JP6294095B2 - ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、切削加工に用いられるドリルおよび切削加工物の製造方法に関する。
従来、金属部材などの被削材の切削加工に用いられるドリルとして、特許文献1に記載のドリルビットが知られている。特許文献1に記載のドリルビットは、先端に切刃を有している。切刃は、2つの主切刃と、これらの主切刃から中央側に向かって形成された2つの中央切刃と、これらの中央切刃を接続するチゼルエッジとによって構成されている。切刃の回転方向後方には逃げ面が形成されている。主切刃および中央切刃に連なる逃げ面は、平坦な一つの平面によって構成されている。
特表2012−529375号公報
内周側に位置する中央切刃(シンニング刃)は、外周側に位置する主切刃と比較して切削速度が相対的に遅い。そのため、主切刃およびシンニング刃に連なる逃げ面が、特許文献1に記載の逃げ面のように一つの平坦面によって構成されている場合には、逃げ面におけるシンニング刃に連なる部分が、逃げ面における主切刃に連なる部分よりも被削材に強く接触し易くなる。すなわち、主切刃と比較してシンニング刃には相対的に大きな圧縮応力が加わり易くなる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、シンニング刃に大きな圧縮応力が加わる可能性を小さくすることによって耐久性を良好なものとするドリルを提供することを目的とする。
本発明の一態様に基づくドリルは、回転軸の周りに回転される棒状のドリル本体と、該ドリル本体の先端部に位置する一対の主切刃と、前記先端部に位置しており、前記回転軸に直交する方向からの側面視において、前記一対の主切刃から前記回転軸に向かってそれぞれ延びる直線形状の一対のシンニング刃と、前記先端部に位置しており、前記回転軸に沿った方向からの先端視において、前記回転軸と交差するとともに前記一対のシンニング刃を接続するチゼルエッジと、前記一対の主切刃から前記回転軸の回転方向の後方に向かって延び、前記回転軸に対して傾斜している平坦面形状の第1の逃げ面と、前記一対のシンニング刃から前記回転軸の回転方向の後方に向かって延び、前記回転軸に対して傾斜している平坦面形状の第2の逃げ面と、前記ドリル本体の外周に設けられた、前記一対の主切刃および前記一対のシンニング刃から前記ドリル本体の後端部へ向かって前記回転軸の周りに螺旋状に延びている一対の切屑排出溝とを備えている。このとき、前記回転軸に平行であって前記第1の逃げ面を通る第1仮想直線を設定し、前記第1の逃げ面に直交するとともに前記第1仮想直線を含む断面における前記第1の逃げ面と前記第1仮想直線のなす角度を第1傾斜角度、前記回転軸に平行であって前記第2の逃げ面を通る第2仮想直線を設定し、前記第2の逃げ面に直交するとともに前記第2仮想直線を含む断面における前記第2の逃げ面と前記第2仮想直線のなす角度を傾斜角度θ2とした場合に、前記第2傾斜角度が、前記第1傾斜角度より大きい。
上記態様のドリルにおいては、主切刃およびシンニング刃に連なる逃げ面が、一つの平坦面ではなく、第1の逃げ面および第2の逃げ面の2つの平坦面によって構成されている。そして、第2の逃げ面の回転軸に対する傾斜角度が、第1の逃げ面の回転軸に対する傾斜角度より大きくなっている。このように、一対のシンニング刃に連なる第2の逃げ面の回転軸に対する傾斜角度が相対的に大きくなっている。そのため、一対のシンニング刃に連なる第2の逃げ面の逃げ角を容易に大きくすることができ、第2の逃げ面が被削材に強く接触する可能性を小さくできる。また、単に主切刃およびシンニング刃に連なる逃げ面の全体の傾斜角度を大きくするのではなく、一対の主切刃に連なる第1の逃げ面の回転軸に対する傾斜角度が相対的に小さくなっている。そのため、主切刃に連なるすくい面のすくい角も大きく確保し易くなる。
本発明の一実施形態のドリルを示す斜視図である。 図1に示すドリルにおける先端部分を拡大した斜視図である。 図1に示すドリルにおける先端方向からの正面図である。 図3に示すドリルにおけるA1方向からの側面図である。 図4に示すドリルにおける領域A2を拡大した側面図である。 図3に示すドリルにおけるD1断面の断面図である。 図3に示すドリルにおけるD2断面の断面図である。 図3に示すドリルにおけるD3断面の断面図である。 図3に示すドリルにおけるD4断面の断面図である。 本発明の一実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態のドリル1について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明のドリルは、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
<ドリル1>
