JP7163639B2 - 鋼棒又は鋼製品と、それらの製造方法 - Google Patents
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C :0.12~0.35%、
Si:1.5~3.0%、
Mn:2.0~5.0%、
N :0.02%以下、
P :0.03%以下、
S :0.02%以下、
残部:Fe及び不純物であり、
棒鋼又は鋼製品の長尺方向と垂直な断面上において、組織が、面積率%で、マルテンサイト:90%以上、残部:ベイナイト、残留オーステナイト、パーライト、フェライトの1種又は2種以上であり、
上記断面上の任意の位置で測定した旧オーステナイト粒径が5μm以下であり、
棒鋼又は鋼製品の長尺方向の引張強度が1300MPa超である
ことを特徴とする鋼棒又は鋼製品。
最終仕上げ圧延温度が600℃以上、850℃以下で、圧下率が20%以上、30%以下であり、
最終仕上げ圧延終了後、10秒以内に、300℃まで冷却速度30℃/秒以上で冷却し、次いで、100℃以下まで冷却し、その後、
150℃以上、250℃以下で10秒以上保持して焼戻す
ことを特徴とする鋼棒又は鋼製品の製造方法。
<成分組成>
まず、成分組成について説明する。以下、成分組成に係る「%」は「質量%」を意味を意味する。
C:0.12%以上、0.35%以下
Cは、焼入れ・焼戻しにより、1300MPa以上の強度を得るために必要な元素であるが、0.35%超の含有では、靱性と耐遅れ破壊性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、0.35%を上限とした。強度を確保する点から0.12%以上添加するが、強度を高める点で、0.15%以上が好ましく、0.20%以上がより好ましい。
Siは、鋼の脱酸及び強度の向上に寄与する元素である。添加効果を得るため、1.5%以上を添加するが、3.0%を超えると、靱性が著しく低下するので、上限は3.0%とした。
Mnは、鋼の脱酸と、冷却時のフェライト変態を抑制して、焼入れ性の向上に寄与する元素であり、添加効果を得るため、2.0%以上を添加するが、5.0%を超えると、耐遅れ破壊性が低下するので、上限を5.0%とした。
Nは、鋼棒製造段階で不可避的に混入する元素であるが、脱酸剤としてAlを使用した時、Alと結合してAlNを微細に形成し、オーステナイト粒界移動抑制のピニング効果を担う元素である。Nが0.02%を超えると、鋼が脆化するので、上限を0.02%とした。
Pは、不純物であり、粒界に偏析して鋼を脆化させるので、少ない方が好ましい元素である。Pが0.03%を超えると、耐遅れ破壊特性が低下するので、上限を0.03%とする。好ましくは0.015%以下である。下限は0%を含むが、技術的に0%とするのは難しく、実用上、0.001%が実質的な下限である。
Sは、不純物であり、耐遅れ破壊特性に悪影響を与えるので、上限を0.02%とする。好ましくは0.015%以下である。下限は0%を含むが、技術的に0%とするのは難しく、実用上、0.001%が実質的な下限である。
成分組成の残部は、Fe及び不純物である。不純物は、鋼原料から及び/又は製鋼過程で混入する元素で、本発明の特性を阻害しない範囲で許容される。不純物とは、例えば、0.01%以下のPb、Bi、Te、Sn、W、Co、As、Mg、Zr、In、REMである。
次に、棒鋼又は鋼製品の長尺方向と垂直な断面上の組織(以下、単に「組織」ということがある。)について説明する。組織に係る%は、「面積率」を意味する。
本発明の鋼棒及び鋼製品において、棒鋼又は鋼製品の長尺方向において、引張強度1300MPa超を確保するため、マルテンサイトは90%以上とする。好ましくは93%以上である。
組織の残部は、マルテンサイト以外の組織であり、不可避的に生成する、ベイナイト、残留オーステナイト、パーライト、フェライトの1種又は2種以上である。
棒鋼又は鋼製品の長尺方向と垂直な断面上の旧オーステナイト粒径は、所要の加工性、靱性を維持し、優れた耐遅れ破壊特性を確保するため、5μm以下とした。好ましくは3μm以下である。
次に、機械特性について説明する。
本発明の鋼棒及び鋼製品において、鋼棒及び鋼製品の用途を拡大するため、棒鋼又は鋼製品の長尺方向の引張強度は1300MPa超とした。引張強度は、JIS Z 2241(2011)に記載の方法で測定することができる。
