JP2020143140A - 腫瘍治療に用いるためのコルテキソロンの17α−ベンゾエート - Google Patents
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Abstract
【課題】前癌性病変、異形成病変、化生、ならびに、悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治癒的、補助的、新補助的または緩和的治療のための薬剤組成物の提供。【解決手段】下式を有する化合物と、少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤とを含むことを特徴とする薬剤組成物。【化1】【選択図】なし
Description
関連出願
本出願は、2014年10月8日に出願された「腫瘍治療に用いるためのコルテキソロンの17αモノエステルおよび17α,21−ジエステル」と題する欧州特許出願第14188063.3号に対する米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張し、当該文献の全開示は、参照により本明細書の一部をなすものとする。
本出願は、2014年10月8日に出願された「腫瘍治療に用いるためのコルテキソロンの17αモノエステルおよび17α,21−ジエステル」と題する欧州特許出願第14188063.3号に対する米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張し、当該文献の全開示は、参照により本明細書の一部をなすものとする。
背景技術
腫瘍すなわち新生物は、その周囲の構造とは独立的に存続および成長し、生理学的用途を持たない新規の組織の塊であると定義される(非特許文献1参照)。
腫瘍すなわち新生物は、その周囲の構造とは独立的に存続および成長し、生理学的用途を持たない新規の組織の塊であると定義される(非特許文献1参照)。
本特許出願の活用のために、腫瘍に関していくつかの分類が利用可能であり、最も重要なものは、上皮性腫瘍である。
上皮性腫瘍は、中空内部組織および体表面を裏打ちする種類の細胞である上皮細胞から誘導される新生物であり、この群は、最も一般的な癌の多くを含み、胸、前立腺、肺、膵臓および消化管に発生する癌の多くを含む。
同様に、いくつかの場合において、上皮性腫瘍を、腫瘍にホルモン感受性を与える、腫瘍細胞中の特異的ホルモン受容体の存在によって特徴づけることもできる。
上皮細胞から誘導される悪性腫瘍であるカルシノーマは、癌100症例あたり約85症例を占める(85%)。
上皮性カルシノーマの1つの例は、膵カルシノーマ(膵臓癌とも呼ばれる)である。膵臓癌は、カルシノーマの最も致死性の高い形態の1つである。膵臓の外分泌細胞および内分泌細胞は、完全に異なる種類の腫瘍を形成する。膵臓外分泌部腫瘍は、膵臓癌の最も一般的な種類(95%超)を構成する。膵臓内に良性(非癌性)嚢胞および良性腫瘍(腺腫)が発生する可能性はあるものの、膵臓外分泌部腫瘍の大半は悪性である。
膵臓のカルシノーマ、詳細には膵臓外分泌部カルシノーマ、より詳細には最も高頻度のカルシノーマ(腺管癌)は、男性の死亡原因の上位5位以内であり、女性の死亡原因の第4位である。それは最も好ましくない予後を有する癌の1つであり、診断後5年生存率は、男性で5%、女性で6%に過ぎない。最も高い発生率は、60〜70歳の間である(非特許文献2参照)。
膵臓外分泌部カルシノーマの病因は不明である。認識されている遺伝素因(家系)、ならびに、喫煙、脂肪性の食餌、2型糖尿病、慢性膵炎のようないくつかの危険要因、溶媒および殺虫剤のような環境要因がある。
早期において、膵臓外分泌部のカルシノーマは無症候性であり、これは診断の遅延、すなわち、別の腹腔疾患の診断手順における偶然の発見を例外として、通常は病変が増悪期にあるときに診断がなされることを説明する。
前述の診断の遅延を考慮すると、膵臓癌と診断された患者は、典型的には劣悪な予後を有し、症例のわずか15%のみにおいて、膵臓内に限定された腫瘍が見いだされ、その余の症例では、患者の約25%において局所領域のリンパ節への拡散が検出され、症例の60%において転移の存在が検出される。
癌の診断からのメジアン生存率は、約3〜6ヶ月であり、一方、5年生存率は有意には5%未満である。
可能な場合は、膵臓のカルシノーマの治療は、緩和目的をも伴う外科手術である。
現状では、特に最小疾病の場合、膵頭十二指腸切除が、治癒の唯一の機会である。
放射線治療とも連携する内科的治療は、切除不能な症例の場合または転移が存在する場合、あるいは外科手術後の補助的治療に限定される。ゲムシタビンまたはフルオロウラシル、あるいは、ドキソルビシン、メトトレキセート、シスプラチン、オキサリプラチン、イリノテカン、エルロニチブなどの併用処方に応答する個々の患者の不定期的な報告が存在するものの、化学療法は一般的に不満足であり、かつしばしば全く治療しない場合よりも良くない(非特許文献3参照)。
Theveらは、1983年に、膵臓組織中のステロイド受容体タンパク質、ヒト膵臓中のエストロゲン結合タンパク質の高い能力、ならびに、主要な末梢性エストロゲンである硫酸エストロンを末期生理学的活性な17βエストラジオールに変換するヒト膵臓組織の能力に基づいて、膵臓に対する性ホルモンの可能性のある効果を概説した。
この背景に基づいて、彼らは、Wongらの1993年によるものと同様のいくつかの予備的結果を有する切除不能な膵臓の腺癌の患者においてタモキシフェン(エストロゲン受容体のアンタゴニスト)を試行した。
その後の数年にわたって臨床試験は期待された結果を与えなかった。しかし、結論は、抗エストロゲンが治療の最適な形態を構成しないとしても、膵臓癌において他の種類のホルモン操作を試行すべきだというものであった。これに鑑みて、腫瘍の治療、および特にカルシノーマの治療、さらに特に上皮性腫瘍の治療、特に前立腺カルシノーマまたは膵カルシノーマ(好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマ)における新たなアプローチに対する強い要求が存在する。
コルテキソロンの17α−モノエステル、21−モノエステル、および17α,21−ジエステルと呼ばれる多数の化合物、ならびに、それらの製造方法は、当該技術において知られている。国際公開第03/014141号は、主に抗アンドロゲン活性を有するものとして、コルテキソロンに構造的に関連する一群のステロイド類(11−デオキシコルチゾンとして知られている)に属する化合物を記載している(特許文献1参照)。これらの化合物は、組織内のアンドロゲン受容体(AR)に対するアンドロゲン性ホルモンの直接作用に干渉することにより機能する。
国際公開第2007/031349号は、コルテキソロンに構造的に関連する誘導体である、9,11−デオキシコルテキソロンのC3〜C1017α−エステルを、抗ゴナドトロピン剤として開示しており、それらは、ゴナドトロピン産生の過剰に密接に関連する疾病の治療に有用である可能性がある(特許文献2参照)。
国際公開第2009/019138号は、コルテキソロンおよび9,11−デオキシコルテキソロンの17α−モノエステルの入手のための酵素的方法を開示しており、さらに、当該文献は、コルテキソロン17α−プロピオネートのいくつかの結晶形態、すなわち結晶形I、結晶形II、結晶形IIIおよび水和形IVの存在、ならびにそれらを得るためのある種の方法を開示している(特許文献3参照)
シプロテロンアセテート(省略形はCPA)は、アンドロゲン感受性腫瘍、特に前立腺癌の治療のための標準治療とみなされた合成ステロイドである。シプロテロンアセテートによる標準治療は、アンドロゲン受容体の発現が減少した腫瘍、またはアンドロゲン受容体の発現がない腫瘍において全く無効であった(非特許文献4参照)。
動物において実証されるように、17α−エステル化の存在が、コルテキソロン17α−エステルに異なる抗アンドロゲン活性を与えることが、当該技術において知られている(非特許文献5参照)。
Doreland's Medical Dictionary, 23ED, 1960
AIOM. Linea Guida Carcinoma del Pancreas Esocrino, ed. 2013
Martindale, 31 ed., 530頁
Br. J. Cancer (1989), 60, 789-792
Celascoら、Arzneim-Forsch 2005; 5: 581-7
Handbook of Pharmaceutical Excipients, sixth edition (2009)
S. M. Bergeら、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19
一般的態様において、本発明は、式(I)を有する、ある種のコルテキソロン誘導体を提供し、および、前癌性病変、異形成病変、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治癒的または補助的または新補助的または緩和的治療のための抗腫瘍活性成分として使用するための前記コルテキソロン誘導体を提供する。
本発明の別の態様は、少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤とともに、少なくとも1種の式(I)のコルテキソロン誘導体を活性成分として含む薬剤組成物、および、前癌性病変、異形成病変、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治癒的または補助的または新補助的または緩和的治療のための抗腫瘍医薬製品として使用するための前記薬剤組成物に関する。
驚くべきことには、今回、in vitroにおける単離された癌細胞系、ならびにin vivoの動物中への移植前立腺癌モデルおよび移植膵臓癌モデルの両方において、コルテキソロン17のα−モノエステル、21−モノエステルおよび17α,21−ジエステルが予期しない抗腫瘍効果を有することが見い出された。
本発明の抗腫瘍効果は、前立腺癌細胞LNCaPまたは膵臓癌細胞Panc1の場合におけるようなアンドロゲン受容体を有するカルシノーマ細胞(AR+)、ならびに、非常に驚くべきことには、前立腺癌細胞PC3または膵臓癌細胞MiaPacaのようなアンドロゲン受容体の発現が無いかまたは少ない細胞(AR-)の両方において明白であった。本発明の抗腫瘍効果は、乳カルシノーマ(AR-)および消化管カルシノーマ(AR-)においても、同様に明白であった。
以下の非制限的な図面および実施例により、本発明を説明する。
定義
別段の規定が無い限り、本明細書において用いられる技術、表記、およびその他の科学用語は、本開示内容が属する技術分野の通常の知識を有するものが一般的に理解する意味を有することを意図する。いくつかの場合において、一般的に理解されている意味を有する用語を、明瞭性および/または手早い参照のために、本明細書中で定義する。よって、本明細書中のそのような定義の包含は、当該技術において一般的に理解されている意味と実質的な相違を表すものと解釈するべきではない。
別段の規定が無い限り、本明細書において用いられる技術、表記、およびその他の科学用語は、本開示内容が属する技術分野の通常の知識を有するものが一般的に理解する意味を有することを意図する。いくつかの場合において、一般的に理解されている意味を有する用語を、明瞭性および/または手早い参照のために、本明細書中で定義する。よって、本明細書中のそのような定義の包含は、当該技術において一般的に理解されている意味と実質的な相違を表すものと解釈するべきではない。
特に、本明細書中の「生理学的に許容可能な賦形剤」または「薬学的に許容可能な賦形剤」は、それ自身は何らの薬学的効果を持たず、かつ、哺乳類、特にヒトに投与された場合に有害な反応を起こさない物質を意味する。生理学的に許容可能な賦形剤は、当該技術においてよく知られており、たとえば、参照により本明細書の一部をなすものとする「Handbook of Pharmaceutical Excipients, sixth edition (2009)」に開示されている(非特許文献6参照)。
本明細書中で用いられる際に、用語「アルキル」は、飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素を意味する。
本明細書中の用語「アリール」は、芳香族性の炭素環式単一環系および炭素環式多環系を意味し、炭素環式多環系中のそれぞれの炭素環式環は、縮合していてもよいし、単結合によって互いに結合していてもよい。適当な「アリール」は、フェニル、ナフチル、ビフェニルなどを含むがそれらに限定されるものではない。
本明細書中の用語「ヘテロアリール」は、環系中に少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族性の炭素環式単一環系および炭素環式多環系を意味し、前記ヘテロ原子は、窒素、イオウ、酸素などを含む群から選択されるが、それらに限定されるものではなく、炭素環式多環系中のそれぞれの環式環は、縮合していてもよいし、単結合によって互いに結合していてもよい。適当な「ヘテロアリール」は、ピリジル、イミダゾリル、ピロリル、フリル、ベンズイミダゾリル、チオフラニルなどを含むがそれらに限定されるものではない。
任意選択的に、アリール基は、環の炭素原子の少なくとも1つにおいて、低級アルキル、低級アルケニル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級アルコキシ、低級ハロアルケニル、低級アルケニルオキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、低級アルキルチオなどで置換されていてもよい。
任意選択的に、ヘテロアリール基は、環の炭素原子の少なくとも1つまたは環のヘテロ原子の少なくとも1つにおいて、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、低級アルケニル、低級ハロアルケニル、低級アルケニルオキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、低級アルキルチオなどで置換されていてもよい。
本明細書中の「約」は、測定時に発生する可能性のある実験誤差の範囲を意味する。
用語「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」および「含有する」は、非限定的(オープンエンド)の用語(すなわち、「含むが、それらに限定されるものではない」)として解釈されるべきであり、「から実質的になる(consist essentially of)」、「から実質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consist of)」および「からなる(consisting of)」の用語を含み、および/またはそれらの用語のサポートを提供する。
用語「から実質的になる(consist essentially of)」および「から実質的になる(consisting essentially of)」は、半制限的(セミクローズエンド)の用語として解釈されるべきであり、発明の基本的および新規な特徴に実質的に影響する他の成分を含まない(よって、任意選択的な賦形剤を含み得る)ことを意味する。
用語「からなる(consist of)」および「からなる(consisting of)」は、制限的(クローズエンド)の用語と解釈されるべきである。
本明細書で用いられる際に、「治療的に有効な量」および「有効量」は、所望される生物学的応答を引き出すのに充分な量を意味する。本発明において、所望される生物学的応答は、疾病、疾患または容態の重症度、継続時間、進行または開始を阻害、低減または改善すること、疾病、疾患または容態、あるいは疾病、疾患または容態に付随する症状の進行、再発または進行を防止することである。被験者に投与される化合物の厳密な量は、投与の様態、疾病、疾患または容態の種類および重症度、および、身体全体の健康、年齢、性別、体重、および薬剤に対する耐性のような被験者の特徴に依存するであろう。当業者が、これらおよび他の要因に基づいて適切な投与量を決定することができる。認可された薬剤に関して適切な投与量は知られており、被験者の容態、治療すべき容態の種類、および本明細書に記載される化合物の用いられる量にしたがって、当業者により調節することができる。量が明示的に言及されていない場合、有効量を推定しなければならない。たとえば、本明細書に記載される化合物および薬学組成物は、治療処理日あたり体重1kg当たり約0.01〜100mgの容量範囲で被験者に投与することができる。
