JP2644161B2 - 水溶性重合体の製造方法および水溶性重合体 - Google Patents
水溶性重合体の製造方法および水溶性重合体Info
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Description
方法に関する。さらに詳しくは、この発明は、水性樹脂
用の架橋剤として有用な2−オキサゾリン基含有水溶性
重合体を、残存する付加重合性オキサゾリン(オキサゾ
リン基含有単量体またはオキサゾリンモノマーとも言
う)量が低減されるようにして製造する方法に関する。
リエチレングリコール鎖の両方を有する水溶性重合体に
関する。
の量を低減する方法は種々知られている。一般的には、
減圧蒸留や水蒸気蒸留などにより残存単量体を除去する
方法や、重合後半にさらに重合開始剤を追加する方法が
知られている。また別の方法としては、残存単量体を化
学反応によって別の化学物質に変える方法も知られてい
る。例えば、米国特許4,357,464号には、重合
体溶液に亜硫酸ガス、硫化水素ガスまたは亜硫酸水素ナ
トリウム等の酸性でかつ求核性の化合物を作用させるこ
とによって、残存2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ン量を低減させる方法が開示されている。
法は、比較的低沸点であるかまたは溶媒と共沸する単量
体に限定され、付加重合性オキサゾリンのように沸点が
高い単量体では適用しにくい。また重合開始剤を追加す
る方法や、化学反応により低減する方法では、重合体溶
液中に不純物が残存することになり、重合体をコーティ
ング剤や接着剤等の一成分として使用する際の、保存安
定性や耐水性等の性能に悪影響を与える。
だけで効率よく残存オキサゾリンモノマー量が低減され
る水溶性重合体の製造方法を提供することを課題とす
る。この発明は、上記の方法により製造することがで
き、側鎖にオキサゾリン基及びポリエチレングリコール
鎖の両方を有する水溶性重合体を提供することを課題と
する。
に、この発明は、付加重合性オキサゾリンを用いて重合
を行うことにより2−オキサゾリン基含有水溶性重合体
を製造する方法であって、前記重合をアクリル酸エステ
ルの存在下で、かつ水性媒体中で行うことを特徴とする
水溶性重合体の製造方法を提供する。
水性単量体を50重量%以上含む単量体混合物を水性媒
体中で重合することが好ましく、またアクリル酸エステ
ルとしてアルコキシ置換ポリエチレングリコールアクリ
レートを含むことが好ましい。
(a)付加重合性オキサゾリン5〜95.25重量%、
(b)アクリル酸エステル0.25〜95重量%、およ
び(c)他の単量体0〜94.75重量%からなり、親
水性単量体を50重量%以上含む単量体混合物を重合し
て得られる水溶性重合体であって、(b)アクリル酸エ
ステルとして、アルコキシ置換ポリエチレングリコール
アクリレートを含むことを特徴とする水溶性重合体を提
供する。
で表される1価の有機基である。
れ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェ
ニルまたは置換フェニルである。〕この発明で得られる
2−オキサゾリン基含有水溶性重合体とは、付加重合性
オキサゾリン(a)、アクリル酸エステル(b)及び必
要に応じて少なくとも1種の他の単量体(c)を重合し
てなるものである。
(a)とは、一般式(II)
れ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェ
ニルまたは置換フェニルであり、R5 は付加重合性不飽
和結合を持つ非環状有機基である。〕によって表される
ものである。付加重合性オキサゾリン(a)の具体例と
しては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−
4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチ
ル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキ
サゾリンを挙げることができ、これらの群から選ばれる
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業
的にも入手し易く好適である。
特に限定されるものではないが、2−オキサゾリン基含
有水溶性重合体を得る際に使用する単量体混合物中、5
重量%以上であることが好ましい。付加重合性オキサゾ
リン(a)が5重量%未満の量では、水性樹脂用の架橋
剤として使用した場合の硬化の程度が不充分であり、そ
の硬化物の耐久性、耐水性等が損なわれる傾向にある。
前記単量体混合物中の付加重合性オキサゾリン(a)の
量の上限は、この発明の目的を達成するためのアクリル
酸エステル(b)の最低限の使用量を確保しうる値、す
なわち95.25重量%である。
