JP2020152698A - 間葉系幹細胞のエキソソームおよびその使用 - Google Patents

間葉系幹細胞のエキソソームおよびその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、間葉系幹細胞のエキソソームを含む医薬組成物、およびその関節疾患を予防または治療するための使用であって、必要とする対象に治療有効量の前記医薬組成物を投与することを含む使用を提供する。これにより、軟骨組織の保持、軟骨再生の増進、および損傷した関節の修復を行って、関節疾患を予防または治療する。【選択図】図6

Description

本開示は、間葉系幹細胞のエキソソームを含む医薬組成物、およびその関節疾患を予防または治療するための使用に関する。
骨関節症(osteoarthritis、OA)は、退行性関節疾患とも呼ばれ、関節軟骨の退化および損傷、例えば、軟骨下骨の変化および骨棘の形成を特徴とし、よく見られる慢性変性関節疾患であり、主に高齢者の膝やお尻のような荷重の係る関節に影響を及ぼす。統計によると、10%を超えるアメリカ成人が臨床的に骨関節症と診断されており、これは入院のよくある原因の4位であり、総膝関節置換術および股関節置換術の最も一般的な原因でもある(Murphy,L.&Helmick,C.G.,The American Journal of Nursing,112,S13−19(2012))。骨関節症に罹りやすい全身的要因は、年齢、性別、民族、骨密度、エストロゲン補給、遺伝および栄養が含まれ、局所的な生体力学的要因は、肥満、関節損傷、関節変形、運動および筋力低下が含まれ、これらは骨関節症の悪化を引き起こす(Felson,D.T.etal.,Annalsof Internal Medicine,133,635−646(2000))。
また、骨関節症は単純な退行性疾患だけではない。最近の研究では、低い炎症作用は、疾患の症状を悪化させるだけでなく、疾患の進行をも加速させることを発見した。例えば、活性化したマクロファージおよび他の先天性免疫細胞は、軟骨損傷を促進させる炎症性サイトカインを放出することができる(Liu−Bryan,R.&Terkeltaub,R.,Nat.Rev.Rheumatol.,11,35−44,(2015))。また、骨関節症患者から得られた滑膜組織では、TNF−α、IL1β、IL6、IL8およびIL22などを含む炎症誘発性サイトカインの発現に関連する免疫細胞の数の増加が見られる。一方、MMP1、3、13は、細胞外マトリックスのリモデリングに直接関与する。
現在、骨関節症に対する治療および処置は、薬物治療、非薬物治療および外科的処理が含まれている。
骨関節症を緩和する薬物治療としては、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬、オピオイド薬、局所鎮痛薬、コルチコステロイド注射剤およびヒアルロン酸注射剤が含まれ(Sinusas,K.,Am.Fam.Physician.,2012Jan.1;85(1):49−56)、グルコサミンおよび硫酸コンドロイチンは一定の保護作用がある(Lee,Y.H.,Woo,J.H.,Choi,S.J.,Ji,J.D.&Song,G.G.,Rheumatology International,30,357−363(2010))。また、薬物治療と非薬物治療との併用は、疼痛の制御においてはより有効であることを見出した。さらに、運動は、有効な介入治療だけでなく、骨関節症を予防する方法でもあり、他の物理学療法としては、装具および足用の補助器具が含まれる。
それにもかかわらず、膝関節、股関節および肩甲上腕関節の総関節置換術は、依然として最も有効な治療方法であり、関節機能をほぼ正常に回復させることができる。しかしながら、通常、骨関節症の軟骨欠損は大きすぎるので、骨軟骨(osteochondral)移植、自己軟骨膜、骨膜移植および軟骨細胞の移植がいずれも適用できない可能性がある(Gilbert,J.E.,The American Journal of KneeSurgery,11,42−46(1998),Versier,G.,Dubrana,F.&French Arthroscopy,S.,Orthopaedics&Traumatology,Surgery&Research:OTSR97,S140−15(2011))。最近の研究では、新たに発見されたカルトゲニン(kartogenin、KGN)は、軟骨組織における間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells、MSCs)を刺激して軟骨細胞に分化させることができ、骨関節症の初期段階において、KGNの局所投与により、損傷関節を改善できることが示されている(Johnson,K.etal.,Astemcell−based approach to cartilage repair,Science336,717−721(2012))。
