JP2020144176A - 反射防止膜の成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない工程数で高耐熱反射防止膜を得ることができる低コストな反射防止膜の成膜方法を提供する。【解決手段】本発明の成膜方法は、固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させた後にリンスする工程(ステップS4,S5)と、固体基材の表面に微粒子の分散液を接触させた後にリンスする工程(ステップS6,S7)と、2つの工程を交互に繰り返して微粒子積層膜を形成する工程(ステップS8)とを含む。電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差は±10mV以下に設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止膜の成膜方法に関し、特に、自動車等の車両に搭載される車載カメラに設けられるレンズの表面に反射防止膜を成膜するための方法に関する。
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
このようなレンズユニットを構成するレンズの表面には、一般に、その透過率を高めるために反射防止膜が設けられるが、特にレンズユニットのレンズ群を構成する各レンズとして樹脂製のものが使用される場合には、レンズが温度変化によって膨縮し易いため、反射防止膜も、高温に強く、レンズの膨張収縮(熱変形)に追従できるものが望まれる。
そのため、特に樹脂製のレンズにおいては、反射防止膜として、反射率が極めて低いとともにレンズの熱変形にも追従できる耐熱性の優れた反射防止膜(以下、本明細書中では、「高耐熱反射防止膜」と称する)が使用される場合がある。
そのような高耐熱反射防止膜の成膜方法の一例が図12に示される。この成膜方法は、レンズ等の固体基材100の表面上に、電解質ポリマー溶液を接触させることにより電解質ポリマー162の層を形成する工程(図12(a)参照)と、電解質ポリマー溶液を接触させた後の固体基材100の表面上に該電解質ポリマー溶液の電解質ポリマーと反対電荷を有する微粒子(例えばシリカ)の分散液を接触させることにより微粒子163の層を形成する工程(同様に図12(a)参照)とを有し、これらの2つの工程を交互に繰り返して空隙(空気層)164を伴う微粒子積層膜166を形成(図12(b)参照)した後、この微粒子積層膜166に電解質ポリマー溶液とアルカリケイ酸水溶液とを順次に接触(浸漬)させることにより、これらの溶液の物質165を微粒子積層膜166に吸着させて(図12(c)参照)、高耐熱反射防止膜を得る(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−231993号公報 特開2015−075691号公報
ところで、高耐熱反射防止膜は、他の通常の反射防止膜と同様、特に可視光の波長範囲(例えば450〜700nm)でその反射率が低いことが必要であり、とりわけ、最小反射率を示す波長であるボトム波長において反射率を可能な限りゼロに近づけることが求められる。
そのため、図12に示される成膜方法においても、固体基材100の表面上に電解質ポリマー溶液と微粒子分散液とを接触させて電解質ポリマー162の層および微粒子163の層を形成しただけ(すなわち、図12(a)(b)の工程を経ただけ)では、反射率−波長特性図である図11に曲線L1で示されるように、ボトム波長における反射率をゼロに近づけることができないのが現状であることから、電解質ポリマー溶液とアルカリケイ酸水溶液とを接触させるその後の工程(図12(c)の工程)を経て、曲線L2で示されるようにボトム波長における反射率をゼロに近づけるようにしている。
しかしながら、固体基材100の表面上に電解質ポリマー162の層および微粒子163の層を形成した後に更に電解質ポリマー溶液とアルカリケイ酸水溶液とを接触させるこのような成膜方法は、工程数が多く、材料の使用量も多くなることから、コストが嵩むとともに、成膜処理時間も長くなる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、少ない工程数で高耐熱反射防止膜を得ることができる低コストな反射防止膜の成膜方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、固体基材の表面上に反射防止膜として高耐熱反射防止膜を形成するための成膜方法であって、
前記固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させた後にリンスする工程と、
前記固体基材の表面に微粒子の分散液を接触させた後にリンスする工程と、
前記2つの工程を交互に繰り返して微粒子積層膜を形成する工程と、
を含み、
前記電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と前記微粒子のゼータ電位の絶対値との差が±10mV以下であることを特徴とする。
