JP2020147786A - 熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材 - Google Patents

熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材 Download PDF

Info

Publication number
JP2020147786A
JP2020147786A JP2019045966A JP2019045966A JP2020147786A JP 2020147786 A JP2020147786 A JP 2020147786A JP 2019045966 A JP2019045966 A JP 2019045966A JP 2019045966 A JP2019045966 A JP 2019045966A JP 2020147786 A JP2020147786 A JP 2020147786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
less
hot forged
hot
forged non
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019045966A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7270420B2 (ja
Inventor
優維 細野
Yui Hosono
優維 細野
正樹 島本
Masaki Shimamoto
正樹 島本
希生 鈴木
Kio Suzuki
希生 鈴木
亮廣 松ヶ迫
Akihiro Matsugaseko
亮廣 松ヶ迫
章弘 大脇
Akihiro Owaki
章弘 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2019045966A priority Critical patent/JP7270420B2/ja
Publication of JP2020147786A publication Critical patent/JP2020147786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7270420B2 publication Critical patent/JP7270420B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Forging (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

【課題】大型部品であっても、高強度を確保しながら優れた連続鋳造性を有する熱間鍛造非調質部品を提供する。【解決手段】所定の化学成分組成を有し、かつ下記式(1)及び式(2)を満たし、金属組織が初析フェライトとパーライトを含み、初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上であり、0.2%耐力が820MPa以上である熱間鍛造非調質部品である。0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)[V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。【選択図】図2

Description

本発明は、熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材に関する。
従来、自動車、産業機械などの機械構造用部品の多くは、素材棒鋼から部品形状に熱間鍛造した後、再加熱し、焼入れ焼戻しの調質処理を施すことによって、高強度および高靱性を付与してきた。近年では、製造コスト低減の観点から、焼入れ焼戻しの調質処理工程の省略が進められており、熱間鍛造のままで調質処理しなくても高強度および高靱性を付与できる熱間鍛造非調質鋼が採用されてきている。
このような熱間鍛造非調質鋼の多くは、中炭素鋼にいわゆる析出硬化型合金元素のV、Nb、Ti、Zr等を微量に添加した析出硬化型非調質鋼である。析出硬化型非調質鋼は、熱間鍛造後の冷却工程において析出硬化型合金元素を炭化物、窒化物あるいは炭窒化物などの形で析出させて、その析出硬化によって高強度及び高靱性を得ようとするものである。特に中炭素鋼にVを添加したV強化型非調質鋼は、比較的高い被削性を有し、加工コスト低減を図る上で有利なので、機械構造用部品に広く用いられている。V強化型非調質鋼は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
特開2005−171334号公報 特開2010−24503号公報 国際公開第2009/107282号
ところで、例えば車両のクランクシャフト、ロアアームなどの大型部品にV強化型非調質鋼を適用した場合、熱間鍛造後の冷却速度が、例えばエンジン用のコネクティングロッド(コンロッド)などの小型部品に適用した場合と比較して遅くなる場合がある。冷却速度が遅くなると、フェライト組織の面積率が増大し、最終的に得られる部品の強度が低下し得る。そのため、大型部品にV強化型非調質鋼を適用する場合、部品強度の低下を補償するため、合金添加量(特にV添加量)を増加させる必要がある。
しかしながら、合金添加量を増加させた場合、鋳造法として連続鋳造法を採用したときに表面割れ等が発生し、連続鋳造性が悪化する場合があった。また、合金添加量を増加させた場合、焼入れ性が増大し、大型部品における熱間鍛造後の冷却速度でもベイナイト等の過冷組織が発生し、却って部品強度が低下する場合があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型部品であっても、高強度を確保しながら優れた連続鋳造性を有する熱間鍛造非調質部品を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、
C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
Si:0質量%超、1.0質量%以下、
Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
S :0質量%超、0.20質量%以下、
Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
N :0質量%超、0.008質量%以下、
Al:0質量%超、0.1質量%以下、
P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たし、
金属組織が初析フェライトとパーライトを含み、初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上である、0.2%耐力が820MPa以上の熱間鍛造非調質部品である。

0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
[V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
本発明の態様2は、
C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
Si:0質量%超、1.0質量%以下、
Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
S :0質量%超、0.20質量%以下、
Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
N :0質量%超、0.008質量%以下、
Al:0質量%超、0.1質量%以下、
P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たす鋼材を、
熱間鍛造する工程と、
前記熱間鍛造後に切削加工を含む機械加工を行う工程と、
表面のみに高周波焼入れ処理を施す工程と、を含む、
中心部の金属組織が初析フェライトとパーライトを含み、初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上である熱間鍛造非調質部品の製造方法である。