本実施形態のドリル1は、図1〜10に示すように、ドリル本体3(以下、単に本体3ともいう)と、一対の主切刃5と、一対のシンニング刃7と、チゼルエッジ9と、第1の逃げ面11と、第2の逃げ面13と、切屑排出溝15(以下、単に排出溝15ともいう)とを備えている。
本体3は、回転軸(回転中心軸)Xを有しており、この回転軸Xに沿って延びた棒状の構成となっている。本体3は切削加工時において回転軸Xを中心に回転軸Xの周りで矢印Y1の方向に回転する。本実施形態における本体3は、シャンクと呼ばれる把持部17と、この把持部17の先端側に位置する、ボデーと呼ばれる切削部19とによって構成されている。把持部17は、工作機械(不図示)の回転するスピンドル等の形状に応じて設計される部位であり、スピンドル等によって把持される。切削部19は、被削材と接触する部位であり、被削材の切削加工において主たる役割を有する部位である。
また、本実施形態における切削部19は、一対の主切刃5、一対のシンニング刃7、チゼルエッジ9、第1の逃げ面11および第2の逃げ面13を含む先端側の部位が後端側の部位に対して着脱可能な構成となっている。当然ながら、切削部19が上記の構成ではな
く一の部材からなる構成であっても何ら問題ない。
本実施形態における切削部19は、回転軸Xに沿って延びる円柱から排出溝15に該当する部分を除いた形状となっている。切削部19の外周における排出溝15を除く部分、すなわち、一対の排出溝15の間に位置する部分は、ランド面21となっている。本実施形態におけるランド面21は、排出溝15に対して回転軸Xの回転方向の後方において隣接するマージン21aと、このマージン21aに対して回転軸Xの回転方向の後方において隣接する二番取り面21bとを有している。
回転軸Xを含み、回転軸Xに直交する断面において、マージン21aは、同一円上に位置する円弧形状となっている。この同一円の直径が切削部19の外径に対応する。二番取り面21bは、切削加工中にドリル1の外周と工作面との摩擦を避けるために隙間を付けた面である。そのため、二番取り面21bは、マージン21aよりも回転軸Xからの距離が短くなっている。
本実施形態のドリル1は、例えば、切削部19の外径が6.0mm〜42.5mmに設定される。また、本実施形態のドリル1は、例えば、軸線の長さ(切削部19の長さ)をLとし、径(切削部19の外径)をDとするとき、L=3D〜12Dに設定される。
本体3の材質としては、WC(タングステンカーバイド)を含有し、バインダとしてCo(コバルト)を含有する超硬合金、この超硬合金にTiC(チタンカーバイド)またはTaC(タンタルカーバイド)のような添加物を含んだ合金、ステンレスおよびチタンのような金属などが挙げられる。
ドリル1は、被削材を切削する切刃を本体3の先端部に備えており、本実施形態においては、図2,3に示すように、切刃として一対の主切刃5、一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9を備えている。一対の主切刃5、一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9は、本体3の先端部、すなわち切削部19の先端部分に形成されている。一対の主切刃5は、一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9よりも外周側に位置しており、切刃における最も外周側に位置している。チゼルエッジ9は切刃における最も内周側に位置しており、中心軸Xと交差するように位置している。一対のシンニング刃7は、一対の主切刃5とチゼルエッジ9との間に位置している。
一対の主切刃5は、図2,3に示すように、一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9を間に介して互いに離れて位置している。これら一対の主切刃5は、先端視(正面視)した場合に、本体3の回転軸Xを中心にして180°の回転対称となっている。一対の主切刃5が上記の通り回転対称であることによって、一対の主切刃5が被削材に対して食いつく際に一対の主切刃5の間で生じるブレを抑制できる。そのため、安定した穴あけ加工を行なうことが可能となる。
本実施形態における一対の主切刃5は、図2,3に示すように、先端視した場合に少なくとも一部が凹曲線形状となるように構成されている。これにより、一対の主切刃5で生成される切屑をカールさせ易くなるので、一対の排出溝15で切屑を排出し易くなる。また、切削性を高めるため、一対の主切刃5は回転軸Xを含む仮想平面で切断した場合において、一対の主切刃5の回転軌跡が回転軸Xに対して傾斜するように設けられている。一対の主切刃5の回転軌跡の回転軸Xに対する傾斜角は50〜80°程度に設定される。すなわち、一対の主切刃5の先端角は100〜160°程度に設定される。