(b)とは、2−オキサゾリン基と反応する官能基を持
たず、付加重合性オキサゾリン(a)と共重合可能なも
のであれば特に制限はなく、通常アクリル酸と1価ある
いは多価のアルコール類またはフェノール類とのエステ
ル化反応によって得られるものである。例示すれば、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸パーフルオロアルキルエチル、アクリ
ル酸フェニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸2−アミノエチル及びその塩、アクリル酸メトキ
シポリエチレングリコール、アクリル酸とポリエチレン
グリコールとのモノエステル化物等が挙げられ、これら
の1種または2種以上の混合物を使用することができ
る。
に限定されるものではないが、付加重合性オキサゾリン
(a)100重量部に対して5重量部以上が好ましい。
5重量部未満では、付加重合性オキサゾリン(a)の残
存量を低減する効果が低くなる。なお、アクリル酸エス
テル(b)の使用量の上限は特に限定されず、生成する
重合体が水溶性を有するものであるならば、アクリル酸
エステル(b)の量は付加重合性オキサゾリン(a)に
対していくら多くても構わない。
加重合性オキサゾリン(a)の使用量範囲を考慮する
と、2−オキサゾリン基含有水溶性重合体を得る際に使
用する単量体混合物中、0.25〜95.0重量%の範
囲が好ましい。この発明において、必要に応じて使用さ
れる他の単量体(c)とは、2−オキサゾリン基と反応
しない、付加重合性オキサゾリン(a)と共重合可能な
単量体であれば特に制限はなく、例えば、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸
とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、メタ
クリル酸2−アミノエチル及びその塩等のメタクリル酸
エステル類;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)
アクリル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩類;
(メタ)アクリルニトリル等の不飽和ニトリル類;(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリ
ルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチ
レン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−
不飽和単量体類;スチレン、α−メチルスチレン、スチ
レンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和芳香族単
量体類が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合
物を使用することができる。これらの単量体(c)の中
で、アクリル酸ナトリウム及びアクリル酸アンモニウム
のようなアクリル酸塩はアクリル系単量体であるけれど
も、アクリル酸エステルが有するような、残存オキサゾ
リンモノマー量を低減する効果を持たないので、前記の
アクリル酸エステル(b)とは明確に区別される。この
発明の方法に単量体(c)を使用する場合、単量体
(c)の割合は、付加重合性オキサゾリン(a)とアク
リル酸エステル(b)の使用量の下限値を考慮して9
4.75重量%以下が好ましい。
付与するためには、単量体混合物中の親水性単量体の割
合が50重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
る。親水性単量体とは、付加重合性オキサゾリン
(a);アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
メトキシポリエチレングリコール、アクリル酸とポリエ
チレングリコールとのモノエステル化物、アクリル酸2
−アミノエチル及びその塩などのアクリル酸エステル
(b)のうちの一部の単量体;ならびに、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メトキシポリエチ
レングリコール、メタクリル酸とポリエチレングリコー
ルとのモノエステル化物、メタクリル酸2−アミノエチ
ル及びその塩、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メ
タ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリルニトリ
ル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メ
タ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸ナトリウム等
の単量体(c)のうちの一部の単量体が挙げられる。こ
れらの親水性単量体の中で、水への溶解性の高いもの、
たとえば、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレング
リコール、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコー
ルとのモノエステル化物等の、ポリエチレングリコール
鎖を有する単量体を使用することによって、2−オキサ
ゾリン基含有水溶性重合体を製造する際の重合濃度、す
なわち反応液中の単量体濃度および反応混合物中の2−
オキサゾリン基含有水溶性重合体の濃度を上げることが
できる。これにより、重合体の生産、移送、貯蔵などの
効率を上げることができる。
(a)、アクリル酸エステル(b)及び必要に応じて少
なくとも1種の他の単量体(c)を、従来公知の重合法
によって水性媒体中で溶液重合を行うことにより2−オ
キサゾリン基含有水溶性重合体を製造する。ここで「水
性媒体」とは、水の含有量が50重量%以上である媒体
をさす。使用できる水性媒体は、水または水と混合可能
な有機溶媒と水の混合物であれば特に制限はない。前記
有機溶媒を例示すれば、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノール、ブタノール、ターシャリ
ーブタノール、エチレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエ
チルケトン等が挙げられ、これらの中の1種以上が使用
される。水性媒体は、水のみを使用するのが好ましい。
合開始剤としてアゾ系、過硫酸塩系またはパーオキサイ
ド系化合物等を用い、窒素ガスを導入しながら、20〜
150℃の温度で1〜24時間加熱攪拌することで行わ
れる。単量体混合物は、初期に一括で反応釜に仕込んで
も良いし、滴下などにより逐次導入しても良い。重合開
始剤は、初期一括仕込み、滴下その他の逐次添加等の方
法で仕込めば良い。
2−オキサゾリン基含有水溶性重合体が水性媒体に溶解
した状態で製造される。この重合体は水性媒体に溶解し
た状態で使用されたり、必要に応じて揮発分を除去して
固体の状態で使用されたりする。付加重合性オキサゾリ
ンは一般に沸点が高いため揮発分を除去するための処理
では除去されないが、この発明により得られる重合体
は、付加重合性オキサゾリンの残存量が少ないため、重
合体溶液の保存安定性が良好であり、コーティング剤や
接着剤等の一成分として使用する際に、保存安定性や耐
水性の性能に悪影響を与えないという利点がある。
性オキサゾリン、アクリル酸エステル、および他の単量
体(α)からなり、親水性単量体を50重量%以上含む
単量体混合物を重合して得られる水溶性重合体であっ
て、アクリル酸エステルとして、アルコキシ置換ポリエ
チレングリコールアクリレートを含む。該水溶性重合体
は、単量体成分がそれぞれラジカル重合して生成する、
付加重合性オキサゾリン単位、アクリル酸エステル単
位、および、単量体(α)単位が、重合に用いられた単
量体混合物の単量体組成と同じ比率で不規則に結合して
いる構造を有する。単量体混合物の、付加重合性オキサ
ゾリン、アクリル酸エステル、および単量体(α)の割
合は、それぞれ5〜95.25重量%、0.25〜95
重量%、0〜94.75重量%である。アクリル酸エス
テルとしてアルコキシ置換ポリエチレングリコールアク
リレートが含まれるがその割合は40〜95重量%が好
ましい。付加重合性オキサゾリンが前記範囲を下回ると
反応性や接着性が低下するおそれがあり、上回ると溶液
粘度が高くなるので不揮発分濃度を高くできないおそれ
がある。アルコキシ基置換ポリエチレングリコールアク
リレートが前記範囲を下回ると重合体の親水性が低下す
るおそれがあり、上回ると付加重合性オキサゾリンの最
低量を確保できない。単量体(α)が前記範囲を上回る
と付加重合性オキサゾリンおよびアクリル酸エステルの
いずれかの最低量を確保できない。
アクリレートは、アクリル酸エステルの1種であり、片
末端が炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されたエチレ
ングリコールの2〜50量体とアクリル酸のモノエステ
ルの構造を持つ。上記単量体(α)は、上記単量体
(c)から選ばれる少なくとも1つである。
明の方法を利用すれば、アクリル酸エステル(b)を共
重合させるので、残存オキサゾリンモノマー量の少ない
水溶性重合体を得ることができる。上記水溶性重合体
は、親水性単量体単位を50重量%以上含み、側鎖にオ
キサゾリン基及びポリエチレングリコール鎖の両方を有
するので、水溶性を有する。
分子量1,000〜100,000、好ましくは重量平
均分子量3,000〜50,000である。重量平均分
子量が前記範囲を下回ると反応性や接着性が低下するお
それがあり、上回ると溶液粘度が高くなるので不揮発分
濃度を高くできないおそれがある。
ステルの存在下で行うことにより、アクリル酸エステル
を共重合しない場合に比べて、残存オキサゾリンモノマ
ー量が低減された水溶性重合体が得られる。この発明の
水溶性重合体は、上記のようなものであるので、オキサ
ゾリン基の有する、反応性、接着性などの特性と、ポリ
エチレングリコール鎖の有する、親水性、帯電防止性、
柔軟性などの特性との両方の性質を有する。
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、以下では、特にことわりのない限り、「%」は
「重量%」、「部」は「重量部」を示す。残存モノマー
量は、以下の条件でガスクロマトグラフィーにて定量し
た。 ・カ ラ ム:2mのガラスカラムにサーモン1000
(ガスクロ工業株式会社製)を充填したもの ・検 出 器:水素炎イオン化検出器(FID) ・試料部温度:200℃ ・検出部温度:250℃ ・カラム温度:100℃ ・希釈溶媒 :ジメチルスルホキシド(内部標準物質と
してジエチレングリコールジエチルエーテルを5188
ppm含有) ・試料作製法:上記溶媒で約20倍に希釈して1マイク
ロリットルを注入 下記実施例および比較例で生成した水溶性重合体に2−
オキサゾリン基が存在していることは赤外吸収スペクト
ル測定で確認した。この測定には、日本バイオ・ラッド
・ラボラトリーズ株式会社製のフーリエ変換赤外分光光
度計(FT−IR)FTS−45を使用し、重合体溶液
をIR用硫化亜鉛窓に塗布し、室温で真空乾燥したもの
をサンプルとして使用した。2−オキサゾリン基中の炭
素−窒素二重結合の吸収は波数1655〜1657カイ
ザー(cm-1)に強くあらわれるので、その波数域での吸
収を調べた。
合体の製造例)− 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロー
トを備えたフラスコに、脱イオン水179部及びV−5
0(和光純薬株式会社製の重合開始剤:2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)1部を仕込
み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら60℃に加熱し
た。そこへ予め調製しておいた、アクリル酸エチル2
部、メタクリル酸メチル2部及び2−イソプロペニル−
2−オキサゾリン16部からなる単量体混合物を滴下ロ
ートより1時間で滴下した。反応中は窒素ガスを流し続
け、フラスコ内の温度を60±1℃に保った。滴下終了
後も9時間同じ温度に保った後冷却し、不揮発分10.
4%、pH6.5、粘度13.5センチポイズの2−オ
キサゾリン基含有重合体水溶液を得た。残存2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリンは、148ppmであっ
た。得られた重合体のFT−IR測定を行ったところ、
1655.2cm-1に強い吸収が見られた。
合体の製造例)− アクリル酸エチル1部、メタクリル酸メチル1部及び2
−イソプロペニル−2−オキサゾリン18部からなる単
量体混合物を使用する以外は実施例1と同じ操作を繰り
返して、不揮発分10.5%、pH7.4、粘度12.
5センチポイズの2−オキサゾリン基含有重合体水溶液
を得た。残存2−イソプロペニル−2−オキサゾリン
は、155ppmであった。得られた重合体のFT−I
R測定を行ったところ、1656.5cm-1に強い吸収が
見られた。
合体の製造例)− アクリル酸エチル4部及び2−イソプロペニル−2−オ
キサゾリン16部からなる単量体混合物を使用する以外
は実施例1と同じ操作を繰り返して、不揮発分10.5
%、pH6.8、粘度10.5センチポイズの2−オキ
サゾリン基含有重合体水溶液を得た。残存2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリンは、134ppmであった。
得られた重合体のFT−IR測定を行ったところ、16
55.1cm-1に強い吸収が見られた。
合体の比較製造例)− 単量体混合物の代わりに2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリン20部を使用する以外は実施例1と同じ操作を
繰り返して、不揮発分10.4%、pH8.3、粘度1
3.5センチポイズの2−オキサゾリン基含有重合体水
溶液を得た。残存2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ンは、340ppmであった。
合体の比較製造例)− メタクリル酸メチル4部及び2−イソプロペニル−2−
オキサゾリン16部からなる単量体混合物を使用する以
外は実施例1と同じ操作を繰り返して、不揮発分10.
3%、pH6.8、粘度341センチポイズの2−オキ
サゾリン基含有重合体水溶液を得た。残存2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリンは、420ppmであった。
合体の製造例)− アクリル酸エチル1部、2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリン4部及びメトキシポリエチレングリコールメタ
クリレート(エチレングリコールが平均23量体になっ
ているポリエチレングリコール)(新中村化学株式会社
製NKエステルM−230G)15部からなる単量体混
合物を使用する以外は実施例1と同じ操作を繰り返し
て、不揮発分10.4%、pH7.1、粘度10センチ
ポイズの2−オキサゾリン基含有重合体水溶液を得た。
残存2−イソプロペニル−2−オキサゾリンは、69p
pmであった。得られた重合体のFT−IR測定を行っ
たところ、1656.2cm-1に強い吸収が見られた。
合体の比較製造例)− 2−イソプロペニル−2−オキサゾリン4部及びメトキ
シポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学
株式会社製NKエステルM−230G)16部からなる
単量体混合物を使用する以外は実施例1と同じ操作を繰
り返して、不揮発分10.3%、pH7.5、粘度1
0.5センチポイズの2−オキサゾリン基含有重合体水
溶液を得た。残存2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ンは、107ppmであった。
合体の製造例)− 実施例1と同じフラスコに、脱イオン水116部及びV
−50を4部仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら
70℃に加熱した。そこへ予め調製しておいた、メトキ
シポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリ
コールが平均9量体、新中村化学株式会社製NKエステ
ルAM−90G)64部及び2ーイソプロペニル−2−
オキサゾリン16部からなる単量体混合物を滴下ロート
より1時間で滴下した。反応中は窒素ガスを流し続け、
フラスコ内の温度を70±1℃に保った。滴下終了後も
9時間同じ温度に保った後冷却し、不揮発分41.5
%、pH6.5、粘度67センチポイズの2−オキサゾ
リン基含有重合体水溶液を得た。残存2−イソプロペニ
ル−2−オキサゾリンは、10ppm未満であった。得
られた重合体のFT−IR測定を行ったところ、165
6.1cm-1に強い吸収が見られた。
合体の製造例)− メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村
化学株式会社製NKエステルAM−90G)4部、メト
キシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレン
グリコールが平均9量体、新中村化学株式会社NKエス
テルM−90G)60部及び2ーイソプロペニル−2−
オキサゾリン16部からなる単量体混合物を使用する以
外は実施例5と同じ操作を繰り返して、不揮発分42.
3%、pH7.6、粘度103センチポイズの2−オキ
サゾリン基含有重合体水溶液を得た。残存2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリンは、108ppmであった。
得られた重合体のFT−IR測定を行ったところ、16
55.6cm-1に強い吸収が見られた。
合体の比較製造例)− メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中
村化学株式会社NKエステルM−90G)64部及び2
ーイソプロペニル−2−オキサゾリン16部からなる単
量体混合物を使用する以外は実施例5と同じ操作を繰り
返して、不揮発分42.3%、pH8.1、粘度99セ
ンチポイズの2−オキサゾリン基含有重合体水溶液を得
た。残存2−イソプロペニル−2−オキサゾリンは、1
20ppmであった。
合体の製造例)− フラスコに仕込む脱イオン水116部の代わりに脱イオ
ン水58部とイソプロパノール58部の混合物を使用
し、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新
中村化学株式会社製NKエステルAM−90G)32
部、メタクリル酸メチル32部及び2ーイソプロペニル
−2−オキサゾリン16部からなる単量体混合物を使用
する以外は実施例5と同じ操作を繰り返して、不揮発分
41.6%、pH6.7、粘度360センチポイズの2
−オキサゾリン基含有重合体水溶液を得た。残存2−イ
ソプロペニル−2−オキサゾリンは、82ppmであっ
た。得られた重合体のFT−IR測定を行ったところ、
1656.3cm-1に強い吸収が見られた。
合体の比較製造例)− メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中
村化学株式会社製NKエステルM−230G)32部、
メタクリル酸メチル32部及び2ーイソプロペニル−2
−オキサゾリン16部からなる単量体混合物を使用する
以外は実施例7と同じ操作を繰り返して、不揮発分4
1.2%、pH6.6、粘度850センチポイズの2−
オキサゾリン基含有重合体水溶液を得た。残存2−イソ
プロペニル−2−オキサゾリンは、750ppmであっ
た。
の重量平均分子量は、下記の条件で行ったゲル浸透クロ
マトグラフィー(GPC)による測定値を分子量検量線
で換算して求めた。分子量検量線は、市販の標準ポリエ
チレングリコールまたはポリエチレンオキサイドを溶離
液に溶かして0.1%濃度の溶液を調製し、GPCにか
けて得られた。
00,5000PWXL(東ソー社製) 溶離液:アセトニトリル/50mM−NaCl水溶液の
20/80容積比の混合液 流速 :1.0ml/min 温度 :40℃ 試料濃度:0.1% 注入量:300μl 検出器:示差屈折率検出器 実施例1〜7及び比較例1〜5の結果を表1にまとめ
