JP4332446B2 - 冷間加工性および耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼、並びに耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼部品 - Google Patents
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0.3≦10×{exp(0.4×[Cr])/〔exp(2×[Mo])+exp(92×[Ti]×[V])〕}≦0.6 …(1)
[Ti]/[V]≧0.1 …(2)
上記式中、[Cr],[Mo],[Ti],[V]は、それぞれ鋼中に含まれるCr量(質量%),Mo量(質量%),Ti量(質量%)およびV量(質量%)を示す。
(1)Ni:1.0%以下(0%を含まない)および/またはCu:1%以下(0%を含まない)、
(2)Zr、WおよびNbよりなる群から選択される元素を合計で0.5%以下(0%を含まない)、
(3)B:0.003%以下(0%を含まない)、
等を含むものが好ましい。
(a)引張強さ:1300N/mm2以上
(b)オーステナイト結晶粒度番号:9以上
(c)pH3.0の5質量%NaCl水溶液に試験片を浸漬させた状態でクロスヘッド速度を2×10−3mm/分として低歪み速度試験を行なうことにより伸びE1を測定し、また、NaCl水溶液に浸漬させることなく大気中で行なう以外は前記浸漬させた場合と同様にして低歪み速度試験を行なうことにより伸びE0を測定し、測定されたE1とE0の値から下記(3)式で算出される遅れ破壊特性値αが0.50以下
遅れ破壊特性値α=(1−E1/E0)×100 …(3)
(d)上記(c)においてNaCl水溶液の代わりに、80℃の蒸留水を用いる以外は同じ条件で伸びE2を測定し、また、上記(c)と同様に蒸留水に浸漬させることなく大気中で伸びE0を測定し、測定されたE2とE0の値から下記(4)式で算出される遅れ破壊特性値βが0.50以下
遅れ破壊特性値β=(1−E2/E0)×100 …(4)
なお、上記「伸び」とは「全伸び(破断伸び)」の意味である。
(I)酸性環境下における耐遅れ破壊特性とCr,Mo,TiおよびVとの関係、及び、冷間加工性とCr,Mo,TiおよびVとの関係が一つの式で統一的に整理できること、
(II)そしてこの整理された式に従えば、Crを0.5%超とした場合でも酸性環境下における耐遅れ破壊特性と冷間加工性とを高レベルで両立できること、
(III)TiとVを複合添加することにより炭化物を効率的に析出させ、この炭化物は強い水素トラップ能力を有するために、熱負荷が加わる環境下における耐遅れ破壊特性を改善できること、
を見出し、本発明を完成した。以下、本発明を詳細に説明する。なお、「酸性環境下における耐遅れ破壊特性」と「熱負荷が加わる環境下における耐遅れ破壊特性」とを総称して「耐遅れ破壊特性」と表現する場合がある。
遅れ破壊特性値α=(1−E1/E0)×100 …(3)
複合添加量X=10×{exp(0.4×[Cr])/〔exp(2×[Mo])+exp(92×[Ti]×[V])〕} …(1a)
0.3≦10×{exp(0.4×[Cr])/〔exp(2×[Mo])+exp(92×[Ti]×[V])〕}≦0.6 …(1)
遅れ破壊特性値β=(1−E2/E0)×100 …(4)
TiとVの比=[Ti]/[V] …(2a)
[Ti]/[V]≧0.1 …(2)
Cは、鋼の焼入性と強度確保のために必要な元素である。特に本発明の鋼では、後述する様に、MoやTi,Vなどの析出硬化型元素を含有し、高温焼入れによってこれら元素を固溶させ、高温焼戻しによってこれらの元素を析出させている。そのため高温焼戻しを施しても所定の引張強度を確保するため、C量は0.30%以上とする。好ましくは0.35%以上、より好ましくは0.38%以上である。しかしCが過剰になると、鋼の靭性が劣化するために耐遅れ破壊特性が低下し、さらには冷間加工性も悪化するため、C量の上限は0.6%とする。好ましくは0.55%以下、より好ましくは0.48%以下、さらに好ましくは0.40%以下である。
Siは、脱酸剤として添加されるために鋼中に残存しているが、Siの残存量が増大するにつれて冷間加工性が低下し易くなり、さらには焼入れ等の熱処理時における粒界酸化を助長し、耐遅れ破壊特性も低下し易くなる。よってSi量は0.2%以下とする。好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.07%以下、さらに好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.03%以下とする。最も好ましくは0%であるが、現実的にはSi量が0%となることはない。
Mnは、焼入性向上元素であり、高強度を達成するのに有用である。Mn量は0.1%以上、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.35%以上、さらに好ましくは0.40%以上とする。しかしMnが過剰になると、冷間加工性が低下し易くなり、さらには粒界に偏析して粒界強度を低下させ、耐遅れ破壊特性に悪影響を及ぼす。よってMn量は0.8%以下、好ましくは0.6%以下、より好ましくは0.55%以下、さらに好ましくは0.50%以下とする。