本明細書で用いられる際に、「治療する(treat)」、「治療」および「治療する(treating)」は、1種または複数種の治療法(たとえば、本発明の化合物または組成物のような、1種または複数種の治療薬)の適用により、疾病、疾患または容態の進行、重症度および/または継続時間の低減または改善、あるいは、疾病、疾患または容態の1つまたは複数の症状(具体的には、1つまたは複数の認識可能な症状)の改善を含む治療的処理を意味する。具体的な実施形態において、治療的処理は、疾病、疾患または容態の少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善を含む。別の実施形態において、治療的処理は、身体的(たとえば、認識可能な症状の安定化による)、または生理学的(たとえば、身体的パラメータの安定化による)のいずれか、あるいはそれら両方により、容態の進行を阻害することを含む。別の実施形態において、治療的処理は、疾病、疾患または容態の低減または安定化を含む。本明細書で用いられる際に、用語「治癒的処理」は、疾病を治癒すること、または疾病に付随する症状を改善することを目的とする処理を含む。
本明細書で用いられる際に、用語「緩和的治療」は、疾病を治癒することを目的としないが、軽減を提供することを目的とする治療または治療法を意味する。
本明細書で用いられる際に、用語「補助的治療」は、主たる治療、主要な治療または初期治療に付加して与えられる治療である。
本明細書で用いられる際に、用語「新補助的治療」は、主要な治療の前に与えられる治療であり、腫瘍の大きさまたは広がりを減少させる目的を有し、腫瘍が寸法的または領域的に縮小されていない場合に必要となる、より広範囲な治療技術の重要性を低下させる。
本明細書に記載されるように、本発明の化合物は、以下に一般的に例示されるか、または発明の具体的下位概念として実証されるように、任意選択的に、1つまたは複数の置換基により置換されていてもよい。「任意選択的に置換されてもよい」という語句は、「置換または無置換」という語句と互換可能に用いられると認識される。「任意選択的に」という用語がその前に存在するか否かにかかわらず、「置換される」という用語は、指定された置換基の基による、所与の構造中の1つまたは複数の水素基の置換を意味する。別段の記載がない限り、任意選択的に置換されてもよい基は、当該基中のそれぞれの置換可能位置に置換基を有してもよい。所与の構造の2つ以上の位置が、指定された基から選択される2以上の置換基により置換されてもよく、置換基は、それぞれの位置において同一であってもよく、異なっていてもよい。リストの前に「任意選択的に置換されてもよい」の用語が存在する場合、この用語は、当該リスト内の全ての後続の置換可能な基を参照する。置換基またはその構造が「任意選択的に置換されてもよい」と特定または定義されていない場合、置換基またはその構造は無置換である。
本発明が想定する置換基の選択および置換基の組み合わせは、安定すなわち化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で用いられる際に、「安定」という用語は、その製造、検出および具体的にはその回収、精製、および本明細書に記載される1つまたは複数の目的のための使用を可能にする条件にさらされる際に実質的に変化しない化合物を意味する。いくつかの実施形態において、安定化合物すなわち化学的に実現可能な化合物は、少なくとも1週間にわたって、湿度または他の化学的に反応性な条件の不存在下、40℃以下の温度で保存された際に実質的に変化しない化合物である。安定な構造をもたらす置換基の選択および組み合わせのみが意図される。そのような選択および組み合わせは、当該技術の通常の知識を有するものにとって明白であり、過度の実験なしに決定することができる。
本明細書の「同時、別個または順次的投与」という用語は、第1および第2の化合物の同時、または患者の体内でそれら2つの化合物が同時に作用するような方法による投与、または、治療的効果を提供するような方法における化合物の順繰りの投与を意味する。いくつかの実施形態において、それら化合物は食料として摂取される。別の実施形態において、食後30分または60分のように、それら化合物は食後に摂取される。いくつかの実施形態において、1つの化合物を、ある期間にわたって患者に投与し、引き続いて別の化合物の投与を行う。
本明細書で用いられる際に、「被験者」および「患者」という用語は互換的に用いられる。「被験者」および「患者」という用語は動物(たとえば、ニワトリ、ウズラまたはシチメンチョウのような鳥、または哺乳類)を意味し、具体的には、「哺乳類」は、非霊長類(たとえば、牛、豚、馬、羊、ウサギ、テンジクネズミ、ネズミ、猫、犬およびマウス)および霊長類(たとえば、猿、チンパンジーおよびヒト)を含み、より具体的にはヒトを含む。1つの実施形態において、被験者はヒトである。
発明の詳細な説明
今や、いくつかのコルテキソロン誘導体が、腫瘍、好ましくは上皮性腫瘍および/またはホルモン依存性腫瘍に対する、治療的に興味深い抗腫瘍特性を有することが見出された。
今や、いくつかのコルテキソロン誘導体が、腫瘍、好ましくは上皮性腫瘍および/またはホルモン依存性腫瘍に対する、治療的に興味深い抗腫瘍特性を有することが見出された。
一般的な態様によれば、本発明は、式(I)
を有する化合物によって代表され、式中、Rは水素またはC(O)−R1であり、R1は、2〜5炭素原子を含有する線状アルキル鎖であり、R’は3〜6炭素原子を含有する線状アルキル鎖、任意選択的に置換されてもよいアリール基、または任意選択的に置換されてもよいヘテロアリール基である。式(I)の好ましい化合物は、Rが水素またはC(O)−R1であり、R1は、CH2CH3であり、R’は−(CH2)3−CH3またはフェニルである。
式(I)を有する最も好ましい化合物は、Rが水素であり、およびR’がフェニルである化合物、すなわちコルテキソロン17α−ベンゾエート(本明細書において、「06」または「CB−03−06」とも呼ばれる)であり、その式を以下に示す。
薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、包接化合物、プロドラッグおよび他の誘導体
本明細書中に記載される化合物は、遊離形態で存在してもよいし、適切な場合には塩として存在してもよい。薬学的に許容される塩は特に重要である。なぜなら、医療目的のために下記の化合物の投与において有用であるからである。薬学的に許容可能でない塩は、単離および精製の目的のために、および特定の場合には、本発明の化合物またはその中間体の立体異性形態の分離における使用のために、製造プロセスにおいて有用である。
本明細書中に記載される化合物は、遊離形態で存在してもよいし、適切な場合には塩として存在してもよい。薬学的に許容される塩は特に重要である。なぜなら、医療目的のために下記の化合物の投与において有用であるからである。薬学的に許容可能でない塩は、単離および精製の目的のために、および特定の場合には、本発明の化合物またはその中間体の立体異性形態の分離における使用のために、製造プロセスにおいて有用である。
本明細書で用いられる際に、用語「薬学的に許容可能な塩」は、妥当な医療判断の範囲内において、不都合な副作用(毒性、刺激、アレルギー応答などのようなもの)なしにヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適当であり、合理的な利益/リスク比に対応する化合物の塩を意味する。
薬学的に許容可能な塩は、当該技術においてよく知られている。たとえば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19において、薬学的に許容可能な塩を詳細に記載している(非特許文献7参照)。本明細書に記載される化合物の薬学的に許容可能な塩は、適当な有機および無機の酸および塩基から誘導されるものを含む。これらの塩は、化合物の最終の単離および精製中にインサイチューで調製することができる。
本発明が異種の薬学的に許容可能な塩の混合物/組み合わせ、同様に、遊離形態と薬学的に許容可能な塩との混合物/組み合わせを含むことを理解すべきである。
本明細書に記載された化合物に加えて、薬学的に許容可能な溶媒和物(たとえば水和物)およびこれらの化合物の包接化合物を、本明細書で特定された疾病の治療または予防のための組成物中に用いてもよい。
本明細書で用いられる際に、用語「薬学的に許容可能な溶媒和物」は、1つの本明細書に記載される化合物に対する1つまたは複数の薬学的に許容可能な溶媒分子の会合により形成される溶媒和物である。溶媒和物という用語は、水和物(たとえば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)を含む。
本明細書で用いられる際に、用語「水和物」は、非共有性分子間力により結合した化学量論量または非化学量論量の水をさらに含む、本明細書に記載された化合物またはその塩を意味する。
本明細書で用いられる際に、用語「包接化合物」は、その中に捕捉されたゲスト分子(たとえば、溶媒または水)を有する空隙(たとえば、チャネル)を含有する結晶格子の形態にある、本明細書に記載された化合物またはその塩を意味する。
本明細書に記載された化合物に加えて、これら化合物の薬学的に許容可能な誘導体またはプロドラッグを、本明細書で特定された疾病の治療または予防のための組成物中に用いてもよい。
「薬学的に許容可能な誘導体またはプロドラッグ」は、レシピエントに対する投与の際に、直接的または間接的のいずれかにおいて本明細書に記載された化合物またはその阻害活性を有する代謝産物または残渣を提供することができる、本明細書に記載された化合物の薬学的に許容可能なエステル、エステルの塩、またはその塩の他の誘導体を含む。薬学的に好ましい誘導体またはプロドラッグは、患者に対して投与される際に化合物の生体利用効率を向上させるもの(たとえば、経口的に投与された化合物を血中により容易に吸収させることによる)、または、親種に関連する生物学的組織(たとえば脳またはリンパ系)に対する親化合物の送達を促進するものである。
本明細書に記載された化合物の薬学的に許容可能なプロドラッグは、エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩、およびスルホン酸塩を含むが、それらに限定されるものではない。
医療用途
本発明の別の対象は、式(I)の化合物の薬物としての利用により表される。
本発明の別の対象は、式(I)の化合物の薬物としての利用により表される。
たとえば、本発明は、グルココルチコイド受容体調節因子、好ましくはグルココルチコイドアンタゴニストとしての使用のための前記式(I)の化合物に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、グルココルチコイドにより媒介される疾病または疾患の治療に用いるための前記式(I)の化合物に関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療に用いるための、前記式(I)の化合物に関し;別の態様によれば、当該治療は、治癒的、補助的、新補助的または緩和的であってもよい。
理想的には、式(I)の化合物は、抗腫瘍剤としての使用のためのものである。
本発明の対象は、薬剤としての使用のためのコルテキソロン17α−ベンゾエートによって表される。
別の態様において、本発明は、グルココルチコイド受容体因子、好ましくはグルココルチコイドアンタゴニストとしての使用のためのコルテキソロン17α−ベンゾエートに関する。
さらに別の態様において、本発明は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療に用いるためのコルテキソロン17α−ベンゾエートに関し;別の態様によれば、当該治療は、治癒的、補助的、新補助的または緩和的であってもよい。
理想的には、コルテキソロン17α−ベンゾエートは、抗腫瘍剤としての使用のためのものである。
1つの実施形態において、前記腫瘍性疾病は、充実性腫瘍、好ましくは上皮性腫瘍であり、たとえば、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマなどのようなものである。
本明細書に開示される発明の好ましい実施形態において、前記上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマ、膵カルシノーマ(好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマ)、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)、および乳カルシノーマ(好ましくは、トリプルネガティブ乳癌(TNBC))である。
本明細書に開示された発明の好ましい実施形態において、腫瘍性疾病は前立腺癌である。本明細書に開示された発明の好ましい実施形態において、前立腺癌は腺癌である。本明細書に開示された発明の好ましい実施形態において、腫瘍性疾病は、ARの発現のない前立腺癌またはARの発現の減少した前立腺癌である。本発明の別の好ましい実施形態において、腫瘍性疾病は、突然変異したアンドロゲン受容体または短縮されたアンドロゲン受容体を有する前立腺癌である。
理想的には、コルテキソロン17α−ベンゾエートは、腫瘍性疾病が突然変異したアンドロゲン受容体または短縮されたアンドロゲン受容体を有する前立腺癌である、抗腫瘍剤としての使用のためのものである。コルテキソロン17α−ベンゾエートの1つの特に有利な利用は、エンザルタミドのような抗アンドロゲン治療に抵抗性であるか、または抵抗性となった前立腺癌の治療における利用のためである。これは本発明の特に有利な実施形態である。なぜなら、6ヶ月の治療の後に、30%の前立腺癌が、ARが突然変異または変化したためにエンザルタミドに対して抵抗性となったことが見出されたためである。興味深いことには、これらの抵抗性癌細胞は、GRをアップレギュレートする。コルテキソロン17α−ベンゾエートは、そのような癌を治療するのに用いることができる。なぜなら、その活性がGRによっても媒介されるからである。
本明細書に開示された発明の好ましい実施形態において、膵臓外分泌部カルシノーマは、腺癌である。好ましい実施形態において、アンドロゲン受容体の発現のない膵臓外分泌部カルシノーマまたはARの発現の減少した膵臓外分泌部カルシノーマである。
本明細書に開示された発明の好ましい実施形態において、前記上皮性腫瘍は、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)である。
本明細書に開示された発明のさらに好ましい実施形態において、前記上皮性腫瘍は、乳カルシノーマ(好ましくはトリプルネガティブ乳癌)である。任意選択的に、治療される被験者または患者は、慣用の治療に対するノンレスポンダーまたは再発である。
好ましい実施形態において、本発明は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療に用いるための、式(I)の化合物(式中、RはC(O)−R1であり、R1は水素またはCH2CH3であり、およびR’は−(CH2)3−CH3またはフェニル基であり、R1およびR’は同一ではない)を提供し;別の態様によれば、当該治療は、治癒的、補助的、新補助的または緩和的であってもよい。理想的には、当該化合物は、抗腫瘍剤としての使用のためのものである。
好ましい実施形態において、本発明は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療に用いるための、式(I)の化合物(式中、Rは水素であり、R1はフェニルである)、すなわちコルテキソロン17α−ベンゾエート(本明細書において、「06」または「CB−03−06」とも呼ばれる)を提供する。本発明の別の対象は、薬物としての使用のための、下式によって表されるコルテキソロン17α−バレレート(本明細書において、「05」または「CB−03−05」とも呼ばれる)である。CB−03−05(コルテキソロン17α−バレレート)は、以下で議論され、コルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)に関して前述した同一の容態に対する薬物として使用できる。
本発明の別の対象は、薬剤の製造に用いるための、式(I)の化合物、好ましくはコルテキソロン17α−ベンゾエートまたはコルテキソロン17α−バレレートである。たとえば、式(I)の化合物、好ましくはコルテキソロン17α−ベンゾエートまたはコルテキソロン17α−バレレート、あるいは前記化合物を含む薬剤調合物は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療のための薬剤の製造に用いるためのものであってもよく;別の態様によれば、当該治療は、治癒的、補助的、新補助的または緩和的であってもよい。理想的には、これらの化合物および前記化合物を含む薬剤調合物は、抗腫瘍剤の製造に用いるためのものである。
