JP2020157396A - ドリルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドリルのすくい面に案内溝を形成する際に、加工用工具とドリルとの物理的な干渉を避けることを容易にし、案内溝の加工に起因したドリルの強度低下をレーザ加工に比して抑えるドリルの製造方法を提供する。【解決手段】砥石軸心CLgまわりに回転する加工用工具としての回転砥石50ですくい面24を研削することにより複数の案内溝がすくい面24に形成される。そして、回転砥石50は、砥石軸心CLgの径方向の外側に向かって尖った形状を砥石軸心CLgまわりに回転させて得られる回転体形状を有している。【選択図】図6

Description

本発明は、ドリルの製造方法に関するものである。
特許文献1には、先端に切れ刃を有する切削工具が記載されている。その切削工具のすくい面には、うねりが形成されている。そして、そのすくい面のうねりは、レーザ加工によって形成される。
特開2009−202283号公報
螺旋状の切屑排出溝が凹設されたドリルにおいて、切削加工中に切屑を切屑排出溝に詰まらせずにその切屑を円滑に排出させる技術が望まれている。そのように切屑排出溝から切屑を円滑に排出させるために、発明者らは、ドリルの切れ刃から切屑排出溝に沿って延設されたすくい面に、切屑を案内する案内溝を設けることを考えた。
しかしながら、ドリルにおいて、すくい面の周囲は複雑な形状を成しているので、研削加工または切削加工などの機械加工で案内溝を形成する際には、加工用工具とドリルとの物理的な干渉を避ける必要がある。また、特許文献1に記載されたようなレーザ加工により案内溝を形成することも可能ではあるが、レーザ加工時の熱影響によりドリルの強度低下が発生しやすい。そのドリルの強度低下は、ドリルの寿命悪化につながる。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、ドリルのすくい面に溝を形成する際に、加工用工具とドリルとの物理的な干渉を避けることを容易にし、溝の加工に起因したドリルの強度低下をレーザ加工に比して抑えることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のドリルの製造方法は、
ドリル軸心(CLd)の軸方向(DAd)の一方側に先端(201)を有し且つ上記軸方向に延伸するドリル本体(20)を備え、そのドリル本体の先端に設けられた切れ刃(22)と、ドリル本体の先端からそのドリル本体の後端側へ螺旋状に延伸する切屑排出溝(23)と、ドリル本体の先端側にて切屑排出溝に面し切れ刃からその切屑排出溝に沿って延設されたすくい面(24)とが形成され、ドリル軸心まわりに回転させられるドリル(10)の製造方法であって、
切れ刃と切屑排出溝とすくい面とが形成されておりドリルになる被加工物(48)を準備すること(P01)と、
被加工物の準備後に、砥石軸心(CLg)まわりに回転する回転砥石(50)ですくい面を研削することにより、切屑排出溝が延伸する向きに延びる研削溝(32)をすくい面に形成する溝形成を行うこと(P02)とを含み、
溝形成では、
砥石軸心を研削溝の長手方向に対して交差させ、
砥石軸心の径方向(DRg)の外側に向かって尖った形状を砥石軸心まわりに回転させて得られる回転体形状を有するものを回転砥石として用いる。
上述のように、すくい面の溝である研削溝は研削加工によって形成されるので、例えばその研削溝がレーザ加工により形成される場合と比較して、その研削溝の加工に起因したドリルの強度低下を抑えることが可能である。
そして、加工用工具としての回転砥石は、砥石軸心の径方向の外側に向かって尖った形状を砥石軸心まわりに回転させて得られる回転体形状を有するので、回転砥石の外周端縁部分を切屑排出溝内に入り込ませ、その外周端縁部分ですくい面を削ることができる。そのため、例えば上記の回転体形状ではなく円柱状の回転砥石を研削加工に用いる場合と比較して、すくい面に研削溝を形成する際に、回転砥石とドリルになる被加工物との物理的な干渉を避けることが容易である。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態においてドリルの全体構成を示した図である。 図1のII−II断面の概略を示した断面図である。 図1のIII部分を拡大して模式的に示した拡大図である。 図3のIV−IV断面のうち複数の案内溝およびその周辺を抜粋して示した断面図である。 第1実施形態において、ドリルのすくい面に複数の案内溝を形成する製造工程を示したフローチャート、すなわち、すくい面に複数の案内溝が設けられたドリルの製造方法を示したフローチャートである。 第1実施形態において、図5の溝形成工程での被加工物と回転砥石との位置関係を示した図であって、ドリル軸心と砥石軸心との交差角度を示した図である。 