JP2020151958A - 立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法、及び立体造形プログラム - Google Patents

立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法、及び立体造形プログラム Download PDF

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雄太 小池
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Koichiro Tanaka
滉一郎 田中
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青蔵 佐倉
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義仁 嶋田
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Abstract

【課題】優れた表面性を有する立体造形物が得られると共に、高い生産性を実現できる立体造形物の製造方法の提供。【解決手段】往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成工程と、復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成工程と、前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化工程と、を含み、同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接している立体造形物の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法、及び立体造形プログラムに関する。
立体造形物(三次元造形物)を造形する立体造形物の製造装置として、立体造形物を形成する造形材料を造形領域に吐出させた後に硬化させて、層状造形物を造形し、層状造形物を順次積層することにより立体造形物を造形する材料噴射造形方式(マテリアルジェット方式)が知られている。材料噴射造形方式ではモデル材と、造形中にモデル材を支持するためのサポート材との2種の材料が使われる。
特許文献1には、インクジェットの吐出不良やノズル抜けが生じた場合、主走査方向に連続してノズル抜け部分が並ぶために、造形物に主走査方向の溝が形成されるとの課題を解決するため、主走査方向走査時の吐出を複数のノズルから行う方法が開示されている。
しかしながら、従来の方法では、造形物の主走査方向に平行な側面に段差(以下Y段差と称する場合がある)が生じてしまい、完成した造形物の表面性が悪かった。
そこで、本発明は、優れた表面性を有する立体造形物が得られると共に、高い生産性を実現できる立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造方法は、往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成工程と、復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成工程と、前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化工程と、を含み、同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接している。
本発明によると、優れた表面性を有する立体造形物が得られると共に、高い生産性を実現できる立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1は本発明の立体造形物の立体造形装置を用いて塗膜を形成する一例を示す概略図である。 図2は、装置を正面から見たときの概略平面説明図である。 図3は、印刷開始時のヘッドと造形ステージの位置を表す概略図である。 図4は、パージ時の断面説明図を表す。 図5の(A)〜(G)は、本発明の立体造形物の製造装置を用いた立体造形物の製造方法の一例を示す概略説明図である。 図6は、復路の造形材料の液滴のパルス電圧を往路の造形材料の液滴のパルス電圧以上にして、復路の造形材料の液滴を大きくする方法を表す概略図である。 図7は、パルス電圧に対する、造形材料の液滴(造形材料の重量)の関係性を表すグラフである。 図8は、パルス電圧に対する、膜厚の関係性を表すグラフである。 図9は、復路の吐出量に対する、膜厚の関係性を表すグラフである。 図10は、着弾前の復路の造形材料の液滴のパルス数を着弾前の往路の造形材料の液滴のパルス数以上にして、吐出した複数の造形材料の液滴を飛翔中に合体させて復路の造形材料の液滴を大きくする方法を表す説明図である。 図11は、図5(E)の後の段階における、復路の造形材料と平坦化部材とを表す概略図である。 図12は、図5(E)の後の段階における、平坦化部材が余分な復路の造形材料の表面を削り取る状態を表す説明図である。 図13は、図5(E)の後の段階における、ローラ削りシロの割合が12%の場合の復路の造形材料と平坦化部材とを表す概略図である。 図14は、図5(E)の後の段階における、ローラ削りシロの割合が30%の場合の復路の造形材料と平坦化部材とを表す概略図である。 図15は、図5(E)の後の段階における、ローラ削りシロの割合が4%の場合の復路の造形材料と平坦化部材とを表す概略図である。 図16は、図5(E)の後の段階における、ローラ削りシロの割合が0%の場合の復路の造形材料と平坦化部材とを表す概略図である。 図17は、造形を行う順を模式的に示した図である。 図18は、図17の模式図に対応する、造形シーケンスの一例を表した図である。 図19Aは、図17の模式図に対応する往路と復路のスキャンの例を表したフローチャートである。 図19Bは、図17の模式図に対応する往路と復路のスキャンの例を表した図である。 図19Cは、図17の模式図に対応する往路と復路のスキャンの例を表した図である。 図20は、図17の模式図に対応するヘッドに印加する波形の例を表した図である。 図21Aは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図21Bは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図22Aは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図22Bは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図22Cは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図23Aは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図23Bは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図23Cは、Y段差を改善するスキャンの一例を表す図である。 図24は、Y段差が生じた側面の写真図である。 図25Aは、図24の写真図の造形物を製造した時のスキャンの一例を表す模式図である。 図25Bは、図24の写真図の造形物を製造した時のスキャンの一例を表す模式図である。 図25Cは、図24の写真図の造形物を製造した時のスキャンの一例を表す模式図である。 図26は、立体造形物の製造装置の制御部のブロック説明図である。 図27は、本発明の立体造形物の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図28は、本発明の立体造形物の製造方法の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
(立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置、及び立体造形プログラム)
本発明の立体造形物の製造方法は、往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成工程と、復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成工程と、前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化工程と、を含み、同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接しており、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造装置は、往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成手段と、復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成手段と、前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化手段と、を有し、同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接しており、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の立体造形プログラムは、往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成し、復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成し、前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接し、同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置を、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接させる処理をコンピュータに実行させる。