また、組織工学および幹細胞療法も、骨関節症の研究に適用されている(Matsumoto,T.etal.,Arthritis and Rheumatism,60,1390−1405(2009);Toghraie,F.S.etal.,TheKnee,18,71−75(2011))。幹細胞療法は、永久的な生物学的治療を提供することができるが、胚性幹細胞(embryonic stem cells、ESCs)、人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells、iPSCs)、胎児幹細胞および成人幹細胞などの様々な起源の幹細胞はいずれもある程度の分化能があり、骨関節症を治療するための幹細胞療法は幹細胞の軟骨に分化する能力に依存するので、移植した幹細胞が罹患関節において生存できることが必要となり、幹細胞の自己複製能と分化能が再生医療にとって非常に重要となる。
近年、広範囲の幹細胞研究では、ヒト胚性幹細胞(human embryonic stem cells、hESCs)およびiPSCsは、ほとんどすべての種類のヒト細胞に分化でき、高い自己複製能の利点を有することを見出した。組織工学および再生医療において、hESCsは幹細胞療法の優先的な選択であり、例えば、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、卒中、心臓病、糖尿病、造血系疾患、肝疾患および肺疾患などの多くの疾患の治療に使用されている(Keller、G.、Genes&Development、19,1129−1155、(2005))が、iPSCsは、個人カスタマイズの潜在力をより有するので、ESCsよりも好ましい。
しかしながら、hESCsおよびiPSCsの幹細胞療法は欠点がある。例えば、幹細胞由来のヒト細胞は、奇形腫の形成や免疫反応を引き起こすリスクがある(Thomson,J.A.etal.,Science,282,1145−1147(1998))。また、マウス胚性線維芽細胞(mouse embryonic fibroblasts、MEFs)は、hESCsの成長を維持するための最も一般的に使用されているフィーダー層であるが、ヒト細胞成分ではないので、ヒトにおける臨床的使用を制限する可能性があるため、このようなhESCs培養法は疑問視されている。hESCsおよびiPSCsを培養するための新しい方法としては、例えば、フィーダー層なしおよび血清なし、ならびに他のヒト由来細胞との共培養などの方法が開発されているが、腫瘍形成性が依然としてこれらの幹細胞の臨床応用を制限している(Xu,C.etal.,Nature Biotechnology,19,971−974,(2001);Richards,M.,Fong,C.Y.,Chan,W.K.,Wong,P.C.&Bongso,A.,Nature Biotechnology,20,933−936(2002))。
さらに、骨関節症の関節に存在するインターロイキン−1αやTNF−αなどの異化因子は、幹細胞の軟骨細胞分化を阻害することによって軟骨生成を減少させるので、患者の関節の修復に対しては、軟骨細胞の導入に加えて、炎症性サイトカインの減少も同様に重要である。
したがって、骨関節症の治療法は、依然として打破する必要があり、安全で有効な治療法のさらなる開発が必要となる。
本開示は、間葉系幹細胞のエキソソームを含む医薬組成物、およびその関節疾患を予防または治療するための使用を提供する。具体的には、本開示は、対象の関節疾患を予防または治療する方法であって、対象に医薬組成物を投与することを含み、当該医薬組成物は治療有効量の間葉系幹細胞のエキソソームを含む方法を提供する。
本開示の一つの具体的な実施形態において、前記間葉系幹細胞は、臍帯間葉系幹細胞、胎児間葉系幹細胞、臍帯血間葉系幹細胞、胎盤間葉系幹細胞、羊水間葉系幹細胞、骨髄間葉系幹細胞または脂肪間葉系幹細胞である。別の具体的な実施形態において、前記間葉系幹細胞は、ヒト臍帯間葉系幹細胞である。さらに別の実施形態において、前記間葉系幹細胞は、分化誘導されていない。一つの具体的な実施形態において、前記間葉系幹細胞は、未分化多能性間葉系幹細胞である。別の具体的な実施形態において、前記間葉系幹細胞は、第3継代〜第6継代まで培養される。さらに別の実施形態において、前記間葉系幹細胞は、血清を含まない培地で培養される。