た。
る。付加重合性オキサゾリン(a)の量が80〜100
%で、いずれも同じ重合条件で製造された実施例1〜3
と比較例1〜2とを比較すると、アクリル酸エステル
(b)が少量共重合された実施例1〜3の水溶性重合体
中の残存オキサゾリンモノマー量が、比較例1〜2と比
べて低減されていることが明かである。
%で、いずれも同じ重合条件で製造された実施例4と比
較例3とを比較すると、アクリル酸エステル(b)が少
量共重合された実施例4の水溶性重合体中の残存オキサ
ゾリンモノマー量が、比較例3と比べて低減されている
ことが明かである。付加重合性オキサゾリン(a)の量
が20%で、いずれも同じ重合条件で製造された実施例
5〜6と比較例4とを比較すると、アクリル酸エステル
(b)が少量共重合された実施例6の水溶性重合体中の
残存オキサゾリンモノマー量が、比較例4と比べて低減
されていることが明かであり、さらにアクリル酸エステ
ル(b)の共重合量を増やした実施例5では、さらに低
減されている。
%で、いずれも同じ重合条件で製造された実施例7と比
較例5とを比較すると、アクリル酸エステル(b)が共
重合された実施例7の水溶性重合体中の残存オキサゾリ
ンモノマー量が、比較例5と比べて低減されていること
が明かである。実施例及び比較例の結果から明らかなよ
うに、付加重合性オキサゾリンの重合を行う際にアクリ
ル酸エステルを共重合させると、アクリル酸エステルを
共重合させない場合に比べて、残存オキサゾリンモノマ
ー量の少ないオキサゾリン基含有水溶性重合体が生成す
る。
ンモノマー量の低減された水溶性重合体を得る方法とし
て有用である。この発明の水溶性重合体は、側鎖にオキ
サゾリン基およびポリエチレングリコール鎖の両方を有
するので、オキサゾリン基の有する反応性または接着性
と、ポリエチレングリコール鎖の有する親水性、帯電防
止性または柔軟性を兼ね備えている。
Claims (4)
- 【請求項1】 付加重合性オキサゾリンを用いて重合を
行うことにより2−オキサゾリン基含有水溶性重合体を
製造する方法であって、前記重合をアクリル酸エステル
の存在下で、かつ水性媒体中で行うことを特徴とする水
溶性重合体の製造方法。 - 【請求項2】 親水性単量体を50重量%以上含む単量
体混合物を水性媒体中で重合する請求項1記載の水溶性
重合体の製造方法。 - 【請求項3】 アクリル酸エステルとしてアルコキシ置
換ポリエチレングリコールアクリレートを含む請求項1
記載の水溶性重合体の製造方法。 - 【請求項4】 (a)付加重合性オキサゾリン5〜9
5.25重量%、(b)アクリル酸エステル0.25〜
95重量%、および(c)他の単量体0〜94.75重
量%からなり、親水性単量体を50重量%以上含む単量
体混合物を重合して得られる水溶性重合体であって、
(b)アクリル酸エステルとして、アルコキシ置換ポリ
エチレングリコールアクリレートを含むことを特徴とす
る水溶性重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5046912A JP2644161B2 (ja) | 1992-05-18 | 1993-03-08 | 水溶性重合体の製造方法および水溶性重合体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-125117 | 1992-05-18 | ||
JP12511792 | 1992-05-18 | ||
JP5046912A JP2644161B2 (ja) | 1992-05-18 | 1993-03-08 | 水溶性重合体の製造方法および水溶性重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632844A JPH0632844A (ja) | 1994-02-08 |
JP2644161B2 true JP2644161B2 (ja) | 1997-08-25 |
Family
ID=26387062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5046912A Expired - Lifetime JP2644161B2 (ja) | 1992-05-18 | 1993-03-08 | 水溶性重合体の製造方法および水溶性重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2644161B2 (ja) |
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JP5665471B2 (ja) * | 2010-10-15 | 2015-02-04 | Kjケミカルズ株式会社 | ポリオレフィン樹脂用オキサゾリン系フィラー分散促進剤 |
JP5769569B2 (ja) * | 2011-09-28 | 2015-08-26 | 株式会社日本触媒 | オキサゾリン基含有重合体の製造方法 |
CN106947280B (zh) | 2013-08-27 | 2020-03-03 | 日产化学工业株式会社 | 导电性碳材料分散剂以及导电性碳材料分散液 |
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JPS57170910A (en) * | 1981-04-14 | 1982-10-21 | Nippon Mektron Ltd | Ethylene-acrylate elastomer and method for vulcanizing the same |
-
1993
- 1993-03-08 JP JP5046912A patent/JP2644161B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0632844A (ja) | 1994-02-08 |
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