なお、本発明の「立体造形物の製造装置」における制御手段等が行う制御は、本発明の「立体造形物の製造方法」を実施することと同義であるので、本発明の「立体造形物の製造装置」の説明を通じて本発明の「立体造形物の製造方法」の詳細についても明らかにする。また、本発明の「立体造形プログラム」は、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明の「立体造形物の製造装置」として実現させることから、本発明の「立体造形物の製造装置」の説明を通じて本発明の「立体造形プログラム」の詳細についても明らかにする。
以下に具体的な実施態様を例として、本願発明を詳細に説明するが、単に本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。したがってかかる実施態様にて説明されている内容は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、任意の変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれる。
<造形装置>
本発明の造形装置の概要について図1に示す。
造形ステージは、図1中のX、Y方向に動き、X方向(主走査方向)に動くときにインクジェットヘッド211、212から造形材料を噴射する。Y方向(副走査方向)には液滴を噴射する位置を変更する際に動く。かかる移動はインクジェットヘッドと造形ステージの相対的な位置関係の移動を意味し、したがって造形ステージが固定され、インクジェットヘッドが移動する態様も本発明の造形装置に包含される。インクジェットヘッドは、往路において造形材料を吐出する部材である。造形材料吐出部材としては、造形材料を吐出できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッド、熱膨張(サーマル)型ヘッドなどを用いることができる。これらの中でも、圧電素子(ピエゾ素子)型ヘッドが好ましい。
造形装置210は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニットを用いて、造形物用インク噴射ヘッドユニット211からモデル材を、支持体用インク噴射ヘッドユニット212からサポート材を造形ステージ214に噴射し、ローラモジュール213で平滑化処理を行い、隣接したUV照射機216でモデル材を硬化しながら積層する。
そして、積層をある程度行うごとに、例えば10層ごとに、平滑部材により積層した表面を平滑化する工程を行う。ローラ形状の平滑部材を使用する場合、操作方向に対して、ローラを逆転させる方向で回転させると平滑化の効果がより有効に発揮される。もちろん、毎層ごとにローラを層の表面に接触させてもよい。
更に、インク噴射ヘッドユニット211,212及びUV照射機216と、造形体217及び支持体218とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ヘッドユニットを上昇させながら積層する。かかるヘッドユニットの移動もまた、造形ステージとの相対的移動であればよく、したがって造形ステージを下降させながら積層してもよい。
また、造形装置210としては、インク回収、リサイクル機構などを付加することも可能である。ノズル面に付着したインク組成物を除去するブレードや不吐出ノズルの検出機構を具備していてもよい。更に造形時の装置内環境温度を制御することも好ましい。
図2〜図3は、造形装置を正面から見たときの図である。
図2は、待機時のヘッドモジュール1と造形ステージ14の関係で、ヘッドモジュールの直下にパージエリア101がある。造形ステージ14は、レール102の上をすべりながらX方向に動く。パージエリア101はヘッドからパージした捨てインクを回収するユニットで、回収したインクは図示していない廃液タンクに回収される。
図3は、印刷開始時のヘッドモジュール1と造形ステージ14の関係で、ヘッドが印刷開始ギャップまで降下し造形ステージ14も右に動き印刷開始ポジションにくる。
図4は、メンテナンスシーケンスでインクをパージするときのヘッドモジュール1と造形ステージ14の関係で、ヘッドがパージエリア101まで降下する。
本発明においては、往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成工程と、復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成工程と、前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化工程と、を含み、同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接しているので、優れた表面性を有する立体造形物が得られると共に、高い生産性を実現できる。
同一造形層内において、復路での造形材料の吐出位置を、往路での造形材料の吐出位置と隣接させる方法としては、例えば、復路走査時には往路走査時に造形材を吐出したノズルに隣接したノズルから造形材を吐出する方法などが挙げられる。
本発明の一態様においては、往路で吐出した造形材料上に少なくとも一部が重なるように、復路の造形材料を吐出する。
本発明の一態様においては、往路で吐出した造形材料の少なくとも2辺が接するように、復路の造形材料を吐出する。
本発明の一態様においては、高さ(Z)方向の面上で造形層の形成を行い、高さ(Z)方向の面が異なると往路と復路の座標が入れ替わる。かかる方式により、主走査方向に平行な側面の段差(Y段差)が生じなくなるため、立体造形物の表面性が改善される。
本発明の立体造形物の製造方法は、図5(A)〜(G)に示され、往路造形層形成工程と、復路造形層形成工程と、を含む。
往路造形層形成工程では、往路においてノズルなどの吐出手段から粘度が高い液体状の造形材料を吐出すると(図5(A)参照)、吐出された造形材料は、表面張力によって中央部にたわみを有し、端部が丸みを帯びた形状となる(図5(B)参照)。その後、吐出した往路の造形材料をUV照射ユニットなどの硬化手段で硬化させて、往路の造形層を形成する(図5(C)参照)。
復路造形層形成工程では、復路において、硬化した往路の造形層上に重なるように粘度が高い液体状の造形材料を往路よりも多くの量でノズルなどの吐出手段から吐出し(図5(D)及び(E)参照)、吐出した復路の造形材料の表面に平坦化部材を当接させて復路の造形材料を平坦化させる(図5(F)参照)。その後、平坦化した復路の造形材料をUV照射ユニットなどの硬化手段で硬化させて、復路の造形層を形成する(図5(G)参照)。
本発明の立体造形物の製造方法は、図5(E)の後の段階で、図6、及び図7に示すように、復路の造形材料が硬化する前に、復路の造形材料の表面にローラなどの平坦化部材を当接させて、余分な復路の造形材料を削り取る。その結果、復路の造形材料の表面を平坦化でき(図5(F)参照)、更に、図5(F)においてXで示すように、復路の造形材料の端部をシャープにすることができる。
また、図5(G)に示すように、復路の造形材料の表面を平坦化した後に、硬化させて復路の造形層を形成する。このため、本発明の立体造形物の製造方法は、中央部にたわみを有さず、表面が平坦である層状造形物を形成することができ、層状造形物の積層を繰り返すことにより、端部がシャープであり、平坦性に優れた高精細な立体造形物を製造することができる。
本発明においては、復路における造形材料の総吐出量が、往路における造形材料の総吐出量よりも多いことが好ましい。
<<造形材料>>
往路造形層を形成する往路の造形材料としては、特に制限はなく、立体造形物を造形する本体を構成する上で求められる性能に基づいて、適宜選択することができる。
造形材料としては、例えば、モデル材、サポート材などが挙げられる。
本発明のモデル材は、光や熱等のエネルギーを付与することにより硬化する液体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単官能モノマー、多官能モノマー等の重合性モノマー、オリゴマーを含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。好ましくは造形材料ジェット用プリンター等に用いられる造形材料吐出ヘッドで吐出できる粘度や表面張力等の液物性を有する。
−重合性モノマー−
重合性モノマーとしては、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−単官能モノマー−−
単官能モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、アクリル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能モノマーとしては、重合させることにより、有機ポリマーを得ることができる。
単官能モノマーの含有量としては、造形材料全量に対して、0.5質量%以上90質量%以下が好ましい。
上記以外の単官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
−−多官能モノマー−−
