JP2001139623A - ポリマーの製法 - Google Patents

ポリマーの製法

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JP2001139623A
JP2001139623A JP32125299A JP32125299A JP2001139623A JP 2001139623 A JP2001139623 A JP 2001139623A JP 32125299 A JP32125299 A JP 32125299A JP 32125299 A JP32125299 A JP 32125299A JP 2001139623 A JP2001139623 A JP 2001139623A
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aqueous solution
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activated carbon
solution
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Koji Yui
幸治 湯井
Taku Oda
卓 織田
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カルボキシル基を有するポリマーを含有する水
溶液から効率良く低分子量不純物を除去するとともに該
水溶液の着色等を防止する、カルボキシル基を有するポ
リマーの製法を提供すること。 【解決手段】カルボキシル基を有するポリマーと未反応
モノマー及び/又は置換フェノール〔成分(a)〕とを
含有する水溶液と、活性炭とを接触させる工程を設け
る、成分(a)の含有量が低減した、カルボキシル基を
有するポリマーの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系分散剤や水系
増粘剤に有用な、カルボキシル基を有するポリマーの製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボキシル基を有するポリマーは、水
系分散剤、水系増粘剤、水系混和剤、水系糊料、水系コ
ーティング剤、水系凝集剤、水中多価金属イオン捕捉
剤、水性接着剤、及び化粧品基材等の多くの用途に用い
られている。このようなポリマーから低分子量不純物を
除去するには、抽出、再沈殿、透析等の他、不純物が揮
発性の場合には減圧又は加熱によってそれを蒸発させる
方法もある。これらの方法を用いれば、ポリマーから未
反応モノマー等のイオン性低分子量不純物をある水準ま
で低下させることが可能であるが、長時間を要したり、
大量の溶媒を必要とする等の不利な点があった。また、
未反応モノマーと置換フェノール等の重合禁止剤とがポ
リマー中に存在する場合、これらを同時に効果的に除去
することは、上記いずれの方法によっても困難であり、
その結果、カルボキシル基を有するポリマーにおいて、
これら不純物の存在に起因した着色を招く等の問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、カル
ボキシル基を有するポリマーを含有する水溶液から効率
良く低分子量不純物を除去するとともに該水溶液の着色
等を防止する、カルボキシル基を有するポリマーの製法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、カルボ
キシル基を有するポリマーと未反応モノマー及び/又は
置換フェノール〔成分(a)〕とを含有する水溶液と、
活性炭とを接触させる工程を設ける、成分(a)の含有
量が低減した、カルボキシル基を有するポリマーの製法
に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】〔カルボキシル基を有するポリマ
ー〕本発明で用いられるカルボキシル基を有するポリマ
ーは、その10〜100モル%がカルボキシル基を有す
るビニルモノマー単位から構成されるポリマーである。
ここでビニルモノマー単位とは、ビニル基の炭素の炭素
二重結合が炭素・炭素単結合になった構造単位をいう。
このポリマーが、カルボキシル基を有するビニルモノマ
ーと、これと共重合し得るモノマーとのコポリマーであ
る場合、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーで
も良い。
【0006】カルボキシル基を有するビニルモノマー単
位として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マ
レイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド、イタコ
ン酸、イタコン酸モノエステル、又はイタコン酸モノア
ミド等のモノマー由来のビニルモノマー単位が好まし
く、かかるビニルモノマー単位は単独でも良く、二種以
上が混在していても良い。この場合、カルボキシル基を
有するポリマーにおけるカルボキシル基は酸型でも塩型
でも良い。後者としては、ナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩、アミン塩、アンモニウム塩等が例示され
る。
【0007】ビニルモノマーには、通常、重合禁止剤が
配合されている。この重合禁止剤には置換フェノールが
一般的であり、p−ヒドロキノン、p−メトキシフェノ
ール、3−t−ブチルカテコール等である。本発明で使
用されるビニルモノマーを工業的に重合する際には、こ
の重合禁止剤を取り除かないで用いることが多く、よっ
て重合禁止剤の殆どはそのままポリマー中の不純物とし
て残留している。
【0008】カルボキシル基を有するポリマー中の、カ
ルボキシル基を有するビニルモノマー単位の割合が10
0モル%未満の場合に、その他のモノマーとしてはこれ
と共重合し得るモノマーが挙げられる。具体的には、
(メタ)アクリル酸エチルや(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アク
リルアミド、(メタ)アリルスルホン酸やスチレンスル
ホン酸や2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸等のスルホン酸モノマー、エチルビニルエーテル
や4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエー
テル、3−プロペニル−2−ヒドロキシエチルエーテ
ル、重合度2以上のポリエチレングリコールのモノアリ
ルエーテル、アリルアルコール、スチレン、ビニルアル
コール、イソブチレン等のαオレフィン類が好ましいも
のとして挙げられる。
【0009】本発明におけるカルボキシル基を有するポ
リマーは、カルボキシル基を有するビニルモノマーを、
又はこのビニルモノマーとこれと共重合し得るモノマー
とをラジカル重合又はリビングラジカル重合することに
よって合成される。この場合の重合開始剤には、2,
2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ系化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウムその他の過硫酸塩、t−ブチ
ルヒドロペルオキシド、ジt−ブチルペルオキシド、過
酸化水素等の過酸化物系化合物が用いらる。重合溶媒に
は水又は有機溶剤が用いられる。
【0010】カルボキシル基を有するビニルポリマーの
重量平均分子量は5000〜150万程度が好ましく、
9000〜90万がより好ましく、2万〜25万が特に
好ましい。その重量平均分子量は、活性炭によるイオン
性ポリマーの除去量を抑える観点から5000以上が好
ましく、水溶液の粘度を適度に保ち、低分子量不純物の
活性炭への拡散を効率よく行い、特に流通式のカラムに
活性炭を充填した場合の活性炭層での抵抗を抑える観点
から150万以下が好ましい。
【0011】〔活性炭処理工程〕本発明においては、カ
ルボキシル基を有するポリマーと成分(a):未反応モ
ノマー及び/又は置換フェノールとを含有する水溶液
と、活性炭とを接触させる工程(「活性炭処理工程」と
いう。)を設ける。ラジカル重合やリビングラジカル重
合等の反応により得られるカルボキシル基を有するポリ
マーには、成分(a)が残存してしまう。本発明のよう
に、上記水溶液と活性炭とを接触させることにより、効
率良く成分(a)を低減できるだけでなく、着色等を防
止することもできる。
【0012】活性炭処理工程においては、合成されたカ
ルボキシル基を有するポリマーの水溶液を処理対象とす
る。ここでいう水溶液とは水が主溶媒であるものをい
い、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、アセトン等の有機溶媒が含有していても構わない。
水溶液中の有機溶媒の濃度は40重量%以下が好まし
く、20重量%以下がより好ましい。したがって、重合
溶媒に有機溶剤を用いた場合は、溶媒を水で完全に置換
しても良く、一部を水で置換する程度でも良い。
【0013】カルボキシル基を有するポリマーの該水溶
