JP2007211314A - 非調質部品の熱間鍛造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.15〜0.5%、Si:0.6〜1.0%、Mn:0.6〜1.5%、P≦0.03%、S:0.03〜0.2%、N:0.008〜0.025%、Ti:0.003〜0.1%、V:0.1〜0.5%、Cr:0.2〜0.8%、Al:0.002〜0.1%を含有し、残部はFeと不純物からなり、[%C]/[%V]≧0.5を満たす鋼を、1100〜1250℃に加熱して(T+50)〜(T+100)℃の温度域で部品形状に鍛造した後、800〜500℃における冷却速度を0.2〜5.0℃/秒として冷却する非調質部品の熱間鍛造方法。但し、Tは「Log[%C][%V]=(-9500/t)+6.72」の式及び「T=t−273」の式で計算される1000℃以下の温度(℃)を、また、[%C]及び[%V]は、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量を指す。
【選択図】なし
Description
(イ)高強度及び高靱性、
(ロ)良好な被削性、
(ハ)低い製造コスト、
が要求される。
Log[%C][%V]=(−9500/t)+6.72・・・(1)、
T=t−273・・・(2)。
また、[%C]及び[%V]は、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量を指す。
Log[%C][%V]=(−9500/t)+6.72・・・(1)、
T=t−273・・・(2)。
また、[%C]及び[%V]は、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量を指す。
Log[%C][%V]=(−9500/t)+6.72・・・(1)、
T=t−273・・・(2)。
また、[%C]及び[%V]は、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量を指す。
C:0.15〜0.5%
Cは、鋼の強度と靱性に大きく影響を与える重要元素であり、その含有量が0.15%を下回ると、金型寿命の増加及び高靱性を得ることができるものの、高強度を得ることができない。一方、Cの含有量が0.5%を超えると、高強度を得ることはできるものの、金型寿命及び靱性の低下を招く。したがって、Cの含有量を0.15〜0.5%とした。なお、Cの含有量は、0.2〜0.4%とすることが好ましい。
Siは、フェライトを強化する作用及び脱酸作用を有する。しかしながら、含有量が少ないと効果が得られず、特にSiの含有量が0.6%未満の場合には、金型寿命を長くすることができるものの、所定の強度を得ることができない。一方、Siの含有量が1.0%を超えると、強度が大きくなって金型寿命の大幅な低下をきたす。したがって、Siの含有量を0.6〜1.0%とした。なお、Siの含有量は、0.6〜0.9%とすることが好ましい。
Mnは、フェライトを強化する作用及びパーライトを微細にして靱性を向上させる作用を有する。また、Mnには硫化物を形成して被削性を高める作用もある。しかしながら、その含有量が0.6%を下回ると、十分な効果が得られない。一方、Mnの含有量が1.5%を超えると、強度が大きくなって金型寿命の低下を招くばかりか、被削性も却って低下する。更に、コストも高くなる。したがって、Mnの含有量を0.6〜1.5%とした。なお、Mnの含有量は、0.6〜1.4%とすることが好ましい。
Pは、靱性を低下させ、特に、その含有量が0.03%を超えると、靱性の低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を、0.03%以下とした。なお、Pの含有量は、少なければ少ないほどよい。
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、被削性を高める作用を有する。しかしながら、その含有量が0.03%未満では十分な効果が得られない。一方、Sの含有量が0.2%を超えると、靱性が低下するばかりか鍛造割れの原因になる。したがって、Sの含有量を、0.03〜0.2%とした。なお、Sの含有量は、0.04〜0.13%とすることが好ましい。
Nは、Tiと結合してTiNを形成し、熱間鍛造時の加熱において、組織の粗大化を抑止するので、靱性向上に寄与する。また、Vと結合してVNを形成し、熱間鍛造時の加熱において、組織の粗大化を抑止するだけでなく、フェライトの生成核にもなるため、組織が微細化し、靱性向上に寄与する。しかしながら、その含有量が0.008%未満では前記の効果が得られない。一方、Nの含有量が0.025%を超えると、硬質のTiN及びVNが粗大かつ多量に生成するので、却って靱性の低下をきたすし、被削性も低下する。したがって、Nの含有量を、0.008〜0.025%とした。
Tiは、Nと結合してTiNを形成し、熱間鍛造時の加熱において、組織の粗大化を抑止するので、靱性向上に寄与する。しかしながら、その含有量が0.003%未満では前記作用に十分な効果が得られない。一方、Tiの含有量が0.1%を超えると、硬質のTiNが粗大かつ多量に生成するので、却って靱性の低下をきたすし、被削性も低下する。したがって、Tiの含有量を、0.003〜0.1%とした。なお、Tiの含有量は、0.003%以上0.08%未満とすることが好ましい。
Vは、本発明において極めて重要な元素である。すなわち、Vには、V炭化物を形成してフェライトを強化する作用及びV窒化物を形成して加熱時のオーステナイト粒の粗大化を防止する作用がある。しかしながら、その含有量が0.1%未満では、フェライトの強化が少なくなるため靱性は高くなるものの、高強度を得ることができない。一方、Vの含有量が0.5%を超えると、V炭化物が過剰に存在しフェライト強化が多くなりすぎて靱性の大きな低下を招く。また、被削性の低下及び金型寿命の悪化をきたす。したがって、Vの含有量を、0.1〜0.5%とした。なお、Vの含有量は、0.15〜0.33%とすることが好ましい。