0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
[V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
本発明の態様3は、
C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
Si:0質量%超、1.0質量%以下、
Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
S :0質量%超、0.20質量%以下、
Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
N :0質量%超、0.008質量%以下、
Al:0質量%超、0.1質量%以下、
P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たす鋼材を、
熱間鍛造する工程と、
前記熱間鍛造後に、少なくとも800℃〜500℃の領域を0.3℃/秒以上1.0℃/秒未満で冷却する工程と、を含む、熱間鍛造非調質部品の製造方法である。

0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
[V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
本発明の態様4は、
C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
Si:0質量%超、1.0質量%以下、
Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
S :0質量%超、0.20質量%以下、
Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
N :0質量%超、0.008質量%以下、
Al:0質量%超、0.1質量%以下、
P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たす、態様1に記載の熱間鍛造非調質部品を製造するための熱間鍛造非調質部品用鋼材である。

0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
[V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
本発明によれば、大型部品であっても、高強度を確保しながら、連続鋳造性を向上させることができる。
実施例における式(1)の値と0.2%耐力との関係を示すグラフ。 実施例における式(2)の値と絞り値との関係を示すグラフ。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の知見を見出した。
<強度について>
(i)V強化型非調質鋼を大型部品に適用する場合、C:0.40質量%以上、Cr:0.5質量%以上、V:0.30質量%以上とすると、高強度(0.2%耐力が820MPa以上)を得られる。
(ii)0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V](式(1))を1.03未満にすると、大型部品における熱間鍛造後の通常の冷却条件においてもベイナイトの発生を抑制し、強度低下を抑制することができる。
<連続鋳造性について>
(iii)[V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)(式(2))を0.0015未満にすると、鋳造法として連続鋳造法を採用した場合に、連続鋳造の冷却過程におけるV窒化物の生成を抑制することにより、表面割れ及び副次的に内部割れの発生を抑制し、連続鋳造性を向上させることができる。
このように、本発明の実施形態に係る熱間鍛造非調質部品(以下、単に「部品」と呼ぶことがある)は、鋳造法として連続鋳造法を採用した場合に、連続鋳造工程においても十分に製造可能であり、かつ通常の大型部品における鍛造後冷却工程において820MPa以上の0.2%耐力(以下、単に「耐力」と呼ぶことがある)を得られることが分かった。
1.化学成分組成
以下に、本発明の実施形態に係る鋼材及び当該鋼材を用いて製造される部品の化学成分組成について説明する。
[C:0.40質量%以上、0.60質量%以下]
Cは、強度の確保に必要な元素である。C含有量が少なすぎると強度が低下し、特に大型部品に本発明を適用した場合に、十分な強度が得られない。こうした観点から、C含有量は0.40質量%以上とする必要がある。好ましい下限は0.45質量%で、さらに好ましい下限は0.48質量%である。しかしながら、C含有量が過剰になると、強度が過剰になり被削性及び製造性が劣化する。こうした観点から、C含有量は0.60質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.58質量%であり、より好ましい上限は0.56質量%である。
[Si:0質量%超、1.0質量%以下]
Siは、鋼溶製時の脱酸元素として有用であると共に、鍛造品の耐力を高めるためにも有用な元素である。しかしながら、Siは引張強さも同時に高め、含有量が過剰になると、被削性が劣化し得る。また、圧延、鍛造後のスケールが増加し、工具摩耗の原因となり得る。そのため、Si含有量は1.0質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.9質量%であり、より好ましい上限は0.7質量%である。
[Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下]