第1実施形態において、図5の溝形成工程に用いられる回転砥石の概略構成を模式的に示した断面図である。 第1実施形態において、図5の溝形成工程で研削加工される被加工物の送り方向を示した模式的な斜視図である。 第2実施形態において、図5の溝形成工程での被加工物と回転砥石との位置関係を示した図であって、図6に相当する図である。 第2実施形態において、図5の溝形成工程に用いられる回転砥石の概略構成を模式的に示した断面図であって、図7に相当する図である。 第2実施形態において、図5の溝形成工程で研削加工される被加工物の送り方向を示した模式的な斜視図であって、図8に相当する図である。 第3実施形態において、図5の溝形成工程で研削加工される被加工物の送り方向を示した模式的な斜視図であって、図8に相当する図である。 他の実施形態において、図5の溝形成工程に用いられる回転砥石の概略構成を模式的に示した断面図であって、図7に相当する図である。
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のドリル10は、ドリル軸心CLdまわりに回転させられることで被削材に切削加工(詳しく言えば、穴加工)を行う切削工具である。ドリル10は、ドリル軸心CLdの軸方向DAdに延伸する棒状を成し、ドリル本体20とシャンク21とを有している。ドリル本体20は、シャンク21に対し直列に連結し、ドリル軸心CLdの軸方向DAdの一方側に設けられている。
なお、本実施形態の説明では、ドリル軸心CLdの軸方向DAdをドリル軸方向DAdとも称し、ドリル軸心CLdの径方向DRdをドリル径方向DRdとも称する。また、図2に示すドリル軸心CLdを中心とした周方向DCdすなわちドリル軸心CLdの周方向DCdをドリル周方向DCdとも称する。また、確認的に述べるが、ドリル軸心CLdの軸方向DAdはドリル10の軸方向でもあり、ドリル軸心CLdの径方向DRdはドリル10の径方向でもあり、ドリル軸心CLdの周方向DCdはドリル10の周方向でもある。
また、図1および図2の矢印Rdは、被削材に穴加工を行う場合のドリル10の回転方向Rdを示し、図1の角度αは、切屑排出溝23のねじれ角を示す。また、図1では、ドリル本体20のうちドリル軸方向DAdにおける一部の図示が省略されると共に、見やすい図示とするため案内溝32(図3参照)の図示も省略されている。
シャンク21は、ドリル軸方向DAdに延伸した形状を成している。シャンク21は、ドリル10を回転させるドリル加工装置が有する保持具に固定される。そして、ドリル加工装置が有するモータの回転力はその保持具からシャンク21に伝達され、これにより、図1および図2に示すように、ドリル10はドリル軸心CLdを中心として矢印Rdで示す方向に回転する。すなわち、被削材を切削する切削加工時にドリル10は、図2に示すドリル周方向DCdの一方側へ回転する。更に別言すれば、切削加工時にドリル10は、ドリル本体20の後端側からドリル軸方向DAdに沿って先端201側へ向いた方向視で、時計回りに回転する。
ドリル本体20は、被削材を削ると共に、その被削材を削ったときに発生する切屑を加工中の切削穴から送り出す。図1および図3に示すように、ドリル本体20は、ドリル軸方向DAdに延伸した形状を成しており、ドリル軸方向DAdの一方側にドリル本体20の先端201を有する。ドリル本体20には、そのドリル本体20の先端201に設けられた切れ刃22と、ドリル本体20の先端201からドリル本体20の後端側へ螺旋状に延伸する切屑排出溝23とが形成されている。
また、ドリル本体20には、すくい面24が形成されている。このすくい面24は、ドリル本体20の先端201側にて切屑排出溝23に面すると共に、切れ刃22から切屑排出溝23に沿って延設されている。
詳細には、切れ刃22はドリル軸心CLdを中心として一対をなすように設けられ、これと同様に、切屑排出溝23とすくい面24もそれぞれ、ドリル軸心CLdを中心として一対をなすように設けられている。
また、図1〜図3に示すように、切屑排出溝23はドリル本体20の外周面に凹設されているので、切屑排出溝23は、ドリル径方向DRdの外側に向かって開放された溝として形成されている。この切屑排出溝23は、切削加工時に切れ刃22によって生成される切屑を切削穴から外部に排出する役割を果たす。
また、切屑排出溝23は、上記したように螺旋状である。詳しく述べると、その切屑排出溝23の螺旋状とは、ドリル本体20の後端側から先端201側へ向かうに連れてドリル周方向DCdの一方側へ回転する螺旋状である。更に言うと、切屑排出溝23は、ドリル本体20の後端側から先端201側へ時計回りに曲がりながら延びる螺旋状を成している。従って、本実施形態のドリル10は、右ねじれドリルである。
