JP2018035408A - 高周波焼入用の機械構造用鋼及び高周波焼入鋼部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.40〜0.70%、Si:0.15〜3.00%、Mn:0.30〜2.00%、Cr:0.01〜0.50%未満、S:0.003〜0.070%、Bi:0.0001超〜0.0050%、Sn:0.0001〜0.0050%を含有しかつBiとSnとの合計含有量を0.0002〜0.0050%、N:0.0030〜0.0075%、Al:0.003〜0.100%、P:0.050%未満である化学組成を有し残部Fe及び不可避的不純物からなり式(1)と式(2)を満たし鋼材の圧延方向と平行な断面において円相当径が2μm未満のMnSの存在密度が300個/mm2以上である高周波焼入用の機械構造用鋼を採用する。290C+50Si+430≧620・・・(1)d+3σ<20・・・(2)
【選択図】なし
Description
C:0.40〜0.70%、
Si:0.15〜3.00%、
Mn:0.30〜2.00%、
Cr:0.01〜0.50%未満、
S:0.003〜0.070%、
Bi:0.0001超〜0.0050%、
Sn:0.0001〜0.0050%を含有し、
かつ、BiとSnの合計含有量を0.0002〜0.0050%とし、
さらに、
N:0.0030〜0.0075%、
Al:0.003〜0.100%、
P:0.050%未満、
B:0〜0.0050%、
Mo:0〜0.20%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
Zr:0〜0.0050%、
Rem:0〜0.0050%、
Ti:0〜0.20%、
Nb:0〜0.20%、
V:0〜0.35%、
Sb:0〜0.015%、
Te:0〜0.20%、
Pb:0〜0.50%
である化学組成を有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
下記式(1)及び下記式(2)を満たし、
鋼材の圧延方向と平行な断面において円相当径が2μm未満のMnSの存在密度が300個/mm2以上であることを特徴とする高周波焼入用の機械構造用鋼。
290C+50Si+430≧620 ・・・(1)
d+3σ<20 ・・・(2)
ただし、式(1)中のC、Siは質量%であり、式(2)中のdは円相当径1μm以上のMnSの平均円相当径であり、σは円相当径1μm以上のMnSの円相当径の標準偏差である。
(2)前記化学成分が、質量%で、
B:0.0003〜0.0050%、
Mo:0.01〜0.20%、
Ni:0.05〜1.00%及び
Cu:0.05〜1.00%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。
(3)前記化学成分が、質量%で、
Ca:0.0003〜0.0050%、
Mg:0.0003〜0.0050%、
Zr:0.0003〜0.0050%及び
Rem:0.0003〜0.0050%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。
(4)前記化学成分が、質量%で、
Ti:0.005〜0.20%、
Nb:0.005〜0.20%及び
V:0.005〜0.35%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。
(5)前記化学成分が、質量%で、
Sb:0.0003〜0.015%、
Te:0.0003〜0.20%及び
Pb:0.01〜0.50%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。
(6)化学成分が、質量%で、
C:0.40〜0.70%、
Si:0.15〜3.00%、
Mn:0.30〜2.00%、
Cr:0.01〜0.50%未満、
S:0.003〜0.070%、
Bi:0.0001超〜0.0050%、
Sn:0.0001〜0.0050%を含有し、
かつ、BiとSnの合計含有量を0.0002〜0.0050%とし、
さらに、
N:0.0030〜0.0075%、
Al:0.003〜0.100%、
P:0.050%未満、
B:0〜0.0050%、
Mo:0〜0.20%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
