JP2020139153A - ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物、該液晶組成物を用いたポリマーネットワーク型液晶表示素子、及びその製造方法 - Google Patents

ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物、該液晶組成物を用いたポリマーネットワーク型液晶表示素子、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリマーネットワーク型液晶素子としての実用性を備えた電気光学特性を有しつつ、基材との密着性を向上させることができるポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物、該液晶組成物を用いたポリマーネットワーク型液晶表示素子、及びその製造方法、並びにポリマーネットワーク型液晶素子を用いた物品を提供することである。【解決手段】 本発明は、第1成分としてメソゲン性骨格を有する重合性化合物、第2成分として負の誘電率を有する液晶性化合物、第3成分として極性基を有する重合性化合物を含有するポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物、該液晶組成物を用いたポリマーネットワーク型液晶素子及びその製造方法である。本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物は、液晶素子に用いた場合、実用に耐えうるための良好な電気光学特性を有し、また、ポリマーネットワーク型液晶素子として良好な密着性を得ることができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物、及び、それを用いた液晶素子、並びに、それを用いた窓、天窓、屋根、壁、仕切り、間仕切り、扉等の建築用調光素子、扉、窓、ドア、ヘルメット、サンルーフ等の輸送用調光素子、サングラス、眼鏡、サンバイザー、時計、鏡、反射板等の装飾用調光素子、フレキシブル液晶表示素子、反射型液晶表示素子、透明液晶表示素子、可変式拡散フィルム等のディスプレイ用部材等を含む物品に関する。
ディスプレイの高性能化に伴い、表現力の高いスマートフォンやタブレットデバイスなどのモバイル端末、TVやウィンドウディスプレイなどへの応用が期待されている透明ディスプレイ、高コントラスト液晶ディスプレイ、透過‐散乱度合いを調整可能な光シャッター機能をもつ調光素子などの実現が期待されており、これらを実現するための調光材料の開発が重要な課題となっている。また、プライベートガラスや可変型プロジェクタースクリーンなどの液晶を用いたスマートウィンドウも、近年の通信技術の発展に伴い、モバイル端末を用いて工業用、家庭用に関わらず各種設備機器の制御も可能になってきていることから、それらを実現するための調光材料が望まれている。
調光素子用材料のうち、透過‐散乱型の調光素子用材料として、ポリマー分散型液晶を用いたポリマー分散型液晶素子(ポリマーネットワーク型液晶素子)は、素子中において液晶と高分子が互いに相分離し、高分子によるポリマーネットワークが形成された液晶素子方式である(特許文献1及び特許文献2参照)。
ポリマーネットワーク型液晶素子は、透明状態と白濁状態との間のコントラスト比を利用する表示方式のため、偏光板等の光学フィルムを必要としない。そのため、偏光板を用いたTN、STN、IPS又はVAモードの液晶表示素子に比べ、明るい表示が実現できるメリットがあり、しかも、素子の構成も単純であることから、調光ガラス等の光シャッター用途、時計等セグメント表示用途に応用されている。また、高精細表示を実現するため、アクティブ駆動表示素子と組み合わせて、プロジェクター用途、反射型ディスプレイ用途等への応用も検討されている。
近年では、透過型ディスプレイ、フレキシブルディスプレイといった、従来に無い設計の液晶表示装置も実用化へ向け開発が進められている。特に電圧の無印加時に透過状態、電圧の印加時に非透過状態となるリバースモードタイプのポリマー分散型液晶素子が、低消費電力に寄与する用途に適しているといわれている。
特に、液晶として負の誘電異方性を有する材料を用い、電圧無印加時に液晶材料が基板に対して垂直配向する構成とすれば、ラビングなど基板への配向処理が不要となるとともに、正の誘電異方性を有する液晶材料を用いたノーマルモードタイプ(電圧の無印加時に非透過状態、電圧の印加時に透過状態)の素子の透明状態に比べて高い透明性が得られ、また正の誘電異方性を有する液晶材料を用いたリバースモードタイプの素子の非透過状態に比べて高い散乱性が得られる。
しかし、負の誘電異方性を有する液晶材料を用いた従来の技術のみでは、例えば、フレキシブルな基材を用いた場合に基板との密着性が不足し、基材から剥離するという課題があった。フレキシブルな基材を使用する場合には、一般的に基材上に液晶材料を塗布し、一方の液晶材料を基材で覆った後に紫外線等で高分子ネットワークを形成する、ロールtoロールプロセスが用いられることが多いが、得られた表示素子のロールを巻き取る際にシェアがかかったり、素子をカットして使用するので、素子の外枠をシール剤等を使用せずに実用に耐えうる密着性が求められていた。また、フレキシブルな基材を使用する透過型ディスプレイとして挙げられるポリマー壁型液晶素子についても同様の課題が存在していた。
特開平5−119302 特開2008−058374
前記従来技術で述べたように生産性を考慮した場合、基材との良好な密着性を得ると共に、液晶素子として実用に耐えうるだけの電気光学特性が必要である。従って、本発明の課題は、ポリマーネットワーク型液晶素子としての実用性を備えた電気光学特性を有しつつ、基材との密着性を向上させることができるポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物、該液晶組成物を用いたポリマーネットワーク型液晶表示素子、及びその製造方法、並びにポリマーネットワーク型液晶素子を用いた物品を提供することである。
本発明は、前記課題に対して鋭意検討した結果、メソゲン性骨格を有する重合性化合物、負の誘電特性を有する液晶性化合物、及び、極性基を有する重合性化合物を用いることで解決に至った。また、特定の前記極性基を有する重合性化合物を用いることで配向制御も可能であることを見出した。
即ち、本発明は、第1成分としてメソゲン性骨格を有する重合性化合物、第2成分として負の誘電率を有する液晶性化合物、第3成分として極性基を有する重合性化合物を含有するポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物を提供する。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物は、液晶素子に用いた場合、実用に耐えうるための良好な電気光学特性を有し、また、ポリマーネットワーク型液晶素子として良好な密着性を得ることができる。
本発明の液晶素子の構成の一例であって、電圧無印加の状態を模式的に示す図 図1において電圧印加した状態を模式的に示す図 図2を透明基板に対して垂直な方向から透視した図
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物、及び、それを用いたポリマーネットワーク型液晶素子の実施について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をよりよく理解させるために具体的な例として説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
<液晶性組成物>
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物は、前記したとおり、第1成分〜第3成分を必須成分として含有し、第1成分としてメソゲン性骨格を有する重合性化合物、第2成分として負の誘電率を有する液晶性化合物、第3成分として極性基を有する重合性化合物、及び必要に応じて他の成分を含有する。以下、各成分について具体的に説明する。
(第1成分 メソゲン性骨格を有する重合性化合物)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物には、第1成分としてメソゲン性骨格を有する重合性化合物が用いられる。前記重合性化合物は、電圧無印加時の液晶組成物の配向を制御するために有効な化合物であり、メソゲン性骨格を有する重合性化合物であればよく、前記化合物単独では、液晶性を示さなくてもよい。
例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平7−294735号公報、特開平8−3111号公報、特開平8−29618号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−116538号公報、特開平11−148079号公報、等に記載されているような、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、ビニル基、アクリル基、(メタ)アクリル基といった重合性官能基を2つ以上有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004−2373号公報、特開2004−99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する2つ以上の重合性基を有する棒状重合性液晶化合物が挙げられる。中でも、2つ以上の重合性基を有する棒状液晶化合物が、ポリマーネットワーク型液晶素子の電圧無印加時の液晶組成物の配向を制御しやすく好ましい。
第1成分としてメソゲン性骨格を有する重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物の合計量100質量%に対し、ネットワーク構造を維持する観点から、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、13質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。
本発明のメソゲン性骨格を有する重合性化合物として、以下の一般式(I)で表される化合物を1種または2種以上含有することが好ましい。
Figure 2020139153
(式中、P、Pは各々独立して重合性基を表し、
、Sは各々独立してスペーサー基又は単結合を表し、
、Xは、S1又はSへの結合手を左端の結合として表記する場合において、各々独立して、−O−、−S−、−OCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、
−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し(ただし、P−S−X−及びP−S−X−で表される基中には−O−O−を含まない。)、
は、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−RZ1−、−OCO−RZ1−、−RZ1−COO−、−RZ1−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−CHCH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し(ただし、−RZ1−は、炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。)、Zが複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く、
、Aは各々独立して、2価の芳香環、脂環、複素環及び縮合環から選択される基を表し、Aが複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く、
nは各々独立して1〜9の整数を表す。)
ここで、前記一般式(I)中、P、Pで表される重合性基は、下記式(P−1)〜式(P−20)
Figure 2020139153
が好ましく、これらの重合性基のうち、重合性および保存安定性を高める観点から、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−12)、又は式(P−13)が好ましく、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)がより好ましい。
前記一般式(I)中、S、Sは各々独立してスペーサー基又は単結合を表し、スペーサー基は、炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または前述の重合性基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。これらのスペーサー基のうち、液晶性を発現する観点から、炭素原子数2〜8の直鎖アルキレン基、フッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基、アルキレン基の一部が−O−で置き換えられた炭素原子数4〜14のアルキレン基が好ましい。
前記一般式(I)中、X、Xで表される基は、各々独立して単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-から選択される基が好ましい。
ただし、前記一般式(I)中、P−S−X−及びP−S−X−で表される基中には−O−O−結合を含まない。
前記一般式(I)中、Zで表される基は、Zが複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−(CHCH−、−OCO−(CHCH−、−(CHCH−COO−、−(CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−CHCH−、−C≡C−又は単結合から選択される基が好ましいが、駆動電圧を低下させるためにはmは1〜3が好ましく、液晶性を発現させるためにはZのうち少なくとも一つは、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−CFO−、−OCF−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−又は単結合から選択される基であることが好ましい。
前記一般式(I)中、A、Aは各々独立して、2価の芳香環、脂環、複素環及び縮合環から選択される基を表し、具体的には下記(a)〜(c)から選択される基が好ましい。なお、Aが複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良い。
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1つのメチレン基又は隣接していない2つ以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)