ドリル本体20の先端201には逃げ面25も形成されており、その逃げ面25は、切削加工時にドリル本体20の先端201と被削材との接触面積を減らして切削抵抗を抑制する役割を果たす。ドリル本体20の先端201において、切れ刃22は、逃げ面25とすくい面24との間の稜線部に形成されている。
図3および図4に示すように、ドリル本体20のすくい面24には、研削加工によって形成される研削溝として設けられた複数の案内溝32が形成されている。すくい面24は上記したように一対あるので、その一対のすくい面24それぞれに、複数の案内溝32が形成されている。
この案内溝32は、切削加工時に切屑を案内する溝である。詳細には、案内溝32は、切削加工時に生成される切屑にカールが発生することを抑制すると共にその切屑の流出方向を規制し、それにより切屑の排出を円滑にする。
この複数の案内溝32はそれぞれ、切れ刃22からドリル本体20の後端側へと、切屑排出溝23が延伸する向き(すなわち、排出溝延伸方向)に延びている。別言すれば、複数の案内溝32はそれぞれ、切れ刃22からドリル本体20の後端側へと、切屑排出溝23の螺旋形状に沿った向きに延びている。例えば本実施形態では、複数の案内溝32はそれぞれ、排出溝延伸方向に沿って延びている。その案内溝32が排出溝延伸方向に沿っていることとは、言い換えれば、案内溝32がその排出溝延伸方向と一致する向きまたは略一致する向きに延びていることである。
また、複数の案内溝32は互いに平行に延びている。また、複数の案内溝32の相互間隔は等間隔であってもよいし、等間隔でなくてもよい。
ドリル本体20は、すくい面24が設けられた部分に、案内溝32を形成する内側溝壁面321と外側溝壁面322とを有している。その内側溝壁面321と外側溝壁面322は各案内溝32に対して設けられた溝壁面であり、案内溝32毎に設けられている。
そして、内側溝壁面321は、案内溝32に対してドリル径方向DRdの内側から面している。その一方で、外側溝壁面322は、案内溝32に対してドリル径方向DRdの外側から面している。
詳細には、案内溝32は、案内溝32の深さ方向DPにおいて案内溝32の底32aに近いほど案内溝32の溝幅が狭くなるV字状断面を有している。すなわち、内側溝壁面321と外側溝壁面322は、案内溝32の深さ方向DPにおいて案内溝32の底32aに近いほど互いに近づくように設けられている。
更に、外側溝壁面322は、すくい面24に対して傾斜した傾斜面になっており、内側溝壁面321は、すくい面24に対して垂直な垂直面になっている。従って、外側溝壁面322よりも内側溝壁面321の方が、すくい面24に対し垂直に近い向きになっている。
図5は、ドリル10のすくい面24に複数の案内溝32を形成する製造工程を示している。要するに、図5は、複数の案内溝32が設けられたドリル10の製造方法を示している。先ず、図5の準備工程P01において、上述した複数の案内溝32が設けられたドリル10になる被加工物48が準備される。図1および図6に示すように、その被加工物48は、案内溝32が形成されることで、その案内溝32を有するドリル10になる物である。従って、その被加工物48には、切れ刃22と切屑排出溝23とすくい面24と逃げ面25とが既に形成されている。例えば、その被加工物48は、ドリル10が有する構成のうちその案内溝32を除く全ての構成を有している。準備工程P01の次は溝形成工程P02へ進む。
なお、図6は、ドリル軸心CLdと砥石軸心CLgとの両方に平行な平面の法線方向に沿って研削対象のすくい面24上からそのすくい面24へ向かう方向視で、被加工物48と回転砥石50と示している。従って、図6は、ドリル軸心CLdと砥石軸心CLgとの両方に平行な仮想の平面にそれぞれの軸心CLd、CLgが投影された場合に、その仮想の平面上に生じるそれらの軸心CLd、CLgの交差角度を表している。
図5の溝形成工程P02では、砥石軸心CLgまわりに回転する回転砥石50ですくい面24を研削することにより複数の案内溝32をすくい面24に形成する溝形成が行われる。要するに、溝形成工程P02では、複数の案内溝32がすくい面24に追加工される。
図6および図7に示すように、この溝形成工程P02で用いられる回転砥石50は、不図示の駆動モータによって砥石軸心CLgまわりに回転させられる砥石回転軸52と一体に回転する。その砥石回転軸52は、砥石軸心CLgの軸方向DAgに沿って延びており、その軸方向DAgの一方側に先端部521を有している。回転砥石50は、その砥石回転軸52の先端部521に固定されている。
この溝形成工程P02では、回転砥石50は、砥石軸心CLgを案内溝32(図3参照)の長手方向に対して交差させるように配置される。