Pは、不純物として鋼中に残存する元素であり、粒界偏析を起こして耐遅れ破壊特性を低下させ易い。よってP量は0.02%以下とする。好ましくは0.015%以下、より好ましくは0.010%以下、さらに好ましくは0.005%以下である。最も好ましくは0%であるが、現実的にはPが0%となることはない。
Sも不純物として鋼中に残存する元素であり、MnSを形成して応力集中箇所となって耐遅れ破壊特性を低下させ易い。よってS量は0.02%以下とし、好ましくは0.015%以下、より好ましくは0.010%以下、さらに好ましくは0.005%以下である。最も好ましくは0%であるが、現実的にはS量が0%となることはない。
本発明の高強度鋼では、所定量のMo,VおよびTiを複合添加しているため、粒界が強化され、しかも拡散性水素のトラップ能力に優れたものとなり、さらにCr,Mo,TiおよびV量が上記(1)式を満足することによって冷間加工性と酸性環境下における耐遅れ破壊特性との両立を実現できる。しかしCr量を0.5%以下まで低減すると却って冷間加工性を悪化させる。そこでCr量は0.5%超とする。好ましくは0.52%以上であり、より好ましくは0.55%以上である。しかしCr量が過剰になると、上記(1)式の関係を満足したとしても酸性環境下における耐遅れ破壊特性向上効果が阻害されるため、Cr量の上限は0.95%とする。好ましくは0.80%以下であり、より好ましくは0.75%以下である。
Moは、焼入性向上元素であり、しかも析出硬化型元素であるため強度確保のために有用である。またMoは粒界強化作用を有しており、上述した如くCrやTi,Vと併せてバランス良く添加することにより酸性環境下における耐遅れ破壊特性を向上させる。よって本発明では、Moは1.3%以上含有させる。好ましくは1.35%以上、より好ましくは1.45%以上である。しかしMoが過剰になると冷間加工性が低下する。そのためMoは2.2%以下とする。好ましくは2.20%以下、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.80%以下である。
Tiの添加量は、析出硬化作用および水素トラップ量等の観点から0.05%以上とする。好ましくは0.05%を超えて含有するのがよく、より好ましくは0.060%以上、より好ましくは0.070%以上である。またVの添加量も、析出硬化作用及び水素トラップ能等の観点から0.1%以上とする。好ましくは0.12%以上である。
Alは、脱酸剤として添加されるために鋼中に残存しており、さらには錆の緻密化による耐食性の向上作用をも期待できる元素であるため積極的に残存させる場合もある。Al量の下限は特に限定されないが、脱酸剤としての利用を考慮すると現実的には0%超であり、耐食性向上作用を発揮させる観点からすれば、0.01%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.02%以上、さらに好ましくは0.03%以上である。但し、Alの残存量が増大するにつれて酸化物系介在物量が増加し、耐遅れ破壊特性が低下し易くなる。そのためAl量は0.5%以下とする。好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.050%以下である。
Nは、耐遅れ破壊特性に対して有害であり、極力少なくすることが望ましいため、N量は0.02%以下とする。好ましくは0.015%以下、より好ましくは0.010%以下、さらに好ましくは0.007%以下、特に好ましくは0.005%以下である。最も好ましくは0%であるが、現実的にはN量が0%となることはない。
(a)耐食性向上元素として、Ni:1.0%以下(0%を含まない)および/またはCu:1%以下(0%を含まない)、
(b)微細炭窒化物形成元素として、Zr、WおよびNbよりなる群から選択される1種以上を合計で0.5%以下(0%を含まない)、
(c)B:0.003%以下(0%を含まない)、
等を含むものであってもよい。この様な範囲を規定した理由を下記に示す。
Niは、鋼の靭性および焼入性を高める作用を有すると共に、耐食性を向上して水素浸入を抑制するため、積極的に添加することが望ましい元素である。Niを積極添加する場合(即ち、0%超とする場合)は、含有量を0.1%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以上である。しかしNiを過剰に添加すると効果が飽和してコストアップを招くだけでなく、冷間加工性を却って低下させる。従ってNiを積極添加する場合であってもその上限は1.0%とする。より好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.55%以下、特に好ましくは0.50%以下である。
Cuは、鋼の耐食性を高め、耐遅れ破壊特性に悪影響をおよぼす水素の浸入を抑制するのに有用であるため、積極的に添加するのが望ましい元素である。Cuを積極的に添加する場合(即ち、0%超とする場合)は、含有量を0.1%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.3%以上である。しかしCuを過剰に添加すると効果が飽和するだけでなく、鋼の靭性を却って低下させる。よってCuを積極添加する場合であってもその上限は1%とする。より好ましくは0.7%以下、さらに好ましくは0.6%以下である。