本開示の一つの具体的な実施形態において、前記間葉系幹細胞は、CD44、CD73、CD90、CD105およびHLA−ABCのうちの少なくとも1つの細胞表面マーカーを示す。別の具体的な実施形態において、前記間葉系幹細胞は、CD34、CD45、CD56およびHLA−DRの細胞表面マーカーを示さない。さらに別の実施形態において、前記間葉系幹細胞は、CD44、CD73、CD90、CD105およびHLA−ABCの細胞表面マーカーを示し、CD34、CD45、CD56およびHLA−DRの細胞表面マーカーを示さない。
一つの具体的な実施形態において、前記対象はヒトである。別の具体的な実施形態において、前記関節疾患は、関節軟骨欠損、骨関節症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、肩関節周囲炎、軟骨退化または前十字靭帯損傷である。さらに別の実施形態において、前記関節疾患は骨関節症である。一つの具体的な実施形態において、前記医薬組成物は、必要とする対象に注射で投与される。
一つの具体的な実施形態において、前記医薬組成物は、損傷した関節の修復、軟骨組織の保持、または軟骨再生の増進のために使用されることにより、関節疾患を予防または治療する。
一つの具体的な実施形態において、本開示の関節疾患を予防または治療するための医療組成物を使用した対象は、本開示の組成物を使用していない対象に比べて、より厚い軟骨組織を有する。別の具体的な実施形態において、本開示の関節疾患を予防または治療するための医療組成物を使用した対象は、使用していない対象に比べて、軟骨組織の厚さが少なくとも2倍となる。さらに別の具体的な実施形態において、本開示の関節疾患を予防または治療するための医療組成物を使用した対象は、使用していない対象に比べて、軟骨組織の厚さが2.5倍以上となる。
一つの具体的な実施形態において、前記医療組成物における前記エキソソームは、1×10〜1×10個の間葉系幹細胞から産生される。別の具体的な実施形態において、前記エキソソームは、CD9、CD63およびCD81のうちの少なくとも1つの細胞表面マーカーを示す。さらに別の具体的な実施形態において、前記エキソソームは、GM130の細胞表面マーカーを示さない。またさらに別の具体的な実施形態において、前記エキソソームは、CD9、CD63およびCD81の細胞表面マーカーを示し、GM130の細胞表面マーカーを示さない。
動物モデルにおいて、エキソソームで修復されていないOA群およびエキソソームで修復されたOA+EXO群の関節を目で検査することを示す図である。図中の矢印は関節軟骨が破壊された箇所を示す。
正常の膝関節とOA群の関節についての組織学的評価および免疫組織化学的分析の結果を示す図である。
ヒト臍帯間葉系幹細胞の細胞表面マーカーの特徴および分化能を示す図である。図3Aにおいて、第3継代のヒト臍帯間葉系幹細胞のフローサイトメトリー結果は、当該細胞が細胞表面マーカーCD44、CD73、CD90、CD105およびHLA−ABCを示すが、細胞表面マーカーCD34、CD45、CD56およびHLA−DRを示さないことを示す。図3Bにおいて、14日後のヒト臍帯間葉系幹細胞は、脂肪細胞の生成を示すオイルレッド染色を示す。図3Cにおいて、14日間の骨形成作用後のヒト臍帯間葉系幹細胞は、骨細胞の生成を示すアリザリンレッド染色を示す。図3Dにおいて、軟骨生成培地中で3週間培養したヒト臍帯間葉系幹細胞は、軟骨細胞の生成を示す塊を形成する。スケールバー=100μm。
細胞表面マーカーCD9、CD63およびCD81を示すが、細胞表面マーカーGM130は示さないという、精製されたヒト臍帯間葉系幹細胞エキソソームの細胞表面マーカーの特徴を示す図である。
エキソソームで修復されていないOA群(図5A、図5C、図5E)およびエキソソームで修復されたOA+EXO群(図5B、図5D、図5F)の関節の異なる拡大倍率でのアグリカン(aggrecan)の免疫組織化学的分析の結果を示す図である。図5Cおよび図5Dにおけるスケールバー=1000μm、図5Eおよび図5Fにおけるスケールバー=100μm、矢印は骨関節症が発生した軟骨の内側を示す。
エキソソームで修復されていないOA群およびエキソソームで修復されたOA+EXO群の軟骨の厚さの比較統計図である。**p<0.01。マン−ホイットニー検定を用いて比較する(n=5)。