Zr:0〜0.0050%、
Rem:0〜0.0050%、
Ti:0〜0.20%、
Nb:0〜0.20%、
V:0〜0.35%、
Sb:0〜0.015%、
Te:0〜0.20%、
Pb:0〜0.50%
である化学組成を有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
下記式(1)及び下記式(2)を満たし、
鋼材の圧延方向と平行な断面において円相当径が2μm未満のMnSの存在密度が300個/mm2以上であることを特徴とする高周波焼入れ鋼部品。
290C+50Si+430≧620 ・・・(1)
d+3σ<20 ・・・(2)
ただし、式(1)中のC、Siは質量%であり、式(2)中のdは円相当径1μm以上のMnSの平均円相当径であり、σは円相当径1μm以上のMnSの円相当径の標準偏差である。
(7)前記化学成分が、質量%で、
B:0.0003〜0.0050%、
Mo:0.01〜0.20%、
Ni:0.05〜1.00%及び
Cu:0.05〜1.00%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(6)に記載の高周波焼入鋼部品。
(8)前記化学成分が、質量%で、
Ca:0.0003〜0.0050%、
Mg:0.0003〜0.0050%、
Zr:0.0003〜0.0050%及び
Rem:0.0003〜0.0050%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(6)又は(7)に記載の高周波焼入鋼部品。
(9)前記化学成分が、質量%で、
Ti:0.005〜0.20%、
Nb:0.005〜0.20%及び
V:0.005〜0.35%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(6)〜(8)のいずれか一項に記載の高周波焼入鋼部品。
(10)前記化学成分が、質量%で、
Sb:0.0003〜0.015%、
Te:0.0003〜0.20%及び
Pb:0.01〜0.50%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする(6)〜(9)のいずれか一項に記載の高周波焼入鋼部品。
微量のBiに加えて微量のSnを含有することにより、固液界面エネルギーを低下することができる。そのため、デンドライト樹間間隔を低減させ、デンドライト樹間に晶出するMnSを微細化することが可能となる。また、MnSのような硫化物が微細分散することにより、高周波焼入れ後の面疲労強度が向上する。
Cは、鋼の強度を得るために重要な元素である。また、Cは、高周波焼入れ前の組織においてフェライト分率を低減し、高周波焼入れ時の硬化能を向上させて、硬化層深さを大きくするために必要な元素である。C含有量が0.40%未満ではフェライト分率が高くなり、高周波焼入れ時の硬化能が不足する。よって、C含有量を0.40%以上とする。C含有量の下限は、好ましくは0.45%、より好ましくは0.50%である。一方、C含有量が多すぎると、被削性や鍛造性が著しく低下するだけでなく、高周波焼入れ時に焼割れの発生する可能性が大きくなる。そのため、C含有量を0.70%以下とする。
Siは、焼入層の焼戻し軟化抵抗を向上させることにより、焼入れ後の面疲労強度を向上させる効果を有する元素である。その効果を得るために、Si含有量を0.15%以上とする。Si含有量の下限は、好ましくは0.50%である。一方、Si含有量が3.00%を超えると、鍛造時の脱炭が著しくなる。よって、Si含有量を3.00%以下とする。
Mnは、鋼に固溶して鋼の引張強度及び疲労強度を高め、鋼の焼入れ性を高める。Mnは、さらに、鋼中の硫黄(S)と結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼の被削性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.30〜2.00%である。鋼の引張強度、疲労強度及び焼入れ性を高める場合、好ましいMn含有量の下限は0.60%であり、より好ましくは0.75%である。鋼の冷間鍛造性をさらに高める場合、好ましいMn含有量の上限は1.90%であり、より好ましくは1.70%である。