詳細に言うと、図6に示すように、溝形成工程P02で研削されるすくい面24に連結する切れ刃22の外周端の位置22aを通り砥石軸心CLgに直交する仮想平面PLgと、その仮想平面PLgとドリル軸心CLdとの交点Pbとが想定される。そして、溝形成工程P02では、その研削されるすくい面24に連結する切れ刃22が上記交点Pbよりもドリル本体20の後端側に位置するように、ドリル軸心CLdに対し砥石軸心CLgを傾斜させて回転砥石50は配置される。
別言すると、図6の方向視において、上記仮想平面PLgは、ドリル軸心CLdに対して時計回りに鋭角の傾斜角度を成すように傾いている。
本実施形態では、図6および図8に示すように、例えば、回転砥石50が被加工物48に対し上記したような姿勢で保持されつつ被加工物48が変位させられることで、複数の案内溝32が形成される。すなわち、ドリル10の研削加工を行う不図示の研削加工装置は、回転する回転砥石50の位置を固定しつつ、被加工物48を回転させ移動させる。
具体的には、回転する回転砥石50の位置に対し相対的に、被加工物48は、矢印M1cのようにドリル周方向DCd(図2参照)の一方側へ回転させられながら、矢印M1aのようにドリル軸方向DAdの一方側へ移動させられる。要するに、被加工物48は、切屑排出溝23の捩れに従ってドリル周方向DCdとドリル軸方向DAdとの両方向に送られ、それにより、被加工物48に対し相対的に回転砥石50は、その切屑排出溝23に沿って移動させられる。このような被加工物48の回転および移動によって、案内溝32は、ドリル本体20の先端201側から後端側へと形成されていく。
図6および図7に示すように、溝形成工程P02で用いられる回転砥石50は、砥石軸心CLgの径方向DRgの外側に向かって尖った形状を砥石軸心CLgまわりに回転させて得られる回転体形状を有している。その尖った形状は、それの先端にコーナーRが設けられていてもいなくてもよく、何れであっても尖っていることに変わりはない。すなわち、その尖った形状は、回転砥石50の実用的な使用を加味して尖っていればよい。
具体的に、回転砥石50は、第1砥石面501と第2砥石面502とを有している。本実施形態では、第1砥石面501は、第2砥石面502に対し砥石軸心CLgの軸方向DAgの一方側に設けられている。
回転砥石50の第1砥石面501は、回転砥石50の回転体形状の基になる上記尖った形状の頂点50aを挟んだ2つの側面のうちの一方を成し砥石軸心CLgまわりに環状に延びるテーパ面である。また、第2砥石面502は、上記尖った形状の頂点50aを挟んだ2つの側面のうちの他方を成し砥石軸心CLgまわりに環状に延びる面であって、砥石軸心CLgに対し垂直な垂直面である。従って、第2砥石面502は、第1砥石面501よりも砥石軸心CLgに対し垂直に近い向きになっている。
溝形成工程P02では、図4および図6に示すように、案内溝32の内側溝壁面321は第1砥石面501によって形成され、それと共に、案内溝32の外側溝壁面322は第2砥石面502によって形成される。その結果、案内溝32の深さ方向DPにおいて案内溝32の底32aに近いほど内側溝壁面321と外側溝壁面322とが互いに近づくように、案内溝32は形成される。更に、その案内溝32は、外側溝壁面322よりも内側溝壁面321の方がすくい面24に対し垂直に近い向きになるように形成される。
次に、本実施形態において奏される作用効果について説明するが、そのために、本実施形態のドリル10と比較される比較例のドリルについて説明する。その比較例のドリルは、案内溝32が設けられていないことを除き、本実施形態のドリル10と同じである。
その比較例のドリルを用いたドリル切削加工(すなわち、穴加工)では、切屑に上向きカールと横向きカールとが発生する。上向きカールは、図1に示す切れ刃22と平行な軸まわりのカールであり、切屑とすくい面24との摩擦により発生する。横向きカールは、すくい面24の法線まわりのカールであり、切れ刃22の内外径速度差により発生する。特に比較例のドリルにおいては、切れ刃22が略中心位置からドリル外径まで延在するため、横向きカールの直径は概ねドリル直径と一致することになり、大きな横向きカールが生じる。切屑に上向きカールと横向きカールとが発生すると、切屑が切れ刃22から3次元的にカールして生成されるため、切屑排出溝23の内壁に衝突して分断されるようになる。特に、加工対象の穴が深くて切屑排出溝23が狭い場合には、その切屑排出溝23内に切屑が詰まる可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、図3および図4に示すように、複数の案内溝32がドリル本体20のすくい面24に形成されている。これにより、切れ刃22が被削材を切削する際に、すくい面24に接触する切屑の塑性変形部分が案内溝32に嵌まり、その切屑は、その案内溝32に嵌った状態で、案内溝32に沿う方向に流出するように案内される。このとき、横向きカールは、切屑の塑性変形部分が案内溝32に嵌まることで抑制される。それと共に、上向きカールは、案内溝32の形状が転写された切屑が上向きカールが生じる方向に対して平らな構造にならず曲がりにくくなることで抑制される。