間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells、MSCs)は、異なる起源に由来する様々な種類、例えば、骨髄間葉系幹細胞(bone marrow−mesenchymal stem cells、BM−MSCs)、臍帯血間葉系幹細胞(umbilical cord blood−mesenchymal stem cells、UCB−MSCs)、ヒト臍帯間葉系幹細胞(human umbilical cord mesenchymal stem cells、HUCMSCs)、脂肪組織間葉系幹細胞(adipose tissue−derived stem cells、ADSCs)、筋肉幹細胞(muscle−derived stem cells、MDSCs)および歯髄幹細胞(dental pulp stem cells、DPSCs)などを含み、これらは幹細胞療法における軟骨細胞の再生に使用されている。これらの間葉系幹細胞において、骨髄間葉系幹細胞、脂肪組織間葉系幹細胞および筋肉幹細胞は、数が豊富であり、骨関節症のリスクがある成人から単離できるため、骨関節症の幹細胞療法に使用される潜在力を有する。
軟骨細胞への直接分化により損傷した骨関節症の関節を修復することに加えて、間葉系幹細胞のパラクリン(paracrine)作用は、免疫細胞に対して重要な抗炎症作用および免疫抑制作用を有する。間葉系幹細胞は、T細胞と相互作用し、初代Tリンパ球の増殖を阻害し、Th1またはTh17表現型に分化する。環境からの可溶性および接触依存性のシグナルはいずれも間葉系幹細胞の治療効果を引き起こすことができるので、間葉系幹細胞によって細胞外環境に分泌される様々なインターロイキンおよび細胞外小胞(extracellular vesicles、EVs)は、骨関節症の治療において重要な役割を果たす。
細胞外小胞は、細胞間コミュニケーションの重要なメディエータであり、正常な生理学的機能に関与するだけでなく、疾患の発生および発症にも関与する。エキソソームは、細胞外小胞の一種であり、直径が40〜100nmであり、血液、尿液、気管支肺胞洗浄液、母乳、羊水、滑液、胸膜滲出液および腹水などを含むあらゆる種類の体液から遠心分離によって単離できる。また、エキソソームは特異的なマーカーが欠乏することが知られている。
間葉系幹細胞の細胞外小胞(MSC−EV)は、本来の機能を失うことなく保存することができ、また安全性を有するので、間葉系幹細胞の直接移植に代わる代替的な無細胞療法となり得る。間葉系幹細胞の細胞外小胞は、心血管疾患、急性腎臓または肝臓の損傷、肺損傷および皮膚創傷治癒の様々な動物モデルにおいて研究されている(Rani,S.et.al.,Mol.Ther.,23,812−823,(2015))が、これまで、骨関節症モデルにおける間葉系幹細胞の細胞外小胞に関する研究がなかった。
骨関節症の病原性メカニズムを代表できる動物モデルは、新しい治療法の開発にとっては非常に重要であり、患者の関節に関連する臨床的および病理学的変化を模倣しなければならない。本開示は、前十字靭帯切断術(anterior cruciate ligament transection、ACLT)の骨関節症のウサギモデルを使用し、このモデルは、骨関節症の病因を究明するために使用されたことがあり、また、幹細胞治療を含む骨関節症治療法のためにも使用されたこともある。これまで、この動物モデルは、エキソソーム治療法に関する研究がなされていなかった。
以下、特定の具体的な実施形態により本開示の実施形態を説明するが、当業者は本開示の内容に基づいて、本開示の利点および効果を容易に理解することができる。本開示は、他の異なる実施形態によっても実施または適用することができ、本明細書における詳細は、異なる観点および用途に基づいて、本開示の精神から逸脱することなく、異なる修正および変更を行うこともできる。以下の実施例は、例示のみを目的としており、本開示の限定として解釈されるべきではない。
実施例1:動物モデルの確立
この実施例では、12匹の14ヶ月齢ニュージーランド白ウサギ(New Zealand White、NZW)を使用した。ウサギの膝関節を、(1)OA群:骨関節症を誘発し、未治療、n=6、および(2)実験群(OA+EXO):骨関節症を誘発し、エキソソームによる治療を施し、n=6という2つの群に分けた。
すべてのウサギをケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(8mg/kg)の筋肉内注射で麻酔した。両膝を剃毛して、ポビドンヨード液(Betadine(R))で消毒した。経皮的に内側膝蓋骨の切り口を作り、関節切開術を行って、膝蓋骨を横方向に転位させ、膝を完全に屈曲させ、前十字靭帯(anterior cruciate ligament、ACL)が見られるようになった後、15番の刃でクロスカットし、関節を滅菌食塩水で洗浄して、縫合した。関節包および関節腔滑膜を4−0ポリプロピレン縫合糸で縫合し、皮膚を3−0ナイロン縫合糸で縫合した。手術後、すべてのウサギをケージに戻し、自由に動かせて、痛みを緩和するために7日間0.2 mg/kg/日のメロキシカムを経口で投与した。