Mnは、固溶強化及び組織強化よって部品の耐力を確保することができる。そのため、Mn含有量は、0.7質量%超とする。Mn含有量の下限は、好ましくは0.75質量%であり、より好ましくは0.80質量%である。しかしながら、Mn含有量が過剰になると、焼入れ性が向上し、大型部品における熱間鍛造後の通常の冷却条件でもベイナイトなどの過冷組織が生成し、却って耐力が低下してしまう。こうした観点から、Mn含有量は1.5質量%以下とする必要がある。好ましい上限は1.2質量%であり、より好ましい上限は1.0質量%である。
[S:0質量%超、0.20質量%以下]
Sは快削性元素であり、鋼中にほとんど固溶せず、切り屑への応力集中の効果により被削性を高める効果を持つ。過剰なSは、連続鋳造時の表面割れ及び熱間鍛造割れ、疲労強度低下、欠けの誘発の原因となり得るので、S含有量は0.20質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.070質量%であり、より好ましい上限は0.050質量%である。
[Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下]
Crは、固溶強化及び組織強化によって部品の耐力を確保することができる。Cr含有量が少なすぎると耐力が低下し、特に大型部品に本発明を適用した場合に、十分な耐力が得られない。そのため、Cr含有量の下限は0.5質量%であり、好ましくは0.6質量%であり、より好ましくは0.7質量%である。しかしながら、Cr含有量が過剰になると、焼入れ性が向上し、大型部品における熱間鍛造後の通常の冷却条件でもベイナイトなどの過冷組織が生成し、却って耐力が低下してしまう。こうした観点から、Cr含有量は1.5質量%以下とする必要がある。好ましい上限は1.2質量%であり、より好ましい上限は1.0質量%である。
[N:0質量%超、0.008質量%以下]
Nは不可避的不純物であり、通常の製鋼技術では約0.003質量%以上は混入し得る。N含有量が過剰になると、熱間加工性を阻害し、製造性が劣化する。こうした観点から、N含有量は0.008質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.007質量%であり、より好ましい上限は0.006質量%である。
[V:0.30質量%以上、0.38質量%以下]
Vは、強度の確保に必要な元素である。V含有量が少なすぎると耐力が低下し、特に大型部品に本発明を適用した場合に、十分な耐力が得られない。そのため、V含有量は0.30質量%以上とする必要がある。好ましい下限は0.31質量%で、さらに好ましい下限は0.32質量%である。しかしながら、V含有量が過剰になると、上記の効果が飽和し、添加コストに見合わなくなる。また、V含有量が過剰になると、焼入れ性が向上し、大型部品における熱間鍛造後の通常の冷却条件でもベイナイトなどの過冷組織が生成し、却って耐力が低下してしまう。さらに、V含有量が過剰になると、鋳造法として連続鋳造法を採用した場合に、連続鋳造性(耐表面割れ)も低下する。こうした観点から、V含有量は0.38質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.37質量%であり、より好ましい上限は0.36質量%である。
[Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下]
Tiは、鋼中で窒化物を形成する(すなわち、鋼中の固溶N量を減少させる)ことで、連続鋳造性を改善する重要な元素であり、Ti含有量は0.001質量%以上とする必要がある。好ましい下限は0.0012質量%で、さらに好ましい下限は0.0015質量%である。しかしながら、Ti含有量が過剰になると、硬質介在物を形成し被削性を劣化させてしまう。こうした観点から、Ti含有量は0.030質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.025質量%であり、より好ましい上限は0.020質量%である。
[P:0質量%超、0.20質量%以下]
Pは、鋳造法として連続鋳造法を採用した場合に、連続鋳造時の表面割れなどの鋳造欠陥を誘発する場合がある。こうした観点から、P含有量は0.20質量%以下とする。P含有量は、好ましくは0.10質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以下である。
[Al:0質量%超、0.1質量%以下]
Alは、鋼溶製時の脱酸元素として有用である。また、適当な量のAlを添加することで、被削性に有効なAl−Si−Caの複合酸化物を形成する。こうした観点から、Alを好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.003質量以上添加する。しかしながら、過剰になるとAl単独の硬質な酸化物を形成し被削性が悪化する。こうした観点から、Al含有量は0.1質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.05質量%であり、より好ましい上限は0.03質量%である。
[必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上]
本発明の実施形態に係る鋼材及び当該鋼材を用いて製造される部品は、必要に応じて、Cu、Ni、Mo及びCaからなる群から選択される1種以上を含む。以下に、これらの元素について説明する。
[Cu:0質量%超、0.05質量%以下]
Cuは、鋼材の焼入れ性を向上させることで安定した部品の強度を得ることができる。こうした観点から、Cuを好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量以上添加してもよい。しかしながら、Cu含有量が過剰になると、熱間加工性を阻害し、製造性が劣化し得る。こうした観点から、Cuを添加する場合、Cu含有量は0.05質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.04質量%であり、より好ましい上限は0.03質量%である。