1つの実施形態において、前記腫瘍性疾病は、充実性腫瘍、好ましくは上皮性腫瘍であり、たとえば、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ(好ましくはトリプルネガティブ乳癌)、膵カルシノーマ(好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマ)、肺カルシノーマ、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマなどのようなものである。
別の態様において、本発明は、グルココルチコイドによって媒介される疾病または疾患の治療のための薬剤の製造に用いるための、前記式(I)の化合物、コルテキソロン17α−ベンゾエートまたはコルテキソロン17α−バレレート、あるいは前記化合物を含む薬剤調合物に関する。
1つの態様において、本明細書に開示された発明は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病を治療する方法を提供し、前記方法は、その必要のある哺乳類に対する有効量の式(I)の化合物の投与を含む:
(式中、Rは水素またはC(O)−R1であり、R1は、水素または2〜5炭素原子を含有する線状アルキル鎖であり、R’は3〜6炭素原子を含有する線状アルキル鎖、任意選択的に置換されてもよいアリール基、または任意選択的に置換されてもよいヘテロアリール基であり、R1およびR’は同一ではない)。好ましくは、前記哺乳類はヒトである。
好ましくは、本明細書に開示された発明は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病を治療する方法を提供し、前記方法は、その必要のある哺乳類に対する有効量のコルテキソロン17α−ベンゾエートまたはコルテキソロン17α−バレレートの投与を含む:
好ましい実施形態において、本明細書に開示された発明は、腫瘍を治療する方法を提供し、前記方法は、その必要のある哺乳類に対する有効量のコルテキソロン17α−ベンゾエートまたはコルテキソロン17α−バレレートの投与を含む。
これらの実施形態において、前記腫瘍性疾病は、充実性腫瘍、好ましくは上皮性腫瘍であり、たとえば、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ(好ましくはトリプルネガティブ乳癌)、子宮カルシノーマ、膵カルシノーマ(好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマ)、肺カルシノーマ、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマなどのようなものである。
本明細書に開示される発明の好ましい実施形態において、前記上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマまたは乳カルシノーマであり、より好ましくは、膵臓外分泌部カルシノーマ、またはトリプルネガティブ乳癌のような乳カルシノーマである。任意選択的に、治療される被験者または患者は、慣用の治療法に対するノンレスポンダーまたは再発である。
最も好ましい実施形態において、前記方法は、有効量の式(I)の化合物(式中、Rは水素であり、およびR’はフェニルである)、すなわちコルテキソロン17α−ベンゾエートの投与を含む。
本明細書の化合物を、異なる治療用途、特に腫瘍用途において用いることができる。
本明細書に開示される発明にしたがう化合物は、の好ましい実施形態において、前記上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマまたは乳カルシノーマであり、より好ましくは、膵臓外分泌部カルシノーマ、またはトリプルネガティブ乳癌のような乳カルシノーマである。本発明の化合物を、異なる治療用途、特に癌研究用途に用いることができる。より詳細には、本明細書に開示される発明にしたがう化合物は、膵カルシノーマ、膵臓外分泌部カルシノーマおよび前立腺カルシノーマの治療的、補助的、または新補助的、あるいは緩和的治療に特に有効であることが見出された。
任意の慣用の方法、たとえば、参照により本明細書の一部をなすものとする国際公開第03/014141号および国際公開第2009/019138号に開示されるプロセスによって、式(I)の化合物を調製してもよい(特許文献1および3参照)。本発明の1つの実施形態によれば、これらの化合物は、実施例10および11に開示される方法に従って調製することができる。
薬剤組成物
本明細書に記載される化合物を、薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、補助剤またはビヒクルをさらに含む薬剤組成物中に配合することができる。1つの実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物、および薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、補助剤またはビヒクルを含む薬剤組成物に関する。1つの実施形態において、本発明は、有効量の本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、補助剤またはビヒクルを含む薬剤組成物に関する。薬学的に許容可能なキャリアは、たとえば、目的とする投与形態に関して適当に選択され、かつ慣用の薬学的実施に整合する、薬学的希釈剤、賦形剤またはキャリアを含む。
本明細書に記載される化合物を、薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、補助剤またはビヒクルをさらに含む薬剤組成物中に配合することができる。1つの実施形態において、本発明は、本明細書に記載される化合物、および薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、補助剤またはビヒクルを含む薬剤組成物に関する。1つの実施形態において、本発明は、有効量の本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、補助剤またはビヒクルを含む薬剤組成物に関する。薬学的に許容可能なキャリアは、たとえば、目的とする投与形態に関して適当に選択され、かつ慣用の薬学的実施に整合する、薬学的希釈剤、賦形剤またはキャリアを含む。
本発明の最も好ましい実施形態によれば、前記薬剤組成物は、少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤と共同して、活性成分として、コルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)を含む。
本発明の別の態様によれば、前記薬剤組成物は、少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤と共同して、活性成分として、コルテキソロン17α−バレレート(CB−03−05)を含む薬剤組成物によって表される。
さらなる対象において、前記薬剤組成物は、薬剤としての使用のためのものである。さらなる対象において、前記薬剤組成物は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療における使用のためのものであり、別の態様によれば、前記治療は、治癒的、補助的、新補助的または緩和的であってもよい。
さらなる対象において、前記薬剤組成物は、抗腫瘍剤としての使用のためのものである。
好ましくは、前記腫瘍性疾病は、充実性腫瘍である。より好ましくは、前記充実性腫瘍は、上皮性腫瘍であり、たとえば、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマなどのようなものである。
本明細書に開示される発明の好ましい実施形態において、前記上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマ、膵カルシノーマ(より好ましくは、膵臓外分泌部カルシノーマ)、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)、および乳カルシノーマ(好ましくはトリプルネガティブ乳癌)である。
本明細書に開示される発明の好ましい実施形態において、腫瘍性疾病は前立腺癌である。本明細書に開示される発明の好ましい実施形態において、前立腺癌は腺癌である。本発明の好ましい実施形態において、腫瘍性疾病は、突然変異したアンドロゲン受容体または短縮されたアンドロゲン受容体を有する前立腺癌である。この様式において、本発明にしたがって治療されてもよい前立腺癌は、エンザルタミドのような抗アンドロゲンを目標とする治療に対して抵抗性であってもよく、当該治療に対して抵抗性になったものであってもよい。
前述のように、別の実施形態において、グルココルチコイド受容体(GR)調節因子、好ましくはグルココルチコイドアンタゴニストとしての使用のための、コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)およびコルテキソロン17α−バレレート(CB−03−05)を含む式(I)の化合物を含む薬剤組成物が提供される。
本明細書に開示される発明の好ましい実施形態において、膵臓外分泌部カルシノーマは腺癌である。好まし実施形態において、膵臓外分泌部癌はAR発現がないか、AR発現が減少したものである。
好ましい実施形態において、乳カルシノーマはトリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。任意選択的に、治療される被験者または患者は、慣用の治療法に対するノンレスポンダーまたは再発であってもよい。
本発明の別の態様において、前記薬剤組成物は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療のための薬剤の製造に用いるためのコルテキソロン17α−ベンゾエートを含み;別の態様によれば、そのような治療は、治癒的、補助的、新補助的または緩和的であってもよい。
さらなる態様において、前記薬剤組成物は、グルココルチコイド受容体(GR)調節因子として、好ましくはグルココルチコイドアンタゴニストとしての使用のためのものである。
別の態様において、本発明は、グルココルチコイドによって媒介される疾病または疾患を治療するための薬剤の製造に使用するための前記薬剤組成物に関する。
最も好ましい態様において、前記薬剤組成物は、コルテキソロン17α−ベンゾエートを含む。
別の実施形態によれば、前記薬剤組成物は、同時投与、別個投与、または順次的投与のために、任意選択的に組み合わせとして、少なくとも1種の別の活性成分、好ましくは化学療法活性成分を含有してもよい。
本発明の薬剤組成物は、たとえば、粉末、凍結乾燥粉末、顆粒、ペレット、錠剤またはカプセルのような固体形態であることができる。所望される場合は、ある種の甘味料、風味剤および着色剤を添加してもよい。同様に、本発明の化合物は、1種または複数種の賦形剤を伴うマイクロカプセル化形態であることもできる。錠剤、カプセル、丸薬および顆粒の固体投与形態は、薬剤配合分野においてよく知られている溶腸性被覆および他の被覆のような被覆および外皮を用いて調製することができる。固体薬剤組成物のための適切な賦形剤は、吸着剤、充填剤、界面活性剤、圧縮助剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、希釈剤、分解剤、流動促進剤、凍結乾燥剤、滑剤、凍結乾燥助剤、製膜剤、染料、抗酸化剤などのような、当業者に知られている種類から選択することができるが、それらに限定されるものではない。たとえば、固体薬剤組成物のための適当な賦形剤は、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロースおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、被覆剤、染料およびワックスから選択することができるが、それらに限定されるものではない。これらの賦形剤の任意の混合物を、本発明にしたがって適切に用いることができる。
本発明によれば、錠剤、顆粒、ペレット、カプセルなどのような固体薬剤組成物は、即時放出形態として、遅延放出形態として、制御放出形態として、長期放出形態として、または持効性放出形態として配合することができ、経口投与経路または舌下投与経路による投与のために適当であり、あるいは移植に適当である。
制御組成物、長期組成物および/または持効性組成物は、任意の慣用の方法またはシステムにしたがって、たとえば、その全体が参照により本明細書の一部となすものとする国際公開第00/76478号にしたがって、調製されてもよい(特許文献4参照)。
本発明の薬剤組成物は、液体形態(たとえば、溶液、乳化物、懸濁物またはシロップ)であることもできる。経口投与のための液体投与形態は、薬学的に許容可能な、乳化物、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシルのを含むが、それらに限定されるものではない。活性化合物に加えて、液体投与形態は、当該技術で一般的に用いられる不活性希釈剤を含有してもよい。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、風味剤および香味剤のような補助剤を含むこともできる。液体薬剤組成物のための適切な賦形剤は、溶媒、共溶媒、油性ビヒクル、緩衝剤、界面活性剤、乳化剤、溶解性向上剤、懸濁剤、可溶化剤、キレート剤、酸性化剤、アルカリ性化剤、抗酸化剤、保存剤、浸透剤、張性剤、粘度調整剤などのような、当業者によく知られている種類の中から選択することができるが、それらに限定されるものではない。たとえば、液体調製物のための適当な薬学的賦形剤は、注射のための水、エタノール、グリコール類およびグリセロールならびにそれらの混合物のような有機溶媒または共溶媒、大豆油のような天然油、中鎖トリグリセリド、ポリオキシ15−ヒドロキシステアレート、ポリソルベート80、ポリオキシ35−ヒマシ油、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどから選択することができる。本発明によれば、前記液体薬剤組成物は、滅菌または非滅菌であることができる。1つの実施形態において、液体薬剤組成物は、乾燥加熱滅菌、湿潤加熱滅菌、γ線照射、電子ビーム滅菌などのような、当業者によく知られている技術を用いて最終的に滅菌することができる。別の実施形態において、液体薬剤組成物は、滅菌濾過、および最終一次包装容器に無菌的に充填されることにより、滅菌される。本明細書に開示される発明にしたがう液体薬剤組成物は、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、皮下投与、または腫瘍内投与のような、注射、輸液、灌流のために用いることができる。
投与方法
本明細書に記載された化合物および薬剤組成物は、経口的、非経口的、吸入噴霧により、局所的、経直腸的、経鼻的、経頬的、経膣的、または移植された容器を経由して、投与されてもよい。本明細書で用いられる際に、用語「非経口的」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節腔内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病変内および頭蓋内の注射または輸液技術を含むが、それらに限定されるものではない。
本明細書に記載された化合物および薬剤組成物は、経口的、非経口的、吸入噴霧により、局所的、経直腸的、経鼻的、経頬的、経膣的、または移植された容器を経由して、投与されてもよい。本明細書で用いられる際に、用語「非経口的」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節腔内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病変内および頭蓋内の注射または輸液技術を含むが、それらに限定されるものではない。
注射可能な調製物(たとえば、無菌で注射可能な水性懸濁物または油性懸濁物)は、適当な分散剤または湿潤剤と、懸濁剤とを用いる既知の技術にしたがって調合することができる。無菌注射可能調製物は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射可能溶液、無菌注射可能懸濁物、または無菌注射可能乳化物であってもよい。注射可能な調合物は、たとえば、菌保留性フィルターを通す濾過により、または使用前に無菌水または他の無菌注射可能媒体に溶解または分散することができる無菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、滅菌することができる。
本明細書に記載された化合物および組成物の無菌注射可能形態は、水性懸濁物または油性懸濁物であってもよい。これらの懸濁物を、適当な分散剤または湿潤剤と、懸濁剤とを用いる既知の技術にしたがって調合してもよい。無菌注射可能調製物は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射可能溶液または無菌注射可能懸濁物であってもよい。