前十字靭帯切断術の2ヶ月後、各群のウサギ膝関節の変化を以下の方法で調べた。
まず、関節の表面を目で検査した。ウサギを安楽死させた後、大腿骨遠位端および脛骨近位端の表面を露出させて目で検査し、2mLのインディアンインクをシリンジで脛骨プラトーに注入し、2分間後、表面を食塩水で洗浄し、脛骨プラトーの染色パターンを目で観察した。その結果、図1に示すように、OA群の軟骨内側は軟骨が激しく破壊されたことを示し(矢印箇所)、また、OA群の膝関節は有意な軟骨破壊を示した(矢印箇所)。
組織変化を顕微鏡で直接観察し、軟骨破壊箇所をランダムに6点を選んでそれらの厚さを測定し、その結果は、図6におけるOA群で示した通りであった。図6の全てのデータは、中央値および範囲として表されている。
組織学的評価は以下の通りであった。大腿骨遠位端および近位脛骨近位端のプラトーを除去し、10%緩衝ホルマリン(Sigma)で48時間固定した後、試料を10%EDTA(Gibco、グランドアイランド、NY、米国)で2週間脱灰し、4つの切片に切った。全ての切片をパラフィンに包埋し、連続的な矢状切片を作製し、ヘマトキシリン・エオシン(hematoxylin&eosin、H&E、Sigma)およびサフラニンO(safranin O、Sigma)で染色した。
免疫組織化学的分析の方法は以下の通り行われた。各群の2つの大腿骨遠位端を得た後、最適切断温度(optimal cutting temperature、OCT)化合物(Miles、Elkhart、IN)に急速に包埋し、液体窒素中で急速凍結し、使用するまで−80℃で保存した。
大腿骨関節の切片を補水した後、内在性ペルオキシダーゼを3%過酸化水素(Sigma)でブロックし、PBS(pH7.4、Sigma)中の2.5%ヒアルロニダーゼ(Sigma)および1mg/mLプロナーゼ(Pronase)の混合物を37℃で1時間処理し、II型コラーゲンを回収し、また、X型コラーゲンの回収は、37℃で0.1ユニット/mlのコンドロイチナーゼABC(Sigma)で1時間処理し、トリス−HCl(pH3.0、MDBio、台北、台湾)中の1mg/mLペプシン(Sigma)で37℃で15分間処理した。次に、Ultra V Block(Thermo Scientific、フレモント、CA)を用いて切片を10分間ブロックし、一次抗体(II型コラーゲンは、マウスモノクローナル抗体であり、1:200、CP18、Calbiochem、La Jolla、CA。X型コラーゲンは、ラットポリクローナル抗体であり、1:200、ab58632、Abcam、Cambridge、MA)と37℃で4時間反応した。
二次抗体と30分間反応した後、II型コラーゲンは、ビオチン化ヤギ抗マウス免疫グロブリン(Dako、Carpinteria、CA)を使用し、また、X型コラーゲンは、ビオチン化ヤギ抗ラット免疫グロブリン(Biocare Medical、Walnut Creek、CA)を使用し、続いてワサビペルオキシダーゼ結合したストレプトアビジン(Biocare Medical)を使用して反応した。
0.01%過酸化水素を含有する3,3−ジアミノベンジジン溶液で切片を染色した後、ヘマトキシリン(Sigma)で対比染色し、Image−Pro Plus 5.0版ソフトウェアを用いて、各大腿骨の関節軟骨において総面積に対するII型コラーゲンおよびX型コラーゲン染色領域の比率を測定した。
結果は図2に示すように、H&E染色、サフラニンO染色およびII型コラーゲン免疫組織化学的分析では、OA群関節においては有意な軟骨破壊を示したため、この動物モデルは、OAの病原性メカニズムを模倣し、類似の疾患特徴を示すことができると考えられるので、OA療法を効果的に評価するためのモデルとすることができる。
実施例2:ヒト臍帯間葉系幹細胞(HUCMSCs)の増幅
ヒト臍帯の入手および使用方法は、仏教慈済総合病院の人体試験委員会(IRB 100−166)によって承認され、本実験方法は、ヘルシンキ宣言に従って行われ、地域の倫理審査委員会の許可も得られ、また、実験の前に全被験者のインフォームド・コンセントが得られた。ヒト臍帯間葉系幹細胞を得るための詳細な方法は、当技術分野において公知であり、この実施例の具体的な実施形態は以下の通りであった。
