすることにより、重合体および塗料用組成物への影響が抑えられ、また、他の工程における安全性が向上する。
(具体例)
本発明の重合体の製造方法は、(メタ)アクリレートを含むビニル系単量体を重合して得られる重合体の着色を抑える効果を有する。
以下、本発明の重合体として、塗料組成物用の自己架橋性重合体について説明する。
自己架橋性重合体は、下式()で表される単量体(A);下式(B)で表される2つの炭素原子(ただし、少なくとも1つの炭素原子には少なくとも1つの水素原子が結合している。)に結合したカルボニル基を有するビニル系単量体(B);および下式(C)で表される2つの水素原子が結合した炭素原子に結合した水酸基を有するビニル系単量体(C)を含有するビニル系単量体混合物を重合して得られる重合体である。
Figure 2006219576
式()中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、R2 は炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基を表し、nは1〜3の整数を表し、mは2〜25の整数を表す。
自己架橋性重合体においては、ビニル系単量体(B)の「2つの炭素原子(ただし、少なくとも1つの炭素原子には少なくとも1つの水素原子が結合している。)に結合したカルボニル基」と、ビニル系単量体(C)の「2つの水素原子が結合した炭素原子に結合した水酸基」とが、下式(2)に示す脱水反応を起こすことにより、架橋が起こる。
Figure 2006219576
単量体(A)は、自己架橋性重合体を液状とするための成分である。また、自己架橋性重合体中の単量体(A)に基づく単位は、上式(2)により形成された不飽和二重結合の架橋反応触媒としての役割を果たす。
単量体(A)としては、例えば、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシテトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら単量体のうち、効果的に自己架橋性重合体の粘度を下げることができることから、オキシアルキレン基の繰り返し単位が4〜25、好ましくは5〜22であるポリオキシアルキレン鎖を有する単量体が好ましい。
単量体(A)の量は、ビニル系単量体混合物(100質量%)中、5〜95質量%であり、10〜90質量%が好ましい。単量体(A)の量を5質量%以上とすることにより、自己架橋性重合体の粘度が充分に低くなる。単量体(A)の量を95質量%以下とすることにより、硬度の高い塗膜が得られる。
ビニル系単量体(B)としては、4−(メタ)アクリロイル−2−ブタノン、3−(メタ)アクリロイル−2−ブタノン、2−(メタ)アクリロイル−3−メチル−2−ブタノン、5−(メタ)アクリロイル−2−ペンタノン、4−(メタ)アクリロイル−4−メチル−2−ペンタノン、メタアクリロイルジアセチルメタンアクリロイルマロン酸ジエチル、アクリロイルアセチルアセトン等の(メタ)アクリロイルアルキルケトン化合物;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ヒドロキシメチルビニルケトン、t−ブチルビニルケトンネオペンチルビニルケトン、αクロルビニルメチルケトン、酸化メシチル等のビニルアルキルケトン化合物;2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ダイアセトンアクリルアミド(別名:N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド)、ベンザルアセトン等が挙げられる。本発明において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルまたはメタクリロイルを意味する。
ビニル系単量体(B)の量は、ビニル系単量体混合物(100質量%)中、0.001〜90質量%であり、10〜90質量%が好ましい。ビニル系単量体(B)の量を0.001質量%以上とすることにより、水との親和性が良好となる。ビニル系単量体(B)の量を90質量%以下とすることにより、架橋度の高い塗膜が得られる。
ビニル系単量体(C)としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシエチル)アクリルアミド(別名:N−メチロールアクリルアミド)、アリルアルコール、4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−ヒドロキシエチルスチレン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、グリセリンモノメタクリレート等が挙げられる。
ビニル系単量体(C)の量は、ビニル系単量体混合物(100質量%)中、0.001〜90質量%であり、10〜90質量%が好ましい。ビニル系単量体(C)の量を0.001質量%以上とすることにより、耐水性の高い塗膜が得られる。ビニル系単量体(C)の量を90質量%以下とすることにより、硬度の高い塗膜が得られる。
ビニル系単量体混合物は、塗膜の耐水性、硬度等の向上のため、自己架橋性重合体の粘度を低下させるため等の目的に応じて、単量体(A)、ビニル系単量体(B)およびビニル系単量体(C)以外の他のビニル系単量体(D)を含んでいてもよい。
自己架橋性重合体の粘度を低下させる場合、他のビニル系単量体(D)としては、炭素数4〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
該アルキル(メタ)アクリレートとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル基の炭素原子数は、4〜22であり、8〜20が好ましい。炭素原子数を3以上とすることにより、自己架橋性重合体の粘度を充分に低下させることができる。炭素原子数を22以下とすることにより、重合度が充分に高くなって、結晶化を抑えることができ、結果、自己架橋性重合体の粘度を低く抑えることができる。
