JP2021115546A - 高耐熱反射防止膜の成膜方法 - Google Patents

高耐熱反射防止膜の成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】細かい膜厚調整を可能とし、適度な積層回数で所望の膜厚を容易に且つ確実に得ることができる高耐熱反射防止膜の成膜方法を提供する。【解決手段】固体基材の表面上に高耐熱反射防止膜を形成するための本発明の成膜方法は、固体基材の表面に酸性の電解質ポリマー溶液を接触させた後にリンスする第1の工程(ステップS3,S4)と、固体基材の表面に酸性の微粒子分散液を接触させた後にリンスする第2の工程(ステップS5、S6)と、第1の工程および第2の工程を交互に繰り返して微粒子積層膜を形成する第3の工程(ステップS7)とを含み、電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のpHをそれぞれ1〜7の範囲内に調整する(ステップS2)ことにより微粒子積層膜の膜厚を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、高耐熱反射防止膜の成膜方法に関し、特に、自動車等の車両に搭載される車載カメラに設けられるレンズの表面に高耐熱反射防止膜を成膜するための方法に関する。
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
このようなレンズユニットを構成するレンズの表面には、一般に、その透過率を高めるために反射防止膜が設けられるが、特にレンズユニットのレンズ群を構成する各レンズとして樹脂製のものが使用される場合には、レンズが温度変化によって膨縮し易いため、反射防止膜も、高温に強く、レンズの膨張収縮(熱変形)に追従できるものが望まれる。
そのため、特に樹脂製のレンズにおいては、反射防止膜として、反射率が極めて低いとともにレンズの熱変形にも追従できる耐熱性の優れた反射防止膜(以下、本明細書中では、「高耐熱反射防止膜」と称する)が使用される場合がある。
そのような高耐熱反射防止膜の成膜方法の一例が図28に示される。この成膜方法は、レンズ等の固体基材100の表面上に、電解質ポリマー溶液を接触させることにより電解質ポリマー162の層を形成する第1の工程(図12(a)参照)と、電解質ポリマー溶液を接触させた後の固体基材100の表面上に該電解質ポリマー溶液の電解質ポリマーと反対電荷を有する微粒子(例えばシリカ)の分散液を接触させることにより微粒子163の層を形成する第2の工程(同様に図12(a)参照)とを有し、これらの2つの工程を交互に繰り返して空隙(空気層)164を伴う微粒子積層膜166を形成(図12(b)参照)した後、この微粒子積層膜166に電解質ポリマー溶液とアルカリケイ酸水溶液とを順次に接触(浸漬)させることにより、これらの溶液の物質165を微粒子積層膜166に吸着させて(図12(c)参照)、高耐熱反射防止膜を得る(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−231993号公報 特開2015−075691号公報
前述したように、空隙164を伴う微粒子積層膜166の形成では、電解質ポリマー溶液を接触させて電解質ポリマー162の層を形成する第1の工程と、微粒子分散液を接触させて微粒子163の層を形成する第2の工程とを所定回数繰り返すが、電解質ポリマー溶液のpHを大きくすればするほど、第1の工程と第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの膜厚が増大することが知られている。そのため、そのような事実にも起因して、特許文献2を含む従来の高耐熱反射防止膜の成膜方法では、一般に、電解質ポリマー溶液がアルカリ性を呈するように必要に応じて化学的調製作業等が行なわれている。しかし、そのような調製作業は一般に煩雑である。
また、アルカリ性となるように電解質ポリマー溶液のpHを高めて積層工程1回当たりの膜厚を増大させてしまうと、この積層工程を所定回数繰り返して形成される高耐熱反射防止膜の全体の膜厚を様々な要求に応じて所望の膜厚に設定することが困難になる。反射防止膜は、通常、100nm程度、好ましくは約120nm程度の厚さで可視光の波長範囲(例えば450〜700nm)において効果的な低反射率を実現できるため、適度な積層回数でこのような所望の膜厚を得るには、積層工程1回当たりの膜厚が適度に薄いことが必要である。積層工程1回当たりの膜厚を薄くできれば、全体の膜厚を積層回数により細かく調整することが可能となり、様々な要求に応じて所望の膜厚に設定することが容易となる。その一方で、積層工程1回当たりの膜厚が薄すぎると、いたずらに積層回数が増えることとなり、望ましくない。電解質ポリマー溶液がアルカリ性を呈する前述した特許文献2を含む従来の高耐熱反射防止膜の成膜方法では、積層工程1回当たりの膜厚が大きく、高耐熱反射防止膜の全体の膜厚を様々な要求に応じて所望の膜厚に容易に設定できるとは言い難い。そのため、適度な積層回数で所望の膜厚を容易に且つ確実に得ることができる新たな積層成膜方法が求められている。
さらに、特許文献2を含む従来の高耐熱反射防止膜の成膜方法では、一般に、微粒子積層膜を形成する電解質ポリマー溶液および微粒子分散液の一方がアルカリ性を示し、他方が酸性を示す。しかしながら、このように微粒子積層膜の成膜過程で酸とアルカリとが組み合わされると、中和反応が起こり、副生成物(塩)が生成されることとなって、場合により、成膜状態が悪化し、あるいは、その後の処理が面倒となり得る。
また、膜厚制御では、pHに加えて電解質濃度も重要なファクターであるが、電解質ポリマー溶液のpHを高めて積層1回当たりの膜厚を増大させてしまうと、電解質濃度も必然的に大きくなり、そのため、濃度変動に伴う膜厚安定性の低下も懸念される。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、細かい膜厚調整を可能とし、適度な積層回数で所望の膜厚を容易に且つ確実に得ることができる高耐熱反射防止膜の成膜方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、固体基材の表面上に高耐熱反射防止膜を形成するための成膜方法であって、