簡単に説明すると、ヒト臍帯試料(長さ20cm、重量20g)を、ハンク平衡塩溶液(Gibco/BRL 14185−052、グランドアイランド、NY、米国)を含む滅菌容器に収集し、24時間以内に血管および羊膜からウォートンゼリー(Wharton’s jelly、WJ)を単離した。
まず、Ca2+およびMg2+を含まないリン酸緩衝液(PBS、Bioest、Nuaille、フランス)でヒト臍帯を3回洗浄し、正中方向にハサミで切断し、臍動脈、静脈血管および輪郭膜をウォートンゼリーと解離し、ウォートンゼリーを0.5cm未満の断片に切断し、I型コラゲナーゼ(Sigma、St.Louis、MO、米国)で処理し、37℃、95%空気および5℃COの加湿環境で14〜18時間反応させた。
次に、上記の外植片を、10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum、FBS。Biological Industries、Kibbutz Beit Haemek、イスラエル)と抗生物質とを含有する低グルコースDMEM培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium、LG、Sigma)中に、37℃、95%空気および5℃COの加湿環境で培養した。細胞を外植片から移行させるように5〜7日間静置し、得られたヒト臍帯間葉系幹細胞を第1継代とした。培地を週に2回交換し、細胞が90%コンフルエントに達したときに、細胞を継代培養した。
実施例3:ヒト臍帯間葉系幹細胞(HUCMSCs)の特徴および分化能
第3継代または第4継代の培養したヒト臍帯間葉系幹細胞の表面分子特徴をフローサイトメトリーによって測定した。Accutase(R)(Millipore、Billerica、MA、米国)を使用して、細胞をPBS中で単離し、2%ウシ胎児血清アルブミン(Sigma)と0.1%アジ化ナトリウム(Sigma)とを含有するPBSで洗浄し、続いてCD29、CD34、CD44、CD45、CD56、CD73、CD90、CD105、HLA−ABCおよびHLA−DR(BD PharMingen、フランクリンレイクス、NJ、米国)などを含んでフルオレセインイソチオシアネートまたはフィコエリスリンに結合した種々な抗体と一緒に反応し、フローサイトメーター(Becton Dickinson、San Jose、CA、米国)を使用して細胞を分析した。
その結果、図3Aに示すように、ヒト臍帯間葉系幹細胞が示す細胞表面マーカーは、CD44、CD73、CD90、CD105およびHL−ABCがあり、一方、示さない細胞表面マーカーは、CD34、CD45、CD56およびHLA−DRがあった。
ヒト臍帯間葉系幹細胞の脂肪細胞に分化する能力は、脂質生成の誘導という方式によって試験した。合計5×10個のヒト臍帯間葉系幹細胞を、脂肪生成培地(10%FBS、5μg/mLのインスリン、0.5mmol/Lのイソブチルメチルキサンチン、1μmol/Lのデキサメタゾンおよび60μmol/Lのインドメタシンを添加したDMEM。全ての化合物はSigmaから購入)を含む12ウェルプレート上に接種した。ヒト臍帯間葉系幹細胞を脂肪生成培地で14日間培養し、培地を3日ごとに交換した。分化を行った14日間後、分化した脂肪細胞をオイルレッド(oil red O、Sigma)で染色し、写真撮影した。
その結果、図3Bに示すように、分化したヒト臍帯間葉系幹細胞は、細胞質においてオイルレッド染色された大きな油滴を示した。
ヒト臍帯間葉系幹細胞の骨細胞に分化する能力は、誘導という方式によって試験した。合計1×10個のヒト臍帯間葉系幹細胞を、骨生成培地(10%FBS、0.1μmol/Lのデキサメタゾン、10mmol/Lのβ−グリセロリン酸エステルおよび50μmol/ Lのアスコルビン酸を添加したDMEM)を含む12ウェルプレート上に接種した。培地を3日ごとに交換し、分化を行った14日間後、骨細胞をアリザリンレッド(alizarin red、Sigma)で染色し、写真撮影した。
その結果、図3Cに示すように、分化したヒト臍帯間葉系幹細胞は、細胞形態が直方体形状に変換され、アリザリンレッド染色が陽性を示した。
ヒト臍帯間葉系幹細胞の軟骨細胞生成能は、微小集積培養(micromass culture)という方式によって試験した。密度が25×10個細胞/mLであり、総体積が30μLであるヒト臍帯間葉系幹細胞を、乾燥した15mLチューブ(BD Pharmingen)の底に接種し、37℃の加湿環境でCOインキュベーターに2時間置いて、各チューブに追加の軟骨生成培地(0.75mL)を加えた。培地を48時間ごとに交換し、3週間培養後、微小集積軟骨細胞が生成された。微小集積軟骨細胞を回収して写真撮影した後、微小集積軟骨細胞を4%パラホルムアルデヒドで4℃で24時間固定した。次に、PBSで洗浄し、70%エタノールに移し、組織処理を行って、パラフィン切片した(5μm)後、アグリカン(aggrecan、1:100、GeneTex、Irvine CA、米国)を用いて免疫組織化学(immunohistochemistry、IHC)の染色を行うことにより、軟骨細胞の生成を評価した。