Crは、鋼の焼入れ性及び引張強度を高める。また、Crは、鋼の焼入れ性を高め、浸炭処理や高周波焼入れ後の鋼の表面硬度を高める。一方、Cr含有量が多すぎると、鋼の被削性が低下する。したがって、Cr含有量は、0.01〜0.50%未満である。鋼の焼入れ性及び引張強度を高める場合、好ましいCr含有量の下限は、0.03%であり、より好ましくは、0.10%である。疲労強度をさらに高める場合、好ましいCr含有量の上限は0.20%であり、より好ましくは、0.10%である。
Sは、鋼中のMnと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。一方、Sを過剰に含有すれば、鋼の疲労強度を低下させる。さらに、高周波焼入れ後の熱間鍛造品に対して磁粉探傷試験を実施する場合、熱間鍛造品の表面に擬似模様が発生しやすくなる。したがって、S含有量は、0.003%〜0.070%である。鋼の被削性を高める場合、好ましいS含有量の下限は0.010%であり、より好ましくは、0.015%である。好ましいS含有量の上限は、0.050%であり、より好ましくは、0.030%である。
Biは、本実施形態の高周波焼入用の機械構造用鋼において重要な元素である。微量のBiを含有することによって、鋼の凝固組織の微細化に伴い、MnSが微細分散する。MnSの微細分散化効果を得るには、Bi含有量を0.0001%超にする必要がある。しかし、Bi含有量が0.0050%を超えると、熱間加工性が低下する。これらのことから、本発明では、Bi含有量を、0.0001%超〜0.0050%とする。
本発明では、Biに加えてSnを含有するのが特徴である。微量のBiに加えて微量のSnを含有することによって、鋼の凝固組織が微細化するに伴い、MnSが微細分散する。MnSの微細分散化効果を得るには、Snの含有量を0.0001%以上にする必要がある。しかし、Snを過剰に含有すると、熱間加工性が低下するので、Snの含有量の上限を0.0050%とする。また、MnSの微細分散化効果を得るには、BiとSnの合計含有量を0.0002%以上とする必要がある。しかし、BiとSnの合計含有量が0.0050%を超えると、デンドライト組織の微細分散化効果が飽和し、かつ鋼の熱間加工性が劣化し、熱間圧延が困難となる。これらのことから、本発明では、BiとSnの合計含有量を0.0002%以上0.0050%以下とする。さらに、被削性向上およびMnSの微細分散化効果を得るには、BiとSnの合計含有量の下限を0.0010%とすることが好ましい。
窒素(N)は、不純物として含有される。鋼中に固溶するNは、鋼の冷間鍛造時の変形抵抗を大きくし、また冷間鍛造性を低下する。また、Bを含有させる場合には、N含有量が高いとBNが生成され、Bの焼入れ性向上効果を低下させてしまう。したがって、Bを含む場合、TiやNbを含まない場合は、N含有量はなるべく少ない方が好ましい。N含有量は0.0075%以下である。一方、NをAlやTiやNbとともに含有させると、窒化物や炭窒化物を生成することにより、オーステナイト結晶粒が微細化され、鋼の冷間鍛造性や疲労強度を高める。Bを含まず、かつAlやTiやNbを含有して窒化物や炭窒化物を積極的に生成する場合には、Nを0.0030%以上含有することが好ましい。
Alは、窒化物として鋼中に析出分散することにより、高周波焼入れ時のオーステナイト組織の細粒化に有効な元素である。また、Alは、焼入れ性を高めて硬化層深さを大きくする元素である。また、Alは、被削性向上にも有効な元素である。これらの効果を得るため、Al含有量を0.003%以上とする。Al含有量の下限は、好ましくは0.010%である。さらに、Alは、窒化時にNと化合物を形成し、表層部のN濃度を高める効果があり、面疲労強度向上にも有効な元素である。この点からも、Al含有量を0.003%以上とする。一方、Al含有量が0.100%を超えると、高周波加熱時にオーステナイトへの変態が完了し難く、焼入れ性が低下する。そのため、Al含有量を0.100%以下とする。
Pは不純物として含有される。Pは、粒界に偏析して鋼の靭性を低下させるので、極力低減する必要があり、少ないほど好ましい。P含有量が0.050%以上であると靭性の低下が著しいので、P含有量を0.050%未満に制限する。P含有量を0%とすることは困難なので、P含有量の下限を、工業的限界の0.0001%としてもよい。