Zr、WおよびNbは、上記Tiと同様に、微細な炭窒化物を形成し、耐遅れ破壊特性の向上に寄与するため、積極的に添加するのが望ましい。またこれらの元素の窒化物や炭化物は、結晶粒の微細化に有効である。Zr、WおよびNbを積極的に添加する場合(即ち、0%超とする場合)には、これら元素の添加量はいずれも0.03%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.05%以上である。しかしZr、WおよびNbを過剰に添加すると、耐遅れ破壊特性や靭性を阻害する。よってZr、WおよびNbを積極的に添加する場合は、添加量の合計を0.5%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
Bは、焼入性や焼入れ焼戻し後の靭性、疲労特性などを向上させるのに有用であるため、積極的に添加するのが望ましい元素である。Bを積極添加する場合(即ち、0%超とする場合)には、含有量を0.0005%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.0010%以上である。しかしBを過剰に添加すると、却って靭性を阻害するため、Bを積極添加する場合であってもその上限は0.003%とする。より好ましくは0.0025%以下であり、さらに好ましくは0.0020%以下程度である。
加熱後の保持時間:10分以上(例えば、20分以上)、1時間以下(例えば、40分以下)
冷却条件:油冷、水冷または空冷
[焼戻し条件]
加熱後の保持時間:30分以上(例えば、70分以上)、3時間以下(例えば、2時間以下)
冷却条件:油冷、水冷または空冷
本発明に係る高強度鋼部品は、引張強さが1300N/mm2以上の部品である。なかでも1400N/mm2以上のものを好ましく用いることができ、より好ましくは1500N/mm2以上、さらに好ましくは1600N/mm2以上である。
本発明に係る高強度鋼部品のオーステナイト結晶粒度番号は9以上である。なかでも10以上のものを好ましく用いることが好ましく、より好ましくは11以上である。
HClを用いてpH3.0に調整した水溶液にNaClを添加して得られる5質量%NaCl水溶液に、試験片を浸漬させた状態でクロスヘッド速度を2×10−3mm/分としてSSRT試験を行なうことにより伸びE1を測定する。またNaCl水溶液に浸漬させることなく大気中でクロスヘッド速度を2×10−3mm/分としてSSRT試験を行なうことにより伸びE0を測定する。測定されたE1とE0の値から下記(3)式で遅れ破壊特性値αを算出し、この値αが0.50以下のものを本発明に係る高強度鋼部品とする。
遅れ破壊特性値α=(1−E1/E0)×100 …(3)
80℃の蒸留水に試験片を浸漬させた状態でクロスヘッド速度を2×10−3mm/分としてSSRT試験を行なうことにより伸びE2を測定する。また、蒸留水に浸漬させることなく試験片を大気中でクロスヘッド速度を2×10−3mm/分としてSSRT試験を行なうことにより伸びE0を測定する。測定されたE2とE0の値から下記(4)式で遅れ破壊特性値βを算出し、この値βが0.50以下のものを本発明に係る高強度鋼部品とする。
遅れ破壊特性値β=(1−E2/E0)×100 …(4)
上記圧縮試験片を、その両端面を拘束しながら圧縮し、圧下率70%とするのに必要な応力(変形抵抗)を測定した。変形抵抗は小さいほど冷間加工性に優れている。測定された変形抵抗を下記表3〜4に示す。なお、変形抵抗は900N/mm2以下の場合を合格(判定:○)、900N/mm2を超える場合を不合格(判定:×)として評価した。
Claims (10)
- 質量%で(以下、同じ)、
C :0.34〜0.6%、
Si:0.2%以下、
Mn:0.1〜0.8%、
P :0.02%以下、
S :0.02%以下、
Cr:0.5%超、0.95%以下、
Mo:1.3〜2.2%、
Ti:0.05〜0.15%、
V :0.1〜0.50%、
Al:0.5%以下および
N :0.02%以下、
を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼であり、
各成分が下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする冷間加工性および耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼。
0.3≦10×{exp(0.4×[Cr])/〔exp(2×[Mo])+exp(92×[Ti]×[V])〕}≦0.6 …(1)
[Ti]/[V]≧0.1 …(2)
式中、[Cr],[Mo],[Ti],[V]は、それぞれ鋼中に含まれるCr量(質量%),Mo量(質量%),Ti量(質量%)およびV量(質量%)を示す。 - 質量%で(以下、同じ)、
C :0.30〜0.6%、
Si:0.2%以下、
Mn:0.1〜0.8%、
P :0.02%以下、
S :0.02%以下、
Cr:0.5%超、0.95%以下、
Mo:1.3〜2.2%、
Ti:0.05〜0.15%、
V :0.1〜0.50%、
Al:0.5%以下および
N :0.02%以下、
を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼であり、
各成分が下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする冷間加工性および耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼。