塗膜の耐水性、硬度等の向上させる場合、他のビニル系単量体(D)としては、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族系単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の炭素数3以下のアルキル(メタ)アクリレート;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、これらのアルキルまたはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシ基を有する単量体;エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、アクリロニトリル、ブタジエン、プロピレン、イソプレン、ビニルピリジン、ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
他のビニル系単量体(D)は、ビニル系単量体混合物(100質量%)中、0〜40質量%であり、0〜30質量%が好ましい。他のビニル系単量体(D)の量を40質量%以下とすることにより、架橋度の高い塗膜が得られる。
自己架橋性重合体の数平均分子量は、500〜50,000が好ましく、700〜20,000がより好ましい。自己架橋性重合体の数平均分子量を500以上とすることにより、重合体を含む液から自己架橋性重合体を容易に単離でき、可撓性等の機械特性、耐溶剤性、耐沸水性等に優れた塗膜が得られる。自己架橋性重合体の数平均分子量を50,000以下とすることにより、自己架橋性重合体の粘度を低く抑えることができる。
自己架橋性重合体は、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の重合法によりビニル系単量体混合物を重合することによって得られる。重合法としては、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニル系単量体混合物を有機溶剤中で重合する溶液重合法が好ましい。溶液重合は、有機溶剤にラジカル重合開始剤およびビニル系単量体混合物を一括で仕込んで行ってもよく、有機溶剤にラジカル重合開始剤およびビニル系単量体混合物を滴下しながら行ってもよい。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系開始剤等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルセルソルブアセテート、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルオキシド、スルホランn−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ダイアセトンアルコール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、メタノール等が挙げられる。自己架橋性重合体の保存安定性を高めるために、有機溶剤中に水を含有させてもよい。
溶液重合法によって得られた自己架橋性重合体溶液から有機溶剤を留去した後、自己架橋性重合体に水を加えて、自己架橋性重合体水溶液としてもよい。自己架橋性重合体溶液から有機溶剤を留去する前に、自己架橋性重合体溶液に酸化剤または還元剤を添加する。
<塗料用組成物>
本発明の塗料用組成物は、本発明の重合体の製造方法により得られた重合体を含有する組成物である。
本発明の塗料用組成物は、必要に応じて、機能性配合剤を含有してもよい。機能性配合剤としては、有機溶剤、水、顔料、染料、他の樹脂、可塑剤、反応性単量体、紫外線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、皮バリ防止剤、顔料分散剤、表面調整剤、タレ防止剤、消泡剤、造膜助剤、光安定剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、沈降防止剤、防汚剤、色別れ防止剤、カップリング剤、ワックス、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の塗料用組成物は、重合体として前記自己架橋性重合体を用いた場合、屋外建造物等の雨筋汚染を抑える塗料組成物(以下、低汚染性塗料組成物)として用いることができる。
低汚染性塗料組成物は、他の樹脂、硬化剤、脱水触媒、重合開始剤等をさらに含有していてもよい。
他の樹脂としては、含フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。他の樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら樹脂のうち、耐候性および耐薬品性に優れる含フッ素樹脂が特に好ましい。他の樹脂としては、溶剤系、水系、粉体等のあらゆる形態のものが用いられる。
含フッ素樹脂としては、含フッ素単量体の重合体または該含フッ素単量体と含フッ素単量体以外の単量体との共重合体が挙げられる。含フッ素単量体としては、フルオロオレフィン類、ポリフルオロアルキル基を有する単量体等が挙げられる。含フッ素単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤は、自己架橋性重合体と反応して、硬化塗膜を形成する。硬化剤としては、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物、ポリカルボジイミド化合物、2個以上のエポキシ基を有する化合物、2個以上のオキサゾリン残基を有する化合物、2個以上のアジリジン残基を有する化合物、多価金属類、2個以上のアミノ基を有する化合物、ポリケチミン、2個以上のカルボキシ基を有する化合物、酸無水物、2個以上のメルカプト基を有する化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脱水触媒は、自己架橋性重合体の架橋反応を促進させる。脱水触媒としては、酸性触媒、塩基触媒、無機塩触媒、有機塩触媒等が挙げられる。