液中の濃度は、好ましくは1〜50重量%、さらに好ま
しくは5〜30重量%である。その濃度は、単位処理時
間当たりの処理量を増加させる観点から、1重量%以上
が好ましく、また、適度な粘度を確保し、不純物の活性
炭への拡散を効率よく行い、特に流通式のカラムに活性
炭を充填した場合の活性炭層での抵抗を抑える観点か
ら、50重量%以下が好ましい。
【0014】本発明において使用される活性炭として
は、この処理自身によるポリマー溶液の色相悪化を防止
する観点から酸可溶鉄分が少ないものが好ましい。この
酸可溶鉄分とは、JIS K 1474に規定される方法で測定さ
れる鉄濃度であり、本発明の一の態様では、酸可溶鉄分
が好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.0
5重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下の
活性炭が使用される。
【0015】酸可溶鉄分が0.1重量%以下の活性炭と
しては、活性炭原料に元々含有される鉄分が低いもの
や、多量に鉄分が含まれていても、酸で洗浄し、鉄分が
除去されたものが挙げられる。
【0016】また、本発明の他の態様として、酸可溶鉄
分が0.1重量%より多い活性炭であっても、活性炭処
理時に水溶液中への鉄の過剰な溶出を防ぐことで、水溶
液の着色を避けることができる。この場合、活性炭処理
後の水溶液のpHは、2〜9が好ましく、4〜8がさら
に好ましい。活性炭からの鉄分の溶出を防ぐために、p
Hは2以上が好ましい。また、カルボキシル基を有する
ポリマーの分解を防ぐ観点からpHは9以下が好まし
い。なお、水溶液の着色の程度はハーゼン単位色数(以
下、「色相APHA」という。JIS K0071に基づい
て測定)で示され、活性炭処理後のポリマー水溶液の該
色相APHAは300以下が好ましく、100以下がより好
ましい。
【0017】かかる活性炭を使用して、上記水溶液と活
性炭とを接触させる際には、カラム式で行うことが好ま
しい。カラム式の場合は、循環法又は流通法のどちらで
もよい。流量としては、特に限定はないが、例えば、循
環法では、空間速度(=(流量m3 /時間)/(樹脂量
3 ))1Hr-1以上の条件で、また流通法では、10
0Hr-1以下の条件で流量及び活性炭を設定することが
望ましい。また、カラム式では、活性炭層の差圧を下げ
るために、破砕状あるいは球状の、比較的粒子の大きい
活性炭を使用することが望ましい。また、カラム式で
は、活性炭層の差圧を下げるために、破砕状あるいは球
状の、比較的粒子の大きい活性炭を使用することが望ま
しい。
【0018】また、上記水溶液と活性炭とを接触させる
方法としては、バッチ式の方法も使用することができ
る。使用条件としては、活性炭を水溶液中に好ましくは
0.01〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重
量%、特に好ましくは1〜7重量%添加し、0.1〜5
0時間程度攪拌した後、水溶液から分離する。この場
合、固液の接触効率を増すために、粉末状活性炭を用い
ることが望ましい。水溶液と活性炭の分離には、加圧濾
過法、減圧濾過法、遠心濾過、遠心分離等による方法が
用いられる。また、活性炭処理する際の温度条件として
は、特に限定はない。
【0019】このようにして得られるカルボキシル基を
有するポリマー水溶液は、成分(a)の含有量が極めて
少ない。本発明によれば、例えばカルボキシル基を有す
るポリマー中の成分(a)の含有量を、好ましくは50
0mg/kg以下、より好ましくは200mg/kg以
下、特に好ましくは100mg/kg以下に低減するこ
とができる。取り分け、得られたポリマーにおける未反
応モノマーの含有量を好ましくは500mg/kg以
下、より好ましくは300mg/kg以下、特に好まし
くは100mg/kg以下に低減することができる。
【0020】
【実施例】特に記述しない限り、仕込みは全て重量部で
行い、水にはイオン交換水を用いた。また、水溶液中の
重合禁止剤の濃度は、次なる条件の液体クロマトグラフ
法で分析した。 検出器:紫外吸光光度計(波定波長245nm) カラム: Shiseido 製Capcellpak C18、タイプSG12
0 、長さ250mm カラム温度:室温 移動相:リン酸一水素ナトリウムを0.0063モル/
L、リン酸二水素ナトリウムを0.0328モル/L、
及び1−ヘプタンスルホン酸ナトリウムを0.0105
モル/L含む水と、2−プロパノールとの19:1(重量
比)混合液。 注入量:0.20mL 流速:1.0mL/分
【0021】水溶液中のモノマー濃度は、次の条件の液