Crは、フェライトを強化する作用及びパーライトを微細にして靱性を向上させる作用を有する。しかしながら、その含有量が0.2%を下回ると、前記の効果が得られない。一方、Crの含有量が0.8%を超えると、強度が大きくなりすぎて靱性の低下をきたすし、金型寿命も悪化する。したがって、Crの含有量を、0.2〜0.8%とした。なお、Crの含有量は、0.3〜0.8%とすることが好ましい。
Alは、鋼を脱酸するために必要な元素である。また、Alは、窒化物を形成してオーステナイトの粒成長を抑制し、靱性向上にも寄与する。しかしながら、Alの含有量が0.002%未満では前記作用に十分効果が得られない。一方、0.1%を超えてAlを含有させても前記の効果が飽和するばかりか、硬質な析出物が過剰に存在することとなって鍛造性の低下を招く。したがって、Alの含有量を、0.002〜0.1%とした。
C及びVの含有量を前記した範囲に調整し、しかも、[%C]/[%V]の値を0.5以上にすることによって高い靱性を得ることができる。すなわち、[%C]/[%V]の値が0.5未満ではV炭化物が過剰に存在し析出強化量が多くなりすぎるので、靱性の大きな低下を招く。したがって、[%C]/[%V]の値を0.5以上とした。なお、V炭化物の析出により強度上昇作用を効果的に得るには、[%C]/[%V]は5以下とするのが望ましい。
第1群:Mo:0.7%以下、Nb:0.1%以下及びZr:0.01%以下、
第2群:Pb:0.4%以下、Ca:0.01%以下、Bi:0.3%以下及びTe:0.1%以下、
の少なくとも1つの群の元素のうち1種以上を含有させることができる。すなわち、前記第1群と第2群の少なくとも1つの群の元素のうち1種以上を、Feの一部に代えて、任意添加元素として含有させてもよい。
Moは、析出強化によって強度を高める作用を有する。その含有量が0.01%以上で前記の効果が顕著となる。一方、Moの含有量が0.7%を超えると、強度が大きくなりすぎて靱性の低下をきたすし、被削性も低下する。したがって、Moを含有させる場合の含有量を0.7%以下とした。なお、Moの含有量は、0.01〜0.7%とすることが好ましく、0.05〜0.2%とすることがより好ましい。
Pbは、被削性を高める作用がある。その含有量が0.01%以上で前記の効果が顕著となる。一方、Pbの含有量が0.4%を超えると、熱間加工性の劣化をもたらし、熱間鍛造時に割れの発生を招く。したがって、Pbを含有させる場合の含有量を0.4%以下とした。なお、Pbの含有量は、0.01〜0.4%とすることが好ましい。
本発明においては、[%C]及び[%V]を、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量、Tを既に述べた下記の(1)式及び(2)式で計算される1000℃以下の温度(℃)として、前記(A)項で述べた化学組成を有する鋼を、1100〜1250℃に加熱して(T+50)〜(T+100)℃の温度域で部品形状に鍛造した後、800〜500℃における冷却速度を0.2〜5.0℃/秒として冷却する必要がある。
Log[%C][%V]=(−9500/t)+6.72・・・(1)、
T=t−273・・・(2)。
・送り速度:0.15mm/rev.、
・潤滑:湿式(水溶性潤滑油剤を使用)。
Claims (3)
- 非調質部品の熱間鍛造方法であって、質量%で、C:0.15〜0.5%、Si:0.6〜1.0%、Mn:0.6〜1.5%、P:0.03%以下、S:0.03〜0.2%、N:0.008〜0.025%、Ti:0.003〜0.1%、V:0.1〜0.5%、Cr:0.2〜0.8%及びAl:0.002〜0.1%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、[%C]/[%V]≧0.5を満たす鋼を、1100〜1250℃に加熱して(T+50)〜(T+100)℃の温度域で部品形状に鍛造した後、800〜500℃における冷却速度を0.2〜5.0℃/秒として冷却することを特徴とする非調質部品の熱間鍛造方法。
但し、Tは下記の(1)式及び(2)式で計算される1000℃以下の温度(℃)を指す。
Log[%C][%V]=(−9500/t)+6.72・・・(1)
T=t−273・・・(2)
また、[%C]及び[%V]は、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量を指す。 - 請求項1に記載の鋼のFeの一部に代えて、Mo:0.7%以下、Nb:0.1%以下及びZr:0.01%以下の1種又は2種以上を含有する鋼を、1100〜1250℃に加熱して(T+50)〜(T+100)℃の温度域で部品形状に鍛造した後、800〜500℃における冷却速度を0.2〜5.0℃/秒として冷却することを特徴とする非調質部品の熱間鍛造方法。
但し、Tは下記の(1)式及び(2)式で計算される1000℃以下の温度(℃)を指す。
Log[%C][%V]=(−9500/t)+6.72・・・(1)
T=t−273・・・(2)
また、[%C]及び[%V]は、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量を指す。 - 請求項1又は2に記載の鋼のFeの一部に代えて、Pb:0.4%以下、Ca:0.01%以下、Bi:0.3%以下及びTe:0.1%以下の1種又は2種以上を含有する鋼を、1100〜1250℃に加熱して(T+50)〜(T+100)℃の温度域で部品形状に鍛造した後、800〜500℃における冷却速度を0.2〜5.0℃/秒として冷却することを特徴とする非調質部品の熱間鍛造方法。
但し、Tは下記の(1)式及び(2)式で計算される1000℃以下の温度(℃)を指す。
Log[%C][%V]=(−9500/t)+6.72・・・(1)
T=t−273・・・(2)
また、[%C]及び[%V]は、それぞれ、質量%での、鋼中のC及びVの含有量を指す。
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