(b) フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい。)
(c) シクロヘキセニレン基、ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン基、ナフタレン基、デカヒドロナフタレン基及びテトラヒドロナフタレン基
(上記の基(a)、基(b)及び基(c)の基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は、それぞれ独立してフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜8のハロゲン化アルコキシ基、又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基に置換されていても良い。)
前記一般式(I)中、nは1〜9の整数を表すが、nは1〜5が好ましく、nは1〜4がより好ましく、nは1〜3が特に好ましい。
一般式(I)で表される重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、ネットワーク構造を維持する観点から、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。
第1成分において、一般式(I)以外の他のメソゲン性骨格を有する重合性化合物としては、下記一般式(2)、(4)〜(8)で表される化合物が挙げられる。また、一般式(I)のより具体的な式化合物として、一般式(3)で表される化合物があげられる。
Figure 2020139153
上記式(2)〜(8)中、P11〜P74は、前記式(P−1)〜式(P−20)から選択される重合性基を表すが、これらの重合性基のうち、重合性および保存安定性を高める観点から、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−12)、又は式(P−13)が好ましく、式(P−1)、式(P−7)、式(P−12)がより好ましい。
11〜X72は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、X11〜X72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く(ただし、各P−(S−X)−結合には−O−O−を含まない。)、特に単結合、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-から選択される基が好ましい。
11〜S72は各々独立してスペーサー基又は単結合を表す。スペーサー基としては、炭素原子数1〜18のアルキレン基(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または前述の重合性基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い)であることが好ましい。S11〜S72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良い。これらのスペーサー基のうち、液晶性を発現するの観点から、炭素原子数2〜8の直鎖アルキレン基、フッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基、アルキレン基の一部が−O−で置き換えられた炭素原子数4〜14のアルキレン基が好ましい。また、上記一般式(2)においてS11は密着性をより高める観点から、炭素原子数2〜8の直鎖アルキレン基が好ましい。
11、M21、M31、M51、M71は、各々独立して、下記一般式(9−a)で表されるメソゲン基
Figure 2020139153
(一般式(9−a)中、A91、A92、A93は各々独立して少なくとも環構造を1つ以上有する2価の基であり、前記2価の基は1,2−シクロプロピレン基、1,3−シクロブチレン基、2,5−シクロペンチレン基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−1,5−ジイル基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−1,6−ジイル基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−2,5−ジイル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]−1,3−ジイル基、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフチレン−1,4−ジイル基、ナフチレン−1,5−ジイル基、ナフチレン−1,6−ジイル基、ナフチレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、ベンゾチアゾール基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良いが、A91及び/又はA92が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
91及びZ92は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、Z91及び/又はZ92が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
j91及びj92は、各々独立して0〜4を表すが、j91+j92は1〜4の整数を表し、
はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−N=N−、−CR=N−N=CR−、又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状、分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い(なお、Rは水素原子、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い。)。)を表す。
また、M41は、前記A91、A92、A93として例示した環構造を有する3価の有機基であり、M61は前記A91、A92、A93として例示した環構造を有する4価の有機基である。
前記一般式(2)〜一般式(8)中、R11、R31はそれぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良く、
m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0から5の整数を表す。
前記一般式(2)〜一般式(8)中、S11〜S72は各々独立してスペーサー基を又は単結合を表し、前記S11〜S72で表されるスペーサー基は、炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。これらのスペーサー基のうち、配向性の観点から、炭素原子数2〜8の直鎖アルキレン基、フッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基、アルキレン基の一部が−O−で置き換えられた炭素原子数5〜14のアルキレン基が好ましい。また、S11〜S72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良い。
前記一般式(2)〜一般式(8)中、m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0から5の整数を表し、m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0または1が好ましく、1がより好ましい。
前記一般式(2)で表される重合性化合物は、具体的には、下記の式(2−1)から式(2−31)で表される重合性化合物が好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
上記式(2−1)〜式(2−31)において、n、mは、各々独立して1〜10の整数数を表し、R、Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物には、第1成分として一般式(I)で表される化合物を1種または2種以上と共に、一般式(2)で表される重合性化合物を1種又は2種以上併用することが、得られるポリマーネットワーク型液晶素子の密着性の観点から好ましい。一般式(2)で表される重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、ポリマーネットワークの強度を維持する観点から、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることが特に好ましい。
前記一般式(3)で表される重合性化合物としては、下記の式(3−1)から式(3−66)で表される重合性化合物が好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
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Figure 2020139153
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Figure 2020139153
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Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
上記式(3−1)〜式(3−66)において、n、mは、各々独立して1〜10の整数数を表し、p1及びp2は各々独立して0又は1を表し、q1及び12は各々独立して1〜10の整数数を表し、Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
一般式(3)の化合物としては、上記式(3−1)〜(3−8)、(3−36)、(3−38)、(3−39)、(3−41)、(3−54)、(3−58)、(3−60)、(3−62)、(3−63)が好ましい。
一般式(3)で表される重合性化合物の合計含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、ネットワーク構造を維持する観点から、5質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが特に好ましい。
上記一般式(4)で表される化合物として具体的には、下記の式(4−1)から式(4−9)で表される化合物が、好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
一般式(4)で表される重合性化合物は、ポリマーネットワーク形成に寄与するのみならず、ポリイミド配向膜不要とする自立配向剤として機能させることができる点から好ましい。前記重合性化合物を用いる場合、前記重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、垂直配向膜を使用せず、垂直配向性を示すモノマーとして利用する場合、0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましく、2.0質量%以上であることが特に好ましい。また、良好な垂直配向性を維持する観点から、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、8質量%以下であることが特に好ましい。
上記一般式(5)で表される化合物として具体的には、下記の式(5−1)から式(5−23)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
上記式(5−1)〜式(5−23)において、n、mは、各々独立して1〜10の整数数を表し、Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
一般式(5)で表される重合性化合物を用いる場合、前記重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、ネットワーク構造を強化する観点から、0質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
上記一般式(6)で表される化合物として具体的には、下記の式(6−1)から式(6−11)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
上記式(6−1)〜式(6−11)において、nは、各々独立して1〜10の整数数を表し、Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
一般式(6)で表される重合性化合物を用いる場合、前記重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、ネットワーク構造を強化する観点から、0質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
上記一般式(7)で表される化合物として具体的には、下記の式(7−1)から式(7−14)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
上記式(7−1)〜式(7−14)において、n、m、l、kは、各々独立して1〜10の整数数を表し、Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
一般式(7)で表される重合性化合物を用いる場合、前記重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、ネットワーク構造を強化する観点から、0質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
上記一般式(8)で表される化合物として具体的には、下記の式(8−1)から式(8−10)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
上記式(8−1)〜式(8−10)において、Rは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
一般式(8)で表される重合性化合物を用いる場合、前記重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に用いる第1成分の合計量100質量%に対し、ネットワーク構造を強化する観点から、0質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。また、低電圧化の観点から、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
