JP2017526971A - 交互積層組織化多層積層転写フィルム - Google Patents
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Abstract
転写フィルム、それを用いて作製される物品、並びに転写フィルムを作製して使用し、無機光学スタックを形成させる交互積層法が開示される。
Description
多層光学フィルム(Multilayer optical film、MOF)は、ポリマーの共押出成形によって作製される。最終的なフィルムは、高い屈折率と低い屈折率のポリマー層を多数、交互にしたものを含むことができ、Bragg反射器又は1−Dフォトニック結晶と呼ぶことができる。光は、層のスタックの境界面において反射された光からの強め合う干渉に基づき、異なる波長において選択的に反射又は透過することができる。MOFは、IR及び/又は可視光を主に反射するよう設計されている。MOFにおいて利用される一般的なポリマーには、PEN、PMMA、co−PMMA、PET、co−PET及びco−PENが挙げられる。
MOFは、一般に、炭化水素ポリマーにより作製されるので、その光安定性、熱安定性及び化学安定性には制限がある恐れがある。一方、真空蒸着(例えば、スパッタリング、溶媒蒸発、CVD、ALD)は、安定性の改善された無機の光学コーティングを作製するために使用することができる。しかし、真空蒸着は、高価な機器を必要とし、かつ一般に、処理量が少ないことに苦慮する。
本開示は、交互積層組織化多層積層転写フィルム、これらの積層転写フィルムを形成する方法、及びこれらの積層転写フィルムを使用する方法に関する。
一態様では、転写フィルムは、複数のサブプロト層対を含む、1マイクロメートル未満の均一厚さを有するプロト層を含む。各サブプロト層対は、第1の結合基を有する材料及び相補的な第2の結合基を有する材料を独立して含む。これらの材料のうちの少なくとも1つは熱安定材料である。
別の態様では、方法は、受容基材に本明細書に記載されている転写フィルムを積層する工程、及びプロト層中の犠牲材料をベークアウトして1つ以上の層を有する光学スタックを形成する工程を含む。
別の態様では、転写フィルムを形成する方法は、1つ以上の同一の広がりをもつサブプロト層対を互いに逐次、堆積させて、プロト層を形成する工程を含む。第1の結合基を有する材料及び相補的な第2の結合基を有する材料、並びにこれらの材料のうちの少なくとも1つを含む、各サブプロト層対は、熱安定材料である。各サブプロト層対は、交互積層自己組織化によって形成される。
これらの特徴及び様々な他の特徴、並びに利点が、以下の詳細説明の一読から明白になろう。
本開示は、添付した図面と関連する、以下の実施形態の様々な詳細説明を考慮すると、より完全に理解することができる。
以下の詳細説明では、その一部を形成する添付の図面が参照され、その中で、例示として、いくつかの具体的な実施形態が示されている。他の実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、企図されて、行うことができると理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で理解されるべきではない。
本明細書において使用するすべての科学的及び技術的用語は、特に指示がない限り、当分野において一般的に用いられる意味を有する。本明細書において提示されている定義は、本明細書において頻繁に使用されているある種の用語の理解を促進するためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
特に示さない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用されているフィーチャサイズ、量及び物理特性を表現している数値はすべて、すべての場合において、用語「約」によって修飾されているものとして理解されたい。したがって、特に反対の記載がない限り、上述の明細書及び添付の特許請求の範囲において説明されている数値パラメータは、明細書において開示されている教示を利用する当業者が得ようとする特性に応じて変わり得る、概数である。
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含されているすべての数値(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)、及びその範囲内の任意の範囲を含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容が特に明白に示さない限り、複数の参照物を有する実施形態を包含する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、用語「又は」は、その内容が特に明白に示さない限り、「及び/又は」を含む意味で一般に使用されている。
本明細書において使用する場合、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」などは、それらのオープンエンドの意味で使用されており、一般に「〜を含むが、これらに限定されない」ことを意味する。「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」などは、「含んでいる(comprising)」などに包含されていることが理解されよう。
本開示において、
「ベークアウト」とは、熱分解、燃焼、昇華又は気化によって、層中に存在する犠牲材料を実質的に除去する過程を指す。
「ベークアウト温度」とは、熱分解、燃焼、昇華又は気化によって、プロト層中の犠牲材料を実質的に除去する過程中に到達した最大温度を指す。
「燃焼する」又は「燃焼」は、酸化性雰囲気中、有機材料を含む層を加熱し、その結果、この有機材料が酸化剤との化学反応を受ける、過程を指す。
「熱分解する」又は「熱分解」とは、不活性雰囲気中で犠牲層を加熱して、その結果、物品中の有機材料が分解する過程を指す。
「熱安定性」とは、犠牲材料の除去中、実質的に無傷のままである材料、高密度化及び/又は化学的な変換を受けて無機材料を形成することができる材料を指す。
「高密度化する」とは、熱安定材料の重量及び/又は体積率がベークアウト過程中に向上する過程を指す。例えば、高密度層では、ナノ粒子の局所濃度(重量%又は体積%)は、プロト層におけるものと比べて向上している。しかし、個々のナノ粒子の平均体積は、高密度化過程の結果として変化しないことがある。
「refractive index」、「index」又は「RI」とも呼ばれる「屈折率(index of refraction)」とは、特に示さない限り、材料の平面における、633nm及び垂直入射又は近垂直入射(すなわち8度)の光に対する材料の屈折率を指す。
「高屈折率」及び「低屈折率」は、相対用語である。2つの層が、対象の両方の面内方向で比較された場合、より高い平均面内屈折率を有する層が、高屈折率層であり、より低い平均面内屈折率を有する層が、低屈折率層である。
「ポリ電解質」とは、静電的相互作用が可能な複数のイオン性基を有するポリマーを意味する。「強ポリ電解質」は、広範囲のpHにわたり、恒久的な荷電を有する(例えば、第四級アンモニウム基又はスルホン酸基を含有するポリマー)。「弱ポリ電解質」は、pH依存性の荷電レベルを有する(例えば、第一級、第二級若しくは第三級アミン、又はカルボン酸を含有するポリマー)。
「二層(bilayer(又はbi-layer))」とは、一般に、第1の材料の層及び第2の材料の層を含む薄化フィルムを指す。本明細書に記載されている通り、一部の実施形態では、二層とは、ポリカチオン層とポリアニオン層との組合せを指す。ポリカチオン層は、ポリカチオン性ポリマー及び/又はナノ粒子を含むことができる。同様に、ポリアニオン層は、ポリアニオン性ポリマー及び/又はナノ粒子を含むことができる。本明細書に更に記載されている通り、一部の実施形態では、二層は、交互積層(layer-by-layer、LbL)自己組織化法を使用して都合よく調製される。
「光学スタック」とは、単独で又は組み合わせて、200nm〜1mmから選択される波長の範囲にわたり、
光学作用を生じる、1つ以上の層であり、「光学プロト層のスタック」とは、最終ベークアウト済み物品における、光学スタックへの前駆体となる転写フィルムにおける1つ以上の層であって、この光学スタックが200nm〜1mmから選択される波長の範囲にわたり、光学作用を生じる、層を指す。
特に指定されない限り、電磁放射線の「帯域」とは、200nm〜1mmの間の電磁放射線の任意の波長範囲又は少なくともその10nm刻みを指す。帯域はまた、25nm、50nm又は100nmなど10nmより大きくてもよい。本明細書で使用する場合、可視光線は、波長400nm〜700nmの帯域を指す。紫外線(ultraviolet、UV)は、波長200〜400nmの帯域を指す。UVブルーは、波長350〜490nmの帯域を指す。更に、近赤外線(near-infrared、近IR)は、波長700〜1000nmの帯域を指す。すべての範囲が含まれる。