本発明の方法における使用のための化合物は、単位投与量形態で調合することができる。用語「単位投与量形態」は、治療を受ける被験者のための単位投与量として適当な物理的に別個の単位を意味し、それぞれの単位は、任意選択的に適当な薬学的キャリアを伴う、所望される治療効果をもたらすように計算された予定量の活性材料を含有する。単位投与量形態は、一日一回の服用物であることもできるし、一日多数回(たとえば、一日当たり約1〜4回以上)の服用物の1つであることもできる。一日多数回の服用物が用いられる際に、単位投与量形態は、それぞれの服用物において同一または異なることができる。
本発明によれば、式(I)の化合物または前記化合物を含む薬剤組成物は、好ましくは静脈内注射により、より好ましくは、輸液バッグまたはシリンジまたはポンプ付きカテーテルを通して、筋肉内注射により、皮下注射により、あるいは錠剤またはカプセルの形態において経口的(口により)に投与される。
1つの実施形態によれば、前記薬剤組成物は液体形態であり、注射に適当であり、式(I)のコルテキソロンから誘導される化合物を0.1〜50.0重量/体積(w/v)%、好ましくは0.25〜25%w/v、より好ましくは0.5〜10%w/v、さらにより好ましくは1〜5%w/vの範囲で変動する量で含む。
別の実施形態によれば、前記薬剤組成物は固体形態であり、式(I)のコルテキソロンから誘導される化合物を0.1〜50重量/重量(w/w)%、好ましくは0.5〜40%w/w、より好ましくは1〜30%w/wの範囲で変動する量で含む。
前記薬剤組成物中の少なくとも1種の式(I)の化合物の量は、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病を患う哺乳類に対する投与時に有効投与レベルを得ることができるようなものである。前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治癒的、補助的、新補助的または緩和的治療における使用のための、式(I)の化合物および活性成分として同化合物を含む薬剤組成物は、好ましくは哺乳類に投与され、前記哺乳類はヒトまたは動物であり、好ましくはヒトである。
併用療法
別の実施形態によれば、化合物、コルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)、コルテキソロン17α−バレレート(CB−03−05)、および前記化合物を含む薬剤組成物は、同時、別個または順次的投与のための組み合わせとして、少なくとも別の活性成分、好ましくは化学療法活性成分を含有してもよい。
別の実施形態によれば、化合物、コルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)、コルテキソロン17α−バレレート(CB−03−05)、および前記化合物を含む薬剤組成物は、同時、別個または順次的投与のための組み合わせとして、少なくとも別の活性成分、好ましくは化学療法活性成分を含有してもよい。
ある種の実施形態において、式(I)の化合物、および本発明にしたがう少なくとも1種の式(I)の化合物と少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤とを含む薬剤組成物は、少なくとも1種の他の薬剤(特に化学療法剤)を伴う併用療法のために用いることができる。ある種の実施形態において、本発明の化合物を、別種の薬剤(特に化学療法剤)の投与と同時に投与することができる。ある種の実施形態において、別種の薬剤(特に化学療法剤)の投与に先だって、または投与に続いて本発明の化合物を投与することができる。前記少なくとも1種の別の薬剤(特に化学療法剤)は、同一または異種の疾病、疾患または症状を治療するのに有効であることができる。本発明の方法は、併用投与が本発明の1種または複数種の化合物の治療有効性を損なわないこと、および/または併用投与が許容不可能な有害な併用効果をもたらさないことを条件として、1種または複数種の式(I)の化合物、または本発明の式(I)の化合物を少なくとも含む薬剤組成物と、少なくとも1種の別の薬剤(特に化学療法剤)との投与を含む。
コルテキソロン17α−バレレート(「05」または「CB−03−05」とも呼称される)
前述のように、本発明の別の対象は、薬物としての使用のための、下式で表されるコルテキソロン17α−バレレート(「05」または「CB−03−05」とも呼称される)
前述のように、本発明の別の対象は、薬物としての使用のための、下式で表されるコルテキソロン17α−バレレート(「05」または「CB−03−05」とも呼称される)
理想的には、コルテキソロン17α−バレレートは、前癌性病変、異形成、化生、ならびに悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病において用いるためのものである。好ましくは、コルテキソロン17α−バレレートは、抗腫瘍剤としての使用のためのものである。好ましくは、腫瘍性疾病は、充実性腫瘍、好ましくは上皮性腫瘍である。上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ(好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマ)、肺カルシノーマ、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマ、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマから選択される。
1つの実施形態によれば、上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマである。本発明の別の好ましい実施形態において、腫瘍性疾病は、突然変異したアンドロゲン受容体または短縮されたアンドロゲン受容体を有する前立腺癌である。この様式において、前立腺癌は、本発明にしたがって治療されてもよい前立腺癌は、エンザルタミドのような抗アンドロゲンを目標とする治療に対して抵抗性であってもよく、当該治療に対して抵抗性になったものであってもよい。
別の実施形態によれば、上皮性腫瘍は、膵カルシノーマ、好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマである。
1つの実施形態によれば、上皮性腫瘍は、乳カルシノーマ、好ましくはトリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。1つの実施形態において、乳カルシノーマはトリプルネガティブ乳癌であり、被験者は再発、または慣用の治療に対するノンレスポンダーである。
別の実施形態によれば、上皮性腫瘍は、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマである。
別の実施形態によれば、コルテキソロン17α−バレレートは、グルココルチコイド受容体(GR)調節因子、好ましくはグルココルチコイドアンタゴニストとして使用するためのものである。
別の態様によれば、薬物としての使用のための、好ましくは前癌性病変、異形成、化生、ならびに任意選択的に悪性新形成および転移を含む腫瘍性疾病の治療における使用のための、以下の構造式の化合物、および少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤を含む薬剤組成物が提供される。
好ましくは、前記腫瘍性疾病は、充実性腫瘍、好ましくは上皮性腫瘍であり、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ(好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマ)、肺カルシノーマ、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマ、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマのようなものである。
別の実施形態によれば、前記上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマである。本発明の別の実施形態において、腫瘍性疾病は、突然変異したアンドロゲン受容体または短縮されたアンドロゲン受容体を有する前立腺癌である。この様式において、本発明にしたがって治療されてもよい前立腺癌は、エンザルタミドのような抗アンドロゲンを目標とする治療に対して抵抗性であってもよく、当該治療に対して抵抗性になったものであってもよい。
別の実施形態によれば、上皮性腫瘍は、膵カルシノーマ、好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマである。
1つの実施形態によれば、上皮性腫瘍は、乳カルシノーマ、好ましくはトリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。1つの実施形態において、乳カルシノーマはトリプルネガティブ乳癌であり、被験者は再発、または慣用の治療に対するノンレスポンダーである。
別の実施形態によれば、上皮性腫瘍は、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマである。
薬剤組成物は、同時、別個または順次的投与のために、少なくとも1種の別の活性成分、好ましくは化学療法活性成分を含んでもよい。
別の態様によれば、グルココルチコイド受容体(GR)調節因子、好ましくはグルココルチコイドアンタゴニストとして使用するための、以下の構造式の化合物および少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤を含む薬剤組成物が提供される。
別の態様において、その必要のある被験者における前癌性病変、異形成、化生、および腫瘍性疾病を治療する方法を提供し、当該方法は、治療的に有効量の以下の構造式の化合物、または前記被験者に対する前記化合物を含む薬剤組成物を投与する工程を含む。
1つの実施形態によれば、腫瘍性疾病は、悪性新形成または転移である。
好ましくは、被験者は哺乳類である。理想的には、哺乳類はヒトである。
1つの実施形態によれば、腫瘍性疾病は充実性腫瘍である。任意選択的に、充実性腫瘍は上皮性腫瘍である。上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、子宮カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、消化管カルシノーマ(好ましくは結腸カルシノーマ)、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマなどから選択されてもよい。
別の実施形態によれば、上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマ、膵カルシノーマ、膵臓外分泌部カルシノーマ、または乳カルシノーマである。
別の実施形態によれば、前記上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマである。本発明の別の好ましい実施形態によれば、腫瘍性疾病は、突然変異したアンドロゲン受容体または短縮されたアンドロゲン受容体を有する前立腺癌である。この様式において、本発明にしたがって治療されてもよい前立腺癌は、エンザルタミドのような抗アンドロゲンを目標とする治療に対して抵抗性であってもよく、当該治療に対して抵抗性になったものであってもよい。
別の実施形態によれば、上皮性腫瘍は、膵カルシノーマ、好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマである。
1つの実施形態によれば、乳カルシノーマはトリプルネガティブ乳癌である。1つの実施形態において、乳カルシノーマはトリプルネガティブ乳癌であり、被験者は再発、または慣用の治療に対するノンレスポンダーである。
別の実施形態によれば、上皮性腫瘍は、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマである。
本発明の別の実施形態によれば、その必要のある被験者において、グルココルチコイドにより媒介される疾病または疾患を治療する方法を提供し、当該方法は、治療的に有効な量のコルテキソロン17α−バレレート、またはコルテキソロン17α−バレレートを含む薬剤組成物を投与する工程を含む。
(実施例1:前立腺癌細胞系におけるコルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)のin vitro抗腫瘍活性)
本試験は、それぞれアンドロゲン受容体発現陽性または陰性の前立腺癌細胞系の代表であるLNCaP(AR+)およびPC3(AR-)におけるコルテキソロン17α−ベンゾエートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
本試験は、それぞれアンドロゲン受容体発現陽性または陰性の前立腺癌細胞系の代表であるLNCaP(AR+)およびPC3(AR-)におけるコルテキソロン17α−ベンゾエートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
テストの目的は、in vivo動物試験における化合物の可能な適用に鑑みて、それぞれの化合物が癌細胞の50%を殺す濃度(IC50)を決定することであった。
試験1のデータを、S字状投与量応答曲線にフィッティングし、Prizm統計分析ソフトウェアを用いて分析した。試験2のデータを、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングを用いて分析した。
それぞれの系において見出されたIC50値を、最も強力な抗アンドロゲンステロイドであるCPA、およびエンザルタミド(転移性去勢抵抗性前立腺癌の人間の生存を延長することができる経口アンドロゲン受容体阻害剤)の、全チル腺癌の治療に現在用いられているよく知られている比較剤(comparators)と比較して、以下の表中で報告する。2組の試験の結果は以下の通りである。
<試験1>
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
<試験2>
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
IC50値は、弱い相関傾向を有するものの、比較剤とは異なり、コルテキソロン17α−ベンゾエートの抗腫瘍活性がアンドロゲン受容体発現に厳密に依存しているとはみなされないことを示す。
(実施例2:前立腺癌細胞系におけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)のin vitro抗腫瘍活性)
本試験は、それぞれアンドロゲン受容体発現陽性または陰性の前立腺癌細胞系の代表であるLNCaP(AR+)およびPC3(AR-)におけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
本試験は、それぞれアンドロゲン受容体発現陽性または陰性の前立腺癌細胞系の代表であるLNCaP(AR+)およびPC3(AR-)におけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
テストの目的は、in vivo動物試験における化合物の可能な適用に鑑みて、それぞれの化合物が癌細胞の50%を殺す濃度(IC50)を決定することであった。
試験1のデータを、S字状投与量応答曲線にフィッティングし、Prizm統計分析ソフトウェアを用いて分析した。試験2のデータを、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングを用いて分析した。
それぞれの系において見出されたIC50値を、最も強力な抗アンドロゲンステロイドであるシプロテロンアセテート(CPA)、およびエンザルタミド(転移性去勢抵抗性前立腺癌の人間の生存を延長することができる経口アンドロゲン受容体阻害剤)の、前立腺癌の治療において現在用いられているよく知られている比較剤(comparators)と比較して、以下の表中で報告する。2組の試験の結果を以下に示す。
<試験1>
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
<試験2>
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
IC50値は、コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)の抗腫瘍活性が細胞系中のアンドロゲン受容体発現に相関している可能性があることを示す。
(実施例3:膵臓癌細胞系におけるコルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)のin vitro抗腫瘍活性)