なお、本発明においては、前記した通り、以上詳述した第1成分の中でも特に、前記一般式(2−1)〜(2−5)、(2−11)、(2−15)〜(2−19)、(2−31)で表される重合性化合物、前記一般式(3−1)〜(3−7)で表される重合性化合物、前記一般式(3−36)で表される重合性化合物、前記一般式(3−41)〜(3−43)で表される重合性化合物、前記一般式(3−50)〜(3−51)で表される重合性化合物、前記一般式(3−54)〜(3−60)で表される化合物、前記一般式(3−62)〜(3−66)で表される重合性化合物、前記一般式(4−2)〜(4−3)で表される重合性化合物、前記一般式(5−13)〜(5−14)、(5−18)で表される重合性化合物、前記一般式(6−10)〜(6−11)で表される重合性化合物、前記一般式(7−8)、(7−12)で表される重合性化合物、及び前記一般式(8−8)、(8−10)で表される重合性化合物を用いることが駆動電圧の低減効果の点から好ましく、特に前記一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)、(2−5)、(2−11)、(2−15)、(2−17)、(2−19)で表される重合性化合物、一般式(3−2)、(3−6)、(3−41)(3−54)、(3−62)、(3−63)で表される重合性化合物を用いることが好ましい。
また、密着性の観点から、第1成分として、一般式(I)で表される重合性化合物、より具体的には一般式(3)で表される重合性化合物と共に、一般式(2)、(4)〜(8)の中でも、硬化収縮の小さい一般式(2)で表される重合性化合物を用いることが好ましい。
(第2成分 負の誘電異方性を有する液晶性化合物)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物は、非重合性液晶化合物を含有する。より具体的には、第2成分として負の誘電異方性を有する化合物を含有する。更に具体的には、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物には、負の誘電異方性を有する化合物として下記一般式(IIa)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
Figure 2020139153
(式中R41及びR44はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
41、M42及びM43はお互い独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
41、L42及びL43はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M42、M4341及び/又はL43が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
41及びX42はフッ素原子、塩素原子、またはシアノ基を表し、
u及びvはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+vは2以下である。)
第2成分として負の誘電異方性を有する化合物としては、一般式(IIa)で表される化合物以外の液晶化合物を含有していてもよい。例えば、1種類又は2種類以上の一般式(IIa)で表される化合物と共に、下記一般式(IIb)及び一般式(IIc)から選択される少なくとも1種又は2種以上の化合物を任意に組み合わせて構成することができる。一般式(IIa)、一般式(IIb)及び一般式(IIc)で表される化合物は誘電的に負の化合物(誘電率異方性の符号が負で、その絶対値が2より大きい)に該当する。
Figure 2020139153
(式中R42、R43、R45及び、R46はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
44、M45、M46、M47、M48及びM49はお互い独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
44、L45、L46、L47、L48及びL49はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M45、M46、M48、M49、L44、L46、L47及び/又はL49が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
43〜X48は水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はシアノ基を表し、Gはメチレン基又は−O−を表し、
w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、w+x及びy+zは2以下である。)
本発明に係るポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に含まれる非重合性液晶化合物の総量に対しての式(IIa)で表される液晶化合物の好ましい含有量の下限値は30質量%であり、上限値は95質量%である。より好ましい含有量の下限値は45%であり、上限値は80質量%である。
上記一般式(IIa)、一般式(IIb)及び一般式(IIc)で表される化合物において、R41、R42、R43、R44、R45及びR46はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されているもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されているものも含む。)が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数1〜10の直鎖状アルコキシ基又は炭素数2〜10アルケニル基がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基が特に好ましい。M41、M42、M43、M44、M45、M46、M47、M48及びM49はお互い独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられているものも含む。)、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられているものも含む)、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及びデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基で表す基(各々の基に含まれる水素原子がそれぞれシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又は塩素原子で置換されているものも含む。)が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基が更に好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基が特に好ましい。L41、L42、L43、L44、L45、L46、L47、L48及びL49はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCO−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CHCH−、−OCH−又は−CHO−がより好ましい。X41、X42、X43、X44、X45、X46及びX47はお互い独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Gはメチレン基又は−O−を表し、u、v、w、x、y及びzはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+v、w+x及びy+zは2以下で表す。
上記の選択肢の組み合わせにより形成される構造のうち、−CH=CH−CH=CH−、−C≡C−C≡C−及び−CH=CH−C≡C−は化学的な安定性から好ましくない。またこれら構造中の水素原子がフッ素原子に置き換わったものも同様に好ましくない。また酸素同士が結合する構造、硫黄原子同士が結合する構造及び硫黄原子と酸素原子が結合する構造となることも同様に好ましくない。また窒素原子同士が結合する構造、窒素原子と酸素原子が結合する構造及び窒素原子と硫黄原子が結合する構造も同様に好ましくない。
一般式(IIa)で表される化合物において、具体的には以下の一般式(IIa−1)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2020139153
(式中、R47及びR48はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L50、L51及びL52はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M50、M51及びM52はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基、2,5−テトラヒドロピラニル基を表し、該1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
及びvはそれぞれ独立して0又は1を表す。)
更に具体的には以下の一般式(IIa−2a)〜一般式(IIa−3p)
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
(式中、R47及びR48はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)で表される構造が好ましく、R47及びR48がそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシル基が更に好ましい。
一般式(IIb)で表される化合物において、具体的には以下の一般式(IIb−1)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2020139153
(式中、R49及びR50はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L52、L53及びL54はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M51、M52及びM53は1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、w1及びx1は独立して0、1又は2を表すが、w1+x1は2以下を表す。)
更に具体的には以下の一般式(IIb−2a)〜(IIb−3f)
Figure 2020139153
Figure 2020139153
(式中、R49及びR50はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)で表される構造が好ましい。
一般式(IIc)で表される化合物において、具体的には以下の一般式(IIc−1a)及び一般式(IIc−1b)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2020139153
(式中、R51及びR52はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L56、L57及びL58はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M54、M55及びM56は1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、y1及びz1は独立して0、1又は2を表すが、y1+z1は2以下を表す。)
更に具体的には以下の一般式(IIc−2a)〜(IIc−2g)
Figure 2020139153
(式中、R51及びR52はお互い独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシル基又は炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
第三成分として使用する一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を少なくとも1種を含有するが、2種〜10種含有することが好ましく、2種〜8種含有することが特に好ましく、本発明のポリマーネットワーク型液晶性組成物における第2成分の含有率の下限値が5質量%であることが好ましく、10質量%であることがより好ましく、20質量%であることがより好ましく、上限値が80質量%であることが好ましく、70質量%であることが好ましく、60質量%であることが好ましく、50質量%であることが好ましい。
本願発明の液晶組成物において、Δnは0.08〜0.30の範囲であることが好ましい。
(他の液晶性化合物)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物には、非重合性液晶化合物を含有する。より具体的には、非重合性液晶性化合物として、負の誘電異方性を有する液晶化合物以外の液晶化合物を1種又は2種以上含有していることが好ましい。このような液晶化合物としては特に限定はないが、例えば一般式(L)で表される液晶化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
一般式(L)で表される液晶化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(誘電率異方性Δεの値が−2〜2)に該当する。
一般式(L)で表される化合物を以下に示す。
Figure 2020139153
(式中、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
21、M22及びM23はお互い独立して
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基及び
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
oは0、1又は2を表し、
21及びL22はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−を表し、L22が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、M23が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良い。)
