JP4519350B2 - (メタ)アクリル酸(共)重合体の製法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸(共)重合体の製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤ビルダー等として有用な、アクリル酸もしくはメタクリル酸の重合体又は共重合体(以下(メタ)アクリル酸(共)重合体という)の製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
(メタ)アクリル酸等の単量体に含有されているハイドロキノン化合物は、重合禁止剤として、単量体の安全性、及び品質の安定性の維持に用いられていることが多い。
【0003】
一方、(メタ)アクリル酸(共)重合体は衣料用粉末洗剤においてビルダーとして使用されている。衣料用粉末洗剤は(メタ)アクリル酸(共)重合体を含む界面活性剤、無機塩等の洗浄成分の水溶液もしくはスラリーを200℃以上の高温で乾燥させることで得られるが、その乾燥の際に粉末洗剤に著しい着色をもたらすことがある。 例えば、特開昭62−121705号公報や、特開平11−315115号公報に記載されているアクリル酸の重合方法では(メタ)アクリル酸(共)重合体中に、重合禁止剤が残存し、それを用いた粉末洗剤は著しい桃色の着色がみられる。
【0004】
従って、洗剤用ビルダーとして用いる時、着色のない洗剤粉末が得られるような、重合禁止剤を低減した(メタ)アクリル酸(共)重合体の製造法が望まれている。
【0005】
少量の重合禁止剤が含有された単量体を用いて、重合禁止剤の残存量を低減させた(メタ)アクリル酸(共)重合体を得ることも出来る(特開平11−322846号公報)。しかし、この方法は単量体中の重合禁止剤が極めて少ないため、単量体の使用時及び保管時の安全性、安定性に問題がある。
【0006】
本発明の課題は、単量体中に含有されているハイドロキノン化合物を、簡便かつ効果的に分解、低減しうる、(メタ)アクリル酸(共)重合体の製造法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクリル酸もしくはメタクリル酸又はその塩を必須とする単量体を重合して、(メタ)アクリル酸(共)重合体を製造するに際し、反応系中に、ハイドロキノン化合物、過硫酸塩、水溶性金属塩及び過酸化水素を、ハイドロキノン化合物1重量部に対して、過硫酸塩15〜300重量部及び水溶性金属塩0.001〜0.05重量部、過硫酸塩/過酸化水素(モル比)=0.01〜0.5の割合で存在させる、(メタ)アクリル酸(共)重合体の製法である。
【0008】
【発明の実施形態】
[(メタ)アクリル酸(共)共重合体]
本発明の(メタ)アクリル酸(共)重合体は、(メタ)アクリル酸(塩)の重合体、あるいは(メタ)アクリル酸(塩)と、これと共重合可能な反応性不飽和基を有する単量体との共重合体であり、単量体全量に対する(メタ)アクリル酸(塩)の割合は50〜100モル%が好ましく、60〜100モル%が更に好ましく、90〜100モル%が特に好ましい。(メタ)アクリル酸(塩)の割合が多くなることで、分散剤、スケール抑制剤、洗剤ビルダー用途としての性能が高くなる。ここで、(メタ)アクリル酸として、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの混合物を用いることができる。(メタ)アクリル酸(共)重合体の重量平均分子量は、2000〜100万が好ましく、5000〜20万が更に好ましい。
【0009】
単量体である(メタ)アクリル酸(塩)は未中和であっても、部分或いは完全中和もしくは過中和であってもよい。塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミンやトリエタノールアミン等の有機アミン塩等が挙げられるが、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選ばれる1種以上の塩が好ましい。これらは混合物であってもよい。
【0010】
本発明では、(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体を用いるが、(メタ)アクリル酸(塩)と共重合可能な反応性不飽和基を有する単量体を共に用いてもよい。そのような単量体としては、マレイン酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等のアニオン性単量体又はその塩、メタクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性単量体、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等の両イオン性単量体、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のノニオン性単量体、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の疎水性(メタ)アクリル酸エステル、t―ブチルアクリルアミド等の疎水性(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中では、アニオン性単量体又はその塩が好ましい。