本発明者らは、前述した図12に示される成膜方法において、固体基材100の表面上に電解質ポリマー溶液と微粒子分散液とを接触させて電解質ポリマー162の層および微粒子163の層を形成しただけではボトム波長における反射率をゼロに近づけることができない現状につき、様々な条件下で成膜試験を繰り返し行なって検討を重ねた結果、電解質ポリマーおよび微粒子のゼータ電位がこれに深く関与することを見出した。そして、これらのゼータ電位を種々変更して成膜試験を繰り返し行なった結果、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差が±10mV以下であると、固体基材100の表面上に電解質ポリマー溶液と微粒子分散液とを接触させて電解質ポリマー162の層および微粒子163の層を形成しただけでボトム波長における反射率をゼロに近づけることができるという知見を得た。
具体的には、従来から用いられている電解質ポリマーと微粒子との組み合わせ、例えばゼータ電位が+32mVである電解質ポリマーとゼータ電位が−53mVであるシリカ微粒子との組み合わせに基づき図12に示される成膜方法を実施すると、前述したように図12(a)(b)の工程を経ただけでは、図11に曲線L1で示されるように、ボトム波長における反射率をゼロに近づけることができず、図12(c)の工程を経て初めて、図11に曲線L2で示されるようにボトム波長における反射率をゼロに近づけることができた。これに対し、例えばゼータ電位が+31mVである電解質ポリマーとゼータ電位が−32mVであるコロイダルシリカ微粒子との組み合わせに基づき図12に示される成膜方法を実施すると、図12(a)(b)の工程を経た段階で既にボトム波長における反射率がゼロに近づき、図7に曲線L3で示されるような良好な反射率−波長特性図が得られることが分かった。
これは、例えばプラスの電荷を持つ電解質ポリマー162とゼータ電位の絶対値が電解質ポリマー162のそれよりも大きいマイナスの電荷を持つシリカ微粒子163との組み合わせの場合において、電解質ポリマー162のゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子163のゼータ電位の絶対値との差が10mVを超える場合には、図8の(a)に模式的に示されるように、マイナスのゼータ電位を有するシリカ微粒子163に対して、その表面電荷が反転するように、多数の反対電荷を有する電解質ポリマー162がフォールディングされた状態で電気的に吸着し、小さな塊170を形成する(図8の(b)参照)。そして、これらの小さな塊170は、図9に示されるように屈折率が低い空気層164を埋めるように堆積して微粒子層を形成するが、全体として高耐熱反射防止膜の屈折率が大きくなって光反射をうまく抑制できないと考えられる。
これに対し、電解質ポリマー162のゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子163のゼータ電位の絶対値との差が10mV以下になると、図4の(a)に模式的に示されるようにマイナスのゼータ電位を有するシリカ微粒子163に対して、その表面電荷が反転するように、反対電荷を有する電解質ポリマー162が線状に結合する。これは、電解質ポリマー162のゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子163のゼータ電位の絶対値との差が小さいため、表面電荷を反転させるのに必要な電解質ポリマー162の量が少なくて足りるからである。表面に電解質ポリマー162が線状に結合したシリカ微粒子163は疎水性結合作用により互いに凝集(凝集A)し、図4の(b)に示されるように大きな塊180を形成する。そして、図5に示されるようにその大きな塊180が堆積して微粒子層を形成するが、大きな塊180同志が堆積するため空気層(空隙)164が大きく確保され、全体として高耐熱反射防止膜の屈折率が小さくなって光反射を十分に抑制できるからではないかと考えられる。
また、電解質ポリマー162のゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子163のゼータ電位の絶対値との差が±10mVを超える場合には、図10に示されるように凹凸の激しい高耐熱反射防止膜断面が得られるが、電解質ポリマー162のゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子163のゼータ電位の絶対値との差が±10mV以下の場合には、図6に示されるように比較的平滑な高耐熱反射防止膜断面が得られ、このことも反射率の低下に寄与しているものと考えられる。
このように、本発明によれば、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差を±10mV以下にすることにより、固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させる工程と、固体基材の表面に微粒子の分散液を接触させる工程とを経た段階で既にボトム波長における反射率をゼロに近づけることができるため、前述した図12に示される従前の成膜方法のように固体基材の表面上に電解質ポリマーの層および微粒子の層を形成した後に更に電解質ポリマー溶液とアルカリケイ酸水溶液とを接触させる必要がない。したがって、従来よりも工程数を減らして材料の使用量も減らすことができ、その結果、コストを低減して成膜処理時間を短くすることができる。