前記固体基材の表面に酸性の電解質ポリマー溶液を接触させた後にリンスする第1の工程と、
前記固体基材の表面に酸性の微粒子分散液を接触させた後にリンスする第2の工程と、
前記第1の工程および前記第2の工程を交互に繰り返して微粒子積層膜を形成する第3の工程と、
を含み、
前記電解質ポリマー溶液および前記微粒子分散液のpHをそれぞれ1〜7の範囲内に調整することにより前記微粒子積層膜の膜厚を制御することを特徴とする。
本発明者らは、固体基材の表面上に電解質ポリマー溶液と微粒子分散液とを交互に接触させて微粒子積層膜を形成するに際し、電解質ポリマー溶液のpHを大きくすればするほど、第1の工程と第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの膜厚が増大するという事実に鑑み、様々な条件下で成膜試験を繰り返し行なって検討を重ねた結果、酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液とを使用し、これらのそれぞれのpHを1〜7の範囲内(中性〜酸性の範囲内)に調整してこれらを固体基材の表面に交互に繰り返し接触させていくと、第1の工程と第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚を例えば15nm〜45nmなどの適度な薄さに設定できることを見出した。
具体的には、微粒子分散液として、BET法で測定した平均粒径が10nm〜15nmの単分散性の無孔質コロイダルシリカ粒子を含む日産化学工業(株)社製のスノーテックスO(商品名)を使用し、電解質ポリマー溶液として、ニットーボーメディカル株式会社が提供するポリアミンシリーズ(PAS)のPAS−A−1(商品名)を使用するとともに、pH調整剤として炭酸ナトリウム(pH11)を使用してこれらの電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のpHをそれぞれ1〜9の間で様々に変えて、それぞれのpHの組み合わせで固体基材(日本ゼオン株式会社製のZEONEX(商品名))の表面上に微粒子積層膜を形成した。微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)を形成する成膜工程においては、固体基材を電解質ポリマー溶液に5分間浸漬後にリンス用の超純水を1分間シャワーする第1の工程、および、微粒子分散液に5分間浸漬後にリンス用の超純水を1分間シャワーする第2の工程をこの順に施した。その後、第1の工程1回と第2の工程1回とを順に行なうことを1サイクルとして、このサイクル数を微粒子交互積層回数とし、微粒子交互積層回数を4回行なった後、室温で1時間乾燥した。これにより、固体基材の表面上に微粒子積層膜を形成した。なお、この製法は、固体基材の表面に電解質ポリマー溶液を接触させた後にリンスする第1の工程、この第1の工程後、固体基材の表面上に微粒子の分散液を接触させた後にリンスする第2の工程、および、第1の工程と第2の工程とを交互に繰り返して微粒子積層膜を形成する第3の工程を含むことから、膜の定着性を高めるために電解質ポリマー溶液とアルカリケイ酸水溶液とを含む物質165を使用する図28の(c)の工程を排除できる。
このようにして電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のpHをそれぞれ様々に変えて成膜して得られた微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)の反射率(%)と波長(nm)との関係を示す分光特性図が図4〜図13に示される。ここで、図4は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)の分光特性図、図5は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5.5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図6は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図7は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図8は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図9は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図10は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図11は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図12は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図13は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。これらの図から、pHが大きくなるほど、ボトム波長が長波長へとシフトし、膜厚が増大しているのが分かる。
また、図4〜図13に示される分光特性をそれぞれ有する微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)の全体の膜厚、および、第1の工程と第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚(全体の膜厚を4で割った1層当たりの膜厚:本発明において「平均膜厚」とは、全体の膜厚を積層工程の回数で割った厚さを意味する)の結果を示す表が図14に示される。