次に、製造方法について説明する。基本的には、上述した成分組成のビレット等の素材に、粗圧延、熱間圧延、及び、熱処理を施して、所望の寸法及び性能を具備する鋼棒等を製造する。
最終仕上げ圧延温度が600℃未満では、被圧延材の変形抵抗が大きくなり、圧延機に多大な負荷がかかり、また、再結晶が進行し難くなり、旧オーステナイト粒径が微細化し難いので、最終仕上げ圧延温度は600℃以上とした。一方、最終仕上げ圧延温度が850℃を超えると、再結晶が進行しすぎて、旧オーステナイト粒径が微細化しないので、最終仕上げ圧延温度は850℃以下とした。
最終仕上げ圧延後、最終仕上げ温度で保持、又は、徐冷すると、その間に再結晶が進行して、旧オーステナイト粒径の微細化が難しくなるので、仕上げ圧延終了後、10秒以内に冷却を開始した。
最終仕上げ圧延後、10秒以内に、最終仕上げ温度から300℃まで、冷却速度30℃/秒以上で冷却し、再結晶の進行を抑制し、旧オーステナイト粒径の微細化を図る。最終仕上げ圧延温度から、300℃まで冷却速度30℃/秒以上で冷却する手段としては、巻き取ったコイル状態で、水槽に浸漬するEDC(Easy Drawing Conveyer)冷却を適用できる。
冷却速度30℃/秒以上で300℃まで冷却した後は、所要の冷却速度で100℃まで冷却する。
焼戻し時間:10秒以上
所要の強度と靭性を確保するため、焼戻し脆化温度の250超~350℃を避けて、150℃以上、250℃以下で焼戻した。焼戻し時間が10秒を超えると、所要の強度を確保できないので、焼戻し時間は10秒以下とした。
種々の成分組成の直径10mmの鋼棒を、種々の圧延・冷却条件で作製して、引張強度TSと限界拡散性水素量を測定した。その結果を表1と表2に示す。表1は、成分組成を示し、表2は、圧延・冷却条件と引張強度TS及び限界拡散性水素量を示す。
2 バランスウェイト
3 支点
Claims (5)
- 成分組成が、質量%で、
C :0.12~0.35%、
Si:1.5~3.0%、
Mn:2.0~5.0%、
N :0.02%以下、
P :0.03%以下、
S :0.02%以下、
Al:0.2%以下又はTi:0.1%以下、及び
残部:Fe及び不純物であり、
棒鋼又は鋼製品の長尺方向と垂直な断面上において、組織が、面積率%で、マルテンサイト:90%以上、残部:ベイナイト、残留オーステナイト、パーライト、フェライトの1種又は2種以上であり、
上記断面上の任意の位置で測定した旧オーステナイト粒径が5μm以下であり、
棒鋼又は鋼製品の長尺方向の引張強度が1300MPa超である
ことを特徴とする鋼棒又は鋼製品。 - 前記成分組成が、更に、質量%で、Cr:3.0%以下、及び、B:0.005%以下の1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1に記載の鋼棒又は鋼製品。
- 前記成分組成が、更に、質量%で、Cu:0.50%以下、Ni:2.0%以下、及び、Mo:1.0%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼棒又は鋼製品。
- 前記成分組成が、更に、質量%で、V:0.5%以下、Nb:0.2%以下、REM:0.02%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の鋼棒又は鋼製品。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の成分組成の鋼素材を熱間圧延し、最終仕上げ圧延後、焼戻して、請求項1~4のいずれか1項に記載の鋼棒又は鋼製品を製造する製造方法において、
最終仕上げ圧延温度が600℃以上、850℃以下で、圧下率が20%以上、30%以下であり、
最終仕上げ圧延終了後、10秒以内に、300℃まで冷却速度30℃/秒以上で冷却し、次いで、100℃以下まで冷却し、その後、
150℃以上、250℃以下で10秒以上保持して焼戻す
ことを特徴とする鋼棒又は鋼製品の製造方法。
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JP2007239051A (ja) | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Kobe Steel Ltd | 加工性および耐遅れ破壊特性に優れた超高強度鋼およびその製造方法 |
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