本試験は、それぞれアンドロゲン受容体(AR)発現陽性または陰性の膵臓癌細胞の代表であるPanc1(AR+)およびMiaPaca2(AR低)におけるコルテキソロン17α−ベンゾエートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。
本試験は、それぞれアンドロゲン受容体(AR)発現陽性または陰性の膵臓癌細胞の代表であるPanc1(AR+)およびMiaPaca2(AR低)におけるコルテキソロン17α−ベンゾエートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。
系は、アンドロゲン受容体の発現に関して、陽性(AR+)または低(AR+/-)/陰性(AR-)とも分類された。
試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
テストの目的は、in vivo動物試験における化合物の可能な適用に鑑みて、それぞれの化合物が癌細胞の50%を殺す濃度(IC50)を決定することであった。
試験1のデータを、S字状投与量応答曲線にフィッティングし、Prizm統計分析ソフトウェアを用いて分析した。試験2のデータを、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングを用いて分析した。それぞれの系において見出されたIC50値を、最も強力な抗アンドロゲンステロイドであるシプロテロンアセテート(CPA)、およびエンザルタミド(転移性去勢抵抗性前立腺癌の人間の生存を延長することができる経口アンドロゲン受容体阻害剤)の、前立腺癌の治療に現在用いられているよく知られている比較剤(comparators)と比較して、以下の表中で報告する。2組の試験の結果を以下に示す。
<試験1>
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
<試験2>
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
IC50値は、コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−06)の抗腫瘍活性が、比較剤(CPAおよびエンザルタミド)の活性よりも少なくとも2倍高く、細胞系中のアンドロゲン受容体発現について相関が存在しないことを示す。MiaPaca2が低/無AR発現により特徴づけられるため、化合物の抗癌活性は、癌細胞系中のアンドロゲン受容体発現に直接的に相関していない。
(実施例4:膵臓癌細胞系におけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)のin vitro抗腫瘍活性)
本試験は、膵臓腫瘍の細胞系代表、すなわち、膵臓癌細胞の代表であるPanc1(AR+)およびMiaPaca2(AR低)におけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。
本試験は、膵臓腫瘍の細胞系代表、すなわち、膵臓癌細胞の代表であるPanc1(AR+)およびMiaPaca2(AR低)におけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートのin vitro抗腫瘍活性を試験し、画定させるために実施された。
系は、アンドロゲン受容体の発現に関して、陽性(AR+)、低(AR+/-)または陰性(AR-)とも分類された。
試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
1. 96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞を播種した。
2. 24時間後、培養物に対して、10nMの、抗アンドロゲン化合物を有するまたは有さないDHT(ジヒドロテストステロン)、またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。
3. 3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。
テストの目的は、in vivo動物試験における化合物の可能な適用に鑑みて、それぞれの化合物が癌細胞の50%を殺す濃度(IC50)を決定することであった。
試験1のデータを、S字状投与量応答曲線にフィッティングし、Prizm統計分析ソフトウェアを用いて分析した。試験2のデータを、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングを用いて分析した。
それぞれの系において見出されたIC50値を、よく知られている比較剤(comparators):最も強力な抗アンドロゲンステロイドであるシプロテロンアセテート(CPA)、および経口ARアンタゴニストであるエンザルタミド(癌の人間の生存を延長することができる経口アンドロゲン受容体阻害剤)と比較して、以下の表中で報告する。2組の試験の結果を以下に示す。
<試験1>
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおけるS字状投与量応答曲線にフィッティングした。
<試験2>
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
以下の結果は、試験1のものに対する追加の試験を含む。結果は、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングにより分析した。
IC50値は、コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートの抗腫瘍活性が膵臓癌細胞系中のアンドロゲン受容体発現と相関していないことを示す。
(実施例5:マウス中のin vivoヒト膵臓腫瘍移植片)
ヌードマウスにおける膵臓移植片の腫瘍成長に対するコルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)の活性を、最も強力な抗アンドロゲンステロイドであるシプロテロンアセテート(CPA)と比較して評価した。
ヌードマウスにおける膵臓移植片の腫瘍成長に対するコルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)の活性を、最も強力な抗アンドロゲンステロイドであるシプロテロンアセテート(CPA)と比較して評価した。
コルテキソロン17α−ベンゾエートおよびシプロテロンアセテートは、別個に、DMSO/2−ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(ビヒクル)中に希釈した。
試験は、ビヒクル(すなわち、ノーマルセーライン中0.4%(v/v)のツイーン80および0.5%(v/v)のカルボキシメチルセルロース)に対して、および2つの異なる投与量(7.4mg/kgおよび37mg/kg)の比較剤であるシプロテロンアセテートに対して、2つの異なる投与量(約230μMに相当する8.0mg/kg、および約1150μMに相当する40mg/kg)のコルテキソロン17α−ベンゾエートの抗腫瘍活性を比較することにより実施した。
6週齢の無胸腺のヌードマウスに対して、Matrigel中に懸濁させて1×106個のMiaPaca−2細胞を皮下注射した。
移植後、腫瘍体積が50mm3に到達した後に、試験化合物による治療、ビヒクルによる治療、および比較化合物による治療を開始した。全ての化合物は、それぞれ、コルテキソロン17α−ベンゾエート、ビヒクルおよびシプロテロンアセテートについて、100μL/マウスの低投与量溶液(約230μM)または100μL/マウスの高投与量溶液(約1150μM)を用いて注射された。化合物および対照は、28日間にわたって皮下的に投与された。
腫瘍は、デジタルキャリパーを用いて4日毎に測定した。
結果を、治療開始に関する腫瘍体積の平均変化として図1にプロットした。腫瘍体積を、式0.5236(r1)2(r2)(式中r1<r2)にしたがって計算した。
エラーバーは、治療群当たり7〜10匹のマウスに関するSEMである。P値は、スチューデントのt−検定にしたがって計算した。
高投与量のコルテキソロン17α−ベンゾエートは、膵臓腫瘍の寸法を、治療が開始された際の腫瘍の寸法の5倍未満に維持した。対照的に、ビヒクル治療群における平均腫瘍およびシプロテロンアセテート治療群における平均腫瘍は、寸法で12倍まで増大した。これらのデータから、本発明の化合物コルテキソロン17α−ベンゾエートの抗腫瘍活性は明らかである。
(実施例6:マウス中のin vivoヒト膵臓腫瘍移植片)
ヌードマウスにおける膵臓腫瘍の移植片モデルにおけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)の活性を、抗アンドロゲンステロイドであるシプロテロンアセテート(CPA)と比較して評価した。
ヌードマウスにおける膵臓腫瘍の移植片モデルにおけるコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)の活性を、抗アンドロゲンステロイドであるシプロテロンアセテート(CPA)と比較して評価した。
コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートおよびシプロテロンアセテートは、別個に、DMSO/2−ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(ビヒクル)中に希釈した。
試験は、ビヒクル(すなわち、ノーマルセーライン中0.4%(v/v)のツイーン80および0.5%(v/v)のカルボキシメチルセルロース)に対して、および2つの異なる投与量(7.4mg/kgおよび37mg/kg)の比較剤であるシプロテロンアセテートに対して、2つの異なる投与量(8.6mg/kg、および43mg/kg)のコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートの抗腫瘍活性を比較することにより実施した。
6週齢の無胸腺のヌードマウスに対して、Matrigel中に懸濁させて1×106個のMiaPaca−2細胞を皮下注射した。
移植後、腫瘍体積が50mm3に到達した後に、試験化合物による治療、ビヒクルによる治療、および比較化合物による治療を開始し、それぞれ、コルテキソロン17α−ベンゾエート、ビヒクルおよびシプロテロンアセテートについて、100μL/マウスの低投与量溶液(約230μM)または100μL/マウスの高投与量溶液(約1150μM)を用いて、皮下注射した。化合物および対照は、28日間にわたって皮下的に投与された。腫瘍は、デジタルキャリパーを用いて4日毎に測定した。
結果を、治療開始に関する腫瘍体積の平均変化として図2にプロットした。腫瘍体積を、式0.5236(r1)2(r2)(式中r1<r2)にしたがって計算した。
エラーバーは、治療群当たり7〜10匹のマウスに関するSEMである。P値は、スチューデントのt−検定にしたがって計算した。
コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートは、膵臓腫瘍の寸法を、治療時の初期腫瘍寸法の5倍未満まで増加させた。さらに、治療を停止した際に、より低速度および低い程度ではあるが、腫瘍寸法が再び増加する傾向を示した。対照的に、ビヒクル治療群における平均腫瘍およびシプロテロンアセテート治療群における平均腫瘍は、寸法で12倍以上に増大し、人間的理由からこれらの群の動物のいくらかを抑制する必要が発生した。これらのデータから、本発明の化合物コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートの抗腫瘍活性は明らかである。
実施例5および6のデータから、in vivo膵臓腫瘍に対する、コルテキソロン17α−ベンゾエートおよびコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートのin vivo抗腫瘍活性が確認され、それら化合物の両方が、同一の動物モデルにおいてシプロテロンアセテートよりも高い抗腫瘍活性を有した(図3および図4参照)。
(実施例7:膵臓癌細胞系のin vitro治療指数)
細胞系生存可能性試験において試験される化合物の安全性を評価するために、細胞の生存および生存可能性に影響する全ての要素を考慮すべきである。この意味において、化合物および比較剤の固有毒性の評価は、真に重要である。末梢血単核細胞(PBMC)における化合物のIC50および癌細胞系のIC50に由来する比は治療指数とされ、試験される化合物のより安全なものが何かを示す。
細胞系生存可能性試験において試験される化合物の安全性を評価するために、細胞の生存および生存可能性に影響する全ての要素を考慮すべきである。この意味において、化合物および比較剤の固有毒性の評価は、真に重要である。末梢血単核細胞(PBMC)における化合物のIC50および癌細胞系のIC50に由来する比は治療指数とされ、試験される化合物のより安全なものが何かを示す。
2つの異なる活性化状態において、PMBCにおけるIC50を試験した。
刺激された(被刺激) − 活発に分裂している細胞
休息期の − 休止して、分裂していない細胞
刺激された(被刺激) − 活発に分裂している細胞
休息期の − 休止して、分裂していない細胞
それぞれ、刺激されたPBMCおよび休息期のPMBCに関して、結果を以下の表に示す。
並行して、休息期のPMBCにおいて同一の試験を繰り返して以下の結果を得た。
刺激されたPMBCについて計算された治療指数(TI)を以下の表で報告する。
休息期のPMBCついて計算された治療指数(TI)を以下の表で報告する。
表中、値0は、癌細胞系中よりもPMBC中でのより高い特性を示す。
(実施例8:上皮性腸癌細胞系におけるコルテキソロン17α−ベンゾエートおよびコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)のin vitro抗腫瘍活性)
本試験は、上皮性腸腫瘍の代表である細胞系、すなわちHT29におけるコルテキソロン17α−ベンゾエートおよびコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)のin vitro抗癌活性を試験し、画定させるために実施された。試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルのプレート中に、単層のHT−29細胞を2×104細胞/mLの濃度で蒔いた。蒔いた細胞を5%CO2中37℃に維持し、24時間にわたって放置して付着させた。
2. その後、それぞれ0.16mM、0.8mM、4mM、20mM、100mM、および500mMの濃度の試験化合物とともに、72時間にわたって細胞をインキュベートした。
3. 72時間の処理後、MTT比色分析アッセイを行った。
本試験は、上皮性腸腫瘍の代表である細胞系、すなわちHT29におけるコルテキソロン17α−ベンゾエートおよびコルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネート(CB−03−10)のin vitro抗癌活性を試験し、画定させるために実施された。試験方法は、以下の工程を含んだ。
1. 96ウェルのプレート中に、単層のHT−29細胞を2×104細胞/mLの濃度で蒔いた。蒔いた細胞を5%CO2中37℃に維持し、24時間にわたって放置して付着させた。
2. その後、それぞれ0.16mM、0.8mM、4mM、20mM、100mM、および500mMの濃度の試験化合物とともに、72時間にわたって細胞をインキュベートした。
3. 72時間の処理後、MTT比色分析アッセイを行った。
テストの目的は、in vivo動物試験における化合物の可能な適用に鑑みて、それぞれの化合物が癌細胞の50%を殺す濃度(IC50)を決定することであった。
データを、Prizm統計分析ソフトウェアにおける非線形回帰最小二乗カーブフィッティングを用いて分析した。
それぞれの系に関して見出されたIC50値を以下の表で報告する。
2つの生成物に関して計算されたIC50値(以下に報告する)は、両化合物がHT29において明らかな抗癌活性を示すことを示す。
(実施例9:上皮性腸癌細胞系におけるin vitro治療指数)
細胞系生存可能性試験において試験される化合物の安全性を評価するために、細胞の生存および生存可能性に影響する全ての要素を考慮すべきである。この意味において、化合物および比較剤の固有毒性の評価は、真に重要である。PBMCにおける化合物のIC50および癌細胞系のIC50の間の比は治療指数とされ、安全な条件下における生成物の有効性を定義するのに重要なパラメータである。
