JP7283651B2 - 液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示素子及び液晶表示素子の製造方法に関する。
近年、情報化社会の進展に伴い、人と情報とを繋ぐデバイスとして、電子ディスプレイの重要性が高まってきている。現在、普及しているフラットパネルディスプレイは、主に基板としてガラスを用いているが、衝撃により破損すること、湾曲面への設置が困難であり、使用する環境に制約がある。
これらに対して、近年、フレキシブルディスプレイの実現が期待されている。フレキシブルディスプレイは、従来用いられてきたガラス基板に代わり、柔軟なプラスチック製の基板を用いて構成されていることから、高い衝撃耐性を有しており、また湾曲面への設置が可能となることから、自動車の車内をはじめとして様々な環境において情報表示が可能であるという利点を有している。
現在、フレキシブルディスプレイのデバイス方式として、有機EL方式と液晶方式が主に検討されているが、液晶ディスプレイ(LCD)は、水蒸気や酸素に対する材料劣化が少なく、基板に高度なガスバリア性を必要としないこと、また、高精細化が可能という利点を有している。しかし、プラスチック基板を用いたフレキシブル液晶ディスプレイ(フレキシブルLCD)は、液晶を2枚の基板で挟み込む構造であることから、湾曲時に、上下の基板間で圧縮力の働く箇所と拡張力の働く箇所が生じたり、ずり変形が生じたりして、曲率や伸縮に差が生じ、この結果、液晶層のセル厚さが変化して表示画像の品位が低下するという問題を有していた(図22)。したがって、フレキシブルLCDの実現において、湾曲時における液晶層のセル厚さの変化を抑制する構造の実現が重要な課題となる。
湾曲時における液晶層のセル厚さの変化を抑えるため、これまでに2枚の基板を接合する作用を有する壁形状の高分子スペーサーが提案されている(特許文献1~4)。例えば、図23に示されるフレキシブルLCDにおいて、高分子スペーサー14は、光重合性のモノマーを混合した液晶組成物(重合性液晶組成物)に対し、所定のパターンを有する光学マスク越しに紫外線を照射してパターン露光することで、紫外線が照射された領域(すなわち、露光領域)に高分子を析出させることにより形成する。高分子スペーサー14の形成により、2枚のプラスチック基板間の厚さ及びセル厚さを一定に保ち、基板11と基板12との間が接着されていることから、湾曲時の表示の乱れや、湾曲によるディスプレイの変形・破損のリスクを大幅に低減することが可能である。
特開平06-160818号公報 特開平09-318931号公報 特開平10-123535号公報 特開2017-058678号公報
しかし、高分子スペーサー14を有する従来の液晶表示素子では、パターン露光の際に、光学マスク17によりマスクされた領域(すなわち、マスク領域M)に漏れ出た紫外光によるモノマーの重合や、露光領域Pからマスク領域Mへのポリマーの伸長により、マスク領域Mに高分子ネットワークが析出する(図24)。析出した高分子ネットワークは液晶分子を束縛し、マスク領域M(すなわち、画素領域)の液晶の電圧応答を阻害する。その結果、液晶分子の動きが束縛されることによる駆動電圧の上昇と、高分子ネットワークの複屈折効果によるコントラスト比の低下の問題を引き起こしている。
そこで、本発明は、湾曲時に表示画像の品位低下を防ぐことができ、かつ、低電圧駆動性及びコントラスト比に優れる液晶表示素子、液晶表示素子の製造方法、及び重合性液晶組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ね、高分子の重合反応を停止させる作用を有する重合禁止剤を重合性液晶組成物の材料系に混合することを試みた結果、露光領域からマスク領域へ伸長する高分子ネットワークの析出を抑制しつつ、高分子壁構造のスペーサーを露光領域に形成させることにより、湾曲時に表示画像の品位低下を防ぐことができ、かつ、低電圧駆動性及びコントラスト比に優れる液晶表示素子を見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1] 少なくとも一方の基板に電極を有する一対の基板と、前記一対の基板の間に、液晶組成物を含有する液晶層及び高分子スペーサーとを備え、
前記高分子スペーサーが、少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有する重合性組成物の硬化物である液晶表示素子。
[2] 前記一対の基板が可撓性を有する前記[1]に記載の液晶表示素子。
[3] 前記液晶組成物が、下記一般式(J)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有する前記[1]又は[2]に記載の液晶表示素子。
Figure 0007283651000001
(式中、RJ1は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
J1は、0、1、2、3又は4を表し、
J1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、
J1及びZJ2はそれぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表し、
J1が2、3又は4であってAJ2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nJ1が2、3又は4であってZJ1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
J1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエチル基を表す。)
[4] 前記重合性組成物が、前記少なくとも1つの重合性基を有する化合物として、少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物を1種類又は2種類以上含有する、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
[5] 少なくとも一方の基板に電極を有する一対の基板の間に、少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有する重合性組成物、並びに液晶組成物を狭持させた後に、
前記重合性組成物に、光学マスクを用いてエネルギー線をパターン露光することにより、エネルギー線が照射された領域に、前記重合性組成物の硬化物からなる高分子スペーサーを形成させる液晶表示素子の製造方法。
[6] 少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有する重合性組成物、並びに液晶組成物を含有する重合性液晶組成物。
本発明の液晶表示素子は、湾曲時に表示画像の品位低下を防ぐことができ、かつ、低電圧駆動性及びコントラスト比に優れる。
本発明に係る液晶表示素子の例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶表示素子の製造方法の例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶表示素子の、(a)偏光顕微鏡画像、(b)顕微鏡画像、及び(c)電子顕微鏡(SEM)画像の例である。 比較例に係る液晶表示素子の、(a)偏光顕微鏡画像、(b)顕微鏡画像、及び(c)電子顕微鏡(SEM)画像である。 本発明の実施例及び比較例に係る液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。 本発明に係る液晶表示素子の、電圧印加時の偏光顕微鏡画像の例である。 本発明に係る液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果の例を示すグラフである。 本発明に係る液晶表示素子の、各製造時の電圧印加時の偏光顕微鏡画像の例である。 本発明に係る液晶表示素子の、電圧印加時の偏光顕微鏡画像の例である。 本発明に係る液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果の例を示すグラフである。 本発明に係る全面露光前後の液晶表示素子の、電圧印加時の偏光顕微鏡画像の例である。 本発明に係る全面露光前後の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果の例を示すグラフである。 本発明に係る全面露光後の液晶表示素子の、電圧印加時の偏光顕微鏡画像の例である。 本発明に係る全面露光後の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果の例を示すグラフである。 本発明の実施例及び比較例に係る液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果の例を示すグラフである。 図16(a)は、本発明に係る液晶表示素子の、電圧無印加時の偏光顕微鏡画像であり、図16(b)は、その本発明に係る液晶表示素子について、電圧無印加時にピンセットで荷重を印加したときの偏光顕微鏡画像である。図16(c)は、比較例に係る液晶表示素子の、電圧無印加時の偏光顕微鏡画像であり、図16(d)は、その比較例に係る液晶表示素子について、電圧無印加時にピンセットで荷重を印加したときの偏光顕微鏡画像である。 実施例及び比較例で用いた光学マスクを示す概略平面図である。 本発明に係る液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果の例を示すグラフである。 本発明に係る液晶表示素子の、偏光顕微鏡画像の例である。 本発明に係る液晶表示素子の、偏光顕微鏡画像の例である。 本発明に係る液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果の例を示すグラフである。 従来の液晶表示素子の例を示す概略断面図である。 従来の液晶表示素子の例を示す概略断面図である。 従来の液晶表示素子の製造時の例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る液晶表示素子及びその製造方法を、図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
≪液晶表示素子≫
図1は、本発明に係る液晶表示素子10の例を示す概略断面図である。
本発明に係る液晶表示素子10は、少なくとも一方の基板11に電極18を有する一対の基板11,12と、一対の基板11,12の間に、液晶組成物を含有する液晶層13及び高分子スペーサー14とを備え、
高分子スペーサー14が、少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有する重合性組成物の硬化物である。
本発明に係る液晶表示素子10においては、高分子スペーサー14が、少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有する重合性組成物の硬化物でできているので、一対の基板の間を所定のセル厚さを保つように接着することができ、湾曲時に表示画像の品位低下を防ぐことができる。更に、後述の液晶表示素子の製造方法の説明において詳述するように、重合禁止剤が反応停止点15となって、マスク領域M(すなわち、画素領域)の液晶層に高分子ネットワークの析出を抑えることができ、液晶層に析出する高分子ネットワークが液晶分子を束縛することがなく、低電圧駆動性及びコントラスト比に優れるものとすることができる。
本発明においては、一対の基板11,12として同素材を使用しても異素材を使用してもよく、特に限定はない。一対の基板11,12は可撓性を有するものであることが好ましい。本発明に係る液晶表示素子10は、重合性組成物の硬化物である高分子スペーサー14が一対の基板11,12の間の間隔を一定に保つ働きをするので、一対の基板11,12が可撓性を有するものであっても、湾曲時に表示画像の品位低下を防ぐことができ、かつ、低電圧駆動性及びコントラスト比に優れるものとすることができる。一対の基板11,12がプラスチック基板であれば、ロールツウロール法による製造方法に適し且つ軽量化あるいはフレキシブル化に適しており好ましい。
液晶表示素子10において、高分子スペーサー14は、一対の基板11,12の間を接着して支えるものであり、一対の基板11,12が可撓性を有するものであるとき、液晶表示素子10に外力が加えられても、一対の基板11,12の間の間隔を一定に保つ働きをする。高分子スペーサー14の形状は、柱形状であってもよく、壁形状であってもよく、液晶表示素子10を湾曲させても、液晶組成物が、所定の画素領域に留まり他の画素領域に移ることのないよう、高分子壁構造を有する格子形状であることが好ましく、高分子壁構造を有する直交格子形状であることがより好ましい。
液晶表示素子10において、高分子スペーサー14が高分子壁構造を有する格子形状であるとき、高分子スペーサー14で囲まれた四辺形の一辺の長さは、1~1000μmであってもよく、2~1000μmであってもよく、5~1000μmであってもよく、10~1000μmであってもよく、10~800μmが好ましく、20~500μmがより好ましく、50~400μmが特に好ましい。高分子スペーサー14の高さは、液晶層のセル厚さを規定するものであり、0.5~100μmであってもよく、1.0~50μmが好ましく、1.5~40μmがより好ましく、2.0~20μmが特に好ましい。高分子スペーサー14の、高分子壁の幅は、0.1~100μmであってもよく、0.2~50μmであってもよく、0.5~10μmであってもよく、1.0~1000μmであってもよく、1.0~800μmであってもよく、1.5~80μmであってもよく、2.0~40μmが好ましく、4.0~20μmがより好ましく、5.0~15μmが特に好ましい。
液晶表示素子10は、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、IPS(イン・プレーン・スイッチング)モード、VA-IPSモード、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モード又はECBモード用液晶表示素子に適用できる。
液晶表示素子は、例えば、電極18を有する基板11と、基板11に対向し電極19を有する基板12との間に、液晶層13及び高分子スペーサー14とを備える構成であってもよく、配向膜35及び電極18を有する基板11と、基板11に対向し配向膜35及び電極19を有する基板12と、一対の基板11,12の間に、液晶層13及び高分子スペーサー14とを備える構成であってもよく、一対の基板11,12のうち、基板11がストライプ状の電極18及び電極19を有すると共に電極18及び電極19を絶縁する絶縁層並びに配向膜35を有し、基板12が基板11に対向する配向膜35を有し、一対の基板11,12の間に、液晶層13及び高分子スペーサー14を備える構成であってもよく、これらの構成に限られない。
一対の基板11,12は、実質的に透明であることが好ましく、プラスチック基板としてはセルロ-ス、トリアセチルセルロ-ス、ジアセチルセルロ-ス等のセルロ-ス誘導体、ポリシクロオレフィン誘導体、ポリエチレンテレフタレ-ト、ポリエチレンナフタレ-ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ-ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレ-ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、などを用いることができる。また、一対の基板の一方はシリコン等の不透明な材料でもよい。
一対の基板11,12が有する電極18,19の少なくとも一方は、透明電極であることが好ましい。例えば、透明な電極を有する基板として、プラスチック板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより、透明電極層を有する透明基板を得ることができる。
液晶表示素子10が、配向膜35を有していてもよい。一対の基板11,12の少なくとも一方の基板の表面に、ポリイミドやシランカップリング剤に代表される配向膜を形成することにより、基板に対して平行あるいは垂直に液晶分子を並べることができる。電極18,19の間に電圧を印加することにより、液晶分子の配向制御が可能である。この配向制御の方法は、現在広く用いられている液晶ディスプレイの作動原理を利用することができる。本発明に係る液晶表示素子10は、高分子スペーサー14を形成する際の重合性組成物が重合禁止剤を含有するので、露光領域からマスク領域へ伸長する高分子ネットワークの析出を抑制し、高分子スペーサー14を露光領域Pに形成させることができるので、低電圧駆動性及びコントラスト比に優れるものとすることができる。
液晶表示素子10が、偏光板20を有していてもよい。偏光板vを使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。また、2枚の偏光板20がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラストが良好になるように調整することもできる。
液晶表示素子10は、カラーフィルターを有していてもよい。カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法または、染色法等によって作製することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作製方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱または光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作製することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
液晶表示素子10が、カラーフィルターを有するとき、赤、緑、青のカラーフィルターの隔壁に重なる位置に高分子スペーサー14が設けられることが、表示光量を確保できる点から好ましい。
≪液晶表示素子の製造方法≫
図2は、本発明に係る液晶表示素子の製造方法の例を示す概略断面図である。
本発明に係る液晶表示素子10は、少なくとも一方の基板に電極を有する一対の基板11,12の間に、少なくとも1つの重合性基を有する化合物22及び重合禁止剤23を含有する重合性組成物、並びに液晶組成物21を狭持させた後に、前記重合性組成物に、光学マスク17を用いてエネルギー線をパターン露光することにより、エネルギー線が照射された領域(すなわち、露光領域P)に、前記重合性組成物の硬化物からなる高分子スペーサー14を形成させることにより、製造することができる。
一対の基板11,12の間に、少なくとも1つの重合性基を有する化合物22及び重合禁止剤23、必要により重合開始剤24を含有する重合性組成物、並びに液晶組成物21を狭持させると、図2(a)に示されるように、これらは、混合された状態で一対の基板11,12の間に存在する。
一対の基板11,12の間に、液晶組成物及び重合性組成物を狭持させる方法としては、通常の真空注入法、又はODF法などを用いることができる。一対の基板11,12の間に、液晶組成物及び重合性組成物を別々に狭持させることもできるが、液晶組成物及び重合性組成物を含有する重合性液晶組成物として、重合性液晶組成物の各成分があらかじめ分散された状態で一対の基板11,12の間に狭持させることが好ましい。
次に、一対の基板11,12の間の前記重合性組成物に対して、光学マスク17を用いて紫外線、電子線などの活性エネルギー線をパターン露光することにより、エネルギー線が照射された領域(すなわち、露光領域P)に、前記重合性組成物の硬化物からなる高分子スペーサー14を形成させる。図2(b)に示されるように、エネルギー線の照射直後に、露光領域Pで、重合性組成物が重合を開始するが、重合性組成物は液晶層の全体に分布していると考えられる。
露光領域Pでは、重合性組成物が重合して高分子になるにつれて、マスク領域Mよりも重合性組成物の濃度が薄くなり、濃度の高いマスク領域Mから濃度の薄い露光領域Pへ、重合性組成物が拡散する。露光領域Pで、更に、重合性組成物の重合反応が進むことによって、図2(c)に示されるように、一対の基板11,12の間において、露光領域Pの重合性組成物が重合してできたポリマー成分のリッチな相と、マスク領域Mの液晶組成物成分のリッチな相とで、相分離が誘起されると考えられる。
重合性液晶組成物の各成分は、分散性に優れた成分であることが好ましい。分散性に優れることにより、重合性液晶組成物の各成分は、図2(a)に示されるように、混合された状態で一対の基板11,12の間に存在し、その後の、パターン露光によって、選択性良く、露光領域Pで重合反応を進めることができ、マスク領域Mから露光領域Pへの重合性組成物の拡散も良好に進めることができる。具体的には、重合性組成物が、少なくとも1つの重合性基を有する化合物として、少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