0.3≦10×{exp(0.4×[Cr])/〔exp(2×[Mo])+exp(92×[Ti]×[V])〕}≦0.6 …(1)
[Ti]/[V]≧0.1 …(2)
式中、[Cr],[Mo],[Ti],[V]は、それぞれ鋼中に含まれるCr量(質量%),Mo量(質量%),Ti量(質量%)およびV量(質量%)を示す。
但し、C:0.32%、Si:0.03%、Mn:0.26%、P:0.008%、S:0.001%、Cr:0.54%、Mo:1.75%、V:0.15%、Al:0.018%、N:0.009%、O:0.0009%、Ti:0.12%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を除く。 - 更に、他の元素として、Ni:1.0%以下(0%を含まない)および/またはCu:1%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1または2に記載の高強度鋼。
- 更に、他の元素として、Zr、WおよびNbよりなる群から選択される元素を合計で0.5%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の高強度鋼。
- 更に、他の元素として、B:0.003%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の高強度鋼。
- 質量%で(以下、同じ)、
C :0.30〜0.6%、
Si:0.2%以下、
Mn:0.1〜0.8%、
P :0.02%以下、
S :0.02%以下、
Cr:0.5%超、0.95%以下、
Mo:1.3〜2.2%、
Ti:0.05〜0.15%、
V :0.1〜0.50%、
Al:0.5%以下および
N :0.02%以下、
を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、各成分が下記(1)式および(2)式を満足する鋼を熱間圧延した後、球状化焼鈍し、次いで所定の形状に冷間加工し、該冷間加工された鋼を加熱温度890〜960℃で焼入れし、次いで加熱温度550℃以上で焼戻し処理することによって得られる耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼部品。
0.3≦10×{exp(0.4×[Cr])/〔exp(2×[Mo])+exp(92×[Ti]×[V])〕}≦0.6 …(1)
[Ti]/[V]≧0.1 …(2)
式中、[Cr],[Mo],[Ti],[V]は、それぞれ鋼中に含まれるCr量(質量%),Mo量(質量%),Ti量(質量%)およびV量(質量%)を示す。 - 質量%で(以下、同じ)、
C :0.30〜0.6%、
Si:0.2%以下、
Mn:0.1〜0.8%、
P :0.02%以下、
S :0.02%以下、
Cr:0.5%超、0.95%以下、
Mo:1.3〜2.2%、
Ti:0.05〜0.15%、
V :0.1〜0.50%、
Al:0.5%以下および
N :0.02%以下、
を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、各成分が下記(1)式および(2)式を満足し、下記(a)〜(d)に示す特性を有する耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼部品。
0.3≦10×{exp(0.4×[Cr])/〔exp(2×[Mo])+exp(92×[Ti]×[V])〕}≦0.6 …(1)
[Ti]/[V]≧0.1 …(2)
式中、[Cr],[Mo],[Ti],[V]は、それぞれ鋼中に含まれるCr量(質量%),Mo量(質量%),Ti量(質量%)およびV量(質量%)を示す。
(a)引張強さ:1300N/mm2以上
(b)オーステナイト結晶粒度番号:9以上
(c)pH3.0の5質量%NaCl水溶液に試験片を浸漬させた状態でクロスヘッド速度を2×10-3mm/分として低歪み速度試験を行なうことにより伸びE1を測定し、また、NaCl水溶液に浸漬させることなく大気中で行なう以外は前記浸漬させた場合と同様にして低歪み速度試験を行なうことにより伸びE0を測定し、測定されたE1とE0の値から下記(3)式で算出される遅れ破壊特性値αが0.50以下
遅れ破壊特性値α=(1−E1/E0)×100 …(3)
(d)上記(c)においてNaCl水溶液の代わりに、80℃の蒸留水を用いる以外は同じ条件で伸びE2を測定し、また、上記(c)と同様に蒸留水に浸漬させることなく大気中で伸びE0を測定し、測定されたE2とE0の値から下記(4)式で算出される遅れ破壊特性値βが0.50以下
遅れ破壊特性値β=(1−E2/E0)×100 …(4) - 更に、他の元素として、Ni:1.0%以下(0%を含まない)および/またはCu:1%以下(0%を含まない)を含むものである請求項6または7に記載の高強度鋼部品。
- 更に、他の元素として、Zr、WおよびNbよりなる群から選択される元素を合計で0.5%以下(0%を含まない)を含むものである請求項6〜8のいずれかに記載の高強度鋼部品。
- 更に、他の元素として、B:0.003%以下(0%を含まない)を含むものである請求項6〜9のいずれかに記載の高強度鋼部品。
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