多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能モノマー、三官能以上のモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
二官能モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
三官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−オリゴマー−
オリゴマーとしては、上記モノマーの低重合体や末端に反応性不飽和結合基を有するものを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
−−界面活性剤−−
界面活性剤としては、例えば、分子量200以上かつ5,000以下、具体的には、PEG型非イオン界面活性剤[ノニルフェノールのエチレンオキサイド(以下、「EO」と略記)1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等]、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、造形材料全量に対して、3質量%以下が好ましく、含有効果及び光硬化物の物性の観点から、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−重合禁止剤−−
重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、造形材料全量に対して、5質量%以下が好ましく、モノマーの安定性及び重合速度の観点から、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−重合開始剤−−
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点から、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光(特に波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(以上、DuPont Chemical社製)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(以上、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(商品名:Perkadox 16S、Akzo Nobel社製)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(商品名:Lupersol 11、Elf Atochem社製)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名:Trigonox 21−C50、Akzo Nobel社製)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組合せ、有機過酸化物と第3級アミンとに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンとに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属とに基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートとに基づく系)などが挙げられる。
重合開始剤の含有量としては、造形材料全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、造形材料中に溶解又は安定に分散し、更に熱安定性に優れた染料及び顔料が適している。これらの中でも、溶解性染料(Solvent Dye)が好ましい。また色の調整等で2種類以上の着色剤を適時混合することが可能である。
本発明のサポート材は、水素結合能を有するモノマー(A)と、水素結合能を有する溶媒(B)と、重合開始剤(C)と、を含み、前記水素結合能を有する溶媒(B)が、炭素数3以上6以下のジオール、カルボン酸化合物、アミン化合物、エステル化合物、ケトン化合物、及びウレア化合物から選択される少なくとも1種であり、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記サポート材は、従来の技術では、サポート材の溶解性を高めると、除去は容易になる一方でサポート性能が不足し、また、造形装置を大型化して造形体積を大きくする場合、形状支持能力が不足するという問題があるという知見に基づくものである。前記サポート材は、水崩壊性を有することが好ましい。なお、前記水崩壊性とは、水に浸漬したときに、硬化物が細かく分解され、当初有していた形状や性質を維持できなくなることを意味する。前記サポート材としては、下記条件を満たすことが好ましい。
<条件>
紫外線照射装置により紫外線を500mJ/cm照射して得た、縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物が、20mLの水に入れ、25℃にて1時間静置すると、少なくとも一方向が1mm以下の大きさの固体であるか、完全に溶解している。
なお、前記縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物としては、以下のようにして作製することができる。
縦20mm×横20mm×高さ5mmのシリコーンゴム型にサポート材を流し込み、紫外線照射装置(装置名:SubZero−LED、インテグレーション・テクノロジー株式会社製)により、紫外線を照射量500mJ/cm(照度:100mW/cm、照射時間:5秒間)にて照射して縦20mm×横20mm×高さ5mmの硬化物であるサポート材(2g)を得ることができる。また、前記サポート材としては、下記条件を満たすことが好ましい。
<条件>
紫外線照射装置により紫外線を500mJ/cm照射して得た硬化物が、25℃環境下にて1%圧縮時の圧縮応力が、2.0kPa以上の固体であり、前記固体2gを20mLの水に入れ、25℃にて1時間静置したときの残存固体の体積が50体積%以下である。
なお、残存固体の体積は、アルキメデス法により測定することができる。
紫外線照射装置により紫外線を500mJ/cm照射して得た硬化物が、前記各条件を満たすことにより、サポート材の機能を向上することができる。
また、紫外線照射装置により紫外線を500mJ/cm照射して得た硬化物の、25℃環境下における1%圧縮時の圧縮応力としては、0.5kPa以上であることが好ましい。前記1%圧縮時の圧縮応力が、0.5kPa以上であると、サポート材の機能を向上することができる。なお、前記1%圧縮時の圧縮応力としては、形状を支持するモデル材の大きさ等にも影響され、前記モデル材の大きさが大きい場合は、形状支持の点から、2.0kPa以上が好ましい。また、前記1%圧縮時の圧縮応力は、万能試験機(装置名:AG−I、株式会社島津製作所製、ロードセル1kN、1kN用圧縮ジグ)を用いて測定することができる。
前記紫外線照射装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、装置名:AG−I(株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。
前記照射量500mJ/cmにおいては、照度が100mW/cm、照射時間が5秒間であることが好ましい。
<水素結合能を有するモノマー(A)>
前記水素結合能を有するモノマー(A)は、水素結合能を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化物の水崩壊性を向上する点から、単官能モノマーが好ましい。前記水素結合能を有するモノマー(A)としては、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基、スルホ基等を有するモノマーなどが挙げられる。
前記水素結合能を有するモノマー(A)の重合反応としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、配位重合、開環重合などが挙げられる。これらの中でも、重合反応の制御の点から、ラジカル重合が好ましい。そのため、前記水素結合能を有するモノマー(A)としては、エチレン性不飽和モノマーが好ましく、水溶性単官能エチレン性不飽和モノマー、水溶性多官能エチレン性不飽和モノマーがより好ましく、硬化物の水崩壊性を向上する点から、水溶性単官能エチレン性不飽和モノマーが特に好ましい。
<<水素結合能を有する水溶性単官能エチレン性不飽和モノマー>>
前記水素結合能を有する水溶性単官能エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、単官能ビニルアミド基含有モノマー[N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン等];単官能水酸基含有(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等];水酸基含有(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、モノアルコキシ(C1〜4)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、PEG−PPGブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等];(メタ)アクリルアミド誘導体[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等]、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光反応性の点から、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド誘導体が好ましく、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドがより好ましく、人体への皮膚低刺激性の点から、アクリロイルモルホリン(分子量:141.17)、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(分子量:115.15)が特に好ましい。