体クロマトグラフ法で分析した。 検出器:紫外吸光光度計(波定波長210nm) カラム:トーソー製TSKgel SAX(W001
0)、長さ150mm カラム温度:室温 移動相:リン酸二水素ナトリウム二水塩を0.005モ
ル/Lと過塩素酸ナトリウムを0.003モル/L含む
水をリン酸でpHを2.5に調製したものと、アセトニ
トリルとの9:1(体積比)混合液。 注入量:0.020mL 流速:1.0mL/分
【0022】色相APHAは試料水溶液100mLを比色管
(直径20mm、容量150mL、ガラス製)に入れ、
ハーゼン標準比色液と色相を目視で比較して求めた。
【0023】合成例1 80重量%アクリル酸水溶液125部、2−プロパノー
ル550部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)6.90部を混合し、窒素雰囲気下
で攪拌しながら62〜63℃に5時間保ってから室温に
戻した。この溶液を室温で攪拌しているヘキサン700
0部に30分かけて滴下した。生成した沈殿をデカンテ
ーションで採取し、10640〜13300Pa/60
〜65℃で16時間減圧乾燥して、白色粉末状ポリアク
リル酸を得た。これをポリマーAとする。ゲル浸透型液
体クロマトグラフィー(ポリエチレングリコール標準)
によって求めたポリマーAの重量平均分子量は3800
0であった。その測定条件は次のとおりである。
【0024】カラム:東ソー(株)製 TSK GMPWXL 2本 溶離液:リン酸二水素ナトリウム 0.1モル/Lとリン酸
水素二ナトリウム1モル/Lとを含む水溶液と、アセト
ニトリルとの9:1の容量比混合物 検出器:示差屈折率計 流速:1.0 mL/分 温度:40℃ 標準:ポリエチレングリコール(重量平均分子量9.20×
105 、5.10×105 、2.50×105 、9.50×104 、4.60×10
4 、3.90×104 ) 検体濃度:0.20g/100 mL溶離液 検体溶液注入量:0.20mL
【0025】ポリマーA中に、モノマー(アクリル酸)
は767mg/kg 、重合禁止剤(p−メトキシフェノー
ル)は91mg/kg 検出された。ポリマーAを30重量%
水溶液(pHは2.1であった。)とし、氷で冷却しな
がら激しく攪拌して、温度が50℃を越えないように粒
状水酸化ナトリウムを少しずつ加えてpHが6〜6.5
の溶液を調製した。この溶液をガラス瓶に入れて蓋を
し、50℃で2週間保存したところ、色相APHAは100
であった。
【0026】実施例1 ポリマーAを20重量%水溶液としたもの(pHは2.
2であった)を15kg準備した。3.0Lの粒状活性
炭(S−80A :三菱化学(株)製、酸可溶鉄分0.0
18重量%)を充填したカラム(直径:100mm 、長さ:
800mm )に、この水溶液を6.0kg/Hr(液比重:
1.01、液温度:20℃)の流速(空間速度2.0 Hr-1)で通
液した。処理には約2.5時間を要した。この処理後の
水溶液のpHは2.3であり、ポリマーA中のモノマー
濃度は、20mg/kg 未満、重合禁止剤濃度は2mg/kg 未
満と、効率よく低減されていた。この液を減圧濃縮して
30重量%の水溶液とし、合成例1と同様にしてpHを
6〜6.5に調整してから50℃で2週間保存したとこ
ろ、色相APHAは20であり、着色が抑制された。
【0027】比較例1 ポリマーAを20重量%水溶液としたもの300mL
を、セルロース透析膜(株式会社日本メデカルサイエン
ス製、ビスキングチューブ、断面円の直径は約16mm
のチューブ状)に充填して、緩やかに攪拌している水5
Lに浸した。浸漬1日ごとに水を交換し、ポリマーA中
のアクリル酸濃度が実施例1に記載の如く20mg/kg 未
満に達するまでに5日を要した。またその際の重合禁止
剤濃度は、8mg/kg であった。この様に透析は、低分子
量不純物の低減には、効率の悪いものであった。
【0028】合成例2 マレイン酸40.0部と水500部との溶液に、水酸化
ナトリウム6.89部を加えて窒素雰囲気下で攪拌し、
温度を90〜95℃に保った。ここに、80重量%アク
リル酸水溶液75.0部と、過硫酸ナトリウム16.7
部と水60部との混合溶液とを、同時に3時間掛けて滴
下した。滴下終了後2時間、90〜95℃で攪拌してか
ら室温に戻して、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマ
ー(この順のモル比が7:3。マレイン酸部分の半数に
当たるカルボキシル基がナトリウム塩。このポリマーを
ポリマーBとする。)を、18重量%水溶液(pHは