酸性触媒としては、塩酸、臭素酸、ヨウ素酸、フッ素酸、硫酸、リン酸、硼酸、フッ化硼素等の無機酸;酢酸、プロピオン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;フェノール等の酸性の有機化合物;ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等の酸性基を有する高分子化合物;ルイス酸が挙げられる。ルイス酸としては、有機物との錯体、例えばオニウム塩、ピリミニウム塩が挙げられる。ルイス酸と光増感剤とを併用することにより、紫外線または可視光の照射により架橋させることができる。
塩基触媒としては、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、トリエチルアミン等のアミン化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエチラート、カリウム−t−ブトキシド等の金属アルコラート;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、グリニア試薬、金属キレート化合物等が挙げられる。
無機塩触媒としては、硫酸塩、リン酸塩、硼酸塩、塩酸塩等が挙げられる。
有機塩触媒としては、酢酸塩等、カルボキシ基とアルカリ性化合物との中和反応にて得られる塩が挙げられる。
脱水触媒の代わりに、モレキュラシーブ、無水塩化カルシウム等の脱水剤を用いてもよい。また、脱水触媒と脱水剤とを併用してもよい。
重合開始剤は、上式(2)に示す脱水反応により形成される不飽和二重結合の反応を促進する。重合開始剤としては、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、塩化アルミニウム、四塩化チタニウム、四塩化スズ、ヨウ素、三フッ化硼素等がある。
ラジカル重合開始剤としては、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジベンゾイル、過酸化水素、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、金属過酸化物、次亜硝酸エステル、金属キレート化合物等が挙げられる。カチオン重合開始剤とラジカル重合開始剤とを併用してもよい。
<塗装物品>
本発明の製造方法により得た重合体は、塗料用組成物に含ませて該重合体組成物から形成された塗膜を有する塗装物品とするのが好ましい
物品としては、基材に本発明の塗料用組成物を塗装し、基材表面に塗料用組成物からなる塗膜を形成して得られる塗装用物品が挙げられる
塗装方法としては、刷毛またはローラーブラシを用いた塗装、エアースプレイ塗装、カーテンフローコータによる塗装、ロールコータによる塗装等が挙げられる。
塗膜は、塗装された塗料用組成物を乾燥し、硬化させることにより形成される。乾燥は、非加熱で行ってもよく、加熱して行ってもよい。加熱温度は、基材の耐熱温度以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。
基材としては、コンクリート、自然石、ガラス等の無機系基材;鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、黄銅、チタン等の金属系基材;繊維強化樹脂(FRP)、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリート等の有機無機複合材等が挙げられる。基材は、他の塗料組成物によってあらかじめ別の塗膜が形成されていてもよい。
装物品としては、自動車、電車、航空機、橋梁部材、鉄塔、タンク、パイプ、ビル外装用パネル、ドア、窓材、門扉、その他の建築部材、中央分離帯、ガードレール、その他の道路部材、通信機材、電気・電子部品等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は下記の例に限定されない。実施例における「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
実施例において用いた化合物の略号を表1に示す。
Figure 2006219576
(重合体の製造)
[例1]
撹拌機を備えた内容積2Lのオートクレーブに、メタノールの1200g、N−MAAの60g、AAEMAの35g、PME400の20g、GLMの185g、連鎖移動剤DSHの9.7g、およびラジカル重合開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で18時間重合させ、固形分20%の重合体1の溶液を得た。
重合後、重合体1の溶液を20℃まで冷却し、重合体1の溶液にNaClOの塩素5%水溶液120g(重合体1の100部に対してNaClOが0.4部)およびNaOHの1N水溶液45gを加え、pHを12に調整した後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体1の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体1に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液1を得た。
[例2]