本発明に係る液晶表示素子の製造方法において、重合性組成物は重合禁止剤を含有する。パターン露光の際、重合禁止剤は、重合反応のうち成長反応を起こしている高分子(もしくはオリゴマー)に付随するラジカルと反応することで、成長反応の起点としてのラジカルの機能を失活させ、成長反応の進行を停止する作用を有する材料である。露光領域Pにも重合禁止剤が存在するが、それ以上にラジカルが発生する。したがって、露光領域Pにおいて、重合性組成物は、重合反応のうち開始反応と成長反応が優るので、重合禁止剤は機能しない。マスク領域Mにおいては、重合禁止剤の機能が優るので、重合禁止剤は、マスク領域Mに漏れ出たエネルギー線によるモノマーの重合を防止し、かつ、露光領域Pで開始した重合反応がマスク領域Mに伸長すること防止することができ、マスク領域Mでの高分子ネットワークの析出を防止して、この結果、図2(d)に示されるように、重合禁止剤23が反応停止点15となって、高分子スペーサー14を露光領域Pに形成させることができる。重合禁止剤があることによって、エネルギー線を露光することにより重合反応の進む領域と、マスクされて重合反応の進まない領域との境目を明確にすることができる。
従来の高分子スペーサー14を有する液晶表示素子100では、重合性組成物に重合禁止剤を含有しなかったために、図24に示されるように、マスク領域Mに高分子ネットワークが析出するのに対して、本発明に係る液晶表示素子10は、重合禁止剤がマスク領域Mでの高分子ネットワークの析出を防いでいるので、従来の高分子スペーサー14を有する液晶表示素子100に比べて、湾曲時に表示画像の品位低下を防ぐことができ、かつ、低電圧駆動性及びコントラスト比に優れる液晶表示素子とすることができる。
パターン露光に用いるエネルギー線としては、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線が挙げられ、紫外線が好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。
また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、重合性組成物の重合反応速度、すなわち、高分子スペーサー14を作製する際の重合性組成物の硬化速度を制御するパラメータであるとともに、露光領域Pの重合性組成物が重合してできたポリマー成分のリッチな相と、マスク領域Mの液晶組成物成分のリッチな相とで、相分離を誘起させるための重要なパラメータである。そのために、照射する紫外線の強度は比較的弱い方が好ましく、照射時間は比較的長い方が好ましい。照射する紫外線の強度は、0.01mW/cm~10W/cmが好ましく、0.1mW/cm~5W/cmがより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、1mJ/cm~500J/cmが好ましく、100mJ/cm~200J/cmがより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10分~20時間が好ましく、20分~10時間が好ましい。
≪重合性液晶組成物≫
以下、本発明に係る液晶表示素子及びその製造方法に用いることのできる、少なくとも1つの重合性基を有する化合物22及び重合禁止剤23を含有する重合性組成物、並びに液晶組成物21を含有する重合性液晶組成物について説明する。
本明細書においては、液晶組成物及び重合性組成物が混合・分散された状態のものを、重合性液晶組成物という。
本発明に係る液晶表示素子の製造方法において、一対の基板11,12の間に液晶組成物及び重合性組成物の各成分を狭持させるにあたっては、液晶組成物及び重合性組成物を含有する重合性液晶組成物として、重合性液晶組成物の各成分があらかじめ分散された状態で狭持させることが好ましい。
重合性液晶組成物は、液晶組成物及び重合性組成物をそれぞれ別々に調製してから、液晶組成物及び重合性組成物を混合撹拌して、調製することができ、後述する重合性組成物の各成分及び液晶組成物の各成分をそれぞれ任意の順に混合撹拌して、調製することもできる。混合撹拌の温度は、20~140℃が好ましく、40~120℃がより好ましく、60~100℃が特に好ましい。混合撹拌の時間は、10分~120分が好ましく、20分~100分がより好ましく、30分~80分が特に好ましい。
液晶組成物及び重合性組成物の質量割合は、液晶組成物及び重合性組成物の質量割合は、30:70~99:1であってもよく、50:50~98:2であってもよく、55:45~95:5であることが好ましく、60:40~90:10であることがより好ましく、65:35~85:15であることが特に好ましい。
次に、本発明に係る重合性液晶組成物が含有する好ましい液晶組成物及び重合性組成物、すなわち、本発明に係る液晶表示素子、及びその製造方法において用いることのできる、液晶組成物及び重合性組成物の、各成分の詳細を以下に説明する。
<液晶組成物>
本発明において、重合性液晶組成物は液晶組成物及び重合性組成物を含有する。本発明の液晶素子において、液晶層は液晶組成物を含有する。
液晶組成物は誘電率異方性(Δε)が正の化合物(Δεの符号が正で、その絶対値が2より大きい。)、ほぼゼロで化学的に中性の化合物(Δεの値が-2~2)と負の化合物(Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きい。)に分類される。
液晶組成物は、一般式(J)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
Figure 0007283651000002
(式中、RJ1は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
J1は、0、1、2、3又は4を表し、
J1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、
J1及びZJ2はそれぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表し、
J1が2、3又は4であってAJ2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nJ1が2、3又は4であってZJ1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
J1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(J)中、RJ1は、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
信頼性を重視する場合にはRJ1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
Figure 0007283651000003
J1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましく、それらはフッ素原子により置換されていてもよく、下記の構造を表すことがより好ましく、
Figure 0007283651000004
下記の構造を表すことがより好ましい。
Figure 0007283651000005
J1及びZJ2はそれぞれ独立して-CHO-、-OCH-、-CFO-、-CHCH-、-CFCF-又は単結合を表すことが好ましく、-OCH-、-CFO-、-CHCH-又は単結合が更に好ましく、-OCH-、-CFO-又は単結合が特に好ましい。
J1はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が好ましい。
J1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、誘電率異方性(Δε)の改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、TNIを重視する場合には1又は2が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
液晶組成物において、一般式(J)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物の総量に対しての一般式(J)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
液晶組成物における「%」は「質量%」を意味する。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
信頼性を重視する場合にはRJ1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
一般式(J)で表される化合物としては一般式(M)で表される化合物及び一般式(K)で表される化合物が好ましい。
液晶組成物は、一般式(M)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
Figure 0007283651000006
(式中、RM1は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
M1は、0、1、2、3又は4を表し、
M1及びAM2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-又は-S-に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
M1及びZM2はそれぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表し、
M1が2、3又は4であってAM2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nM1が2、3又は4であってZM1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
M1及びXM3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(M)中、RM1は、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
信頼性を重視する場合にはRM1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(M)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M-1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000007
(式中、RM11は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、XM11からXM15はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM11はフッ素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物の総量に対しての式(M-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M-2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000008
(式中、RM21は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、XM21及びXM22はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM21はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
液晶組成物の総量に対しての式(M-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
液晶組成物に使用される一般式(M)で表される化合物は、一般式(M-3)又は一般式(M’-3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000009
Figure 0007283651000010
(式中、RM31は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、XM31からXM36はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM31はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
一般式(M-3)又は一般式(M’-3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
液晶組成物の総量に対しての式(M-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の総量に対しての式(M’-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M-4)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000011
(式中、RM41は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、XM41からXM48はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM41はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種、2種又は3種類以上組み合わせることが好ましい。
一般式(M-4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
液晶組成物の総量に対しての式(M-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M-4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M-4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M-4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M-4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M-5)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000012
(式中、RM51は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、XM51及びXM52はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM51はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせて使用する。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、さらに別の実施形態では3種類、またさらに別の実施形態では4種類、またさらに別の実施形態では5種類、またさらに別の実施形態では6種類以上組み合わせる。
液晶組成物の総量に対しての式(M-5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、22%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、50%であり、45%であり、40%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M-6)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000013
(式中、RM61は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、XM61からXM64はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM61はフッ素原子、塩素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。
液晶組成物の総量に対しての式(M-6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M-6)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M-6)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
更に、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M-7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000014
(式中、XM71からXM76はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、RM71は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、YM71はフッ素原子又はOCFを表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種~2種類含有することが好ましく、1種~3種類含有することがより好ましく、1種~4種類含有することが更に好ましい。
一般式(M-7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
液晶組成物の総量に対しての式(M-7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M-7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M-7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M-7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M-7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M-8)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000015
(式中、XM81からXM84はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM81はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM81は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、AM81及びAM82はそれぞれ独立して、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基又は
Figure 0007283651000016
を表すが、1,4-フェニレン基上の水素原子はフッ素原子によって置換されていてもよい。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-8)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、その構造中に下記の部分構造を有していてもよい。
Figure 0007283651000017
(式中の黒点は上記部分構造が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
上記部分構造を有する化合物として、一般式(M-10)~(M-18)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(M-10)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000018
(式中、XM101及びXM102はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM101はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM101は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、WM101及びWM102はそれぞれ独立して、-CH-又は-O-を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-11)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000019