【0011】
(メタ)アクリル酸(塩)等の単量体には、保存安定性、安全性を維持するために重合禁止剤としてハイドロキノン化合物が含有されていることが多い。 このようなハイドロキノン化合物は、ヒドロキシフェノール骨格を有する化合物であり、p−ヒドロキシフェノール(以下、ハイドロキノンという)又はp−メトキシフェノール(以下、メトキノンという)が好ましく挙げられる。
【0012】
本発明に用いる、ハイドロキノン化合物は、単量体中に含有されており、(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体中の、ハイドロキノン化合物の含有量は、50〜300mg/kgが好ましい。
【0013】
また本発明の製法により得られる(メタ)アクリル酸(共)重合体中、ハイドロキノン化合物の含有量は、10mg/kg以下であることが好ましく、7mg/kg以下であることが更に好ましく、5mg/kg以下であることが特に好ましく、1mg/kg以下であることが最も好ましい。特に下限はないが、0.0001mg/kg以上であっても良い。 ハイドロキノン化合物の含有量が、このように低い(メタ)アクリル酸(共)重合体を、粉末洗剤に配合した場合、粉末洗剤の着色を抑制することができる。
【0014】
[(メタ)アクリル酸(共)重合体の製造]
本発明の(メタ)アクリル酸(共)重合体の重合反応に用いられる溶媒は、水性の溶媒であることが好ましく、特に好ましくは水である。また、上記単量体の溶媒への溶解性を向上させるために、各単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えてもよい。
【0015】
上記有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等から1種以上を適宜選択して用いることができる。
【0016】
本発明においては、重合に用いられる開始剤系として、1種以上の過硫酸塩と、ハイドロキノン化合物の分解を促進させるための過酸化水素を添加する。 これらは同時に添加してもよいが、別々に添加するのが好ましく、さらには過硫酸塩を添加した後に過酸化水素を添加するのが好ましい。
【0017】
上記過硫酸塩としては、具体的には、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
【0018】
過硫酸塩は、重合を十分に進行させ、また(共)重合体の着色を抑制し、更には(共)重合体を配合した洗剤粉末の品質を低下させないために、単量体100重量部に対して0.3〜6重量部添加することが好ましく、0.5〜3重量部添加することがさらに好ましい。また、単量体中に存在するハイドロキノン化合物1重量部に対して、過硫酸塩15〜300重量部を添加する必要があり、25〜150重量部添加することが好ましい。
【0019】
過硫酸塩と過酸化水素のモル比、過硫酸塩/過酸化水素は、(共)重合体の着色を抑制し、また重合の進行及びハイドロキノン化合物の分解を促進させるために、0.01〜0.5であり、0.02〜0.5が好ましい。
【0020】
さらに本発明では反応系に存在するハイドロキノン化合物の分解及び重合効率を高めるために微量の水溶性金属塩の添加が必須である。水溶性金属塩の添加は、開始剤の前でも後でもよいが、好ましくは開始剤の前である。
【0021】
水溶性金属塩としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等の鉄化合物、硫酸第二銅、塩化第二銅等の銅化合物からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、硫酸第一鉄及び/又は硫酸第二銅が好ましい。
【0022】
水溶性金属塩は、ハイドロキノン化合物を効率的に分解し、(共)重合体の着色を抑制し、更には(共)重合体を配合した洗剤の品質を低下させないために、ハイドロキノン化合物1重量部に対して、0.001〜0.05重量部添加することが必要であり、0.0025〜0.04重量部添加することが好ましく、0.0035〜0.02重量部添加することがさらに好ましい。
【0023】
また(メタ)アクリル酸(共)重合体の分子量を調節するために連鎖移動剤を添加しても良い。連鎖移動剤の具体例としては、チオグリコール酸、2−メルカプトエタノール等の水溶性メルカプタン、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等の次亜リン酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸塩が挙げられる。
【0024】
ハイドロキノン化合物を含有し(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体、過硫酸塩、水溶性金属塩、及び過酸化水素の添加順序は、いずれであってもよい。重合前に反応系に添加してから、重合を開始してもよく、重合中、溶媒に希釈して、一括あるいは連続的に反応系内に添加しながら重合を行うこともできる。好ましくは、単量体の添加前に、水溶性金属塩を添加する。 次に、好ましくは、単量体及び過硫酸塩の一部を添加し、重合中に、単量体及び過硫酸塩の残部を溶媒に希釈して、連続的に添加する。過酸化水素は、単量体と同時に添加しても良いが、好ましくはすべての単量体が添加された後に、一括あるいは連続的に添加することが好ましい。
