JP5938759B2 - 電子デバイス用バリアフィルムとその製造方法 - Google Patents
電子デバイス用バリアフィルムとその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5938759B2 JP5938759B2 JP2011272328A JP2011272328A JP5938759B2 JP 5938759 B2 JP5938759 B2 JP 5938759B2 JP 2011272328 A JP2011272328 A JP 2011272328A JP 2011272328 A JP2011272328 A JP 2011272328A JP 5938759 B2 JP5938759 B2 JP 5938759B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- layer
- particles
- plate
- barrier
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B9/00—Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00
- B32B9/04—Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00 comprising such particular substance as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
- B32B9/045—Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00 comprising such particular substance as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B2307/00—Properties of the layers or laminate
- B32B2307/70—Other properties
- B32B2307/724—Permeability to gases, adsorption
- B32B2307/7242—Non-permeable
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B2457/00—Electrical equipment
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Description
まず、図1を参照しながら、本発明の好適な実施形態に係る電子デバイス用バリアフィルム100(以下、単に「バリアフィルム100」と記載する。)の構成について説明する。図1は、本発明の好適な実施形態に係るバリアフィルム100の構成を示す説明図である。
樹脂フィルム110は、バリアフィルム100の基材として用いられる樹脂製のフィルムである。この樹脂フィルム100としては、特に限定はされず、既知の樹脂をフィルム状に成形したものを用いることができるが、ここで用いられる樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。
吸着層120は、正電荷又は負電荷に帯電可能で、且つ、樹脂フィルム110の表面よりも親水性の高い無機系材料からなり、樹脂フィルム110の表面を直接帯電処理するよりも、強力かつ均一に帯電処理を行うために設けられる層である。このような観点から、吸着層120を構成する無機系材料は、交互積層膜130のうち吸着層120と隣接する層の構成成分、すなわち、板状粒子層131を構成する無機板状粒子又はバインダ層133を構成するバインダ粒子と反対の電荷に帯電可能な材料である。
板状粒子層131は、正電荷又は負電荷、より詳細には、バインダ層133を構成するバインダ粒子と(板状粒子層131が吸着層120と隣接する場合には、吸着層120を構成する無機系材料とも)反対の電荷に帯電可能な無機板状粒子からなり、樹脂フィルム110を通過してバリア層へ浸入した水蒸気や酸素等のガスの透過を抑制するバリア性能を発揮させるために設けられる層である。
[M2+ 1−xM3+ x(OH)2]x+[Bn− x/n・yH2O]x− ・・・(1)
(式中、M2+は2価金属、M3+は3価金属、Bn−はアニオン、nはアニオンの価数、xは0<x<0.4の実数、yは0より大きい実数である。)
バインダ層133は、板状粒子層131を構成する無機板状粒子と(バインダ層133が吸着層120と隣接する場合には、吸着層120を構成する無機系材料とも)反対の電荷に帯電可能なバインダ粒子からなり、無機板状粒子同士、又は、無機板状粒子と吸着層120とを結着させるために設けられる層である。
また、バリアフィルム100によれば、交互積層膜130の膜厚を50nm以下とすることができる。本実施形態に係るバリアフィルム100では、交互積層膜130の膜厚が50nm以下と非常に薄くても、高いガスバリア性を有することができる。