一対のシンニング刃7は、それぞれ直線形状であって、図5に示すように、回転軸Xに直交する方向からの側面視において、一対の主切刃5から回転軸Xに向かってそれぞれ延
びている。側面視において一対のシンニング刃7に沿って一対の仮想直線を引き伸ばした場合に、これらの仮想直線の交差する角度、言い換えれば一対のシンニング刃7の先端角は、例えば130〜170°程度に設定される。
チゼルエッジ9は、ドリル1における最も先端方向の側に突出している。このとき、チゼルエッジ9は、回転軸Xと交差する部分が最も先端方向の側に突出しており、回転軸Xから離れるにつれて本体3の後端側に向かうように傾斜した構成となっている。
チゼルエッジ9は、回転軸Xに沿った方向からの先端視において、回転軸Xと交差するとともに一対のシンニング刃7に接続されている。チゼルエッジ9と主切刃5とが直接に接続されている場合には、チゼルエッジ9と主切刃5とが交差する角度が大きいので、チゼルエッジ9と主切刃5との間に大きな負荷が加わり易くなる。しかしながら、本実施形態のドリル1においては、チゼルエッジ9と主切刃5との間にシンニング刃7が設けられている。そのため、上記のような大きな負荷が切刃の特定の領域に加わる可能性を小さくできる。
一対のシンニング刃7は、先端視した場合に、本体3の回転軸Xを中心にして180°の回転対称となっている。また、一対のシンニング刃7は、先端視した場合にチゼルエッジ9に対してそれぞれ傾斜している。そのため、切刃における一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9によって構成される部分は、先端視した場合においてS字を描くように構成されている。
本体3における切削部19の外周には、一対の排出溝15が設けられている。一対の排出溝15は、先端側の端部がそれぞれ主切刃5およびシンニング刃7に接続されており、主切刃5およびシンニング刃7から本体3の後端部へ向かって回転軸Xの周りに螺旋状に延びている。このとき、工作機械で安定して本体3を把持するため、一対の排出溝15は切削部19のみに形成されており、把持部17には形成されていない。
一対の排出溝15は、一対の主切刃5、一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9によって生成される切屑を排出することを主な目的としている。そのため、一対の排出溝15における主切刃5に接続する部分は、主切刃5のすくい面(第1のすくい面23)として機能する。また、一対の排出溝15におけるシンニング刃7に接続する部分は、シンニング刃7のすくい面(第2のすくい面25)として機能する。切削加工時において、一対の主切刃5の一方で形成された切屑は、一対の排出溝15のうち、この主切刃5に接続された排出溝15を通って本体3の後端側へと排出される。
また、一対の主切刃5のもう一方で形成された切屑は、一対の排出溝15のうち、もう一方の主切刃5に接続された排出溝15を通って本体3の後端側へと排出される。一対の主切刃5のそれぞれで生じた切屑をそれぞれ良好に流すため、本実施形態における一対の排出溝15の一方は、一対の排出溝15の他方を回転軸Xの周りで180°回転させた場合に重なり合うように形成されている。
一対の排出溝15それぞれの深さとしては、切削部19の外径に対して10〜40%程度に設定できる。ここで、排出溝15の深さとは、回転軸Xに直交する断面における、排出溝15の底と回転軸Xとの距離を本体3の半径から引いた値を意味している。そのため、本体3における回転軸Xに直交する断面での内接円の直径によって示される芯厚の直径としては、切削部19の外径に対して20〜80%程度に設定される。具体的には、例えば、切削部19の外径Dが20mmである場合、排出溝15の深さは2〜8mm程度に設定できる。
螺旋状に延びている排出溝15のねじれ角は、例えば、3〜45°程度に設定される。このねじれ角は排出溝15の先端から後端にかけて一定であってもよいが、特にこのような構成に限定されるものではない。すなわち、上記のねじれ角は、排出溝15の先端から後端にかけて途中で変化していてもよい。なお、本実施形態におけるねじれ角とは、排出溝15とマージン21aとで形成される交線であるリーディングエッジと、この上の1点を通り回転軸Xに平行な仮想直線とがなす角を意味している。
本体3の先端には、一対の主切刃5に連なる第1の逃げ面11と、一対のシンニング刃7に連なる第2の逃げ面13とが形成されている。本実施形態における第1の逃げ面11および第2の逃げ面13はそれぞれ平坦面形状となっている。また、本実施形態における第1の逃げ面11および第2の逃げ面13は、同一平面上に形成されてはおらず、境界が凸形状の稜線となるように交差している。