[Ni:0質量%超、0.1質量%以下]
Niは、鋼材の焼入れ性を向上させることで安定した部品の強度を得ることができる。こうした観点から、Niを好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量以上添加してもよい。しかしながら、Ni含有量が過剰になると、強度が過剰に高くなり、被削性を劣化させ得る。こうした観点から、Niを添加する場合、Ni含有量は0.1質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.05質量%であり、より好ましい上限は0.03質量%である。
[Mo:0質量%超、0.1質量%以下]
Moは、鋼材の焼入れ性を向上させることで安定した部品の強度を得ることができる。こうした観点から、Moを好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上添加してもよい。しかしながら、Mo含有量が過剰になると、強度が過剰に高くなり、被削性を劣化させ得る。こうした観点から、Moを添加する場合、Mo含有量は0.1質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.05質量%であり、より好ましい上限は0.03質量%である。
[Ca:0質量%超、0.01質量%以下]
Caは快削性元素であり、ベラーグ(工具保護膜)生成などの効果により被削性を高める効果を持つ。また、硫化物系介在物を球状化して脆化を促進する効果も持つ。こうした観点から、Caを好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0003質量以上添加してもよい。しかしながら、Caを過剰に添加しても該効果が飽和し、コスト上昇を招く。こうした観点から、Caを添加する場合、Ca含有量は0.01質量%以下とする必要がある。好ましい上限は0.004質量%であり、より好ましい上限は0.003質量%である。
[残部]
本実施形態では、残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる微量元素(例えば、As、Sb、Snなど)の混入が許容される。なお、例えばPのように、通常、含有量が少ないほど好ましく、従って不可避的不純物であるが、その組成範囲について上記のように別途規定している元素がある。このため、本明細書において、残部を構成する「不可避的不純物」という場合は、別途その組成範囲が規定されている元素を除いた概念である。
本発明の実施形態ではさらに、下記式(1)及び式(2)を満たさなければならない。
なお、下記式(1)及び式(2)における[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
[0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)]
式(1)は、焼入れ性(ベイナイトの発生のし易さ)を表す式である。式(1)中のMn、Cr及びVは、焼入れ性への影響が特に大きい元素である。また、[Mn]、[Cr]及び[V]の各係数「0.5」、「0.3」及び「0.9」は、本発明者らが鋭意検討して実験的に求めたものである。式(1)の値が大きすぎると、焼入れ性が過剰に増大し、大型部品における熱間鍛造後の通常の冷却条件でもベイナイトのような過冷組織が生成し得る。その結果、耐力が低下し得る。そのため、式(1)の値は、1.03未満、好ましくは1.00以下、さらに好ましくは0.99以下とする。また、式(1)の値は、実験結果より、0.90より大きいことが好ましい。より好ましくは、0.91以上である。
[[V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)]
鋳造法として連続鋳造法を採用した場合の連続鋳造工程における表面割れは、1000℃〜800℃における絞り値の低下が原因である。部品強度確保のためVを増量すると、800℃付近において特に著しく絞り値が低下し、表面割れのリスクが増大する。これは、800℃付近でVにNが結合し、粒界に沿ってV窒化物(或いはV炭窒化物)が析出し、粒界を脆化させるためと考えられる。
本発明者らが鋭意研究した結果、表面割れは、Vと結合しようとする固溶NをTiと結合させてTiNとして減少させることにより、著しく改善し得ることが分かった。さらに、Tiと結合しなかった固溶N量(=[N]−Ti×14.0/47.9)とV含有量(=[V])との関係が、式(2)を満たすと、表面割れのリスクをさらに低下させることが分かった。なお、式(2)を満たすと表面割れのリスクを低下させることができるが、副次的な効果として、内部割れのリスクも低下させることができる。また、式(2)中の数値「14.0」は、Nの原子量である。また、式(2)中の数値「47.9」は、Tiの原子量である。つまり、式(2)中の「[N]−Ti×14.0/47.9」は、Tiと結合しなかった固溶N量を表す。
以上説明したように、式(2)は、連続鋳造工程における表面割れのリスクを表す式である。式(2)の値が高すぎると、連続鋳造工程で表面割れが発生するリスクが高まるため、式(2)の値は、0.0015未満とし、好ましくは0.0014以下、さらに好ましくは0.0013以下とする。式(2)の下限は、特に限定されない。
2.金属組織
以下に本発明の実施形態に係る熱間鍛造非調質部品の金属組織について説明する。
[初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上]