図示のように(表の上から順に)、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図4に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は72nm、1層当たりの膜厚は18nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図5に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は90nm、1層当たりの膜厚は22.5nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図6に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は130nm、1層当たりの膜厚は32.5nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図7に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は194nm、1層当たりの膜厚は48.5nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した図8に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は60nm、1層当たりの膜厚は15nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した図9に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は58nm、1層当たりの膜厚は14.5nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した図10に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は41nm、1層当たりの膜厚は10.3nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した図11に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は96nm、1層当たりの膜厚は24nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した図12に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は74nm、1層当たりの膜厚は18.5nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した図13に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は25nm、1層当たりの膜厚は6.3nmであった。
また、発明者らは、微粒子分散液の種類を変えてさらに同様の試験を行なった。具体的には、微粒子分散液として、BET法で測定した平均粒径が10nm〜15nmの単分散性の無孔質コロイダルシリカ粒子を含む日揮触媒化成株式会社が提供するカタロイドSN(商品名)を使用し、電解質ポリマー溶液として、先と同様に、ニットーボーメディカル株式会社が提供するポリアミンシリーズ(PAS)のPAS−A−1(商品名)を使用するとともに、pH調整剤として炭酸ナトリウム(pH11)を使用してこれらの電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のpHをそれぞれ1〜9の間で様々に変えて、それぞれのpHの組み合わせで固体基材(日本ゼオン株式会社製のZEONEX(商品名))の表面上に同様にして微粒子積層膜を形成した。
先と同様に電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のpHをそれぞれ様々に変えて成膜して得られた微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)の反射率と波長との関係を示す分光特性図が図15〜図24に示される。ここで、図15は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)の分光特性図、図16は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図17は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図18は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図19は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図20は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図21は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図22は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図23は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図、図24は、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。これらの図から、pHが大きくなるほど、ボトム波長が長波長へとシフトし、膜厚が増大しているのが分かる。
また、図15〜図24に示される分光特性をそれぞれ有する微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)の全体の膜厚、および、第1の工程と第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚(全体の膜厚を4で割った1層当たりの膜厚)の結果を示す表が図25に示される。