バリアフィルム100には、交互積層膜130上に、交互積層膜130の表面よりも表面粗さが小さい平滑化層140が設けられていても良い。一般的に、ディスプレイなどの表示素子に用いる基板の表面粗さが大きくなると、大きな光散乱のために一つ一つの画素(ピクセル)の外まで光が散乱してにじみが生じるため好ましくない。そこで、バリアフィルム100を発光素子の基板として用いる場合には、平滑化層140を設けることにより、バリアフィルム100の表面(最表面)の表面粗さをより小さくすることができ、光の散乱によるにじみを抑制することができる。また、OLEDは、素子の膜厚が100nmのオーダーと非常に薄いため、基板の表面粗さが大きくなると、陽極と陰極の短絡等、素子の特性に悪影響が生じることが知られている。そこで、バリアフィルム100をOLEDの基板として用いる場合には、平滑化層140を設けることにより、そのような悪影響を抑制することができる。平滑化層140の形成材料、及び、形成方法としては、バインダ層140と同様のものを用いることができる。また、平滑化層140の膜厚は、交互積層膜130の表面の表面粗さの1倍〜10倍程度が好ましい。具体的には、平滑化層140の膜厚は、1nm以上500nm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることが更に好ましい。
なお、樹脂フィルム110上に、バリア層として、吸着層120、板状粒子層131、バインダ層133及び平滑化層140が積層されていることは、例えば、バリア層が形成されたバリアフィルム100の原子間力顕微鏡写真(AFM)により確認することができる。
以上、本実施形態に係るバリアフィルム100の構成について詳細に説明したが、続いて、図2A〜図2Fを参照しながら、上述した構成を有するバリアフィルム100の製造方法について説明する。図2A〜図2Fは、本実施形態に係るバリアフィルム100の製造方法の各工程の一例を示す説明図である。
まず、図2Aに示すように、樹脂フィルム110上に、無機系材料からなる吸着層120を形成する。樹脂フィルム110や吸着層120を構成する無機系材料の詳細については、上述した通りである。
次に、図2Bに示すように、吸着層120の表面を正電荷又は負電荷に帯電させる帯電処理を行う。このときの帯電処理の方法としては、例えば、コロナ処理やUV/O3処理などの物理的処理、(電子線(EB)処理、または、シランカップリング剤等の薬液を用いた化学的処理を用いることができる。例えば、吸着層120の表面をコロナ処理すると、その表面を負に帯電させることができる。また、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いると、吸着層120の表面を正に帯電させることができる。無機系材料からなる吸着層120の表面は、一般に、その表面に水酸基が存在しており、コロナ処理やUV/O3処理を行うことで、水酸基がイオン化して負の電荷を有するようになることで、強力かつ均一に吸着層120の表面を負に帯電させることができる。また、アミノ基を有するシランカップリング剤で吸着層120の表面を帯電処理する場合には、このシランカップリング剤が吸着層120の表面の水酸基と結合する結果、アミノ基がイオン化して正の電荷を有するようになることで、強力かつ均一に吸着層120の表面を正に帯電することができる。
吸着層120の表面の電荷の正負と、板状粒子層131及びバインダ層133の帯電電荷によって、板状粒子層131を先に形成するか、バインダ層133を先に形成するかが選択される。例えば、吸着層120の表面が正に、板状粒子層が負にそれぞれ帯電している場合は、板状粒子層131を始めに積層する。以下の説明では、板状粒子層131を先に形成する場合を例に挙げて説明するが、バインダ層133を先に形成する場合も勿論あり得る。
上述したようにして吸着層120の表面を正又は負(図2Bでは正)に帯電させた後、図2Cに示すように、吸着層120上に板状粒子層131を吸着法によって形成する。吸着法は、表面が帯電した基板を、基板と逆の電荷に帯電した粒子を分散させた溶液に浸漬し、クーロン力で基板表面に粒子を吸着させ、薄膜を形成する手法である。
次に、図2Dに示すように、無機板状粒子と逆の電荷に帯電可能なバインダ粒子を用いて、板状粒子層131上に、バインダ層133を形成する。
次に、図2Eに示すように、上述した板状粒子層131の形成工程とバインダ層133の形成工程を繰り返し実施することで、吸着層120上に板状粒子層131及びバインダ層133を交互に積層していき、板状粒子層131とバインダ層133とからなる交互吸着構造を所定の層数だけ形成する。その結果、吸着層120上に、1層以上の板状粒子層131(図2Eの例では、板状粒子層131a、131b、131c、131d)と1層以上のバインダ層133(図2Eの例では、板状粒子層133a、133b、133c)とが吸着法により交互に積層された交互積層膜130が形成され、本実施形態に係るバリアフィルム100を得ることができる。