一般式(L)で表される化合物において、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されたもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されたものも含む。)が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシ基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数3から6のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基が特に好ましい。
信頼性を重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
21及びR22は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
Figure 2020139153
21、M22及びM23はお互い独立してトランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個のCH基が酸素原子に置換されているものを含む)、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されているものを含む)、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又は1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基が特に好ましい。M21、M22及びM23はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
Figure 2020139153
トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
oは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましい。
21及びL22はお互い独立して単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CH=CH−、−CH=N−N=CH−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CHCH−、−(CH−、−OCH−又は−CHO−がより好ましく、単結合又は−CHCH−が更に好ましい。
上記の選択肢の組み合わせにより形成される構造のうち、−CH=CH−CH=CH−、−C≡C−C≡C−及び−CH=CH−C≡C−は化学的な安定性から好ましくない。またこれら構造中の水素原子がフッ素原子に置き換わったものも同様に好ましくない。また酸素同士が結合する構造、硫黄原子同士が結合する構造及び硫黄原子と酸素原子が結合する構造となることも同様に好ましくない。また窒素原子同士が結合する構造、窒素原子と酸素原子が結合する構造及び窒素原子と硫黄原子が結合する構造も同様に好ましくない。
本発明に係るポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物において、一般式(L)で表される液晶化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本発明に係るポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に含まれる非重合性液晶化合物の総量に対しての、式(L)で表される化合物の、好ましい含有量の下限値は1質量%であり、上限値は85質量%である。より好ましい含有量の下限値は3質量%であり、上限値は65質量%である。
該組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明に係る組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
更に詳述すると、一般式(L)は具体的な構造として以下の一般式(L−a)から一般式(L−q)からなる群で表される化合物が好ましい。
Figure 2020139153
(式中、R23及びR24はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数2から10のアルケニル基又は炭素数3から10のアルケニルオキシ基を表す。)
23及びR24はそれぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基又は炭素数2から10のアルケニル基がより好ましく、炭素数1から5のアルキル基又は炭素数1から10のアルコキシ基が更に好ましい。
一般式(L−a)から一般式(L−q)で表される化合物中、一般式(L−a)、一般式(L−b)、一般式(L−c)、一般式(L−e)、一般式(L−h)、一般式(L−i)、一般式(L−m)、一般式(L−o)又は一般式(L−q)で表される化合物が好ましく、一般式(L−a)、一般式(L−c)、一般式(L−e)、一般式(L−h)又は一般式(L−i)で表される化合物が更に好ましい。
本願発明では一般式(L)で表される化合物を少なくとも1種を含有することが好ましく、1種〜10種含有することが好ましく、2種〜8種含有することが特に好ましい。
本発明に係るポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に含まれる非重合性液晶化合物の総量に対しての、一般式(IIa)、一般式(IIb)、一般式(IIc)及び一般式(L)で表される化合物の合計の、好ましい含有量の下限値は50質量%であり、上限値は95質量%である。より好ましい含有量の下限値は70質量%であり、上限値は90質量%である。
本発明に係るポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に含まれる非重合性液晶化合物の総量に対しての、一般式(IIa)及び一般式(L)で表される化合物の合計の、好ましい含有量の下限値は50質量%であり、上限値は95質量%である。より好ましい含有量の下限値は70質量%であり、上限値は90質量%である。
本発明に係るポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで組成物を構成することが最も好ましい。
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、質量5%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
粘度の改善及びTNIの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
本発明に係るポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物に含有される液晶化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2〜5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4〜5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
(第3成分 極性基を有する重合性化合物)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用組成物は、良好な密着性を得るために第3成分としてメソゲン性骨格を有さない極性基を有する重合性化合物を用いることができる。極性基を有する重合性化合物は、ポリマーネットワーク液晶層と接する界面で極性基がアンカーの機能を発現し、前記ポリマーネットワーク液晶層と強い相互作用を及ぼすことで密着性が付与されると考えられる。一方で、前記重合性化合物の重合性基が、ポリマーネットワーク型液晶素子要液晶組成物中の他の重合性化合物と反応することで前記液晶層と有機的に結合することで密着性が発現すると考えられる。
前記重合性化合物は、少なくとも1つ以上の極性基を有していればよく、重合性官能基の数は、適宜選択される。
極性基としては、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、イソシアン酸基、リン酸基、シアノ基、イソシアノ基、ニトロ基、ヒドロキシシリル基等が挙げられる。
重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アクリル基、(メタ)アクリル基といった重合性官能基があげられるが、例えば以下の式(P−1)〜式(P−20)で表される重合性基が好ましい。
具体的には、良好な密着性と電圧無印加時の良好な配向を得るために一般式(III)で表される重合性化合物
Figure 2020139153
(式中、PPは重合性基を表し、
SSは炭素原子数1〜22のアルキレン基(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い)、又は単結合を表し、
XXは、−OH、−COOH、CONR、−SH、−NR、−NCO、−CN、−NO、−Si(OH)3−α(CHα、−P(=O)(OH)、又は−P(=O)(OH)−(R、Rは各々独立して、水素、または、炭素数1〜3のアルキル基を表し、αは1〜2の整数を表す。)を表し、
nn1は、XXが−OH、−COOH、CONR、−SH、−NR、−NCO、−CN、−NO、−Si(OH)3−α(CHα、−P(=O)(OH)を表す場合は1を表し、XXが−P(=O)(OH)−を表す場合は2を表す。)
一般式(III)中、PPで表される重合性基は、下記式(P−1)〜(P−20)
Figure 2020139153
から選択される重合性基が好ましく、これらの重合性基のうち、重合性および保存安定性を高める観点から、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−12)、又は式(P−13)が好ましく、式(P−1)、式(P−7)、式(P−12)がより好ましい。
SSで表される炭素原子数1〜22のアルキレン基は、1つ以上のハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−により置き換えられていても良い、炭素原子数6〜22のアルキレン基が好ましく、炭素原子数6〜18のアルキレン基、炭素原子数4〜12のエチレンオキシ基、前記重合性基と同一の重合性基で少なくとも1つ以上置換された炭素原子数6〜18のアルキレン基、前記重合性基と同一の重合性基で少なくとも1つ以上置換された炭素原子数4〜12のエチレンオキシ基が特に好ましい。
XXは、密着性向上の観点から、−OH、−COOH、−SH、−NR、−NCO、−Si(OH)3−α(CHα、−P(=O)(OH)が好ましく、−P(=O)(OH)がより好ましい。
一般式(III)は、以下の一般式(IIIa)〜一般式(IIIe)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020139153
(式中、XX1及びnn1は一般式(III)中のXX1及びnn1とそれぞれ同じ意味を表し、n1は1〜10の整数を表し、n2は1〜6の整数を表し、n3及びn4はそれぞれ独立して1〜4の整数を表す。)
一般式(III)で表される重合性化合物としては、例えば一般式(III−1)〜(III−15)で表される重合性化合物が挙げられる。
Figure 2020139153
(式中、n1は1〜10の整数を表し、n2は1〜6の整数を表し、R1及びR2は各々独立して、水素、または、炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
また、n1やn2の整数が大きい場合に、例えば、n1が5以上、n2が3の場合に液晶材料を垂直配向させる可能性もあるので、好ましい。
一般式(III)で表される重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物の合計量100質量%に対し、密着性を高める観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましく、1質量%以上であることが特に好ましく、一方、極性基の含有比率が増えることによる電気光学特性への悪化を防ぐ観点から、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
(第4成分 重合開始剤)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物は、重合開始剤を含有することができる。本発明で用いられる重合開始剤は、本発明の前記液晶性組成物を重合させるために用いる。重合を光照射によって行う場合に使用する光重合開始剤としては、特に限定はないが、前記第1成分であるメソゲン性骨格を有する重合性化合物の配向状態を阻害しない程度で公知慣用のものが使用できる。
例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「Omnirad184」、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン「オムニラッド1173」、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1「オムニラッド907」、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン「オムニラッドBDK」、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン「オムニラッド369」)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリノ−フェニル)ブタン−1−オン「オムニラッド379」、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド「オムニラッドTPO」、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−フォスフィンオキサイド「オムニラッド819」(IGM Resins株式会社製)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)],エタノン「イルガキュアOXE01」)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)「イルガキュアOXE02」、「イルガキュアOXE04」(BASF株式会社製)、「アデカアークルズNCI−831」、「アデカアークルズNCI−930」、「アデカアークルズN−1919」(ADEKA社製)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、「エサキュア ONE」、「エサキュアKIP150」、「エサキュアKIP160」、「エサキュア1001M」、「エサキュアA198」、「エサキュアKIP IT」、「エサキュアKTO46」、「エサキュアTZT」(lamberti株式会社製)、「スピードキュアBMS」、「スピードキュアPBZ」、「ベンゾフェノン」(LAMBSON社製)等が挙げられる。さらに、光カチオン開始剤としては、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としてはジアゾジスルホン系化合物、トリフェニルスルホニウム系化合物、フェニルスルホン系化合物、スルフォニルピリジン系化合物、トリアジン系化合物及びジフェニルヨードニウム化合物などが挙げられる。