これにより、2次元的な切屑、すなわち、案内溝32よりも大きな幅をもつ線状の切屑が、案内溝32に沿う方向に流出させられる。そして、そのような線状の切屑は、切屑排出溝23に沿って連続的に流出することになり、切屑排出溝23における詰まりを生じさせない。
このようなことから、本実施形態では、複数の案内溝32がすくい面24に設けられたことにより、切屑の詰まりを生じさせない穴加工を実現できる。また、切屑排出溝23内を切屑が分断されることなく進行することで、事実上ドリル強度が許す限りにおいて、加工能率に直接影響を与えるドリル送り速度を高速にできる。また、カールが抑制されたまっすぐな切屑は、2次元的であって嵩張らないため、切屑排出溝23の断面積を小さくでき、ドリル強度を高めることが可能となる。
また、本実施形態によれば、図3〜図6に示すように、溝形成工程P02では、砥石軸心CLgまわりに回転する回転砥石50ですくい面24を研削することにより複数の案内溝32をすくい面24に形成する溝形成が行われる。要するに、すくい面24の複数の案内溝32は研削加工によって形成される。そのため、例えばその案内溝32がレーザ加工により形成される場合と比較して、その案内溝32の加工に起因したドリル10の強度低下を抑えることが可能である。
そして、溝形成工程P02で用いられる回転砥石50は、砥石軸心CLgの径方向DRgの外側に向かって尖った形状を砥石軸心CLgまわりに回転させて得られる回転体形状を有している。従って、その尖った形状の先端部分に対応する回転砥石50の外周端縁部分を切屑排出溝23内に入り込ませ、その外周端縁部分ですくい面24を削ることができる。そのため、例えば上記の回転体形状ではなく円柱状の回転砥石を研削加工に用いる場合と比較して、すくい面24に案内溝32を形成する際に、加工用工具としての回転砥石50と被加工物48との物理的な干渉を避けることが容易である。
また、回転砥石50の上記外周端縁部分の形状を変えなければ回転砥石50を大径化しても、そのことは、回転砥石50と被加工物48との物理的な干渉に影響しにくい。そのため、本実施形態の回転砥石50の形状を採用することは、回転砥石50の寿命、回転砥石50による加工時間、および加工コスト面において有利である。
また、本実施形態によれば、図1、図6、図8に示すように、切屑排出溝23は、ドリル本体20の先端201からドリル本体20の後端側へ螺旋状に延伸している。また、その切屑排出溝23の螺旋状とは、ドリル本体20の後端側から先端201側へ向かうに連れてドリル周方向DCd(図2参照)の一方側へ回転する螺旋状である。
そして、図5の溝形成工程P02では、回転する回転砥石50の位置に対し相対的に、被加工物48は、矢印M1cのようにドリル周方向DCdの一方側へ回転させられながら、矢印M1aのようにドリル軸方向DAdの一方側へ移動させられる。これにより、図3に示すように、切屑排出溝23が延伸する向きに案内溝32が延びるように、その案内溝32を形成することができる。
また、本実施形態によれば、図4および図5に示すように、溝形成工程P02では、案内溝32の深さ方向DPにおいて案内溝32の底32aに近いほど内側溝壁面321と外側溝壁面322とが互いに近づくように、案内溝32は形成される。更に、その案内溝32は、外側溝壁面322よりも内側溝壁面321の方がすくい面24に対し垂直に近い向きになるように形成される。従って、例えば内側溝壁面321がすくい面24に対し外側溝壁面322と同程度に傾斜したV字状断面を案内溝32が有する場合と比較して、切屑の横向きカールを効果的に抑制し且つ切屑の流出方向を効果的に規制できる案内溝32を得ることが可能である。
また、本実施形態によれば、図4〜図7に示すように、回転砥石50の第1砥石面501は、回転砥石50の回転体形状の基になる上記尖った形状の頂点50aを挟んだ2つの側面のうちの一方を成し砥石軸心CLgまわりに環状に延びるテーパ面である。第2砥石面502は、上記尖った形状の頂点50aを挟んだ2つの側面のうちの他方を成し砥石軸心CLgまわりに環状に延びる面である。また、第2砥石面502は、第1砥石面501よりも砥石軸心CLgに対し垂直に近い向きになっている。そして、溝形成工程P02では、図4および図6に示すように、案内溝32の内側溝壁面321は第1砥石面501によって形成され、それと共に、案内溝32の外側溝壁面322は第2砥石面502によって形成される。