本発明者らが鋭意検討したところ、下記式(1)の左辺の値が、300℃で焼戻した鋼部品の表面のビッカース硬度にほぼ相当するものになることを見出した。また、ローラーピッチング疲労試験での鋼部品の耐久性は、300℃焼戻し硬さと正の相関があることが一般に知られていることから、ローラーピッチング疲労試験での面疲労強度と300℃焼戻し後のビッカース硬度との関係を調査したところ、ビッカース硬度が620Hv以上の場合に、面疲労強度が満足できるものになることが判明した。すなわち、290C+50Si+430の値が620以上であれば、面疲労強度が満足できるものとなる。一方、290C+50Si+430の値が620未満では、面疲労強度が低下し、ピッチングが生じるおそれがある。
Bは、鋼中のNと結合することにより、BNとして析出して被削性向上に寄与する。また、Bは、高周波加熱時にBNが分解してBとなり、焼入れ性を大きく向上させることで、面疲労強度向上に寄与する。これらの効果を得る場合には、B含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。一方、B含有量が0.0050%を超えてもその効果は飽和し、むしろ圧延や鍛造時の割れの原因ともなる。そのため、Bを含有させる場合でも、B含有量を0.0050%以下とする。
Moは、焼入層の焼戻し軟化抵抗を向上させることにより、面疲労強度を向上させる効果を有する。また、Moは、焼入層を強靭化して曲げ疲労強度を向上する効果も有する。これらの効果を得る場合、Mo含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、Mo含有量が0.20%を超えると、その効果が飽和する上、経済性が損なわれる。そのため、Moを含有させる場合でも、Mo含有量を0.20%以下とする。
Niは、Cuと同様に、酸化する際に鋼材表面に濃化し、後続の酸化反応を抑制する効果を有する元素である。この効果を確実に発揮させるためには、Ni含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Ni含有量が1.00%を超えると、被削性が悪化する。そのため、Niを含有させる場合でも、Ni含有量を1.00%以下とする。
Cuは、酸化する際に鋼材表面に濃化し、後続の酸化反応を抑制する効果を有する。この効果を確実に発揮させるためには、Cu含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Cu含有量が1.00%を超えると、機械的性質の点では効果が飽和する上、熱間延性が低下するため、圧延時に疵が形成されやすくなる。そのため、Cuを含有させる場合でも、Cu含有量を1.00%以下とする。
<Mg:0.0003〜0.0050%>
<Te:0.0003〜0.20%>
Ca、Mg及びTeは、圧延時にMnSが延伸するのを抑制し、曲げ疲労強度をさらに向上させる元素である。この効果を確実に得るためには、単独でまたは複合的に、Ca含有量を0.0003%以上、Mg含有量を0.0003%以上、Te含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。しかし、各元素の含有量が上記の上限を超えると、その効果が飽和する上、経済性が損なわれる。そのため、Ca、Mg及びTeからなる群から選択される1種又は2種以上を含有させる場合でも、Ca含有量を0.0050%以下、Mg含有量を0.0050%以下、Te含有量を0.20%以下とする。
Zrは、窒化物として鋼中に析出分散することにより、高周波焼入れ時のオーステナイト組織を細粒化する効果を有する元素である。この効果を得る場合、Zr含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。一方、Zr含有量が0.0050%を超えると、析出物が粗大化して鋼が脆化する。そのため、Zrを含有させる場合でも、Zr含有量を0.0050%以下とする。
Remは、圧延時にMnSが延伸するのを抑制し、曲げ疲労強度をさらに向上させる元素である。この効果を確実に得るためには、Rem含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。しかし、各元素の含有量が上記の上限を超えると、その効果が飽和する上、酸化物と硫化物の複合酸化物の生成を助長し介在物サイズを粗大化する。そのため、Rem含有量を0.0050%以下とする。なお、Remとは、La、Ceなどのランタノイド系の元素を指す。これらの元素を含有するにあたっては、これらの元素が混在したミッシュメタルを用いても、何らその効果は変わるものではない。