<<水素結合能を有する水溶性多官能エチレン性不飽和モノマー>>
前記水素結合能を有する水溶性多官能エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、二官能基のモノマーとして、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート;三官能以上のモノマーとして、トリアリルイソシアネート、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水素結合能を有するモノマー(A)の分子量としては、70以上2,000以下が好ましく、100以上500以下がより好ましい。前記分子量が、70以上2,000以下であると、インクジェット方式に最適な粘度に調整することができる。
前記水素結合能を有するモノマー(A)の含有量としては、形サポート材の全量に対して、30質量%以上60質量%以下が好ましい。前記含有量が、30質量%以上60質量%以下であると、サポート材として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
<水素結合能を有する溶媒(B)>
前記水素結合能を有する溶媒(B)は、水素結合能を有するモノマー(A)と水素結合能を有し、水素結合能を有するモノマー(A)と水素結合を形成することにより、サポート材の機能を発揮することができる。前記水素結合能を有する溶媒(B)は、炭素数3以上6以下のジオール、カルボン酸化合物、アミン化合物、エステル化合物、ケトン化合物、及びウレア化合物から選択される少なくとも1種である。これらの中でも、炭素数3以上6以下のジオールが好ましい。
<<炭素数3以上6以下のジオール>>
前記炭素数3以上6以下のジオールとしては、水溶性アクリルモノマーと反応性がないこと、光硬化時のラジカル重合反応を阻害しないこと、常温にて流動性があり、水に可溶な材料であることが好ましい。また、前記炭素数3以上6以下のジオールとしては、単官能性、多官能性のいずれも使用することができる。前記炭素数3以上6以下のジオールとしては、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。前記炭素数としては、3以上6以下であり、3以上5以下が好ましい。前記炭素数が、3以上であると、1%圧縮時の圧縮応力を向上でき、6以下であると、サポート材の粘度を低くすることができる。なお、前記炭素数3以上6以下のジオールの炭素鎖としては、直鎖でもよく、枝分かれしていてもよい。
<<カルボン酸化合物>>
前記カルボン酸化合物としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキシル酸等の直鎖脂肪族酸;イソブチル酸、t−ブチル酸、イソペンチル酸、イソオクチル酸、2−エチルヘキシル酸等の各種分岐型脂肪族カルボン酸;安息香酸、ベンゼンスルホン酸等の芳香族系カルボン酸;グリコール酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水への溶解性の点から、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、乳酸が好ましく、ブタン酸、乳酸がより好ましい。
<<アミン化合物>>
前記アミン化合物としては、例えば、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン等の1〜3級アミン;エチレンジアミン等の2価アミン;トリエチレンジアミン等の3価アミン;ピリジン、アニリン等の脂肪族系アミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水素結合による架橋強度、及び水への溶解性の点から、2価又は3価の1級アミンが好ましく、エチレンジアミンがより好ましい。
<<エステル化合物>>
前記エステル化合物としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等の単官能エステル;コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等の多官能脂肪族エステル;テレフテル酸ジメチル等の多官能芳香族エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水への溶解度、造形中の蒸発や臭気、及び安全性の点から、アジピン酸ジメチルが好ましい。
<<ケトン化合物>>
前記ケトン化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等の単官能ケトン、アセチルアセトン、2,4,6−ヘプタトリオン等の多官能ケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、揮発性や水への溶解度の点から、アセチルアセトンが好ましい。
前記水素結合能を有する溶媒(B)の含有量としては、サポート材の全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。前記含有量が、10質量%以上50質量%以下であると、サポート材として十分な圧縮応力と、水崩壊性とを両立することができる。
[質量比(A/B)]
前記(A)の含有量(質量%)と、前記(B)の含有量(質量%)との質量比(A/B)が、0.3以上2.5以下が好ましく、0.5以上2.5以下がより好ましい。前記質量比(A/B)が、0.3以上2.5以下であると、1%圧縮時の圧縮応力を向上できる。
<重合開始剤(C)>
前記重合開始剤(C)としては、光(特に、波長220nm〜400nmの紫外線)の照射によりラジカルを生成する任意の物質を用いることができる。前記重合開始剤(C)としては、例えば、アセトフェノン、2、2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、紫外線照射装置の紫外線波長に合わせた重合開始剤を選択することが好ましい。前記重合開始剤(C)の含有量としては、サポート材の全量に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
−粘度−
前記サポート材の粘度としては、25℃にて100mPa・s以下であり、25℃にて、3mPa・s以上70mPa・s以下が好ましく、6mPa・s以上50mPa・s以下がより好ましい。前記粘度が、100mPa・s以下であると、吐出安定性を向上できる。なお、前記粘度は、例えば、回転粘度計(VISCOMATE VM−150III、東機産業株式会社製)を用いて25℃の環境下にて測定することができる。
−粘度変化率−
前記サポート材としては、50℃にて2週間放置した前後の粘度変化率が±20%以下であることが好ましく、±10%以下がより好ましい。前記粘度変化率が、±20%以下であると、保存安定性が適正であり、吐出安定性が良好となる。前記50℃にて2週間放置した前後の粘度変化率としては、以下のようにして測定することができる。前記サポート材をポリプロピレン製広口瓶(50mL)に入れて、50℃の恒温槽中に2週間放置した後、恒温槽から取り出して室温(25℃)になるまで放置して、粘度測定を行う。恒温槽に入れる前のサポート材の粘度を保存前粘度、恒温槽から取り出した後の座ポート材の粘度を保存後粘度とし、下記式により粘度変化率を算出することができる。なお、前記保存前粘度及び前記保存後粘度は、例えば、R型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
粘度変化率(%)=[(保存後粘度)−(保存前粘度)]/(保存前粘度)×100
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、重合禁止剤、サポート材に分散可能な鉱物、前記(A)成分とは別に重合性モノマー、熱重合開始剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
−溶媒−
前記溶媒としては、例えば、アルコール、エーテル化合物、トリオール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記溶媒のSP値としては、水崩壊性の点から、18MPa1/2以上が好ましく、23MPa1/2以上がより好ましい。前記溶媒の含有量としては、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
−−重合禁止剤−−
前記重合禁止剤としては、例えば、フェノール化合物[ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等]、硫黄化合物[ジラウリルチオジプロピオネート等]、リン化合物[トリフェニルフォスファイト等]、アミン化合物[フェノチアジン等]などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記重合禁止剤の含有量としては、サポート材の全量に対して、圧縮応力の点から、通常30質量%以下が好ましく、20質量%以下が好ましい。