このようにすることにより、被加工物48のうち切屑排出溝23まわりを構成する部分に対し回転砥石50が干渉を避けるように、砥石軸心CLgがすくい面24に対して傾くことになる。従って、上記した切屑の横向きカールを効果的に抑制すること等の有用な効果を有する案内溝32を得ることができると共に、回転砥石50と被加工物48との物理的な干渉を避けることが容易になる。
また、本実施形態によれば、図5および図6に示すように、溝形成工程P02で研削されるすくい面24に連結する切れ刃22の外周端の位置22aを通り砥石軸心CLgに直交する仮想平面PLgと、その仮想平面PLgとドリル軸心CLdとの交点Pbとが想定される。そして、溝形成工程P02では、その研削されるすくい面24に連結する切れ刃22が上記交点Pbよりもドリル本体20の後端側に位置するように、ドリル軸心CLdに対し砥石軸心CLgを傾斜させて回転砥石50は配置される。従って、切屑排出溝23が延伸する向きに延びるように案内溝32を形成する回転砥石50の配置姿勢を例えばそのようにしない場合と比較して、その回転砥石50を被加工物48との物理的な干渉を避けた姿勢にすることが実現されやすくなる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図9〜図11に示すように、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、砥石回転軸52は、砥石軸心CLgの軸方向DAgの一方側に先端部521を有している。しかし、本実施形態では、その砥石回転軸52に対する回転砥石50の取付向きが、第1実施形態とは逆になっている。
具体的に、第1砥石面501は、第2砥石面502に対し、砥石軸心CLgの軸方向DAgの一方側とは反対側の他方側に設けられている。そのため、図5の溝形成工程P02において回転砥石50が被加工物48を研削加工する際には、図9に示すように、第1実施形態と比較して、被加工物48を基準とした砥石回転軸52の位置が、回転砥石50を挟んだ反対側になる。
なお、図11と第1実施形態の図8とを比較して判るように、矢印M1a、M1cで示される被加工物48の送り方向は、本実施形態でも第1実施形態と同じである。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図12の矢印M2a、M2cで示されるように、本実施形態では第1実施形態に対し、図5の溝形成工程P02で研削加工される被加工物48の送り方向が逆になっている。
具体的には、回転する回転砥石50の位置に対し相対的に、被加工物48は、矢印M2cのようにドリル周方向DCd(図2参照)の他方側へ回転させられながら、矢印M2aのようにドリル軸方向DAdの他方側へ移動させられる。このような被加工物48の回転および移動によって、案内溝32は、ドリル本体20の後端側から先端201側へと形成されていく。このようにしても、第1実施形態と同様に、切屑排出溝23(図3参照)が延伸する向きに案内溝32が延びるように、その案内溝32を形成することができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態における被加工物48の送り方向を第2実施形態に適用してもよい。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では図1に示すように、ドリル10は、右ねじれドリルであるが、左ねじれドリルであっても差し支えない。左ねじれドリルでは、切屑排出溝23は、ドリル本体20の後端側から先端201側へ反時計回りに曲がりながら延びる螺旋状を成す。
そして、ドリル10が左ねじれドリルである場合、図5の溝形成工程P02においてすくい面24が研削される際の被加工物48と回転砥石50との位置関係は、図6に対し、ドリル軸心CLdを基準として対称的に反転させたものになる。従って、被加工物48に対する回転砥石50の姿勢については、ドリル軸心CLdと砥石軸心CLgとの両方に平行な平面の法線方向に沿って研削対象のすくい面24上からそのすくい面24へ向かう方向視において次のようになる。すなわち、その方向視において、上記仮想平面PLg(図6参照)は、ドリル軸心CLdに対して反時計回りに鋭角の傾斜角度を成すように傾く。
(2)上述の各実施形態では図3に示すように、複数の案内溝32はそれぞれ、切れ刃22からドリル本体20の後端側へと延びているので、切れ刃22に接続しているが、これに限らない。例えば、複数の案内溝32は、すくい面24において、切れ刃22の手前で止められ切れ刃22に接続しておらず、その切れ刃22に対し僅かな間隔を空けて設けられていても差し支えない。