例1と同様にして重合体1の溶液を得た後、重合体1の溶液を20℃まで冷却し、重合体1の溶液にNa2SO3の10%水溶液40g(重合体1の100部に対してNa2SO3が0.25部)を加えた後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体1の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体1に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液2を得た。
[例3]
例1と同様にして重合体1の溶液を得た後、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体1の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体1に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液3を得た。
[例4]
撹拌機を備えた内容積2Lのオートクレーブに、メタノールの1200g、N−MAAの45g、DAAMの45g、PME400の15g、GLMの195g、連鎖移動剤DSHの9.7g、およびラジカル重合開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で20時間重合させ、固形分20%の重合体2の溶液を得た。重合後、重合体2の溶液を20℃まで冷却し、重合体2の溶液にH22の35%水溶液45g(重合体2の100部に対してH22が1部)およびNaOHの1N水溶液9gを加え、pHを12に調整した後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体2の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体2に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液4を得た。
[例5]
例4と同様にして重合体2の溶液を得た後、重合体2の溶液を20℃まで冷却し、重合体2の溶液に重合体2の溶液にNaClOの塩素5%水溶液30g(重合体2の100部に対してNaClOが0.1部)およびNaOHの1N水溶液45gを加え、pHを12に調整した後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体2の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体2に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液5を得た。
[例6]
例4と同様にして重合体2の溶液を得た後、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体2の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体2に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液6を得た。
[例7]
撹拌機を備えた内容積2Lのオートクレーブに、メタノールの1200g、N−MAAの50g、DAAMの45g、PME350の125g、GLMの80g、連鎖移動剤DSHの9.7g、およびラジカル重合開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で20時間重合させ、固形分20%の重合体3の溶液を得た。重合後、重合体3の溶液を20℃まで冷却し、重合体3の溶液にH22の35%水溶液40g(重合体3の100部に対してH22が0.9部)およびNaOHの1N水溶液9gを加え、pHを12に調整した後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体3の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体3に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液7を得た。
[例8]
例7と同様にして重合体3の溶液を得た後、重合体3の溶液を20℃まで冷却し、重合体3の溶液にNa2SO3の10%水溶液25g(重合体3の100部に対してNa2SO3が0.15部)を加えた後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体3の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体3に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液8を得た。
[例9]
例7と同様にして重合体3の溶液を得た後、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体3の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体3に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液9を得た。
[例10]
撹拌機を備えた内容積2Lのオートクレーブに、メタノールの1200g、DAAMの30g、PME400の145g、GLMの225g、連鎖移動剤DSHの9.7g、およびラジカル重合開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で20時間重合させ、固形分20%の重合体4の溶液を得た。重合後、重合体4の溶液を20℃まで冷却し、重合体4の溶液にH22の35%水溶液45g(重合体4の100部に対してH22が1部)およびNaOHの1N水溶液9gを加え、pHを12に調整した後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体4の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体4に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液10を得た。