また、本実施形態では、さらに、必要に応じて、図2Fに示すように、上述のようにして形成された交互積層膜130上に、交互積層膜130の表面よりも表面粗さが小さい平滑化層140を形成しても良い。平滑化層140の材料、及び、形成方法は、バインダ層140と同様のものを用いることができる。これにより、最表面に平滑化層140が形成されたバリアフィルム200を得ることができる。
次に、再び図1を参照しながら、上述した構成を有するバリアフィルム100におけるバリア機構、すなわち、バリアフィルム100の外部から浸入した酸素や水蒸気等のガスの透過を抑制する機構について説明する。なお、図1では、樹脂フィルム110上のバリア層として吸着層120及び交互積層膜130が設けられ、交互積層膜130が、4層の板状粒子層131a、131b、131c、131dと、3層のバインダ層133a、133b、133cとからなり、且つ、吸着層120と板状粒子層131aとが隣接する構造を例に挙げて説明する。
実施例1は、無機系材料としてPHPSを用いて吸着層を形成し、形成された吸着層を負に帯電させた例である。具体的には、以下の手順で実施例1のバリアフィルムを作製した。
帝人DuPont Film製TeonexQ65FA(0.2mm厚のPENフィルム)を、洗剤と純水で洗浄し、エアブローで乾燥させた。
次に、1)で洗浄した樹脂フィルムに、PHPSとしてAZElectronic Materials製AquamicaNL 100Aをスピンコーティングし、コーティングされたPHPSを、200℃で1時間硬化させ、続いて95℃−80%RHで3時間硬化させることで、約0.5μmの膜厚のシリカ膜を形成した。
次に、モンモリロナイト(MMT)として、Kunimine工業製Kunifil−D36を0.5g、純水1L中に入れ、市販のスターラーを用いて、1日間攪拌し、板状粒子層形成用の溶液を作製した。
ポリアリルアミン塩酸塩(PAH:PolyAllylAmine Hydrochloricacid Salt)の30mM/L水溶液を調整し、バインダ層形成用の溶液を作製した。
2)で吸着層を形成した樹脂フィルムを、10分間コロナ処理した。
5)で帯電処理した樹脂フィルムを、4)で作製したバインダ層形成用の溶液に15分間浸漬した後、純水で十分洗い流した後に、エアブローで乾燥させることで、バインダ層を形成した。
6)でバインダ層を形成した樹脂フィルムを、3)で作製した板状粒子層形成用の溶液に15分間浸漬し、純水で十分洗い流した後に、エアブローで乾燥させることで、板状粒子層を形成した。
6)と7)の工程を、それぞれ、5回、10回、20回繰り返し、樹脂フィルム上に(バインダ層/板状粒子層)の対が、それぞれ、5対、10対、20対積層された交互積層膜を形成し、実施例1のバリアフィルムを得た。
2)の工程までを行い吸着層のみを形成した樹脂フィルム、及び、8)で作製した3枚のバリアフィルムについて、MOCON社製水蒸気透過率測定装置AQUATRANを用いて、WVTRを測定した。
実施例2は、無機系材料としてPHPSを用いて吸着層を形成し、形成された吸着層を正に帯電させた例である。具体的には、以下の手順で実施例2のバリアフィルムを作製した。
帝人DuPont Film製TeonexQ65FA(0.2mm厚のPENフィルム)を、洗剤と純水で洗浄し、エアブローで乾燥させた。
次に、1)で洗浄した樹脂フィルムに、PHPSとしてAZElectronic Materials製AquamicaNL 100Aをスピンコーティングし、コーティングされたPHPSを、200℃で1時間硬化させ、続いて95℃−80%RHで3時間硬化させることで、約0.5μmの膜厚のシリカ膜を形成した。
次に、モンモリロナイト(MMT)として、Kunimine工業製Kunifil−D36を0.5g、純水1L中に入れ、市販のスターラーを用いて、1日間攪拌し、板状粒子層形成用の溶液を作製した。
ポリアリルアミン塩酸塩(PAH:PolyAllylAmine
Hydrochloricacid Salt)の30mM/L水溶液を調整し、バインダ層形成用の溶液を作製した。
2)で吸着層を形成した樹脂フィルムを、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)の10mM/Lのエタノール溶液に30分間浸漬させ、エタノールと純水で洗い流した後、エアブローで乾燥させた。
5)で帯電処理した樹脂フィルムを、3)で作製した板状粒子層形成用の溶液に15分間浸漬し、純水で十分洗い流した後に、エアブローで乾燥させることで、板状粒子層を形成した。
6)で板状粒子層を形成した樹脂フィルムを、4)で作製したバインダ層形成用の溶液に15分間浸漬し、純水で十分洗い流した後に、エアブローで乾燥させることで、バインダ層を形成した。
6)と7)の工程を、それぞれ、5回、10回、20回繰り返し、樹脂フィルム上に(板状粒子層/バインダ層)の対が、それぞれ、5対、10対、20対積層された交互積層膜を形成し、実施例2のバリアフィルムを得た。
2)の工程までを行い吸着層のみを形成した樹脂フィルム、及び、8)で作製した3枚のバリアフィルムについて、MOCON社製水蒸気透過率測定装置AQUATRANを用いて、WVTRを測定した。