(3)上述の各実施形態では図3に示すように、複数の案内溝32はそれぞれ、排出溝延伸方向に沿って延びているが、これは一例である。複数の案内溝32はそれぞれ、その排出溝延伸方向に対し沿うとは言えない程度に多少傾いていても、その排出溝延伸方向に延びていればよい。例えば、複数の案内溝32はそれぞれ、排出溝延伸方向に対し20度程度の角度をもって傾いていても差し支えない。
(4)上述の各実施形態では図3に示すように、複数の案内溝32は互いに平行に延びているが、互いに平行でなくても差し支えない。
(5)上述の各実施形態では図3に示すように、案内溝32は、すくい面24に複数形成されているが、案内溝32は1本であっても差し支えない。
(6)上述の各実施形態では図4に示すように、内側溝壁面321は、すくい面24に対して垂直な垂直面であるが、そのすくい面24に対し傾いた面になっていることも考え得る。
(7)上述の各実施形態では、図4に示される案内溝32の断面において、内側溝壁面321と外側溝壁面322は何れも直線状の断面形状になっているが、湾曲した断面形状であっても差し支えない。
(8)上述の各実施形態では図7に示すように、回転砥石50の第2砥石面502は、砥石軸心CLgに対し垂直な垂直面であるが、その回転砥石50で形成する案内溝32の断面形状に応じてテーパ面になっていても差し支えない。例えば、図13に示すように、回転砥石50の第1砥石面501と第2砥石面502との両方がテーパ面になっていることも考え得る。
(9)上述の各実施形態では例えば図8に示すように、案内溝32を研削加工する際には、回転する回転砥石50の位置が固定された状態で被加工物48が送られるが、逆に、被加工物48が固定された状態で回転砥石50が送られても差し支えない。或いは、回転砥石50と被加工物48との両方が送られても差し支えない。
(10)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、被加工物の準備後に、砥石軸心まわりに回転する回転砥石ですくい面を研削することにより、切屑排出溝が延伸する向きに延びる研削溝をすくい面に形成する溝形成が行われる。そして、その溝形成では、砥石軸心を研削溝の長手方向に対して交差させ、砥石軸心の径方向の外側に向かって尖った形状を砥石軸心まわりに回転させて得られる回転体形状を有するものを回転砥石として用いる。
また、第2の観点によれば、上記切屑排出溝の螺旋状とは、ドリル本体の後端側から先端側へ向かうに連れてドリル軸心を中心とした周方向の一方側へ回転する螺旋状である。また、上記溝形成では、回転砥石の位置に対して相対的に被加工物を上記周方向の一方側へ回転させながらドリル軸心の軸方向の一方側へ移動させる。これにより、切屑排出溝が延伸する向きに上記研削溝が延びるようにその研削溝を形成することができる。
また、第3の観点によれば、上記溝形成では、回転砥石の位置に対して相対的に被加工物を上記周方向の一方側とは反対側の他方側へ回転させながら上記軸方向の一方側とは反対側の他方側へ移動させる。このようにしても、切屑排出溝が延伸する向きに上記研削溝が延びるようにその研削溝を形成することができる。
また、第4の観点によれば、研削溝は、その研削溝に対してドリル軸心の径方向の内側から面する内側溝壁面と、研削溝に対してドリル軸心の径方向の外側から面する外側溝壁面とによって形成される。そして、上記溝形成では、研削溝の深さ方向においてその研削溝の底に近いほど内側溝壁面と外側溝壁面とが互いに近づくように、且つ、外側溝壁面よりも内側溝壁面の方がすくい面に対し垂直に近い向きになるように、研削溝を形成する。従って、例えば内側溝壁面がすくい面に対し外側溝壁面と同程度に傾斜した対称的形状のV字状断面を研削溝が有する場合と比較して、切屑の横向きカールを効果的に抑制し且つ切屑の流出方向を効果的に規制できる研削溝を得ることが可能である。
また、第5の観点によれば、回転砥石は、上記尖った形状の頂点を挟んだ2つの側面のうちの一方を成し砥石軸心まわりに環状に延びるテーパ面である第1砥石面と、上記2つの側面のうちの他方を成し砥石軸心まわりに環状に延びる第2砥石面とを有する。第2砥石面は、第1砥石面よりも砥石軸心に対し垂直に近い向きになっている。そして、上記溝形成では、第1砥石面によって内側溝壁面を形成すると共に、第2砥石面によって外側溝壁面を形成する。このようにすれば、被加工物のうち切屑排出溝まわりを構成する部分に対し回転砥石が干渉を避けるように、砥石軸心がすくい面に対して傾くことになる。従って、上記した切屑の横向きカールを効果的に抑制すること等の有用な効果を有する研削溝を得ることができると共に、回転砥石と、研削溝が設けられたドリルになる被加工物との物理的な干渉を避けることが容易になる。
また、第6の観点によれば、第2砥石面は砥石軸心に対し垂直な面である。