(式中、XM111~XM114はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM111はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM111は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-12)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000020
(式中、XM121及びXM122はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM121はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM121は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、WM121及びWM122はそれぞれ独立して、-CH-又は-O-を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-13)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000021
(式中、XM131~XM134はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM131はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM131は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、WM131及びWM132はそれぞれ独立して、-CH-又は-O-を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-14)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000022
(式中、XM141~XM144はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM141はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM141は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、WM141及びWM142はそれぞれ独立して、-CH-又は-O-を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-15)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000023
(式中、XM151及びXM152はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM151はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM151は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、WM151及びWM152はそれぞれ独立して、-CH-又は-O-を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-16)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000024
(式中、XM161~XM164はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM161はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM161は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-17)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000025
(式中、XM171~XM174はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM171はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM171は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表し、WM171及びWM172はそれぞれ独立して、-CH-又は-O-を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M-18)で表される化合物は下記のものである。
Figure 0007283651000026
(式中、XM181~XM186はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM181はフッ素原子、塩素原子又は-OCFを表し、RM181は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基を表す。)
液晶組成物の総量に対しての一般式(M-18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、4%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、5%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
誘電率異方性が負の組成物は、一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007283651000027
(式中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32はそれぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32はそれぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
(d) 1,4-シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32はそれぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
N21は水素原子又はフッ素原子を表し、
N31は-CH-又は酸素原子を表し、
N11、nN12、nN21、nN22、nN31及びnN32はそれぞれ独立して0~3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32はそれぞれ独立して1、2又は3であり、AN11~AN32、ZN11~ZN32が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物は、誘電率異方性(Δε)が負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32はそれぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
Figure 0007283651000028
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
Figure 0007283651000029
トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基又は1,4-フェニレン基を表すことがより好ましい。
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32はそれぞれ独立して-CHO-、-CFO-、-CHCH-、-CFCF-又は単結合を表すことが好ましく、-CHO-、-CHCH-又は単結合が更に好ましく、-CHO-又は単結合が特に好ましい。
N21はフッ素原子が好ましい。
N31は酸素原子が好ましい。
N11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は1又は2が好ましく、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN11が2でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせ、が好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
液晶組成物の総量に対しての式(N-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
液晶組成物の総量に対しての式(N-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
一般式(N-1)で表される化合物として、下記の一般式(N-1a)~(N-1g)で表される化合物群を挙げることができる。
Figure 0007283651000030
(式中、RN11及びRN12は一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表し、nNa11は0又は1を表し、nNb11は0、1又は2を表し、nNc11は0又は1を表し、nNd11は0、1又は2を表し、nNe11は1又は2を表し、nNf11は1又は2を表し、nNg11は1又は2を表し、ANe11はトランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、ANg11はトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基又は1,4-フェニレン基を表すが少なくとも1つは1,4-シクロヘキセニレン基を表し、ZNe 11は単結合又はエチレンを表すが少なくとも1つはエチレンを表す。)
より具体的には、一般式(N-1)で表される化合物は一般式(N-1-1)~(N-1-21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(N-1-1)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000031
(式中、RN111及びRN112はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N111は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基が好ましい。RN112は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
一般式(N-1-2)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000032
(式中、RN121及びRN122はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N121は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基が好ましい。RN122は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。
一般式(N-1-2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、37%であり、40%であり、42%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、50%であり、48%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%である。
一般式(N-1-3)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000033
(式中、RN131及びRN132はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N131は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN132は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数3~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、1-プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-4)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000034
(式中、RN141及びRN142はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N141及びRN142はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、10%であり、8%である。
一般式(N-1-5)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000035
(式中、RN151及びRN152はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N151及びRN152はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましくエチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-10)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000036
(式中、RN1101及びRN1102はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1101は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1-プロペニル基が好ましい。RN1102は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-10)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-11)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000037
(式中、RN1111及びRN1112はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1111は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1-プロペニル基が好ましい。RN1112は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-11)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-12)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000038
(式中、RN1121及びRN1122はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1121は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1122は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-12)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-13)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000039
(式中、RN1131及びRN1132はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1131は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1132は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-13)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-14)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000040
(式中、RN1141及びRN1142はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1141は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1142は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-14)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-15)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000041
(式中、RN1151及びRN1152はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1151は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1152は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-15)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-16)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000042
(式中、RN1161及びRN1162はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1161は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1162は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-16)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-17)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000043
(式中、RN1171及びRN1172はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1171は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1172は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-17)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-18)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000044
(式中、RN1181及びRN1182はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1181は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1182は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N-1-18)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-20)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000045
(式中、RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1201及びRN1202はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-20)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-20)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-21)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000046
(式中、RN1211及びRN1212はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1211及びRN1212はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-21)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
一般式(N-1-22)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000047
(式中、RN1221及びRN1222はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N1221及びRN1222はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N-1-22)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-1-21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、5%である。
一般式(N-3)で表される化合物は一般式(N-3-2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000048
(式中、RN321及びRN322はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
N321及びRN322は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、プロピル基又はペンチル基が好ましい。
一般式(N-3-2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
誘電率異方性(Δε)の改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(N-3-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%である。
液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。一般式(L)で表される化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が-2~2)に該当する。このため、分子内に有する、ハロゲン等の極性基の個数を2個以下とした方が好ましく、1個以下とした方が好ましく、有さない方が好ましい。
Figure 0007283651000049
(式中、RL1及びRL2はそれぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
L1は0、1、2又は3を表し、
L1、AL2及びAL3はそれぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
L1及びZL2はそれぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nL1が2又は3であってZL3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良いが、一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物を除く。)
一般式(L)で表される化合物は単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
液晶組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物の総量に対しての式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
信頼性を重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
L1及びRL2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
Figure 0007283651000050
L1は応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、組成物として求められる特性を満たすためには異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
L1、AL2及びAL3はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
Figure 0007283651000051
トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表すことがより好ましい。
L1及びZL2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は分子内のハロゲン原子数が0個又は1個であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は一般式(L-1)~(L-7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(L-1)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000052
(式中、RL11及びRL12はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L11及びRL12は、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
一般式(L-1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
好ましい含有量の下限値は、液晶組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、15%であり、20%であり、25%であり、30%であり、35%であり、40%であり、45%であり、50%であり、55%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、95%であり、90%であり、85%であり、80%であり、75%であり、70%であり、65%であり、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%である。
液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物のTNIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
一般式(L-1)で表される化合物は一般式(L-1-1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000053
(式中RL12は一般式(L-1)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L-1-1)で表される化合物は、式(L-1-1.1)から式(L-1-1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-1.2)又は式(L-1-1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L-1-1.3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000054
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-1.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
一般式(L-1)で表される化合物は一般式(L-1-2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000055
(式中RL12は一般式(L-1)における意味と同じ意味を表す。)
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、42%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%である。
さらに、一般式(L-1-2)で表される化合物は、式(L-1-2.1)から式(L-1-2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-2.2)から式(L-1-2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L-1-2.2)で表される化合物は液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTNIを求めるときは、式(L-1-2.3)又は式(L-1-2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L-1-2.3)及び式(L-1-2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために30%以上にすることは好ましくない。
Figure 0007283651000056
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、10%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、38%であり、40%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、32%であり、30%であり、27%であり、25%であり、22%である。
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-1.3)で表される化合物及び式(L-1-2.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、10%であり、15%であり、20%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%であり、40%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、32%であり、30%であり、27%であり、25%であり、22%である。
一般式(L-1)で表される化合物は一般式(L-1-3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000057
(式中RL13及びRL14はそれぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルコキシ基を表す。)
L13及びRL14は、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、27%であり、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
さらに、一般式(L-1-3)で表される化合物は、式(L-1-3.1)から式(L-1-3.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)又は式(L-1-3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L-1-3.1)で表される化合物は液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTNIを求めるときは、式(L-1-3.3)、式(L-1-3.4)、式(L-1-3.11)及び式(L-1-3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L-1-3.3)、式(L-1-3.4)、式(L-1-3.11)及び式(L-1-3.12)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度を良くするために20%以上にすることは好ましくない。
Figure 0007283651000058
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
一般式(L-1)で表される化合物は一般式(L-1-4)及び/又は(L-1-5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000059
(式中RL15及びRL16はそれぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルコキシ基を表す。)
L15及びRL16は、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
さらに、一般式(L-1-4)及び(L-1-5)で表される化合物は、式(L-1-4.1)から式(L-1-5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-4.2)又は式(L-1-5.2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000060
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
式(L-1-1.3)、式(L-1-2.2)、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)、式(L-1-3.4)、式(L-1-3.11)及び式(L-1-3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、式(L-1-1.3)、式(L-1-2.2)、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)、式(L-1-3.4)及び式(L-1-4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、これら化合物の合計の含有量の好ましい含有量の下限値は、液晶組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、上限値は、液晶組成物の総量に対して、80%であり、70%であり、60%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%である。組成物の信頼性を重視する場合には、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)及び式(L-1-3.4))で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、組成物の応答速度を重視する場合には、式(L-1-1.3)、式(L-1-2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
一般式(L-1)で表される化合物は一般式(L-1-6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
Figure 0007283651000061
(式中RL17及びRL18はそれぞれ独立してメチル基又は水素原子を表す。)
液晶組成物の総量に対しての式(L-1-6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、42%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%である。
一般式(L-2)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000062
(式中、RL21及びRL22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L21は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、RL22は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L-1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての式(L-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
一般式(L-3)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000063
(式中、RL31及びRL32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L31及びRL32はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L-3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物の総量に対しての式(L-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
高い複屈折率を得る場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、高いTNIを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
一般式(L-4)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000064
(式中、RL41及びRL42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L41は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、RL42は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。)
一般式(L-4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物において、一般式(L-4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物の総量に対しての式(L-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。液晶組成物の総量に対しての式(L-4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。
一般式(L-5)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000065
(式中、RL51及びRL52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
L51は炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、RL52は炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L-5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物において、一般式(L-5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物の総量に対しての式(L-5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。液晶組成物の総量に対しての式(L-5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。
一般式(L-6)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000066
(式中、RL61及びRL62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、XL61及びXL62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
L61及びRL62はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましく、XL61及びXL62のうち一方がフッ素原子他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(L-6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物の総量に対しての式(L-6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。液晶組成物の総量に対しての式(L-6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
一般式(L-7)で表される化合物は下記の化合物である。
Figure 0007283651000067
(式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL71及びAL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表し、XL71及びXL72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、AL71及びAL72はそれぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は単結合又はCOO-が好ましく、単結合が好ましく、XL71及びXL72は水素原子が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
液晶組成物において、一般式(L-7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物の総量に対しての式(L-7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%である。液晶組成物の総量に対しての式(L-7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、10%であり、5%である。
液晶組成物が高いTNIの実施形態が望まれる場合は式(L-7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
液晶組成物の総量に対しての一般式(L)及び(N)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
液晶組成物の総量に対しての一般式(L-1)から(L-7)及び(M-1)から(M-8)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
本発明における液晶組成物は、分子内に過酸(-CO-OO-)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、1%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで組成物を構成することが最も好ましい。
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
粘度の改善及びTNIの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
本発明の一実施形態における液晶組成物に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2~5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4~5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
本発明に使用される液晶組成物の平均弾性定数(KAVG)は10から25が好ましいが、その下限値としては、10が好ましく、10.5が好ましく、11が好ましく、11.5が好ましく、12が好ましく、12.3が好ましく、12.5が好ましく、12.8が好ましく、13が好ましく、13.3が好ましく、13.5が好ましく、13.8が好ましく、14が好ましく、14.3が好ましく、14.5が好ましく、14.8が好ましく、15が好ましく、15.3が好ましく、15.5が好ましく、15.8が好ましく、16が好ましく、16.3が好ましく、16.5が好ましく、16.8が好ましく、17が好ましく、17.3が好ましく、17.5が好ましく、17.8が好ましく、18が好ましく、その上限値としては、25が好ましく、24.5が好ましく、24が好ましく、23.5が好ましく、23が好ましく、22.8が好ましく、22.5が好ましく、22.3が好ましく、22が好ましく、21.8が好ましく、21.5が好ましく、21.3が好ましく、21が好ましく、20.8が好ましく、20.5が好ましく、20.3が好ましく、20が好ましく、19.8が好ましく、19.5が好ましく、19.3が好ましく、19が好ましく、18.8が好ましく、18.5が好ましく、18.3が好ましく、18が好ましく、17.8が好ましく、17.5が好ましく、17.3が好ましく、17が好ましい。消費電力削減を重視する場合にはバックライトの光量を抑えることが有効であり、液晶表示素子は光の透過率を向上させることが好ましく、そのためにはKAVGの値を低めに設定することが好ましい。応答速度の改善を重視する場合にはKAVGの値を高めに設定することが好ましい。
液晶組成物には、PSモード、横電界型PSAモード又は横電界型PSVAモードなどの液晶表示素子を作製するために、重合性化合物を含有することができる。使用できる重合性化合物として、光などのエネルギー線により重合が進行する光重合性モノマーなどが挙げられ、構造として、例えば、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体などの六員環が複数連結した液晶骨格を有する重合性化合物などが挙げられる。更に具体的には、一般式(XX)
Figure 0007283651000068
(式中、X201及びX202はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
Sp201及びSp202はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1~8のアルキレン基又は-O-(CH-(式中、sは2から7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)が好ましく、
201は-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-CFO-、-OCF-、-CHCH-、-CFCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CY=CY-(式中、Y及びYはそれぞれ独立して、フッ素原子又は水素原子を表す。)、-C≡C-又は単結合を表し、
201は1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基又は単結合を表し、式中の全ての1,4-フェニレン基は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い。)で表される二官能モノマーが好ましい。
201及びX202は、何れも水素原子を表すジアクリレート誘導体、何れもメチル基を有するジメタクリレート誘導体の何れも好ましく、一方が水素原子を表しもう一方がメチル基を表す化合物も好ましい。これらの化合物の重合速度は、ジアクリレート誘導体が最も早く、ジメタクリレート誘導体が遅く、非対称化合物がその中間であり、その用途により好ましい態様を用いることができる。PSA表示素子においては、ジメタクリレート誘導体が特に好ましい。
Sp201及びSp202はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1~8のアルキレン基又は-O-(CH-を表すが、PSA表示素子においては少なくとも一方が単結合であることが好ましく、共に単結合を表す化合物又は一方が単結合でもう一方が炭素原子数1~8のアルキレン基又は-O-(CH-を表す態様が好ましい。この場合1~4のアルキル基が好ましく、sは1~4が好ましい。
201は、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-CFO-、-OCF-、-CHCH-、-CFCF-又は単結合が好ましく、-COO-、-OCO-又は単結合がより好ましく、単結合が特に好ましい。
201は任意の水素原子がフッ素原子により置換されていても良い1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキシレン基又は単結合を表すが、1,4-フェニレン基又は単結合が好ましい。Cが単結合以外の環構造を表す場合、Z201は単結合以外の連結基も好ましく、M201が単結合の場合、Z201は単結合が好ましい。
これらの点から、一般式(XX)において、Sp201及びSp202の間の環構造は、具体的には次に記載する構造が好ましい。
一般式(XX)において、M201が単結合を表し、環構造が二つの環で形成される場合において、次の式(XXa-1)から式(XXa-5)を表すことが好ましく、式(XXa-1)から式(XXa-3)を表すことがより好ましく、式(XXa-1)を表すことが特に好ましい。
Figure 0007283651000069
(式中、両端はSp201又はSp202に結合するものとする。)
これらの骨格を含む重合性化合物は重合後の配向規制力がPSA型液晶表示素子に最適であり、良好な配向状態が得られることから、表示ムラが抑制されるか、又は、全く発生しない。
以上のことから、重合性モノマーとしては、一般式(XX-1)~一般式(XX-4)が特に好ましく、中でも一般式(XX-2)が最も好ましい。
Figure 0007283651000070
(式中、ベンゼンはフッ素原子により置換されていても良く、Sp20は炭素原子数2から5のアルキレン基を表す。)
本発明における液晶組成物は、さらに、画像品質や信頼性を向上させるために酸化防止剤を添加することもできる。前記酸化防止剤は、公知慣用のものが使用できるが、具体的には(III-1)~(III-24)が好ましい。
Figure 0007283651000071
Figure 0007283651000072
Figure 0007283651000073
Figure 0007283651000074
Figure 0007283651000075
Figure 0007283651000076
また、一般式(Q)で表される化合物を含有することができる。
Figure 0007283651000077
(式中、Rは炭素原子数1から22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-CO-、-OCO-、-COO-、-C≡C-、-CFO-、-OCF-で置換されてよく、R中の水素原子は、4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル基で置換されていてもよく、
はトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基又は単結合を表すが、トランス-1,4-シクロへキシレン基中の1つ又は非隣接の2つの-CH-は-O-で置換されていても良い。)
は炭素原子数1から22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-CO-、-OCO-、-COO-、-C≡C-、-CFO-、-OCF-で置換されてよいが、炭素原子数1から10の直鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素原子数1から20の直鎖アルキル基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された分岐鎖アルキル基が更に好ましい。Mはトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基又は単結合を表すが、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましい。
一般式(Q)で表される化合物は、より具体的には、下記の一般式(Q-a)から一般式(Q-d)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000078
式中、RQ1は炭素原子数1から10の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ2は炭素原子数1から20の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ3は炭素原子数1から8の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基又は分岐鎖アルコキシ基が好ましく、Lは炭素原子数1から8の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。一般式(Q-a)から一般式(Q-d)で表される化合物中、一般式(Q-c)及び一般式(Q-d)で表される化合物が更に好ましい。
液晶組成物において、酸化防止剤、または、一般式(Q)で表される化合物を1種又は2種を含有することが好ましく、1種から5種含有することが更に好ましく、その含有量は0.001から1%であることが好ましく、0.001から0.1%が更に好ましく、0.001から0.05%が特に好ましい。
また、本発明における液晶組成物に公知慣用の光安定剤も使用できるが、使用できる光安定剤としてより具体的には以下の(IV-1)~(IV-16)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000079
Figure 0007283651000080
Figure 0007283651000081
Figure 0007283651000082
Figure 0007283651000083
Figure 0007283651000084
(式中、nは0から20の整数を表す。)
液晶組成物において、光安定剤、または、一般式(IV-1)~(IV-16)から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、1種から5種含有することが更に好ましく、その含有量は0.001から1%であることが好ましく、0.001から0.1%が更に好ましく、0.001から0.05%が特に好ましい。
<重合性組成物>
本発明において、前記重合性液晶組成物は液晶組成物及び重合性組成物を含有する。本発明の液晶表示素子において、前記高分子スペーサーは重合性組成物の硬化物である。重合性組成物は少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有し、この重合性組成物に、光学マスクを用いてエネルギー線をパターン露光することにより、エネルギー線が照射された領域に、重合性組成物の硬化物からなる高分子スペーサーを形成することができる。
少なくとも1つの重合性基を有する化合物として、a)少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物、及び、b)メソゲン骨格を有さない、少なくとも1つの重合性基を有する化合物を挙げることができる。
a)少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物
重合性組成物は、少なくとも1つの重合性基を有する化合物として、少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物を含有することにより、重合性液晶化合物の各成分の分散性が優れたものとすることができ、重合性液晶組成物の各成分を、図2(a)に示されるように、混合された状態で一対の基板11,12の間に存在させることができ、その後の、パターン露光によって、選択性良く、露光領域Pで重合反応を進めることができ、マスク領域Mから露光領域Pへの重合性組成物の拡散も良好に進めることができる。
少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物は、メソゲン性骨格を有する重合性化合物であればよく、前記化合物単独では、液晶性を示さなくてもよい。
例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley-VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平7-294735号公報、特開平8-3111号公報、特開平8-29618号公報、特開平11-80090号公報、特開平11-116538号公報、特開平11-148079号公報、等に記載されているような、1,4-フェニレン基1,4-シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、ビニル基、アクリル基、(メタ)アクリル基といった重合性官能基を2つ以上有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004-2373号公報、特開2004-99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する2つ以上の重合性基を有する棒状重合性液晶化合物が挙げられる。中でも、2つ以上の重合性基を有する棒状液晶化合物が、液晶温度範囲として室温前後の低温を含むものを作りやすく好ましい。
前記少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物は、具体的には以下の一般式(1)~一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007283651000085
Figure 0007283651000086
上記式中、P11~P74は各々独立して重合性基を表し、
11~S72は各々独立してスペーサー基を又は単結合を表すが、S11~S72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く、
11~X72は各々独立して-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表すが、X11~X72が複数存在する場合それらは各々同一であっても異なっていても良く(ただし、各P-(S-X)-結合には-O-O-を含まない。)、
MG11~MG71は各々独立してメソゲン性基を表し、
11、及び、R31は各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、又は、炭素原子数1から20のアルキル基を表すが、当該アルキル基は直鎖状であっても分岐状であっても良く、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、当該アルキル基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-又は-C≡C-によって置換されても良く、
m1~m7、n2~n7、l4~l6、k6は各々独立して0から5の整数を表す。
上記S11~S72で表されるスペーサー基は、炭素原子数1~18のアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1~8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1~8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH)-、-CO-、-CH(OH)-、CH(COOH)、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS--C≡C-、或いは式(S-1)、又は式(S-2)
Figure 0007283651000087
により置き換えられていても良い。これらのスペーサー基のうち、配向性の観点から、炭素原子数2~8の直鎖アルキレン基、フッ素原子で置換された炭素数2~6のアルキレン基、アルキレン基の一部が-O-で置き換えられた炭素原子数5~14の直鎖、あるいは分岐アルキレン基、アルキレン基の一部が-COO-、もしくは-OCO-で置き換えられた炭素数5~14の直鎖、あるいは分岐アルキレン基が好ましい。
また、P11~P74で表される重合性基は、下記式(P-1)~式(P-20)
Figure 0007283651000088
が好ましく、これらの重合性基のうち、重合性および保存安定性を高める観点から、式(P-1)、式(P-2)、式(P-7)、式(P-12)、又は式(P-13)が好ましく、式(P-1)、式(P-7)、式(P-12)がより好ましい。
MG21~MG71で表されるメソゲン性基は、下記式(8-a)
Figure 0007283651000089
(式中、
81、A82は各々独立して1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上の上記Lによって置換されても良いが、A81及び/又はA82が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
81及びZ82は各々独立して-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表すが、Z81及び/又はZ82が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良く、
81は1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキセン-2,5-ジイル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基-、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ナフチレン-1,4-ジイル基、ナフチレン-1,5-ジイル基、ナフチレン-1,6-ジイル基、ナフチレン-2,6-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b‘]ジチオフェン-2,6-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b‘]ジセレノフェン-2,6-ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2-b]チオフェン-2,7-ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2-b]セレノフェン-2,7-ジイル基、又はフルオレン-2,7-ジイル基から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良く、
Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、j83及びj84は各々独立して0から5の整数を表すが、j83+j84は1から5の整数を表す。)で表される。
さらには、上記一般式(1)~一般式(7)は、下記一般式(1-a)、一般式(2-a)、一般式(3-a)、一般式(4-a)、一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)で表される。
Figure 0007283651000090
Figure 0007283651000091
Figure 0007283651000092
Figure 0007283651000093
Figure 0007283651000094
Figure 0007283651000095
Figure 0007283651000096
上記一般式(1-a)、一般式(2-a)、一般式(3-a)、一般式(4-a)、一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)において、重合性基P11~P74は各々独立して下記の式(P-1)から式(P-20)
Figure 0007283651000097
から選ばれる基を表すことが好ましく、これらの重合性基のうち、重合性および保存安定性を高める観点から、式(P-1)、式(P-2)、式(P-7)、式(P-12)、又は式(P-13)が好ましく、式(P-1)、式(P-7)、式(P-12)がより好ましい。
一般式(1-a)、(2-a)、一般式(3-a)、一般式(4-a)、一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)において、S11~S72は各々独立してスペーサー基又は単結合を表すが、S11~S72が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていても良い。また、スペーサー基としては、炭素原子数1~18のアルキレン基を表し、該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子、CN基、炭素原子数1~8のアルキル基、または重合性官能基を有する炭素原子数1~8のアルキル基により置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH)-、-CO-、-CH(OH)-、CH(COOH)、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良い。これらのスペーサー基のうち、配向性の観点から、炭素原子数2~8の直鎖アルキレン基、フッ素原子で置換された炭素数2~6のアルキレン基、アルキレン基の一部が-O-で置き換えられた炭素原子数5~14の直鎖、あるいは分岐アルキレン基、アルキレン基の一部が-COO-、-OCO-で置き換えられた炭素原子数5~14の直鎖、あるいは分岐アルキレン基が好ましい。
一般式(1-a)、一般式(2-a)一般式(3-a)、一般式(4-a)一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)において、X11~X72は各々独立して-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表すが、X11~X72がそれぞれ複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良い(ただし、各P-(S-X)-には-O-O-結合を含まない。)。また、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く、各々独立して-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-又は単結合を表すことが好ましく、各々独立して-O-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-又は単結合を表すことがより好ましく、X11~X72がそれぞれ複数存在する場合は各々同一であっても異なっていても良く、各々独立して-O-、-COO-、-OCO-又は単結合を表すことが特に好ましい。
一般式(1-a)、一般式(2-a)一般式(3-a)、一般式(4-a)一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)において、A11~A72は各々独立して1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキセン-2,5-ジイル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基-、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ナフチレン-1,4-ジイル基、ナフチレン-1,5-ジイル基、ナフチレン-1,6-ジイル基、ナフチレン-2,6-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b‘]ジチオフェン-2,6-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b‘]ジセレノフェン-2,6-ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2-b]チオフェン-2,7-ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2-b]セレノフェン-2,7-ジイル基、又はフルオレン-2,7-ジイル基から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良いがA11~A72が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良い。A11~A72は原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から各々独立して無置換又は1つ以上のLによって置換されても良い1,4-フェニレン基、1,4-シクロへキシレン基又はナフタレン-2,6-ジイルを表すことが好ましく、各々独立して下記の式(A-1)から式(A-11)
Figure 0007283651000098
から選ばれる基を表すことがより好ましく、各々独立して式(A-1)から式(A-8)から選ばれる基を表すことがさらに好ましく、各々独立して式(A-1)から式(A-4)から選ばれる基を表すことが特に好ましい。
一般式(1-a)、一般式(2-a)一般式(3-a)、一般式(4-a)一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)において、Z11~Z72は各々独立して-O-、-S-、-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-OCO-NH-、-NH-COO-、-NH-CO-NH-、-NH-O-、-O-NH-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-COO-CH-、-OCO-CH-、-CH-COO-、-CH-OCO-、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表すが、Z11~Z72が複数現れる場合は各々同一であっても異なっていても良い。Z11~Z72は化合物の液晶性、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から、各々独立して単結合、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-CFO-、-OCF-、-CHCH-、-CFCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-又は単結合を表すことが好ましく、Z11~Z72は各々独立して-OCH-、-CHO-、-CHCH-、-COO-、-OCO-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-、-CH=CH-、-C≡C-又は単結合を表すことがより好ましく、Z11~Z72は各々独立して-CHCH-、-COO-、-OCO-、-COO-CHCH-、-OCO-CHCH-、-CHCH-COO-、-CHCH-OCO-又は単結合を表すことがさらに好ましく、各々独立して-CHCH-、-COO-、-OCO-又は単結合を表すことが特に好ましい。
一般式(1-a)、一般式(3-a)において、R11、及び、R31は各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-又は-C≡C-によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い。R31は液晶性及び合成の容易さの観点から水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、若しくは、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-によって置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖又は分岐アルキル基を表すことが好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、若しくは、炭素原子数1から12の直鎖アルキル基又は直鎖アルコキシ基を表すことがより好ましく、炭素原子数1から12の直鎖アルキル基又は直鎖アルコキシ基を表すことが特に好ましい。
Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い。液晶性、合成の容易さの観点から、Lはフッ素原子、塩素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-から選択される基によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基、あるいは上記式(1-c)で表される基を表すことが好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-COO-又は-OCO-から選択される基によって置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがより好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基若しくはアルコキシ基を表すことがさらに好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、炭素原子数1から8の直鎖アルキル基若しくは直鎖アルコキシ基を表すことが特に好ましい。
一般式(1-a)、一般式(2-a)、一般式(3-a)、一般式(4-a)、一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)において、M11~M71は1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキセン-2,5-ジイル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、チオフェン-2,5-ジイル基-、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ナフチレン-1,4-ジイル基、ナフチレン-1,5-ジイル基、ナフチレン-1,6-ジイル基、ナフチレン-2,6-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b‘]ジチオフェン-2,6-ジイル基、ベンゾ[1,2-b:4,5-b‘]ジセレノフェン-2,6-ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2-b]チオフェン-2,7-ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2-b]セレノフェン-2,7-ジイル基、又はフルオレン-2,7-ジイル基から選ばれる基を表すが、これらの基は無置換又は1つ以上のLによって置換されても良く、M11~M71は原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から各々独立して無置換であるか又は1つ以上のLによって置換されても良い1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、ナフチレン-1,4-ジイル基、又はナフチレン-2,6-ジイル基が好ましく、無置換又は1つ以上のLによって置換されても良い1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基から選ばれる基を表すことがより好ましい。
Lはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、イソシアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、トリメチルシリル基、ジメチルシリル基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い。液晶性、合成の容易さの観点から、Lはフッ素原子、塩素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、ニトロ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-から選択される基によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことが好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良く、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は各々独立して-O-、-COO-又は-OCO-から選択される基によって置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すことがより好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い炭素原子数1から12の直鎖状又は分岐状アルキル基若しくはアルコキシ基を表すことがさらに好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は、炭素原子数1から8の直鎖アルキル基若しくは直鎖アルコキシ基を表すことが特に好ましい。
一般式(1-a)、一般式(2-a)、一般式(3-a)、一般式(4-a)、一般式(5-a)、一般式(6-a)、一般式(7-a)において、 m1~m7、n2、n4~n7、l4、l6、k6は、各々独立して0から5の整数を表すが、液晶性、原料の入手容易さ及び合成の容易さの観点から0から4の整数を表すことが好ましく、0から2の整数を表すことがより好ましく、0又は1を表すことがさらに好ましい。
j11、j12、j21、j22、j31、j32、j41、j42、j51、j52、j61、j62、j71及びj72は各々独立して0から5の整数を表すが、j11+j12は1から5の整数を表し、j21+j22は1から5の整数を表し、j31+j32は1から5の整数を表し、j41+j42は1から5の整数を表し、j51+j52は1から5の整数を表し、j61+j62は1から5の整数を表し、j71+j72は1から5の整数を表す。液晶性、合成の容易さ及び保存安定性の観点から、j11、j12、j21、j22、j31、j32、j41、j42、j51、j52、j61、j62、j71及びj72は各々独立して1から4の整数を表すことが好ましく、1から3の整数を表すことがより好ましく、1又は2を表すことが特に好ましい。j11+j12、j21+j22、j31+j32、j41+j42、j51+j52、j61+j62、j71+j72はそれぞれ、1から4の整数を表すことが好ましく、2又は3を表すことが特に好ましい。
上記一般式(1-a)で表される化合物として具体的には、下記の式(1-a-1)から式(1-a-39)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000099
Figure 0007283651000100
Figure 0007283651000101
Figure 0007283651000102
Figure 0007283651000103
Figure 0007283651000104
上記式中、m11、n11はそれぞれ独立して1~10の整数を表し、R111及びR112は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、フッ素原子、又は、塩素原子を表し、R113は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、又は、1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-が各々独立して-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-又は-C≡C-によって置換されても良い炭素原子数1から20の直鎖状又は分岐状アルキル基を表すが、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子に置換されても良い。
上記一般式(2-a)で表される化合物として具体的には、下記の式(2-a-1)から式(2-a-33)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000105
Figure 0007283651000106
Figure 0007283651000107
Figure 0007283651000108
Figure 0007283651000109
Figure 0007283651000110
(式中、m及びnはそれぞれ独立して1~18の整数を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1~6のアルキル基、あるいは炭素数1~6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)これらの液晶化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
上記一般式(3-a)で表される化合物として具体的には、下記の式(3-a-1)から式(3-a-15)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000111
Figure 0007283651000112
Figure 0007283651000113
これらの液晶性化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
上記一般式(4-a)で表される化合物として具体的には、下記の式(4-a-1)から式(4-a-35)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000114
Figure 0007283651000115
Figure 0007283651000116
Figure 0007283651000117
Figure 0007283651000118
Figure 0007283651000119
Figure 0007283651000120
Figure 0007283651000121
(式中、m及びnはそれぞれ独立して1~10の整数を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1~6のアルキル基、あるいは炭素数1~6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)これらの液晶性化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