図示のように(表の上から順に)、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図15に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は103nm、1層当たりの膜厚は25.8nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図16に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は130nm、1層当たりの膜厚は32.5nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図17に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は179.3nm、1層当たりの膜厚は44.8nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した図18に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は275nm、1層当たりの膜厚は68.8nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した図19に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は88nm、1層当たりの膜厚は22nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した図20に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は62nm、1層当たりの膜厚は15.5nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した図21に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は44nm、1層当たりの膜厚は11nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した図22に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は91.4nm、1層当たりの膜厚は22.9nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した図23に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は65nm、1層当たりの膜厚は16.3nmであり、電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した図24に示される分光特性を有する微粒子積層膜の全体の膜厚は22nm、1層当たりの膜厚は5.5nmであった。
図26には、図14の膜厚結果を評価した表が示され、また、図27には図25の膜厚結果を評価した表が示されている。ここで、表中、「A」は電解質ポリマー溶液を示し、「B」は微粒子分散液を示している。また、表中、評価レベル「〇」は、第1の工程と第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚が適度に薄い15nm〜45nmの範囲内にある電解質ポリマー溶液と微粒子分散液とのpHの組み合わせを示し、評価レベル「△」は、積層工程1回当たりの平均膜厚が15nm未満である電解質ポリマー溶液と微粒子分散液とのpHの組み合わせを示し、評価レベル「×」は、膜厚が形成されなかった場合および積層工程1回当たりの平均膜厚が45nmを超える場合における電解質ポリマー溶液と微粒子分散液とのpHの組み合わせを示す。
微粒子分散液としてのスノーテックスO(商品名)と電解質ポリマー溶液としてのPAS−A−1(商品名)とを組み合わせて使用した図26の結果では、酸性の電解質ポリマー溶液および酸性の微粒子分散液のいずれにおいてもpHが3〜7の範囲内において良好な結果が得られた(「×」の評価レベルを全く伴うことなく「〇」の評価レベルが集中して確認された)。同様に、微粒子分散液としてのスノーテックスO(商品名)と電解質ポリマー溶液としてのPAS−A−1(商品名)とを組み合わせて使用した図27の結果でも、酸性の電解質ポリマー溶液および酸性の微粒子分散液のpHが3〜7の範囲内において良好な結果が得られた(「×」の評価レベルを全く伴うことなく「〇」の評価レベルが集中して確認された)。この場合、酸性の微粒子分散液は、あまりpHを調整しない方が良好であった。また、図示しないが、他の試験結果により、pH1〜3の範囲内においても適度に薄い膜(45nm以下)が安定的に形成できるという知見を得た。また、15nm〜45nmの薄い膜厚であれば、細かい膜厚調整が可能となり、積層回数を調整することにより、適度な積層回数で所望の膜厚を容易に且つ確実に得ることができることが発明者らによって確認できている。
また、図26および図27のいずれの結果からも分かるように、特に、電解質ポリマー溶液(A液)のpHが3〜7の範囲内に調整されるとともに、微粒子分散液(B液)のpHが4〜5の範囲内に調整されると、「×」の評価レベルを全く伴うことなく「〇」の評価レベルがほぼ確実に得られることが発明者らによる試験から明らかになった。この場合、電解質ポリマー溶液のpHと微粒子分散液のpHとの差が±3であることが好ましい。
このようにして形成される空隙を有する微粒子積層膜、すなわち、電解質ポリマーと微粒子とが交互に吸着されてレンズ等の固体基材に積層状態で結合される高耐熱反射防止膜は、所望の屈折率により決定される膜厚を、反射光の位相と入射光の位相とが重なって互いに打ち消し合うように可視光線の波長λの1/4の倍数に設定する(例えば100nm)ことにより、優れた反射防止特性を実現し得る。また、このような高耐熱反射防止膜は、前述した微粒子(無機粒子)、空気層(空隙)および化合物の組成形態あるいは微粒子積層薄膜形態を成して形成されることにより、柔軟性および可撓性を有するとともに耐熱性に優れたものとなり、その結果、高温時における高耐熱反射防止膜のひび割れ等を防止できる。この場合、特に、空気層(空隙)は、隣り合う微粒子(無機粒子)の間に形成されているため、高耐熱反射防止膜が形成されているレンズが温度変化によって膨張したり収縮したりしても、高耐熱反射防止膜がそれに追随できる。そのため、高耐熱反射防止膜が破壊されてしまうことを防止できる。
以上のように、本発明によれば、酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液とを使用し、これらのそれぞれのpHを1〜7の範囲内(中性〜酸性の範囲内)に調整してこれらを固体基材の表面に交互に繰り返し接触させて微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)を得るようにしているため、電解質ポリマー溶液を接触させる第1の工程と微粒子分散液を接触させる第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚を例えば15nm〜45nmなどの適度な薄さに設定することができる。そのため、全体の膜厚を積層回数により細かく調整することが可能となり、様々な要求に応じて、適度な積層回数で、所望の膜厚を容易に且つ確実に得ることができる。また、酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液とを使用してこれらのそれぞれのpHを1〜7の範囲内に調整することから、前述した従来のように電解質ポリマー溶液がアルカリ性を呈するべく煩雑な化学的調製作業を行なう必要もない。さらに、積層工程1回当たりの平均膜厚が大きいことに起因する前述した電解質濃度変動に伴う膜厚安定性の低下の懸念も解消される。
また、本発明によれば、電解質ポリマー溶液および微粒子分散液がいずれも酸性であるため、従来のように微粒子積層膜の成膜過程で酸とアルカリとが組み合わされて中和反応により副生成物(塩)が生成されるといった不都合な事態を回避でき、したがって、余計な後処理等を伴うことなく、良好な安定した成膜状態の高耐熱反射防止膜を得ることができる。
なお、上記構成の本発明において、電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のそれぞれのpH1〜7の範囲内の調整は、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質の添加によって成されてもよい。また、上記構成の本発明では、固体基材を電解質ポリマー溶液中および微粒子分散液中にそれぞれ5分以上にわたって浸漬させることにより固体基材の表面に電解質ポリマー溶液および微粒子分散液を接触させることが好ましい。これは、浸漬時間を5分以上とすることで、膜厚が飽和状態となって安定するとともに、分光特性のバラつきを低減させることもできるからである。
本発明の成膜方法によれば、酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液とを使用し、これらのそれぞれのpHを1〜7の範囲内(中性〜酸性の範囲内)に調整してこれらを固体基材の表面に交互に繰り返し接触させて微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)を得るようにしているため、電解質ポリマー溶液を接触させる第1の工程と微粒子分散液を接触させる第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚を適度な薄さに設定することができる。そのため、全体の膜厚を積層回数により細かく調整することが可能となり、様々な要求に応じて、適度な積層回数で、所望の膜厚を容易に且つ確実に得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る成膜方法の工程の一例を示すフローチャートである。 本発明の成膜方法の適用が可能なレンズユニットの概略断面図である。 図1のレンズユニットを備えるカメラモジュールの概略断面図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5.5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 図4〜図13に示される分光特性をそれぞれ有する微粒子積層膜の全体の膜厚、および、積層工程1回当たりの平均膜厚の結果を示す表である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH4に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH3に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH5に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH5に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH7に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH7に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 電解質ポリマー溶液(A−1)をpH9に設定するとともに微粒子分散液(O)をpH9に設定した際の4回積層後の微粒子積層膜の分光特性図である。 図15〜図24に示される分光特性をそれぞれ有する微粒子積層膜の全体の膜厚、および、積層工程1回当たりの平均膜厚の結果を示す表である。 図14の膜厚結果の評価表を示す。 図25の膜厚結果の評価表を示す。 従来の成膜工程を段階的に示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態に係る成膜方法ついて説明する。本実施の形態の成膜方法では、酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液とを使用し、これらのそれぞれのpHを1〜7の範囲内(中性〜酸性の範囲内)に調整してこれらを固体基材としての光学部材、特にレンズユニットのレンズ群を構成するレンズの表面に交互に繰り返し接触させることによってレンズ表面上に高耐熱反射防止膜を形成する。そのため、前述したように、電解質ポリマー溶液を接触させる第1の工程と微粒子分散液を接触させる第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚を例えば15nm〜45nmなどの適度な薄さに設定することができる。
まず最初に、本実施の形態に係る成膜方法が適用される固体基材としてのレンズを有するレンズユニットについて説明する。このレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。なお、以下で説明する図2および図3において複数のレンズについてはハッチングを省略している。
図2に示されるように、このレンズユニット11は、例えば樹脂製または金属製の円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置されるガラス製または樹脂製の複数のレンズ、具体的には、ガラス製の第1のレンズ13、樹脂製の第2のレンズ14、樹脂製の第3のレンズ15、樹脂製の第4のレンズ16および樹脂製の第5のレンズ17から成る5つのレンズと、図示しない絞り部材とを備えている。絞り部材は、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、図示しないイメージセンサを有する基板と、当該基板を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。
鏡筒12に固定されて支持されている複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。このうち、最も像側(内側収容空間Sの最も内奥側)に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は例えば貼り合わせレンズである。
鏡筒12の物体側の端部(図2において上端部)には、当該端部を径方向内側にカシメてなるカシメ部23が設けられており、このカシメ部23によってレンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13が鏡筒12の物体側の端部に固定されている。
また、鏡筒12の像側の端部(図2において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13、14、15、16,17と絞り部材とが保持されている。
最も物体側に位置される第1のレンズ13の外周面には、当該レンズ13の像側部分に径が小さくなった縮径部が設けられ、当該縮径部にシール部材としてのOリング26が設けられ、レンズ13の外周面と鏡筒12の内周面との間を、鏡筒12の物体側端部で封止した状態となっている。これにより、レンズユニット11の物体側の端部から鏡筒12内に水や塵埃等の微粒子が浸入するのを防止している。
鏡筒12は、その内径および外径が物体側から像面側に向かって段階的に小さくなっている。すなわち、鏡筒12は、第1および第2のレンズ13,14を収容保持する大径部12Aと、第3〜第5のレンズ15,16,17を収容保持する小径部12Bとを有する。また、このような鏡筒12の段付き形状に対応して、レンズ13,14,15,16,17は、物体側から像面側に向かうにつれて、外径が小さくなっている。基本的に、レンズ13,14,15,16,17のそれぞれの外径と、鏡筒12の各レンズ13,14,15,16,17が支持(保持)される部分のそれぞれの内径とが略等しくなっている。なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部25が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
また、本実施の形態においては、基本的に、最も物体側に位置されるガラス製の第1のレンズ13を除く内側の樹脂製のレンズ14,15,16,17に以下で更に詳しく説明する高耐熱反射防止膜としての反射防止膜30が形成されている。第1のレンズ13にも反射防止膜30が設けられてもよく、その場合には、反射防止膜30は、第1のレンズ13の像側を向くレンズ裏面13bのみに設けられるのが好ましい。これは、高耐熱反射防止膜が、構造的に脆いため、他の物体との接触等によって剥がれ易いからである。ただし、第1のレンズ13の物体側を向くレンズ表面13aに反射防止膜30を設けることを妨げるものではない。高耐熱反射防止膜上に保護膜等を形成することでこの欠点は解消可能だからである。
なお、以下では、膜付きレンズとしての樹脂製のレンズ14,15,16,17について反射防止膜30(高耐熱反射防止膜)の成膜方法について説明するが、ガラス製の第1のレンズ13に対しても同様の成膜方法が適用可能である。
また、図3には、以上のような構成を成すレンズユニット11を有する本実施の形態のカメラモジュール300の概略断面図が示されている。図示のように、このカメラモジュール300は、フィルタ100が装着された図2のレンズユニット11を含んで構成される。
カメラモジュール300は、外装部品である上ケース(カメラケース)301と、レンズユニット11を保持するマウント(台座)302とを備えている。また、カメラモジュール300は、シール部材303およびパッケージセンサ(撮像素子)304を備えている。
上ケース301は、レンズユニット11の物体側の端部を露出させるとともに他の部分を覆う部材である。マウント302は、上ケース301の内部に配置されており、レンズユニット11の雄ねじ11aと螺合する雌ねじ302aを有する。シール部材303は、上ケース301の内面とレンズユニット11の鏡筒12の外周面12aとの間に介挿された部材であり、上ケース301の内部の気密性を保持するための部材である。
パッケージセンサ304は、マウント302の内部に配置されており、かつ、レンズユニット11により形成される物体の像を受光する位置に配置されている。また、パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11を通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される。
次に、一例として、図1を参照しながら、樹脂製のレンズの表面上に空隙を有する微粒子積層薄膜としての高耐熱反射防止膜30を形成する成膜方法について説明する。なお、本実施の形態では、レンズユニット11のレンズ群Lを構成するレンズの表面上に高耐熱反射防止膜30が形成されるが、高耐熱反射防止膜30が形成される固体基材としてのレンズとしては、球面レンズ、非球面レンズ、ボールレンズ、自由曲面レンズ、シリンドリカルレンズ、トロイダルレンズ、フレネルレンズ、回折レンズなどを挙げることができ、特に樹脂レンズの場合、その素材として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS樹脂、SAN樹脂)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)、ポリ-4-メチルペンテン-1(TPX)、脂環式アクリル樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂(COP,COC)、チオウレタン樹脂(屈折率1.4〜1.8)を挙げることもできる。