なお、本発明の成膜方法では、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差が±10mV以下でありさえすれば、微粒子のゼータ電位の絶対値が電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値より大きくても又は小さくても構わない。また、本発明の成膜方法は、前述した工程以外の他の工程を含んでも構わない。例えば、本発明の成膜方法は、電解質ポリマーおよび/または微粒子のゼータ電位を調整するゼータ電位調整工程を更に含んでもよい。このようなゼータ電位調整工程によれば、成膜処理のために用意した既存の電解質ポリマー材料および微粒子材料のゼータ電位を処理前に微調整して所望の高耐熱反射防止膜を形成することが可能となる。この場合、ゼータ電位の調整は、例えば、電解質の添加またはpH調整によって行なうことができる。なお、ゼータ電位は、ゼータ電位計測器(例えば、大塚電子株式会社が提供しているゼータ電位測定器)により測定することができる。
また、本発明では、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差が±10mV以下であるという前提の下で、更に、微粒子のゼータ電位の絶対値を1〜45mVの範囲内に設定することが好ましい。これによれば、固体基材の表面に形成される反対電荷の表面への静電的な引力を低下させて、微粒子が緻密に充填されるのを防ぐことができ、それにより、微粒子積層膜中において微粒子が占める体積密度が低い、すなわち、空隙率が高い(したがって、大きな空気層が確保された反射率が低い)微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)を形成することができる。
本発明の成膜方法によって形成される「高耐熱反射防止膜」は、空隙を有する微粒子積層薄膜からなり、この微粒子積層薄膜は、電解質ポリマーと微粒子とが交互に吸着されてレンズ等の固体基材に積層状態で結合される。
このような高耐熱反射防止膜は、所望の屈折率により決定される膜厚を、反射光の位相と入射光の位相とが重なって互いに打ち消し合うように可視光線の波長λの1/4の倍数に設定する(例えば100nm)ことにより、優れた反射防止特性を実現し得る。
また、このような高耐熱反射防止膜は、前述した微粒子(無機粒子)、空気層(空隙)および化合物の組成形態あるいは微粒子積層薄膜形態を成して形成されることにより、柔軟性および可撓性を有するとともに耐熱性に優れたものとなり、その結果、高温時における高耐熱反射防止膜のひび割れ等を防止できる。この場合、特に、空気層(空隙)は、隣り合う微粒子(無機粒子)の間に形成されているため、高耐熱反射防止膜が形成されているレンズが温度変化によって膨張したり収縮したりしても、高耐熱反射防止膜がそれに追随できる。そのため、高耐熱反射防止膜が破壊されてしまうことを防止できる。
本発明の成膜方法によれば、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差を±10mV以下にすることにより、固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させる工程と、固体基材の表面に微粒子の分散液を接触させる工程とを経た段階で既にボトム波長における反射率をゼロに近づけることができるため、従来よりも工程数を減らして材料の使用量も減らすことができ、その結果、コストを低減して成膜処理時間を短くすることができる。
本発明の一実施の形態に係る成膜方法の工程の一例を示すフローチャートである。 本発明の成膜方法の適用が可能なレンズユニットの概略断面図である。 図1のレンズユニットを備えるカメラモジュールの概略断面図である。 (a)は、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子のゼータ電位の絶対値との差が10mV以下であるときのシリカ微粒子の凝集状態を模式的に示す概略図、(b)は(a)における微粒子同士の凝集により大きな塊が形成される態様を模式的に示す概略図である。 図4の微粒子態様によって屈折率が低い空気層(空隙)を大きく確保するように微粒子層が堆積される状態を模式的に示す概略図である。 電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子のゼータ電位の絶対値との差が10mV以下であるときの高耐熱反射防止膜の断面図である。 電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子のゼータ電位の絶対値との差が10mV以下であるときの反射率−波長特性図である。 (a)は、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子のゼータ電位の絶対値との差が10mVを超えるときのシリカ微粒子の分散状態を模式的に示す概略図、(b)は(a)における微粒子同士の反発により小さな塊が形成される態様を模式的に示す概略図である。 図8の微粒子態様によって屈折率が低い空気層を埋めるように微粒子層が堆積される状態を模式的に示す概略図である。 電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子のゼータ電位の絶対値との差が10mVを超えるときの高耐熱反射防止膜の断面図である。 電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値とシリカ微粒子のゼータ電位の絶対値との差が10mVを超えるときの反射率−波長特性図である。 従来の成膜工程を段階的に示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態に係る成膜方法ついて説明する。本実施の形態の成膜方法では、ゼータ電位の絶対値の差が±10mV以下である電解質ポリマーと微粒子との組み合わせを使用して固体基材としての光学部材、特にレンズユニットのレンズ群を構成するレンズの表面に高耐熱反射防止膜が形成される。前述したように、ゼータ電位の絶対値の差が±10mV以下である電解質ポリマーと微粒子との組み合わせを使用する成膜方法では、固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させる工程と、固体基材の表面に微粒子の分散液を接触させる工程とを経た段階で既にボトム波長における反射率をゼロに近づけることができる。
まず最初に、本実施の形態に係る成膜方法が適用される固体基材としてのレンズを有するレンズユニットについて説明する。このレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。なお、以下で説明する図2および図3において複数のレンズについてはハッチングを省略している。
図2に示されるように、このレンズユニット11は、例えば樹脂製または金属製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置されるガラス製または樹脂製の複数のレンズ、例えば、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16および第5のレンズ17から成る5つのレンズと、図示しない絞り部材とを備えている。絞り部材は、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
鏡筒12に固定されて支持されている複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。このうち、最も像側(内側収容空間Sの最も内奥側)に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は例えば貼り合わせレンズである。
鏡筒12の物体側の端部(図2において上端部)には、当該端部を径方向内側にカシメてなるカシメ部23が設けられており、このカシメ部23によってレンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13が鏡筒12の物体側の端部に固定されている。
また、鏡筒12の像側の端部(図2において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13、14、15、16,17と絞り部材とが保持されている。
最も物体側に位置される第1のレンズ13の外周面には、当該レンズ13の像側部分に径が小さくなった縮径部が設けられ、当該縮径部にシール部材としてのOリング26が設けられ、レンズ13の外周面と鏡筒12の内周面との間を、鏡筒12の物体側端部で封止した状態となっている。これにより、レンズユニット11の物体側の端部から鏡筒12内に水や塵埃等の微粒子が浸入するのを防止している。
鏡筒12は、その内径および外径が物体側から像面側に向かって段階的に小さくなっている。すなわち、鏡筒12は、第1および第2のレンズ13,14を収容保持する大径部12Aと、第3〜第5のレンズ15,16,17を収容保持する小径部12Bとを有する。また、このような鏡筒12の段付き形状に対応して、レンズ13,14,15,16,17は、物体側から像面側に向かうにつれて、外径が小さくなっている。基本的に、レンズ13,14,15,16,17のそれぞれの外径と、鏡筒12の各レンズ13,14,15,16,17が支持(保持)される部分のそれぞれの内径とが略等しくなっている。なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部25が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