本開示は、多層積層転写フィルム、これらの積層転写フィルムを形成する方法、及びこれらの積層転写フィルムを使用する方法に関する。これらの無機多層積層転写フィルムは、交互積層(LbL)自己組織化コーティング法により形成することができる、無機ナノ粒子、犠牲材料及び任意選択の無機前駆体を含む交互層を有する。次に、この転写フィルムは、例えばガラスなどの受容基材に積層し、任意の裏材を剥がし、積層した受容基材を高温(例えば、500℃)でベークして、犠牲有機材料を除去する。この結果は、受容基材上の無機光学コーティング又は光学スタック(例えば、UV反射器、可視光反射器、ダイクロイックミラー、誘電体ミラー若しくは赤外(infrared、IR)反射器などの反射防止体(anti-reflective)又はBragg反射器)である。特に、この手法は、光安定性、熱安定性又は化学安定性が好ましい、耐性に乏しいフィルム用途に好適である。本開示は、そのようには限定されないが、以下に提示されている実施例の議論により、本開示の様々な態様の認識が得られるであろう。
本明細書に記載されているLbLコーティング法は、陽性帯電ポリマー及び陰性帯電ポリマー(例えば、ポリ電解質)、及び例えばナノ粒子などの、相補性官能基を有する材料の、連続的な自己制限的吸着を利用するものである。この技法により、コーティング厚さ及び組成をナノスケールで制御することが可能になり、この方法は、温和な条件下(例えば、水性)、周囲環境中で行うことができる。各層(すなわち、サブプロト層)のコーティング工程の間に、塗装工程が行われる。
本開示は、少ない資本経費、高い処理能力、ガラス製基材ではあるが、有機材料を含有するものに比べて光安定性、熱安定性及び化学安定性の改善されたコーティングを備えたフィルム形態のものに対する光学コーティング技法がもたらす問題を解決する。高温安定な基材(例えば、ガラス)に積層することができる、転写フィルムを作製し、次にベークして、基材(例えば、ガラス)と完全に一体化した光学コーティングを実現する、噴霧交互積層コーティングが本明細書に記載されている。こうした転写フィルムは、例えば、単に一部の例として、ディスプレイガラス、熱管理のためのIR反射、又は分解から有機材料を保護するためのUV反射のための、反射防止(antireflection、AR)機能をもたらすため、ガラス又は光学基材製造業者によって使用され得る。
図1は、転写フィルム100及び光学スタック25を形成する例示的方法の概略的工程フロー図50である。図2は、交互積層(LbL)加工による、転写フィルム100のプロト層22、24を形成する例示的方法の概略的工程フロー図51である。
転写フィルム100は、プロト層のスタック20を形成する、1つ以上の同一の広がりをもつ層(又はプロト層)22及び24を含む。各層22及び24は、犠牲材料及び熱安定材料、並びに一般に、均一な同一の広がりをもつ厚さを独立して含む。多くの実施形態では、プロト層22及び24はそれぞれ、1マイクロメートル未満、若しくは500ナノメートル未満、若しくは250ナノメートル未満、若しくは150ナノメートル未満の均一厚さを有するか、又は10〜500ナノメートルの範囲にある。
プロト層のスタック20及び得られた光学スタック25は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は11超などの任意の数のプロト層から形成することができる。多くの実施形態では、プロト層のスタック20及び得られた光学スタック25は、25以下の層を有する。多数層の場合、透過スペクトルは、特定の透過率、又は電磁放射線の帯域幅の範囲に対する反射要件を満足するという要求に応えることができる。多くの実施形態では、プロト層のスタック20及び得られた光学スタック25は、少なくとも5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%、又は少なくとも90%の可視光透過率を有する。様々な実施形態では、得られた光学スタック25の個々の層は、少なくとも50%、又は75%、又は90%の可視光、IR光若しくはUV光、又は可視光、IR光若しくはUV光の帯域を反射するよう協働する。
各プロト層22及び/又は24は、複数のサブプロト層対(図2に例示されている)を含む。各サブプロト層対は、第1の結合基を有する材料及び相補的な第2の結合基を有する材料を独立して含み、こうした材料の1つは熱安定材料を含む。各サブプロト層対は、1マイクロメートル未満、若しくは500ナノメートル未満、若しくは250ナノメートル未満、若しくは150ナノメートル未満、又は10〜500ナノメートルの範囲、若しくは5〜50ナノメートルの範囲、若しくは1〜20ナノメートルの範囲の均一厚さを有する。各プロト層中のサブプロト層対の数は、通常、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10であるか又は10より大きい。多くの実施形態では、各プロト層中のサブプロト層対の数は、50以下である。熱安定材料は、各プロト層中に、少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%で存在することができる。
各サブプロト層対は、「交互積層自己組織化法」と一般に呼ばれるものによって堆積される。この方法は、逆に帯電しているポリマー(すなわち、ポリ電解質)及び/又はナノ粒子の薄化フィルム又はコーティングを静電的に組織化するために使用されるが、水素供与体/受容体などの他の官能基、金属イオン/配位子、及び共有結合部位が、薄化フィルムの組織化の推進力になり得る。この堆積工程は、一連の溶液又は浴に、表面電荷を有する基材を曝露させるステップが必要となり得る。これは、液浴への基材の浸漬(浸漬コーティングとも呼ばれる)、噴霧、スピンコーティング、ロールコーティング、インクジェット印刷などによって行うことができる。基材の電荷と反対の電荷を有する第1のポリイオン溶液に曝露(例えば、浴)させると、基材表面近くの帯電化学種が急速に吸着し、濃度勾配が確立され、バルク溶液からの更なるポリ電解質を表面に引きつける。更なる吸着は、下層の電荷を遮蔽して基材表面の正味の電荷が反転するよう、十分な層が発達するまで行われる。物質移動及び吸着が起こるためには、この曝露時間は、通常、数秒から数分の程度である。次に、この基材は、第1のポリイオン(例えば、浴)溶液から取り出され、次に、一連の水洗用浴に曝露して、物理的に絡んでいるか又は緩く結合しているポリ電解質を除去する。これらの洗浄用(例えば、浴)溶液に続いて、次に、この基材を第1のポリイオン(例えば、浴)溶液の電荷とは反対の電荷を有する第2のポリイオン(例えば、浴)溶液に曝露する。基材の表面電荷は第2の(例えば、浴)溶液の電荷とは反対であるので、ここでもやはり吸着が起こる。次に、第2のポリイオン(例えば、浴)溶液への曝露を続けると、基材の表面電荷の逆転がもたらされる。続いて洗浄を行い、この周期を完了することができる。この工程のシークエンスは、本明細書において、堆積物の「二層」又は「サブプロト層対」とも称される、一対の層を構築すると言われ、所望の場合、繰り返して、基材に更なる対の層を追加することができる。適切な方法の一部の例には、Krogmanらの米国特許第8,234,998号及びNogueiraらの米国特許第8,313,798号に記載されているものが挙げられる。
用語「相補的な」とは、第1の結合基及び第2の結合基が、一緒に一対の結合を形成していることを指す。一対の結合は、イオン性結合、水素結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス相互作用、親和性結合(例えば、抗体−抗原結合、アビジン−ビオチン結合など)などから選択することができる、非共有性化学結合を形成する。第1の結合基は、イオン性基、水素結合供与体若しくは水素結合受容体、又はこうしたいずれかの基の前駆体とすることができ、ここで、前駆体とは、例えば、環境条件の変化時又は活性剤との反応時に、イオン性基、水素供与体又は水素受容体に変換することができる基である。
プロト層22、24は、無機ナノ材料及び犠牲材料を含む。無機ナノ材料は、例えば、金属酸化物のナノ粒子(例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア)又はその前駆体とすることができる。前駆体の一例は、水に安定なチタニア前駆体、ビス(乳酸アンモニウム)チタン(IV)である。犠牲材料は、無機ナノ材料に対して相補的な結合を有するポリマー(単数又は複数)である。第1の結合基及び相補的な第2の結合基を有する材料には、一部の例では、ポリアニオン性材料及びポリカチオン性材料が挙げられ、他の例では、水素結合供与性材料及び水素結合受容性材料が挙げられる。ポリマー、ナノ粒子及び低分子が、それぞれ、複数のアニオン性又はカチオン性帯電部位を含む場合、これらは、「ポリアニオン性」又は「ポリカチオン性」と称することができる。
静電的相互作用が使用されてLbLコーティングを形成する場合、犠牲材料はポリ電解質材料又はポリマーである。典型的なポリカチオン性材料又はポリマーには、線状及び分岐状のポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリビニルアミン、キトサン、ポリアミドアミン及びポリ(ビニルベンジルトリメチルアミン)が挙げられる。典型的なポリアニオン性材料又はポリマーには、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(ビニルサルフェート)、ポリ(ビニルスルホネート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、デキストラン硫酸塩、ヘパリン、ヒアルロン酸、カラゲナン、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、スルホン化テトラフルオロエチレンをベースとするフルオロポリマー(Nafion(登録商標)など)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)及びヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられる。ポリ電解質の分子量は、約1,000g/モル〜約1,000,000g/モルの範囲で様々となり得る。一部の実施形態では、(例えばPDAC)正に帯電しているカチオン性層の分子量(Mw)は、100,000g/モル〜200,000g/モルの範囲である。一般に、ポリ電解質の酸形態又は塩形態の一方が上に列挙されているが、2つの形態が酸(Ka)又は塩基(Kb)の解離定数に従う平衡状態で存在することが理解される。
LbLコーティングの機構として、水素結合を使用することが可能である。この場合、犠牲材料は、水素結合供与性ポリマー(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリビニルアルコール)又は水素結合受容性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン)である。水素結合は、より電気陰性原子に結合している水素原子と、一般に水素よりもやはり電気陰性で、かつ1つ以上の孤立電子対を有しており、塩基として作用することが可能な別の原子との間の、比較的弱い二次相互作用である。水素結合供与体は、水素結合の形成及び水素原子に結合しているより電気陰性な原子に関与し得る、少なくとも1個の水素原子を含有する部位である。これらの部位の例には、好ましくは、O−H及びN−Hが挙げられ、それほど好ましくはないが、P−H、S−Hが挙げられる。炭素原子が三重結合を介して別の原子に結合している場合、炭素原子が二重結合を介してOに結合している場合、又は炭素原子が、O、F、Cl及びBrから選択される、少なくとも2個の原子に結合している場合、C−H部位もそれほど好ましくはない水素結合供与体である。水素結合受容体は、孤立電子対をやはり有する、水素よりも電気陰性な原子を含む部位である。これらの原子の例には、好ましくは、N、O及びFが挙げられ、それほど好ましくはないが、Cl、Br、I、S及びPが挙げられる。水素結合受容体部位の例には、C=O、O−H、N−H、C−F、P=O及びC≡Nが挙げられる。水素結合を利用する有用なLbL材料には、水素結合供与体及び/又は水素結合受容体を含有するポリマー、例えばポリアクリル酸及びポリメタクリル酸などのポリカルボン酸、ポリ(アデニル酸)、ポリ(ウリジル酸)、ポリ(シチジル酸)、ポリ(ウリジル酸)及びポリ(イノシン酸)などのポリヌクレオチド、ポリ(ビニルアデニン)などのビニル核酸のポリマー、ポリグルタミン酸及びポリ(ε−N−カルボベンゾキシ−L−リシン)などのポリアミノ酸、ポリ(ビニルアルコール)などのポリアルコール、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(1,2−ジメトキシエチレン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)及びポリ(ビニルベンゾ−18−クラウン−6)などのポリエーテル、ポリビニルブチラール及びポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)などのポリケトン及びポリアルデヒド、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド及びポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)などのポリアクリルアミド、ポリ(4−アミン)スチレンなどのポリアミン、ポリ(シクロヘキサン−1,4−ジメチレンテレフタレート)及びポリヒドロキシメチルアクリレートなどのポリエステル、ポリ(ビス(メチルアミノ)ホスファゼン)及びポリ(ビス(メトキシエトキシエトキシ)ホスファゼンなどのポリホスファゼン、カルボキシメチルセルロースなどの多糖類、並びにそれらのコポリマーが挙げられる。
LbLによって複数のプロト層を堆積する工程が、図2に例示されている。剥離性表面13を備えたポリマー支持層又は担体フィルム11に、第1の結合基を有する材料(例えば、カチオン性ポリマー)が噴霧され、洗浄されて、次に、相補的な第2の結合基を有する材料(例えば、アニオン性ナノ粒子)が噴霧されて洗浄されると、「二層」又は「サブプロト層対」122が得られ、これは、LbLコーティングの基本単位となる。複数の二層が、プロト層の厚さを構築するよう、目標とする値まで堆積される(再循環工程101)。プロト層22の目標厚さに一旦、到達すると、噴霧、洗浄、噴霧、洗浄という工程が、第2のプロト層に繰り返される(再循環工程102)。
例示的な例として、プロト層Aがシリカナノ粒子及びポリカチオン性ポリマーを含み、プロト層Bがチタニアナノ粒子及びポリカチオン性ポリマーを含む、ABABABコーティングは、プロト層Aあたり5つの二層及びプロト層Bあたり7つの二層、又は二種一組(AB)のプロト層あたり12の二層を必要とし得る。コーティング全体は、3*12=36の二層を必要とし、72回の噴霧−洗浄周期を必要とする。積層の転写及びベークアウトの後、プロト層A及びBは、それぞれ低屈折率層及び高屈折率層であるA及びBに変換される。
各プロト層22及び24の配合物は、最終的にベークアウトした光学スタックにおいて様々な特性を実現するという要求に応える。多くの実施形態では、1つ以上の第1のプロト層22は、犠牲材料及び第1の熱安定材料を有しており、1つ以上の第2のプロト層24は、犠牲材料及び第2の熱安定材料を有する。第1及び第2の熱安定材料は、異なる材料であるか、又は異なる物理的若しくは光学的特性を有する異なる種類の材料である。例えば、第1のプロト層22の配合物は、第2のプロト層24の熱安定材料とは異なる屈折率(例えば、少なくとも、0.1、又は少なくとも0.2、又は少なくとも0.3、又は少なくとも0.4)を有する熱安定材料、又はこの熱安定材料への前駆体を有することができる。これらの異なる種類の材料の例には、以下の例に例示されている通り、シリカ及びチタニアなどの無機ナノ材料が挙げられる。第1のプロト層中の犠牲材料は、第2のプロト層中のものと同一であってもよく、又は第2のプロト層中のものとは異なっていてもよい。
層配合物22及び24(又は、A及びB)が交互の4つの層を有する、プロト層のスタック20が例示されているが、プロト層のスタック20は、三種の異なる層配合物A、B及びC、又は四種の異なる層配合物A、B、C及びDを有することができることが理解される。多くの実施形態では、プロト層のスタック20は、二種一組の22及び24(又は、A及びB)、又は三種一組のA、B、C、又は四種一組のA、B、C及びDなどの繰り返し単位を有する。これらの繰り返し単位のプロト層のスタック20は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は10超の繰り返し単位を有することができる。
一実施形態では、プロト層のスタック20は、6つのプロト層のスタックにおいて4つの層の配合物A、B、C、D、又はCACDBDからなる6つの層の繰り返しシークエンスを利用する。米国特許出願公開第2005/0141093号においてこの配置が例示されており、多層光学干渉反射フィルムについて記載されている。各プロト層及び続いてベークアウトした光学層の厚さは、高次光反射を抑制するような要求に応えることができる。
プロト層のスタック20は、剥離性表面13を有するポリマー支持層又は担体層11上で堆積され得るか、又は形成され得る。ポリマー支持層又は担体層11は、プロト層のスタック20に対する機械的支持をもたらす、熱に安定なフレキシブルフィルムにより提供され得る。ポリマー支持層11は剥離性表面13を有しており、このことは、ポリマー支持層11により、剥離性表面13に適用されたプロト層のスタック20が剥離するのを可能にすることを意味している。ポリマー支持層又は担体層11は、70℃超又は代替として120℃超の熱安定性があり得る。担体フィルムの一例は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)である。
様々な熱硬化性又は熱可塑性ポリマーを含む様々なポリマーフィルム基材は、ポリマー支持層又は担体層11として使用するのに適している。ポリマー支持層又は担体層11は、単層又は多層フィルムとすることができる。担体層フィルムとして使用することができるポリマーの例示的な例には、(1)ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−co−パーフルオロ(アルキル)ビニルエーテル)、ポリ(フッ化ビニリデン−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素化ポリマー、(2)E.I.duPont de Nemours、Wilmington、DE.から入手可能な、商標SURLYN−8920及び商標SURLYN−9910などの、エチレンコポリマーアイオノマーである、ナトリウムイオン又は亜鉛イオンを有するポリ(エチレン−co−メタクリル酸)、(3)低密度ポリエチレンなどの低密度ポリオレフィン、線状低密度ポリエチレン、及び超低密度ポリエチレン、可塑化ポリ(塩化ビニル)などの可塑化ハロゲン化ビニルポリマー、(4)ポリ(エチレン−co−アクリル酸)「EAA」、ポリ(エチレン−co−メタクリル酸)「EMA」、ポリ(エチレン−co−マレイン酸)及びポリ(エチレン−co−フマル酸)などの酸官能性ポリマーを含むポリエチレンコポリマー、ポリ(エチレン−co−アルキルアクリレート)などのアクリル官能性ポリマー(アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど又はCH3(CH2)n−であり、nは0〜12である)、並びにポリ(エチレン−co−ビニルアセテート)「EVA」、及び(5)(例えば)脂肪族ポリウレタンが挙げられる。ポリマー支持層又は担体層11は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレンを少なくとも50重量%、通常含む、オレフィンポリマー材料とすることができ、エチレン及びプロピレンが最も一般的に使用される。他のポリマー支持層又は担体層11には、例えば、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、メタクリル酸ポリメチル又は「PMMA」)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン又は「PP」)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート又は「PET」)、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース(cellulose triacetate、TAC)、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、環式オレフィンコポリマー、エポキシドなどが挙げられる。一部の実施形態では、ポリマー支持層又は担体層11は、紙、剥離コーティング紙、不織布、織布(布地)、金属フィルム及び金属箔を挙げることができる。
一部の実施形態では、ポリマー支持層又は担体層11は、転写工程の間にプロト層のスタック20に残留することができる犠牲材料を含むことができる。例えば、ポリマー支持層又は担体層11は、PET層上にPMMA剥離層を含むことができ、この場合、この剥離層は、PET層から剥離した後に、プロト層のスタック20上に残る。犠牲材料(PMMA剥離層など)は、犠牲層内に存在する有機物質を実質的にすべて気化させるか、又は揮発性副生物に分解することができる熱条件に、犠牲材料を施すことにより熱分解させることができる。これらの場合、この層は犠牲剥離層と呼ぶことができる。これらの犠牲層は、この犠牲層中に存在する有機材料のすべてを燃焼し尽くすために、燃焼を施すこともできる。通常、ポリ(メタクリル酸メチル)又はポリ(アクリル酸エチル−co−メタクリル酸メチル)(co−PMMAと呼ばれる)などの透明な高純度ポリマーを犠牲材料として使用することができる。有用な犠牲材料は、ベークアウト温度での熱分解又は燃焼後に、有機残留物(灰分)をほとんどわずかしか、通常、1重量%未満の残留物しか残さない。
プロト層のスタック20は、本明細書に記載されているLbL法によって、支持層又は担体層11上に形成及び配置(矢印2)される。プロト層のスタック20は、各層22、24を互いに、逐次形成させることによって形成される。犠牲接着層30は、積層工程(矢印6)の間に、受容基材40にプロト層のスタック20を接着させる手助けをするために、プロト層のスタック20上に適用又は配置(矢印4)され得る。この積層された転写フィルム/受容基材物品110は、次に、ベークアウトされて(矢印8)、プロト層22、24中の犠牲材料23が除去され得る。得られたベークアウトした物品が、光学スタック25である。犠牲接着層30及び任意の剥離材料13は、ベークアウトされて、やはり、受容基材40に固定された光学スタック25が残り得る。
受容基材40の例には、ディスプレイ用マザーガラス(例えば、バックプレーンマザーガラス)、ディスプレイ用カバーガラス、照明用マザーガラス、建築用ガラス、ロールガラス及びフレキシブルガラスなどのガラスが挙げられる。フレキシブルロールガラスの一例は、商標名WILLOWガラスでCorning Incorporated(Corning、NY)から市販されている。受容基材の他の例には、金属部品、金属シート及び金属箔などの金属が挙げられる。受容基材の更に他の例には、窒化ガリウム、サファイア、ケイ素、シリカ及び炭化ケイ素が挙げられる。多くの実施形態では、受容基材40は、ガラス、石英又はサファイアである。受容基材40は、平坦又は湾曲していてもよい。
ディスプレイ用バックプレーンマザーガラス受容基材は、積層転写フィルムが適用される受容基材の側に、場合により緩衝層を含むことができる。緩衝層の例が、参照により本明細書に、あたかも完全に説明されているかのごとく組み込まれている、米国特許第6,396,079号に記載されている。緩衝層のタイプの1つは、K.Kondoh et al.,J.of Non−Crystalline Solids 178(1994)189−98及びT−K.Kim et al.,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.448(1997)419−23に記載されているSiO2の薄層であり、これらのどちらも、あたかも完全に説明されているかのごとく、参照により本明細書に組み込まれている。
本明細書に記載されている転写フィルム及び方法の具体的な利点は、ディスプレイ用マザーガラス又は建築用ガラスなどの大きな表面積を有する基材に光学スタックを付与することができることである。本明細書に記載されている転写フィルム100は、例えば、大型デジタルディスプレイ基材(例えば、52インチ幅×31.4インチ高さの寸法(132センチメートル幅×79.8センチメートル高さ)を有する、140cm(55インチ)の対角AMOLED HDTV)の少なくとも全体に光学スタックを付与するために使用するのに十分大きな寸法を有する。
プロト層のスタック20の各層中の犠牲材料は、きれいにベークアウトされて、光学スタック25の各層を画定する、熱安定材料が残り得る。一部の実施形態では、熱安定材料は、完全に又は一部が溶合して、ガラス様材料にすることができる。
熱安定材料
熱安定材料は、光学コーティング又はスタックを形成するために利用することができる。熱安定材料には、例えば、熱安定性分子種が挙げられる。熱安定材料が、「ベークアウト」又は熱分解中などの犠牲材料の除去中に、実質的に無傷のままでいる材料であるか又はこうした材料に変換される、前駆体材料を含むことが理解される。熱安定材料には、無機ナノ粒子、並びに場合によりポリシロキサン及び無機材料の化学前駆体に由来する無機残留物を挙げることができる。
これらナノ粒子は、様々なサイズ及び形状とすることができる。ナノ粒子は、約1000nm未満、約500nm未満、約250nm未満、約100nm未満、約50nm未満又は約35nm未満の平均粒子径を有することができる。ナノ粒子は、約3nm〜約50nm、又は約3nm〜約35nm、又は約5nm〜約25nmの平均粒子径を有することができる。ナノ粒子が凝集する場合、凝集粒子の最大の断面寸法はこれらの範囲のいずれかの範囲内とすることができ、約100nmより大きくてもよい。一次サイズが約50nm未満を有するシリカ及びアルミナなどの「ヒュームド」ナノ粒子(Cabot Co.(Boston、MA)から入手可能な、CAB−O−SPERSE PG002ヒュームドシリカ、CAB−O−SPERSE2017Aヒュームドシリカ、及びCAB−O−SPERSE PG003ヒュームドアルミナなど)も使用することができる。それらの測定は、透過型電子顕微鏡(transmission electron microscopy、TEM)に基づくことができる。ナノ粒子は、実質的に完全に縮合され得る。コロイド状シリカなどの完全凝縮ナノ粒子は、通常、その内部にヒドロキシルを実質的に有さない。シリカを含有していない完全縮合ナノ粒子は、通常、55%より大きく、好ましくは60%より大きく、より好ましくは70%より大きい結晶化度(独立粒子として測定)を有する。例えば、結晶化度は、最大約86%又はそれを超える範囲とすることができる。結晶化度は、X線回折技法により測定することができる。凝縮した結晶性(例えば、ジルコニア)ナノ粒子は、高い屈折率を有する一方、アモルファスナノ粒子は、通常、より低い屈折率を有する。球形、ロッド、シート、筒、ワイヤ、立方体、円錐、四面体などの、様々な形状の無機ナノ粒子を使用することができる。
粒子のサイズは、最終物品において、大きな可視光散乱を防止するよう選択することができる。選択されるナノ材料は、様々な光学特性(すなわち、屈折率、複屈折)、電気特性(例えば、導電率)、機械特性(例えば、靭性、鉛筆硬度、耐引っかき性)、又はこれらの特性の組合せを付与することができる。
適切な無機ナノ粒子の例には、元素のジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)、金(Au)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Te)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、ランタン(La)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Rh)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、セリウム(Ce)、ストロンチウム(Sr)及びそれらの任意の組合せ(例えば、インジウムスズ酸化物)を含めた、金属ナノ粒子又はそれらの酸化物の各々が挙げられる。
適切な無機ナノ粒子の更なる例には、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化鉛、フッ化アルミニウム及びフッ化バリウムなどのフッ化物が挙げられる。適切な無機ナノ粒子の更なる例には、窒化ケイ素などの窒化物が挙げられる。適切な無機ナノ粒子の更なる例には、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム及びチタン酸バリウムストロンチウムなどのチタン酸塩が挙げられる。適切な無機ナノ粒子の更なる例には、混合金属酸化物(例えば、アルミノシリケート)、混合フッ化金属塩、混合窒化物及び混合チタン酸金属塩が挙げられる。
好ましい実施形態では、二酸化チタン(チタニア)のナノ粒子が使用される。チタニアナノ粒子は、約5nm〜50nm、又は5nm〜15nm又は10nmの粒子サイズを有することができる。アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型及びアモルファス形態を含む、様々な形態のチタニアを利用することができる。アナターゼチタニアのナノ粒子(5〜15nmの直径)は、U.S.Research Nanomaterials(Houston、TX)から、15重量%の水性懸濁液として市販されている。チタニアゾルもまた、石原産業株式会社(大阪、日本)から、強酸又は強塩基条件中で分散されて入手可能である。チタニアゾルはまた、Titan PE(Shanghai、中国)から、製品コードX500で入手可能である。チタニアの等電点は約pH4〜6であり、したがって、6より大きいpH、好ましくは7より大きいpH、より好ましくは8より大きいpHでの交互積層自己組織化では、ポリアニオンとして、又はpH4未満、より好ましくはpH3未満では交互積層自己組織化においてポリカチオンとして使用することができる。
別の好ましい実施形態では、酸化ジルコニウム(ジルコニア)のナノ粒子が使用される。ジルコニアナノ粒子は、約5nm〜100nm、又は5nm〜15nm又は10nmの粒子サイズを有することができる。ジルコニアは、製品名NALCO OOSSOO8で、Nalco Chemical Co.(Naperville、Ill.)から、及び商標名「Buhler zirconia Z−WO sol」で、Buhler AG Uzwil、20、スイスから市販されている。ジルコニアナノ粒子はまた、米国特許第7,241,437号(Davidsonら)及び米国特許第6,376,590号(Kolbら)に記載されているものなどを調製することができる。チタニア、酸化アンチモン、アルミナ、酸化スズ及び/又は混合金属酸化物のナノ粒子は、プロト層又は光学スタック中に存在することができる。
適切な無機ナノ粒子の他の例には、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム化ケイ素(SiGe)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、窒化ホウ素(BN)、炭化ホウ素(B4C)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、リン化インジウム(InP)、ヒ化窒化ガリウム(GaAsN)、ヒ化リン化ガリウム(GaAsP)、ヒ化窒化インジウムアルミニウム(InAlAsN)、酸化亜鉛(ZnO)、亜鉛セレニド(ZnSe)、亜鉛スルフィド(ZnS)、テルル化亜鉛(ZnTe)、セレン化水銀亜鉛(HgZnSe)、鉛スルフィド(PbS)、テルル化鉛(PbTe)、スズスルフィド(SnS)、テルル化鉛スズ(PbSnTe)、テルル化タリウムスズ(Tl2SnTe5)、リン化亜鉛(Zn3P2)、ヒ化亜鉛(Zn3As2)、アンチモン化亜鉛(Zn3Sb2)、ヨウ化鉛(II)(PbI2)、酸化銅(I)(Cu2O)などの半導体として知られている元素及び合金、並びにそれらの酸化物の各々が挙げられる。
二酸化ケイ素(シリカ)ナノ粒子は、5nm〜75nm、又は10nm〜30nm又は20nmの粒子サイズを有することができる。好適なシリカは、商標名NALCO COLLOIDAL SILICASでNalco Chemical Co.(Naperville、Ill.)から市販されている。例えば、シリカには、NALCOの商標名の1040、1042、1050、1060、2327及び2329が挙げられる。オルガノシリカも、製品名IPA−ST−MS、IPA−ST−L、IPA−ST、IPA−ST−UP、MT−ST−M及びMA−STで、Nissan Chemical America Co.(Houston、TX)から、並びにSNOWTEX ST−40、ST−50、ST−20L、ST−C、ST−N、ST−O、ST−OL、ST−ZL、ST−UP及びST−OUPで、やはりNissan Chemical America Co.(Houston、TX)から入手可能である。適切なヒュームドシリカには、例えば、Evonik AG(Essen、ドイツ)から入手可能な、商標名AEROSILシリーズのOX−50、−130、−150及び−200で、及びCabot Corp.(Tuscola、Ill.)から入手可能なCAB−O−SPERSE 2095、CAB−O−SPERSE A105、CAB−O−SIL M5で販売されている製品が挙げられる。
未修飾のシリカナノ粒子は、特に、ナノ粒子が水性分散液の形態で供給される場合、ナノ粒子表面のヒドロキシル又はシラノール官能基を一般に含むことが認識されている。シリカナノ粒子の水性分散液はまた、アンモニウム又はナトリウムで安定化され得る。シリカの等電点は約pH2であり、したがって、2より大きいpH値、より好ましくは3以上のpH値では、交互積層自己組織化法においてポリアニオンとして使用することができる。
適切な無機ナノ粒子の例には、希土類元素として知られている元素、及びそれらの酸化物(ランタン(La)、セリウム(CeO2)、プラセオジム(Pr6O11)、ネオジム(Nd2O3)、サマリウム(Sm2O3)、ユーロピウム(Eu2O3)、ガドリニウム(Gd2O3)、テルビウム(Tb4O7)、ジスプロシウム(Dy2O3)、ホルミウム(Ho2O3)、エルビウム(Er2O3)、ツリウム(Tm2O3)、イッテルビウム(Yb2O3)及びルテチウム(Lu2O3)の酸化物など)が挙げられる。
ナノ粒子は、表面処理剤により処理することができる。ナノサイズの粒子の表面処理により、コーティング溶液中のナノ粒子の安定化の改善、及び/又はLbLコーティング中の充填密度の改変をもたらすことができる。イオン性基又は水素結合性基などの結合性基を付与するために、ナノ粒子の表面処理が必要となり得、こうして、このナノ粒子は、交互積層自己組織化法において利用することができる。一般に、表面処理剤は、粒子表面に結合する第1の末端(共有結合性、イオン性又は強力な物理吸着による)を有しており、第2の末端が、この粒子表面に所望の官能性をもたらす。表面処理剤の例には、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン及びチタン酸塩が挙げられる。好ましいタイプの処理剤は、部分的には、金属酸化物表面の化学的性質により決定される。シランは、シリカ及び他のシリカ系充填剤に好ましい。ホスホン酸及びカルボン酸は、ジルコニア及びチタニアなどの金属酸化物に好ましい。表面修飾剤の必要量は、粒子サイズ、粒子タイプ、修飾剤の分子量及び修飾剤のタイプなどのいくつかの因子に依存する。一般に、ほぼ修飾剤の単層が粒子の表面に結合されるのが好ましい。必要とされる結合手順又は反応条件も、使用される表面修飾剤に依存する。シランの場合、酸性又は塩基性条件下、約1〜24時間、高温で表面を処理するのが好ましい。カルボン酸などの表面処理剤は、高温又は長時間を必要としないことがある。
組成物に好適な表面処理剤の代表的な実施形態には、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び1−ヒドロキシエタン−1,1,−ジホスホン酸などの化合物が挙げられる。
犠牲接着層
犠牲接着層は、転写フィルムの性能に実質的に悪影響を及ぼすことなく、受容基材への転写フィルムの接着を増強する任意の材料により提供され得る。この層はまた、接着促進層として記載することもできる。犠牲接着層は、受容基材とベークアウト済み熱安定構造との間に、最終的な永久結合を促進するように思われる。この犠牲接着層は、本明細書に記載されている方法の間に、きれいにベークアウトされることが可能である。
有用な犠牲接着材料又は接着促進性材料には、フォトレジスト(ポジティブ及びネガティブ)、自己組織化単分子膜、シランカップリング剤及び高分子が挙げられる。一部の実施形態では、シルセスキオキサンが、接着促進層として機能することができる。他の例示的な材料には、ベンゾシクロブタン、ポリイミド、ポリアミド、シリコーン、ポリシロキサン、シリコーンハイブリッドポリマー、(メタ)アクリレート、及びエポキシド、エピスルフィド、ビニル、ヒドロキシル、アリルオキシ、(メタ)アクリレート、イソシアネート、シアノエステル、アセトキシ、(メタ)アクリルアミド、チオール、シラノール、カルボン酸、アミノ、ビニルエーテル、フェノール類、アルデヒド、ハロゲン化アルキル、シンナメート、アジド、アジリジン、アルケン、カルバメート、イミド、アミド、アルキン、及びこれらの基の任意の誘導体又は組合せなどの幅広い反応性基により官能基化されている他のシラン又は高分子を挙げることができる。
最終光学スタックは、以下を含めた、任意の有用な光学素子を形成することができるが、それらに限定されない。1−Dフォトニック結晶としても知られているBragg反射器は、高屈折率層及び低屈折率層を交互に使用することによる、波長の所望の帯域の範囲内の光を少なくとも一部、反射することが、当業者に一般に理解されている。異なるRIを有する層間の境界面が段階的な反射を生じ、ある波長を選択的に強め(強め合う干渉)、他の波長を消す(弱め合う干渉)。層厚さなどのある種の変数を選択することによって、屈折率、層の数並びに反射された及び/又は透過した波長の帯域を調節して、望むだけ幅を広げるか又は狭めることができる。
反射防止フィルム及びコーティングが機能する物理的原理は公知である。ARコーティングは、正確な光学厚さの高屈折率(refractive index、「RI」)層と低屈折率層とを交互にして構成されている場合が多い。光学厚さ「t」は、
t=nd (1)
t=nd (1)
(式中、nは屈折率であり、dはスタックの実際の物理的な厚さである)の通り、定義される。可視光に関すると、この厚さは、反射されることになる光の波長の四分の一程度である。人間の目は、約550nmの光に最も敏感である。したがって、この光学範囲で反射光の量を最小限にする方法で、低屈折率及び高屈折率のコーティング厚を設計するのが望ましい。反射防止コーティングは、単一な四分の一の波長の層からなることができるか、又は1つ以上の低屈折率層及び1つ以上の高屈折率層を含むことができる。
本開示の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例に引用されている具体的な材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないと解釈されるべきである。
(実施例)
特に記載のない限り、実施例及び本明細書の他におけるすべての部、割合、比などは、重量基準である。特に記載のない限り、化学品はすべて、Sigma−Aldrich Co.(St.Louis、Missouri)などの化学品供給業者から得たか、又は入手可能である。
以下は、実施例を通じて使用した材料の一覧表示、並びにそれらの簡単な説明及び由来である。
「PDADMAC」は、Sigma−Aldrich Co.(St.Louis、Missouri)からの、水中20重量%溶液として得られる、分子量100〜200Kを有する、正に帯電しているポリマーである、ポリ(塩化ジアリル−ジメチルアンモニウム)を指す。
「SiO2」は、別段の指定がない限り、Sigma−Aldrich Co.(St.Louis、Missouri)から、商標名「Ludox AS−40」で40重量%水性分散液として得られる、シリカナノ粒子(20〜24nmの直径、アンモニウムにより安定化)を指す。
「TiO2」は、Sigma−Aldrich Co.(St.Louis、Missouri)から、特別注文(製品番号Q52940、ロット番号SHBD2327V)によって入手可能な、商標名「TiMaKs−W10.1」で水中の10重量%懸濁液として得られる、アニオン性アナターゼチタニアナノ粒子を指す。
「TMAOH」は、Alfa Aesar(Ward Hill、MA)から、水中の25重量%溶液として得られる、水酸化テトラメチルアンモニウムを指す。
「TMACl」は、Sigma−Aldrich(St.Louis、Missouri)から、水中の5M溶液として得られる、塩化テトラメチルアンモニウムを指す。
「IPA」は、VWR(West Chester、PA)から得られる2−プロパノールを指す。
調製実施例1(PE−1)−交互積層(LbL)コーティング用のPDADMACコーティング溶液の調製
4Lのプラスティック製ジャグに56.5gのPDADMAC(水中の20重量%)をまず添加することにより、20mMの濃度のPDADMACのコーティング溶液(繰り返し単位について)を作製した。次に、脱イオン(deionized、DI)水を3499.5gの塊に加え、この溶液を磁気撹拌子を用いて30分間、撹拌した。TMAOH(水中の25重量%)の約0.5mLを加え、この溶液のpHを10.0に調節した。
調製実施例2(PE−2)−交互積層(LbL)コーティング用のSiO2ナノ粒子コーティング溶液の調製
4Lのプラスチック製ジャグに84gのSiO2(水中、40重量%)をまず添加することにより、9.6g/L(48mM TMAClを含む)の濃度のSiO2ナノ粒子のコーティング溶液を作製した。次に、脱イオン水を3457.4gの塊に加えた。次に、33.6mLの体積のTMACl(水中、5M)を撹拌しながら、滴下して加えた。約9.0mLのTMAOH(水中の25重量%)を滴下して加え、この溶液のpHを11.5に調節した。
調製実施例3(PE−3)−交互積層(LbL)コーティング用のTiO2ナノ粒子コーティング溶液の調製
4Lのプラスチック製ジャグに350gのTiO2(水中、10重量%)をまず添加することにより、10g/L(65mM TMAClを含む)のTiO2ナノ粒子のコーティング溶液を作製した。次に、脱イオン水を3452.0gの塊に加えた。次に、45.5mLの体積のTMACl(水中、5M)を撹拌しながら、滴下して加えた。TMAOH(水中の25重量%)の約2.5mLを滴下して加え、この溶液のpHを11.5に調節した。
調製実施例4(PE−4)−犠牲剥離層を備えたPETフィルムの調製
これらの実施例において使用した基材は、ロール−ツー−ロールウェブコーティング法を使用し、2−ブタノン中の20重量%のPMMAコポリマー(メタクリル酸メチル75重量%、アクリル酸エチル25重量%、「PRD510−A」Altuglas Inc.、Bristol、PA)溶液に由来するコポリマーを6マイクロメートル厚でコーティングした2ミル(0.005cm)のPETフィルムであった。
調製実施例5(PE−5)−感圧接着剤のコーティング溶液の調製
感圧接着剤のコーティング溶液は、米国特許RE24,906に記載されている通り(Ulrichでは、1−ブタノールを用いて酢酸エチル/ヘプタン中の54重量%から15重量%まで希釈された)、アクリル酸イソオクチル(isooctyl acrylate、IOA)/アクリル酸(acrylic acid、AA)(93/7)を含んだ。
コーティング溶液のpHを測定する方法
コーティングで使用する溶液のpHを、VWR sympHony(登録商標)pH計に接続されたVWR sympHony(登録商標)ラギッドバルブpH電極を使用して測定した。較正のために標準緩衝液を使用した。
コーティングの厚さ及び屈折率を測定する方法
ガラス上の交互積層自己組織化コーティングの厚み及び屈折率を、可変角度分光エリプソメータ(M−2000VI(登録商標)、J.A.Woollam Co.、Inc.、Lincoln、NE)を使用して測定した。基材の裏側の反射を抑制するために、マット仕上げされているScotch(登録商標)Magic(商標)テープ(3M Company、St.Paul、MN)を基材の裏側に貼付した。370〜1690nm、入射角50°、60°及び70°で偏光解析データを取得した。試料を説明するために使用した光学モデルは、ガラス製スライド基材用のコーシー(Cauchy)層、及び交互積層コーティング用の別個のコーシー層からなった。一部の場合、光学モデルに粗面層を追加すると、データへの適合度が改善された。WVASE32ソフトウェアを利用し、実験データにモデルパラメータ(厚さ及びコーシーパラメータ)を適合させた。
コーティングの可視透過率及び反射率を測定する方法
別段の指定がない限り、ガラス上のコーティングの可視光透過率(%T)及び反射率(%R)は、積分球を備えたLAMBDA1050 UV/Vis/NIR分光計(Perkin Elmer,Inc(Waltham、MA)より入手)を用いて測定した。反射率測定に関すると、試料の裏側の反射をなくすために、黒色絶縁テープ(3M Company、St.Paul、MN)を試料の裏側に積層した。
交互積層コーティングを調製するための一般法
交互積層自己組織化コーティングは、Svaya Nanotechnologies、Inc.(Sunnyvale、CA)から購入した装置を使用して作製し、米国特許第8,234,998号(Krogmanら)及びKrogman et al.Automated Process for Improved Uniformity and Versatility of Layer−by−Layer Deposition、Langmuir 2007、23、3137−3141に記載されているシステムの後にモデル化した。この装置は、コーティング溶液を充填した圧力容器を備えている。平坦噴霧パターンを備えた噴霧ノズル(Spraying Systems、Inc.、Wheaton、Illinoisから)を装着し、電磁弁によって制御して、コーティング溶液及び洗浄用水を指定時間、噴霧する。コーティング溶液を含む圧力容器(Alloy Products Corp.、Waukesha、WI)に窒素を使用して30psi(0.2MPa)まで加圧し、一方、DI水を含む圧力容器に空気を用いて30psi(0.2MPa)に加圧する。基材12”×12”(30cmx30cm)に、携帯型BD−20AC Laboratory Corona Treater(Electro−Technic Products、Inc.、Chicago、IL)を使用して、空気コロナ処理を施し、次に、縦型移動ステージに装着し、真空チャンクを用いて面内に維持する。典型的なコーティングシークエンスでは、ポリカチオン(例えば、PDADMAC)溶液を基材上に噴霧する一方、ステージを縦方向で下方に76mm/秒で移動させる。次に、約4秒の滞留時間の後、DI水溶液を基材上に噴霧する一方、ステージを縦方向で上方に102mm/秒で移動させる。次に、約4秒の滞留時間の後、ポリアニオン(例えば、SiO2又はTiO2)溶液を基材上に噴霧する一方、ステージを縦方向で下方に76mm/秒で移動させる。最後に、約4秒の滞留時間の後、DI水溶液を基材上に噴霧する一方、ステージを縦方向で上方に102mm/秒で移動させる。上記のシークエンスを繰り返し、所望の数の「二層」を堆積する。一般に、コーティングは、(ポリカチオン/ポリアニオン)xと表され、xは、堆積した「二層」の数である。「二層」は、ポリカチオン層とポリアニオン層との組合せを指す。ポリカチオン層は、ポリカチオン性ポリマー又はナノ粒子を含むことができる。同様に、ポリアニオン層は、ポリアニオン性ポリマー又はナノ粒子を含むことができる。コーティングは、コーティング工程の後に、圧縮空気又は窒素により乾燥される。
実施例1(EX−1)−転写フィルムを作製するための交互積層コーティング。転写フィルムの施用後のガラス上への片面反射防止(AR)コーティング。
上の調製実施例4(PE−4)に記載されているco−PMMA剥離層を備えたPET基材上に、「交互積層コーティングを調製するための一般法」を利用して、(PDADMAC/SiO2)6(すなわち、サブプロト層対を6つ備えた1つのプロト層)交互積層コーティングを堆積した。このプロト層は、HazeGard Plus(BYK−Gardner USA、Columbia、MD)を用いて測定したところ、可視光透過率92.5%を有する。交互積層コーティングの上に、ワイヤ巻き取りロッド(Mayer Rod番号25、ウエットフィルム厚57.15μm、RD Specialties、Webster、New Yorkから入手)を使用して、感圧接着剤のコーティング溶液(上の調製実施例5(PE−5)に記載されている)を塗布した。次に、この接着剤コーティングをオーブン中、150℃で10分間、乾燥させた。この転写フィルムの概ね1”×2”(3cm×5cm)なる小片を、接着ローラーを使用して、1.5”×3”(3.8cm×8cm)×1.0mmのガラス製スライド(Fisherbrand Plain Miscroscope Slide、予め清浄済み、Hampton、New Hampshire)に積層した。積層する前に、ガラス製スライドを、IPA、次に、DI H2Oで清浄し、窒素流下で乾燥させた。積層した後、PET裏材を剥がして、ガラス製基材上に、接着層、交互積層コーティング及びco−PMMA犠牲剥離層を残した。次に、このガラスを炉(Sybron Thermolyneモデル1300、Barnstead/Thermolyne Corp.、Dubuque、Iowa)に入れ、温度を約35℃/分で550℃まで勾配を設け、1時間、等温で保持し、受動的に冷却して室温に戻した。
上記の「コーティングの厚さ及び屈折率を測定する方法」を利用し、ガラス上のコーティングの厚みは99.7nmと測定され、550nmにおけるコーティングの屈折率は1.26と測定された。上記の「コーティングの可視透過率及び反射率を測定する方法」を利用すると、可視範囲(400〜700nm)での平均%Tは、95.1%であった。比較すると、非コーティングガラス製スライドは、可視範囲(400〜700nm)において、91.6%Tの平均透過率を有する。このARコーティングは、かすかに青色の反射を有する。
実施例2(EX−2)−転写フィルムの施用後の、ガラス上の両面ARコーティング
実施例1に記載されている転写フィルムの小片1”×2”(約3cm×5cm)2つを、接着ローラーを使用して、清浄した1.5”×3”(3.8cm×8cm)×1.0mmのガラス製スライド(Fisherbrand Plain Miscroscope Slide、予め清浄済み、Hampton、New Hampshire)の反対側に積層した。積層後、PET裏材を除き、この試料を炉(Sybron Thermolyneモデル1300、Barnstead/Thermolyne Corp.、Dubuque、Iowa)に入れた。温度を約35℃/分で550℃まで勾配を設け、1時間、等温で保持し、受動的に冷却して室温に戻した。上記の「コーティングの可視透過率及び反射率を測定する方法」を利用すると、可視範囲(400〜700nm)での平均%Tは、98.5%Tであった。比較すると、非コーティングガラス製スライドは、91.6%Tの可視範囲(400〜700nm)の平均%Tを有する。図3は、EX−1に由来する片面ARコーティング、EX−2に由来する両面ARコーティング、及び対照となる非コーティングガラス片の透過スペクトルを示している。
実施例3(EX−3)−転写フィルムを作製するための交互積層コーティング。転写フィルムの施用後のガラス上の広帯域反射防止(Broadband anti-reflective、BBAR)コーティング。
上の調製実施例4(PE−4)に記載されているco−PMMA剥離層を備えたPET基材上に、「交互積層コーティングを調製するための一般法」を利用して、[(PDADMAC/SiO2)7(PDADMAC/TiO2)2(PDADMAC/SiO2)3(PDADMAC/TiO2)2(すなわち、合計で14のサブプロト層対を備えた4つのプロト層)交互積層コーティングを堆積した。この光学プロト層のスタックは、HazeGard Plus(BYK−Gardner USA、Columbia、MD)を用いて測定したところ、可視光透過率90.1%を有する。交互積層コーティングの上に、ワイヤ巻き取りロッド(Mayer Rod番号25、ウエットフィルム厚57.15μm、RD Specialties、Webster、New Yorkから入手)を使用して、感圧接着剤のコーティング溶液(上の調製実施例5(PE−5)に記載されている)を塗布した。次に、この接着剤コーティングをオーブン中、150℃で10分間、乾燥させた。この転写フィルムの概ね1”×2”(3cm×5cm)なる小片を、接着ローラーを使用して1.5”×3”(3.8cm×8cm)×1.0mmのガラス製スライド(Fisherbrand Plain Miscroscope Slide、予め清浄済み、Hampton、New Hampshire)に積層した。積層する前に、ガラス製スライドを、IPA、次に、DI H2Oで清浄し、窒素流下で乾燥させた。積層した後、PET裏材を剥がして、ガラス製基材上に、接着層、交互積層コーティング及びco−PMMA犠牲剥離層を残した。次に、このガラスを炉(Sybron Thermolyneモデル1300、Barnstead/Thermolyne Corp.、Dubuque、Iowa)に入れ、温度を約35℃/分で550℃まで勾配を設け、1時間、等温で保持し、受動的に冷却して室温に戻した。
上記の「コーティングの可視透過率及び反射率を測定する方法」を利用すると、可視範囲(400〜700nm)での平均%Tは、94.3%Tであった。比較すると、非コーティングガラス製スライドは、可視範囲(400〜700nm)において、91.6%Tの平均%Tを有する。このBBARコーティングは、かすかに茶色の反射を有する。図4は、ベークアウト後の、EX−3に由来する片面BBARコーティングを有するガラス製スライド、及び非コーティング対照の透過スペクトルのグラフである。
実施例4(EX−4)−転写フィルムの施用後の、サファイア上のARコーティング
実施例1に記載されている転写フィルムの小片の1つ(約0.75”×0.75”)を、接着ローラーを用いて、サファイアディスク(直径3cm、厚さ3.5mm)(Rubicon Technology、Bensenville、IL)の片側に積層した。積層する前に、サファイアを、IPA及びDI H2Oで清浄し、次に、窒素流下で乾燥させた。積層後、PET裏材を除き、この試料を炉(Sybron Thermolyneモデル1300、Barnstead/Thermolyne Corp.、Dubuque、Iowa)に入れた。温度を約35℃/分で550℃まで勾配を設け、1時間、等温で保持し、受動的に冷却して室温に戻した。
上記の「コーティングの可視透過率及び反射率を測定する方法」を利用すると、可視範囲(400〜700nm)での平均%Tは、89.1%Tであった。比較すると、非コーティングサファイアディスクは、可視範囲(400〜700nm)において、85.5%Tの平均%Tを有する。Filmetrics F10−AR反射率計(San Diego、CA)を用いて得た、前面反射スペクトルが、むき出しの非コーティングサファイアである対照と共に図5に示されている。
実施例5(EX−5)−転写フィルムを作製するための交互積層コーティング。転写フィルムの施用後のガラス上の高屈折率コーティング。
上の調製実施例4(PE−4)に記載されているco−PMMA剥離層を備えたPET基材上に、「交互積層コーティングを調製するための一般法」を利用して、(PDADMAC/TiO2)12(すなわち、12のサブプロト層対を備えた1つのプロト層)交互積層コーティングを堆積した。このプロト層は、HazeGard Plus(BYK−Gardner USA、Columbia、MD)を用いて測定したところ、可視光透過率82.0%を有する。交互積層コーティングの上に、ワイヤ巻き取りロッド(Mayer Rod番号25、ウエットフィルム厚57.15μm、RD Specialties、Webster、New Yorkから入手)を使用して、感圧接着剤のコーティング溶液(上の調製実施例5(PE−5)に記載されている)を塗布した。次に、この接着剤コーティングをオーブン中、150℃で10分間、乾燥させた。この転写フィルムの概ね1”×2”(3cm×5cm)なる小片を、接着ローラーを用いて、1.5”×3”(3.8cm×8cm)×1.0mmのガラス製スライド(Fisherbrand Plain Miscroscope Slide、予め清浄済み、Hampton、New Hampshire)に積層した。積層する前に、ガラス製スライドを、IPA、次に、DI H2Oで清浄し、窒素流下で乾燥させた。積層した後、PET裏材を剥がして、ガラス製基材上に、接着層、交互積層コーティング及びco−PMMA犠牲剥離層を残した。次に、このガラスを炉(Sybron Thermolyneモデル1300、Barnstead/Thermolyne Corp.、Dubuque、Iowa)に入れ、温度を約35℃/分で550℃まで勾配を設け、1時間、等温で保持し、受動的に冷却して室温に戻した。
上記の「コーティングの厚さ及び屈折率を測定する方法」を利用し、ガラス上のコーティングの厚さは82.1nmと測定され、550nmにおけるコーティングの屈折率は2.09と測定された。上記の「コーティングの厚さ及び屈折率を測定する方法」を利用すると、観察された640nmにおける最大反射率は20.2%Rであった。可視範囲(400〜700nm)における平均%Rは17.3%Rであった。比較すると、非コーティングガラス製スライドは、可視範囲(400〜700nm)において4.2%Rの平均%Rを有する。
実施例6(EX−6)−転写フィルムを作製するための交互積層コーティング。転写フィルムの施用後のガラス上のBragg反射器コーティング。
上の調製実施例4(PE−4)に記載されているco−PMMA剥離層を備えたPET基材上に、「交互積層コーティングを調製するための一般法」を利用して、[(PDADMAC/TiO2)6(PDADMAC/SiO2)6]3(PDADMAC/TiO2)6(すなわち、合計42のサブプロト層対を備えた7つのプロト層)交互積層コーティングを堆積した。この光学プロト層のスタックは、HazeGard Plus(BYK−Gardner USA、Columbia、MD)を用いて測定したところ、可視光透過率46%を有する。交互積層コーティングの上に、ワイヤ巻き取りロッド(Mayer Rod番号25、ウエットフィルム厚57.15μm、RD Specialties、Webster、New Yorkから入手)を使用して、感圧接着剤のコーティング溶液(上の調製実施例5(PE−5)に記載されている)を塗布した。次に、この接着剤コーティングをオーブン中、150℃で10分間、乾燥させた。この転写フィルムの概ね1”×2”(3cm×5cm)なる小片を、接着ローラーを用いて、1.5”×3”(3.8cm×8cm)×1.0mmのガラス製スライド(Fisherbrand Plain Miscroscope Slide、予め清浄済み、Hampton、New Hampshire)に積層した。積層する前に、ガラス製スライドを、IPA、次に、DI H2Oで清浄し、窒素流下で乾燥させた。積層した後、PET裏材を剥がして、ガラス製基材上に、接着層、交互積層コーティング及びco−PMMA犠牲剥離層を残した。次に、このガラスを炉(Sybron Thermolyneモデル1300、Barnstead/Thermolyne Corp.、Dubuque、Iowa)に入れ、温度を約35℃/分で550℃まで勾配を設け、1時間、等温で保持し、受動的に冷却して室温に戻した。図6は、積層、転写及びベークアウト後の、ガラス上の7層のスタックのBragg反射器の横断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。より明るい色の層は、TiO2層であり、より暗い色の層は、SiO2層である。
上記の「コーティングの可視透過率及び反射率を測定する方法」を利用すると、観察された545nmにおける最大反射率は80.2%Rであった。可視範囲(400〜700nm)における平均%Rは56.3%Rであった。比較すると、非コーティングガラス製スライドは、可視範囲(400〜700nm)において4.2%Rの平均%Rを有する。図7は、積層、転写及びベークアウト後の、ガラス上のこの7つのスタックからなるBragg反射器の反射スペクトルのグラフである。
こうして、交互積層組織化無機多層積層転写フィルムの実施形態が開示される。
本明細書において引用されている参照文献及び刊行物はすべて、それらが本開示を直接、否定し得る範囲を除いて、それらの全体が参照により本開示に明確に組み込まれている。本明細書において特定の実施形態が例示及び記載されてきたが、多様な代替及び/又は同等の実施が、本開示の範囲から逸脱することなく、示されて記載された特定の実施形態と置き換えられ得ることが、当業者により理解されるであろう。本出願は、本明細書において考察されている特定の実施形態のあらゆる適用又は変形を網羅することを意図している。したがって、本開示は、特許請求の範囲、及びその均等物によってのみ限定されることが意図されている。開示される実施形態は例示の目的で示されるものであり、限定を目的とするものではない。
Claims (18)
- 1マイクロメートル未満の均一厚さを有し、複数のサブプロト層対を含むプロト層であって、各サブプロト層対が、第1の結合基を有する材料及び相補的な第2の結合基を有する材料を独立して含み、前記材料のうちの少なくとも1つが熱安定材料である、プロト層を含む、転写フィルム。
- 前記プロト層に接触している剥離性表面を有する、ポリマー支持層を更に含む、請求項1に記載の転写フィルム。
- 前記プロト層が少なくとも5%の可視光透過率を有する、請求項1に記載の転写フィルム。
- 少なくとも選択されたサブプロト層対が、100nm未満の平均サイズを有する無機ナノ材料を含む、請求項1に記載の転写フィルム。
- 前記第1の結合基を有する材料がポリカチオン性材料であり、前記相補的な第2の結合基を有する材料がポリアニオン性材料である、請求項1に記載の転写フィルム。
- 前記第1の結合基を有する材料が水素結合供与体であり、前記相補的な第2の結合基を有する材料が水素結合受容体である、請求項1に記載の転写フィルム。
- 前記プロト層が複数の同一の広がりをもつサブプロト層対を含み、各サブプロト層対が犠牲材料を含み、少なくとも2つのプロト層が互いに異なる熱安定材料を含有する、請求項1に記載の転写フィルム。
- 第1のプロト層が第1の無機ナノ材料を含み、第2のプロト層が第2の無機ナノ材料を含み、前記第1の無機ナノ材料と前記第2の無機ナノ材料が少なくとも0.2の屈折率差を有する、請求項7に記載の転写フィルム。
- 各サブプロト層対が500ナノメートル未満の均一厚さを有する、請求項1に記載の転写フィルム。
- 前記熱安定材料が、少なくとも選択されたサブプロト層対中に、少なくとも50重量%の量で存在する、請求項1に記載の転写フィルム。
- 受容基材に請求項1に記載の転写フィルムを積層する工程、
前記プロト層中の前記犠牲材料をベークアウトして、1つ以上の層を有する光学スタックを形成する工程を含む、方法。 - 前記受容基材が、ガラス、石英又はサファイアを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記光学スタックの各層が500ナノメートル未満の均一厚さを有する、請求項11に記載の方法。
- 前記光学スタックが少なくとも10%の可視光透過率を有する、請求項11に記載の方法。
- 前記光学スタックが少なくとも4つの層を含む、請求項11に記載の方法。
- 1つ以上の同一の広がりをもつサブプロト層を互いに逐次、堆積させて、プロト層を形成する工程を含む、転写フィルムを形成する方法であって、各サブプロト層対が、第1の結合基を含む材料及び相補的な第2の結合基を含む材料を含み、前記材料のうちの少なくとも1つが熱安定材料であり、
各サブプロト層対が交互積層自己組織化により形成される、方法。 - 各プロト層が、1つ以上のサブプロト層対から形成され、各サブプロト層対が、第1の結合基を含む材料を含む第1の層を堆積させ、次に、前記第1の層上に相補的な第2の結合基を含む材料を堆積させる工程により形成される、請求項16に記載の方法。
- 前記プロト層が2つ以上のサブプロト層対から形成される、請求項17に記載の方法。
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