Tiは、窒化物として鋼中に析出分散することにより、高周波焼入れ時のオーステナイト組織を細粒化する効果を有する元素である。この効果を得る場合、Ti含有量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、Ti含有量が0.20%を超えると析出物が粗大化して鋼が脆化する。そのため、Tiを含有させる場合でも、Ti含有量を0.20%以下とする。
Nbは、窒化物として鋼中に析出分散することにより、高周波焼入れ時のオーステナイト組織を細粒化する効果を有する元素である。この効果を得る場合、Nb含有量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が0.20%を超えるとその効果は飽和する上、経済性が損なわれる。そのため、Nbを含有させる場合でも、Nb含有量を0.20%以下とする。
Vは、窒化物として鋼中に析出分散することにより、高周波焼入れ時のオーステナイト組織を細粒化する効果を有する元素である。この効果を得る場合、V含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、V含有量が0.35%を超えるとその効果は飽和する上、経済性が損なわれる。そのため、Vを含有させる場合でも、V含有量を0.35%以下とする。
Sbは、表面偏析傾向の強い元素であり、外部からの酸素の吸着による酸化を防止するのに有効な元素である。この酸化防止効果を確実に発揮させるためには、Sb含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。一方、Sb含有量が0.015%を超えると、その効果は飽和する。そのため、効率性を考慮して、Sbを含有させる場合でも、Sb含有量を0.015%以下とする。
Pbは、鋼の被削性を高める。Pbを少しでも含有すれば、上記効果が得られる。一方、Pbが過剰に含有されれば、鋼の靭性及び熱間延性が低下する。したがって、Pb含有量は0.50%以下である。好ましいPb含有量の上限は0.25%である。
本実施形態の高周波焼入用の機械構造用鋼の製造に用いる連続鋳造鋳片は、その凝固組織がデンドライト形態を呈する。機械構造用鋼中のMnSは、凝固前(溶鋼中)、または凝固時に晶出することが多く、デンドライト1次アーム間隔に大きく影響を受ける。すなわち、デンドライト1次アーム間隔が小さければ、樹間に晶出するMnSは小さくなる。本実施形態の高周波焼入用の機械構造用鋼は、鋳片の段階におけるデンドライト1次アーム間隔が600μm未満であることが望ましい。
MnSは、切削性の向上に有用であるため、その個数密度を確保することが必要である。S量を増加すると被削性は向上するが、粗大なMnSが増加する。粗大なMnSは、被削性を低下させるとともに、高周波焼入れ後の面疲労強度を低下させることから、MnSのサイズを制御することが必要である。円相当径で2μm未満のMnSが300個/mm2以上の存在密度で鋼中に存在すると、工具の摩耗が抑制される。なお、介在物がMnSであることは、走査型電子顕微鏡に付属するエネルギー分散型X線分光分析装置(EDS)によって確認すればよい。また、MnSの円相当径はMnSの面積と等しい面積を有する円の直径であり、画像解析によって求めることができる。同様に、MnSの個数密度は、画像解析によって求められる。
上述の通り、デンドライト1次アーム間隔を低減して、デンドライト樹間から晶出した微細な硫化物の割合を増やし、最大円相当径で20μmを超えるMnSを無くせば、被削性を向上できる。観察視野9mm2当りに検出される硫化物の円相当径のばらつきを標準偏差σとして算出し、この標準偏差の3σに平均円相当径dを加えた値を下記式(2)とし、F1を次のとおり定義した。
次に、本実施形態による高周波焼入用の機械構造用鋼の製造方法を説明する。
本実施形態の高周波焼入用の機械構造用鋼の製造方法は、上記の化学成分を有し、かつ表層から15mmの範囲内におけるデンドライト1次アーム間隔が600μm未満である鋳片を連続鋳造し、この鋳片を熱間加工することによって製造される。熱間加工は、熱間圧延を含んでもよい。
上記化学組成及び上記式(1)を満たす鋼の鋳片を連続鋳造法により製造する。造塊法によりインゴット(鋼塊)にしてもよい。鋳造条件は、例えば、220mm×220mm角の鋳型を用いて、タンディッシュ内の溶鋼のスーパーヒートを10〜50℃とし、鋳込み速度を1.0〜1.5m/分とする条件を例示できる。