光重合開始剤の含有率は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量100質量%に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜7質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
また、熱重合の際に使用する熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。熱重合開始剤の含有利量は本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量100質量%に対し、0.1〜10質量が好ましく、1〜6質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
(第5成分)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物は、実用的な電気光学特性、及び、ポリマーネットワーク型液晶素子にした場合の密着性を損なわない範囲で、メソゲン骨格を有さない重合性化合物、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤、色素、顔料、粒子径が1μm未満の粒子、キラル化合物、あるいは、配向材料を添加することができる。
(メソゲン骨格を有さない重合性化合物)
本発明で用いられるメソゲン骨格を有さない重合性化合物(第3成分の重合性化合物を除く)は、本発明の前記液晶組成物の電気光学特性を制御するため、あるいは、第3成分である極性を有する重合性化合物の効能を補助するために用いることができる。そのような化合物としては、公知慣用のものが用いられる。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等、または、下記の構造
Figure 2020139153
を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましい。
また、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリクロデカンジメタノールジアクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物等、または、下記の構造
Figure 2020139153
で表されるの2官能(メタ)アクリレートが好ましい。
また、4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート、およびカルボジイミド変成MDI、ジイソシアネート等を反応して得られる各種ウレタンアクリレートが好ましい。
また、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、等のエポキシ化合物が好ましい。
中でも、上記の構造を有する単官能(メタ)アクリレートや2官能(メタ)アクリレート、各種ウレタンアクリレートが特に好ましい。
メソゲン骨格を有さない重合性化合物の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量100質量%に対し、0〜50質量が好ましく、2〜30質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
(重合禁止剤)
本発明で用いられる重合禁止剤は、本発明のポリマーネットワーク含有液晶素子用液晶組成物の重合反応を制御することによって、電気光学特性を制御するため、あるいは、第3成分である極性を有する重合性化合物の効能を補助するために用いることができる。そのような化合物としては、公知慣用のものが使用できる。
例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2.2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2.2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4.4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4−メトキシ−1−ナフトール、4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビ−1−ナフトール、等のフェノール系化合物、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニルベンゾキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン、等のキノン系化合物が好ましく、p−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、tert−ブチルヒドロキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンが特に好ましい。
重合禁止剤の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量100質量%に対し、0〜2.0質量%であることが好ましく、0〜0.5質量%であることがより好ましい。
(酸化防止剤)
本発明で用いられる酸化防止剤は、本発明のポリマーネットワーク含有液晶素子の実用的な耐久性を付与するために用いることができる。そのような化合物として、ヒドロキノン誘導体、ニトロソアミン系重合禁止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等を用いることができる。
具体的には、tert-ブチルハイドロキノン、和光純薬工業社の「Q−1300」、「Q−1301」、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1010」、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1035」、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1076」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール「IRGANOX1520L」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」(以上、BASF株式会社製)、株式会社ADEKA製のアデカスタブAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−80、住友化学株式会社のスミライザーBHT、スミライザーBBM−S、およびスミライザーGA−80、及び下記の一般式で表される構造の化合物、等々が好ましい。
Figure 2020139153
一般式(H−1)から一般式(H−4)中、RH1は炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシル基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表すが、基中に存在する1個の−CH−又は非隣接の2個以上の−CH−はそれぞれ独立して−O−又は−S−に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子に置換されてもよい。更に具体的には、炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数2から7のアルコキシル基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数3から7のアルキル基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であることが更に好ましい。
一般式(H−4)中、MH4は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の−CH−は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−に置換されていてもよい。)、−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−C≡C−、単結合、1,4−フェニレン基(1,4−フェニレン基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されていてもよい。)又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すが、炭素原子数1から14のアルキレン基であることが好ましく、揮発性を考慮すると炭素原子数は大きい数値が好ましいが、粘度を考慮すると炭素原子数は大き過ぎない方が好ましいことから、炭素原子数2から12が更に好ましく、炭素原子数3から10が更に好ましく、炭素原子数4から10が更に好ましく、炭素原子数5から10が更に好ましく、炭素原子数6から10が更に好ましい。
中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、及び、前記一般式(H−2)〜(H−4)で表される化合物が特に好ましい。
酸化防止剤の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量100質量%に対し、0〜2.0質量%であることが好ましく、0〜0.5質量%であることがより好ましい。
(光安定剤)
本発明で用いられる光安定剤は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子の実用的な耐久性を付与するために用いることができる。そのような化合物として、例えば、「TINUVIN 111FDL」、「TINUVIN 123」、「TINUVIN 144」、「TINUVIN 152」、「TINUVIN 292」、「TINUVIN 622」、「TINUVIN 770」、「TINUVIN 765」、「TINUVIN 780」、「TINUVIN 905」、「TINUVIN 5100」、「TINUVIN 5050」、「TINUVIN 5060」、「TINUVIN 5151」、「CHIMASSORB 119FL」、「CHIMASSORB 944FL」、「CHIMASSORB 944LD」(以上、BASF株式会社製)、「アデカスタブLA−52」、「アデカスタブLA−57」、「アデカスタブLA−62」、「アデカスタブLA−67」、「アデカスタブLA−63P」、「アデカスタブLA−68LD」、「アデカスタブLA−77」、「アデカスタブLA−82」、「アデカスタブLA−87」(以上、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量に対して、0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.05〜1.0質量%であることがより好ましい。
(連鎖移動剤)
本発明で用いられる連鎖移動剤は、ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物と基材との密着性をより向上させるために用いることができる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ブチルメルカプタン、n―ペンチルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメル、n―ドデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン等のメルカプタン化合物、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等のチオール化合物、、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー、アクロレイン、アリルアルコール、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルビネン、ジペンテン、等が挙げられるが、
具体的には下記一般式(9−1)〜(9−12)で表される化合物、α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネンが好ましい。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
式中、R95は炭素原子数2〜18のアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であっても良く、該アルキル基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、R96は炭素原子数2〜18のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよい。
連鎖移動剤の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量100質量%に対し、0.5〜10質量%であることが好ましく、1.0〜5.0質量%であることがより好ましい。
(色素)
本発明で用いられる色素は、本発明のポリマーネットワーク含有液晶素子に色を付与する、あるいは、色を制御するために用いることができる。そのような色素としては、特に制限はなく、液晶に可溶、あるいはポリマーネットワーク中に分散する範囲で公知慣用のものを用いることができる。前記色素としては、例えば、2色性色素、蛍光色素等が挙げられる。そのような色素としては、例えば、ポリアゾ色素、アントラキノン色素、キナクリドン色素、ジオキサジン色素、キノフタロン色素、シアニン色素、フタロシアニン色素、ペリレン色素、ペリノン色素、スクアリリウム色素等が挙げられるが、添加する観点から、前記色素は液晶性を示す色素が好ましい。例えば、特開昭51−2885号公報、特開昭61−21163号公報、特開昭62−555号公報、特開昭63−301850号公報、特開平7−48520号公報、特開平7−179858号公報、特開平10−279945号公報、特開平11−172252号公報、特開2000−239664号公報、特開2012−82400号公報等に示されているポリアゾ色素、特開昭59−20355号公報、特開昭59−172549号公報、特開昭61−148291号公報、特開平1−161086号公報、特開平8−67822号公報等に示されているアントラキノン色素、特開昭59−51947号公報、特開昭61−148292号公報等に示されているキノフタロン色素、特開2000−44825号公報、特開2001−49135号公報等に示されているジオキサジン色素が挙げられる。色素の含有量は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の液晶性組成物に用いる液晶性化合物の合計量100質量%に対し、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましい。
(顔料)
本発明で用いられる顔料は、本発明のポリマーネットワーク含有液晶素子に色を付与する、あるいは色を制御するために用いることができる。そのような色素としては、特に制限はなく、液晶、あるいは、ネットワークポリマー中に分散する範囲で公知慣用のものを用いることができる。そのような顔料としては、アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料、カーボンブラック顔料、等が挙げられるが、効果的に着色性を付与する観点から、前記色素は、ネットワークポリマーへの分散性が良好な顔料が好ましい。(粒子径が1μm未満の粒子)
本発明で用いられる粒子径が1μm未満の粒子は、本発明のポリマーネットワーク含有液晶素子に各種機能を付与するために用いることができる。そのような粒子としては、特に制限はないが、前記液晶素子の電気光学特性や密着性を損なわない範囲で用いることができる。
(キラル化合物)
本発明で用いられるキラル化合物は、本発明のポリマーネットワーク含有液晶素子に各種機能を付与するために用いることができる。そのようなキラル化合物としては、特に制限はないが、前記液晶素子の電気光学特性や密着性を損なわない範囲で用いることができる。具体的には、例えば、キラル基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、キラル基として2−メチルブチル基を有するビーディーエイチ社製の「CB−15」、「C−15」、メルク社製の「S−1082」、チッソ社製の「CM−19」、「CM−20」、「CM」、キラル基として1−メチルヘプチル基を有するメルク社製の「S−811」、チッソ社製の「CM−21」、「CM−22」、キラル基としてイソソルビド骨格を有するBASF社の「LC756」、特表2009−515818号公報、特開2010−90108号公報、特開2013−87109号公報等に示されている重合性のキラル化合物などが挙げられる。
キラル化合物を含有する場合は、本発明の重合性液晶組成物の重合体の用途によるが、得られる重合体の厚み(d)を重合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)が0.1〜100の範囲となる量を添加することが好ましく、0.1〜20の範囲となる量がさらに好ましい。
(配向材料)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物は、前記液晶素子の配向を制御するために配向材料を含有することができる。本発明に用いられる配向材料は、前記液晶組成物中に溶解する範囲で公知慣用のものが用いられる。そのような配向材料としては、例えば、メソゲン骨格の一方の末端に極性基、もう一方の末端に長鎖アルキル基を有する重合性化合物やメソゲン骨格のラテラル位に極性基を有する重合性液晶化合物、複数のメソゲン骨格を有し、かつ、一方のメソゲン骨格とメソゲン骨格を結合する長鎖アルキル基の側鎖に極性基を有する重合性化合物等が挙げられる。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物において、該液晶組成物中に含まれる重合性化合物の総量の割合の下限は、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物の合計量の3質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることが好ましく、13質量%以上であることが好ましい。また、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物において、該液晶組成物中に含まれる重合性化合物の総量の割合の上限は、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることが好ましい。液晶組成物中に含まれる重合性化合物の総量とは、液晶組成物内に含有する全ての重合性化合物の合計量を意味するものであり、例えば、第1成分であるメソゲン性骨格を有する重合性化合物と、第3成分である極性基を有する重合性化合物と、任意に含有する第5成分のメソゲン骨格を有さない重合性化合物の総量で表される。
<ポリマーネットワーク型液晶素子>
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物を用いたポリマーネットワーク型液晶素子は、少なくとも液晶とネットワークポリマーが相分離している層(相分離液晶層)、電極、及び、基材を備える。あるいは、相分離液晶層、垂直配向膜相、電極、及び、前記相分離液晶層、垂直配向膜相及び電極を支持する基材を備える。
本発明の前記液晶素子は、上記要素を備えるものであれば、具体的な実施形態は特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも一方に電極を有する2枚の基材と垂直配向膜とから構成される中空素子中に相分離液晶層が狭持された構成としてよい。
本発明の前記液晶素子は、無電源状態において相分離液晶層中の液晶のホメオトロピック配向が維持されるものである。このため、いわゆるリバースモードで駆動可能な素子として利用できる。すなわち、該液晶素子は、電圧無印加時には透明状態であり、電圧印加時には散乱状態とすることができる。
本発明の前記液晶素子は、垂直配向膜のみならず、配向性重合体からなる緻密なポリマーネットワークによっても液晶分子の配向が制御されている。よって、本発明の液晶素子は、外的な応力による配向乱れを起こしにくく、高い応力耐性を有する。本発明の前記液晶素子は、曲げ応力加わる環境下でも表示不良を起こしにくいため、屈曲可能なものとすることができる。従って、本発明の前記液晶素子は、素子表面が局面であってもよい。
以下、図面を用いて本発明の液晶素子の好ましい実施形態の一例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子は、電圧印加により液晶分子の配向を制御できるよう構成されればよいが、垂直電界型液晶素子として構成されることが好ましい。垂直電界型液晶素子は、ホメオトロピック配向膜に対して垂直に電界が生じるように電極が配置された液晶素子である。垂直電界型液晶素子においては、通常、相分離液晶層を狭持する2つの透明基板の両方に電極が設けられる。
図1は、電圧無印加時の垂直電界型液晶素子の構成を模式的に示す図である。以下、図1を参照して、本発明に係る垂直電界型の液晶素子を説明する。
本発明に係るポリマーネットワーク垂直電界型の液晶素子の構成は、図1に記載するように、それぞれ透明導電性材料からなる透明電極(層)2を具備した第一の基板11と第二の基板12、前記第一の基板11と第二の基板12との間に挟持された相分離液晶層を有し、該相分離液晶層中の液晶分子の電圧無印加時の配向がホメオトロピック配向膜3に対して略垂直である液晶素子である。相分離液晶層は、液晶組成物に含まれる液晶分子4と配向性重合体5によって構成される。なお、図1では便宜上、配向性重合体5は固定された多数の重合性化合物によって表現しているが、実際は各重合性化合物同士が複雑に繋がったポリマーネットワークを形成している。さらに、相分離液晶層と直接接するよう一対のホメオトロピック配向膜3が透明電極(層)2表面に形成されている。
すなわち、本発明に係るポリマーネットワーク垂直電界型液晶素子は、第一の基板11と、電極2と、ホメオトロピック配向膜3と、液晶分子4と配向性重合体5が相分離してなる複合層と、ホメオトロピック配向膜3と、電極2と、第二の基板12と、が順次積層された構成である。
図2は、電圧印加時の垂直電界型素子の構成の一例を模式的に示す図である。
電極への電圧印加により、垂直電界型液晶素子は、図1の状態から図2の状態に遷移する。このとき、液晶分子4が垂直電界の発生により、ホメオトロピック配向膜に対して平行方向に配向する。図2に示す垂直電界型液晶素子は、相分離液晶層における液晶分子4と配向性重合体5との配向方向が異なるため、それぞれの成分の界面にて光散乱が起こり、垂直電界型液晶素子として光が非透過の状態となる。
このように、本発明の垂直電界型液晶素子は電圧印加の有無により光の透過状態を変化させられるため、調光機能が求められる装置に組み込んで用いる液晶調光素子や、映像表示用ディスプレイに用いられる液晶表示素子として利用することができる。特に、本発明の垂直電界型液晶素子はリバースモードで駆動可能なため、省電力性、停電時や無電源下での透過性が求められる用途に特に好適である。(基材:基板11及び基板12)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子に用いられる基材は、液晶表示素子、有機発光表示素子、その他表示素子、光学部品、調光素子、着色剤、マーキング、印刷物や光学フィルムに通常使用する基材であって、前記液晶素子の製造工程における加熱、及び、使用される温度範囲において耐えうる耐熱性、あるいは、透過性を重視する用途においては、実用に耐えうる透明性を有する材料であれば、特に制限はない。
そのような基材としては、ガラス基材、金属基材、セラミックス基材、プラスチック基材や紙等の有機材料が挙げられる。特に基材が有機材料の場合、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン又はポリスチレン等が挙げられる。中でもポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチック基材が好ましい。
図1の基板11及び基板12のように2枚の基板を有する場合、一方の基板が液晶素子として実用性を有する透明性を具備すればよく、他方の基板は、透明性を具備していてもいなくてもよい。
基材の形状としては、図1の例では平板の形状を示したが、曲面を有するもののような他の形状であっても良い。また、基材は、必要に応じて、電極層、反射防止機能、反射機能を有していてもよい。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子における密着性向上のために、これらの基材の表面処理を行っても良い。表面処理として、オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、シランカップリング処理などが挙げられる。また、光の透過率や反射率を調節するために、基材表面に有機薄膜、無機酸化物薄膜や金属薄膜等を蒸着など方法によって設ける、あるいは、光学的な付加価値をつけるために、基材がピックアップレンズ、ロッドレンズ、光ディスク、位相差フィルム、光拡散フィルム、マイクロレンズシート、カラーフィルター、等であっても良い。
(電極:透明電極層2)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子に用いられる電極は、液晶素子中において、相分離液晶層中の液晶分子を配向制御可能な電界を生じるように設けられる。電界強度は、電極への電圧印加の程度により制御される。
電極の形状は特に限定されず、導電部がストライプ状もしくはメッシュ状、またはランダムな網目状であってよい。
このような電極材料としては、金属材料で構成することが好ましく、具体的には、Al、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Niまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金が挙げられ、AlまたはAlを含む合金が好ましい。
液晶素子の透明性を高めるためには、図1に示すように、電極を透明電極層2で構成することが好ましい。このような透明電極層は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)のような公知の透明導電性材料で構成することができる。また、一方の基板が透明性を有さない材料で構成される場合には、該透明性を有さない基板上に設けられる電極も透明性を有する必要はなく、公知の金属材料から適宜選択することができる。
(垂直配向膜層:配向層3)
上記基材には、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子中の液晶分子が水平配向、あるいは、垂直配向するように、配向処理が施されている、あるいは配向膜が設けられていても良い。配向処理としては、延伸処理、ラビング処理、偏光紫外可視光照射処理、イオンビーム処理、基材へのSiOの斜方蒸着処理、等が挙げられる。図1に示すように垂直配向膜を用いる場合、配向膜は公知慣用のものが用いられる。そのような配向膜としては、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、アゾ化合物、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等の化合物、もしくは、前記化合物の重合体や共重合体が挙げられる。前記液晶分子にチルト角を付与するために、ラビング処理を行う場合、ラビングにより配向処理する化合物は、配向処理、もしくは配向処理の後に加熱工程を入れることで材料の結晶化が促進されるものが好ましい。ラビング以外の配向処理を行う化合物の中では光配向材料を用いることが好ましい。
一般に、配向機能を有する基板に液晶組成物を接触させた場合、液晶分子は基板付近で基板を配向処理した方向に沿って配向する。液晶分子が基板と水平に配向するか、傾斜あるいは垂直して配向するかは、基板への配向処理方法による影響が大きい。
(液晶素子の製造方法の例)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子は、生産性の観点から、例えば基材と基材との間に空間を有するような形状の中空素子、いわゆる空セルにポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物を狭持させた重合性液晶素子から作製することが好ましい。重合性液晶素子中において、複合液晶組成物中の液晶性化合物やメソゲン基を有する重合性化合物は、垂直配向膜の配向規制力によってホメオトロピック配向状態にある。または、水平配向膜の規制力によってホモジニアス配向状態にある。この配向状態下に、複合液晶組成物中の重合性化合物を上述の方法により紫外線硬化し、複合液晶組成物から相分離液晶層を形成することで、ポリマーネットワーク型液晶素子が得られる。
中空素子にポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物を狭持させる方法は、常法でよく、真空注入法、ODF法、ロールtoロール法、ロールtoシート法などを用いることができる。ODF法の前記液晶素子製造工程においては、中空素子のバックプレーンまたはフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の前記液晶組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって前記液晶素子を製造することができる。本発明に用いられるポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物は、相安定性が高く揮発しにくいため、ODF工程に好適に使用することができる。
また、ロールtoロール法による前記液晶組成の製造工程においては、第一の電極、または、配向膜と第一の電極を有するガラス基材、あるいは、プラスチック基材上に前記ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物を塗布し、第二の電極、または、配向膜と第二の電極を有するガラス基材、あるいは、プラスチック基材の前記電極側、または前記配向膜側と前記液晶組成物が接するように貼り合せ、厚みを均一にすることで、前記液晶素子を製造することもできる。本発明に用いられるポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物を塗布する方法としては、アプリケーター法、バーコーティング法、ロールコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法等、公知慣用の方法を行うことができる。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物を、液晶素子の厚みを決定するための粒子を混合した組成物として、該組成物を中空素子に狭持させてもよい。そのような粒子としては、一般的な液晶表示素子や液晶ディスプレイに用いられる公知慣用のガラス粒子やポリマー粒子が用いられる。
その場合、前記ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物、及び、前記液晶素子の厚みを決定する粒子を含む組成物を第一の電極を含有するプラスチック基材上に塗布した後、第二の電極を含有するプラスチック基材を前記第一の電極と前記第二の電極が対向するように貼り合せ、前記第一のプラスチック基材と前記第二のプラスチック基材に圧力をかけた状態で紫外線を照射する方法、あるいは、前記液晶素子用液晶性組成物、及び、前記液晶素子の厚みを決定する粒子を含む組成物を第一の電極を含有する第一のプラスチック基材上に塗布した後、前記第一のプラスチック基材、及び、前記塗布された液晶性組成物を真空状態にし、第二の電極を含有する第二のプラスチック基材を前記第一の電極と前記第二の電極が対向するように貼り合せた真空状態で紫外線を照射する方法が好ましい。
(重合方法)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶組成物を重合させる方法としては、活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等が挙げられる。得られるポリマーネットワーク型液晶素子の用途に応じて、適宜選択される。
紫外線等の光を照射する場合、照射時の温度は、本発明の前記液晶組成物が液晶相を保持できる温度とすることが好ましい。加熱をする場合は、前記液晶組成物中の重合性化合物成分が十分重合して液晶組成物成分と相分離構造を形成するまでは、本発明の前記液晶組成物が液晶相を保持できる温度が好ましく、前記相分離構造が形成された後は、液晶相を保持できる温度でなくても構わない。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子は、そのまま使用することも、他の基材に貼り合せて使用することもできる。また、接着剤や接着層、粘着剤や粘着層、保護フィルムや偏光フィルム等が積層されていてもよい。
(その他の電界型)
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子には、上記垂直電界型の他、横電界型やその他の電界型を採用してもよい。FFS駆動モードに採用されるフリンジ電界を採用してもよい。この場合、垂直配向層に変えて水平配向層を設けてもよい。水平配向層は公知の材料で構成できる。
本発明のポリマーネットワーク型液晶素子は、たとえば、建材、調光ガラス、車載向けのスマートウィンドウ又はOLEDディスプレイにおける調光ユニット等に用いることが好ましい。本発明の液晶表示素子は、従来の高分子分散型液晶表示素子と同様な用途に用いることができるほか、特に透過型ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ等にも好ましく用いることができる。より具体的には、窓、天窓、屋根、壁、仕切り、間仕切り、扉等の建築用調光素子、扉、窓、ドア、ヘルメット、サンルーフ等の輸送用調光素子、サングラス、眼鏡、サンバイザー、時計、鏡、反射板等の装飾用調光素子、フレキシブル液晶表示素子、反射型液晶表示素子、透明液晶表示素子、可変式拡散フィルム等のディスプレイ用部材等の物品に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「部」は「重量部」を意味する。
各実施例及び参考例中で用いた液晶化合物(A−1)〜(A−14)、及び、(N−1)〜(N−20)の構造は次式の通りである。また、各実施例及び参考例で用いた液晶組成物(LC−1)〜(LC−7)は表1に示す。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
KEMISORB71:ケミプロ化成株式会社製
イルガキュア1076:BASFジャパン株式会社製
各実施例及び参考例中で用いたメソゲン骨格を有する重合性化合物(1−A)〜(1−H)、及び、(2−A)〜(2−C)の構造は次式の通りである。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
各実施例及び参考例で用いた極性基を有する重合性化合物、及び、メソゲン骨格を有さない重合性化合物の構造は以下のとおりである。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
Figure 2020139153
各実施例及び参考例で用いたメソゲン骨格を有する重合性化合物、極性基を有する重合性化合物、メソゲン骨格を有さない重合性化合物、及び、重合開始剤の組み合わせである重合性組成物は、表2、及び、表3に示す。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
(5−A):2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン
(5−B):2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
(実施例1)
液晶組成物「LC−1」を85重量部、重合性組成物「M−1」15重量部を混合して、ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物(重合性液晶組成物1)を調製した。得られた重合性液晶組成物1は、常温でネマチック相を示した。
厚み188μm、10cm×10cmのITO透明電極付のPETフィルムに垂直配向膜用ポリイミド溶液を約0.1μmになるように塗布、乾燥、焼成して得られた電極基材の垂直配向膜側に5μmの球状スペーサー粒子のエタノール分散液を塗布、乾燥後、ディスペンサーを用いて前記重合性液晶組成物1を滴下し、前記電極基材の垂直配向膜側と接するようにして前記重合性液晶組成物1の上に貼り合せた。その際、電気光学特性の評価が行えるように、各々基材を5mmずらして貼り合せた。
次いで、前記貼り合せ基材に圧力をかけ、全体の厚みをほぼ一定にした後、前記貼り合せ基材を25±1℃に保ちながら紫外線を照射し、ポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。このとき、紫外線光源はメタルハライドランプを用い、紫外線を15mW/cmの照度で200秒間照射(計3.0J/cm)した。照度はウシオ電機社製の受光器UVD−365PD付きユニメータUIT−101を用いて測定した。
得られた液晶素子は、電圧無印加時、透明状態で散乱は観察されず、液晶が垂直配向していることが確認された。
電気光学特性の測定は、得られた液晶素子に対して法線方向に測定光を入射させたときの液晶素子のヘイズ(Hz)を、ヘイズメーター(日本電色工業社製NDH−7000)を用いて測定することにより行った。ヘイズの値は、全光線透過率(TT)と平行光線透過率(PT)とから、次の式で求められた。
Hz=[{TT−PT}/TT]×100 (%)
得られた液晶素子の電圧印加前のヘイズは1.5%であった。前記液晶素子にAC60V(60Hz、矩形波)の電圧を印加した状態でヘイズを測定したところ、ヘイズは86.5%であった。
ヘイズOFF: 電圧無印加時の全光線透過率に占める拡散光線透過率の割合
ヘイズON:電圧印加時の全光線透過率に占める拡散光線透過率の割合
得られた液晶素子の密着性は、以下の方法で行った。
(円筒マンドレル法)
得られた液晶素子をカッターで、幅が1.5cmになるように切り、円筒形マンドレル屈曲試験機に固定した後、2秒かけて180°曲げ、外観を観察した。剥離が起きなかった最小径は25mmであった。なお、前記マンドレル屈曲試験機で使用したマンドレル径は、10、12、16、20、25、32mmの6種類であった。
(高温高湿耐久性)
得られた液晶素子を85℃、相対湿度85%の恒温恒湿機に入れ、24時間、96時間、504時間後に取り出し、前記液晶素子の端面を目視で観察し、さらに前記液晶素子を手で曲げて、基材との剥離状態を観察した。前記液晶素子は、504時間後も剥離が見られなかった。なお、評価基準は以下のとおりである。
◎: 85℃/85%、504時間の高温高湿保存後に基材から剥離なし
○: 85℃/85%、96時間の高温高湿保存後に基材から剥離なし、
500時間後の高温高湿後に基材からの剥離あり
×: 85℃/85%、24時間の高温保存後に基板から剥離なし、
100時間後の高温高湿後に基材からの剥離あり
(実施例2〜実施例21、参考例1)
実施例2〜実施例21、及び、参考例1において、液晶組成物(LC−1)、重合性組成物(M−1)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。
各々得られた結果を表4に示す。
Figure 2020139153
実施例2〜21のポリマーネットワーク含有液晶素子は、いずれも良好な電気光学特性、及び、良好な密着性を示すことがわかった。
(実施例22)
液晶組成物「LC−2」を85重量部、重合性組成物「M−18」15重量部を混合した。次いで、5μmの球状スペーサー粒子0.5重量部を加え、攪拌機によって攪拌することでポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物(重合性液晶組成物22)を調製した。
厚み125μm、10cm×10cmのITO透明電極付のPETフィルムにUVオゾン処理装置(フィルジェン社製UV253)を用いて表面処理を行った後、得られた電極基材のITO側にディスペンサーを用いて前記重合性液晶組成物22を滴下し、前記電極基材のITO側と接するようにして前記重合性液晶組成物22の上に貼り合せた。その際、電気光学特性の評価が行えるように、各々基材を5mmずらして貼り合せた。
次いで、前記貼り合せ基材に圧力をかけ、全体の厚みをほぼ一定にした後、圧力を保持した状態で前記貼り合せ基材を25±1℃に保ちながら紫外線を照射し、ポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。このとき、紫外線光源はメタルハライドランプを用い、紫外線を15mW/cmの照度で200秒間照射(計3.0J/cm)した。
得られた液晶素子は、電圧無印加時、透明状態で散乱は観察されず、液晶が垂直配向していることが確認された。
得られた液晶素子の電圧印加前のヘイズは2.1%であった。前記液晶素子にAC60V(60Hz、矩形波)の電圧を印加した状態でヘイズを測定したところ、ヘイズは89.2%であった。
得られた液晶素子をカッターで、幅が1.5cmになるように切り、円筒形マンドレル屈曲試験機に固定した後、2秒かけて180°曲げ、外観を観察した。剥離が起きなかった最小径は16mmであった。
得られた液晶素子を85℃、相対湿度85%の恒温恒湿機に入れ、24時間、96時間、504時間後に取り出し、前記液晶素子の端面を目視で観察し、さらに前記液晶素子を手で曲げて、基材との剥離状態を観察した。前記液晶素子は、504時間後も剥離が見られなかった。
(実施例23〜25)
実施例23〜実施例25において、液晶組成物(LC−2)、重合性組成物(M−18)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。
得られた結果を表5に示す。
Figure 2020139153
実施例23〜実施例25のリマーネットワーク含有液晶素子は、いずれも良好な電気光学特性、及び、良好な密着性を示すことがわかった。
(実施例26)
液晶組成物「LC−2」を85重量部、重合性組成物「M−4」15重量部を混合して、ポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物(重合性液晶組成物26)を調製した。得られた重合性液晶組成物26は、常温でネマチック相を示した。
厚み125μm、10cm×10cmのITO透明電極付のPETフィルムにポリビニルアルコール(PVA)水溶液を約0.05μmになるように塗布、乾燥して得られた電極基材のPVA側に5μmの球状スペーサー粒子のエタノール分散液を塗布、乾燥後、得られた電極基材のPVA側にディスペンサーを用いて前記重合性液晶組成物26を滴下し、前記電極基材のITO側と接するようにして前記重合性液晶組成物26の上に貼り合せた。その際、電気光学特性の評価が行えるように、各々基材を5mmずらして貼り合せた。
次いで、前記貼り合せ基材に圧力をかけ、全体の厚みをほぼ一定にした後、移動式でかつ、上面が透過性の真空チャンバーに前記貼り合せ基材を入れ、前記チャンバーの圧力が1kPaになるまで真空引きを行い、その後、前記貼り合せ基材を25±1℃に保ちながら紫外線を照射し、ポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。このとき、紫外線光源はメタルハライドランプを用い、紫外線を15mW/cmの照度で200秒間照射(計3.0J/cm)した。
得られた液晶素子は、電圧無印加時、透明状態で散乱は観察されず、液晶が垂直配向していることが確認された。