6)の工程までを行い、吸着層と板状粒子層のみを形成した樹脂フィルムについて、SII製SPA400を用いてAFM観察し、MMTの付着状況を確認した。
ニラコ製酸化膜付シリコンウエハ500452を、洗剤と純水で洗浄し、エアブローで乾燥させた。その後、5)〜8)までと同様の工程を行い、シリコンウエハ上に(板状粒子層/バインダ層)の対が、それぞれ、5対、10対、20対積層された交互積層膜を形成し、膜厚測定用サンプルを得た。
11)で作製した膜厚測定用サンプルに形成された交互積層膜について、エリプソメーター(日本レーザ電子製のNL−ELP)を用いて、膜厚を測定した。
実施例3は、実施例2で吸着層を形成するための無機系材料を変更した例である。具体的には、2)の工程を以下のようにして行い、更に10)〜12)を省いたこと以外は、実施例2と同様の工程で4種類のサンプルを作製し、WVTRを測定した。
テトラエトキシシラン(TEOS)8g、純水2.5g、塩酸0.01g、エタノール9.5gをガラス容器中に投入し、1昼夜攪拌した。この溶液を市販のスピンコータを用い、1)で洗浄した樹脂フィルム上にスピンコーティングし、コーティングされたTEOSを、200℃で1時間硬化することで、約0.5μmの膜厚のシリカ膜を形成した。
実施例4は、実施例2で吸着層を形成するための無機系材料を変更した例である。具体的には、2)の工程を以下のようにして行い、更に10)〜12)を省いたこと以外は、実施例2と同様の工程で4種類のサンプルを作製し、WVTRを測定した。
ULVAC社製スパッタ装置SBH−2306REを用い、1)で洗浄した樹脂フィルム上にAl2O3のターゲットを用いてスパッタ成膜し、約0.2μmの膜厚のアルミナ膜を形成した。
実施例5は、実施例2の交互積層膜の表面に平滑化層をさらに形成した例である。具体的には、実施例2と同様に1)〜8)の工程を行って交互積層膜を形成した後に、次のような工程を行った。
8)で形成した交互積層膜上に、PHPSとしてAZElectronic Materials製AquamicaNL 100Aをスピンコーティングし、コーティングされたPHPSを、200℃で1時間硬化させ、続いて95℃−80%RHで3時間硬化させることで、約0.1μmの膜厚のシリカ膜を形成した。
8)で作製した3枚のバリアフィルムについて、MOCON社製水蒸気透過率測定装置AQUATRANを用いて、WVTRを測定した。
8)の工程までを行い吸着層と交互積層膜20対のみを形成したバリアフィルムと、9)までの工程を行い、吸着層と交互積層膜20対と平滑化層を形成したバリアフィルムとについて、SII製SPA400を用いてAFM観察し、MMTの付着状況を確認した。
実施例6は、実施例2で、板状粒子層形成用材料である無機板状粒子と、バインダ層形成用材料であるバインダ粒子を変更した例である。具体的には、3)と4)の工程を次のように実施し、更に10)〜12)を省いたこと以外は、実施例2と同様の工程で4種類サンプルを作製し、WVTRを測定した。
まず、第一希元素化学製α−ZrPを1g、純水150mLに入れ、市販のスターラーを用いて、1日間攪拌した。攪拌した溶液に、テトラブチルアンモニウム水酸化物(TetraButylAmmoniumHydroOxide)の150mM/L水溶液を30mL、ZrP液のphが9を超えないように、少量ずつ加えることでZrP粒子の層分離(剥離)を行い、板状粒子層形成用の溶液を作製した。
4)バインダ層形成用の溶液の作製
AlK(SO4)2の30mM/L水溶液を調整し、バインダ層形成用の溶液を作製した。
実施例7は、実施例2で、バインダ層形成用材料であるバインダ粒子を変更した例である。具体的には、4)の工程を次のように実施し、更に10)〜12)を省いたこと以外は、実施例2と同様の工程で4種類サンプルを作製し、WVTRを測定した。
3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)の30mM/Lのエタノール溶液を調整し、バインダ層形成用の溶液を作製した。
比較例1は、実施例2の2)の工程を省略し、バインダ層を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様の工程で従来のバリアフィルムを作製し、WVTR測定、及びAFM観察を行った。
表1に、実施例1〜6、及び、比較例1で作製したサンプルを、40℃−90%RHの条件でWVTR測定した結果を示す。
実施例2、5及び、比較例1で作製したサンプルをAFMで観察した結果を、図3に示す。何れのAFM像も視野は1μmとした。
実施例2で作製したサンプルの交互積層膜の膜厚を測定した結果を、表3に示す。それぞれのサンプルの膜厚は、およそ50nm以下と非常に薄いことが分かった。この結果から、本発明による交互積層膜は、このような非常に薄い膜で、高いガスバリヤ性を達成できることが分かった。
101 空隙部分
103 (交互積層膜130に発生した)欠陥
105 (吸着層120に発生した)欠陥
110 樹脂フィルム
120 吸着層
130 交互積層膜
131 板状粒子層
133 バインダ層
140 平滑化層
W1、W2、W3、W4 ガスの透過経路
Claims (16)