次いで、鋳片又はインゴットを分塊圧延等の熱間加工して、ビレット(鋼片)を製造する。さらに、ビレットを熱間圧延することにより、本実施形態の機械構造用鋼である棒鋼や線材とする。熱間加工における圧下比に特に制限はない。
機械構造用鋼の製造に用いた鋳片の凝固組織は、鋳片断面をピクリン酸にてエッチングし、鋳片表面から深さ方向に15mm位置を鋳込み方向に5mmピッチでデンドライト1次アーム間隔を100点測定し、平均値を求めた。
各鋼番号の丸棒(機械構造用鋼)のミクロ組織を観察した。丸棒のD/4位置を軸方向に対して垂直に切断し、ミクロ組織観察用の試験片を採取した。試験片の切断面を研磨し、光学顕微鏡によって鋼の金属組織を観察し、組織中のコントラストから析出物を判別した。被検面は、熱間鍛造用鋼の長手方向と平行な断面である。なお、走査型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分光分析装置(EDS)とを用いて析出物を同定した。後述の試験片の長手方向を含む断面から、縦10mm×横10mmの研磨試験片を10個作製し、これらの研磨試験片の所定位置を光学顕微鏡にて100倍で写真撮影して、0.9mm2の検査基準面積(領域)の画像を10視野分準備した。その観察視野(画像)中のMnSの中から大きい順に10個選定する。選定された各MnSの円相当径を算出する。これらの寸法(直径)は、析出物の面積と同一の面積を有する円の直径を示す円相当径に換算した。検出したMnSの粒径分布から、硫化物の平均円相当径および標準偏差を算出した。
各鋼材から被削性評価用試験片を切出しドリル試験に供試した。工具は株式会社不二越製 型番SD3.0のドリルを使用し、1回転当たりの送り量を0.25mm、1穴の穿孔深さ9mm、潤滑は水溶性の切削油を用いてドリル穿孔試験を行い、各鋼材の被削性を評価した。評価指標には、累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用し、最大切削速度VL1000で40m/min以上を良好、40m/min未満を不良として評価した。結果を表2に示す。
小ローラー試験片は、表2に示す条件で高周波焼入れを行った後、150℃で1時間の焼戻しを行い、ローラーピッチング試験で面疲労強度を評価した。
試験番号27は、BiとSnの合計含有量が請求項1の範囲を満たさないため、熱間加工性が悪く熱間圧延後の鋼材に大きな割れがみられたため、その後の評価を行わなかった。
試験番号28は、Bi含有量およびBiとSnの合計含有量が請求項1の範囲を満たさないため、熱間加工性が悪く熱間圧延後の鋼材に大きな割れがみられたため、その後の評価を行わなかった。
試験番号29は、Sn含有量およびBiとSnの合計含有量が請求項1の範囲を満たさないため、熱間加工性が悪く熱間圧延後の鋼材に大きな割れがみられたため、その後の評価を行わなかった。
Claims (10)
- 化学成分が、質量%で、
C:0.40〜0.70%、
Si:0.15〜3.00%、
Mn:0.30〜2.00%、
Cr:0.01〜0.50%未満、
S:0.003〜0.070%、
Bi:0.0001超〜0.0050%、
Sn:0.0001〜0.0050%を含有し、
かつ、BiとSnの合計含有量を0.0002〜0.0050%とし、
さらに、
N:0.0030〜0.0075%、
Al:0.003〜0.100%、
P:0.050%未満、
B:0〜0.0050%、
Mo:0〜0.20%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
Zr:0〜0.0050%、
Rem:0〜0.0050%、
Ti:0〜0.20%、
Nb:0〜0.20%、
V:0〜0.35%、
Sb:0〜0.015%、
Te:0〜0.20%、
Pb:0〜0.50%
である化学組成を有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
下記式(1)及び下記式(2)を満たし、
鋼材の圧延方向と平行な断面において円相当径が2μm未満のMnSの存在密度が300個/mm2以上であることを特徴とする高周波焼入用の機械構造用鋼。
290C+50Si+430≧620 ・・・(1)
d+3σ<20 ・・・(2)