−−サポート材に分散可能な鉱物−−
前記サポート材に分散可能な鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層状粘土鉱物などが挙げられる。前記層状粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、スチーブンサイト等のスメクタイト;バーミキュライト;ベントナイト;カネマイト、ケニアナイト、マカナイト等の層状ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記層状粘土鉱物としては、天然の鉱物として産するものであってもよいし、化学合成法によって製造されたものであってもよい。
前記層状粘土鉱物としては、表面を有機処理してもよい。前記層状粘土鉱物等の層状無機物は、有機カチオン性化合物により処理されて、層間の陽イオンが4級塩等のカチオン性基とイオン交換され得る。前記層状粘土鉱物の陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン等の金属カチオンなどが挙げられる。有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物は、上記ポリマーや上記重合性モノマーに膨潤、分散しやすくなる。前記有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物としては、例えば、ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル株式会社製)などが挙げられる。前記ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル株式会社製)としては、例えば、ルーセンタイトSPN、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSTNなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−重合性モノマー−−
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前記(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレートなどを挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−熱重合開始剤−−
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。ただし、保存安定性の点から熱重合開始剤より光重合開始剤が好ましい。前記アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(いずれもDuPont Chemical社から入手可能)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(和光純薬工業株式会社より入手可能)などが挙げられる。
前記過酸化物開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(Perkadox 16S)(Akzo Nobel社から入手可能)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート(Lupersol 11)(Elf Atochem社から入手可能)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(Trigonox 21−C50)(Akzo Nobel社から入手可能)、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
前記過硫酸塩開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。前記レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、前記過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ、前記有機過酸化物と第3級アミンに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系)などが挙げられる。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、例えば、顔料、染料などが挙げられる、前記顔料としては、例えば、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、アジン顔料、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料などが挙げられる。前記無機顔料としては、例えば、金属酸化物(酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等)、カーボンブラックなどが挙げられる。
−−酸化防止剤−−
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等]、多環フェノール[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)、アミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)などが挙げられる。
−−連鎖移動剤−−
前記連鎖移動剤としては、例えば、炭化水素[炭素数6以上24以下の化合物、例えば、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、不飽和脂肪族炭化水素(1−ブテン、1−ノネン等)];ハロゲン化炭化水素(炭素数1以上24以下の化合物、例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素等);アルコール(炭素数1以上24以下の化合物、例えば、メタノール、1−ブタノール等);チオール(炭素数1以上24以下の化合物、例えば、エチルチオール、1−オクチルチオール等);ケトン(炭素数3以上24以下の化合物、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等);アルデヒド(炭素数2以上18以下の化合物、例えば、2−メチル−2−プロピルアルデヒド、1−ペンチルアルデヒド);フェノール(炭素数6以上36以下の化合物、例えば、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等);キノン(炭素数6以上24以下の化合物、例えば、ヒドロキノン等);アミン(炭素数3以上24以下の化合物、例えば、ジエチルメチルアミン、ジフェニルアミン);ジスルフィド(炭素数2以上24以下の化合物、例えば、ジエチルジスルフィド、ジ−1−オクチルジスルフィド等)などが挙げられる。
[サポート材の硬化物の支持力]
サポート材の支持力としては、サポート材がモデル材を支える性能であり、1%圧縮時の圧縮応力で表すことができる。前記サポート材の支持力としては、光造形品の造形精度、サポート材の溶解性の点から、25℃環境下で1%圧縮時の圧縮応力が0.5kPa以上が好ましく、2kPa以上がより好ましい。前記サポート材の支持力としては、サポート材を構成する(A)、(B)の成分について、それらの種類および含有量を選択することにより、上記範囲に調整することができる。なお、1%圧縮時の圧縮応力は、万能試験機(株式会社島津製作所製、AG−I)を用いて測定することができる。本発明におけるサポート材の支持力としては、前記(A)成分が重合したポリマーに対して、前記(B)成分が水素結合することにより高い支持力を担保していると考えられる。
[サポート材の除去性]
前述の通り、本発明におけるサポート材の支持力は、水素結合に由来する。前記サポート材の支持力は、水に浸漬させることにより弱まり、崩壊して除去することが可能になる。また、前記(B)が低分子量であると、拡散が早く、短い時間にて除去することが可能となる。
−−溶解液−−
前記溶解液は、例えば、水素結合能を有するものが挙げられる。前記溶解液としては、例えば、水、アルコールであるブタノールやヘキサノール、アミンであるヘキシルアミンやペンチルアミン、芳香族化合物であるベンゼンやトルエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安全性の点から、水、アルコールが好ましい。また、前記溶解液に添加物を加えてもよい。前記添加物としては、例えば、界面活性剤などが挙げられる。前記界面活性剤の種類や量を調整することにより直鎖アルキル鎖に対する親和性を上げることができる。前記溶解液は、サポート材を軟化させ、内部に浸透しやすくする点から、40℃以上が好ましいが、立体造形物の反りを予防する点から、40℃より低い温度を選択することもできる。
<<造形材料硬化部材>>
造形材料硬化部材は、吐出した往路の造形材料を硬化させて往路の造形層を形成する部材である。
造形材料硬化部材としては、吐出した往路の造形材料を硬化させて往路の造形層を形成するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線照射装置などが挙げられる。
−紫外線照射装置−
紫外線(UV)照射装置としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドなどが挙げられる。