- 樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの表面よりも親水性の高いシリカ膜又はアルミナ膜からなる吸着層と、
リン酸ジルコニウム粒子又はモンモリロナイト粒子からなる少なくとも1層の帯電した板状粒子層と、AlK(SO 4 ) 2 又は3−アミノプロピルトリエトキシシランのみからなり、前記板状粒子層と反対の電荷に帯電した少なくとも1層のバインダ層と、が交互に積層された交互積層膜と、
が順次積層され、
前記シリカ膜又は前記アルミナ膜は、前記板状粒子層又は前記バインダ層と反対の電荷に帯電されている、電子デバイス用バリアフィルム。 - 前記吸着層は前記シリカ膜からなる、請求項1記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 前記板状粒子層は前記モンモリロナイト粒子からなり、前記バインダ層は前記3−アミノプロピルトリエトキシシランのみからなる、請求項2記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 前記吸着層の膜厚が、0.1μm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 前記交互積層膜の膜厚が、50nm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 前記交互積層膜に含まれる前記リン酸ジルコニウム粒子又はモンモリロナイト粒子の体積分率が、50%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 前記交互積層膜の上層として、前記交互積層膜よりも表面粗さが小さな平滑化層がさらに積層された、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 前記平滑化層はシリカ膜である、請求項7に記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 前記シリカ膜は、酸化ケイ素膜若しくは窒化ケイ素膜である、請求項8に記載の電子デバイス用バリアフィルム。
- 樹脂フィルム上に、前記樹脂フィルムの表面よりも親水性の高いシリカ膜又はアルミナ膜からなる吸着層を形成する工程と、
前記吸着層の表面を正電荷又は負電荷に帯電させる工程と、
前記吸着層上に、前記シリカ膜又は前記アルミナ膜と反対の電荷に帯電したリン酸ジルコニウム粒子又はモンモリロナイト粒子からなる少なくとも1層の板状粒子層と、前記リン酸ジルコニウム粒子又はモンモリロナイト粒子と反対の電荷に帯電したAlK(SO 4 ) 2 又は3−アミノプロピルトリエトキシシランのみからなる少なくとも1層のバインダ層と、を吸着法により交互に積層し、交互積層膜を形成する工程と、
を含む、電子デバイス用バリアフィルムの製造方法。 - 前記吸着層は前記シリカ膜からなる、請求項10記載の電子デバイス用バリアフィルムの製造方法。
- 前記板状粒子層は前記モンモリロナイト粒子からなり、前記バインダ層は前記3−アミノプロピルトリエトキシシランのみからなる、請求項11記載の電子デバイス用バリアフィルムの製造方法。
- 前記交互積層膜の上層として、前記交互積層膜よりも表面粗さが小さな平滑化層をさらに形成する工程を更に含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の電子デバイス用バリアフィルムの製造方法。
- 前記平滑化層として、シリカ膜を形成する、請求項13に記載の電子デバイス用バリアフィルムの製造方法。
- 前記シリカ膜を形成する工程は、シラザン化合物を酸化ケイ素若しくは窒化ケイ素に転化する工程を含む、請求項14に記載の電子デバイス用バリアフィルムの製造方法。
- 前記シラザン化合物はパーハイドロポリシラザンである、請求項15に記載の電子デバイス用バリアフィルムの製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011272328A JP5938759B2 (ja) | 2011-12-13 | 2011-12-13 | 電子デバイス用バリアフィルムとその製造方法 |
KR1020120095014A KR102017763B1 (ko) | 2011-12-13 | 2012-08-29 | 전자소자용 배리어 필름 및 그 제조 방법 |
US13/713,048 US8999497B2 (en) | 2011-12-13 | 2012-12-13 | Barrier film for electronic device and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011272328A JP5938759B2 (ja) | 2011-12-13 | 2011-12-13 | 電子デバイス用バリアフィルムとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013123819A JP2013123819A (ja) | 2013-06-24 |