細胞系生存可能性試験において試験される化合物の安全性を評価するために、細胞の生存および生存可能性に影響する全ての要素を考慮すべきである。この意味において、化合物および比較剤の固有毒性の評価は、真に重要である。PBMCにおける化合物のIC50および癌細胞系のIC50の間の比は治療指数とされ、安全な条件下における生成物の有効性を定義するのに重要なパラメータである。
2つの異なる活性化状態において、PMBCにおけるIC50を試験した。
刺激された(被刺激) − 活発に分裂している細胞
休息期の − 休止して、分裂していない細胞
刺激された(被刺激) − 活発に分裂している細胞
休息期の − 休止して、分裂していない細胞
刺激されたPBMCおよび休息期のPMBCに関して、結果を以下の表に示す。
これらのデータから、上皮性腸癌細胞に対する本発明の化合物コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートの抗腫瘍活性および安全性が確認された。
(実施例10:コルテキソロン17α−ベンゾエートの合成)
以下の工程を含む合成スキームにしたがって、コルテキソロン17α−ベンゾエートを調製した。
以下の工程を含む合成スキームにしたがって、コルテキソロン17α−ベンゾエートを調製した。
工程1において、コルテキソロンを適当な溶媒(たとえば酢酸エチル)に溶解させた。ピリジニウムトシレートまたはp−トルエンスルホン酸を触媒量(1〜10モル%)で添加し、引き続いて、トリアルキルオルトベンゾエート(R=メチルまたはR=エチル)を添加した。反応混合物を、3〜6時間にわたって80℃に加熱した。
溶媒の除去およびアルコール性溶媒中での結晶化の後に、コルテキソロンオルトベンゾエート1を固体として得た。
工程2において、コルテキソロンオルトベンゾエート1をアルコール性溶媒(たとえばメタノール)中に溶解させ、還流下で0.1N酢酸緩衝液で処理した。溶媒の除去後、残渣を脱イオン水(demi water)による処理によって精製し、コルテキソロン17α−ベンゾエートを固体として回収した。
(実施例11:コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートの合成)
以下の合成スキームにしたがって、コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートを調製した。
以下の合成スキームにしたがって、コルテキソロン17α−バレレート−21−プロピオネートを調製した。
工程1:コルテキソロンを適当な溶媒(たとえば酢酸エチル)に溶解させた。ピリジニウムトシレートまたはp−トルエンスルホン酸を触媒量(1〜10モル%)で添加し、引き続いて、トリアルキルオルトバレレート(R=メチルまたはR=エチル)を添加した。反応混合物を、3〜6時間にわたって80℃に加熱した。
工程2において、コルテキソロンオルトバレレート1をアルコール性溶媒(たとえばメタノール)中に溶解させ、還流下で0.1N酢酸緩衝液で処理した。溶媒の除去後、残渣を脱イオン水(demi water)による処理によって精製し、コルテキソロン17α−バレレート2を固体として回収した。
工程3において、コルテキソロン17α−バレレート2をピリジンに溶解させ、1当量の塩化プロピオニルを添加した。転化が完了した際に、混合物を水で希釈し、生成物3を固体として回収し、アルコールを用いる結晶化により精製した。
(実施例12:コルテキソロン誘導化化合物CB−03−06のin vitro抗癌活性の分析)
in vitroで確立された癌細胞系の成長を阻害する一連のコルテキソロン誘導化化合物、特にCB−03−06の能力を試験した。
in vitroで確立された癌細胞系の成長を阻害する一連のコルテキソロン誘導化化合物、特にCB−03−06の能力を試験した。
96ウェルの平底プレート中、2%チャコール処理済ウシ血清を含有する完全培地中に、3000個の癌細胞系を播種した。24時間後、試験化合物またはDMSO/ビヒクル(陰性の比較対照として0.1%最終濃度)を添加した。シプロテロンアセテート(CPA)およびエンザルタミド、2種の有力であると認識されている抗アンドロゲンを、細胞の細胞毒性に関する陽性の比較対照として用いた。3日後、ATP−依存細胞生存可能性アッセイ(Promega Cell Titer Glo)を用いて、生存可能細胞数を定量化した。ヒトおよび膵臓細胞系におけるコルテキソロン誘導化化合物の細胞毒性活性の投与量滴定値を図5に示す。それぞれの化合物が癌細胞の50%を殺す濃度(IC50)の決定を行い、CB−03−06および他の化合物が癌細胞成長を阻害する能力を示した。それぞれの化合物を、3μMから200μMまで滴定した。3日後、ATP−依存増殖アッセイを用いて、生存可能細胞数を定量化した。第I表に示すデータは、Prizm統計分析ソフトウェアを用いて、S字状投与量応答曲線にフィッティングし、分析した。
図5および第I表から、コルテキソロン誘導化化合物が種々の濃度およびIC50において癌細胞を殺すことは、明かである。CB−03−06は、有力な抗アンドロゲンCPAよりも良好に前立腺癌細胞(パネルa)を殺す。より重要なことには、それらは、現在診療所においてアンドロゲン依存前立腺癌に関する第1選択肢として用いられている新規かつ有力な抗アンドロゲン薬であるエンザルタミド(パネルb)よりも良好に、前立腺癌細胞のin vitro成長を阻害した。
興味深いことには、CB−03−06は、非常に低いレベルでアンドロゲン受容体を発現することが知られている成長の早い膵臓細胞系(パネルb)の成長を阻害する。これらのデータは、抗アンドロゲン活性ではなく、細胞毒性に関連する作用に依存しない機構を示唆する。
(実施例13:試験された癌細胞系におけるアンドロゲン受容体(AR)発現の分析)
癌細胞系におけるAR発現とCB−03−06の癌細胞成長を阻害する能力との間の関係をより良好に理解するために、第I表で試験した前立腺細胞系および膵臓細胞系に対して、FACSアッセイを行った。
癌細胞系におけるAR発現とCB−03−06の癌細胞成長を阻害する能力との間の関係をより良好に理解するために、第I表で試験した前立腺細胞系および膵臓細胞系に対して、FACSアッセイを行った。
図6は、試験された癌細胞におけるAR発現のレベルを示す。予測されるように、前立腺細胞系および膵臓細胞系におけるAR発現のFACS分析は、LNCap>Panc1>PC3=MiaPaca2という公表されている発現レベルと一致する。
ARおよびIC50の相関のより良好な明確化のため、試験された癌細胞系のAR発現を追加した第I表を提供する(第II表)。
予測されるように、強力な抗アンドロゲンCPAおよびエンザルタミドによって示される成長阻害は、前立腺癌細胞系のAR発現と相関する。CB−03−10の阻害活性もまた、(厳密度は低いが)前立腺癌細胞のAR発現と相関する。しかしながら、膵臓癌細胞におけるAR発現と阻害活性との間に逆相関が存在する。全ての試験された化合物は、Panc1細胞(AR+)に比較して、よりAR発現の低いMiapaca2(AR+/−)において、より活性が高かった。この結果は、膵臓癌における作用のAR非依存性機構の可能性があることを暗示する。この系列において、CB−03−06は最も強力な化合物であった。注目すべきことには、CB−03−06は、試験された4つの癌細胞系全てについてCPAよりも良好である。同様に、CB−03−06は、エンザルタミドよりも強力である。
(実施例14:充実性腫瘍から誘導される癌細胞系のより大きな試料における、コルテキソロン誘導化化合物、特にCB−03−06のin vitro抗癌活性の分析)
CB−03−10の細胞毒性活性がAR発現と相関しないように見えるため、充実性腫瘍のより大きな試料を試験した。以前のパネルに、MCF7(乳癌細胞系(AR+/-))、より高度なAR発現を有する追加の膵臓細胞系(BxPC3)、および腸癌細胞系(HT29)を追加した。結果を第III表に示す。
CB−03−10の細胞毒性活性がAR発現と相関しないように見えるため、充実性腫瘍のより大きな試料を試験した。以前のパネルに、MCF7(乳癌細胞系(AR+/-))、より高度なAR発現を有する追加の膵臓細胞系(BxPC3)、および腸癌細胞系(HT29)を追加した。結果を第III表に示す。
CB−03−06は、上皮性由来の複数の異なる癌細胞系の細胞生存可能性を阻害する。当該化合物の細胞毒性活性は、アンドロゲン受容体の発現と相関しない。それは、野生型(WT)の発現にも相関しない。さらに、CB−03−06は、試験された全ての癌細胞系において、エンザルタミドよりも強力である。
(実施例15:異種の癌細胞系におけるコルテキソロン誘導化化合物の治療指数)
治療指数(TI)(治療ウインドウ、安全性ウインドウ、または治療係数とも呼称される)は、毒性をもたらす量に対する、治療効果をもたらす治療薬の量の比較である。化合物のIC50は、ヒト血液から単離される新鮮な細胞(PBMC)において決定される。化合物の毒性は下式で決定される
(治療指数)=(安全性)/(効力)=被刺激PMBCのIC50/癌細胞のIC50
結果を第IV表に示す。
治療指数(TI)(治療ウインドウ、安全性ウインドウ、または治療係数とも呼称される)は、毒性をもたらす量に対する、治療効果をもたらす治療薬の量の比較である。化合物のIC50は、ヒト血液から単離される新鮮な細胞(PBMC)において決定される。化合物の毒性は下式で決定される
(治療指数)=(安全性)/(効力)=被刺激PMBCのIC50/癌細胞のIC50
結果を第IV表に示す。
全てのコルテキソロン誘導化化合物は、強い安全性プロフィルを示す。CB−03−06は、最も高い治療指数を示す。これは、CB−03−06が、CPAおよびエンザルタミドに比較してより安全なプロフィルを有することを明らかにする。
(実施例16:アンドロゲン受容体に関するCB−03−06の結合親和性)
上記の試験は、異なる由来の腫瘍から誘導される癌細胞系におけるCB−03−06の強い細胞毒性活性を例証した。この細胞毒性活性は、試験された癌細胞の抗アンドロゲン受容体発現と完全には相関しない。この証拠に基づいて、野生型ARに対する化合物の親和性を試験するためのアッセイを設計した。野生型ARに対するCB−03−10の相対的結合親和性を決定するために、life Technologies由来のPolar Screen kitを用いる競争アッセイを用いた。簡単に言えば、蛍光性アンドロゲンリガンド(Fluormone(商標) AL Green)に対してARを添加し、AR−LBD複合体を形成した。競争剤は、AR−LBDから蛍光性のFluormone(商標) AL Greenを置換し、蛍光性リガンドがその蛍光寿命中に速やかに崩壊し、低い偏光値をもたらす。非競争剤は、複合体からの蛍光性リガンドを置換せず、偏光値は高いままとなる。試験される化合物の存在下における偏光値のシフトを用いて、AR−LBDに関する試験される化合物の相対親和性を決定する。
上記の試験は、異なる由来の腫瘍から誘導される癌細胞系におけるCB−03−06の強い細胞毒性活性を例証した。この細胞毒性活性は、試験された癌細胞の抗アンドロゲン受容体発現と完全には相関しない。この証拠に基づいて、野生型ARに対する化合物の親和性を試験するためのアッセイを設計した。野生型ARに対するCB−03−10の相対的結合親和性を決定するために、life Technologies由来のPolar Screen kitを用いる競争アッセイを用いた。簡単に言えば、蛍光性アンドロゲンリガンド(Fluormone(商標) AL Green)に対してARを添加し、AR−LBD複合体を形成した。競争剤は、AR−LBDから蛍光性のFluormone(商標) AL Greenを置換し、蛍光性リガンドがその蛍光寿命中に速やかに崩壊し、低い偏光値をもたらす。非競争剤は、複合体からの蛍光性リガンドを置換せず、偏光値は高いままとなる。試験される化合物の存在下における偏光値のシフトを用いて、AR−LBDに関する試験される化合物の相対親和性を決定する。
AR受容体に関するCB−03−06の親和性は2.6×10-6(IC50、モル濃度)であり、同一アッセイにおいて、ジヒドロテストステロン(AR受容体の強力な結合剤)の親和性は1.1×10-8であった。DHTに比較した際に、AR受容体に関するCB−03−06の結合親和性は低く、CB−03−06をARの潜在的結合剤であると特徴づける。
(実施例17:グルココルチコイド受容体におけるCB−03−06の転写活性)
アンドロゲンおよびグルココルチコイドホルモンは、細胞、組織および動物において、相違する効果、しばしば反対の効果を引き出す。広範囲の生理学的および分子生物学的証拠が、これらの効果を媒介する受容体、アンドロゲン受容体およびグルココルチコイド受容体(それぞれ、ARおよびGR)は、互いの転写活性に影響することを示唆している。CB−03−06のGRアンタゴニスト活性およびGRアゴニスト活性を、in vitroアッセイにおいて試験した。簡単に言えば、発光に基づくレポーター分子が結合したGR結合部位を含有するDNA構造を、ヒト腎臓上皮細胞にトランスフェクションした。24時間後、細胞をアンタゴニストモードまたはアゴニストモードの下で処理した。さらなる24時間の日に、GRアゴニスト転写活性に比例する発光を定量化した。
アンドロゲンおよびグルココルチコイドホルモンは、細胞、組織および動物において、相違する効果、しばしば反対の効果を引き出す。広範囲の生理学的および分子生物学的証拠が、これらの効果を媒介する受容体、アンドロゲン受容体およびグルココルチコイド受容体(それぞれ、ARおよびGR)は、互いの転写活性に影響することを示唆している。CB−03−06のGRアンタゴニスト活性およびGRアゴニスト活性を、in vitroアッセイにおいて試験した。簡単に言えば、発光に基づくレポーター分子が結合したGR結合部位を含有するDNA構造を、ヒト腎臓上皮細胞にトランスフェクションした。24時間後、細胞をアンタゴニストモードまたはアゴニストモードの下で処理した。さらなる24時間の日に、GRアゴニスト転写活性に比例する発光を定量化した。
アンタゴニストアッセイは、デキサメタゾン(Dex)により誘起される発光の阻害に基づいた。
図7に示すように、CB−03−10のアンタゴニスト活性を、既知のGRアンタゴニストであるミフェプリストン(RU486とも呼ばれる)と比較した。
アゴニストアッセイは、CB−03−06による発光の誘起に基づいた。
図8に示すように、CB−03−06のアゴニスト活性を、アゴニスト活性を有さないことが知られているRU486と比較した。
図7に示されるように、CB−03−06は、強力なアンタゴニスト(RU486よりも100倍低い)である。対照的に、CB−03−06は、4.6×10-9MのDexと同程度まで、1.4×10-8の濃度においてGRを活性化する強力なGRアゴニストである。CB−03−06は、その活性がDexの最大値の45%で横ばいになるため、Dexほど強力ではない。結果的に、CB−03−06は、弱いGRアンタゴニストであり、良好なGRアゴニストである。
(実施例18:CB−03−06の、アポトーシスおよび細胞周期静止の誘起)
現在使用されている細胞毒性抗癌薬の大部分は、影響を受ける細胞のアポトーシスを誘起することが示されている。異種の目標に相互作用する共通点のない薬剤がある共通の特徴を有する細胞死を誘起するという事実は、細胞毒性がこのいわゆる「プログラムされた」細胞死に関わる細胞の能力によって決定されることを示唆する。癌細胞の細胞毒性の機構がアポトーシスおよび細胞周期静止によって媒介されるか否かを決定するために,CB−03−06を評価した。癌細胞系を6ウェルの平底プレートに播種した。24時間後、試験化合物またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。さらなる24時間の後に、細胞を掻き取り、フルオレセインが結合したアネキシンVおよびプロピジウムヨージドにより染色し、フローサイトメトリーにより分析した。
現在使用されている細胞毒性抗癌薬の大部分は、影響を受ける細胞のアポトーシスを誘起することが示されている。異種の目標に相互作用する共通点のない薬剤がある共通の特徴を有する細胞死を誘起するという事実は、細胞毒性がこのいわゆる「プログラムされた」細胞死に関わる細胞の能力によって決定されることを示唆する。癌細胞の細胞毒性の機構がアポトーシスおよび細胞周期静止によって媒介されるか否かを決定するために,CB−03−06を評価した。癌細胞系を6ウェルの平底プレートに播種した。24時間後、試験化合物またはDMSOビヒクル(陰性の比較対照)を添加した。さらなる24時間の後に、細胞を掻き取り、フルオレセインが結合したアネキシンVおよびプロピジウムヨージドにより染色し、フローサイトメトリーにより分析した。
図9は、CB−03−06が、どのように膵臓癌細胞系MiaPaca2におけるアポトーシスを誘起することができるかを明確に示す。CB−03−06は、合計56%の細胞におけるアポトーシス(早期および後期)を誘起するのに対し、比較対照では12%のみである。
