JP2020141072A - 電解液および電解コンデンサ - Google Patents

電解液および電解コンデンサ Download PDF

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Junichi Kiyosawa
潤一 清澤
和人 西澤
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和人 西澤
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Abstract

【課題】高温環境下においてコンデンサのESRの上昇を抑制できるとともに、漏れ電流の増大を抑制する。【解決手段】ハイブリッドコンデンサのコンデンサ素子3は、陽極11と陰極12とセパレータ13と導電性高分子と電解液とを備える。電解液は、ラクトンを含有した第1溶媒と、下記式で表される化合物を含有した第2溶媒を含む。溶媒100wt%に対し、第1溶媒が20wt%以上40wt%以下であり、第2溶媒が10wt%以上80wt%以下であり、第1溶媒と前記第2溶媒の合計が100wt%以下である。ここで、R11およびR12はCαH2α+1で表され、R11とR12は互いに異なる。αは1以上の整数である。【選択図】図2

Description

本発明は、電解コンデンサに用いられる電解液および電解コンデンサに関する。
電解コンデンサの電解質材料として固体電解質と電解液を用いたハイブリッド型の電解コンデンサ(以下、「ハイブリッドコンデンサ」と称することがある)が知られている。電解質材料として固体電解質を用いることにより、等価直列抵抗(以下、「ESR」と称する)を低減することができる。また、電解質材料として電解液を用いることにより、陽極酸化皮膜の欠陥部を修復させることができる。これにより、漏れ電流を抑制できる。
電解液の溶媒として、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール等の低粘性溶媒を用いることが知られている。これにより、低温環境下における電解コンデンサの特性を保持することができる。上記低粘性溶媒を使用することにより、例えば、低温環境下におけるESRを低減することができる。
近年、自動車等に搭載される電解コンデンサが増加している。電解コンデンサは、自動車のエンジンルーム内に配置されたり、発熱部品の近くに配置されたりする。そのため、電解コンデンサには、高温環境下で、長時間、コンデンサの特性を維持できることが要求される。
上記低粘性溶媒は揮発しやすく、高温環境下で蒸発しやすい。そのため、上記低粘性溶媒を用いた電解コンデンサを自動車等に搭載した場合、電解コンデンサ内の低粘性溶媒が蒸発するおそれがある。電解コンデンサから低粘性溶媒が全て蒸発した場合、電解液によって得られる効果、具体的には、陽極酸化皮膜の欠陥部を修復させる効果が得られなくなる。
特許文献1では、上述した問題を解決するため、電解液の溶媒として、ポリアルキレングリコールまたはその誘導体である難揮発性溶媒を用いている。難揮発性溶媒を使用することにより、溶媒の蒸発を抑制できる。
特開2014−195116号公報
近年、自動車搭載用のハイブリッドコンデンサには、高温環境下でのさらなる長寿命化が要求されている。
この高温環境下での長寿命化を図るため、例えば、特許文献1のように、電解液に、難揮発性溶媒として、ポリアルキレングリコール又はその誘導体を含有させる方法がある。しかしながら、この難揮発性溶媒の含有量が多い場合、漏れ電流が高くなり、一方、この難揮発性溶媒の含有量を少なくすると、高温長期放置後のESRが大きくなるという問題があった。
本発明の目的は、高温環境下においてコンデンサのESRの上昇を抑制できるともに、漏れ電流の増大を抑制できるハイブリッドコンデンサ用電解液およびハイブリッドコンデンサを提供することである。
本願の発明者らは、上記問題を解決するために研究を行った結果、ハイブリッドコンデンサにおいて、難揮発性溶媒として、下記化学式1で表される化合物を含有した溶媒を用いることにより、上記問題を解決することができるという知見を得た。
Figure 2020141072
ここで、R11およびR12はCαH2α+1で表され、R11とR12は互いに異なる、
αは1以上の整数である
具体的には、以下の知見が得られた。
(1)上記化学式1で表される化合物は揮発性が低いことがわかった。γ−ブチロラクトン等のラクトンを含む低粘性溶媒(第1溶媒)に、上記化学式1で表される化合物を含有する第2溶媒を混合することにより、電解液が揮発しにくいことがわかった。また、固体電解質と電解液とを用いたハイブリッドコンデンサにおいて、電解液が固体電解質へ影響を与えるかが重要になる。本願発明者らは、第1溶媒と第2溶媒を含む電解液をハイブリッドコンデンサに用いた結果、固体電解質に対する悪影響がみられないことがわかった。具体的には、第1溶媒と第2溶媒を含む電解液を用いたハイブリッドコンデンサを、高温環境下で長時間使用しても、ESRの上昇を抑制できることがわかった。