[例11]
例10と同様にして重合体4の溶液を得た後、重合体4の溶液を20℃まで冷却し、重合体4の溶液にNa2SO3の10%水溶液30g(重合体4の100部に対してNa2SO3が0.2部)を加えた後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体4の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体4に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液11を得た。
[例12]
例10と同様にして重合体4の溶液を得た後、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体4の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体4に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液12を得た。
[例13]
撹拌機を備えた内容積2Lのオートクレーブに、メタノールの1200g、DAAMの40g、PME350の150g、GLMの110g、連鎖移動剤DSHの9.7g、およびラジカル重合開始剤AIBNの2.4gを仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、60℃で20時間重合させ、固形分20%の重合体5の溶液を得た。重合後、重合体5の溶液を20℃まで冷却し、重合体5の溶液にNaClOの塩素5%水溶液35g(重合体5の100部に対してNaClOが0.1部)およびNaOHの1N水溶液45gを加え、pHを12に調整した後、直ちに、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体5の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体5に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液13を得た。
[例14]
例13と同様にして重合体5の溶液を得た後、重合体5の溶液を20℃まで冷却し、重合体5の溶液にNa223の10%水溶液35g(重合体5の100部に対してNa223が0.2部)を加えた後、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体5の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体5に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液14を得た。
[例15]
例13と同様にして重合体5の溶液を得た後、ロータリーエバポレータを用いて、50℃で120分間かけて重合体5の溶液からメタノールを留去した。得られた重合体5に脱イオン水の450gを加えて、重合体水溶液15を得た。
(重合体の着色評価)
JIS K7105「プラスチックの光学的特性試験方法」6.3.5黄変度の計算方法に準拠し、重合体水溶液1〜15についてYI値の測定を行った。具体的には、重合体水溶液の試料を50℃のオーブンで24時間保管した後、重合体水溶液をイオン交換水で2倍に希釈し、0.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルターでろ過した後、SMカラーコンピューター SM−3(スガ試験機株式会社製)を用いてYI値の測定を行った。結果を表2に示す。比較例は、例3、6、9、12、15である。
Figure 2006219576
(ベース塗料の調製)
[調製例1]
ベース白塗料1:
撹拌機付きステンレス鋼製オートクレーブ(内容積200mL)に、イオン交換水の105.3g、ノニオン性乳化剤(日本乳化剤社製、N−2310)(以下、N−2310と記す。)の2.0g、ドデシル硫酸ナトリウムの0.2g、過硫酸アンモニウムの25%水溶液の0.07g、炭酸カリウムの0.22g、亜硫酸水素ナトリウムの0.02g、エチルビニルエーテルの21.2g、シクロヘキシルビニルエーテルの21.0g、CH2=CHOCH2−X−CH2OH(Xは1,4−シクロヘキシレン基である。)の3.4gおよびCH2=CHOCH2−X−CH2O(C24O)kH(Xは1,4−シクロヘキシレン基であり、kは平均値で、約15である。)の8.2gを仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを0.35MPaまで加圧した後、パージして0.1MPaに戻した。
この加圧とパージとを合計2回繰り返した後、真空ポンプを用いて1.3×104 Paまで脱気し、残存空気を除去した後、クロロトリフルオロエチレンの56.7gを仕込み、30℃で12時間重合反応を行い、含フッ素樹脂1の水性分散液1を得た。水性分散液1中の含フッ素樹脂1の平均粒子径は140nmで、固形分濃度は50%であった。平均粒子径は、光散乱粒径測定機 ELS−8000(大塚電子社製)を用いて測定した。
水性分散液1の71部、造膜助剤Cs−12(チッソ社製)の3.6部、増粘剤レオビスCR(ヘキスト合成社製)の0.3部、酸化チタンCR−97(石原産業社製)の15.4部、顔料分散剤ノプコスパース44−C(サンノプコ社製)の0.8部、消泡剤FSアンチフォーム90(ダウコーニング社製)の0.6部、およびイオン交換水の10.3部を混合して、ベース白塗料1を得た。ベース白塗料1中の含フッ素樹脂1の濃度は34.8%であった。