アポトーシスは、細胞周期のG1/SまたはG2/M移行において発生する可能性がある。細胞を24時間にわたってCB−03−10で処理し、パラホルムアルデヒドで固定し、プロピジウムヨージドで染色した。図10のデータは、CB−03−06が、より低濃度においてS相ブロックを誘起し、より高濃度においてG2/Mブロックを誘起することを示す。G1ブロックの欠如は、p53への効果がないことを示す。SブロックおよびG2/Mブロックは、細胞周期チェックポイント分子に関する活性を示してもよい。S相に関して、可能性のあるターゲットは、サイクリン依存キナーゼ2(CDK2)である。ジェムザールおよびシスプラチンがS相に作用する例示的薬剤である。G2に関して、可能性のあるターゲットはCDK1である。
(実施例19:CB−03−06によるカスパーゼ誘起の分析)
以前の研究から、MiaPaca2細胞においてアネキシンV染色を用いて、CB−03−06がアポトーシスを誘起することが決定された。現象をより良好に分析するため、カスパーゼ8(外因性経路に関する開始剤カスパーゼ)、カスパーゼ9(内因性経路に関する開始剤カスパーゼ)およびカスパーゼ3および7(エフェクターカスパーゼ)の酵素活性を測定した。
以前の研究から、MiaPaca2細胞においてアネキシンV染色を用いて、CB−03−06がアポトーシスを誘起することが決定された。現象をより良好に分析するため、カスパーゼ8(外因性経路に関する開始剤カスパーゼ)、カスパーゼ9(内因性経路に関する開始剤カスパーゼ)およびカスパーゼ3および7(エフェクターカスパーゼ)の酵素活性を測定した。
この目的のために、96ウェル平底培養プレートにMiaPaca2細胞を播種した。24時間後に、細胞に対して試験化合物を添加し、ゲムシタビン(既知の膵臓癌化学療法剤)およびDMSOを、それぞれ、陽性および陰性の比較対照として用いた。8時間、24時間および48時間の3つのインキュベーション時点が存在した。それぞれの時点の後に、有標緩衝液中に、安定ルシフェラーゼを含有するカスパーゼ8反応剤またはカスパーゼ9反応剤の何れかと組み合わせられた、カスパーゼ3/7基質を含有する多重緩衝液中で細胞を溶解させた。Tecan Safire装置中で発光を測定する前に、溶菌液を白色不透明96ウェルプレートに移した。同一の処理を行った並列プレートを用いて、細胞生存可能性を決定した。全てのカスパーゼ活性は、生存可能細胞の数で修正した。結果を図11に示す。
CB−03−06により、カスパーゼ8およびカスパーゼ9(パネルAおよびパネルB)の活性が誘起された。この誘起は、迅速であり、かつ投与量に関連しており、8時間後に既に明白であり、比較対照に比べて7倍の増大であった。
ゲムシタビン(膵臓癌治療に用いられる既知の化学療法剤)も同様にカスパーゼ8およびカスパーゼ9の活性を誘起したが、CB−03−06に比較して、遅く、より強度の低い応答であった。48時間のマークに到達するまで、カスパーゼ8およびカスパーゼ9の2、3倍の増加が認められなかった。
48時間のインキュベーション後に、CB−03−06によりカスパーゼ3/7(パネルC)が誘起された。興味深いことには、CB−03−05は、カスパーゼ活性化に関して良好なプロフィルを示さない。
LNCaP前立腺癌細胞系を用いて同一のアッセイを繰り返した。このアッセイにおいて、陽性の比較対照は、現在診療所で前立腺患者に対して用いられている強力かつ新規の抗抗アンドロゲンであるエンザルタミドである。結果を、カスパーゼ活性が頂点に達する24時間インキュベーション後について、図12に示す。
図12は、CB−03−10が、エンザルタミド(陽性の比較対照として用いる)よりも良好な開始剤(8および9)カスパーゼ活性およびエフェクター(3/7)カスパーゼ活性を誘起することを明確に示した。
これらの結果は、内因性経路および外因性経路の両方に影響する、前立腺癌細胞系におけるCB−03−06の強いカスパーゼ誘起を示し、MiaPaca2細胞系で観察された阻害を確認した。
(実施例20:ラットおよびヒト血清中におけるCB−03−06のin vitro代謝)
ヒトおよびラット血清中におけるCB−03−06の代謝に関するいくつかの見通しを得るために、特殊なアッセイを設計した。簡単に言えば、37℃のヒト血清およびラット血清中で、異なる時間にわたって化合物をインキュベートした。インキュベーション後、無傷の化合物の存在下、試料を液体クロマトグラフィーで試験した。時間経過および濃度を図13に示す。
ヒトおよびラット血清中におけるCB−03−06の代謝に関するいくつかの見通しを得るために、特殊なアッセイを設計した。簡単に言えば、37℃のヒト血清およびラット血清中で、異なる時間にわたって化合物をインキュベートした。インキュベーション後、無傷の化合物の存在下、試料を液体クロマトグラフィーで試験した。時間経過および濃度を図13に示す。
結果は、CB−03−06が、血清中で、8時間を通して初期濃度の90%超を維持すること、およびヒト血清に比較してラット中でより速やかに分解されることを示す。
(実施例21:動物モデル(マウス)におけるCB−03−06のin vivo薬物動態の分析)
静脈内投与(IV)、皮下投与(SC)および経口投与(PO)後のマウスの血清中で、CB−03−06の薬物動態を評価した。
静脈内投与(IV)、皮下投与(SC)および経口投与(PO)後のマウスの血清中で、CB−03−06の薬物動態を評価した。
以下の投与量をマウス(1群当たり3匹)に投与し、示した時間で血液を採取した。血清試料を、HPLC−MS/MSで分析した。
CB−03−06に対する実際の身体曝露(AUCにより反映される)は、皮下投与後に最も高く(1620時間・ng/mL)、IV投与される場合の50%(896)まで低下し、PO投与される場合の17%(276)まで低下する。
(実施例22:ヒト膵臓癌(MiaPaca2細胞系)のマウス移植モデルにおけるCB−03−06のin vivo試験)
以前の研究において、CB−03−06が、MiaPaca2膵臓細胞系(AR+/-)のin vitro成長を強く阻害することが観察された。この結果をin vivo移植片膵臓癌モデルに移すことができるか否かに関する調査を実施した。よく知られている抗アンドロゲンであるシプロテロンアセテート(CPA)を比較対照として用いた。簡単に言えば、matrigelに懸濁させた1×106個のMiaPaca2細胞を6週齢のオスの無胸腺ヌードマウスに皮下(SC)注射した。4日毎にデジタルキャリパーを用いて腫瘍を測定した。腫瘍体積を、式0.5236(r1)2(r2)(式中、r1<r2)にしたがって計算した。腫瘍が50mm3に到達した後に、CB−03−06および比較対照化合物による治療を開始した。DMSO/2−ヒドロキシプロピルβ−デキストリン(ビヒクル)中に希釈された化合物を、連続する28日間にわたり、40mg/Kgの濃度において、毎日、皮下的に注射(マウス当たり100μL)した。図15は、ビヒクルと比較して、CB−03−06のSC注射後のin vivo移植片モデルにおける平均腫瘍増加を示す。
以前の研究において、CB−03−06が、MiaPaca2膵臓細胞系(AR+/-)のin vitro成長を強く阻害することが観察された。この結果をin vivo移植片膵臓癌モデルに移すことができるか否かに関する調査を実施した。よく知られている抗アンドロゲンであるシプロテロンアセテート(CPA)を比較対照として用いた。簡単に言えば、matrigelに懸濁させた1×106個のMiaPaca2細胞を6週齢のオスの無胸腺ヌードマウスに皮下(SC)注射した。4日毎にデジタルキャリパーを用いて腫瘍を測定した。腫瘍体積を、式0.5236(r1)2(r2)(式中、r1<r2)にしたがって計算した。腫瘍が50mm3に到達した後に、CB−03−06および比較対照化合物による治療を開始した。DMSO/2−ヒドロキシプロピルβ−デキストリン(ビヒクル)中に希釈された化合物を、連続する28日間にわたり、40mg/Kgの濃度において、毎日、皮下的に注射(マウス当たり100μL)した。図15は、ビヒクルと比較して、CB−03−06のSC注射後のin vivo移植片モデルにおける平均腫瘍増加を示す。
図15において、比較対照に比較して、CB−03−06は、強力かつ有意な、in vivo抗膵臓腫瘍活性を示す。また、ビヒクルのみまたはCPA(不図示)との比較において、有意(p<0.5)な抗腫瘍活性を示す。
治療期間中に、CB−03−06は、膵臓癌の寸法を、初期寸法を基準として5倍未満に維持した。対照的に、ビヒクル治療群またはCPA治療群の平均腫瘍は、寸法で12倍まで増大した。CB−03−06が腫瘍成長の阻害を示すことに加えて、CB−03−06はマウス生存における利点をも示した。ビヒクルで治療されたマウスの60日、またはCPAで治療されたマウスの40日に比較して、CB−03−10で治療されたマウスのメジアン生存期間は70日であった。この差は有意であり、ビヒクル治療群における死亡危険率は2〜4倍高い。
(実施例23:マウス移植ヒト前立腺癌モデル(LNCaP細胞系)における、経口的に投与されるCB−03−06のin vivo試験)
以前の研究から、CB−03−06がLNCaP前立腺癌細胞系のin vitro成長を阻害することにも有効であることが観察された。この結果をin vivo移植片前立腺癌モデルに移すことができるか否かに関する調査を実施した。matrigelに懸濁させた3×106個のLNCaP細胞を6週齢のオスの無胸腺ヌードマウスに皮下注射(右脇腹)した。4日毎にデジタルキャリパーを用いて腫瘍を測定した。腫瘍を前述のように測定した。腫瘍が50mm3に到達した後に、CB−03−06および比較対照化合物による治療を開始した。投与のための調合物を、20mMクエン酸緩衝液(pH4)中の、15%ビタミンE−TPGSおよび65%の0.5%v/vCMC溶液において調製した。経口投与を、連続する28日間にわたって毎日実施した(200μL/マウスにおいて100mg/Kg)。結果を、治療の開始を基準として、腫瘍体積の平均変化としてプロットした。図16は、CB−03−06の経口投与後のin vivo移植癌モデルから得られた結果を示す。新規かつ強力な抗アンドロゲンであるエンザルタミドを、陽性の比較対照として用いた。
以前の研究から、CB−03−06がLNCaP前立腺癌細胞系のin vitro成長を阻害することにも有効であることが観察された。この結果をin vivo移植片前立腺癌モデルに移すことができるか否かに関する調査を実施した。matrigelに懸濁させた3×106個のLNCaP細胞を6週齢のオスの無胸腺ヌードマウスに皮下注射(右脇腹)した。4日毎にデジタルキャリパーを用いて腫瘍を測定した。腫瘍を前述のように測定した。腫瘍が50mm3に到達した後に、CB−03−06および比較対照化合物による治療を開始した。投与のための調合物を、20mMクエン酸緩衝液(pH4)中の、15%ビタミンE−TPGSおよび65%の0.5%v/vCMC溶液において調製した。経口投与を、連続する28日間にわたって毎日実施した(200μL/マウスにおいて100mg/Kg)。結果を、治療の開始を基準として、腫瘍体積の平均変化としてプロットした。図16は、CB−03−06の経口投与後のin vivo移植癌モデルから得られた結果を示す。新規かつ強力な抗アンドロゲンであるエンザルタミドを、陽性の比較対照として用いた。
経口的に投与されるCB−03−06の傾向は、前立腺癌に対する強い抗腫瘍活性を示す。阻害活性は、ヒトにおけるアンドロゲン依存前立腺癌の治療に用いられる現在の医薬品であるエンザルタミドの活性とほぼ同一である。
(実施例24:CB−03−06によるLNCaP前立腺癌細胞からのin vitro前立腺特異抗原(PSA)分泌の阻害)
前立腺特異抗原、すなわちPSAは、前立腺の細胞によって生成されるタンパク質である。PSA試験は、ヒト血中のPSA濃度を測定する。前立腺癌を有する人間において、PSAの血中濃度はしばしば上昇し、PSAの血中濃度はヒト集団における前立腺癌の進行を試験するための代理マーカーとして用いられる。CB−03−06が前立腺癌の成長をin vivoで阻害できることが観察された後に、当該化合物の癌細胞からのin vitroPSA分泌を阻害する能力が決定された。96ウェル平底培養プレート中、10nMのDHTを有するまたは有さないチャコール処理済血清中にLNCaP細胞を播種した。24時間後、細胞に対して試験化合物を添加した。DMSOを陰性の比較対照として用い、エンザルタミドを陽性の比較対照として用いた。試験化合物の48時間のインキュベーションの後、上澄みを採取し、PSAに関するELISAアッセイを用いて試験し、ならびに、同細胞を細胞生存可能性評価のために溶解させた。
前立腺特異抗原、すなわちPSAは、前立腺の細胞によって生成されるタンパク質である。PSA試験は、ヒト血中のPSA濃度を測定する。前立腺癌を有する人間において、PSAの血中濃度はしばしば上昇し、PSAの血中濃度はヒト集団における前立腺癌の進行を試験するための代理マーカーとして用いられる。CB−03−06が前立腺癌の成長をin vivoで阻害できることが観察された後に、当該化合物の癌細胞からのin vitroPSA分泌を阻害する能力が決定された。96ウェル平底培養プレート中、10nMのDHTを有するまたは有さないチャコール処理済血清中にLNCaP細胞を播種した。24時間後、細胞に対して試験化合物を添加した。DMSOを陰性の比較対照として用い、エンザルタミドを陽性の比較対照として用いた。試験化合物の48時間のインキュベーションの後、上澄みを採取し、PSAに関するELISAアッセイを用いて試験し、ならびに、同細胞を細胞生存可能性評価のために溶解させた。
予測されるとおり、純粋な抗アンドロゲンであるエンザルタミドは、PSA分泌の阻害(IC50<3μM)において強力であり;CB−03−06も同様に強力なPSA阻害剤(IC50 4μM)である。しかしながら、エンザルタミドは、CB−03−10と同様には滴定されなかった。注目すべきは、本発明者らの全ての被試験化合物の親であり最終代謝物であるコルテキソロンは、PSA分泌に関して本質的に不活性であること(612μMのIC50)である。これらの細胞の細胞生存可能性を試験した際に、エンザルタミドは61μMのIC50を示し、CB−03−06は12のIC50を示した。これは、両化合物の強力な成長阻害活性を確認する。重要なことには、全ての被試験化合物の親であり最終代謝物であるコルテキソロンは、非常に高い濃度においてのみLNCaPの生存可能性を阻害すること(153μMのIC50)であり、癌細胞系の細胞毒性化合物として本質的に不活性であると定義できることである。
(実施例25:乳癌細胞系におけるCB−03−06のin vitro抗癌活性の分析)
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、新たに診断される侵襲性乳癌の約20%を占める。この癌は、ホルモン、エストロゲンおよびプロゲステロンに支持されていないし、多すぎるHER2受容体の存在にも支持されていない。この理由により、患者は、慣用の治療法(たとえば、タモキシフェンまたはハーセプチン)に応答しない。したがって、TNBCは、化学療法に抵抗性であり、短い生存期間を有すると特徴づけられる。
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、新たに診断される侵襲性乳癌の約20%を占める。この癌は、ホルモン、エストロゲンおよびプロゲステロンに支持されていないし、多すぎるHER2受容体の存在にも支持されていない。この理由により、患者は、慣用の治療法(たとえば、タモキシフェンまたはハーセプチン)に応答しない。したがって、TNBCは、化学療法に抵抗性であり、短い生存期間を有すると特徴づけられる。
この癌の抵抗性と高いGR発現との間に相関がある(Cancer therapy 2013)。TNBCの治療に関して、化学療法と組み合わせられるGRアンタゴニスト(ミフェプリストン/RU486)を試す臨床試験が存在する。しかしながら、プロゲステロン受容体(PR)拮抗作用に結びつけられた多重薬理学のために、ミフェプリストンの臨床使用は損なわれている。CB−03−06が乳癌(特にTNBC)の可能性のある治療に用いることができるか否かを評価するために、種々のホルモン受容体発現によって特徴づけられる乳癌細胞系を用いて、細胞毒性アッセイを実施した。
このアッセイのために選択された乳癌細胞系は、
MCF7乳癌細胞(ER+、PR+、Her2+、GR+/-)
MDA−MB−231 TNBC細胞(ER-、PR-、Her2-、GR++)
であった。
MCF7乳癌細胞(ER+、PR+、Her2+、GR+/-)
MDA−MB−231 TNBC細胞(ER-、PR-、Her2-、GR++)
であった。
細胞成長阻害を試験する前に、前述のようなFACSにより、乳癌細胞をAR受容体発現およびGR受容体発現に関して、特徴づけた。図18のデータは、受容体発現が文献に示されるとおりであることを確認した。