Vの析出硬化を積極的に活用するためには少なくとも初析フェライトとパーライトが主体の組織でなければならない。ベイナイトなどの過冷組織の析出で強度(0.2%耐力)が低下してしまう。したがって、組織全体に対する初析フェライトとパーライトの分率は、90%以上とする。好ましくは、95%以上であり、さらに好ましくは97%以上とする。最も好ましくは100%である。初析フェライトとパーライト以外の残部組織は、例えばベイナイトである。なお、後述する高周波焼入れを部品表面のみに施す場合、高周波焼入れが施された表面以外の部分(例えば、部品の中心部)は、上記所望の金属組織を有している。
3.機械的特性
本発明の実施形態に係る熱間鍛造非調質部品は、0.2%耐力が820MPa以上である。0.2%耐力は、好ましくは840MPa以上、より好ましくは860MPa以上である。0.2%耐力の測定方法は、後述する。
4.製造方法
次に本発明の実施形態に係る熱間鍛造非調質部品の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係る熱間鍛造非調質部品の製造方法は、上述の化学成分組成を有する鋼を、鋳造、熱間圧延(分塊圧延)、熱間鍛造及び機械加工する工程を含む。
(鋳造、熱間圧延)
鋳造方法は、連続鋳造法が好ましい。本発明は、連続鋳造法を採用した場合に、発明の効果を最大限に発揮することができる。しかし、上記所望の金属組織を有する部品を得られるのであれば、鋳造方法は、連続鋳造法以外の方法を採用してもよい。また、鋳造条件は特に限定されず、通常の条件とすればよい。熱間圧延条件も特に限定されず、通常の条件とすればよい。また、熱間圧延による加工は、熱間圧延に代えて、熱間鍛造によって行ってもよい。以上のようにして、本発明の実施形態に係る部品に用いられる鋼材が製造される。
製造される鋼材の形状は、丸棒、角棒などの任意の形状とすることができる。丸棒の場合、好ましくは直径50mm以上、より好ましくは直径70mm以上である。また、角棒の場合、好ましくは一片40mm以上、より好ましくは一片60mm以上である。
(熱間鍛造)
続いて、上記熱間圧延後の鋼材を熱間鍛造する。熱間鍛造の加熱温度は、1000℃〜1300℃とすることが好ましい。熱間鍛造を行うに当たっての加熱温度が低いと、上記所望の金属組織が得られない場合がある。そのため、加熱温度の下限は、1100℃とすることがより好ましく、更により好ましくは1150℃とする。一方、加熱温度は高いほど良いが、エネルギーコストの上昇を抑制する観点から、加熱温度の上限は1275℃とすることがより好ましく、更により好ましくは1250℃とする。
熱間鍛造後の冷却は、例えば、衝風冷、放冷などの鍛造後冷却方法を採用する。等温変態などの特殊な熱処理及び加工は、設備コストを増大させる要因となるため、好ましくない。冷却速度は遅すぎると初析フェライトが増えすぎてしまい、強度が低下するため、少なくとも800℃〜500℃の領域を0.3℃/秒以上とする。好ましくは0.4℃/秒以上であり、さらに好ましくは0.5℃/秒以上である。また、冷却速度は速いほど強度が向上するが、速すぎるとベイナイトが析出してしまい、V強化型非調質鋼では却って強度が低下してしまう。そのため、冷却速度は、少なくとも800℃〜500℃の領域を1.0℃/秒未満とする。好ましくは0.9℃/秒以下であり、さらに好ましくは0.8℃/秒以下である。なお、熱間鍛造後の加熱温度〜800℃の領域の冷却速度は、特に限定されないが、例えば0.1℃/秒〜3.0℃/秒程度である。
(機械加工)
冷却後の鍛造材を機械加工することにより、所定形状の部品が製造される。機械加工は、切削加工等の既知の方法を採用することができる。大型部品に本発明を適用した場合、製造される部品の厚みは、好ましくは30mm以上、より好ましくは40mm以上である。
(高周波焼入れ)
本発明の実施形態に係る部品は、上記機械加工後に焼入れ及び焼戻し処理が行われなくても(すなわち非調質でも)、高強度及び高靱性の特性を得られる。しかし、本発明の実施形態では、部品表面のみに高周波焼入れ(部分高周波焼入れ)をさらに施してもよい。高周波焼入れにより、表面のみに焼入れを施し、さらに部品表面に圧縮残留応力を付与して、強度をさらに高めることができる。高周波焼入れは、強度を高めるため、非調質部品に対して従来から行われてきたプロセスである。高周波焼入れの条件は、従来の条件を採用することができる。また、高周波焼入れ後の部品表面の焼入れ深さは、0.5〜4.0mmであることが好ましい。
以上説明した本発明の実施形態に係る熱間鍛造非調質部品の製造方法に接した当業者であれば、試行錯誤により、上述した製造方法と異なる製造方法により本発明に係る熱間鍛造非調質部品を得ることができる可能性がある。
1.サンプル作製
小型溶解炉(容量150kg/1ch)を用いて、表1に示す化学成分組成の鋼種A〜D,F〜Iを通常の溶製方法に従って溶解し、鋳造した。鋳造は、鋳片上部の直径がφ245mm、鋳片下部の直径がφ210mmであり、鋳片の高さが480mmとなるような鋳型に、溶解した金属を流しこんで鋳片を作製した。その後、加熱温度1200℃にて分塊圧延に相当する熱間鍛造を行ない、一辺:20〜40mmの角棒(以下、この角棒を「試験用角棒」と呼ぶ)を得た。これらの角棒の一部から切削加工により所定の試験片形状に加工し、連続鋳造を行っていた場合の連続鋳造性の表面割れにおける指標として、後述する高温延性試験を行った。なお、表1に示されている「−」は、対応する元素が、含有されていないまたは不純物レベルで含有されている可能性があることを示している。