[調製例2]
ベース白塗料2:
アクリルシリコンエマルション、サンモールEW−102(三洋化成製)の89部、造膜助剤Cs−12(チッソ社製)の3.6部、増粘剤レオビスCR(ヘキスト合成社製)の0.3部、酸化チタンCR−97(石原産業社製)の15.4部、顔料分散剤ノプコスパース44−C(サンノプコ社製)の0.8部、消泡剤FSアンチフォーム90(ダウコーニング社製)の0.6部、およびイオン交換水の10.3部を混合して、ベース白塗料2を得た。ベース白塗料2中の含フッ素樹脂1の濃度は34.8%であった。
[調製例3]
ベース白塗料3:
ポリウレタンエマルション、ユーコートUX−2505(三洋化成製)の81部、造膜助剤Cs−12(チッソ社製)の3.6部、増粘剤レオビスCR(ヘキスト合成社製)の0.3部、酸化チタンCR−97(石原産業社製)の15.4部、顔料分散剤ノプコスパース44−C(サンノプコ社製)の0.8部、消泡剤FSアンチフォーム90(ダウコーニング社製)の0.6部、およびイオン交換水の10.3部を混合して、ベース白塗料3を得た。ベース白塗料3中の含フッ素樹脂1の濃度は34.8%であった。
(塗料用組成物の評価)
[例16〜36]
表3〜表6に示す割合で、重合体1〜15、硬化剤、ベース白塗料1〜3を混合して水性塗料組成物を得た。pHは、アンモニアまたは塩酸にて7.0に調整した。
200mm×95mm×8mmの大きさのアルミニウム板に水性塗料組成物をアプリケータを用いて乾燥膜厚が20μmになるように塗装し、23℃で2週間養生させて塗装板を得た。水性塗料組成物および塗装板の評価結果を表3〜6に示す。比較例は、例30〜36である。下記の表に記載の評価項目は、以下の方法に従って測定した。
(1)光沢:
JIS Z8741に準じて、塗装板の60度の鏡面光沢度を測定した。数値が大きいほど光沢が優れることを示す。
(2)色差:
ベース白塗料に硬化剤を加えてL*、a*、b*を測定し、さらに重合体を加えてL*、a*、b*を測定し、重合体無添加塗料と重合体添加塗料との塗膜色差ΔEを求めた。
L*、a*、b*は、SG2000(日本電色工業社製)を用いて、JIS Z8730に従い測定した。色差ΔEが小さいほど水性塗料組成物の着色が少ないことを示す。
(3)耐水性:
水性塗料組成物をエポキシプライマーを塗装したスレート板に塗装した後、脱イオン水に浸漬し、JIS K5600−6−1の耐液体性に従い、耐水性を試験した。塗面状態、耐水後の密着性を試験し、異常のないものを○、ややフクレを生じたものを△、フクレを生じ剥離したものを×と記載した。
(4)耐斜面汚染性:
塗装板(大きさ:縦200mm×横95mm×厚さ8mm)を縦方向の中央(100mm)の部分で折り曲げ、上部が水平面に対し30度の角度になり、下部が鉛直になるように塗装面を外にして、神奈川県川崎市において屋外暴露した。暴露開始から6か月後、この塗装板の上部(30度斜面)のL*値を測定した。試験前後のL*値の差△L*を算出し、絶対値で記載した。L*値は、SQ2000(日本電色工業社製)を用いて、JIS Z8730に従い測定した。△L*が小さいほど耐斜面汚染性に優れることを示す。
(5)耐雨筋汚染性:
(4)の評価を行った後の屋外曝露板について、下部(垂直面)の雨筋汚染の様子を評価した。雨筋汚れが目立たないものを○、多少目立つものを△、目立つものを×と記載した。
(6)促進耐候性:
JIS K5600−7−7に記載されるキセノンランプ法促進耐候性試験5000時間後の光沢保持率を測定した。光沢保持率80%以上を○、光沢保持率80%未満を×と記載した。
Figure 2006219576
Figure 2006219576
Figure 2006219576
Figure 2006219576
本発明の重合体の製造方法によって得られた重合体は、着色が抑えられており、塗料用樹脂として特に有用である。

Claims (6)

  1. キノン化合物を含有し、かつ、下式(A)で表される単量体(A);下式(B)で表される2つの炭素原子(ただし、少なくとも1つの炭素原子には少なくとも1つの水素原子が結合している。)に結合したカルボニル基、を有するビニル系単量体(B);および下式(C)で表される2つの水素原子が結合した炭素原子に結合した水酸基、を有するビニル系単量体(C);を含有するビニル系単量体混合物を重合して重合体を得る工程と、重合体を含む液に酸化剤または還元剤を添加する工程とを有する重合体の製造方法(ただし、式(A)中、R 1 は水素原子またはメチル基を表し、R 2 は炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基を表し、nは1〜3の整数を表し、mは2〜25の整数を表す。)。
    Figure 2006219576
  2. ビニル系単量体(C)が、キノン化合物を100〜500ppm含有するグリセリンモノメタクリレートである請求項1に記載の製造方法。
  3. キノン化合物が、p−メトキシフェノールまたはp−ヒドロキシフェノールである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. ビニル系単量体混合物を重合して重合体を得る工程を、亜硫酸水素塩の非存在下で、ラジカル重合開始剤を用いて行う請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 酸化剤または還元剤を添加する工程、および該添加の後に行う他の工程を、0〜100℃で行う請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 重合体が塗料用樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の重合体の製造方法。
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