高圧水銀灯は点光源であるが、光学系と組み合わせて光利用効率を高くしたDeepUVタイプは、短波長領域の照射が可能である。
メタルハライドは、波長領域が広いため着色物に有効であり、Pb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられ、重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に用いられるランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FusionSystem社製のHランプ、Dランプ、又はVランプ等のような市販されているものも使用することができる。
立体造形物の製造装置としては、ヒーターレスであることが好ましく、常温にて造形可能であることが好ましい。
<復路造形層形成手段、及び復路造形層形成工程>
復路造形層形成手段は、造形材料を吐出し、造形層を形成する手段である。なお、復路造形層形成手段は、吐出した前記復路の造形材料の表面に平坦化部材を当接させて復路の造形材料を平坦化した後、復路の造形材料を硬化させて復路の造形層を形成してもよい。
復路造形層形成工程は、造形材料を吐出し、造形層を形成する工程である。なお、復路造形層形成工程は、吐出した前記復路の造形材料の表面に平坦化部材を当接させて復路の造形材料を平坦化した後、復路の造形材料を硬化させて復路の造形層を形成してもよい。
造形材料の吐出は、造形材料吐出部材を用いて行われることが好ましい。
造形材料の硬化は、造形材料硬化部材を用いて行われることが好ましい。
<<造形材料吐出部材>>
造形材料吐出部材は、復路において造形材料を吐出する部材である。
造形材料吐出部材としては、復路において造形材料を吐出するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、往路における造形材料吐出部材と同様のものを用いることができる。
復路における造形材料吐出部材は、往路における造形材料吐出部材と同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
復路における造形材料吐出部材は、例えば、往路における造形材料吐出部材を双方向に移動可能な構成にすることにより、往路における造形材料吐出部材と同一のものを用いることができる。また、例えば、造形材料吐出部材の位置を固定し、立体造形物を載せるステージを双方向に移動可能な構成にすることにより、復路における造形材料吐出部材と、往路における造形材料吐出部材とを、同一のものすることができる。
復路の造形材料は、復路において硬化した往路の造形層上に重なるように吐出されることが好ましいが、復路の造形材料が往路の造形層上に重ならない領域を含んでいてもよく、復路の造形材料と往路の造形層との重なりに、ずれが生じていてもよい。
例えば、図5(C)において、硬化した往路の造形層を形成した後、図5(D)において、往路の造形材料の位置からY方向(副走査方向)に80μm程度ずらした後、復路の造形材料を重ねることなどが挙げられる。
復路における造形材料の総吐出量は、往路における造形材料の総吐出量よりも多い。
復路における造形材料の総吐出量としては、往路における造形材料の総吐出量の1.2倍以上3倍以下が好ましい。
復路における造形材料の総吐出量が、往路における造形材料の総吐出量よりも多くなるように調整する方法としては、例えば、復路の造形材料の液滴を往路の造形材料の液滴よりも大きくする方法が挙げられる。
復路の造形材料の液滴を往路の造形材料の液滴よりも大きくする方法としては、例えば、復路の造形材料の液滴のパルス電圧を往路の造形材料の液滴のパルス電圧以上にして、復路の造形材料の液滴を大きくする方法、着弾前の復路の造形材料の液滴のパルス数を着弾前の往路の造形材料の液滴のパルス数以上にして、吐出した複数の造形材料の液滴を飛翔中に合体させて復路の造形材料の液滴を大きくする方法などが挙げられる。
復路の造形材料の液滴のパルス電圧を往路の造形材料の液滴のパルス電圧以上にして、復路の造形材料の液滴を大きくする方法について、図6を参照して説明する。
なお、ここでは、圧電素子を圧力発生手段に使用する液体吐出ヘッドの例で説明する。
往路の駆動パルスP1をヘッド11の圧電素子に与えることにより(図6(a)参照)、ノズルから往路の造形材料の液滴D1が吐出される(図6(b)参照)。その後、復路の駆動パルスP2をヘッド11の圧電素子に与えることにより(図6(a)参照)、ノズルから復路の造形材料の液滴D2が吐出される(図6(b)参照)。
また、図6(a)に示すように、往路の駆動パルスP1は、中間電位Veから所定の立下り電位まで立下がる波形要素a、立下り電位を保持する波形要素b、及び立下り電位から中間電位Veまで立ち上げる波形要素cで構成される。波形要素a〜cを与えることにより、ノズルから液滴が吐出される。
復路の駆動パルスP2についても、往路の駆動パルスP1と同様である。
ここで、図7に示すように、パルス電圧が高くなるほど、造形材料の液滴の容積(単位:pL)も大きくなる傾向がある。
また、図8は、図7において縦軸を膜厚にした場合のパルス電圧との関係を示し、パルス電圧が高いほど膜厚が高くなる傾向がある。なお、波形は復路に相当する。
また、図9は、復路の吐出量と膜厚との関係を示し、膜厚は復路の吐出量に比例する。図9の結果から、往路の狙いの吐出量は25pL、膜厚は14μm程度になる。
したがって、図6(a)に示すように、復路の駆動パルスP2の立下り電位を往路の駆動パルスP1の立下り電位以上にする、即ち、復路の造形材料の液滴のパルス電圧を往路の造形材料の液滴のパルス電圧以上にすることにより、復路の駆動パルスP2による液滴D2は、往路の駆動パルスP1による液滴D1よりも容積が大きい液滴を形成することができる(図6(b)参照)。
着弾前の復路の造形材料の液滴のパルス数を着弾前の往路の造形材料の液滴のパルス数以上にして、吐出した複数の造形材料の液滴を飛翔中に合体させて復路の造形材料の液滴を大きくする方法について、図10を参照して説明する。
なお、ここでは、圧電素子を圧力発生手段に使用する液体吐出ヘッドの例で説明する。
図10は、往路の造形材料が1滴で形成され、復路の造形材料は2滴を合体した液滴で形成されるときの説明に供する説明図である。
往路の駆動パルスP1をヘッド11の圧電素子に与えることにより(図10(a)参照)、ノズルから往路の造形材料の液滴D1が吐出される(図10(b)参照)。その後、復路の駆動パルスP2をヘッド11の圧電素子に与えることにより(図10(a)参照)、ノズルから復路の造形材料の2つの液滴D2、及びD3が順次吐出される(図10(b)参照)。
ここで、図10(a)に示すように、復路の駆動パルスP3の立下り電位を復路の駆動パルスP2の立下り電位をよりも大きくする、即ち、復路の造形材料の液滴D3のパルス電圧を復路の造形材料の液滴D2のパルス電圧よりも大きくすることにより、立ち上げ時定数が同じ場合、復路の駆動パルスP3による液滴D3の速度Vj3が、復路の駆動パルスP2による液滴D2の速度Vj2よりも速くなる(図10(b)参照)。
したがって、飛翔中に液滴D3が液滴D2に追いついて合体し、復路の造形材料D2+D3として、往路の造形材料の液滴D1よりも容積が大きい、1つの液滴を形成することができる(図10(b)参照)。
本発明においては、往路において造形材料を吐出するノズルと、復路において造形材料を吐出するノズルが同じである(共通の1つのノズルを用いる)ことが、往路と復路の着弾位置を正確にする点から好ましい。
高精細な造形や正確な寸法の造形を行う観点からインク滴の着弾位置を正確にコントロールすることが重要である。しかし、X−Y座標の位置精度を正確に制御したとしてもノズル位置は幾何学的な公差の範囲でバラツキがあり、このバラツキはX−Y座標の位置精度を正確にしてもキャンセルできない。しかし、同じノズルを使えば、ノズル位置は同じであるため幾何学的な公差が事実上なくなるため、着弾位置を正確にするため好ましい構成となるのである。
ここでは、立体造形物を積層するときの第1の造形材料(例えば、モデル材)、第2の造形材料(例えば、サポート材)を吐出し、硬化する順序について説明する。
本発明において、往路と復路では吐出量が異なるため、第1の造形材料と第2の造形材料とを交互、即ち、往路で第1の造形材料、復路で第2の造形材料を吐出した場合、2つの硬化物の高さが一致せず、目的とする立体造形物が得られない。したがって、1つ目の往路で第1の造形材料、1つ目の復路で第1の造形材料を吐出し、2つ目の往路で第2の造形材料、2つ目の復路で第2の造形材料を吐出することにより、同じ高さの造形層を形成できる。
第1の造形材料を硬化させた後に、第2の造形材料を硬化させる方法としては、それぞれの造形材料を硬化させる造形層を分けることもできる。
つまり、n層目において第1の造形材料をm回往復し、吐出し、硬化させた後、n+m層目の第1の造形材料を吐出し、硬化させると同時に、n層目に第2の造形材料を吐出し、硬化させることで、サポート部を除去後のモデル部表面が滑らかな立体造形物を得ることができる。ただし、nは自然数、mは正負の整数を意味する。mは2が好ましい。m=1の場合は表面粗さRzが高い、m≧3の場合は表面粗さRzに変化がなく、生産性の低下から好ましくない。
<<平坦化部材>>
平坦化部材は、吐出した復路の造形材料の表面に当接させることにより、復路の造形材料を平坦化する部材である。
平坦化部材としては、吐出した復路の造形材料の表面に当接させることにより、復路の造形材料を平坦化するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ローラ、ブレードなどが挙げられる。