そして、本実施形態のドリル1においては、図9に示す第2の逃げ面13の回転軸に対する傾斜角度θ2が、図8に示す第1の逃げ面11の回転軸に対する傾斜角度θ1より大きくなっている。すなわち、一対のシンニング刃7に連なる第2の逃げ面13の回転軸に対する傾斜角度θ2が相対的に大きくなっている。回転軸に対する逃げ面の傾斜角度を大きくすることによって、逃げ面の逃げ角が大きくなり易くなる。そのため、一対のシンニング刃7に連なる第2の逃げ面13の逃げ角θ4を容易に大きくすることができ、第2の逃げ面13が被削材に強く接触する可能性を小さくできる。
また、主切刃5およびシンニング刃7に連なる逃げ面が単に一つの平坦面である場合において、この逃げ面の全体の傾斜角度を大きくすることによっても一対のシンニング刃7に連なる逃げ面の逃げ角が大きくなる。しかしながら、主切刃5に連なる逃げ面の逃げ角も大きくなる。そのため、主切刃5に連なるすくい面のすくい角を大きくすることが困難となる。
本実施形態のドリル1においては、単に主切刃5およびシンニング刃7に連なる逃げ面の全体の傾斜角度を大きくするのではなく、一対の主切刃5に連なる第1の逃げ面11の回転軸Xに対する傾斜角度θ1が相対的に小さくなっている。そのため、主切刃5に連なるすくい面のすくい角が大きく確保され易くなる。したがって、本実施形態のドリル1においては、図7に示すように第2の逃げ面13における逃げ角θ4が、図6に示すように第1の逃げ面11における逃げ角θ3よりも大きくなっている。
なお、回転軸Xに平行であって第1の逃げ面11を通る仮想直線X1を設定し、図8に示すように、第1の逃げ面11に直交するとともに仮想直線X1を含む断面における第1の逃げ面11と仮想直線X1のなす角度を傾斜角度θ1として評価することができる。同様に、回転軸Xに平行であって第2の逃げ面13を通る仮想直線X2を設定し、図9に示すように、第2の逃げ面13に直交するとともに仮想直線X2を含む断面における第2の逃げ面13と仮想直線X2のなす角度を傾斜角度θ2として評価することができる。
本実施形態のドリル1においては、第1の逃げ面11の回転軸に対する傾斜角度が93〜105°程度に設定される。また、第2の逃げ面13の回転軸に対する傾斜角度が97〜110°程度に設定される。
なお、図6〜9はそれぞれ中心軸Xに平行な断面である。さらに、図6は先端視した場合において主切刃5と直交する断面である。図7は先端視した場合においてシンニング刃7と直交する断面である。図8は、第1の逃げ面11と直交する断面である。図9は、第2の逃げ面13と直交する断面である。
本実施形態のドリル1においては、一対のシンニング刃7の先端角が、一対の主切刃5の先端角よりも大きい。一対のシンニング刃7の先端角を相対的に小さな値とすることによって、本体3の先端部分の強度を向上させることができる。一方、シンニング刃7の先端角を相対的に小さな値とした場合には、切屑の切り取り厚みが大きくなる。そのため、シンニング刃7に連なる逃げ面と被削材との接触が起きやすくなる。
しかしながら、本実施形態のドリル1においては、シンニング刃7に連なる逃げ面である第2の逃げ面13の回転軸に対する傾斜角度が相対的に大きな値とされている。そのため、一対のシンニング刃7の先端角が、一対の主切刃5の先端角よりも大きい場合であっても、シンニング刃7に連なる逃げ面と被削材との接触が生じる可能性を小さくできる。
また、本実施形態のドリル1においては、先端視した場合に、第2の逃げ面13における一対のシンニング刃7に直交する方向の幅が、第1の逃げ面11における一対の主切刃5に直交する方向の幅よりも小さい。第2の逃げ面13は、回転軸に対する傾斜角度が相対的に大きい。そのため、第2の逃げ面13が形成されている領域においては、ドリル1の芯厚が小さくなり易い。しかしながら、第2の逃げ面13における上記の幅を相対的に小さくすることによって、第2の逃げ面13が被削材に強く接触する可能性を小さくしつつ、ドリル1の芯厚が過度に小さくなることを抑制できる。
なお、先端視した場合において切刃が曲線形状である場合など、直線形状でない場合には、対象となる切刃の領域の両端を結ぶ直線に対して直交する方向の幅を上記の幅として評価すれば良い。
<切削加工物の製造方法>
次に、本発明の実施形態に係る切削加工物の製造方法について、上述の実施形態のドリル1を用いる場合を例に挙げて詳細に説明する。以下、図10〜12を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる切削加工物の製造方法は、以下の(1)〜(4)の工程を備える。
(1)準備された被削材101に対して上方にドリル11を配置する工程(図10参照)。
(2)ドリル1を、回転軸Xを中心に矢印Y1の方向に回転させ、被削材101に向かってY2方向にドリル1を近づける工程(図10,11参照)。