続いて、高温延性試験を行わなかった残りの角棒を長手方向に対して垂直に切断し、長さ100mmの角棒とした。40mm角の角棒は1250℃で60分間保持後、炉から取出し、すぐに圧延方向に対して垂直な方向に60%圧縮のプレス鍛造(熱間圧延後で機械加工前に実施する熱間鍛造に相当)を実施した。その後、800℃〜500℃の領域を0.7〜0.8℃/秒で放冷により冷却をし、さらに常温まで冷却して、サンプルを作製した。また、20mm角の角棒は1250℃で10分間保持後、炉から取出し、すぐに圧延方向に対して垂直な方向に60%圧縮のプレス鍛造(熱間圧延後で機械加工前に実施する熱間鍛造に相当)を実施した後、800℃〜500℃の領域を2.0℃/秒で放冷により冷却をし、さらに常温まで冷却して、サンプルを作製した。なお、後述する表2のNo.1〜8が40mm角の角棒を使用し、No.9が20mm角の角棒を使用した。表1及び後述する表2において、下線を付した数値は、本発明の実施形態の範囲から外れていることを示している。
2.高温延性試験
連続鋳造を行っていた場合の連続鋳造性を評価するため、高温延性試験を行った。具体的には、上記分塊圧延に相当する熱間鍛造を行った後の試験用角棒の長手方向中央部で、且つ厚さ方向の中央部、幅方向の中央部を満たす部位から鋼を採取し、平行部がφ6mm×15mmで、つかみ部を加えた全長が68mmになるように加工した。長手方向は、試験片の長手方向と試験用角棒の長手方向が一致するようにし、引張力を印加する向きも同一の向きとした。高温延性試験は、Ar雰囲気中で1300℃に一旦加熱保持後、800℃に保持した状態において定歪速度0.01mm/秒で引張力を試験片が破断するまで与えた。破断後は冷却し、試験片の破断後の絞り値(800℃絞り値)を計測した。そして、絞り値が18%以上のものを合格とした。合格サンプルは、連続鋳造により鋳造した場合に、表面割れのリスクが低く、連続鋳造性が高いサンプルである。試験結果を表2に示した。
3.引張試験
上記作製したサンプルの長手方向の中央部で、且つ厚さ方向の中央部、幅方向の中央部を満たす部位から鋼を採取し、JIS Z 2241(2005)に示される14B号試験片に加工した。試験片の長手方向は、角棒の長手方向と一致する向きとし、引張力を印加する向きも同一の向きとした。引張試験は、JIS Z 2241 (2005)に従い、常温で実施し、一般的に高強度と言われる0.2%耐力が820MPa以上のものを合格とした。試験結果を表2に示した。
4.組織評価
上記作製したサンプルを切削し、長手方向の中央部で、且つ厚さ方向の中央部、幅方向の中央部を満たす部位が観察できるように、長手方向に垂直な断面から試験片を採取した。この試験片の表面を鏡面研磨した後、ナイタールで腐食させて組織観察用試験片を用意した。そして光学顕微鏡を用い、1視野の写真サイズ:9cm×7cmとして400倍で撮影し、得られた写真(1視野の視野領域の全領域)から、初析フェライト、パーライト及びベイナイトそれぞれの分率(面積率)の測定を行なった。各分率の測定は、フェライト、バーライト部分を着色し、着色された金属組織の画像をもとに、画像解析ソフト(「粒子解析III for Windows. Version3.00」、SUMITOMO METAL TECHNOLOGY製)を用いて着色された部分の面積率を求めた。そして、それぞれの組織分率は、試験片表面における任意の5視野から測定し、その平均値を計算した。試験結果を表2に示した。
Figure 2020147786
Figure 2020147786
表2の結果を考察する。
サンプルNo.1,2は、本発明の実施形態における要件を全て満足する発明例である。すなわち、サンプルNo.1は、本発明の実施形態における化学成分組成及び式(1)を満足し、かつ初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上であったため、0.2%耐力が820MPa以上で高強度であった。さらに、サンプルNo.1は、式(2)を満足したため、800℃絞り値が18%以上であり、連続鋳造性に優れるサンプルであった。また、サンプルNo.2は、本発明の実施形態における化学成分組成及び式(1)を満足し、かつ初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上であったため、0.2%耐力が820MPa以上で高強度であった。
一方、サンプルNo.3〜9は、本発明の実施形態における要件のいずれかを満足しない比較例である。
すなわち、サンプルNo.3,4は、式(1)を満たさなかったため、焼入れ性が増大し、ベイナイトが多量に生成した。その結果、0.2%耐力が劣っていた。
サンプルNo.5は、C含有量が低かったため、0.2%耐力が劣っていた。
サンプルNo.6は、Cr含有量が低かったため、0.2%耐力が劣っていた。
サンプルNo.7は、Tiが未添加で式(2)を満たさなかったため、800℃絞り値が18%未満であり、連続鋳造性が劣っていた。
サンプルNo.8は、C、Cr及びVの各含有量が低かったため0.2%耐力が劣ると推定されるサンプルであるが、式(2)を満足したため、800℃絞り値は18%以上であり、連続鋳造性は良好であった。
サンプルNo.9は、式(1)を満たすものの、熱間鍛造後の冷却速度が速すぎたため、ベイナイトが多量に生成し、0.2%耐力が劣ると推定されるサンプルである。
図1は、C、Cr及びVの各含有量が本発明の実施形態の範囲内にある鋼種A,B,C,DおよびHにおける式(1)と0.2%耐力との関係を示したグラフである。図1から分かるように、式(1)を満たすことにより、0.2%耐力が820MPa以上となり、高強度となることが分かる。また、図2は、式(2)と高温延性試験における絞り値との関係を示したグラフである。図2から分かるように、式(2)を満たすことにより、絞り値が18%以上となり、連続鋳造性が向上することが分かる。
本発明の熱間鍛造非調質部品は、熱間鍛造後の冷却速度が遅い太物部品、例えば、車両などに用いられるエンジン部品(クランクシャフト等)、足回り部品(ロアアーム)などに特に有用である。