JP5938759B2 true JP5938759B2 (ja) | 2016-06-22 |
Family
ID=48775384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011272328A Expired - Fee Related JP5938759B2 (ja) | 2011-12-13 | 2011-12-13 | 電子デバイス用バリアフィルムとその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5938759B2 (ja) |
KR (1) | KR102017763B1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7569520B2 (ja) * | 2020-06-02 | 2024-10-18 | 国立大学法人信州大学 | 繊維製品および繊維製品の製造方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001009974A (ja) * | 1999-04-28 | 2001-01-16 | Tokuyama Corp | 積層フイルム |
US20040053037A1 (en) * | 2002-09-16 | 2004-03-18 | Koch Carol A. | Layer by layer assembled nanocomposite barrier coatings |
EP1815973A4 (en) * | 2004-11-18 | 2009-02-11 | Mitsui Chemicals Inc | LAMINATE COMPRISING A HYDROGEN BONDED MULTILAYER FILM, SELF-SUPPORTING THIN FILM PROVIDED THEREFROM AND THEIR MANUFACTURING AND USE PROCESS |
JP2006218687A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Kuraray Co Ltd | 積層体およびそれを含むディスプレイ |
JP2007090803A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Fujifilm Corp | ガスバリアフィルム、並びに、これを用いた画像表示素子および有機エレクトロルミネッセンス素子 |
JP2008153211A (ja) * | 2006-11-22 | 2008-07-03 | Fujifilm Corp | バリア性フィルム基板およびその製造方法 |
JP2009095764A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 多層構造体の製造方法 |
KR101308200B1 (ko) * | 2008-05-06 | 2013-09-13 | 엘지디스플레이 주식회사 | 플렉서블 유기발광 표시장치 및 그 제조 방법 |
JP2010253686A (ja) * | 2009-04-21 | 2010-11-11 | Hitachi Chem Co Ltd | 無機薄膜転写材及びその製造方法並びに無機薄膜付き成形品及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-12-13 JP JP2011272328A patent/JP5938759B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2012
- 2012-08-29 KR KR1020120095014A patent/KR102017763B1/ko active IP Right Grant
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR102017763B1 (ko) | 2019-09-03 |
JP2013123819A (ja) | 2013-06-24 |
KR20130067209A (ko) | 2013-06-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Huang et al. | Two-dimensional nanomaterials for anticorrosive polymeric coatings: a review | |
Priolo et al. | Super gas barrier of transparent polymer− clay multilayer ultrathin films | |
US8999497B2 (en) | Barrier film for electronic device and method of manufacturing the same | |
CN107848803B (zh) | 二维混杂复合材料的制备方法 | |