得られた液晶素子の電圧印加前のヘイズは2.0%であった。前記液晶素子にAC60V(60Hz、矩形波)の電圧を印加した状態でヘイズを測定したところ、ヘイズは86.3%であった。
得られた液晶素子をカッターで、幅が1.5cmになるように切り、円筒形マンドレル屈曲試験機に固定した後、2秒かけて180°曲げ、外観を観察した。剥離が起きなかった最小径は12mmであった。
得られた液晶素子を85℃、相対湿度85%の恒温恒湿機に入れ、24時間、96時間、504時間後に取り出し、前記液晶素子の端面を目視で観察し、さらに前記液晶素子を手で曲げて、基材との剥離状態を観察した。前記液晶素子は、504時間後も剥離が見られなかった。
(実施例27〜31)
実施例27〜実施例31において、液晶組成物(LC−2)、重合性組成物(M−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。
得られた結果を表6に示す。
Figure 2020139153
実施例27〜実施例31のポリマーネットワーク含有液晶素子は、いずれも良好な電気光学特性、及び、良好な密着性を示すことがわかった。
(実施例32)
実施例2で用いた厚み188μm、10cm×10cmのITO透明電極付のPETフィルムを厚さ50μm、10cm×10cmのITO透明電極付のポリイミドフィルムに代えた以外は、実施例2と同様にしてポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。
(実施例33)
実施例26で用いた厚み125μm、10cm×10cmのITO透明電極付のPETフィルムを厚み100μm、10cm×10cmのITO透明電極付のポリカーボネートフィルムに代えた以外は、実施例29と同様にしてポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。
実施例32、及び、実施例33の結果を表7に示す。
Figure 2020139153
実施例32、及び、実施例33のポリマーネットワーク含有液晶素子は、いずれも良好な電気光学特性、及び、良好な密着性を示すことがわかった。
(実施例34〜38)
液晶組成物を(LC−2)に、重合性組成物を表8に示す(M−26〜M−30)に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリマーネットワーク含有液晶素子を作製した。各々得られた特性を表9に示す。
Figure 2020139153
Figure 2020139153
実施例34〜38ポリマーネットワーク含有液晶素子は、いずれも良好な電気光学特性、OFF時の低ヘイズを示し、さらに、本発明における一般式(2)で表されスペーサー基を有するメソゲン性骨格を有する重合性化合物を含有することから良好な密着性を示すことがわかった。
以上の結果から、本発明のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物、及び、それを用いたリマーネットワーク含有液晶素子は、良好な電気光学特性、及び、基材とポリマーネットワーク型液晶素子との良好な密着性を得ることができる。
11…第一の透明基板
12…第二の透明基板
2…電極
3…垂直配向膜
4…液晶分子
5…配向性重合体

Claims (11)

  1. 第1成分〜第3成分を必須成分として含有するポリマーネットワーク型液晶性組成物において、第1成分としてメソゲン性骨格を有する重合性化合物を該組成物中に5〜60質量%、第2成分として負の誘電率を有する液晶性化合物、第3成分としてメソゲン性骨格を有さず、極性基を有する重合性化合物を含有することを特徴とするポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物。
  2. 前記第1成分のメソゲン性骨格を有する重合性化合物として、一般式(I)で表される化合物を1種または2種以上含有する請求項1に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物。
    Figure 2020139153
    (式中、P、Pは各々独立して重合性基を表し、
    、Sは各々独立してスペーサー基又は単結合を表し、
    、Xは、S1又はSへの結合手を左端の結合として表記する場合において、各々独立して、−O−、−S−、−OCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、
    −COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し(ただし、P−S−X−及びP−S−X−で表される基中には−O−O−を含まない。)、
    は、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−RZ1−、−OCO−RZ1−、−RZ1−COO−、−RZ1−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−CHCH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表し(ただし、−RZ1−は、炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。)、Zが複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く、
    、Aは各々独立して、2価の芳香環、脂環、複素環及び縮合環から選択される基を表し、Aが複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く、
    nは各々独立して1〜9の整数を表す。)
  3. 請求項2に記載の前記第1成分に加えて、第1成分のメソゲン性骨格を有する重合性化合物として、一般式(2)、(4)〜(8)で表される化合物群から選択される化合物を1種または2種以上含有する請求項2に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物。
    Figure 2020139153
    (上記式(2)〜(8)中、P11〜P74は、下記式(P−1)〜式(P−20)
    Figure 2020139153
    から選択される基を表し、
    11〜X72は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、X11〜X72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く(ただし、各P−(S−X)−結合には−O−O−を含まない。)、
    11〜S72は各々独立して炭素原子数1〜18のアルキレン基(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または前述の重合性基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い)又は単結合を表し、
    11、M31、M51、M71は、各々独立して、下記一般式(9−a)で表されるメソゲン基
    Figure 2020139153
    (一般式(9−a)中、A91、A92、A93は各々独立して少なくとも環構造を1つ以上有する2価の基であり、前記2価の基は1,2−シクロプロピレン基、1,3−シクロブチレン基、2,5−シクロペンチレン基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−1,5−ジイル基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−1,6−ジイル基、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−2,5−ジイル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]−1,3−ジイル基、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフチレン−1,4−ジイル基、ナフチレン−1,5−ジイル基、ナフチレン−1,6−ジイル基、ナフチレン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、ベンゾチアゾール基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良いが、A91及び/又はA92が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
    91及びZ92は各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、Z91及び/又はZ92が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
    j91及びj92は、各々独立して0〜4を表すが、j91+j92は1〜4の整数を表し、
    はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−N=N−、−CR=N−N=CR−、又は−C≡C−によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状、分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い(なお、Rは水素原子、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良い。)。)
    を表し、
    41は、前記A91、A92、A93として例示した環構造を有する3価の有機基であり、
    61は前記A91、A92、A93として例示した環構造を有する4価の有機基であり、
    11は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は−C≡C−によって置換されても良く、
    m1〜m7、n2〜n7、l4〜l6、k6は各々独立して0から5の整数を表す。)
  4. 前記第2成分の負の誘電率を有する液晶性化合物として、一般式(IIa)で表される化合物を1種または2種以上含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物。
    Figure 2020139153
    (式中R41及びR44はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−又は−S−に置換されていても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、
    41、M42及びM43はお互い独立して、
    (a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
    (c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
    (d) 1,4−シクロヘキセニレン基
    からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
    41、L42及びL43はお互い独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−又は−C≡C−を表し、M42、M4341及び/又はL43が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、
    41及びX42はフッ素原子、塩素原子、又はシアノ基を表し、
    u及びvはお互い独立して、0、1又は2を表すが、u+vは2以下である。)
  5. 前記第3成分のメソゲン性骨格を有さず極性基を有する重合性化合物として、一般式(III)で表される化合物を1種または2種以上含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物。
    Figure 2020139153
    (式中、PPは重合性基を表し、
    SSは炭素原子数1〜18のアルキレン基(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CH(OH)−、CH(COOH)、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い)、又は単結合を表し、
    XXは、−OH、−COOH、CONR、−SH、−NR、−NCO、−CN、−NO、−Si(OH)3−α(CHα、−P(=O)(OH)、又は−P(=O)(OH)−(R、Rは各々独立して、水素、または炭素数1〜3のアルキル基を表し、αは1〜2の整数を表す。)を表し、
    nn1は、XXが−OH、−COOH、CONR、−SH、−NR、−NCO、−CN、−NO、−Si(OH)3−α(CHα、−P(=O)(OH)を表す場合は1を表し、XXが−P(=O)(OH)−を表す場合は2を表す。)
  6. 第4成分として重合開始剤を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物。
  7. 第5成分として、メソゲン性骨格を有さない重合性化合物、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定剤、粒子径が1μm未満の粒子、染料、顔料から選択されるいずれか1種または2種以上含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶性組成物を用いたポリマーネットワーク型液晶素子。
  9. 請求項8に記載のポリマーネットワーク型液晶素子を用いた物品。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物を第一の電極を含有するプラスチック基材上に塗布した後、第二の電極を含有するプラスチック基材を前記第一の電極と前記第二の電極が対向するように貼り合せ、前記第一のプラスチック基材と前記第二のプラスチック基材に圧力をかけた状態で紫外線を照射するポリマーネットワーク型液晶素子の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマーネットワーク型液晶素子用液晶性組成物を第一の電極を含有する第一のプラスチック基材上に塗布した後、前記第一のプラスチック基材、及び、前記塗布された液晶性組成物を真空状態にし、第二の電極を含有する第二のプラスチック基材を前記第一の電極と前記第二の電極が対向するように貼り合せた真空状態で紫外線を照射するポリマーネットワーク型液晶素子の製造方法。
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