上記一般式(5-a)で表される化合物として具体的には、下記の式(5-a-1)から式(5-a-19)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000122
Figure 0007283651000123
Figure 0007283651000124
Figure 0007283651000125
Figure 0007283651000126
(式中、nはそれぞれ独立して1~10の整数を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1~6のアルキル基、あるいは炭素数1~6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)これらの液晶性化合物
は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
上記一般式(6-a)で表される化合物として具体的には、下記の式(6-a-1)から式(6-a-19)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000127
Figure 0007283651000128
Figure 0007283651000129
Figure 0007283651000130
Figure 0007283651000131
(式中、k、l、m及びnはそれぞれ独立して1~10の整数を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1~6のアルキル基、あるいは炭素数1~6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)これらの液晶性化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
上記一般式(7-a)で表される化合物として具体的には、下記の式(7-a-1)から式(7-a-18)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000132
Figure 0007283651000133
Figure 0007283651000134
Figure 0007283651000135
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1~6のアルキル基、あるいは炭素数1~6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)これらの液晶性化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
b)メソゲン骨格を有さない、少なくとも1つの重合性基を有する化合物
重合性組成物は、少なくとも1つの重合性基を有する化合物として、メソゲン骨格を有さない、少なくとも1つの重合性基を有する化合物を含有することが好ましい。
重合性組成物に用いられるメソゲン骨格を有さない、少なくとも1つの重合性基を有する化合物、すなわち少なくとも1つの重合性基を有する非液晶性化合物は、通常、この技術分野で重合性モノマーあるいは重合性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができる。1つの重合性基を有する非液晶性化合物の含有量は、重合性組成物に用いる少なくとも1つの重合性基を有する化合物の総量100質量部に対して、0質量部以上90質量部以下であることが好ましく、0質量部以上60質量部以下が更に好ましく、0質量部以上50質量部以下が特に好ましい。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールエトキシ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H-ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H-1-(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H-ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルりん酸、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イロプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のモノ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクロイルオキシプロピルメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、等のジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、等のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、オリゴマー型の(メタ)アクリレート、各種ウレタンアクリレート、各種マクロモノマー、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、等のエポキシ化合物、マレイミド等が挙げられる。これらは単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
c)重合開始剤
重合性組成物は、必要に応じて重合開始剤を含有することができる。重合性組成物で用いられる重合開始剤は、重合性組成物を重合させるために用いる。重合をエネルギー線の照射によって行うために使用する重合開始剤としては、特に限定はないが、前記液晶組成物、少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物、メソゲン骨格を有さない、少なくとも1つの重合性基を有する化合物の配向状態を阻害しない程度で公知慣用のものが使用できる。
例えば1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「オムニラッド184」、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン「オムニラッド1173」、2-メチル-1-[(メチルチオ)フェニル]-2-モリホリノプロパン-1「オムニラッド907」、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン「オムニラッドBDK」、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン「オムニラッド369」)、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリノ-フェニル)ブタン-1-オン「オムニラッド379」、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ジフェニルフォスフィンオキサイド「オムニラッドTPO」、2,4,6-トリメチルベンゾイル-フェニル-フォスフィンオキサイド「オムニラッド819」(IGM Resins株式会社製)、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)],2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン「イルガキュア651」、エタノン「イルガキュアOXE01」)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)「イルガキュアOXE02」、「イルガキュアOXE04」(BASF株式会社製)、「アデカアークルズNCI-831」、「アデカアークルズNCI-930」、「アデカアークルズN-1919」(ADEKA社製)、2,4-ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp-ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ-ドプレキンソップ社製「カンタキュア-ITX」)とp-ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、「エサキュア ONE」、「エサキュアKIP150」、「エサキュアKIP160」、「エサキュア1001M」、「エサキュアA198」、「エサキュアKIP IT」、「エサキュアKTO46」、「エサキュアTZT」(lamberti株式会社製)、「スピードキュアBMS」、「スピードキュアPBZ」、「ベンゾフェノン」(LAMBSON社製)等が挙げられる。さらに、光カチオン開始剤としては、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としてはジアゾジスルホン系化合物、トリフェニルスルホニウム系化合物、フェニルスルホン系化合物、スルフォニルピリジン系化合物、トリアジン系化合物及びジフェニルヨードニウム化合物などが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、重合性組成物に用いる少なくとも1つの重合性基を有する化合物の総量100質量部に対し、0.05~10質量部が好ましく、0.1~7質量部がより好ましく、0.2~5質量部が特に好ましい。なお、少なくとも1つの重合性基を有する液晶性化合物、あるいは、メソゲン骨格を有さない、少なくとも1つの重合性基を有する化合物自体が重合開始能力を有する場合があるので、前記の場合においては別途重合開始剤の添加は必要としない。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
また、熱重合の際に使用する熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パ-オキシジカーボネイト、t-ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1-ビス(t-ヘキシルパ-オキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、p-ペンタハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3-メチル-3-メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-フェニルプロピオン-アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。
熱重合開始剤の含有量は、添加する場合は、重合性組成物に用いる少なくとも1つの重合性基を有する化合物の総量100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、1~6質量部が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
d)重合禁止剤
本発明において、重合性組成物は重合禁止剤を含有する。重合禁止剤としては、重合性組成物の分野において公知のものが使用できる。
例えば、4-メトキシフェノール、クレゾール、t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4-メトキシ-1-ナフトール、4,4’-ジアルコキシ-2,2’-ビ-1-ナフトール、等のフェノール系化合物、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン、tert-ブチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン、等のキノン系化合物、フェノチアジン、2-メトキシフェノチアジン、2-シアノフェノチアジン、ビス(α-メチルベンジル)フェノチアジン、3,7-ジオクチルフェノチアジン、ビス(α、α-ジメチルベンジン)フェノチアジン等のフェノチアジン系化合物、p-フェニレンジアミン、4-アミノジフェニルアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-i-プロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1.3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-フェニル-β-ナフチルアミン、4.4'-ジクミル-ジフェニルアミン、4,4'-ジオクチル-ジフェニルアミン、等のアミン系化合物、ジステアリルチオジプロピオネート、等のチオエーテル系化合物、N-ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルナフチルアミン、N-ニトロソジナフチルアミン、p-ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p-ニトロソジフェニルアミン、α-ニトロソ-β-ナフトール等、N,N-ジメチル-p-ニトロソアニリン、p-ニトロソジフェニルアミン、p-ニトロンジメチルアミン、p-ニトロン-N、N-ジエチルアミン、N-ニトロソエタノールアミン、N-ニトロソジ-n-ブチルアミン、N-ニトロソ-N -n-ブチル-4-ブタノールアミン、N-ニトロソ-ジイソプロパノールアミン、N-ニトロソ-N-エチル-4-ブタノールアミン、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、N-ニトロソモルホリン、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、ニトロソベンゼン、2,4.6-トリ-tert-ブチルニトロンベンゼン、N-ニトロソ-N-メチル-p-トルエンスルホンアミド、N-ニトロソ-N-エチルウレタン、N-ニトロソ-N-n-プロピルウレタン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、1-ニトロソ-2-ナフトール-3,6-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、等のニトロソ系化合物が挙げられる。
通常重合禁止剤は、例えばラジカル重合の場合、重合性化合物よりもラジカルとの反応性が高く、ラジカルとの反応生成物は安定で反応性が低い性質を有している。このような性質を有する重合禁止剤のうち、本発明においては、真空下や無酸素下等の不活性雰囲気下でも、十分な重合禁止能力を発揮するものが好ましい。液晶セル中は、不活性雰囲気下にあるので、ラジカルが発生するとラジカルは失活し難いが、不活性雰囲気下でも、十分な重合禁止能力を発揮する重合禁止剤を用いることにより、マスク領域の重合性化合物の重合をより抑制することができる。
具体的には、4-メトキシ-1-ナフトール、4,4’-ジアルコキシ-2,2’-ビ-1-ナフトール、等のフェノール系化合物、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン、等のキノン系化合物、フェノチアジン、2-メトキシフェノチアジン、2-シアノフェノチアジン、ビス(α-メチルベンジル)フェノチアジン、3,7-ジオクチルフェノチアジン、ビス(α、α-ジメチルベンジン)フェノチアジン等のフェノチアジン系化合物、N-ニトロソフェニルナフチルアミン、N-ニトロソジナフチルアミン、N-ニトロソエタノールアミン、N-ニトロソモルホリン、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシアミンナトリウム塩、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、1-ニトロソ-2-ナフトール-3,6-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、等のニトロソ系化合物が好ましい。
重合禁止剤の添加量は、重合性組成物に用いる少なくとも1つの重合性基を有する化合物の総量100質量部に対して、0.01~3.0質量部であることが好ましく、0.05~2.0質量部であることがより好ましく、0.10~1.0質量部であることが特に好ましい。
e)酸化防止剤
重合性組成物は、必要に応じて酸化防止剤等を含有することができる。そのような化合物として、ヒドロキノン誘導体、ニトロソアミン系化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、より具体的には、tert-ブチルハイドロキノン、和光純薬工業社の「Q-1300」、「Q-1301」、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1010」、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1035」、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート「IRGANOX1076」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール「IRGANOX1520L」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」(以上、BASF株式会社製)、株式会社ADEKA製のアデカスタブAO-20、AO-30、AO-40、AO-50、AO-60、AO-80、住友化学株式会社のスミライザーBHT、スミライザーBBM-S、およびスミライザーGA-80等々があげられる。
酸化防止剤の添加量は、添加する場合は、重合性組成物に用いる、少なくとも1の重合性基を有する液晶性化合物の総量100質量部に対して、0.001~2.0質量部であることが好ましく、0.01~1.0質量部であることがより好ましい。
f)紫外線吸収剤
重合性組成物は、必要に応じて紫外線吸収剤や光安定剤を含有することができる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール「チヌビン PS」、「TINUVIN 234」、「TINUVIN 328」、「TINUVIN 384-2」、「TINUVIN 477」、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール「TINUVIN 900」、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール「TINUVIN 928」、「TINUVIN 1130」、「TINUVIN 400」、「TINUVIN 405」、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン「TINUVIN 460」、「チヌビン 479」、「TINUVIN 5236」(以上、BASF株式会社製)、「アデカスタブLA-32」、「アデカスタブLA-34」、「アデカスタブLA-36」、「アデカスタブLA-31」、「アデカスタブ1413」、「アデカスタブLA-51」(以上、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
光安定剤としては例えば、「TINUVIN 111FDL」、「TINUVIN 123」、「TINUVIN 144」、「TINUVIN 152」、「TINUVIN 292」、「TINUVIN 622」、「TINUVIN 770」、「TINUVIN 765」、「TINUVIN 780」、「TINUVIN 905」、「TINUVIN 5100」、「TINUVIN 5050」、「TINUVIN 5060」、「TINUVIN 5151」、「CHIMASSORB 119FL」、「CHIMASSORB 944FL」、「CHIMASSORB 944LD」(以上、BASF株式会社製)、「アデカスタブLA-52」、「アデカスタブLA-57」、「アデカスタブLA-62」、「アデカスタブLA-67」、「アデカスタブLA-63P」、「アデカスタブLA-68LD」、「アデカスタブLA-77」、「アデカスタブLA-82」、「アデカスタブLA-87」(以上、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は、添加する場合は、重合性組成物に用いる、少なくとも1の重合性基を有する液晶性化合物の総量100質量部に対して、0.01~2.0質量部であることが好ましく、0.05~1.0質量部であることがより好ましい。
g)連鎖移動剤
重合性組成物は、高分子スペーサーと基板との密着性をより向上させるため、または、高分子スペーサーを均一に重合させるため、連鎖移動剤を含有することができる。連鎖移動剤としては、芳香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、ブロモトリクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、