US9574266B2 (en) | Laminate body, gas barrier film, and method of manufacturing the same | |
Seifzadeh et al. | Formation of novel and crack free nanocomposites based on sol gel process for corrosion protection of copper | |
CN107209303B (zh) | 远红外线反射薄膜、远红外线反射薄膜形成用分散液、远红外线反射薄膜的制造方法、远红外线反射玻璃及窗户 | |
US10547032B2 (en) | Film comprising graphene oxide and clay, preparation method therefor, and use thereof as oxygen barrier film | |
US20120301730A1 (en) | Barrier film for an electronic device, methods of manufacturing the same, and articles including the same | |
JP2017526971A (ja) | 交互積層組織化多層積層転写フィルム | |
KR20140071226A (ko) | 배리어 필름 및 그 제조 방법 | |
Wang et al. | Toward explicit anion transport nanochannels for osmotic power energy using positive charged MXene membrane via amination strategy | |
Kim et al. | Fabrication of graphene oxide/montmorillonite nanocomposite flexible thin films with improved gas-barrier properties | |
KR101662231B1 (ko) | 그라핀 옥사이드 및 클레이를 포함하는 막, 이의 제조방법 및 이의 산소 차단막으로서의 용도 | |
JP5938759B2 (ja) | 電子デバイス用バリアフィルムとその製造方法 | |
US20140154518A1 (en) | Barrier film and method of manufacturing the same | |
Zhang et al. | Corrosion-resistant composite coatings based on a graphene oxide–metal oxide/urushiol formaldehyde polymer system | |
Karthik et al. | Enhancement of protection of aluminum through dopamine impregnation into hybrid sol–gel monolayers | |
JP5735857B2 (ja) | 電子デバイス用バリアフィルム | |
Li et al. | Enhancement of the anticorrosion properties of epoxy resin composites through incorporating hydroxylated and silanised hexagonal boron nitride (H-BN) | |
JP2012240356A (ja) | 電子機器用基板 | |
JP5938758B2 (ja) | 積層膜及び電子デバイス用バリアフィルム | |
KR20180120414A (ko) | 그래핀 및 무기 나노 입자의 층상 구조를 이용한 방열 필름 및 이의 제조 방법 | |
KR20120130683A (ko) | 전자 디바이스용 배리어 필름 | |
JP2012240357A (ja) | 電子デバイス用バリアフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150820 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150929 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160329 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20160422 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160422 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20160422 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5938759 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |