JP2020143584A - 圧力調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料噴射系の高圧経路の燃料を適正に減圧調整することの可能な圧力調整装置を提供する。【解決手段】圧力調整装置1は、通路形成部材10および流量規制部20を備える。通路形成部材10は、高圧経路と低圧経路とを連通する燃料通路13を形成している。流量規制部20は、燃料通路13に設けられ、燃料の流れを規制する複数のオリフィス流路22と、そのオリフィス流路22より流路面積が大きく且つ容積が固定された複数の開放室23とが交互に配置され、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料の流量を規制する。【選択図】図2
Description
本発明は、燃料噴射系の高圧経路の燃料を減圧調整する圧力調整装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンの燃料噴射系の制御システムとしてコモンレールシステムが知られている。コモンレールシステムは、サプライポンプにより昇圧した燃料をコモンレールに蓄圧し、そのコモンレールに接続する複数のインジェクタから適切な時期に適切な時間、エンジンの各気筒に燃料を噴射するものである。
特許文献1には、コモンレールとインジェクタとの間に設けられる脈動減衰装置が記載されている。この脈動減衰装置は、燃料の流れる容器の内側に孔のあいた2枚の板材を平行に配置し、その容器の内壁と板材との間に形成される空間(以下、第1空間という)と、2枚の板材同士の間に形成される空間(以下、第2空間という)にそれぞれスプリングを配置したものである。この脈動減衰装置は、板材に設けられた孔を通じてコモンレールからインジェクタに燃料噴射に必要な流量を供給しつつ、インジェクタの燃料噴射により生じる燃料の脈動をスプリングの伸縮に応じた第1空間と第2空間の容積変化により減衰する。これにより、この脈動減衰装置は、インジェクタからコモンレールに伝わる燃料の脈動を減衰することで、コモンレールから生じる騒音を抑制すると共に、インジェクタの燃料噴射量の変動を抑制している。
ところで、コモンレールシステムでは、エンジンの運転停止中、コモンレール内に必要以上の燃料圧力が蓄圧されていると、次の運転開始時にインジェクタから噴射される燃料噴射量が増加し、騒音が発生することがある。そのため、コモンレールシステムには、エンジンの運転停止中に、コモンレールなどの高圧経路から燃料タンクなどの低圧経路へ燃料を微小な流量で排出することで、コモンレール内の高圧燃料を適正な圧力に減圧調整する圧力調整装置が設けられる。
上述した特許文献1に記載の脈動減衰装置は、その圧力調整装置として使用することはできない。上述したように、特許文献1に記載の脈動減衰装置は、コモンレールからインジェクタに燃料噴射に必要な流量を供給しつつ、インジェクタの燃料噴射により生じる燃料の脈動を減衰するものである。そのため、板材に設けられた孔は、燃料噴射に必要な流量を供給可能な大きさに設定されている。また、スプリングの伸縮に伴って2枚の板材が容器内を移動するように、2枚の板材と容器の内壁との間には所定の隙間が形成されている。したがって、この脈動減衰装置は、高圧経路から低圧経路へ燃料を微小流量で排出することはできない。仮に、特許文献1に記載の脈動減衰装置を圧力調整装置として使用すれば、コモンレールから大量の燃料が低圧経路に排出され、コモンレール内の燃料圧力が必要以上に低下してインジェクタから燃料噴射することができなくなる。
本発明は上記点に鑑みて、燃料噴射系の高圧経路の燃料を適正に減圧調整することの可能な圧力調整装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、エンジンの燃料噴射系の高圧経路を流れる燃料を減圧調整する圧力調整装置であって、通路形成部材(10、51、52)および流量規制部(20、201、202)を備える。通路形成部材は、高圧経路と低圧経路とを連通する燃料通路(13)を形成する。流量規制部は、燃料通路に設けられ、燃料の流れを規制する複数のオリフィス流路(22)と、そのオリフィス流路より流路面積が大きく且つ容積が固定された複数の開放室(23、23a、23b)とが交互に配置され、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料の流量を規制する。
これによれば、流量規制部は、複数のオリフィス流路と複数の開放室とを交互に配置しているので、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料は、複数のオリフィス流路を1つずつ通過するごとに、圧力が段階的に低下する。そのため、仮に流量規制部を1本の長いオリフィス流路で構成することに比べて、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料の流量(以下、「リリーフ流量」という)を少なくすることができる。
高圧経路の燃料を減圧する際、仮に1本の長いオリフィス流路によってリリーフ流量を調整しようとすれば、そのオリフィス流路の内径を、請求項1に係る発明が備える流量規制部が有する複数のオリフィス流路の内径よりも小さくしなければならない。具体的には、1本の長いオリフィス流路の内径を切削加工の加工限界よりも小さくしなければ、流量の調整ができず、高圧経路の燃料圧力が必要以上に低下してしまう。
それに対し、請求項1に係る発明では、1本の長いオリフィス流路による構成に比べて、複数のオリフィス流路の内径を切削加工の加工限界よりも小さくすることなく、燃料の流量を少なくすることができる。したがって、この圧力調整装置は、高圧経路の燃料を適正に減圧調整することができる。
高圧経路の燃料を減圧する際、仮に1本の長いオリフィス流路によってリリーフ流量を調整しようとすれば、そのオリフィス流路の内径を、請求項1に係る発明が備える流量規制部が有する複数のオリフィス流路の内径よりも小さくしなければならない。具体的には、1本の長いオリフィス流路の内径を切削加工の加工限界よりも小さくしなければ、流量の調整ができず、高圧経路の燃料圧力が必要以上に低下してしまう。
それに対し、請求項1に係る発明では、1本の長いオリフィス流路による構成に比べて、複数のオリフィス流路の内径を切削加工の加工限界よりも小さくすることなく、燃料の流量を少なくすることができる。したがって、この圧力調整装置は、高圧経路の燃料を適正に減圧調整することができる。
また、請求項1に係る発明では、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料は、複数のオリフィス流路を1つずつ通過するごとに圧力が段階的に低下するので、それに伴って燃料の流速も低下する。したがって、この圧力調整装置は、燃料にキャビテーションが発生することを抑制し、圧力調整装置の構成部材の表面にエロージョンが生じることを防ぐことができる。
さらに、請求項1に係る発明では、1本の長いオリフィス流路による構成に比べて、複数のオリフィス流路の内径を大きくすることが可能であるので、燃料に含まれる異物によるオリフィス流路の目詰まりを抑制することができる。
また、流量規制部の上流側にフィルタを設ける場合、そのフィルタの有する細孔は、複数のオリフィス流路の断面積より小さければよい。したがって、細孔が極めて小さいフィルタを使用することなく、オリフィス流路の目詰まりを防ぐことができる。
また、流量規制部の上流側にフィルタを設ける場合、そのフィルタの有する細孔は、複数のオリフィス流路の断面積より小さければよい。したがって、細孔が極めて小さいフィルタを使用することなく、オリフィス流路の目詰まりを防ぐことができる。
なお、高圧経路とは、燃料噴射系に設けられたサプライポンプの吐出弁からコモンレールを経由してインジェクタの噴孔までの燃料経路をいう。低圧経路とは、燃料噴射系に設けられた燃料タンクからサプライポンプのポンプ室までの燃料経路、および、燃料タンクに連通する低圧配管をいう。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の圧力調整装置1は、ディーゼルエンジンのコモンレールシステム100に用いられる。
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の圧力調整装置1は、ディーゼルエンジンのコモンレールシステム100に用いられる。
まず、コモンレールシステム100について説明する。
図1に示すように、コモンレールシステム100は、燃料タンク101、サプライポンプ102、コモンレール103、複数のインジェクタ104、および電子制御ユニット(ECU)105などを備えている。燃料タンク101に貯留される軽油などの液体燃料は、図示しない低圧ポンプにより汲み上げられ、低圧燃料パイプ106および燃料フィルタ107を経由してサプライポンプ102に吸入される。サプライポンプ102は、例えばエンジンにより駆動されるプランジャポンプである。サプライポンプ102は、図示しないポンプ室に吸入した燃料を例えば200〜300MPa程度に昇圧し、高圧燃料パイプ112を経由してコモンレール103へ圧送する。なお、サプライポンプ102には、ポンプ室で昇圧される燃料を調量するための燃料調整弁108が設けられている。また、燃料タンク101から低圧燃料パイプ106を経由してサプライポンプ102に供給される燃料の一部は、オーバーフローパイプ109、圧力調整装置1内の図示しない冷却流路、リリーフパイプ110およびリターンパイプ111を経由して燃料タンク101に戻される。
図1に示すように、コモンレールシステム100は、燃料タンク101、サプライポンプ102、コモンレール103、複数のインジェクタ104、および電子制御ユニット(ECU)105などを備えている。燃料タンク101に貯留される軽油などの液体燃料は、図示しない低圧ポンプにより汲み上げられ、低圧燃料パイプ106および燃料フィルタ107を経由してサプライポンプ102に吸入される。サプライポンプ102は、例えばエンジンにより駆動されるプランジャポンプである。サプライポンプ102は、図示しないポンプ室に吸入した燃料を例えば200〜300MPa程度に昇圧し、高圧燃料パイプ112を経由してコモンレール103へ圧送する。なお、サプライポンプ102には、ポンプ室で昇圧される燃料を調量するための燃料調整弁108が設けられている。また、燃料タンク101から低圧燃料パイプ106を経由してサプライポンプ102に供給される燃料の一部は、オーバーフローパイプ109、圧力調整装置1内の図示しない冷却流路、リリーフパイプ110およびリターンパイプ111を経由して燃料タンク101に戻される。
サプライポンプ102で昇圧された燃料は、高圧燃料パイプ112を通り、コモンレール103に蓄圧される。コモンレール103は、長細い筒状の高圧燃料配管である。コモンレール103には、複数の分配配管113を経由して複数のインジェクタ104が接続されている。そのため、コモンレール103に蓄圧された燃料は、複数の分配配管113を経由して複数のインジェクタ104に供給される。インジェクタ104は、ECU105から入力される制御信号に基づき、適切な時期に適切な量の燃料をエンジンの各気筒に噴射する。なお、コモンレール103からインジェクタ104に供給される燃料の一部は、リークパイプ114およびリターンパイプ111を通り燃料タンク101に戻される。
コモンレール103には、内部の燃料圧力を検出する燃圧センサ115が取り付けられている。燃圧センサ115で検出された情報は、ECU105に入力される。ECU105は、制御処理や演算処理を行うプロセッサ、プログラムやデータ等を記憶するROM、RAM等の記憶部を含むマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。ECU105は、サプライポンプ102の燃料調整弁108およびインジェクタ104などの駆動を制御する。
コモンレール103には、内部の燃料圧力を減圧調整するための圧力調整装置1が設けられている。圧力調整装置1は、コモンレール103内の高圧燃料を燃料タンク101などの低圧経路へ微小な流量で排出する。そのため、コモンレール103内の燃料の一部は、圧力調整装置1からリリーフパイプ110およびリターンパイプ111を経由して燃料タンク101に戻される。これにより、圧力調整装置1は、エンジンの運転停止中に、コモンレール103内に必要以上の燃料圧力が蓄圧され続けることを防ぎ、次の運転開始時にインジェクタ104から噴射される燃料噴射量を適正にして、騒音の発生を抑制することが可能である。
なお、圧力調整装置1を設ける位置は、コモンレール103に限らず、エンジンの燃料噴射系の高圧経路のいずれの場所であってもよい。高圧経路とは、サプライポンプ102の吐出弁からコモンレール103を経由してインジェクタ104の噴孔までの燃料経路をいう。これにより、圧力調整装置1は、エンジンの燃料噴射系の高圧経路を流れる燃料を減圧調整することが可能である。なお、低圧経路とは、燃料噴射系に設けられた燃料タンク101からサプライポンプ102のポンプ室までの燃料経路、および、燃料タンク101に連通する低圧配管をいう。
次に、本実施形態の圧力調整装置1の構成について説明する。
図2に示すように、圧力調整装置1は、通路形成部材10、流量規制部20、固定部材30およびフィルタ40などを備えている。
通路形成部材10は、コモンレール103の長手方向の一方の端部に設けられている。そのコモンレール103の端部には、通路形成部材10を取り付けるための取付穴116が設けられている。通路形成部材10の外壁に設けられた雄ねじ11は、コモンレール103の取付穴116の内壁に設けられた雌ねじ117に螺合する。その際の軸力により、通路形成部材10の軸方向の端部が、取付穴116の軸方向の内壁に設けられた当接部118に当接し、通路形成部材10とコモンレール103とが接続される。なお、コモンレール103の取付穴116の内壁と通路形成部材10との間には、図示しないシールリングなどを設けてもよい。
図2に示すように、圧力調整装置1は、通路形成部材10、流量規制部20、固定部材30およびフィルタ40などを備えている。
通路形成部材10は、コモンレール103の長手方向の一方の端部に設けられている。そのコモンレール103の端部には、通路形成部材10を取り付けるための取付穴116が設けられている。通路形成部材10の外壁に設けられた雄ねじ11は、コモンレール103の取付穴116の内壁に設けられた雌ねじ117に螺合する。その際の軸力により、通路形成部材10の軸方向の端部が、取付穴116の軸方向の内壁に設けられた当接部118に当接し、通路形成部材10とコモンレール103とが接続される。なお、コモンレール103の取付穴116の内壁と通路形成部材10との間には、図示しないシールリングなどを設けてもよい。
通路形成部材10の内側には、燃料通路13が形成されている。燃料通路13は、その一方の側がコモンレール103の内側に形成されるレール室119に連通し、他方の側がリリーフパイプ110に連通する。レール室119は、エンジンの燃料噴射系の高圧経路の一部であり、リリーフパイプ110は低圧経路の一部である。したがって、燃料通路13は、エンジンの燃料噴射系の高圧経路と低圧経路とを連通するものである。
燃料通路13は、高圧経路側から、オリフィス用通路14、保持用通路15、および接続用通路16を有している。
オリフィス用通路14には、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21が設けられている。その流量規制部20については後述する。保持用通路15は、オリフィス用通路14に対しリリーフパイプ110側に設けられている。保持用通路15は、オリフィス用通路14より流路の長さが短く、且つ、オリフィス部材21より流路断面積が小さく形成されている。そのため、オリフィス用通路14と保持用通路15との間には、段差部17が形成されている。複数のオリフィス部材21は、その段差部17に対して固定されている。接続用通路16は、保持用通路15のリリーフパイプ110側に設けられている。接続用通路16は、保持用通路15より流路断面積が大きく形成されている。この接続用通路16に対し、リリーフパイプ110の図示しない先端部が接続される。
オリフィス用通路14には、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21が設けられている。その流量規制部20については後述する。保持用通路15は、オリフィス用通路14に対しリリーフパイプ110側に設けられている。保持用通路15は、オリフィス用通路14より流路の長さが短く、且つ、オリフィス部材21より流路断面積が小さく形成されている。そのため、オリフィス用通路14と保持用通路15との間には、段差部17が形成されている。複数のオリフィス部材21は、その段差部17に対して固定されている。接続用通路16は、保持用通路15のリリーフパイプ110側に設けられている。接続用通路16は、保持用通路15より流路断面積が大きく形成されている。この接続用通路16に対し、リリーフパイプ110の図示しない先端部が接続される。
上述したように、燃料通路13のうちオリフィス用通路14に設けられる複数のオリフィス部材21は、流量規制部20を構成している。
図2および図3に示すように、オリフィス部材21は、燃料の流れを規制するオリフィス流路22と、そのオリフィス流路22より流路面積が大きい開放室23とを有している。オリフィス流路22の内径D1は、切削加工の限界値(例えば直径0.05mm)より大きく設定されている。オリフィス流路22の内径D1は、例えば、0.06〜0.12mm、または、0.08〜0.1mm程度である。オリフィス流路22の流路の長さL1は、例えば、オリフィス部材21全体の長さL2の1/2〜1/4程度である。一方、開放室23の内径D2は、例えば、オリフィス流路22の10〜100倍程度である。複数個のオリフィス部材21は、互いに密着している。そのため、オリフィス部材21が有する開放室23は、その容積が固定されたものである。
図2および図3に示すように、オリフィス部材21は、燃料の流れを規制するオリフィス流路22と、そのオリフィス流路22より流路面積が大きい開放室23とを有している。オリフィス流路22の内径D1は、切削加工の限界値(例えば直径0.05mm)より大きく設定されている。オリフィス流路22の内径D1は、例えば、0.06〜0.12mm、または、0.08〜0.1mm程度である。オリフィス流路22の流路の長さL1は、例えば、オリフィス部材21全体の長さL2の1/2〜1/4程度である。一方、開放室23の内径D2は、例えば、オリフィス流路22の10〜100倍程度である。複数個のオリフィス部材21は、互いに密着している。そのため、オリフィス部材21が有する開放室23は、その容積が固定されたものである。
流量規制部20は、その複数のオリフィス部材21が連続配置された構成である。したがって、流量規制部20は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とが交互に配置された構成である。これにより、流量規制部20は、高圧経路(例えば、レール室119)から低圧経路(例えば、リリーフパイプ110)へ流れる燃料の流量を規制することが可能である。以下の説明では、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料の流量を、リリーフ流量という。なお、オリフィス部材21の個数は図に示したものに限らず、実験などにより適切に設定される。
図2に示すように、複数のオリフィス部材21の上流側には、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定するための固定部材30が設けられている。第1実施形態の固定部材30は、スプリング31とブッシュ32により構成されている。
ブッシュ32は、円筒状の部材であり、オリフィス用通路14の中で、複数のオリフィス部材21に対し段差部17とは反対側(すなわち、レール室119側)に設けられている。ブッシュ32は、オリフィス用通路14の内壁に圧入などにより固定されている。
スプリング31は、複数のオリフィス部材21とブッシュ32との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端がブッシュ32に当接している。スプリング31は、圧縮コイルスプリングであり、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
スプリング31は、複数のオリフィス部材21とブッシュ32との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端がブッシュ32に当接している。スプリング31は、圧縮コイルスプリングであり、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
通路形成部材10は、コモンレール103のレール室119側に突出する突出部18を有している。その突出部18の外壁に、有底筒状のフィルタ40が嵌合している。すなわち、フィルタ40は、流量規制部20より上流側に配置されている。フィルタ40は、複数の細孔41を有している。フィルタ40は、その複数の細孔41を有することにより、レール室119から通路形成部材10の燃料通路13に流入する燃料に含まれる異物を捕集する。なお、上述した複数のオリフィス部材21が有するオリフィス流路22の断面積は、フィルタ40が有する細孔41の断面積より大きい。したがって、フィルタ40の複数の細孔41を微細な異物が通過した場合でも、その異物はオリフィス流路22に詰まることなく、リリーフパイプ110側へ流れる。
ここで、上述した第1実施形態と比較するため、比較例の圧力調整装置が備える流量規制部20について説明する。
図4に示すように、比較例の圧力調整装置が備える流量規制部200は、1つのオリフィス部材210により構成されている。比較例のオリフィス部材210は、1本の長いオリフィス流路220を有している。比較例のオリフィス部材210が有するオリフィス流路220の内径D3は、第1実施形態の複数のオリフィス部材21が有するオリフィス流路22の内径D1と同一とする。また、比較例のオリフィス部材210が有するオリフィス流路220の流路の長さL3は、第1実施形態の複数のオリフィス部材21の合計の長さと同一とする。
図4に示すように、比較例の圧力調整装置が備える流量規制部200は、1つのオリフィス部材210により構成されている。比較例のオリフィス部材210は、1本の長いオリフィス流路220を有している。比較例のオリフィス部材210が有するオリフィス流路220の内径D3は、第1実施形態の複数のオリフィス部材21が有するオリフィス流路22の内径D1と同一とする。また、比較例のオリフィス部材210が有するオリフィス流路220の流路の長さL3は、第1実施形態の複数のオリフィス部材21の合計の長さと同一とする。
第1実施形態の流量規制部20と比較例の流量規制部200による燃料圧力の変化を、図5のグラフを参照して説明する。
図5の横軸は、右側が高圧経路側、左側が低圧経路側を示している。図5の縦軸は、燃料圧力を示している。なお、図5のグラフにおいて、第1実施形態の流量規制部20は、6個のオリフィス部材21を連続して配置した構成としている。一方、比較例の流量規制部200のオリフィス流路220の流路の長さL3は、第1実施形態の6個のオリフィス部材21の合計の長さと同一の長さとしている。
図5の実線Aに示すように、第1実施形態の流量規制部20によれば、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料は、各オリフィス部材21が有するオリフィス流路22を1つずつ通過するごとに、圧力が段階的に低下している。
一方、図5の実線Bに示すように、比較例の流量規制部200によれば、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料は、1本の長いオリフィス流路220を高圧経路側から低圧経路側へ流れるに従い、圧力が連続的に低下している。
このように、第1実施形態の流量規制部20は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とを交互に配置することで燃料圧力を段階的に低下させることで、比較例の流量規制部200よりも燃料圧力を大きく低下させることができる。そのため、第1実施形態の流量規制部20は、比較例の流量規制部200に比べて、リリーフ流量を少なくすることが可能である。
一方、図5の実線Bに示すように、比較例の流量規制部200によれば、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料は、1本の長いオリフィス流路220を高圧経路側から低圧経路側へ流れるに従い、圧力が連続的に低下している。
このように、第1実施形態の流量規制部20は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とを交互に配置することで燃料圧力を段階的に低下させることで、比較例の流量規制部200よりも燃料圧力を大きく低下させることができる。そのため、第1実施形態の流量規制部20は、比較例の流量規制部200に比べて、リリーフ流量を少なくすることが可能である。
続いて、第1実施形態の流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21の個数の設定について、図6および図7のグラフを参照して説明する。
図6の横軸は、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21の個数を示している。図6の縦軸は、リリーフ流量を示している。
図6のグラフに示すように、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21の個数を多くするほど、リリーフ流量を少なくすることが可能である。
図6のグラフに示すように、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21の個数を多くするほど、リリーフ流量を少なくすることが可能である。
また、図7の横軸は、コモンレール103のレール室119の燃料圧力(以下、「レール圧」という)を示している。図7の縦軸は、リリーフ流量を示している。
図7の破線Dは、流量規制部20を2個のオリフィス部材21で構成した場合のレール圧とリリーフ流量との関係を示している。一方、図7の実線Eは、流量規制部20を10個のオリフィス部材21で構成した場合のレール圧とリリーフ流量との関係を示している。なお、図7の破線Dと実線Eにおいて、オリフィス部材21が有するオリフィス流路22の内径D1は、いずれも0.1mmとしている。
レール圧が200MPaの場合、図7の破線Dで示したように、流量規制部20を2個のオリフィス部材21で構成すると、リリーフ流量が多すぎてしまう。これに対し、図7の実線Eで示したように、流量規制部20を10個のオリフィス部材21で構成すると、リリーフ流量が適正なものとなる。このように、第1実施形態では、レール圧に対してリリーフ流量が適正なものとなるように、流量規制部20を構成するオリフィス部材21の個数を任意に設定することが可能である。
図7の破線Dは、流量規制部20を2個のオリフィス部材21で構成した場合のレール圧とリリーフ流量との関係を示している。一方、図7の実線Eは、流量規制部20を10個のオリフィス部材21で構成した場合のレール圧とリリーフ流量との関係を示している。なお、図7の破線Dと実線Eにおいて、オリフィス部材21が有するオリフィス流路22の内径D1は、いずれも0.1mmとしている。
レール圧が200MPaの場合、図7の破線Dで示したように、流量規制部20を2個のオリフィス部材21で構成すると、リリーフ流量が多すぎてしまう。これに対し、図7の実線Eで示したように、流量規制部20を10個のオリフィス部材21で構成すると、リリーフ流量が適正なものとなる。このように、第1実施形態では、レール圧に対してリリーフ流量が適正なものとなるように、流量規制部20を構成するオリフィス部材21の個数を任意に設定することが可能である。
以上説明した第1実施形態の圧力調整装置1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第1実施形態では、圧力調整装置1が備える流量規制部20は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とが交互に配置される構成である。
これにより、コモンレール103のレール室119からリリーフパイプ110へ流れる燃料は、複数のオリフィス流路22を1つずつ通過するごとに、圧力が段階的に低下する。そのため、比較例のように流量規制部200を1本の長いオリフィス流路220で構成することに比べてリリーフ流量を少なくすることができる。
(1)第1実施形態では、圧力調整装置1が備える流量規制部20は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とが交互に配置される構成である。
これにより、コモンレール103のレール室119からリリーフパイプ110へ流れる燃料は、複数のオリフィス流路22を1つずつ通過するごとに、圧力が段階的に低下する。そのため、比較例のように流量規制部200を1本の長いオリフィス流路220で構成することに比べてリリーフ流量を少なくすることができる。
高圧経路の燃料を減圧調整する際、比較例のように1本の長いオリフィス流路220によってリリーフ流量を調整しようとすれば、第1実施形態の流量規制部20が有する複数のオリフィス流路22の内径D1よりも小さくしなければならない。具体的には、1本の長いオリフィス流路220の内径D3を切削加工の加工限界(例えば直径0.05mm)よりも小さくしなければ、流量の調整ができず、高圧経路の燃料圧力が必要以上に低下してしまう。
それに対し、第1実施形態では、比較例のような1本の長いオリフィス流路220による構成に比べて、複数のオリフィス流路22の内径D1を切削加工の加工限界よりも小さくすることなく(例えば、通常サイズ程度の内径として直径0.08〜0.1mm)、燃料の流量を少なくすることができる。したがって、第1実施形態の圧力調整装置1は、高圧経路の燃料を適正に減圧調整することができる。
それに対し、第1実施形態では、比較例のような1本の長いオリフィス流路220による構成に比べて、複数のオリフィス流路22の内径D1を切削加工の加工限界よりも小さくすることなく(例えば、通常サイズ程度の内径として直径0.08〜0.1mm)、燃料の流量を少なくすることができる。したがって、第1実施形態の圧力調整装置1は、高圧経路の燃料を適正に減圧調整することができる。
また、第1実施形態では、高圧経路から低圧経路へ流れる燃料は、複数のオリフィス流路22を1つずつ通過するごとに圧力が段階的に低下するので、それに伴って燃料の流速も低下する。したがって、この圧力調整装置1は、燃料にキャビテーションが発生することを抑制し、圧力調整装置1の構成部材の表面にエロージョンが生じることを防ぐことができる。
さらに、第1実施形態では、比較例のような1本の長いオリフィス流路220による構成に比べて、複数のオリフィス流路22の内径D1を大きくすることが可能であるので、燃料に含まれる異物によるオリフィス流路22の目詰まりを抑制することができる。
また、流量規制部20の上流側に設けられるフィルタ40が有する細孔41は、複数のオリフィス流路22の断面積より小さければよい。したがって、細孔41が極めて小さいフィルタ40を使用することなく(例えば、通常サイズ品を使用可能)、オリフィス流路22の目詰まりを防ぐことができる。
また、流量規制部20の上流側に設けられるフィルタ40が有する細孔41は、複数のオリフィス流路22の断面積より小さければよい。したがって、細孔41が極めて小さいフィルタ40を使用することなく(例えば、通常サイズ品を使用可能)、オリフィス流路22の目詰まりを防ぐことができる。
(2)第1実施形態では、流量規制部20は、オリフィス流路22と開放室23とを有する複数のオリフィス部材21を連続配置して構成されている。
これにより、流量規制部20を容易に構成することが可能である。そのため、レール圧に応じてリリーフ流量が適正なものとなるように、流量規制部20を構成するオリフィス部材21の個数を任意に設定することが可能である。
なお、「複数のオリフィス部材21を連続配置する」とは、複数のオリフィス部材21同士を接触した状態で配置することに加え、複数のオリフィス部材21同士をワッシャやシール部材などを挟んで配置することも含んでいる。
これにより、流量規制部20を容易に構成することが可能である。そのため、レール圧に応じてリリーフ流量が適正なものとなるように、流量規制部20を構成するオリフィス部材21の個数を任意に設定することが可能である。
なお、「複数のオリフィス部材21を連続配置する」とは、複数のオリフィス部材21同士を接触した状態で配置することに加え、複数のオリフィス部材21同士をワッシャやシール部材などを挟んで配置することも含んでいる。
(3)第1実施形態では、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14と保持用通路15との間に設けられる段差部17に対して固定されている。
これにより、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定することができる。
これにより、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定することができる。
(4)第1実施形態では、オリフィス用通路14は保持用通路15より長く形成されている。
これにより、コモンレール103の燃料圧力の調整に必要となる流量規制部20の長さを保持しつつ、保持用通路15を短くすることで圧力調整装置1の体格を小型化することができる。
これにより、コモンレール103の燃料圧力の調整に必要となる流量規制部20の長さを保持しつつ、保持用通路15を短くすることで圧力調整装置1の体格を小型化することができる。
(5)第1実施形態では、保持用通路15は、オリフィス用通路14に対しリリーフパイプ110側に形成されている。そして、段差部17は、複数のオリフィス部材21に対しリリーフパイプ110側に形成されている。
これにより、高圧経路の燃料圧力により複数のオリフィス部材21が段差部17に押圧され、また、複数のオリフィス部材21同士が押圧されるので、それらの間をシールすることができる。
これにより、高圧経路の燃料圧力により複数のオリフィス部材21が段差部17に押圧され、また、複数のオリフィス部材21同士が押圧されるので、それらの間をシールすることができる。
(6)第1実施形態では、圧力調整装置1は、複数のオリフィス部材21に対し段差部17とは反対側から複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧するための固定部材30を備える。固定部材30は、スプリング31およびブッシュ32により構成されている。
これにより、エンジンの始動時など、高圧経路の燃料圧力が比較的低い状態でも、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を確実に固定することができる。
これにより、エンジンの始動時など、高圧経路の燃料圧力が比較的低い状態でも、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を確実に固定することができる。
(7)第1実施形態では、流量規制部20が有するオリフィス流路22の断面積は、流量規制部20より上流側に配置されるフィルタ40が有する細孔41の断面積より大きい。
上述したように、第1実施形態の流量規制部20は、比較例のような1つの長いオリフィス流路220による構成に比べて、オリフィス流路22の内径D1を大きくすることが可能である。そのため、流量規制部20より上流側に配置されるフィルタ40として、細孔41が極めて小さいものを使用することなく(例えば、通常サイズ品を使用可能)、オリフィス流路22の目詰まりを防ぐことができる。
上述したように、第1実施形態の流量規制部20は、比較例のような1つの長いオリフィス流路220による構成に比べて、オリフィス流路22の内径D1を大きくすることが可能である。そのため、流量規制部20より上流側に配置されるフィルタ40として、細孔41が極めて小さいものを使用することなく(例えば、通常サイズ品を使用可能)、オリフィス流路22の目詰まりを防ぐことができる。
(第2〜第4実施形態)
第2〜第4実施形態は、第1実施形態に対して流量規制部20の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2〜第4実施形態は、第1実施形態に対して流量規制部20の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
(第2実施形態)
図8に示すように、第2実施形態では、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21はそれぞれ、1つのオリフィス流路22と2つの開放室23a、23bを有している。オリフィス部材21のうち流路軸方向の中央部に、オリフィス流路22は設けられる。なお、図では、オリフィス部材21の流路軸を一点鎖線Axで示している。
図8に示すように、第2実施形態では、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21はそれぞれ、1つのオリフィス流路22と2つの開放室23a、23bを有している。オリフィス部材21のうち流路軸方向の中央部に、オリフィス流路22は設けられる。なお、図では、オリフィス部材21の流路軸を一点鎖線Axで示している。
2つの開放室のうち第1開放室23aは、そのオリフィス流路22に対し流路軸方向の一方に設けられる。2つの開放室のうち第2開放室23bは、オリフィス流路22に対し流路軸方向の他方に設けられる。なお、2つの開放室23a、23bは、オリフィス部材21の外壁側からオリフィス流路22側に向かい、内径が次第に小さくなるテーパ状に形成されている。また、2つの開放室23a、23bは、オリフィス流路22を挟んで対称形状である。
第2実施形態においても、流量規制部20は、複数のオリフィス部材21が連続配置された構成である。そのため、流量規制部20は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とが交互に配置された構成である。したがって、流量規制部20は、リリーフ流量が微量となるように調整することが可能である。
また、第2実施形態では、第1開放室23aと第2開放室23bとが、オリフィス流路22を挟んで対称形状であるので、複数のオリフィス部材21を連続配置して流量規制部20を構成する際、流路軸方向の向きに限定が無い。すなわち、流量規制部20を構成する際、オリフィス部材21の流路軸方向の向きが逆になっていても同一の機能を有する。そのため、第2実施形態では、オリフィス用通路14に対し複数のオリフィス部材21の組み付けを容易に行うことができる。
その他、第2実施形態も、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
その他、第2実施形態も、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
図9に示すように、第3実施形態でも、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21はそれぞれ、1つのオリフィス流路22と2つの開放室23a、23bを有している。ただし、第3実施形態では、2つの開放室23a、23bの形状が、第2実施形態のものと異なっている。2つの開放室23a、23bは、オリフィス部材21の外壁側に設けられる円筒部231と、その円筒部231の端部からオリフィス流路22側に向かい内径が次第に小さくなるテーパ部232を有している。なお、2つの開放室23a、23bは、オリフィス流路22を挟んで対称形状である。
図9に示すように、第3実施形態でも、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21はそれぞれ、1つのオリフィス流路22と2つの開放室23a、23bを有している。ただし、第3実施形態では、2つの開放室23a、23bの形状が、第2実施形態のものと異なっている。2つの開放室23a、23bは、オリフィス部材21の外壁側に設けられる円筒部231と、その円筒部231の端部からオリフィス流路22側に向かい内径が次第に小さくなるテーパ部232を有している。なお、2つの開放室23a、23bは、オリフィス流路22を挟んで対称形状である。
第3実施形態においても、複数のオリフィス部材21を連続配置して流量規制部20を構成する際、流路軸方向の向きに限定が無い。したがって、第3実施形態も、オリフィス用通路14に対し複数のオリフィス部材21の組み付けを容易に行うことができる。
その他、第3実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
その他、第3実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第4実施形態)
図10に示すように、第4実施形態は、流量規制部20を構成するオリフィス部材21は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とが交互に配置されたものである。このオリフィス部材21の製造方法として、例えば、流路軸Axを含む平面で分割した2つの部材24、25をそれぞれ切削加工して複数のオリフィス流路22と複数の開放室23を形成した後、その2つの部材24、25同士を接合する方法が考えられる。なお、オリフィス部材21の製造方法は、それに限られるものではない。
図10に示すように、第4実施形態は、流量規制部20を構成するオリフィス部材21は、複数のオリフィス流路22と複数の開放室23とが交互に配置されたものである。このオリフィス部材21の製造方法として、例えば、流路軸Axを含む平面で分割した2つの部材24、25をそれぞれ切削加工して複数のオリフィス流路22と複数の開放室23を形成した後、その2つの部材24、25同士を接合する方法が考えられる。なお、オリフィス部材21の製造方法は、それに限られるものではない。
第4実施形態は、流量規制部20を構成するオリフィス部材21の部品点数を少なくすることが可能である。その他、第4実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第5〜第14実施形態)
第5〜第14実施形態は、第1実施形態等に対し、オリフィス用通路14内の複数のオリフィス部材21の固定方法などを変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
第5〜第14実施形態は、第1実施形態等に対し、オリフィス用通路14内の複数のオリフィス部材21の固定方法などを変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
(第5実施形態)
図11および図12に示すように、第5実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、円筒状のブッシュ32により構成されている。ブッシュ32は、オリフィス用通路14のうち、複数のオリフィス部材21に対し段差部17とは反対側(すなわち、レール室119側)に設けられている。ブッシュ32は、オリフィス用通路14の内壁に圧入により固定されている。そして、このブッシュ32は、圧入時に印加された荷重により、複数のオリフィス部材21を段差部17に対して固定する。
図11および図12に示すように、第5実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、円筒状のブッシュ32により構成されている。ブッシュ32は、オリフィス用通路14のうち、複数のオリフィス部材21に対し段差部17とは反対側(すなわち、レール室119側)に設けられている。ブッシュ32は、オリフィス用通路14の内壁に圧入により固定されている。そして、このブッシュ32は、圧入時に印加された荷重により、複数のオリフィス部材21を段差部17に対して固定する。
第5実施形態では、第1実施形態の構成に対し、ブッシュ32と複数のオリフィス部材21との間に配置されていたスプリング31を廃止することで、部品点数を少なくすることが可能である。なお、第5実施形態でも、段差部17は、複数のオリフィス部材21に対しリリーフパイプ110側に形成されている。そのため、レール室119側の燃料圧力によりブッシュ32および複数のオリフィス部材21が段差部17に押圧され、また、複数のオリフィス部材21同士が押圧されるので、それらの間をシールすることができる。その他、第5実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態は、第5実施形態の変形例である。図13に示すように、第6実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、割りブッシュ33により構成されている。なお、割りブッシュ33は、スプリングピンとも呼ばれる。
割りブッシュ33は、円筒状の部材の周方向の1か所に、軸方向に延びる切れ目331を設けたものである。オリフィス用通路14に組み付ける前の状態で、割りブッシュ33の外径はオリフィス用通路14の内径より大きく形成される。そして、割りブッシュ33は、径方向に圧縮された状態で、オリフィス用通路14の内壁に圧入により固定される。そして、割りブッシュ33は、圧入時に印加された荷重により、複数のオリフィス部材21を段差部17に対して固定する。
第6実施形態は、第5実施形態の変形例である。図13に示すように、第6実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、割りブッシュ33により構成されている。なお、割りブッシュ33は、スプリングピンとも呼ばれる。
割りブッシュ33は、円筒状の部材の周方向の1か所に、軸方向に延びる切れ目331を設けたものである。オリフィス用通路14に組み付ける前の状態で、割りブッシュ33の外径はオリフィス用通路14の内径より大きく形成される。そして、割りブッシュ33は、径方向に圧縮された状態で、オリフィス用通路14の内壁に圧入により固定される。そして、割りブッシュ33は、圧入時に印加された荷重により、複数のオリフィス部材21を段差部17に対して固定する。
第6実施形態では、仮に、オリフィス用通路14を流れる燃料圧力によりオリフィス用通路14の内径が拡張した場合でも、割りブッシュ33は、そのオリフィス用通路14の内径の拡張に追従して自身の外径を拡張することが可能である。そのため、割りブッシュ33は、複数のオリフィス部材21を段差部17に対し、確実に固定することができる。その他、第6実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第7実施形態)
図14に示すように、第7実施形態では、通路形成部材10の内側に形成される燃料通路13は、保持用通路15の下流側にオリフィス用通路14を有している。すなわち、保持用通路15は、オリフィス用通路14に対しレール室119側に形成されている。したがって、段差部17は、複数のオリフィス部材21に対しレール室119側に形成されている。
図14に示すように、第7実施形態では、通路形成部材10の内側に形成される燃料通路13は、保持用通路15の下流側にオリフィス用通路14を有している。すなわち、保持用通路15は、オリフィス用通路14に対しレール室119側に形成されている。したがって、段差部17は、複数のオリフィス部材21に対しレール室119側に形成されている。
オリフィス用通路14には、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21が設けられている。複数のオリフィス部材21の下流側には、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30が設けられている。第7実施形態では、固定部材30は、ねじ部材34により構成されている。ねじ部材34の外壁には、雄ねじ35が形成されている。また、ねじ部材34は、軸方向に挿通する孔36を有している。また、ねじ部材34は、その孔の一方の端部にレンチなどの締め付け工具を嵌合することの可能な嵌合穴37を有している。
固定部材30としてのねじ部材34の外壁に形成された雄ねじ35を、オリフィス用通路14より下流側の通路の内壁に形成された雌ねじ19に螺合することで、複数のオリフィス部材21は、ねじ部材34によって段差部17に押し付けられる。これにより、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定することが可能である。
第7実施形態では、固定部材30としてねじ部材34を用いることで、複数のオリフィス部材21を段差部17に対し、確実に固定することができる。その他、第7実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
第7実施形態では、固定部材30としてねじ部材34を用いることで、複数のオリフィス部材21を段差部17に対し、確実に固定することができる。その他、第7実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第8実施形態)
図15に示すように、第8実施形態では、通路形成部材10の内側に形成される燃料通路13は、保持用通路15の上流側に第1オリフィス用通路141を有し、保持用通路15の下流側に第2オリフィス用通路142を有している。そのため、第1オリフィス用通路141と保持用通路15との間に第1段差部171が形成され、第2オリフィス用通路142と保持用通路15との間に第2段差部172が形成されている。
図15に示すように、第8実施形態では、通路形成部材10の内側に形成される燃料通路13は、保持用通路15の上流側に第1オリフィス用通路141を有し、保持用通路15の下流側に第2オリフィス用通路142を有している。そのため、第1オリフィス用通路141と保持用通路15との間に第1段差部171が形成され、第2オリフィス用通路142と保持用通路15との間に第2段差部172が形成されている。
第1オリフィス用通路141と第2オリフィス用通路142にはそれぞれ、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21が設けられている。なお、第1オリフィス用通路141に設けられる流量規制部20を第1流量規制部201と呼び、第2オリフィス用通路142に設けられる流量規制部20を第2流量規制部202と呼ぶこととする。
第1流量規制部201は、第1実施形態と同様に、スプリング31とブッシュ32により構成される固定部材30により第1段差部171側に押圧されている。これにより、第1流量規制部201は、第1オリフィス用通路141内で、第1段差部171に対して固定される。
一方、第2流量規制部202は、第7実施形態と同様に、ねじ部材34により構成される固定部材30により第2段差部172側に押圧されている。これにより、第2流量規制部202は、第2オリフィス用通路142内で、第2段差部172に対して固定される。
このように、第8実施形態では、複数のオリフィス部材21により構成される流量規制部20を2か所に分けて設置することが可能である。第8実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
このように、第8実施形態では、複数のオリフィス部材21により構成される流量規制部20を2か所に分けて設置することが可能である。第8実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第9実施形態)
図16および図17に示すように、第9実施形態では、通路形成部材10は、上流側に配置される第1通路形成部材51と、その第1通路形成部材51の下流側に配置される第2通路形成部材52により構成されている。
図16および図17に示すように、第9実施形態では、通路形成部材10は、上流側に配置される第1通路形成部材51と、その第1通路形成部材51の下流側に配置される第2通路形成部材52により構成されている。
第1通路形成部材51は、コモンレール103の端部に設けられた取付穴116に挿入されている。第2通路形成部材52は、第1通路形成部材51の下流側から第1通路形成部材51を保持しつつ、第2通路形成部材52の外壁に設けられた雄ねじ153を、コモンレール103の取付穴116の内壁に設けられた雌ねじ117に螺合する。その際の軸力により、第1通路形成部材51の軸方向の端部は、取付穴116の軸方向の内壁に設けられた当接部118に当接する。これにより、コモンレール103と第1通路形成部材51と第2通路形成部材52とが接続される。なお、コモンレール103の取付穴116の内壁と第1通路形成部材51または第2通路形成部材52との間には、図示しないシールリングなどを設けてもよい。
第9実施形態では、第1通路形成部材51の内側に形成される燃料通路13は、上流側から第1保持用通路151およびオリフィス用通路14を有している。第1保持用通路151の内径は、オリフィス用通路14の内径より小さい。そのため、第1保持用通路151とオリフィス用通路14との間には、第1段差部171が設けられている。
一方、第2通路形成部材52の内側に形成される燃料通路13は、上流側から第2保持用通路152および接続用通路16を有している。第2保持用通路152の内径は、第1通路形成部材51に形成されるオリフィス用通路14の内径より小さい。そのため、第2保持用通路152の開口の外側には、第2段差部172が設けられている。
第1通路形成部材51に形成されるオリフィス用通路14には、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21が設けられている。複数のオリフィス部材21と第1段差部171との間には、固定部材30としてのスプリングワッシャ38が設けられている。
第1通路形成部材51に形成されるオリフィス用通路14に対し、固定部材30としてのスプリングワッシャ38と複数のオリフィス部材21を挿入した後、第2通路形成部材52の外壁に設けられた雄ねじ153を、コモンレール103の取付穴116の内壁に設けられた雌ねじ117に螺合する。その際、第2通路形成部材52の第2段差部172により、複数のオリフィス部材21は第1段差部171側に押圧される。そのため、複数のオリフィス部材21と第1段差部171側との間に配置されたスプリングワッシャ38の弾性力により、複数のオリフィス部材21は第2段差部172側に押圧され、オリフィス用通路14内に固定される。
第1通路形成部材51に形成されるオリフィス用通路14に対し、固定部材30としてのスプリングワッシャ38と複数のオリフィス部材21を挿入した後、第2通路形成部材52の外壁に設けられた雄ねじ153を、コモンレール103の取付穴116の内壁に設けられた雌ねじ117に螺合する。その際、第2通路形成部材52の第2段差部172により、複数のオリフィス部材21は第1段差部171側に押圧される。そのため、複数のオリフィス部材21と第1段差部171側との間に配置されたスプリングワッシャ38の弾性力により、複数のオリフィス部材21は第2段差部172側に押圧され、オリフィス用通路14内に固定される。
第9実施形態では、固定部材30としてスプリングワッシャ38を用いることで、複数のオリフィス部材21をオリフィス用通路14に確実に固定することができる。その他、第9実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第10実施形態)
第10実施形態は、第9実施形態の変形例である。図18に示すように、第10実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、スプリングワッシャ38に代えて、ウェーブワッシャ39により構成されている。ウェーブワッシャ39は、周方向に亘り波状に形成されたワッシャであり、スプリングワッシャ38と比べ、オリフィス部材21に対して軸周りに略均一に荷重を印加することが可能である。
第10実施形態は、第9実施形態の変形例である。図18に示すように、第10実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、スプリングワッシャ38に代えて、ウェーブワッシャ39により構成されている。ウェーブワッシャ39は、周方向に亘り波状に形成されたワッシャであり、スプリングワッシャ38と比べ、オリフィス部材21に対して軸周りに略均一に荷重を印加することが可能である。
第10実施形態では、固定部材30としてウェーブワッシャ39を用いることで、複数のオリフィス部材21をオリフィス用通路14に確実に固定することができる。その他、第10実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第11実施形態)
第11実施形態は、第6実施形態の変形例である。図19に示すように、第11実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、割りブッシュ33により構成されている。割りブッシュ33は、オリフィス用通路14のうち、複数のオリフィス部材21に対し段差部17とは反対側(すなわち、レール室119側)に設けられている。割りブッシュ33は、オリフィス用通路14の内壁に圧入により固定されている。そして、割りブッシュ33は、圧入時に印加された荷重により、複数のオリフィス部材21を段差部17に対して固定する。なお、第11実施形態の割りブッシュ33は、その一部がオリフィス用通路14から露出している。
第11実施形態は、第6実施形態の変形例である。図19に示すように、第11実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、割りブッシュ33により構成されている。割りブッシュ33は、オリフィス用通路14のうち、複数のオリフィス部材21に対し段差部17とは反対側(すなわち、レール室119側)に設けられている。割りブッシュ33は、オリフィス用通路14の内壁に圧入により固定されている。そして、割りブッシュ33は、圧入時に印加された荷重により、複数のオリフィス部材21を段差部17に対して固定する。なお、第11実施形態の割りブッシュ33は、その一部がオリフィス用通路14から露出している。
第11実施形態では、固定部材30として割りブッシュ33を用いることで、複数のオリフィス部材21をオリフィス用通路14に確実に固定することができる。その他、第11実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第12実施形態)
図20に示すように、第12実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、スプリング31により構成されている。スプリング31は、複数のオリフィス部材21とフィルタ40の内壁との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端がフィルタ40の内壁に当接している。このスプリング31は、圧縮コイルスプリングであり、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
図20に示すように、第12実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、スプリング31により構成されている。スプリング31は、複数のオリフィス部材21とフィルタ40の内壁との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端がフィルタ40の内壁に当接している。このスプリング31は、圧縮コイルスプリングであり、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
第12実施形態では、固定部材30としてスプリング31を用いることで、複数のオリフィス部材21をオリフィス用通路14に固定することができる。その他、第12実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第13実施形態)
図21に示すように、第13実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、ピン43とスプリング31により構成されている。ピン43は、フィルタ40の内側に設けられている。スプリング31は、ピン43と複数のオリフィス部材21との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端がピン43に当接している。スプリング31は、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
図21に示すように、第13実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、ピン43とスプリング31により構成されている。ピン43は、フィルタ40の内側に設けられている。スプリング31は、ピン43と複数のオリフィス部材21との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端がピン43に当接している。スプリング31は、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
第13実施形態では、固定部材30としてピン43とスプリング31を用いることで、複数のオリフィス部材21をオリフィス用通路14に固定することができる。その他、第13実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第14実施形態)
図22に示すように、第14実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、球体44とスプリング31により構成されている。球体44は、フィルタ40の内側に設けられている。スプリング31は、球体44と複数のオリフィス部材21との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端が球体44に当接している。スプリング31は、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
図22に示すように、第14実施形態では、オリフィス用通路14内に複数のオリフィス部材21を固定する固定部材30は、球体44とスプリング31により構成されている。球体44は、フィルタ40の内側に設けられている。スプリング31は、球体44と複数のオリフィス部材21との間に設けられている。スプリング31は、その一端がオリフィス部材21に当接し、他端が球体44に当接している。スプリング31は、複数のオリフィス部材21を段差部17に向けて押圧している。これにより、複数のオリフィス部材21は、オリフィス用通路14内で、段差部17に対して固定される。
第14実施形態では、固定部材30として球体44とスプリング31を用いることで、複数のオリフィス部材21をオリフィス用通路14に固定することができる。その他、第14実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第15実施形態)
第15実施形態の圧力調整装置1は、第1〜第14実施形態に対して流量規制部20の上流側に弁機構60を備えた構成である。
第15実施形態の圧力調整装置1は、第1〜第14実施形態に対して流量規制部20の上流側に弁機構60を備えた構成である。
図23に示すように、第15実施形態では、通路形成部材10は、上流側に配置される第1通路形成部材51と、その第1通路形成部材51の下流側に配置される第2通路形成部材52により構成されている。
第1通路形成部材51は、コモンレール103の端部に設けられた取付穴116に挿入されている。第2通路形成部材52は、第1通路形成部材51の下流側から第1通路形成部材51を保持しつつ、第2通路形成部材52の外壁に設けられた雄ねじ153を、コモンレール103の取付穴116の内壁に設けられた雌ねじ117に螺合する。その際の軸力により、第1通路形成部材51の軸方向の端部は、取付穴116の軸方向の内壁に設けられた当接部118に当接する。これにより、コモンレール103と第1通路形成部材51と第2通路形成部材52とが接続される。なお、コモンレール103の取付穴116の内壁と第1通路形成部材51または第2通路形成部材52との間には、図示しないシールリングなどを設けてもよい。
第2通路形成部材52の内側に形成される燃料通路13は、オリフィス用通路14、保持用通路15および接続用通路16を有している。保持用通路15とオリフィス用通路14との間には、段差部17が設けられている。オリフィス用通路14には、流量規制部20を構成する複数のオリフィス部材21が設けられている。なお、図23では、流量規制部20は2個の複数のオリフィス部材21により構成されているが、オリフィス部材21の個数はこれに限らず、実験などにより適切に設定される。
一方、第2通路形成部材52のレール室119側に配置される第1通路形成部材51の内側に形成される燃料通路13は、絞り流路61を有している。弁座62は、絞り流路61の下流側に設けられている。弁座62に対し、ボール弁63が着座および離座可能に設けられている。ボール弁63の下流側には、そのボール弁63を保持するホルダ64が設けられている。ホルダ64とオリフィス部材21との間には、スプリング31が設けられている。上述した弁座62、ボール弁63、ホルダ64、およびスプリング31は、弁機構60を構成している。弁機構60は、フィルタ40と流量規制部20との間に配置されている。そして、弁機構60は、流量規制部20と弁機構60との間の流路26の燃料圧力と、レール室119の燃料圧力との差圧が所定圧より大きくなると開弁するように構成されている。なお、その所定圧は、例えば、エンジンのアイドリングに必要なレール圧以上に設定される。
第15実施形態の構成においても、圧力調整装置1は、弁機構60の開弁時、コモンレール103内の高圧燃料を燃料タンク101などの低圧経路へ微小な流量で排出することで、コモンレール103内の高圧燃料を適正な圧力に減圧調整することが可能である。そのため、圧力調整装置1は、エンジンの運転停止中に、コモンレール103内に必要以上の燃料圧力が蓄圧され続けることを防ぎ、次の運転開始時にインジェクタ104から噴射される燃料噴射量を適正にして、騒音の発生を抑制することが可能である。
また、第15実施形態では、弁機構60に設定された所定圧よりもレール圧が低下することを防ぐことができる。その他、第15実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
また、第15実施形態では、弁機構60に設定された所定圧よりもレール圧が低下することを防ぐことができる。その他、第15実施形態も、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上記各実施形態では、圧力調整装置1は、高圧経路としてのコモンレール103に取り付けられるものとして説明したが、これに限られない。圧力調整装置1は、高圧経路として燃料噴射系に設けられたサプライポンプ102の吐出弁からインジェクタ104の噴孔までの燃料経路またはそれに連通する燃料経路のいずれの場所に設けてもよい。
(2)上記各実施形態では、圧力調整装置1が備える通路形成部材10とコモンレール103とリリーフパイプ110とを別部材で構成したが、これに限られない。圧力調整装置1が備える通路形成部材10は、それに隣接する他の部材と一体に構成してもよい。具体的には、通路形成部材10とコモンレール103とは一体に構成してもよい。または、通路形成部材10とリリーフパイプ110とは一体に構成してもよい。
1 圧力調整装置
10、51、52 通路形成部材
13 燃料通路
20、201、202 流量規制部
22 オリフィス流路
23、23a、23b 開放室
10、51、52 通路形成部材
13 燃料通路
20、201、202 流量規制部
22 オリフィス流路
23、23a、23b 開放室
Claims (10)
- エンジンの燃料噴射系の高圧経路を流れる燃料を減圧調整する圧力調整装置であって、
前記高圧経路と低圧経路とを連通する燃料通路(13)を形成する通路形成部材(10、51、52)と、
前記燃料通路に設けられ、燃料の流れを規制する複数のオリフィス流路(22)と、前記オリフィス流路より流路面積が大きく且つ容積が固定された複数の開放室(23、23a、23b)とが交互に配置され、前記高圧経路から前記低圧経路へ流れる燃料の流量を規制する流量規制部(20、201、202)と、を備える圧力調整装置。 - 前記流量規制部は、前記オリフィス流路と前記開放室とを有する複数のオリフィス部材(21)を連続配置して構成されている、請求項1に記載の圧力調整装置。
- 前記燃料通路は、複数の前記オリフィス部材が設けられるオリフィス用通路(14、141、142)と、前記オリフィス部材より流路断面積が小さく形成されて前記オリフィス用通路に対し前記高圧経路側または前記低圧経路側に設けられる保持用通路(15、151、152)と、前記オリフィス用通路と前記保持用通路との間に設けられる段差部(17、171、172)と、を有し、
複数の前記オリフィス部材は、前記段差部に対して固定されている、請求項2に記載の圧力調整装置。 - 前記オリフィス用通路は前記保持用通路より長い、請求項3に記載の圧力調整装置。
- 前記保持用通路は、前記オリフィス用通路に対し前記高圧経路側に形成され、
前記段差部は、複数の前記オリフィス部材に対し前記高圧経路側に形成されている、請求項3または4に記載の圧力調整装置。 - 前記保持用通路は、前記オリフィス用通路に対し前記低圧経路側に形成され、
前記段差部は、複数の前記オリフィス部材に対し前記低圧経路側に形成されている、請求項3または4に記載の圧力調整装置。 - 複数の前記オリフィス部材に対し前記段差部とは反対側から複数の前記オリフィス部材を前記段差部に向けて押圧し、前記オリフィス用通路内に複数の前記オリフィス部材を固定する固定部材(30)をさらに備える、請求項3ないし6のいずれか1つに記載の圧力調整装置。
- 前記固定部材は、スプリング(31)、ブッシュ(32)、割りブッシュ(33)、スプリングワッシャ(38)、ウェーブワッシャ(39)またはねじ部材(34)の少なくとも1つである、請求項7に記載の圧力調整装置。
- 前記流量規制部より上流側に配置されるフィルタ(40)をさらに備え、
前記流量規制部が有する前記オリフィス流路の断面積は、前記フィルタが有する細孔(41)の断面積より大きい、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の圧力調整装置。 - 前記フィルタと前記流量規制部との間に配置される弁機構(60)をさらに備え、
前記弁機構は、前記流量規制部と前記弁機構との間の燃料と前記高圧経路の燃料との差圧が所定圧より大きくなると開弁するように構成されている、請求項9に記載の圧力調整装置。
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