Claims (4)

  1. C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
    Si:0質量%超、1.0質量%以下、
    Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
    S :0質量%超、0.20質量%以下、
    Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
    V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
    Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
    N :0質量%超、0.008質量%以下、
    Al:0質量%超、0.1質量%以下、
    P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
    必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たし、
    金属組織が初析フェライトとパーライトを含み、初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上である、0.2%耐力が820MPa以上の熱間鍛造非調質部品。

    0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
    [V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
    ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
  2. C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
    Si:0質量%超、1.0質量%以下、
    Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
    S :0質量%超、0.20質量%以下、
    Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
    V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
    Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
    N :0質量%超、0.008質量%以下、
    Al:0質量%超、0.1質量%以下、
    P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
    必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たす鋼材を、
    熱間鍛造する工程と、
    前記熱間鍛造後に切削加工を含む機械加工を行う工程と、
    表面のみに高周波焼入れ処理を施す工程と、を含む、
    中心部の金属組織が初析フェライトとパーライトを含み、初析フェライトとパーライトが占める面積率が90%以上である熱間鍛造非調質部品の製造方法。

    0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
    [V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
    ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
  3. C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
    Si:0質量%超、1.0質量%以下、
    Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
    S :0質量%超、0.20質量%以下、
    Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
    V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
    Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
    N :0質量%超、0.008質量%以下、
    Al:0質量%超、0.1質量%以下、
    P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
    必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たす鋼材を、
    熱間鍛造する工程と、
    前記熱間鍛造後に、少なくとも800℃〜500℃の領域を0.3℃/秒以上1.0℃/秒未満で冷却する工程と、を含む、熱間鍛造非調質部品の製造方法。

    0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
    [V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
    ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
  4. C :0.40質量%以上、0.60質量%以下、
    Si:0質量%超、1.0質量%以下、
    Mn:0.7質量%超、1.5質量%以下、
    S :0質量%超、0.20質量%以下、
    Cr:0.5質量%以上、1.5質量%以下、
    V :0.30質量%以上、0.38質量%以下、
    Ti:0.001質量%以上、0.030質量%以下、
    N :0質量%超、0.008質量%以下、
    Al:0質量%超、0.1質量%以下、
    P :0質量%超、0.20質量%以下、及び
    必要に応じて、Cu:0質量%超、0.05質量%以下、Ni:0質量%超、0.1質量%以下、Mo:0質量%超、0.1質量%以下及びCa:0質量%超、0.01質量%以下からなる群から選択される1種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ下記式(1)及び式(2)を満たす、請求項1に記載の熱間鍛造非調質部品を製造するための熱間鍛造非調質部品用鋼材。

    0.5×[Mn]+0.3×[Cr]+0.9×[V]<1.03・・・(1)
    [V]×([N]−[Ti]×14.0/47.9)<0.0015・・・(2)
    ただし、[Mn],[Cr],[V],[N]及び[Ti]は、Mn,Cr,V,N及びTiの各含有量(質量%)を示す。
JP2019045966A 2019-03-13 2019-03-13 熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材 Active JP7270420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019045966A JP7270420B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019045966A JP7270420B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020147786A true JP2020147786A (ja) 2020-09-17
JP7270420B2 JP7270420B2 (ja) 2023-05-10