3.4)として得た。ゲル浸透型液体クロマトグラフィ
ー(ポリエチレングリコール標準)によって求めたポリ
マーBの重量平均分子量は2,8000であった。この
測定条件は合成例1と同じである。
【0029】ポリマーBの18重量%水溶液中に、アク
リル酸は759mg/kg (ポリマーB中4220mg/kg
)、マレイン酸は3260mg/kg (ポリマーB中18
100mg/kg )、重合禁止剤(p−メトキシフェノー
ル)は20mg/kg (ポリマーB中112mg/kg )検出さ
れた。また、ポリマーBの18重量%水溶液の色相APHA
は300〜400であり、この溶液をガラス瓶に入れて
蓋をし、50℃で2週間保存したところ、色相APHAは4
00以上となった。
【0030】実施例2 合成例2で得られたポリマーBの18重量%水溶液を1
5kg準備した。3.0Lの粒状活性炭(S−80A :
三菱化学(株)製、酸可溶鉄分0.018重量%)を充
填したカラム(直径:100mm 、長さ:800mm )に、この
水溶液を6.0kg/Hr(液比重:1.01、液温度:20
℃)の流速(空間速度2.0 Hr-1)で通液した。このとき
の処理液のpHは3.3であり、ポリマーB中のアクリ
ル酸濃度は22mg/kg 、マレイン酸濃度は28mg/kg 、
重合禁止剤濃度は、2mg/kg 未満と、効率よく低減され
た。また、この処理液の色相APHAは80であり、50℃
で2週間保存後の色相APHAは100〜120であり、効
率よく脱色が行われた。
【0031】比較例2 合成例2で得たポリマーBの18重量%水溶液100部
を3倍に希釈し、室温で攪拌されているアセトン300
0部に30分かけて滴下した。静置後生じる沈殿をデカ
ンテーションによって回収し、10640〜13300
Pa/60〜65℃で16時間減圧乾燥して、白色粉末
を得た。これをポリマーB2とする。ポリマーB2中の
アクリル酸は818mg/kg 、マレイン酸は977mg/kg
、重合禁止剤は4mg/kg であった。ポリマーB2を6
重量%水溶液にし、室温で攪拌されているアセトン30
00部に30分かけて滴下した。静置後生じる沈殿をデ
カンテーションによって回収し、10640〜1330
0Pa/60〜65℃で16時間減圧乾燥して、白色粉
末を得た。これをポリマーB3とする。ポリマーB3中
のアクリル酸は65mg/kg 、マレイン酸は109mg/kg
、重合禁止剤は2mg/kg 未満であった。このように、
再沈殿を2回繰り返しても、不純物量は実施例2の場合
よりも高く、効率の悪いものであることが分かった。
【0032】合成例3 2−プロパノール200部と水300部との溶液を窒素
雰囲気下で攪拌し、温度を70〜80℃に保った。ここ
に、80重量%アクリル酸水溶液26.3部とアクリル
酸2−ヒドロキシエチル135部と水20部との混合溶
液と、過硫酸ナトリウム0.693部と水50部との混
合溶液とを、同時に2時間掛けて滴下した。滴下終了後
6時間、70〜80℃で攪拌してから室温に戻した。生
成した溶液を10640〜13300Paで加熱して濃
縮し、溶液量が420部以下になったところで水を30
0部追加した。再び10640〜13300Paで加熱
して濃縮し、溶液量が520部になったところで濃縮を
やめ、アクリル酸とアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
の共重合体(この順のモル比2:8、このポリマーをポ
リマーCとする)を、30重量%水溶液として得た。ゲ
ル浸透型液体クロマトグラフィー(ポリエチレングリコ
ール標準)によって求めたポリマーCの重量平均分子量
は3,7000であった。この測定条件は合成例1と同
じである。
【0033】上記ポリマーCの30重量%水溶液中に、
アクリル酸は66mg/kg (ポリマーC中220mg/kg
)、アクリル酸2−ヒドロキシエチルは365mg/kg
(固形ポリマーC中1220mg/kg )、重合禁止剤(p
−メトキシフェノール)は82mg/kg (ポリマーC中2
76mg/kg )検出された。また、上記ポリマーCの30
重量%水溶液(pHは1.9であった。)を氷で冷却し
ながら激しく攪拌して、温度が40℃を越えないように
48重量%水酸化ナトリウム水溶液(約19.4部)を
少しずつ加えてpHが6〜6.5の溶液を調製した。こ
の溶液をガラス瓶に入れて蓋をし、50℃で2週間保存
したところ、色相APHAは80〜100であった。
【0034】実施例3 合成例3で得られたポリマーCの30重量%水溶液を1
5kg準備した。3.0Lの粒状活性炭(S−80A :
三菱化学(株)製、酸可溶鉄分0.018重量%)を充