また、本実施の形態において、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13は、物体側を向くレンズ表面13aと、像側を向くレンズ裏面13bとを有し、少なくともレンズ表面13a上に反射防止膜30が形成されて成る膜付きレンズとなっている。なお、以下では、膜付きレンズとしての第1のレンズ13についてその成膜方法について説明するが、レンズ群Lを構成する他のレンズ14,15,16,17が同様の成膜方法の適用により膜付きレンズとして形成されてもよい。
また、本実施の形態において、第1のレンズ13のレンズ表面13a上に形成される反射防止膜30は、以下で更に詳しく説明する高耐熱反射防止膜として設けられる。また、本実施の形態では、第1のレンズ13のレンズ裏面13bにも高耐熱反射防止膜30が設けられるが、レンズ裏面13bに高耐熱反射防止膜30が設けられなくても構わない。
また、図3には、以上のような構成を成すレンズユニット11を有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図が示されている。図示のように、このカメラモジュール300は、フィルタ100が装着された図2のレンズユニット11を含んで構成される。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子)304を備えている。
上ケース301は、レンズユニット11の物体側の端部を露出させるとともに他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12aとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
次に、図1を参照しながら、例えば樹脂製の第1のレンズ13の表面上に空隙を有する微粒子積層薄膜としての高耐熱反射防止膜を形成する成膜方法について説明する。
まず最初に、ゼータ電位の絶対値の差が±10mV以下である電解質ポリマーと微粒子との組み合わせを用意する(ステップS1)。そのような組み合わせの例としては、例えば、ジアリル系アミンをベースとしたカチオンポリマー(電解質ポリマー)とコロイダルシリカ(微粒子)との組み合わせ、具体的には、例えば、ニットーボーメディカル株式会社が提供するポリアミンシリーズ(PAS)のPAS−A−1(商品名)(ゼータ電位+31mV)と日揮触媒化成株式会社が提供するカタロイドSN(商品名)(ゼータ電位−32mV)との組み合わせ、ニットーボーメディカル株式会社が提供するPAS−J−81L(商品名)(ゼータ電位+42mV)と日産化学株式会社が提供するスノーテックスO(商品名)(ゼータ電位−44mV)との組み合わせなどを挙げることができる。
ここで、微粒子は、溶液に分散されている状態で平均一次粒子径が、2〜100nmであることが微粒子積層薄膜30Aの透明性を得るために好ましく、微粒子積層薄膜の光学機能の確保の観点から、2〜40nmがより好ましく、2〜20nmが最も好ましい。
また、そのような微粒子としては、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差が±10mV以下であるという前提の下で、先に挙げられたコロイダルシリカ以外の無機微粒子を挙げることができる。好ましくは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、ニオブ、亜鉛、錫、セリウムおよびマグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物が、透明性の観点から好適に選ばれる。
また、電解質ポリマーとしては、荷電を有する官能基を主鎖または側鎖に持つ高分子を用いることができる。この電解質ポリマー溶液は、微粒子の表面電荷と反対または同じ符号の電荷の電解質ポリマーを、水、有機溶媒または水溶性の有機溶媒と水の混合溶媒に溶解したものである。
また、成膜処理されるべき第1のレンズ13は、そのまま用いるか、またはそれらの表面にコロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射、オゾン処理、アルカリや酸等による化学的エッチング処理、シランカップリング処理等によって、極性を有する官能基を導入してレンズの表面電荷をマイナス若しくはプラスする。
続いて、必要に応じて、このようにして用意した既存の電解質ポリマー材料および微粒子材料のゼータ電位を処理前に微調整してもよい(ステップS2)。その場合には、例えば、電解質の添加またはpH調整によってゼータ電位の調整を行なうことができる(ステップS3)。ゼータ電位は、ゼータ電位計測器(例えば、大塚電子株式会社が提供しているゼータ電位測定器)により測定することができる。