立体造形物の製造装置では、復路における造形材料の総吐出量は、往路における造形材料の総吐出量よりも多い。したがって、復路の造形材料の厚みは、往路の造形層の厚みよりも厚く形成される。
図11に示すように、立体造形物の製造装置において、往路の造形層の厚みよりも厚い復路の造形材料の端部に、平坦化部材として、回転するローラを横方向から当接させる。これにより、丸みを帯びた形状の端部を含む、余分な復路の造形材料を削り取り、復路の造形材料の表面を平坦化し、復路の造形材料の端部をシャープにすることができる。
復路の造形材料の端部の壁面と、立体造形物を支持する支持体とのなす角度(図11のθ)としては、80度以上100度以下が好ましく、90度(垂直)に近い角度がより好ましい。角度が、80度以上100度以下であると、復路の造形材料に平坦化部材が横方向から当接した際に、余分な復路の造形材料の端部を削り取り、復路の造形材料の表面を平坦化することができる。
本発明の立体造形物の製造装置は、復路の造形材料の厚みが往路の造形層の厚みよりも厚く形成されることにより、ローラ削りシロ(ローラと硬化した往路の造形層との間隔)を多く確保することができる。
往路の造形層上に復路の造形材料を吐出した後の層状造形物の最小厚み(即ち、復路の造形材料の中央部のたわみまでの高さ)に対する、ローラ削りシロの割合としては、10%以上が好ましい。層状造形物の最小厚みに対するローラ削りシロの割合が、10%以上であると、ローラと硬化した往路の造形層との衝突を防ぐことができ、更に、復路の造形材料の表面が波打ったり、ローラが破損したりしてしまうことを防止することができる。
ローラ削りシロの厚みとしては、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。
図12に示すように、削り取られた復路の造形材料は、ローラの回転に伴い、ローラ上を搬送され、回収部材により回収される。
回収部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードなどが挙げられる。
平坦化部材としてのローラの形状としては、復路の造形材料を削り取ることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円状、真円などが挙げられる。
平坦化部材は、振動や触れ幅を有することがあり、図13〜図16に示すように、重力方向におけるずれが生じることがある。
往路と復路とにおける、平坦化部材の重力方向のずれとしては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
次に、空吐出造形物の印刷シーケンスを説明する。
図17は印刷し造形を行う順を模式的に示したものであり、図18は、図17に対応する造形シーケンスの一例である。
図17はX−Z面を模式的に示しており、インクジェットヘッド11は左から右(往路)と、右から左(復路)にスキャンしインクを吐出する。その時の動作を示したものが図18となる。
さらに、図17中左図はモデル材を表す。図17中右図はサポート材を表す。
図17中の凸がある線は、吐出と硬化を行う面である。
図17中の平滑面は、ローラが当接する面である。
<第1実施形態>
図19A〜図19Cは、往路と復路のスキャンの方法である。図19Bが往路であり、図19Cが復路となる。
図19Cに示すように往路スキャンは復路スキャンに挟まれる形となる。
図19Bと図25Bを比べると、図中の往路の一番上側のスキャンの有無が異なる。図25Bでは一番上のスキャンがない。このため、図25Cの復路スキャンを行うと復路のスキャンに往路のスキャンが挟まれる形となる。スキャンが1本減るので寸法が厳密には小さくなるが、その他の誤差を含めると実用上の問題はないレベルとなる。
図20は、図17でのときに往路と復路のヘッドに印加する波形である。往路は25pl、復路は70plで吐出を行い、往路と復路の膜厚を異なるものとしている。ちなみに、図24の段差が出た場合のスキャンは図25Aから図25Cとなる。
<第2実施形態>
図21A及び図21Bは別のスキャンの方法を示す図である。
図21A及び図21Bでは、奇数層と偶数層で往路と復路のY座量を入れ替え、Z方向で往路と復路の重なりが交互に来るようにしている。
このようにすることで、スキャン位置での厚みが均一化されるため段差が発生しなくなるのである。
<第3実施形態>
図22Aから図22Cは別のスキャンの方法を示す図である。
図22Aから図22Cでは、3レイヤー毎を1サイクルとして、側面の往路が2回で復路が1回となるようにする。往路はMjが小さいため側面の滑らかさが得られる。
<第4実施形態>
図23Aから図23Cは別のスキャンの方法を示す図である。
図23Aから図23Cでは、3レイヤー毎を1サイクルとして、側面の往路が1回で復路が2回となるようにする。往路を2回にし、Mjを大きくしローラによる平滑化時のインク除去を多くすることで1層ごとのエッジをシャープにし、積層時の側面を平滑にする。
(立体造形プログラム)
本発明の立体造形プログラムは、往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成し、復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成し、前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接し、同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置を、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接させる処理をコンピュータに実行させる。
同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置を、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接させる処理としては、復路走査時には往路走査時に造形材を吐出したノズルに隣接したノズルから造形材を吐出する処理などが挙げられる。
本発明の立体造形プログラムによる処理は、立体造形物の製造装置を構成する制御部を有するコンピュータを用いて実行することができる。
制御部の概要について、図26を参照して説明する。図26は制御部のブロック説明図である。
制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラムを含む立体造形プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他の装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
更に、制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)を造形層ごとにスライスしたスライスデータである造形データ(断面データ)を作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備える。
また、制御部500は、造形ユニット20の第1ヘッド11を駆動制御するヘッド駆動制御部508と、第2ヘッド12を駆動制御するヘッド駆動制御部509を備えている。
更に、制御部500は、造形ユニット20をX方向に移動させるユニットX方向移動機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット20をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備える。
制御部500は、ステージ14を昇降手段15とともにX方向に移動させるステージX方向走査機構553を構成するモータを駆動するモータ駆動部513と、ステージ14をZ方向に昇降させる昇降手段15を構成するモータを駆動するモータ駆動部514を備える。なお、Z方向への昇降は、前述したように造形ユニット20を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、平坦化ローラ16を回転駆動するモータ26を駆動するモータ駆動部516、第1ヘッド11、第2ヘッド12のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備える。
制御部500は、UV照射ユニット13による紫外線照射を制御する硬化制御部519を備える。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御部500は、上述したように、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の内の造形物17を形成するデータ(造形領域のデータ)である。
主制御部500Aは、造形データ(造形領域データ)にサポート材を付与するサポート領域のデータを付加したデータを作成し、ヘッド駆動制御部508、509に与える。ヘッド駆動制御部508、509は、それぞれ、第1ヘッド11から造形材料301の液滴を造形領域に吐出させ、第2ヘッド12から液状のサポート材302の液滴をサポート領域に吐出させる。
なお、造形データ作成装置600と立体造形装置10によって造形装置が構成される。
次に、本発明の立体造形プログラムの処理手順を示す。図27は、立体造形物の製造装置100の制御部130における立体造形プログラムの処理手順を示すフローチャートであり、このフローチャートを参照して、本発明の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS1では、往路において造形材料を吐出し、硬化すると、処理をS2に移行する。