【0025】
重合に際して、反応温度は、50℃〜水性の溶媒中における該溶媒の沸点近傍の温度が好ましい。重合反応は酸性条件下で行われることが好ましく、具体的には、pH5未満が好ましい。
【0026】
重合反応後、必要なら中和を行う。 中和に使用するアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類等が挙げられ、それらの1種以上を用いることができる。中和後のpHは4以上とすることが好ましく、防菌等のために過中和であってもよい。
【0027】
本発明においては、製造後の(共)重合体水溶液中に酸化剤が残存しており、これを分解するために還元剤を、残存している酸化剤の等モル以上添加しても良い。還元剤の種類は特に限定されないが、好ましくは無機系還元剤であり、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、亜リン酸、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸(塩)、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩)が挙げられる。塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミンやトリエタノールアミン等の有機アミン塩等が挙げられ、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。これらの無機系還元剤の1種以上が用いられる。
【0028】
還元剤を添加するときの温度は室温が好ましい。(共)重合体水溶液の粘度が高い場合、温度を上げて還元剤を添加することも可能であるが、50℃以下が好ましい。また添加時間は、添加する(メタ)アクリル酸(共)重合体水溶液中の酸素等の酸化剤で酸化を受けて、還元剤としての作用が失われない限り、限定はされない。
【0029】
本発明で得られる(メタ)アクリル酸(共)重合体は、重合禁止剤であるハイドロキノン化合物が、分解、低減されており、これを用いた洗剤製造においても着色はみられず、洗剤のビルダーに好適で、品質の高い製品が得られる。
【0030】
【実施例】
例中、%及び部は特記しない限り重量基準である。またハイドロキノン化合物は以下の方法で定量した。
【0031】
<ハイドロキノン化合物の定量法>
(メタ)アクリル酸(共)重合体中に含有されるハイドロキノン化合物(メトキノン)量は以下に示すクロマトグラフィー条件により定量した。
カラム:東ソー製TSK−GEL Super AW2500
移動相:0.1mmol/Lリン酸緩衝液(pH7)/アセトニトリル=70/30(vol/vol)
検出器:UV(220nm)
カラム温度:40℃
流速:0.6ml/min
試料:重合体水溶液(約40%)2gをイオン交換水に溶解させ20mlにした試料溶液を10μl注入する。
メトキノン検出限界:0.1mg/kg
実施例1
2Lの4ツ口セパラブルフラスコにイオン交換水150gと0.1%硫酸第一鉄・七水和物0.85g(メトキノン1部に対して0.01部)を仕込み、105℃のバスに付け昇温し、2−メルカプトエタノール7gと80%アクリル酸水溶液300g(メトキノンの含有量:0.048g)の混合物、及び過硫酸ナトリウム2.4g(メトキノン1部に対して50部)をイオン交換水96gに溶解させた過硫酸ナトリウム水溶液をそれぞれ4時間、6時間滴下し重合を行った。その後35%過酸化水素水25.02g(0.26mol,過硫酸塩/過酸化水素(モル比)=0.040)投入し3時間熟成させた後、冷却を行い、48%水酸化ナトリウム水溶液258.6gにより中和を行った。このようにして得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は1万であった。残存メトキノンは検出されなかった。
【0032】
実施例2
硫酸第一鉄の代わりに0.1%硫酸第二銅を0.6g(メトキノン1部に対して0.0048部)添加した以外、実施例1と同じ方法でポリアクリル酸ナトリウムを製造した。このようにして得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は1万であり、残存メトキノンは検出されなかった。
【0033】
実施例3
300Lのグラスライニング反応槽にイオン交換水72.5kgと硫酸第一鉄・七水和物0.28g(メトキノン1部に対して0.0075部)を仕込み、105℃に昇温した後、2−メルカプトエタノール2.1kg、80%アクリル酸水溶液100kg(メトキノンの含有量:0.016kg)、及び9%過硫酸ナトリウム水溶液8.8kg(メトキノン1部に対して49.5部)をそれぞれ5時間、6時間滴下し重合を行った。その後35%過酸化水素水11kg(0.11kmol,過硫酸塩/過酸化水素(モル比)=0.029)を投入し3時間熟成させた後、冷却を行い、48%水酸化ナトリウム水溶液81.1kgにより中和を行った。得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は1.1万で、残存メトキノンは検出されなかった。