ただし、式(1)中のC、Siは質量%であり、式(2)中のdは円相当径1μm以上のMnSの平均円相当径であり、σは円相当径1μm以上のMnSの円相当径の標準偏差である。 - 前記化学成分が、質量%で、
B:0.0003〜0.0050%、
Mo:0.01〜0.20%、
Ni:0.05〜1.00%及び
Cu:0.05〜1.00%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。 - 前記化学成分が、質量%で、
Ca:0.0003〜0.0050%、
Mg:0.0003〜0.0050%、
Zr:0.0003〜0.0050%及び
Rem:0.0003〜0.0050%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。 - 前記化学成分が、質量%で、
Ti:0.005〜0.20%、
Nb:0.005〜0.20%及び
V:0.005〜0.35%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。 - 前記化学成分が、質量%で、
Sb:0.0003〜0.015%、
Te:0.0003〜0.20%及び
Pb:0.01〜0.50%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高周波焼入用の機械構造用鋼。 - 化学成分が、質量%で、
C:0.40〜0.70%、
Si:0.15〜3.00%、
Mn:0.30〜2.00%、
Cr:0.01〜0.50%未満、
S:0.003〜0.070%、
Bi:0.0001超〜0.0050%、
Sn:0.0001〜0.0050%を含有し、
かつ、BiとSnの合計含有量を0.0002〜0.0050%とし、
さらに、
N:0.0030〜0.0075%、
Al:0.003〜0.100%、
P:0.050%未満、
B:0〜0.0050%、
Mo:0〜0.20%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ca:0〜0.0050%、
Mg:0〜0.0050%、
Zr:0〜0.0050%、
Rem:0〜0.0050%、
Ti:0〜0.20%、
Nb:0〜0.20%、
V:0〜0.35%、
Sb:0〜0.015%、
Te:0〜0.20%、
Pb:0〜0.50%
である化学組成を有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
下記式(1)及び下記式(2)を満たし、
鋼材の圧延方向と平行な断面において円相当径が2μm未満のMnSの存在密度が300個/mm2以上であることを特徴とする高周波焼入鋼部品。
290C+50Si+430≧620 ・・・(1)
d+3σ<20 ・・・(2)
ただし、式(1)中のC、Siは質量%であり、式(2)中のdは円相当径1μm以上のMnSの平均円相当径であり、σは円相当径1μm以上のMnSの円相当径の標準偏差である。 - 前記化学成分が、質量%で、
B:0.0003〜0.0050%、
Mo:0.01〜0.20%、
Ni:0.05〜1.00%及び
Cu:0.05〜1.00%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項6に記載の高周波焼入鋼部品。 - 前記化学成分が、質量%で、
Ca:0.0003〜0.0050%、
Mg:0.0003〜0.0050%、
Zr:0.0003〜0.0050%及び
Rem:0.0003〜0.0050%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の高周波焼入鋼部品。 - 前記化学成分が、質量%で、
Ti:0.005〜0.20%、
Nb:0.005〜0.20%及び
V:0.005〜0.35%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の高周波焼入鋼部品。 - 前記化学成分が、質量%で、
Sb:0.0003〜0.015%、
Te:0.0003〜0.20%及び
Pb:0.01〜0.50%
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の高周波焼入鋼部品。
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