本工程は、例えば、被削材101を、ドリル1を取り付けた工作機械のテーブル上に固定し、ドリル1を回転した状態で近づけることにより行なうことができる。なお、本工程では、被削材101とドリル1とは相対的に近づけばよく、被削材101をドリル1に近づけてもよい。
(3)ドリル1をさらに被削材101に近づけることによって、回転しているドリル1の一対の主切刃5、一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9を、被削材101の表面の所望の位置に接触させて、被削材101に加工穴103(貫通孔)を形成する工程(図11参照)。
本工程において、良好な仕上げ面を得る観点から、ドリル1の切削部19のうち後端側の一部の領域が被削材101を貫通しないように設定することが好ましい。すなわち、この一部の領域を切屑排出のための領域として機能させることで、当該領域を介して優れた切屑排出性を奏することが可能となる。
(4)ドリル1を被削材101からY3方向に離す工程(図12参照)。
本工程においても、上述の(2)の工程と同様に、被削材101とドリル1とは相対的に離隔すればよく、例えば被削材101をドリル1から離してもよい。
以上のような工程を経ることによって、加工穴103を有する切削加工物を得ることができる。
なお、以上に示したような被削材101の切削加工を複数回行う場合、例えば、1つの被削材101に対して複数の加工穴103を形成する場合には、ドリル1を回転させた状態を保持しつつ、被削材101の異なる箇所にドリル1の一対の主切刃5、一対のシンニング刃7およびチゼルエッジ9を接触させる工程を繰り返せばよい。
以上、本発明に係るドリル1に関して1つの実施形態を例示したが、本発明のドリル1はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
1・・・ドリル
3・・・ドリル本体(本体)
5・・・主切刃
7・・・シンニング刃
9・・・チゼルエッジ
11・・・第1の逃げ面
13・・・第2の逃げ面
15・・・切屑排出溝(排出溝)
17・・・把持部
19・・・切削部
21・・・ランド面
21a・・・マージン
21b・・・二番取り面
23・・・第1のすくい面
25・・・第2のすくい面
101・・・被削材
103・・・加工穴

Claims (5)

  1. 回転軸の周りに回転される棒状のドリル本体と、
    該ドリル本体の先端部に位置する一対の主切刃と、
    前記先端部に位置しており、前記回転軸に直交する方向からの側面視において、前記一対の主切刃から前記回転軸に向かってそれぞれ延びる直線形状の一対のシンニング刃と、
    前記先端部に位置しており、前記回転軸に沿った方向からの先端視において、前記回転軸と交差するとともに前記一対のシンニング刃を接続するチゼルエッジと、
    前記一対の主切刃から前記回転軸の回転方向の後方に向かって延び、前記回転軸に対して傾斜している平坦面形状の第1の逃げ面と、
    前記一対のシンニング刃から前記回転軸の回転方向の後方に向かって延び、前記回転軸に対して傾斜している平坦面形状の第2の逃げ面と、
    前記ドリル本体の外周に設けられた、前記一対の主切刃および前記一対のシンニング刃から前記ドリル本体の後端部へ向かって前記回転軸の周りに螺旋状に延びている一対の切屑排出溝とを備え、
    前記回転軸に平行であって前記第1の逃げ面を通る第1仮想直線を設定し、前記第1の逃げ面に直交するとともに前記第1仮想直線を含む断面における前記第1の逃げ面と前記第1仮想直線のなす角度を第1傾斜角度、前記回転軸に平行であって前記第2の逃げ面を通る第2仮想直線を設定し、前記第2の逃げ面に直交するとともに前記第2仮想直線を含む断面における前記第2の逃げ面と前記第2仮想直線のなす角度を傾斜角度θ2とした場合に、前記第2傾斜角度が、前記第1傾斜角度より大きいことを特徴とするドリル。
  2. 前記第2の逃げ面における逃げ角が、前記第1の逃げ面における逃げ角よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 前記一対のシンニング刃の先端角が、前記一対の主切刃の先端角よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  4. 先端視した場合に、前記第2の逃げ面における前記一対のシンニング刃に直交する方向の幅が、前記第1の逃げ面における前記一対の主切刃に直交する方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のドリルを前記回転軸の周りに回転させる工程と、回転している前記ドリルの前記一対の主切刃、前記一対のシンニング刃および前記チゼルエッジを被削材に接触させる工程と、
    前記ドリルを前記被削材から離す工程と、を備えた切削加工物の製造方法。
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