Family

ID=72430353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019045966A Active JP7270420B2 (ja) 2019-03-13 2019-03-13 熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7270420B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024106398A1 (ja) * 2022-11-18 2024-05-23 Jfeスチール株式会社 熱間鍛造非調質鋼およびその製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH073386A (ja) * 1993-04-23 1995-01-06 Nippon Steel Corp 疲労強度に優れた熱間鍛造用非調質鋼材及びその鋼材を用いた非調質熱間鍛造品の製造方法
JP2004156764A (ja) * 2002-08-29 2004-06-03 Nsk Ltd フランジ付軸受装置及び該装置の製造方法
EP1700925A1 (en) * 2005-03-09 2006-09-13 Imatra Steel Oy Ab High-strength air cooled steel alloy, manufacturing method and hot worked product
JP2007211314A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sumitomo Metal Ind Ltd 非調質部品の熱間鍛造方法
JP2008240130A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 非調質鋼材
JP2011032545A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Aichi Steel Works Ltd 熱間鍛造非調質鋼
WO2017110910A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 新日鐵住金株式会社 鋼部品
JP2018035408A (ja) * 2016-09-01 2018-03-08 新日鐵住金株式会社 高周波焼入用の機械構造用鋼及び高周波焼入鋼部品
US20180372146A1 (en) * 2017-06-26 2018-12-27 GM Global Technology Operations LLC Fine grain steel alloy and automotive components formed thereof

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH073386A (ja) * 1993-04-23 1995-01-06 Nippon Steel Corp 疲労強度に優れた熱間鍛造用非調質鋼材及びその鋼材を用いた非調質熱間鍛造品の製造方法
JP2004156764A (ja) * 2002-08-29 2004-06-03 Nsk Ltd フランジ付軸受装置及び該装置の製造方法
EP1700925A1 (en) * 2005-03-09 2006-09-13 Imatra Steel Oy Ab High-strength air cooled steel alloy, manufacturing method and hot worked product
JP2007211314A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sumitomo Metal Ind Ltd 非調質部品の熱間鍛造方法
JP2008240130A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 非調質鋼材
JP2011032545A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Aichi Steel Works Ltd 熱間鍛造非調質鋼
WO2017110910A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 新日鐵住金株式会社 鋼部品
JP2018035408A (ja) * 2016-09-01 2018-03-08 新日鐵住金株式会社 高周波焼入用の機械構造用鋼及び高周波焼入鋼部品
US20180372146A1 (en) * 2017-06-26 2018-12-27 GM Global Technology Operations LLC Fine grain steel alloy and automotive components formed thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024106398A1 (ja) * 2022-11-18 2024-05-23 Jfeスチール株式会社 熱間鍛造非調質鋼およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7270420B2 (ja) 2023-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3758581B2 (ja) 低炭素快削鋼
JP5439973B2 (ja) 優れた生産性と溶接性を兼ね備えた、pwht後の落重特性に優れた高強度厚鋼板およびその製造方法
JP5400089B2 (ja) 転動疲労寿命特性に優れた軸受鋼、軸受用造塊材並びにそれらの製造方法
KR102402361B1 (ko) 침탄 처리가 행해지는 부품용 강재
JP6465214B2 (ja) 鉄道用車軸
JPH0790485A (ja) 高靭性高強度非調質鋼及びこの製造方法
JP5859384B2 (ja) 大型高強度鍛鋼品
JP6614393B2 (ja) 非調質棒鋼
JP4957325B2 (ja) 非調質鋼材
JP6729686B2 (ja) 高周波焼入れ用非調質鋼
JP5796406B2 (ja) 冷間鍛造性および結晶粒粗大化抑制能に優れた肌焼鋼の製造方法
JP4396561B2 (ja) 高周波焼入れ用鋼
JP7270420B2 (ja) 熱間鍛造非調質部品とその製造方法、および熱間鍛造非調質部品用鋼材
JP4752800B2 (ja) 非調質鋼材
JP6390685B2 (ja) 非調質鋼およびその製造方法
JP3721723B2 (ja) 被削性、冷間鍛造性および焼入れ性に優れた機械構造用鋼材
JP5916553B2 (ja) コネクティングロッド用鋼及びコネクティングロッド
JP7141944B2 (ja) 非調質鍛造部品および非調質鍛造用鋼
JP2016222985A (ja) 高周波焼入れ用非調質鋼
JP5030695B2 (ja) 破断分離性に優れる高炭素鋼およびその製造方法
JP2007231411A (ja) 機械構造用部品の製造方法
JP4332446B2 (ja) 冷間加工性および耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼、並びに耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼部品
JP5755965B2 (ja) コネクティングロッド用鋼及びコネクティングロッド
JPH08269566A (ja) Sr特性に優れた高強度・高靱性uoe鋼管の製造方法
JP3748696B2 (ja) 自動車用コネクティングロッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230425

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7270420

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151