その結果、図3Dに示すように、ヒト臍帯間葉系幹細胞は、軟骨生成誘導した21日間後、集合して集団状に凝集し、アグリカン染色が陽性を示した。
上記の結果は、ヒト臍帯間葉系幹細胞が、脂肪細胞、骨細胞および軟骨細胞に分化できることを示した。
実施例4:ヒト臍帯間葉系幹細胞(HUCMSCs)エキソソームの精製
ヒト臍帯間葉系幹細胞の馴化培地(conditioned media、CM)からHPLCによりMSC−EVエキソソームを精製することは、当技術分野において公知の技術である(Lai,R.C.et al.,Stem Cell Res.,4,214−222,(2010);Sze,S.K.et al.,Mol.Cell Proteomics,6,1680−1689,(2007))。簡単に説明すると、馴化培地の調製方法は以下の通りであった。第3継代〜第6継代まで培養した80%コンフルエントのヒト臍帯間葉系幹細胞をPBSで3回洗浄し、化学的に規定された培地中で一晩培養した。前記培地は、フェノールレッドフリー低グルコースDMEM(Invitrogen)からなり、インスリン−トランスフェリン−セレノプロテイン(Insulin−Transferrin−Selenium、ITS、Invitrogen)、5ng/mlのFGF2(Invitrogen)、5ng/mlのPDGF AB(Peprotech、Rocky Hill、NJ)、グルタミン酸−ペニシリン−ストレプトマイシンおよびβ−メルカプトエタノールを添加し、PBSで培養物を3回洗浄し、新鮮な化学的に規定された培地を添加した。3日後、培地を収集して500×gで遠心分離し、上清液を0.2μmフィルターを用いて濾過した。馴化培地の調製過程において、血清を使用しておらず、また、細胞を分化誘導していなかった。ヒト臍帯間葉系幹細胞培養物からの無血清馴化培地は、100kDaのMWCO(Molecular Weight Cut Off)膜(Sartorius、Goettingen、ドイツ)で接線流濾過により収集し、50倍に濃縮した。
濃縮した馴化培地を収集し、3000×gで15分間遠心分離することにより、細胞および細胞断片を除去した。上清液を滅菌容器に移し、適切な体積のExoQuick−TC(System Biosciences、Palo Alto、CA、米国)を加え、十分に混合するように容器をひっくり返すかまたはフリックし、4℃で一晩(少なくとも12時間)冷蔵した。反応の期間においては、容器を直立させたままで、回転させたり混合したりしなかった。ExoQuick−TC/馴化培地の混合物を1500×gで30分間遠心分離した(遠心分離は室温または4℃で実施することができる)。遠心分離した後、エキソソームは、容器の底にベージュ色または白色の沈殿物として表示された。上清液を吸引し、1500×gで5分間遠心分離し、残ったExoQuick−TC溶液を収集し、沈殿したエキソソームの集団状物資を壊さないように残りの液体をすべて吸引して除去した。エキソソームの沈殿物を100〜500μlの滅菌した1×PBSで再懸濁し、関節に注射した。
マイクロビシンコニン酸タンパク質アッセイ(micro−bicinchoninic acid assay、Thermo Fisher Scientific、Dreieich、ドイツ)を用いてエキソソーム試料のタンパク質濃度を測定し、また、精製されたエキソソームをウエスタンブロッティングによって測定した。5μgの濃縮したエキソソーム試料を用いて、試料緩衝液(ジチオトレイトール、0.1%SDS、0.1Mトリス−HCl。pH7.0)で処理し、95℃で5分間煮沸し、次いで、12%SDS−PAGE電気泳動で単離した。試料をPVDF膜(Merck Millipore、Darmstad、ドイツ)に移し、エキソソームのマーカータンパク質CD9、CD63およびCD81(BD Biosciences)またはネガティブマーカーGM130(Sigma−Aldrich)を認識できる抗体を使用した。
その結果、図4に示すように、上記の方法によって精製されたヒト臍帯間葉系幹細胞エキソソームは、典型的なエキソソームの細胞表面マーカーの特徴(CD9、CD63およびCD81は陽性を示し、GM130は陰性を示すことを含む)を示した 。