【0034】
また得られたポリアクリル酸ナトリウムをビルダーとして用い、WO99/29830の方法により洗剤粉末を製造したところ、着色のない洗剤粉末が得られた。
【0035】
実施例4
300Lのグラスライニング反応槽にイオン交換水72.5kgと硫酸第一鉄・七水和物0.28g(メトキノン1部に対して0.0075部)を仕込み、70℃に昇温した後、80%アクリル酸水溶液100kg(メトキノンの含有量:0.016kg)、30%過硫酸ナトリウム水溶液8.8kg(メトキノン1部に対して165部)、及び35%亜硫酸水素ナトリウム16.5kgをそれぞれ6時間滴下し重合を行った。その後35%過酸化水素2.4kg(24.7mol,過硫酸塩/過酸化水素(モル比)=0.45)を添加し、3時間熟成を行った後、冷却を行い、48%水酸化ナトリウム水溶液81.1kgにより中和を行った。得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は1.1万で、残存メトキノンは検出されなかった。
【0036】
また得られたポリアクリル酸ナトリウムをビルダーとして用い、WO99/29830の方法により洗剤粉末を製造したところ、着色のない洗剤粉末が得られた。
【0037】
比較例1
硫酸第一鉄を添加しない以外は実施例1と同じ方法でポリアクリル酸ナトリウムを製造した。得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は1万で、残存メトキノン含有量は63mg/kgであった。
【0038】
比較例2
硫酸第一鉄を添加せずに、さらに過酸化水素の代わりに過硫酸ナトリウム0.26molを添加した以外は実施例1と同じ方法でポリアクリル酸ナトリウムを製造した。得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は1万で、残存メトキノン含有量は55mg/kgであった。
【0039】
比較例3
2Lの4ツ口セパラブルフラスコにイオン交換水225g及び0.1%硫酸第一鉄・七水和物6.4g(メトキノン1部に対して0.485部)を仕込み、70℃のバスに付け昇温し、80%アクリル酸水溶液450g(メトキノンの含有量:0.072g)、過硫酸ナトリウム3.57g(メトキノン1部に対して49.5部)をイオン交換水90gに溶解させた過硫酸ナトリウム水溶液、及び亜硫酸水素ナトリウム26.0gをイオン交換水78.3gに溶解させた亜硫酸水素ナトリウム水溶液をそれぞれ4時間滴下し重合を行った。反応液を冷却後48%水酸化ナトリウム水溶液395.5gにより中和を行った。このようにして得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は5000で、残存メトキノン含有量は23mg/kgであった。
【0040】
比較例4
硫酸第一鉄及び過酸化水素を添加しない以外は実施例4と同じ方法でポリアクリル酸ナトリウムを製造した。得られたポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は1.1万で、残存メトキノン含有量は25mg/kgであった。
【0041】
また得られたポリアクリル酸ナトリウムをビルダーとして用い、WO99/29830の方法により洗剤粉末を製造したところ、桃色に着色する洗剤粉末が得られた。
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造法によると、ハイドロキノン化合物を含有し(メタ)アクリル酸(塩)を必須とする単量体を用いて、ハイドロキノン化合物含有量を10mg/kg以下に低減した(メタ)アクリル酸(共)重合体を得ることができ、また、その(メタ)アクリル酸(共)重合体を用いた洗剤の着色を、著しく抑制することができる。

Claims (4)

  1. アクリル酸もしくはメタクリル酸又はその塩を必須とする単量体を重合して、(メタ)アクリル酸重合体又は共重合体(以下、(共)重合体という)を製造するに際し、反応系中に、ハイドロキノン化合物、過硫酸塩、硫酸第一鉄及び/又は硫酸第二銅である水溶性金属塩、及び過酸化水素を、ハイドロキノン化合物1重量部に対して、過硫酸塩15〜300重量部及び水溶性金属塩0.001〜0.05重量部、過硫酸塩/過酸化水素(モル比)=0.01〜0.5の割合で存在させる、(メタ)アクリル酸(共)重合体の製法。
  2. 過硫酸塩が、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムから選ばれる1種以上である請求項1記載の(メタ)アクリル酸(共)重合体の製法。
  3. (メタ)アクリル酸(共)重合体中、ハイドロキノン化合物の含有量が、10mg/kg以下である請求項1又は2記載の(メタ)アクリル酸(共)重合体の製法。
  4. ハイドロキノン化合物が、p−ヒドロキシフェノール又はp−メトキシフェノールである請求項1〜のいずれかの項記載の(メタ)アクリル酸(共)重合体の製法。
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