成膜方法では、まず最初に、酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液との組み合わせを用意する(ステップS1)。そのような組み合わせの例としては、例えば、ニットーボーメディカル株式会社が提供するポリアミンシリーズ(PAS)のPAS−A−1(商品名)と、平均粒径が10nm〜15nmの単分散性の無孔質コロイダルシリカ粒子を含む日産化学工業(株)社製のスノーテックスOとの組み合わせ、あるいは、ニットーボーメディカル株式会社が提供するポリアミンシリーズ(PAS)のPAS−A−1(商品名)と、平均粒径が10nm〜15nmの単分散性の無孔質コロイダルシリカ粒子を含む日揮触媒化成株式会社が提供するカタロイドSN(商品名)との組み合わせなどを挙げることができる。
ここで、微粒子分散液は、微粒子が水、有機溶媒、または、水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒に分散されたものである。溶媒に分散している微粒子は、その表面極性基の解離やイオンの吸着によって拡散電気二重層が生じ、電気的に正または負に帯電している。その表面電荷の評価方法としてゼータ電位がある。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等を挙げることができる。また、微粒子は、反射防止膜の一般的な厚みが50nm〜300nmであることを考えると、溶液に分散されている状態で平均一次粒子径が、1nm以上、50nm以下が好ましく、3nm以上、30nm以下がより好ましく、5nm以上、20nm以下がさらに好ましい。微粒子の平均一次粒子径が50nmを超えると、所望の膜厚に制御することが難しくなる。微粒子の分散は、表面の電荷で分散されている状態であるものが好ましい。一般的に微粒子を分散させる目的で分散剤や安定剤が添加される場合があるが、積層の邪魔になる可能性が大きい。微粒子の形状は、球状の無孔質、単分散の状態であることが好ましい。本発明での耐熱性を発現するメカニズムでは中空粒子等の内部空隙は意味がない。微粒子材料の例としては、無機微粒子があるが、具体的には、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、ケイ素、イットリウム、スズ、セリウム、コバルト、銅、鉄、ニオブ、亜鉛等の酸化物やフッ化物を挙げることができる。
一方、電解質ポリマーとしては、荷電を有する官能基を主鎖または側鎖に持つ高分子を用いることができる。この電解質ポリマー溶液は、微粒子の表面電荷と反対または同じ符号の電荷の電解質ポリマーを、水、有機溶媒または水溶性の有機溶媒と水の混合溶媒に溶解したものである。電解質ポリマーのイオン性基は、1級、2級、または、3級アミノ基、該アミノ基の塩、第4級アンモニウム基からなる群から1種以上であることが好ましい。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン、および、その4級化物、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチルイミン、および、それらを少なくとも1種以上を含む共重合体や塩の種類を変えたものなどを挙げることができる。これらの電解質ポリマーはバインダとしての機能を有する。
また、成膜処理されるべきレンズは、そのまま用いるか、または、それらの表面にコロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、紫外線照射、イトロ処理、オゾン処理、アルカリや酸等による化学的エッチング処理、シランカップリング処理等によって、極性を有する官能基を導入してレンズの表面電荷をマイナスもしくはプラスにする。
以上のようにして酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液との組み合わせを用意したら、今度は、例えば炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質の添加によって電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のそれぞれのpHを1〜7の範囲内に調整する(ステップS2)。具体的には、後述する成膜工程の1サイクルの平均膜厚が適度な薄さ(例えば15nm〜45nm)となるように電解質ポリマー溶液および微粒子分散液のそれぞれのpHを1〜7の範囲内に調整する。
その後、レンズ上に、電解質ポリマー溶液または微粒子分散液のいずれかを接触または塗布する工程により、電解質ポリマーまたは微粒子の層を形成し、続いて、電解質ポリマー溶液を接触または塗布させた後のレンズ上に該電解質ポリマー溶液の電解質ポリマーと反対電荷を有する微粒子の分散液を接触または塗布する工程、または、微粒子分散液を接触または塗布させた後のレンズ上に該微粒子分散液の微粒子と反対電荷を有する電解質ポリマーの溶液を接触または塗布する工程により、微粒子または電解質ポリマーの層を形成し、これらの工程を交互に繰り返すことによりレンズ上に微粒子積層膜としての高耐熱反射防止膜を形成する。なお、塗布液を塗布する方法としては、例えば、インクジェットプリンティング法、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷等を挙げることができる。
具体的には、本実施の形態では、まず最初に、レンズを電解質ポリマー溶液中に例えば5分以上にわたって浸漬(ステップS3)した後、リンス用の超純水をレンズに対して例えば1分間にわたって噴射する(ステップS4)。その後、電解質ポリマーと反対のマイナスの電荷を有する微粒子の分散液中にレンズを例えば5分以上にわたって浸漬(ステップS5)した後、リンス用の超純水をレンズに対して例えば1分間にわたって噴射する(ステップS6)。そして、ステップS3,S4を1回、ステップS5,S6を1回それぞれ順次に行なうことを1サイクルとし、このサイクルを所定回数(本実施の形態では4回)行ない(ステップS7)、最後に例えば25℃で24時間にわたって乾燥する(ステップS8)。それにより、1サイクルの膜厚が適度な薄さ(例えば15nm〜45nm)に保たれつつ、微粒子積層膜としての高耐熱反射防止膜が所望の厚さでレンズの表面上に形成される。