実施例4:ヒト臍帯間葉系幹細胞(HUCMSCs)のエキソソームによる修復
ACLT手術した8週間後に、0.4mLのエキソソームをOA+EXO群の膝関節に注射した。各群のウサギは、EXO治療した12週間後に、15〜40mg/kgのペントバルビタール(3%)で鎮静され、COを吸入させて犠牲にさせた。目で検査すると、エキソソームで修復されたOA+EXO群の膝軟骨は軟骨損傷が少ないと示すことが確認された(図1)。
各群における膝軟骨のアグリカン(aggrecan)含有量を上記の免疫組織化学的分析法により調べ、その結果は図5に示すように、エキソソームで修復されたOA+EXO群(図5B、図5D、図5F)は、エキソソームで修復されていないOA群に比べて(図5A、図5Cおよび図5E)、軟骨内側に有意な量のアグリカン(aggrecan)を含んでいた。エキソソームで修復されたOA+EXO群(図5F)の軟骨の厚さは、エキソソームで修復されていないOA群(図5E)の2.5倍であった。
実施例において、各群の軟骨破壊箇所をランダムに6点を選んでそれらの厚さを測定した後、以下の方法で統計し、結果を図6に示した。図6における全てのデータは、中央値および範囲として表され、また、ノンパラメトリック検定(例えば、マン−ホイットニーのU検定)病理組織学的等級を用いて統計的に比較され、p値が<0.05の場合、差は有意と見なされ、全ての統計分析はSSPSを用いて行った。その結果、OA+EXO群の軟骨の厚さは、修復されていないOA群とは有意な差があることを示した。
上記の実施形態は、本開示の例示に過ぎず、限定を意図するものではなく、当業者は本発明の精神および範囲から逸脱することなく上記実施形態に修正および変更を加えることができる。したがって、本開示の保護範囲は、下記の特許出願の範囲に記載されたとおりであるべきである。

Claims (18)

  1. 関節疾患を予防または治療する医薬組成物を調製するための、間葉系幹細胞のエキソソームの使用。
  2. 上記の間葉系幹細胞は、分化誘導されていない、請求項1に記載の使用。
  3. 上記の間葉系幹細胞は、未分化多能性間葉系幹細胞である、請求項1に記載の使用。
  4. 上記の間葉系幹細胞は、CD44、CD73、CD90、CD105およびHLA−ABCのうちの少なくとも1つの細胞表面マーカーを示す、請求項1に記載の使用。
  5. 上記の間葉系幹細胞は、CD34、CD45、CD56およびHLA−DRの細胞表面マーカーを示さない、請求項1に記載の使用。
  6. 上記の間葉系幹細胞は、CD44、CD73、CD90、CD105およびHLA−ABCの細胞表面マーカーを示し、CD34、CD45、CD56およびHLA−DRの細胞表面マーカーを示さない、請求項1に記載の使用。
  7. 上記の間葉系幹細胞は、臍帯間葉系幹細胞、胎児間葉系幹細胞、臍帯血間葉系幹細胞、胎盤間葉系幹細胞、羊水間葉系幹細胞、骨髄間葉系幹細胞または脂肪間葉系幹細胞である請求項1に記載の使用。
  8. 上記の間葉系幹細胞は、ヒト臍帯間葉系幹細胞である、請求項1に記載の使用。
  9. 上記の間葉系幹細胞は、第3継代〜第6継代まで培養される、請求項1に記載の使用。
  10. 上記の間葉系幹細胞は、血清を含まない培地で培養される、請求項9に記載の使用。
  11. 上記のエキソソームは、CD9、CD63およびCD81のうちの少なくとも1つの細胞表面マーカーを示す、請求項1に記載の使用。
  12. 上記のエキソソームは、GM130の細胞表面マーカーを示さない、請求項1に記載の使用。
  13. 上記のエキソソームは、CD9、CD63およびCD81の細胞表面マーカーを示し、GM130の細胞表面マーカーを示さない、請求項1に記載の使用。
  14. 上記の医薬組成物は、軟骨組織の保持のために使用されることにより、関節疾患を予防または治療する、請求項1に記載の使用。
  15. 上記の医薬組成物は、軟骨再生の増進のために使用されることにより、関節疾患を予防または治療する、請求項1に記載の使用。
  16. 上記の関節疾患は、関節軟骨欠損、骨関節症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、肩関節周囲炎、軟骨退化または前十字靭帯損傷である、請求項1に記載の使用。
  17. 上記の関節疾患は、骨関節症である、請求項16に記載の使用。
  18. 上記の医薬組成物は、必要とする対象に注射で投与される、請求項1に記載の使用。
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