填したカラム(直径:100mm 、長さ:800mm )に、この
水溶液を6.0kg/Hr(液比重:1.01、液温度:20
℃)の流速(空間速度2.0 Hr-1)で通液した。このとき
の処理液のpHは2.3であり、ポリマーC中のアクリ
ル酸濃度は20mg/kg 未満、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチルは20mg/kg 未満、重合禁止剤(p−メトキシフ
ェノール)は2mg/kg 未満と、効率よく低減された。ま
た、合成例3の場合と同様にしてポリマーCの30重量
%水溶液のpHを6〜6.5とし、50℃で2週間保存
したところ、色相APHAは20であり、効率よく色相改善
が行われた。
【0035】比較例3 合成例3で得たポリマーCの30重量%水溶液100部
に酢酸エチル100部を加え、激しく振り混ぜた後遠心
分離器に掛け、上層を吸い出して除去した。酢酸エチル
100部を使ったこの抽出操作を合計4回行った。得ら
れた水層に水30部を追加し、液量が100部になるま
で10640〜13300Paの減圧下で濃縮した。こ
うして得られたポリマーC中には、アクリル酸は34mg
/kg 、アクリル酸2−ヒドロキシエチルは96mg/kg 、
重合禁止剤(p−メトキシフェノール)は2mg/kg 未満
が検出され、効率的精製でないことがわかった。
【0036】合成例4 水 300部を窒素雰囲気下で68〜70℃に加熱し攪拌し
た。ここに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム(東ソ
ー(株)製、純度82.2%)301 部と水1500部との溶
液と、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩 0.977部と水150部との溶液とを、別々に同時に2時
間かけて滴下した。滴下中も系内の温度を68〜72℃に保
ち、滴下終了後は68〜72℃で6時間攪拌を続けて室温に
戻した。得られた水溶液を減圧下で加熱して揮発分の一
部を除去し、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを20重
量%含有する水溶液1510部を得た。このポリマーの重量
平均分子量は34万であった。この測定条件は合成例1と
同じである。
【0037】こうして得たポリスチレンスルホン酸ナト
リウムの20重量%水溶液60部に水 187部を加えて窒素雰
囲気下で攪拌し、温度を85〜90℃に保った。ここに80
重量%アクリル酸水溶液135部と、過硫酸ナトリウム
17.8部の水 100部溶液とを別々に同時に2時間かけて滴
下した。滴下中も温度を85〜90℃に保ち、滴下終了後85
〜90℃で6時間攪拌を続けた。その後室温に戻し、黄色
透明水溶液を得た。このグラフトコポリマーの重量平均
分子量は15万であった。この分子量の測定方法は合成例
1と同じである。
【0038】また、グラフトコポリマーの分子量測定を
行う際に、検出器に示差屈折率計と紫外線検出器(波長
254 nm)との双方を用い、そのクロマトグラムから得ら
れた分子量分布曲線を図1に示した。図1によれば、双
方の分子量分布曲線は良い一致を示す。このことは、示
差屈折率計によって検出されるポリマーの全域に渡って
紫外線吸収(波長254 nm)を有することを意味する。紫
外線吸収を示す分子量領域は、ベンゼン環を構造の一部
に有することを示しており、一方示差屈折率計によれ
ば、いずれの構造のポリマーも検出される。従って、合
成例4により得られるポリマーにおいては、グラフト化
が効果的に起こっていることがわかる。すなわち合成例
4では、ポリスチレンスルホン酸主鎖にポリアクリル酸
が側鎖となったグラフトコポリマー(これをポリマーD
と称する)を、24重量%水溶液として得た。なお、ポ
リスチレンスルホン酸鎖が過硫酸ナトリウムから発生す
るラジカルによって切断される反応も競合するので、重
量平均分子量において前駆体であるポリスチレンスルホ
ン酸よりも、得られたグラフトコポリマーの方が低い値
を示していても矛盾はしない。
【0039】このポリマーDの24重量%水溶液中に、
アクリル酸は892mg/kg (ポリマーD中3720mg/k
g )、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)は35mg
/kg(ポリマーD中144mg/kg )検出された。また、
このポリマーDの24重量%水溶液100部を氷で冷や
しながら攪拌し、溶液の温度が60℃を越えないように
粒状水酸化ナトリウム9.2部を徐々に溶かして、pH
を6〜6.3に調整した。こうして得た水溶液の色相AP
HAは300〜400であり、この溶液をガラス瓶に入れ
て蓋をし、50℃で2週間保存したところ、色相APHAは
400以上となった。
【0040】実施例4 合成例4で得られたポリマーDの24重量%水溶液を水
で2倍に希釈したものを15kg準備した。3.0Lの
粒状活性炭(S−80A :三菱化学(株)製、酸可溶鉄
分0.018重量%)を充填したカラム(直径:100mm
、長さ:800mm)に、この水溶液を6.0kg/Hr
(液比重:1.01、液温度:20℃)の流速(空間速度2.0
Hr-1)で通液した。この処理液のpHは2.3であり、
アクリル酸濃度は2.4mg/kg 未満(ポリマーD中20
mg/kg 未満)、重合禁止剤(p−メトキシフェノール)
は0.24mg/ kg未満(ポリマーD中2mg/kg 未満)
と、効率よく低減された。また、前記活性炭処理済み液
を減圧下で加熱して2倍に濃縮して得られる溶液100
部を氷で冷やしながら攪拌し、溶液の温度が60℃を越
えないように粒状水酸化ナトリウム9.2部を徐々に溶
かして、pHを6〜6.3に調整した。この溶液の色相
APHAは120〜150であり、この溶液をガラス瓶に入
れて蓋をし、50℃で2週間保存したところ、色相APHA
は150〜200となり、効率よく色相改善が行われ
た。
【0041】比較例4 ポリマーDの24重量%水溶液としたもの300mL
を、セルロース透析膜(株式会社日本メデカルサイエン
ス製、ビスキングチューブ、断面円の直径は約16mm
のチューブ状)に充填して、緩やかに攪拌している水5
Lに浸した。浸漬1日ごとに水を交換し、ポリマーD中
のアクリル酸濃度が実施例4に記載の如く20mg/kg 未
満に達するまでに6日を要した。またその際のポリマー
D中の重合禁止剤濃度は5mg/kg であった。この様に透
析は、低分子量不純物の低減には、効率の悪いものであ
った。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、カルボキシル基を有す
るポリマーを含有する水溶液から効率良く低分子量不純
物を除去すると共に、該水溶液の着色等が防止された、
カルボキシル基を有するポリマーの製法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、合成例4で得たグラフトコポリマーの
分子量分布曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AJ02P AJ08P AJ09P AK01P AK02P AK07P AL36P AL44P AM32P AM33P CA01 GB01 GC35 JA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有するポリマーと未反
    応モノマー及び/又は置換フェノール〔成分(a)〕と
    を含有する水溶液と、活性炭とを接触させる工程を設け
    る、成分(a)の含有量が低減した、カルボキシル基を
    有するポリマーの製法。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有するポリマーを構成
    するモノマー単位が、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
    イン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミ
    ド、イタコン酸、イタコン酸モノエステル及びイタコン
    酸モノアミドからなる群より選ばれる一種以上のモノマ
    ー由来のビニルモノマー単位である請求項1記載の製
    法。
  3. 【請求項3】 得られるポリマーにおける成分(a)の
    含有量を500mg/kg以下に低減する請求項1又は
    2記載の製法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006085577A1 (ja) * 2005-02-10 2006-08-17 Asahi Glass Company, Limited 重合体の製造方法、塗料用組成物および塗装物品
JP2013510202A (ja) * 2009-11-04 2013-03-21 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 水性ポリアクリル酸溶液の製造方法

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