ステップS2では、復路において、往路で吐出した造形材料上に少なくとも一部が重なるように、復路の造形材料を吐出し、平坦化し、硬化すると、処理をS3に移行する。
ステップS3では、上記ステップS1からステップS2を所定回数繰り返して、造形を完了すると、本処理を終了する。
図28は、本発明の立体造形物の製造方法の処理の流れの他の一例を示すフローチャートであり、このフローチャートを参照して、本発明の立体造形物の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS11では、往路において造形材料を吐出し、硬化すると、処理をS2に移行する。
ステップS12では、復路において、往路で吐出した造形材料の少なくとも2辺が接するように、復路の造形材料を吐出し、平坦化し、硬化すると、処理をS3に移行する。
ステップS13では、上記ステップS11からステップS12を所定回数繰り返して、造形を完了すると、本処理を終了する。
本発明の態様としては、例えば、以下の通りである。
<1> 往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成工程と、
復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成工程と、
前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化工程と、を含み、
同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接していることを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記往路で吐出した造形材料上に少なくとも一部が重なるように、前記復路の造形材料を吐出する前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記往路で吐出した造形材料の少なくとも2辺が接するように、前記復路の造形材料を吐出する前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 高さ(Z)方向の面上で造形層の形成を行い、高さ(Z)方向の面が異なると往路と復路の座標が入れ替わる前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記復路における前記造形材料の総吐出量が、前記往路における前記造形材料の総吐出量よりも多い前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6> 同一造形層内で第1の造形材料を吐出し、硬化させた後に、第2の造形材料を吐出し、硬化させて造形物を得る前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 第2の造形材料が、水溶性の造形材料である前記<6>に記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成手段と、
復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成手段と、
前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化手段と、を有し、
同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接していることを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<9> 前記往路で吐出した造形材料上に少なくとも一部が重なるように、前記復路の造形材料を吐出する前記<8>に記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 前記往路で吐出した造形材料の少なくとも2辺が接するように、前記復路の造形材料を吐出する前記<8>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<11> 高さ(Z)方向の面上で造形層の形成を行い、高さ(Z)方向の面が異なると往路と復路の座標が入れ替わる前記<8>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<12> 前記復路における前記造形材料の総吐出量が、前記往路における前記造形材料の総吐出量よりも多い前記<8>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<13> 同一造形層内で第1の造形材料を吐出し、硬化させた後に、第2の造形材料を吐出し、硬化させて造形物を得る前記<8>から<12>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<14> 第2の造形材料が、水溶性の造形材料である前記<13>に記載の立体造形物の製造装置である。
<15> 往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成し、
復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成し、
前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接し、
同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置を、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする立体造形プログラムである。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置、前記<8>から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、及び前記<15>に記載の立体造形プログラムは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2017−105141号公報

Claims (9)

  1. 往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成工程と、
    復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成工程と、
    前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化工程と、を含み、
    同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接していることを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 前記往路で吐出した造形材料上に少なくとも一部が重なるように、前記復路の造形材料を吐出する請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 前記往路で吐出した造形材料の少なくとも2辺が接するように、前記復路の造形材料を吐出する請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  4. 高さ(Z)方向の面上で造形層の形成を行い、高さ(Z)方向の面が異なると往路と復路の座標が入れ替わる請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  5. 前記復路における前記造形材料の総吐出量が、前記往路における前記造形材料の総吐出量よりも多い請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  6. 同一造形層内で第1の造形材料を吐出し、硬化させた後に、第2の造形材料を吐出し、硬化させて造形物を得る請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  7. 第2の造形材料が、水溶性の造形材料である、請求項6に記載の立体造形物の製造方法。
  8. 往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成する往路造形層形成手段と、
    復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成する復路造形層形成手段と、
    前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接させる平坦化手段と、を有し、
    同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置が、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接していることを特徴とする立体造形物の製造装置。
  9. 往路において造形材料を吐出し、往路の造形層を形成し、
    復路において造形材料を吐出し、復路の造形層を形成し、
    前記復路で形成した造形層の表面に平坦化部材を当接し、
    同一造形層内において、前記復路での造形材料の吐出位置を、前記往路での造形材料の吐出位置と隣接させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする立体造形プログラム。
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