その後、第1のレンズ13上に、電解質ポリマー溶液または微粒子分散液のいずれかを接触または塗布する工程により、電解質ポリマーまたは微粒子の層を形成し、続いて、電解質ポリマー溶液を接触または塗布させた後の第1のレンズ13上に該電解質ポリマー溶液の電解質ポリマーと反対電荷を有する微粒子の分散液を接触または塗布する工程、または、微粒子分散液を接触または塗布させた後の第1のレンズ13上に該微粒子分散液の微粒子と反対電荷を有する電解質ポリマーの溶液を接触または塗布する工程により、微粒子または電解質ポリマーの層を形成し、これらの工程を交互に繰り返すことにより第1のレンズ13上に微粒子積層膜としての高耐熱反射防止膜を形成する。なお、塗布液を塗布する方法としては、例えば、インクジェットプリンティング法、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷等を挙げることができる。
一例として、本実施の形態では、まず最初に、第1のレンズ13を電解質ポリマー溶液中に例えば1分間浸漬(ステップS4)した後、リンス用の超純水を第1のレンズ13に対して例えば1分間にわたって噴射する(ステップS5)。その後、電解質ポリマーと反対のマイナスの電荷を有する微粒子の分散液中に第1のレンズ13を例えば1分間浸漬(ステップS6)した後、リンス用の超純水を第1のレンズ13に対して例えば1分間にわたって噴射する(ステップS7)。そして、ステップS4,S5を1回、ステップS6,S7を1回それぞれ順次に行なうことを1サイクルとし、このサイクルを所定回数行ない(ステップS8)、最後に例えば25℃で24時間にわたって乾燥する(ステップS9)。それにより、微粒子積層膜としての高耐熱反射防止膜が第1のレンズ13の表面上に形成される。
このようにして形成される高耐熱反射防止膜は、柔軟性および可撓性を有するとともに耐熱性に優れたものとなり、その結果、高温時における高耐熱反射防止膜のひび割れ等を防止できる。この場合、特に、微粒子間の空気層(空隙)の存在により、高耐熱反射防止膜が形成されているレンズ13が温度変化によって膨張したり収縮したりしても、高耐熱反射防止膜がそれに追随できる。そのため、高耐熱反射防止膜が破壊されてしまうことを防止できる。なお、このような高耐熱反射防止膜は、125℃以上の耐熱性を有するとともに、レンズ13の熱膨張率に近い熱膨張率を有するものを選択することが好ましい。また、空気層は屈折率が低いため、高耐熱反射防止膜の屈折率は低下する。そのため、光の反射がさらに抑制される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と微粒子のゼータ電位の絶対値との差を±10mV以下にすることにより、固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させる工程と、固体基材の表面に微粒子の分散液を接触させる工程とを経た段階で既にボトム波長における反射率をゼロに近づけることができるため、前述した図12に示される従前の成膜方法のように固体基材の表面上に電解質ポリマーの層および微粒子の層を形成した後に更に電解質ポリマー溶液とアルカリケイ酸水溶液とを接触させる必要がない。したがって、従来よりも工程数を減らして材料の使用量も減らすことができ、その結果、コストを低減して成膜処理時間を短くすることができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施の形態では、高耐熱反射防止膜が成膜される固体基材としてレンズを例にとって説明したが、本発明の成膜方法が適用される固体基材はレンズに限定されず、あらゆる素材に本発明を適用できる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
11 レンズユニット
13,14,15,16,17 レンズ(膜付きレンズ)
30 高耐熱反射防止膜
162 電解質ポリマー
163 微粒子

Claims (5)

  1. 固体基材の表面上に反射防止膜として高耐熱反射防止膜を形成するための成膜方法であって、
    前記固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させた後にリンスする工程と、
    前記固体基材の表面に微粒子の分散液を接触させた後にリンスする工程と、
    前記2つの工程を交互に繰り返して微粒子積層膜を形成する工程と、
    を含み、
    前記電解質ポリマーのゼータ電位の絶対値と前記微粒子のゼータ電位の絶対値との差が±10mV以下であることを特徴とする成膜方法。
  2. 前記電解質ポリマーおよび/または前記微粒子のゼータ電位を調整する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 電解質の添加またはpH調整によってゼータ電位を調整することを特徴とする請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記固体基材が光学部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の成膜方法。
  5. 前記光学部材がレンズユニットのレンズ群を構成するレンズであることを特徴とする請求項4に記載の成膜方法。
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