また、第7の観点によれば、上記溝形成では、研削されるすくい面に連結する切れ刃が所定の交点よりもドリル本体の後端側に位置するように、ドリル軸心に対し砥石軸心を傾斜させて回転砥石は配置される。そして、上記所定の交点とは、上記研削されるすくい面に連結する切れ刃の外周端の位置を通り砥石軸心に直交する仮想平面とドリル軸心との交点である。このようにすれば、切屑排出溝が延伸する向きに延びるように研削溝を形成する回転砥石の配置姿勢を例えばそのようにしない場合と比較して、その回転砥石を上記被加工物との物理的な干渉を避けた姿勢にすることが実現されやすくなる。
10 ドリル
20 ドリル本体
22 切れ刃
23 切屑排出溝
24 すくい面
32 案内溝
48 被加工物
50 回転砥石
CLd ドリル軸心
CLg 砥石軸心

Claims (7)

  1. ドリル軸心(CLd)の軸方向(DAd)の一方側に先端(201)を有し且つ前記軸方向に延伸するドリル本体(20)を備え、該ドリル本体の先端に設けられた切れ刃(22)と、前記ドリル本体の先端から該ドリル本体の後端側へ螺旋状に延伸する切屑排出溝(23)と、前記ドリル本体の先端側にて前記切屑排出溝に面し前記切れ刃から該切屑排出溝に沿って延設されたすくい面(24)とが形成され、前記ドリル軸心まわりに回転させられるドリル(10)の製造方法であって、
    前記切れ刃と前記切屑排出溝と前記すくい面とが形成されており前記ドリルになる被加工物(48)を準備すること(P01)と、
    前記被加工物の準備後に、砥石軸心(CLg)まわりに回転する回転砥石(50)で前記すくい面を研削することにより、前記切屑排出溝が延伸する向きに延びる研削溝(32)を前記すくい面に形成する溝形成を行うこと(P02)とを含み、
    前記溝形成では、
    前記砥石軸心を前記研削溝の長手方向に対して交差させ、
    前記砥石軸心の径方向(DRg)の外側に向かって尖った形状を前記砥石軸心まわりに回転させて得られる回転体形状を有するものを前記回転砥石として用いる、ドリルの製造方法。
  2. 前記切屑排出溝の前記螺旋状とは、前記ドリル本体の前記後端側から前記先端側へ向かうに連れて前記ドリル軸心を中心とした周方向(DCd)の一方側へ回転する螺旋状であり、
    前記溝形成では、前記回転砥石の位置に対して相対的に前記被加工物を前記周方向の前記一方側へ回転させながら前記軸方向の前記一方側へ移動させる、請求項1に記載のドリルの製造方法。
  3. 前記切屑排出溝の前記螺旋状とは、前記ドリル本体の前記後端側から前記先端側へ向かうに連れて前記ドリル軸心を中心とした周方向(DCd)の一方側へ回転する螺旋状であり、
    前記溝形成では、前記回転砥石の位置に対して相対的に前記被加工物を前記周方向の前記一方側とは反対側の他方側へ回転させながら前記軸方向の前記一方側とは反対側の他方側へ移動させる、請求項1に記載のドリルの製造方法。
  4. 前記研削溝は、該研削溝に対して前記ドリル軸心の径方向(DRd)の内側から面する内側溝壁面(321)と、前記研削溝に対して前記ドリル軸心の径方向の外側から面する外側溝壁面(322)とによって形成され、
    前記溝形成では、前記研削溝の深さ方向(DP)において該研削溝の底(32a)に近いほど前記内側溝壁面と前記外側溝壁面とが互いに近づくように、且つ、前記外側溝壁面よりも前記内側溝壁面の方が前記すくい面に対し垂直に近い向きになるように、前記研削溝を形成する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のドリルの製造方法。
  5. 前記回転砥石は、前記尖った形状の頂点(50a)を挟んだ2つの側面のうちの一方を成し前記砥石軸心まわりに環状に延びるテーパ面である第1砥石面(501)と、前記2つの側面のうちの他方を成し前記砥石軸心まわりに環状に延びる第2砥石面(502)とを有し、
    前記第2砥石面は、前記第1砥石面よりも前記砥石軸心に対し垂直に近い向きになっており、
    前記溝形成では、前記第1砥石面によって前記内側溝壁面を形成すると共に、前記第2砥石面によって前記外側溝壁面を形成する、請求項4に記載のドリルの製造方法。
  6. 前記第2砥石面は前記砥石軸心に対し垂直な面である、請求項5に記載のドリルの製造方法。
  7. 前記溝形成では、研削される前記すくい面に連結する前記切れ刃が、該切れ刃の外周端の位置(22a)を通り前記砥石軸心に直交する仮想平面(PLg)と前記ドリル軸心との交点(Pb)よりも前記ドリル本体の前記後端側に位置するように、前記ドリル軸心に対し前記砥石軸心を傾斜させて前記回転砥石を配置する、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のドリルの製造方法。
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