(2)上記化学式1で表される化合物において、R11とR12が互いに異なるため、分子構造的な立体障害が大きい。これにより、溶媒に含まれる分子間の相互作用的な力が弱まると考えられる。これに起因して、低温環境下においてESRの上昇を抑制できることがわかった。また、溶媒に含まれる分子間の相互作用的な力が弱まることにより、電解液の粘度の上昇が抑制されると考えられる。そのため、難揮発性溶媒である第2溶媒の含有量を多くしても、電解液の粘度の上昇を抑制できることがわかった。これにより、電解液が陽極酸化皮膜の欠陥部に浸透しやすくなるため、欠陥部が修復されやすい。そのため、漏れ電流の増大を抑制できる。また、低温環境下でのESRの上昇を抑制しながら、高温環境下でのESRの上昇を抑制できることがわかった。
したがって、ハイブリッドコンデンサにおいて、難揮発性溶媒として第2溶媒を含む溶媒を用いることにより、難揮発性溶媒の含有量を多くし、低粘性溶媒の含有量を少なくしても、低温環境下においてESRを低減することができるとともに、漏れ電流の増大を抑制できることがわかった。また、難揮発性溶媒である第2溶媒の含有量を多くできるため、高温環境下においてコンデンサの特性をさらに長時間維持できる。
本発明の電解液は、上記化学式1で表される化合物を含有する溶媒を含むハイブリッドコンデンサ用電解液である。
具体的には、本発明の電解液は、酸化皮膜を有する陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置されたセパレータと、前記セパレータに保持された導電性高分子および電解液とを備えた電解コンデンサに用いられる電解液である。前記電解液は溶媒と溶質を含み、前記溶媒は、ラクトンを含有した第1溶媒と、下記化学式1で表される化合物を含有した第2溶媒とを含む。前記溶媒100wt%に対し、前記第1溶媒が20wt%以上40wt%以下であり、前記第2溶媒が10wt%以上80wt%以下である電解液である。
Figure 2020141072
ここで、R11およびR12はCαH2α+1で表され、R11とR12は互いに異なる、
αは1以上の整数である。
電解質材料として導電性高分子と電解液を用いたハイブリッドコンデンサに上述した電解液を用いることにより、低温環境下におけるESRを低減しながら、高温環境下においてコンデンサのESRの上昇を抑制できるともに、漏れ電流の増大を抑制できる。
また、高温環境下では、導電性高分子に含まれるドーパントが電解液へ溶出しやすいため、ESRが上昇しやすい。導電性高分子に含まれるドーパントが電解液へ溶出することは、「脱ドープ」と称されることがある。本願発明者らの研究により、ハイブリッドコンデンサの電解液として、上述した第1溶媒と第2溶媒と含む電解液を用いることにより、脱ドープが起こることを抑制できると考えられる。これにより、高温環境下においてESRが上昇することをより抑制できることがわかった。
上記構成において、前記溶媒は、前記第1溶媒と、前記第2溶媒と、下記化学式2で表される化合物を含有した第3溶媒とを含み、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計100wt%に対し、前記第1溶媒が20wt%以上40wt%以下であり、前記第2溶媒が10wt%以上80wt%以下であり、前記第3溶媒が60wt%以下であり、前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計が60wt%以上80wt%以下であることが好ましい。
Figure 2020141072
ここで、R1はCX2Xで表され、Xは0または1以上の整数であり、
nは0または1以上の整数であり、
2、R3、R4,R5,R6およびR7はHまたはCY2Yで表され、Yは1以上の整数である。
また、上記構成において、前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計100wt%に対し、前記第1溶媒が20wt%以上40wt%以下であり、前記第2溶媒が10wt%以上45wt%以下であり、前記第3溶媒が25wt%以上60wt%以下であり、前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計が60wt%以上80wt%以下であることが好ましい。
本願発明者らのこれまでの研究から、以下のことがわかっている。
従来の難揮発性溶媒を用いた場合、難揮発性溶媒分子に含まれる酸素原子により、難揮発性溶媒分子同士が水素結合する。難揮発性溶媒の含有量が多くなるにつれて、水素結合する溶媒分子数が多くなることにより、イオンの円滑な移動が妨げられると考えられる。これが原因で、難揮発性溶媒の含有量を多くした場合、低温環境下においてESRが高くなる。
上記化学式2で表される化合物では、酸素原子が化合物の末端にしか存在しない。そのため、上記化学式2で表される化合物同士で水素結合が起こりにくい。たとえ、化学式2で表される化合物同士が水素結合しても、末端同士の結合だけであるので、水素結合が切れやすい。そのため、上記化学式2で表される化合物を含む溶媒の含有量を多くしても、イオンの移動が妨げられにくいと考えられる。したがって、難揮発性溶媒が、化学式2で表される化合物を含む溶媒を含む場合、難揮発性溶媒の含有量を多くしても、低温環境下におけるESRの上昇を抑制することができることがわかった。
また、第3溶媒に上述した化学式1で表される第2溶媒を混合することにより、第2溶媒により、電解液の粘度の上昇を抑制することができる。そのため、第2溶媒と第3溶媒を含む難揮発性溶媒の含有量を多くしても、電解液の粘度の上昇を抑制することができる。これにより、電解液が陽極酸化皮膜の欠陥部に浸透しやすくなるため、欠陥部が修復されやすい。そのため漏れ電流の増大を抑制できる。
なお、難揮発性溶媒の含有量を多くした場合、低粘性溶媒である第1溶媒の含有量が少なくなるため、低温環境下においてESRを低減させる効果が弱まると考えらえる。しかし、難揮発性溶媒である第2溶媒と第3溶媒のいずれも、低温環境下においてESRの上昇を抑制する効果を奏するため、第2溶媒と第3溶媒を含む難揮発性溶媒の含有量を多くしても、低温環境下においてESRを低減させることができる。また、難揮発性溶媒の含有量を多くすることができるため、高温環境下においてコンデンサの特性をさらに長期間維持することができる。
上記より、導電性高分子と電解液を含むハイブリッドコンデンサに、上述した第1溶媒と第2溶媒と第3溶媒とを含む電解液を用いた場合、低温環境下におけるESRを低減しながらも、高温環境下においてコンデンサのESRの上昇を抑制できるともに、漏れ電流の増大を抑制できる。
前記化学式2で表される化合物は、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体、並びに、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールおよびこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記化学式1で表される化合物は、エチルメチルスルホン、メチルプロピルスルホン、エチルプロピルスルホン、メチルイソプロピルスルホンおよびエチルイソプロピルスルホンよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記ラクトンは、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンの少なくとも一つを含むことが好ましい。
本発明のコンデンサは、酸化皮膜を有する陽極および陰極がセパレータを介して巻回されたコンデンサ素子を備える。前記セパレータは、導電性高分子と、上述した電解液とを保持している。
本発明によると、高温環境下においてコンデンサの特性を維持しつつ、低温環境下におけるESRを低減させることができるとともに、漏れ電流の増大を抑制できる。
本発明の実施形態に係る電解コンデンサの要部切断正面図である。 図1に示すコンデンサ素子の分解斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
ハイブリッドコンデンサ1は、図1に示すように、外装ケース2と、外装ケース2に収容されたコンデンサ素子3と、外装ケース2の開口を封止した封口体4とを備えている。
コンデンサ素子3は、図2に示すように、陽極11と陰極12とをセパレータ13を介して円筒形に巻回して形成されている。陽極11と陰極12とセパレータ13とは、コンデンサ素子3の外周面に貼り付けられたテープ14により巻止めされている。
陽極11は、表面に誘電体である酸化皮膜が形成された弁作用金属の箔である。弁作用金属として、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブおよびチタンから構成される群より選択される少なくとも1つが挙げられる。酸化皮膜は、弁作用金属の箔の表面をエッチング処理により粗面化した後、化成処理を施すことによって形成されている。
陰極12は、弁作用金属を用いて形成された箔である。陰極12として、例えば、弁作用金属箔の表面をエッチング処理により粗面化した箔、または、粗面化後化成処理を施した箔が使用される。また、エッチング処理を施さないプレーン箔を使用してもよい。さらに、前記粗面化箔もしくはプレーン箔の表面に、チタン、ニッケル、チタン炭化物、ニッケル炭化物、チタン窒化物、ニッケル窒化物、チタン炭窒化物およびニッケル炭窒化物からなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属薄膜が形成されたコーティング箔を使用してもよい。また、粗面化箔もしくはプレーン箔の表面にカーボン薄膜が形成されたコーティング箔を使用してもよい。
陽極11および陰極12に、それぞれ図示しないリードタブが接続されている。陽極11および陰極12はそれぞれ、リードタブを介して、リード端子21およびリード端子22に接続されている。リード端子21およびリード端子22は、図1に示すように、封口体4に形成された孔31および孔32を通って外部に引き出されている。
図2に示すセパレータ13は、固体電解質および電解液を保持している。固体電解質は、導電性高分子である。導電性高分子として、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンおよびこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の高分子が挙げられる。導電性高分子として、一般的に、p−トルエンスルホン酸およびポリスチレンスルホン酸(PSS)等からなる群より選択される少なくとも1種の酸をドーパントとするポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が用いられる。
電解液は、溶媒と溶質を含む。溶媒は、低粘性溶媒である第1溶媒と、難揮発性溶媒である第2溶媒とを含む。電解液は、他の電解質、添加剤等を含んでいてもよい。例えば、電解液は、有機酸、無機酸またはその塩等の電解質を含んでいてもよい。有機酸として、例えば、アジピン酸、リンゴ酸、リシノール酸等が挙げられる。無機酸として、例えば、亜リン酸、ほう酸が挙げられる。
第1溶媒は、ラクトンを含有している。ラクトンとして、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが挙げられる。第1溶媒は、例えば、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンの少なくとも一つを含有したものでもよい。第1溶媒は、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトン以外のラクトンを含んでいてもよい。第1溶媒にラクトンが含有されていることにより、低温環境下において、電解コンデンサのESRを低減させることができる。
第2溶媒は、下記化学式1で表される化合物を含有する。
Figure 2020141072
ここで、R11およびR12はCαH2α+1で表され、R11とR12は互いに異なる。αは1以上の整数である。
11およびR12は直鎖でもよく、直鎖でなくてもよい。
ハイブリッドコンデンサは、上述したように、電解質材料として導電性高分子および電解液を含む。そのため、電解質材料として電解液だけを用いる電解コンデンサとは異なり、ハイブリッドコンデンサに用いられる電解液は、電解質材料である導電性高分子に影響を与えるかが重要になる。導電性高分子への影響がある場合、ハイブリッドコンデンサの特性が変化する。例えば、高温環境下で長時間ハイブリッドコンデンサを使用したとき、ESRが著しく上昇することがある。
本願発明者らは、ハイブリッドコンデンサに第2溶媒を含む電解液を用いることを試みた。その結果、ハイブリッドコンデンサを高温環境下に長時間配置しても、ESRが著しく上昇するといった現象が起こらないことがわかった。このことから、第2溶媒を含む電解液は、電解質材料である導電性高分子に影響を与えないことがわかった。
さらに、本願発明者らの研究から、以下のことがわかった。
上記化学式1で表される化合物は揮発性が低いことがわかった。低粘性溶媒である第1溶媒に、上記化学式1で表される化合物を含有する第2溶媒を混合することにより、電解液が揮発しにくいことがわかった。そのため、ハイブリッドコンデンサに第1溶媒と第2溶媒を含む電解液を使用した場合、ハイブリッドコンデンサを高温環境下に長時間配置しても、電解液の蒸発を抑制できるため、コンデンサの特性を維持できるという知見が得られた。
また、上記化学式1で表される化合物において、R11とR12が互いに異なる。そのため、化学式1で表される化合物には、分子構造的な立体障害が大きい。これにより、溶媒に含まれる分子間の相互作用的な力が弱まると考えられる。これに起因して、低温環境下においてESRの上昇を抑制できることがわかった。また、溶媒に含まれる分子間の相互作用的な力が弱まることにより、電解液の粘度の上昇が抑制されると考えられる。そのため、難揮発性溶媒である第2溶媒の含有量を多くしても、電解液の粘度の上昇を抑制できることがわかった。これにより、電解液が陽極酸化皮膜の欠陥部に浸透しやすくなるため、欠陥部が修復されやすい。そのため、漏れ電流の増大を抑制できる。
なお、R11とR12が同じである場合、および、R11またはR12が水素原子である場合、分子構造的な立体障害が小さいため、上記効果が得られないと考えられる。
化学式1で表される化合物として、例えば、エチルメチルスルホン、およびこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する溶媒でもよい。
電解液に含まれる溶媒100wt%に対し、第1溶媒は20wt%以上40wt%以下である。電解液に含まれる溶媒100wt%に対し、第2溶媒は10wt%以上80wt%以下である。第1溶媒と第2溶媒の合計は100wt%以下である。
電解液に含まれる溶媒は、第1溶媒と第2溶媒からなる溶媒でもよく、第1溶媒と第2溶媒とこれら以外の溶媒等を含む溶媒でもよい。
電解液に含まれる溶媒が第1溶媒と第2溶媒からなる溶媒である場合、電解液に含まれる溶媒100wt%に対し、第1溶媒は20wt%以上90wt%以下であることが好ましく、第2溶媒は10wt%以上80wt%以下であることが好ましい。この場合、第1溶媒と第2溶媒の合計が100wt%である。電解液に含まれる溶媒が第1溶媒と第2溶媒からなる溶媒である場合、さらに好ましくは、電解液に含まれる溶媒100wt%に対し、第1溶媒は20wt%以上40wt%以下であり、第2溶媒は60wt%以上80wt%以下である。
上述したハイブリッドコンデンサ1は、例えば以下の方法によって製造される。
先ず、所定の幅に切断された陽極11および陰極12に、外部引き出し電極用のリードタブを接続する。リードタブが接続された陽極11および陰極12を、セパレータ13を介して巻回することにより、コンデンサ素子3を作製する。陽極11として、表面に酸化皮膜が形成された弁金属箔を用いる。弁金属箔は、例えば、アルミニウム箔、タンタル箔が挙げられる。
次に、化成液中でコンデンサ素子3に電圧を印加し、コンデンサ素子3の切り口およびコンデンサ素子3の作製時に酸化皮膜において欠損した部分を化成処理する。これにより、酸化皮膜の修復を行う。化成処理に使用される化成液として、例えば、アジピン酸およびアジピン酸塩の少なくとも一方を含む水溶液が挙げられる。アジピン酸塩は、例えば0.5〜3重量%のアジピン酸アンモニウムである。
得られたコンデンサ素子3を、PEDOT/PSSを含むポリマ分散液に少なくとも1回浸漬させ、乾燥させることにより溶媒を除去する。これにより導電性高分子層(PEDOT/PSS層)が形成される。PEDOTとは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の略称である。PSSとは、ポリ(4−スチレンスルホン酸塩)の略称である。上記では、コンデンサ素子3をポリマ分散液に浸漬させる場合について説明したが、コンデンサ素子3にポリマ分散液を含浸させてもよい。
コンデンサ素子3を金属ケースに収容し、電解液を金属ケースに注入する。金属ケースの開口部をカーリングし、コンデンサに定格電圧を印加してエージング処理を施す。これにより、ハイブリッドコンデンサが得られる。
ハイブリッドコンデンサ1の電解液として、上述した第1溶媒と第2溶媒とを含む電解液を用いることにより、高温環境下においてコンデンサの特性を維持しつつ、低温環境下におけるESRを低減させることができるとともに、漏れ電流の増大を抑制できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、電解液に含まれる溶媒である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
第2実施形態のハイブリッドコンデンサ101は、図1に示すハイブリッドコンデンサ1と同様な構成である。ハイブリッドコンデンサ101が有するセパレータ13は、固体電解質および電解液を保持している。電解液は、溶媒と溶質を含む。溶媒は、低粘性溶媒である第1溶媒と、難揮発性溶媒である第2溶媒および第3溶媒とを含む。第1溶媒および第2溶媒は、第1実施形態で説明した第1溶媒および第2溶媒である。
第3溶媒は、下記化学式2で表される化合物を含有している。
Figure 2020141072
ここで、R1はCX2Xで表され、Xは0または1以上の整数であり、
nは0または1以上の整数であり、
2、R3、R4,R5,R6およびR7はHまたはCY2Yで表され、Yは1以上の整数である。
1、R2、R3、R4,R5,R6およびR7は直鎖でもよく、直鎖でなくてもよい。
上記化学式2で表される化合物には、酸素原子が化合物の末端にしか存在しない。そのため、上記化学式2で表される化合物同士で水素結合が起こりにくい。たとえ、化学式2で表される化合物同士が水素結合しても、末端同士の結合だけであるので、水素結合が切れやすい。そのため、上記化学式2で表される化合物を含有した第3溶媒の含有量を多くしても、イオンの移動が妨げられにくいと考えられる。したがって、難揮発性溶媒が、化学式2で表される化合物を含む溶媒を含む場合、難揮発性溶媒の含有量を多くしても、低温環境下におけるESRの上昇を抑制することができる。
また、ハイブリッドコンデンサ101の電解液において、難揮発性溶媒として、上記化学式2で表される化合物を含有した第3溶媒と、上記化学式1で表される化合物を含有した第2溶媒とを混合した混合溶媒を用いることにより、第2溶媒により、電解液の粘度の上昇を抑制できることがわかった。そのため、第2溶媒と第3溶媒を含む難揮発性溶媒の含有量を多くしても、電解液の粘度の上昇を抑制することができる。これにより、電解液が陽極酸化皮膜の欠陥部に浸透しやすくなるため、欠陥部が修復されやすい。そのため漏れ電流の増大を抑制できる。
なお、難揮発性溶媒の含有量を多くした場合、低粘性溶媒である第1溶媒の含有量が少なくなるため、低温環境下においてESRを低減させる効果が弱まると考えらえる。しかし、難揮発性溶媒である第2溶媒と第3溶媒のいずれも、低温環境下においてESRの上昇を抑制する効果を奏するため、第2溶媒と第3溶媒を含む難揮発性溶媒の含有量を多くしても、低温環境下においてESRを低減させることができる。これにより、難揮発性溶媒の含有量を多くすることができるため、高温環境下においてコンデンサの特性をさらに長期間維持することができる。
化学式2で表される化合物は、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体、並びに、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールおよびこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である。
第1溶媒と第2溶媒と第3溶媒の合計100wt%に対し、第1溶媒は20wt%以上40wt%以下であり、第2溶媒は10wt%以上45wt%以下であり、第3溶媒が25wt%以上60wt%以下であり、第2溶媒と第3溶媒の合計が60wt%以上80wt%以下である。
電解液に含まれる溶媒は、第1溶媒と第2溶媒と第3溶媒からなる溶媒でもよく、第1溶媒と第2溶媒と第3溶媒とこれら以外の溶媒等とを含む溶媒でもよい。
ハイブリッドコンデンサ1の電解液として、上述した第1溶媒と第2溶媒と第3溶媒とを含む電解液を用いることにより、高温環境下においてコンデンサの特性を維持しつつ、低温環境下におけるESRを低減させることができるとともに、漏れ電流の増大を抑制できる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
(ハイブリッドコンデンサの作製)
先ず、所定の幅に切断された陽極および陰極に、外部引き出し電極用のリードタブを接続した。陽極として、酸化皮膜が形成されたアルミニウム箔を用いた。酸化皮膜は、アルミニウム箔をエッチング処理により粗面化した後、化成処理を施すことによって形成した。化成処理は、アジピン酸を水に溶解させた0.5重量%〜3重量%の化成液に陽極を浸し、電圧を印加することにより行った。陰極として、エッチング処理により粗面化されたアルミニウム箔を用いた。リードタブが接続された陽極および陰極を、セパレータを介して巻回することにより、コンデンサ素子を作製した。
続いて、ハイブリッドコンデンサの陰極層となる導電性高分子層を、以下の方法により形成した。減圧下で、コンデンサ素子を、PEDOT/PSSを含むポリマ分散体水溶液に、30分間、含浸させた後、25℃の温度下でコンデンサ素子を24時間放置することにより水分を除去した。
得られたコンデンサ素子をケース内に収容した。また、電解液をケースに注入し、コンデンサ素子に電解液を含浸させた。後述する表1に、電解液の組成を示している。ケースの開口部をカーリングし、約90度の温度下でコンデンサに定格電圧を印加することによりエージング処理を施した。これによりハイブリッドコンデンサを得た。
表1に電解液の組成を示した。低粘性溶媒の第1溶媒として、γ−バレロラクトン(GVL)を用いた。難揮発性溶媒の第2溶媒として、エチルメチルスルホン酸を用いた。難揮発性溶媒の第3溶媒として、1,5−ペンタンジオールを用いた。比較例6では、難揮発性溶媒として、ポリエチレングリコールを用いた。電解液は、亜リン酸およびほう酸を含んでいる。比較例6は、従来のポリアルキレングリコールまたはその誘導体である難揮発性溶媒を用いた例である。
(実験1)
直径6.3mm、高さ6.1mm、定格電圧35Vおよび静電容量47μFのハイブリッドコンデンサを作製した。−55℃および25℃の温度下において、ハイブリッドコンデンサの初期のESRを測定した。また、ハイブリッドコンデンサを135℃の高温下に3000時間放置し、その後、25℃の温度下で、ハイブリッドコンデンサのESRを測定した。3000時間は、通常の耐久試験における放置時間よりはるかに長い。ESR測定時の周波数は100kHzであった。表1に、ESRの測定結果を示している。以下において、初期のESRを「初期ESR」と称し、135℃の高温下に3000時間放置した後のESRを「高温長期放置後のESR」と称することがある。
Figure 2020141072
表1から、以下のことがわかった。
(低温環境下におけるESR)
実施例1〜7および比較例1〜7の「−55℃の初期ESR」は低かった。このことから、実施例1〜7および比較例1〜7では、低温環境下でのESRの上昇が抑制されたことがわかった。
比較例8の「−55℃の初期ESR」は、実施例1〜7および比較例1〜7の「−55℃の初期ESR」より高い。
比較例8では、低粘性溶媒である第1溶媒の含有量が多い。
表1から、比較例8の第1溶媒の含有量は、実施例1〜7および比較例1〜6の第1溶媒の含有量より多い。比較例8の第1溶媒の含有量は、比較例7の第1溶媒の含有量と同じである。低粘性溶媒である第1溶媒は低温環境下においてESRを低減させることから、第1溶媒の含有量が多い比較例8では、「−55℃の初期ESR」が低減すると考えられる。また、比較例8と比較例7では、第1溶媒の含有量が同じであるため、「−55℃の初期ESR」が共に低い値になると考えられる。それにもかかわらず、実施例1〜6および比較例1〜6の「−55℃の初期ESR」が、比較例8の「−55℃の初期ESR」より低かった。
実施例1〜7および比較例1〜7と比較例8とでは、難揮発性溶媒が異なる。実施例1〜6および比較例1〜7では、難揮発性溶媒として第2溶媒と第3溶媒の少なくとも一方を用いている。これに対し、比較例8では、難揮発性溶媒としてポリエチレングリコールを用いている。このことから、第2溶媒と第3溶媒は低温環境下においてESRの上昇を抑制する効果があると考えられる。
また、低粘性溶媒は低温環境下においてESRを低減する効果があるが、含有量が少なくなるにつれて、この効果が弱まると考えられる。しかし、実施例1〜4および比較例1、3〜5では、低粘性溶媒が10〜40wt%と少ないにもかかわらず、「−55℃の初期ESR」が低減された。低粘性溶媒の含有量が少なく、難揮発性溶媒の含有量が多いにもかかわらず、低温環境下におけるESRが低減されたのは、難揮発性溶媒として第2溶媒と第3溶媒を用いていることが影響していると考えられる。
(高温環境下におけるコンデンサの特性)
「25℃の初期ESR」と「高温長期放置後のESR」を比較することにより、高温環境下におけるコンデンサの特性変化を調べることができる。
難揮発性溶媒として第2溶媒を用いた実施例1では、「25℃の初期ESR」に対する「高温長期放置後のESR」の上昇が抑制された。実施例1では、135℃という高温環境下に、ハイブリッドコンデンサを3000時間という長時間放置したにもかかわらず、ESRの上昇を抑制できた。このことから、実施例1は、高温環境下においてコンデンサの特性を維持できることがわかった。
難揮発性溶媒として第2溶媒および第3溶媒を用いた実施例2〜6および比較例1、3でも、「25℃の初期ESR」に対する「高温長期放置後のESR」の上昇が抑制された。
上記より、実施例2〜6および比較例1、3は、高温環境下においてコンデンサの特性を維持できることがわかった。
一方、比較例2では、難揮発性溶媒として第2溶媒および第3溶媒を用いたが、「高温長期放置後のESR」が「25℃の初期ESR」の2倍近くに上昇した。
難揮発性溶媒として第3溶媒を用いた比較例5では、「高温長期放置後のESR」が「25℃の初期ESR」の2倍近くに上昇し、比較例6、7では、「高温長期放置後のESR」が「25℃の初期ESR」の2倍を大きく超えて上昇した。
難揮発性溶媒としてポリエチレングリコールを用いた比較例8では、「高温長期放置後のESR」が「25℃の初期ESR」より大幅に上昇した。
よって、比較例2、5〜8では、高温環境下におけるコンデンサの特性維持が難しいと考えられる。
実施例1では、難揮発性溶媒の含有量が80wt%であり、難揮発性溶媒として第2溶媒を用いている。
実施例2〜6および比較例1、3、4では、難揮発性溶媒の含有量が60wt%以上90wt%以下である。実施例2〜6では、難揮発性溶媒として第2溶媒と第3溶媒を用いている。
一方、比較例2、6〜8では、難揮発性溶媒として、第2溶媒と第3溶媒の混合溶媒または第3溶媒だけを用いているが、難揮発性溶媒の含有量が40〜50wt%である。比較例2、6〜8では、難揮発性溶媒の含有量が少なかったため、高温環境下において、溶媒が殆ど蒸発したと考えられる。そのため、ESRが上昇したと考えられる。
比較例5では、難揮発性溶媒の含有量が60wt%であり、難揮発性溶媒として第3溶媒だけを用いている。しかし、ESRが上昇した。一方、難揮発性溶媒の合計量が同じ実施例5では、ESRの上昇が抑制された。実施例5では、難揮発性溶媒として第2溶媒と第3溶媒を用いている。このことから、第2溶媒は、高温環境下においてESRが上昇することを抑制できる効果を奏すると考えられる。また、第2溶媒は、第3溶媒より、電解液の揮発を抑制する効果があると考えられる。さらに、第3溶媒だけを用いるより、第2溶媒と第3溶媒の混合溶媒を用いることにより、電解液の揮発を抑制する効果が増大すると考えられる。
上記より、難揮発性溶媒の含有量が60wt%以上であり、且つ、難揮発性溶媒として第2溶媒または第2溶媒と第3溶媒の混合溶媒を用いることにより、高温環境下で長期間コンデンサの特性を維持できると考えられる。
(実験2)
ハイブリッドコンデンサのリフロー処理を想定した模擬リフロー試験を実施した。模擬リフロー試験は、245℃の高温下にハイブリッドコンデンサを3分間放置することを2回繰り返す試験とした。模擬リフロー試験後、ハイブリッドコンデンサに定格電圧を印加して2分後の漏れ電流値を測定した。これまでの経験から、模擬リフロー試験後、ハイブリッドコンデンサに定格電圧を印加して2分後の漏れ電流値が15μA以上の場合、漏れ電流が大きいため、不良と判断した。実施例1、2および比較例1〜6のそれぞれにおいて、30個のサンプルに模擬リフロー試験を実施した。表2に、全試験数30に対する不良数を示している。
Figure 2020141072
表2から、以下のことがわかった。
実施例1〜7および比較例2、6〜8の不良数は0であったが、比較例1、3〜5の不良数は1以上であった。実施例1〜7および比較例2、6〜8では漏れ電流が抑制できたが、比較例1、3〜5では漏れ電流が抑制できないことがわかった。
比較例1は、低粘性溶媒と難揮発性溶媒の合計100wt%に対して、難揮発性溶媒の含有量が90wt%である。一方、難揮発性溶媒の含有量が80wt%以下では、比較例3〜5を除き、漏れ電流を抑制できた。このことから、比較例1では、難揮発性溶媒の含有量が多すぎ、電解液の粘度が高くなったため、漏れ電流が増大したと考えられる。
比較例3〜5は、低粘性溶媒と難揮発性溶媒の合計100wt%に対して、難揮発性溶媒の含有量は60wt%または70wt%である。難揮発性溶媒の合計量が同じ実施例2、4〜7では漏れ電流を抑制できたが、比較例3〜5では漏れ電流を抑制できなかった。実施例2、4〜6では、難揮発性溶媒が第2溶媒と第3溶媒を含む。比較例4、5では、難揮発性溶媒は第3溶媒だけである。比較例3では、難揮発性溶媒は第2溶媒と第3溶媒を含むが、第2溶媒の含有量が少なかった。このことから、第2溶媒は、電解液の粘度の上昇を抑制する効果があると考えられる。比較例3では、第2溶媒を用いたが、第2溶媒の含有量が少なかったため、電解液の粘度の上昇をあまり抑制できなかったと考えられる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 ハイブリッドコンデンサ
2 外装ケース
3 コンデンサ素子
4 封口体
11 陽極
12 陰極
21、22 リード端子

Claims (7)

  1. 酸化皮膜を有する陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置されたセパレータと、前記セパレータに保持された導電性高分子および電解液とを備えた電解コンデンサに用いられる電解液であり、
    前記電解液は溶媒と溶質を含み、
    前記溶媒は、ラクトンを含有した第1溶媒と、下記化学式1で表される化合物を含有した第2溶媒とを含み、
    前記溶媒100wt%に対し、
    前記第1溶媒が20wt%以上40wt%以下であり、
    前記第2溶媒が10wt%以上80wt%以下である電解液。
    Figure 2020141072
    ここで、R11およびR12はCαH2α+1で表され、R11とR12は互いに異なる、
    αは1以上の整数である
  2. 前記溶媒は、前記第1溶媒と、前記第2溶媒と、下記化学式2で表される化合物を含有した第3溶媒とを含み、
    前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計100wt%に対し、
    前記第1溶媒が20wt%以上40wt%以下であり、
    前記第2溶媒が10wt%以上80wt%以下であり、
    前記第3溶媒が60wt%以下であり、
    前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計が60wt%以上80wt%以下である請求項1に記載の電解液。
    Figure 2020141072
    ここで、R1はCX2Xで表され、Xは0または1以上の整数であり、
    nは0または1以上の整数であり、
    2、R3、R4,R5,R6およびR7はHまたはCY2Yで表され、Yは1以上の整数である
  3. 前記第1溶媒と前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計100wt%に対し、
    前記第1溶媒が20wt%以上40wt%以下であり、
    前記第2溶媒が10wt%以上45wt%以下であり、
    前記第3溶媒が25wt%以上60wt%以下であり、
    前記第2溶媒と前記第3溶媒の合計が60wt%以上80wt%以下である請求項2に記載の電解液。
  4. 前記化学式2で表される化合物は、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体、並びに、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールおよびこれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項2又は3に記載の電解液。
  5. 前記化学式1で表される化合物は、エチルメチルスルホン、メチルプロピルスルホン、エチルプロピルスルホン、メチルイソプロピルスルホンおよびエチルイソプロピルスルホンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. 前記ラクトンは、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンの少なくとも一つを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液。
  7. 酸化皮膜を有する陽極および陰極がセパレータを介して巻回されたコンデンサ素子を備え、
    前記セパレータは、導電性高分子と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液とを保持する電解コンデンサ。
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