このようにして形成される高耐熱反射防止膜は、複数の無機粒子と、バインダと、複数の空気層(空隙)とを含んでいる。具体的には、当該高耐熱反射防止膜中の体積率が5〜74%である複数の無機微粒子と、体積率が65%以下である複数の空気層と、前記無機粒子および前記空気層をバインディングし、前記無機粒子よりも低いヤング率を有し、体積率が5〜95%である、有機化合物、無機化合物および無機高分子のいずれかとを備えたものである。
また、このようにして形成される高耐熱反射防止膜は、柔軟性および可撓性を有するとともに耐熱性に優れたものとなり、その結果、高温時における高耐熱反射防止膜のひび割れ等を防止できる。この場合、特に、微粒子間の空気層(空隙)の存在により、高耐熱反射防止膜が形成されているレンズが温度変化によって膨張したり収縮したりしても、高耐熱反射防止膜がそれに追随できる。そのため、高耐熱反射防止膜が破壊されてしまうことを防止できる。なお、このような高耐熱反射防止膜は、125℃以上の耐熱性を有するとともに、レンズの熱膨張率に近い熱膨張率を有するものを選択することが好ましい。また、空気層は屈折率が低いため、高耐熱反射防止膜の屈折率は低下する。そのため、光の反射がさらに抑制される。
なお、樹脂製のレンズへの製膜方法について説明してきたが、ガラス製のレンズについても同様の方法で製膜可能である。また、高耐熱反射防止膜のレンズ上に直接成形する場合に限らず、例えば、高耐熱反射防止膜とレンズの間に高耐熱反射防止膜とレンズの密着性を増加させるための密着層等が介在することを妨げるものではない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、酸性の電解質ポリマー溶液と酸性の微粒子分散液とを使用し、これらのそれぞれのpHを1〜7の範囲内(中性〜酸性の範囲内)に調整してこれらを固体基材の表面に交互に繰り返し接触させて微粒子積層膜(高耐熱反射防止膜)を得るようにしているため、電解質ポリマー溶液を接触させる第1の工程と微粒子分散液を接触させる第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回(1サイクル)当たりの平均膜厚を例えば15nm〜45nmなどの適度な薄さに設定することができる。そのため、全体の膜厚を積層回数により細かく調整することが可能となり、様々な要求に応じて、適度な積層回数で、所望の膜厚を容易に且つ確実に得ることができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施の形態では、高耐熱反射防止膜が成膜される固体基材としてレンズを例にとって説明したが、本発明の成膜方法が適用される固体基材はレンズに限定されず、あらゆる素材に本発明を適用できる。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
11 レンズユニット
13,14,15,16,17 レンズ(固体基材)
30 高耐熱反射防止膜
162 電解質ポリマー
163 微粒子

Claims (10)

  1. 固体基材の表面上に高耐熱反射防止膜を形成するための成膜方法であって、
    前記固体基材の表面に酸性の電解質ポリマー溶液を接触させた後にリンスする第1の工程と、
    前記固体基材の表面に酸性の微粒子分散液を接触させた後にリンスする第2の工程と、
    前記第1の工程および前記第2の工程を交互に繰り返して微粒子積層膜を形成する第3の工程と、
    を含み、
    前記電解質ポリマー溶液および前記微粒子分散液のpHをそれぞれ1〜7の範囲内に調整することにより前記微粒子積層膜の膜厚を制御することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記微粒子分散液が単分散性の無孔質コロイダルシリカ粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記無孔質コロイダルシリカ粒子の平均粒径が10nm〜15nmであり、
    前記第1の工程と前記第2の工程とを1回ずつ行なって成る積層工程1回当たりの平均膜厚が15nm〜45nmとなるように前記電解質ポリマー溶液および前記微粒子分散液のそれぞれのpHを1〜7の範囲内に調整することを特徴とする請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記電解質ポリマー溶液および前記微粒子分散液のそれぞれのpHが3〜7の範囲内に調整されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の成膜方法。
  5. 前記電解質ポリマー溶液のpHが3〜7の範囲内に調整されるとともに、前記前記微粒子分散液のpHが4〜5の範囲内に調整されることを特徴とする請求項4に記載の成膜方法。
  6. 前記電解質ポリマー溶液のpHと前記微粒子分散液のpHとの差が±3であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の成膜方法。
  7. アルカリ性物質の添加によって前記電解質ポリマー溶液および前記微粒子分散液のそれぞれのpHが調整されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の成膜方法。
  8. 前記固体基材を電解質ポリマー溶液中および微粒子分散液中にそれぞれ5分以上にわたって浸漬させることにより前記固体基材の表面に前記電解質ポリマー溶液および前記微粒子分散液を接触させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の成膜方法。
  9. 前記固体基材が光学部材であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の成膜方法。
  10. 前記光学部材がレンズユニットのレンズ群を構成するレンズであることを特徴とする請求項9に記載の成膜方法。
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