細胞毒性アッセイのために、96ウェル平底培養プレート中、チャコール処理済血清中にLNCaP細胞を播種した。24時間後、細胞に対して試験化合物を添加した。DMSOをビヒクル、陰性の比較対照として用い、RU486を陽性の比較対照として用いた。72時間のインキュベーションの後、細胞を採取し、および溶解させ、細胞滴定グローアッセイ(cell titer glow assay)を用いて生存可能性を決定した。
第IV表は、上記の乳癌細胞系に関するCB−03−10のIC50を示す。
CB−03−06は、両方の乳癌細胞系に活性であったが、MDA−MB−231よりもMCF7細胞においてより活性であるように見え、おそらくGRがこの化合物の唯一のターゲットではないことを暗示する。予測されるように、RU486(ミフェプリストン、GR/PRアンタゴニスト)は、GR+/-のMCF7細胞の生存可能性に影響しない。一方、RU486(ミフェプリストン、GR/PRアンタゴニスト)は、非常に低い範囲において、TNBCのGR+のMDA−MB−231細胞の生存可能性を、100μMの25%の最大値まで阻害する。
興味深いことには、CB−03−05は、MCF7において活性であるが、MDA−MB−231において活性ではない。この相違する効果に関して、いずれの受容体が原因であるかは不明である。なぜなら、これらの細胞は、少なくとも4種の受容体において相違するからである。GRではないとしても、MCF7において発現しているがMDA−MB−231において発現していない、ER(エストロゲン受容体)、PR(プロゲステロン受容体)、またはHer2の可能性がある。
(一般的結論)
これらの実施例は、特にコルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)が他の既知のコルテキソロン誘導化化合物を超える優れた活性を有することを例示する。本発明者らは、in-vitroおよびin-vivoの両方において増大した結果、たとえば以下の改善された結果を観察した。
I) 一般的in-vitro抗腫瘍活性;
II) AR発現と直接相関しないin-vitro抗腫瘍活性;
III) GR発現と直接相関するin-vitro抗腫瘍活性;
IV) 治療指数(TI);および
V) 膵臓腫瘍および前立腺腫瘍に対するin vivo抗腫瘍活性。
これらの実施例は、特にコルテキソロン17α−ベンゾエート(CB−03−06)が他の既知のコルテキソロン誘導化化合物を超える優れた活性を有することを例示する。本発明者らは、in-vitroおよびin-vivoの両方において増大した結果、たとえば以下の改善された結果を観察した。
I) 一般的in-vitro抗腫瘍活性;
II) AR発現と直接相関しないin-vitro抗腫瘍活性;
III) GR発現と直接相関するin-vitro抗腫瘍活性;
IV) 治療指数(TI);および
V) 膵臓腫瘍および前立腺腫瘍に対するin vivo抗腫瘍活性。
I) 第I表に示すデータから、コルテキソロン誘導化化合物が種々の濃度およびIC50で癌細胞を殺すことが明らかである。しかしながら、異種の由来の癌細胞系全体において、コルテキソロン誘導化系列中の他の化合物に比べて、CB−03−06およびCB−03−10が最良のIC50を示す。CB−03−05およびCB−03−10の代謝物でさえ、LNCaP前立腺癌細胞において良好なIC50値を示す(IC50 32μM)。より低いIC50は、より強力なin vitro抗腫瘍活性を証明する。
II) 癌細胞系において、アンドロゲン受容体(AR)発現を試験した。第II表を参照。
予測されるように、前立腺癌細胞系においては、強力な抗アンドロゲン(CPAおよびエンザルタミド)に示される成長阻害が、前立腺癌細胞中のAR発現と相関する。注目すべきことには、CB−03−06およびCB−03−10の細胞毒性活性は、前立腺癌細胞のアンドロゲン受容体に明白には影響されない。CB−03−04は、LNCaP(アンドロゲン受容体を発現する前立腺癌細胞系)について試験される際に46のIC50を示すが、アンドロゲン受容体の発現の低いまたはAR発現のないPC3について試験される際に、より高いIC50(135)を示す。CB−03−06およびCB−03−10は、AR発現にほぼ無関係の非常に良好なIC50によって特徴づけられる。同一の挙動が、膵臓細胞系においても観察された。
III) 治療指数(TI)(治療ウインドウまたは安全性ウインドウ、時として治療係数とも呼称される)は、毒性をもたらす量に対する、治療効果をもたらす治療薬の量の比較である。化合物のIC50は、ヒト血液から単離される新鮮な細胞(PBMC)において決定される。化合物の毒性は下式で決定される
(治療指数)=(安全性)/(効力)=被刺激PMBCのIC 50 /癌細胞のIC50
結果を第VII表に示す。全てのコルテキソロン誘導化化合物は、強い安全性プロフィルを示す。しかしながら、CB−03−06は、in vitroで試験された7種の癌細胞系全体において、最も高い治療指数を示した。
(治療指数)=(安全性)/(効力)=被刺激PMBCのIC 50 /癌細胞のIC50
結果を第VII表に示す。全てのコルテキソロン誘導化化合物は、強い安全性プロフィルを示す。しかしながら、CB−03−06は、in vitroで試験された7種の癌細胞系全体において、最も高い治療指数を示した。
IV) 実施例24に示されるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)。通常は慣用の治療剤がトリプルネガティブ乳癌(TNBC)細胞系に対して機能しないため、CB−03−06が示す細胞毒性活性は印象的である。TNBCは、ERBB2増幅に加えて、エストロゲン受容体発現およびプロゲステロン受容体発現が存在しないことによって定義される。それは、内分泌物または抗ERBB2治療に応答しない。最近の研究は、TNBCのいくつかの可能性のある治療標的を見出している。しかしながら、依然として、その成果は貧弱である。CB−03−06の細胞毒性活性および優れた安全性プロフィルを考慮すると、CB−03−06は、この癌の臨床治療のための新規かつ改良された候補である。
本発明を以下の番号を付した実施形態により説明する。
1. 1つの実施形態において、本発明は、式(I)の化合物であり、式中、Rは水素またはC(O)−R1であり、R1は、2〜5炭素原子を含有する線状アルキル鎖であり、R’は3〜6炭素原子を含有する線状アルキル鎖、任意選択的に置換されてもよいアリール基、または任意選択的に置換されてもよいヘテロアリール基である。
1. 1つの実施形態において、本発明は、式(I)の化合物であり、式中、Rは水素またはC(O)−R1であり、R1は、2〜5炭素原子を含有する線状アルキル鎖であり、R’は3〜6炭素原子を含有する線状アルキル鎖、任意選択的に置換されてもよいアリール基、または任意選択的に置換されてもよいヘテロアリール基である。
2. 別の実施形態において、本発明は、任意選択的に置換されてもよいアリール基がフェニルである、記載事項1の式(I)の化合物である。
3. 別の実施形態において、本発明は、R1が水素またはCH2CH3であり、R’が−(CH2)3−CH3またはフェニルである、記載事項1の式(I)の化合物である。
4. 別の実施形態において、本発明は、下式を有する、記載事項1の化合物である。
3. 別の実施形態において、本発明は、R1が水素またはCH2CH3であり、R’が−(CH2)3−CH3またはフェニルである、記載事項1の式(I)の化合物である。
4. 別の実施形態において、本発明は、下式を有する、記載事項1の化合物である。
5. 別の実施形態において、本発明は、下式を有する、記載事項1の化合物である。
6. 別の実施形態において、本発明は、薬剤としての使用のための、記載事項1から5の何れかの化合物である。
7. 別の実施形態において、本発明は、前癌性病変、異形成病変、化生および腫瘍性疾病の治療における使用のための、記載事項1から5の何れかの化合物である。
8. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が悪性新形成および転移を含むことによって特徴づけられる、記載事項7の化合物である。
9. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が、充実性腫瘍、好ましくは、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマ、腎カルシノーマ、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマのような上皮性腫瘍であることによって特徴づけられる、記載事項8の化合物である。
10. 別の実施形態において、前記上皮性腫瘍が、前立腺カルシノーマ、膵カルシノーマ、好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマであることによって特徴づけられる、記載事項9の化合物である。
11. 別の実施形態において、本発明は、少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤とともに、少なくとも1種の記載事項1から5の何れかの式(I)の化合物を含む薬剤組成物である。
12. 別の実施形態において、本発明は、固体形態または液体形態にあることによって特徴づけられる、記載事項11の薬剤組成物である。
13. 別の実施形態において、本発明は、粉末、凍結乾燥粉末、顆粒、ペレット、錠剤またはカプセルであることによって特徴づけられる、固体形態にある記載事項12の薬剤組成物である。
14. 別の実施形態において、本発明は、溶液、乳化物、懸濁物またはシロップであることによって特徴づけられる、液体形態にある記載事項12の薬剤組成物である。
15. 別の実施形態において、本発明は、同時投与、別個投与または順次投与のための組み合わせとして、少なくとも1種の別の活性成分、好ましくは化学療法活性成分を含有することによって特徴づけられる、液体形態にある記載事項11から14のいずれかの薬剤組成物である。
16. 別の実施形態において、本発明は、前癌性病変、異形成病変、化生および腫瘍性疾病治療における使用のための、記載事項11から15のいずれかの薬剤組成物である。
17. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が悪性新形成および転移を含むことによって特徴づけられる、記載事項17の薬剤組成物である。
18. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が、充実性腫瘍、好ましくは、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマ、腎カルシノーマ、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマのような上皮性腫瘍であることによって特徴づけられる、記載事項17の薬剤組成物である。
19. 別の実施形態において、前記上皮性腫瘍が、前立腺カルシノーマ、膵カルシノーマ、好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマであることによって特徴づけられる、記載事項18の薬剤組成物である。
7. 別の実施形態において、本発明は、前癌性病変、異形成病変、化生および腫瘍性疾病の治療における使用のための、記載事項1から5の何れかの化合物である。
8. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が悪性新形成および転移を含むことによって特徴づけられる、記載事項7の化合物である。
9. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が、充実性腫瘍、好ましくは、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマ、腎カルシノーマ、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマのような上皮性腫瘍であることによって特徴づけられる、記載事項8の化合物である。
10. 別の実施形態において、前記上皮性腫瘍が、前立腺カルシノーマ、膵カルシノーマ、好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマであることによって特徴づけられる、記載事項9の化合物である。
11. 別の実施形態において、本発明は、少なくとも1種の生理学的に許容可能な賦形剤とともに、少なくとも1種の記載事項1から5の何れかの式(I)の化合物を含む薬剤組成物である。
12. 別の実施形態において、本発明は、固体形態または液体形態にあることによって特徴づけられる、記載事項11の薬剤組成物である。
13. 別の実施形態において、本発明は、粉末、凍結乾燥粉末、顆粒、ペレット、錠剤またはカプセルであることによって特徴づけられる、固体形態にある記載事項12の薬剤組成物である。
14. 別の実施形態において、本発明は、溶液、乳化物、懸濁物またはシロップであることによって特徴づけられる、液体形態にある記載事項12の薬剤組成物である。
15. 別の実施形態において、本発明は、同時投与、別個投与または順次投与のための組み合わせとして、少なくとも1種の別の活性成分、好ましくは化学療法活性成分を含有することによって特徴づけられる、液体形態にある記載事項11から14のいずれかの薬剤組成物である。
16. 別の実施形態において、本発明は、前癌性病変、異形成病変、化生および腫瘍性疾病治療における使用のための、記載事項11から15のいずれかの薬剤組成物である。
17. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が悪性新形成および転移を含むことによって特徴づけられる、記載事項17の薬剤組成物である。
18. 別の実施形態において、前記腫瘍性疾病が、充実性腫瘍、好ましくは、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマ、腎カルシノーマ、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、および副腎カルシノーマのような上皮性腫瘍であることによって特徴づけられる、記載事項17の薬剤組成物である。
19. 別の実施形態において、前記上皮性腫瘍が、前立腺カルシノーマ、膵カルシノーマ、好ましくは膵臓外分泌部カルシノーマであることによって特徴づけられる、記載事項18の薬剤組成物である。
Claims (18)
- 下式
- 医薬としての使用のための、請求項1に記載の薬剤組成物。
- 抗腫瘍剤としての使用のための、請求項2に記載の薬剤組成物。
- 腫瘍性疾病の治療における使用のための、下式
- 前癌性病変、異形成病変、または化生の治療における使用のための、下式
- 前記腫瘍性疾病は、悪性新形成または転移を含むことを特徴とする請求項4に記載の薬剤組成物。
- 前記腫瘍性疾病は充実性腫瘍であることを特徴とする請求項4または6に記載の薬剤組成物。
- 前記充実性腫瘍は、前立腺カルシノーマ、乳カルシノーマ、膵カルシノーマ、肺カルシノーマ、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマ、腎臓癌、甲状腺カルシノーマ、子宮カルシノーマ、副腎カルシノーマのような上皮性腫瘍であることを特徴とする請求項7に記載の薬剤組成物。
- 前記上皮性腫瘍は、前立腺カルシノーマであることを特徴とする請求項8に記載の薬剤組成物。
- 前記前立腺カルシノーマは、エンザルタミドのような抗アンドロゲンを標的とする治療法に抵抗性であるか、または抵抗性となったものであることを特徴とする請求項9に記載の薬剤組成物。
- 前記上皮性腫瘍は、膵カルシノーマであることを特徴とする請求項8に記載の薬剤組成物。
- 前記上皮性腫瘍は、膵臓外分泌部カルシノーマであることを特徴とする請求項8に記載の薬剤組成物。
- 前記上皮性腫瘍は、乳カルシノーマであることを特徴とする請求項8に記載の薬剤組成物。
- 前記乳カルシノーマは、トリプルネガティブ乳癌であることを特徴とする請求項13に記載の薬剤組成物。
- 前記乳カルシノーマは、再発者または慣用の治療法に対するノンレスポンダーである被験者内にあることを特徴とする請求項14に記載の薬剤組成物。
- 前記上皮性腫瘍は、結腸カルシノーマのような消化管カルシノーマであることを特徴とする請求項8に記載の薬剤組成物。
- グルココルチコイドにより媒介される疾病または疾患の治療のための薬剤組成物であって、前記薬剤組成物が、下式
- 同一の薬剤組成物または別個の薬剤組成物中に少なくとも1種の別の活性成分を含む請求項1から17のいずれかに記載の薬剤組成物であって、前記少なくとも1種の別の活性成分は化学療法活性成分であり、前記別個の薬剤組成物は、同時投与、別個投与または順次的投与に好適であることを特徴とする薬剤組成物。
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