オクチルメルカプタン、n―ブチルメルカプタン、n―ペンチルメルカプタン、n-ヘキサデシルメルカプタン、n-テトラデシルメル、n―ドデシルメルカプタン、t-テトラデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン等のメルカプタン化合物、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等のチオール化合物、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のスルフィド化合物、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジビニルアニリン、ペンタフェニルエタン、α-メチルスチレンダイマー、アクロレイン、アリルアルコール、ターピノーレン、α-テルピネン、γ-テルビネン、ジペンテン、等が挙げられるが、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、チオール化合物がより好ましい。
具体的には下記一般式(9-1)~(9-12)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007283651000136
Figure 0007283651000137
式中、R95は炭素原子数2~18のアルキル基を表し、該アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であっても良く、該アルキル基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、-CO-、-OCO-、-COO-、又は-CH=CH-で置換されていてもよく、R96は炭素原子数2~18のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、硫黄原子、-CO-、-OCO-、-COO-、又は-CH=CH-で置換されていてもよい。
連鎖移動剤は、重合性組成物の各成分を混合し加熱攪拌して重合性組成物を調製する工程において添加することが好ましいが、その後の、重合性組成物及び液晶組成物を混合する工程においてに添加してもよいし、両方の工程において添加してもよい。
連鎖移動剤の添加量は、添加する場合は、重合性組成物に用いる、上記少なくとも1つの重合性基を有する化合物の総量100質量部に対して、0.5~10質量部であることが好ましく、1.0~5.0質量部であることがより好ましい。
h)色材
重合性組成物は、必要に応じて染料や顔料等の色材を含有することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は「質量%」を意味する。
[液晶組成物(1)の調製]
下記に示す、化合物1~化合物8を下記に示す組成比で混合し、化合物1~化合物8の総量100質量部に対して、酸化防止剤(化合物9)を0.02質量部含む液晶組成物(1)を調製した。
液晶組成物(1)のTNI(ネマチック-アイソトロピック転移温度)は74.5℃であった。また、T→N(固体又はスメクチック-ネマチック転移温度)は-19℃であった。
20℃、25℃における、誘電率及び誘電率異方性(Δε)、屈折率及び屈折率異方性(Δn)、回転粘性係数(Y)は下記の通りであった。
Figure 0007283651000138
(実施例1)
[重合性液晶組成物の調製]
下記に示す、化合物A1~化合物A3を下記に示す組成比で混合し、化合物A1~化合物A3の総量100質量部に対して、1質量部のイルガキュア(登録商標)651(BASF社製)、及び0.3質量部の2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを混合して、重合性組成物(2)を調製した。
Figure 0007283651000139
更に、70質量部の上記液晶組成物(1)、及び、30質量部の上記重合性組成物(2)を混合して、実施例1の重合性液晶組成物を得た。
[液晶表示素子の作製]
一方の基板にストライプ状の透明電極を有し、両方の基板に垂直配向処理が施された一対の基板の間に、実施例1の重合性液晶組成物を、毛細管現象を利用して注入して液晶セルを作製した。セル厚は5μmである。
直交格子形状で、マスク領域は一辺が100μmの正方形、露光領域の線幅(光の抜け部分の間隔)は10μm、ピッチ110μmの、図17に示す光学マスクを準備し、次に、液晶セルのストライプ状電極の方向に対して、光学マスクの直行格子が約45°の方向になるようにして、その液晶セルに対して光学マスク越しに0.2mW/cmの紫外線を300分間照射し、パターン露光して、実施例1の液晶表示素子を作製した。
実施例1の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図3(a)に示す。電圧無印加時の暗視野、及び電圧20V印加時の明視野の区別が、明瞭に観察できた。実施例1の液晶表示素子において、電圧20V印加時の明視野は、光学マスクのマスク領域の一辺が100μmの正方形と同じであり、露光領域の線幅の10μm、ピッチの110μmと同様の大きさの、直交格子形状の高分子スペーサーが観察できた。
また、電圧20V印加時の顕微鏡画像を図3(b)に示し、電子顕微鏡(SEM)を用いた高分子構造の観察結果を図3(c)に示す。図3(b)の顕微鏡画像でも、図3(c)の電子顕微鏡(SEM)の画像でも、光学マスクで紫外線が遮られたマスク領域には、ストライプ状電極が観察され、光学マスクで紫外線が遮られたマスク領域では重合性組成物(2)が重合していないのに対して、線幅10μmの露光領域では重合性組成物(2)が重合して、高分子壁構造を有する直交格子形状の高分子スペーサーが形成されていることが分かる。
すなわち、重合禁止剤を含有する重合性組成物を用いた実施例1の液晶表示素子では、幅が10μm、ピッチが110μm、高さが5μmの高分子スペーサーが、格子形状に形成されたことが確認できた。
(比較例1)
[重合性液晶組成物の調製]
下記に示す、化合物A1~化合物A3を下記に示す組成比で混合し、化合物A1~化合物A3の総量100質量部に対して、1質量部のイルガキュア(登録商標)651(BASF社製)を混合して、重合性組成物(3)を調製した。
Figure 0007283651000140
更に、70質量部の上記液晶組成物(1)、及び、30質量部の上記重合性組成物(3)を混合して、比較例1の重合性液晶組成物を得た。
[液晶表示素子の作製]
実施例1の液晶表示素子のうち、実施例1の重合性液晶組成物を比較例1の重合性液晶組成物に変更した点以外は実施例1の液晶表示素子と同様にして、比較例1の液晶表示素子を作製した。
得られた比較例1の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図4(a)に示す。電圧無印加時の暗視野、及び圧20V印加時の明視野の区別が観察できた。しかし、明視野は、マスク領域の100μmの正方形よりも小さくなっており、逆に、露光領域の線幅の10μmよりも太い約20μm幅の黒線が観察された。
また、電圧20V印加時の顕微鏡画像を図4(b)に示す。電子顕微鏡(SEM)を用いた高分子構造の観察結果を図4(c)に示す。図4(b)の顕微鏡画像でも、図4(c)の電子顕微鏡(SEM)の画像でも、光学マスクで紫外線が遮られたマスク領域に、ストライプ状電極が観察されず、約20μmの線幅の高分子壁構造との境界も不明瞭であった。
すなわち、重合禁止剤を含有しない重合性組成物を用いた比較例1の液晶表示素子では、幅が約20μm、ピッチが110μm、高さが5μmの高分子スペーサーが格子形状に形成されたものの、各格子の間の光学マスクで紫外線が遮られたマスク領域(すなわち、画素領域)でも、重合性組成物(3)が重合している様子が観察された。
図5は、実施例1の液晶表示素子及び比較例1の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。
重合禁止剤を含有する重合性組成物を用いた実施例1の液晶表示素子では、重合禁止剤を含有しない重合性組成物を用いた比較例1の液晶表示素子に比べて、駆動電圧が顕著に低減できていることが分かる。
これらのことから、重合禁止剤を含有しない重合性組成物を用いた比較例1の液晶表示素子では、パターン露光において、各格子の間の光学マスクで紫外線が遮られたマスク領域(すなわち、画素領域)に、高分子鎖が伸長して高分子ネットワークを形成し、そのために、画素領域の液晶分子の電圧応答を阻害し、その結果、駆動電圧が高くなり、コントラスト比の低下の問題を引き起こしていたと考えられる。
重合禁止剤を含有する重合性組成物を用いた実施例1の液晶表示素子では、重合禁止剤がマスク領域(すなわち、画素領域)に析出する高分子ネットワークを抑えることが可能であり、駆動電圧低減の効果をもたらすことを実験的に明らかにできた。
(実施例2)
[液晶表示素子の作製]
実施例1の重合性液晶組成物うち、80質量部の上記液晶組成物(1)、及び、20質量部の上記重合性組成物(2)を混合したこと、実施例1の液晶表示素子の、液晶セルに対して光学マスク越しに0.2mW/cmの紫外線を300分間照射したことを変更して、液晶セルに対して光学マスク越しに1.0mW/cmの紫外線を60分間照射したこと以外は実施例1の液晶表示素子と同様にして、実施例2の液晶表示素子を作製した(表1)。
(実施例3)
[液晶表示素子の作製]
実施例1の重合性液晶組成物うち、80質量部の上記液晶組成物(1)、及び、20質量部の上記重合性組成物(2)を混合したこと以外は実施例1の液晶表示素子と同様にして、実施例3の液晶表示素子を作製した(表1)。実施例2及び3の液晶表示素子において、積算光量(照射エネルギー量)は、3600mJ/cmであり同一である。
Figure 0007283651000141
実施例2の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図6(a)に示す。実施例3の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図6(b)に示す。
図7は、実施例2の液晶表示素子及び実施例3の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。
図6の通り、実施例2及び3のどちらの液晶表示素子でも、マスク領域(すなわち、画素領域)に高分子ネットワークの析出は確認できない。その一方で、電圧透過率特性を調べた結果、図7の通り、低強度で紫外線を露光した実施例3の液晶表示素子は、高強度で紫外線を露光した実施例2の液晶表示素子と比較して、駆動電圧が低減できていることが分かった。これは、実施例3の液晶表示素子では、低強度で紫外線を露光したことにより、重合性組成物の重合硬化速度が抑えられた分だけ、多くの重合性組成物成分が、マスク領域から露光領域に拡散する時間を与え、マスク領域での高分子ネットワークの析出を、より効果的に抑えることができたためであると考えられる。すなわち、紫外線強度を低く抑えることで、マスク領域における高分子ネットワークの析出を抑えることが可能であることを明らかにできた。
実施例3の液晶表示素子の作製過程において、液晶セルに対して光学マスク越しに0.2mW/cmの紫外線を5時間照射したうち、(a)1時間(積算光量:720mJ/cm)照射したもの、(b)2時間(積算光量:1440mJ/cm)照射したもの、(c)3時間(積算光量:2160mJ/cm)照射したもの、(d)4時間(積算光量:2880mJ/cm)照射したものを取り出し、(e)5時間(積算光量:3600mJ/cm)照射したもの(実施例3の液晶表示素子)と比較して、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図8に示した。
図8の偏光顕微鏡画像を観察すると、露光時間が3時間以下の場合、4時間以上の露光時間で作製した液晶表示素子と比較して光学マスクのパターンよりも線幅の狭い高分子壁が作製されていることが分かった。露光時間が3時間以下では紫外線の照射エネルギーが足りず、液晶組成物中に混合されている重合性組成物の大半が重合反応に寄与しなかったためであると考えられる。一方、4時間以上の露光時間を確保して作製した液晶表示素子では、明瞭な格子形状の高分子壁構造が形成されていることが分かる。しかしながら、4時間の露光では、高分子壁が形成されない箇所が複数確認できた。高分子壁が局所的にも形成されないと、湾曲時に液晶の流動を抑えることが困難になるため好ましくない。また、高電圧印加時に高分子壁の領域でもわずかな光変調が見られた。これは、高分子壁の内部構造が密になっていない部分に取り込まれた液晶組成物の成分が電圧により駆動してしまっているためであると考えられる。このことから、実施例3の液晶表示素子の作製過程においては、0.2mW/cmの紫外線の強度では5時間の露光により、好適に、直交格子形状の高分子スペーサーが形成されることが分かった。
(実施例4~6)
[液晶表示素子の作製]
実施例1で用いた直交格子形状の光学マスクのパターンのうち、露光領域の線幅(すなわち、光の抜け部分の間隔)を10μmに固定して、40μmのピッチ(実施例4)、60μmのピッチ(実施例5)、210μmのピッチ(実施例6)のものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4~6の液晶表示素子を作製した(表2)。
Figure 0007283651000142
マスク領域(すなわち、画素領域)内における高分子ネットワークの析出量は、露光領域から漏れ出す紫外光や、液晶組成物や重合性組成物の分子の流動および露光領域からの高分子鎖の伸長によって左右される。光学マスクのパターンにおけるマスク領域の大きさは、露光領域からこれらの高分子鎖の伸長現象が及ぼす領域を変化させることから、マスク領域内における高分子ネットワークの析出を制御するものとして重要なパラメータであると考えられる。
実施例1,4~6の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図9に示す。
図10は、実施例1,4~6の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。
図9の偏光顕微鏡画像より、それぞれの光学マスクのパターンに応じて液晶組成物と重合性組成物の相分離形態が制御されていることが分かった。その一方、図10の電圧透過率特性の評価結果より、マスク領域の正方形の一辺が長いほど液晶表示素子の駆動電圧が低減できていることが分かる。これはマスク領域の面積が大きくなった場合において、紫外線の漏れ光がマスク領域の中心部まで侵入していないこと、露光領域から伸長する高分子ネットワークが重合禁止剤の効果によってマスク領域内部に形成されないこと、さらには重合性組成物の流動が、露光領域からマスク領域へと移るのではなく、むしろ、マスク領域から露光領域へ拡散することの三の要素によるものであると考えられる。
(実施例7)
[液晶表示素子の作製]
実施例1の液晶表示素子について、光学マスクを外して、二回目の紫外線照射として、液晶セルに対して10mW/cmの紫外線を6分間照射して、実施例7の液晶表示素子を作製した(表3)。
Figure 0007283651000143
光学マスクを介した紫外線の露光では、マスク領域の大きさが大きい場合、マスク領域に重合性組成物が残留してしまう可能性がある。マスク領域内に残留した重合性組成物は、液晶表示素子の特性の一つである電圧保持率を低下させるなどの影響を及ぼす可能性があることから、マスク領域内に重合性組成物が残留している状態は実用上好ましくない。マスク領域内に重合性組成物が残留しているか否かを調べるため、実施例7では、液晶表示素子の作製後、液晶セル全体に紫外線の全面照射を行った。マスク領域内に重合性組成物が残留している場合、紫外線の全面露光によってマスク領域内で残留した重合性組成物が重合して高分子ネットワークを形成することから、液晶表示素子の駆動電圧が極端に上昇することや、光変調機能の低下が予測される。したがって、全面露光前後のデバイスにおける光変調特性の変化より、マスク領域における残留している重合性組成物の存在を定性的に評価することが可能となる。
マスク領域の正方形の一辺の長さが100μmの実施例1及び7の、全面露光前後の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図11(a)及び図11(b)に示す。
図12は、マスク領域の正方形の一辺の長さが100μmの実施例1及び7の、全面露光前後の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。
図11に示した偏光顕微鏡画像より、マスク領域の正方形の一辺の長さが100μmの光学マスクを用いて露光した実施例1の液晶表示素子(図11(a))と、その後、全面露光した実施例7の液晶表示素子(図11(b))とで、電圧印加時における様子に大きな差は見られなかった。
また、図12の電圧透過率特性の結果から示される通り、マスク領域の正方形の一辺の長さが100μmの光学マスクを用いて露光した実施例1の液晶表示素子(図12(a))と、その後、全面露光した実施例7の液晶表示素子(図12(b))とで、電圧透過率特性に大きな差は見られなかった。
マスク領域の面積が小さい場合、マスク領域内に析出する高分子ネットワークの析出を重合禁止剤によって抑えることができず、結果として駆動電圧の増加や光透過率の低下によるコントラスト比の低下につながるおそれがある。その一方で、マスク領域の大きさが大きすぎると、マスク領域内に重合に寄与しないモノマーが残留してしまうおそれがある。
これらのことから、パターン露光で用いる光学マスクのマスク領域の大きさは、マスク領域内における高分子ネットワークの析出、マスク領域から露光領域への重合性組成物の拡散長、重合性組成物のマスク領域の残留の観点から、適したマスク領域のサイズがあると考えられる。
(実施例8)
[液晶表示素子の作製]
実施例1及び実施例7で用いた光学マスクを、直交格子形状で、マスク領域は一辺が100μmの正方形、露光領域の線幅(光の抜け部分の間隔)は20μm、ピッチ120μmの光学マスクに変更した点以外は、実施例7と同様にして、一回目の紫外線照射(パターン露光)、及び、二回目の紫外線照射(全面露光)をして、実施例8の液晶表示素子を作製した(表3)。
実施例8では、光学マスクの露光領域の線幅は、液晶セルに紫外線が当たる面積を直接的に制御するものであり、紫外線照射領域における高分子の密度が変化し、それに伴ってマスク領域への高分子ネットワークの析出が変化することから、光学マスクの露光領域の線幅について検討した。
露光領域の線幅が(光の抜け部分の間隔)が10μmの実施例7の、全面露光後の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図13(a)に示す。
また、露光領域の線幅が(光の抜け部分の間隔)が20μmの実施例8の、全面露光後の液晶表示素子の、電圧20V印加時の偏光顕微鏡画像を図13(b)に示す。
図14は、実施例7及び8の、露光領域の線幅が(光の抜け部分の間隔)が10μm及び20μmの液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。
図13の偏光顕微鏡画像より、光学マスクの露光領域の線幅を10μmから20μmに変更したことに伴って、形成された直交格子形状の高分子スペーサーのうち、高分子壁の幅が約10μmから約20μmに太くなっていることが分かるが、マスク領域の光変調が起こっている部分においては特に大きな差は見られない。その一方で、図14の電圧透過率特性から、光学マスクの露光領域の線幅を20μmに変更し一回目の紫外線照射を施した実施例8の液晶表示素子は、光学マスクの露光領域の線幅を10μmの条件で一回目の紫外線照射を施した実施例7の液晶表示素子と比較して、液晶表示素子の駆動電圧が低減できていることが分かる。
実施例8の液晶表示素子では、一回目の紫外線照射の光学マスクの露光領域の線幅を20μmと太くしたことにより、液晶セル全体として紫外線が照射される面積が増加し、その結果、直交格子形状の高分子スペーサーのうち高分子壁が形成される光学マスクの露光領域で重合して形成する高分子が増加し、相対的にマスク領域内で析出する高分子ネットワークが減少したことから、液晶表示素子の駆動電圧が抑えられたと考えられる。
(比較例2)
[液晶表示素子の作製]
実施例1の重合性液晶組成物を用いることなく、一方の基板にストライプ状電極を有し垂直配向処理が施された一対の基板の間に、液晶組成物(1)を、毛細管現象を利用して注入して液晶セルを作製した点以外は、実施例1の液晶表示素子と同様にして、比較例2の液晶表示素子を作製した(表4)。
Figure 0007283651000144
図15は、実施例1、比較例1及び比較例2の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。
重合禁止剤を含有する重合性組成物を用いた実施例1の液晶表示素子では、重合性組成物を混合しない比較例2の液晶表示素子の駆動電圧、コントラスト比と比べると、特性が低下しているものの、重合禁止剤を含有しない重合性組成物を用いた比較例1の液晶表示素子に比べて、駆動電圧が顕著に低減できていることが分かる。
図16(a)は、実施例1の液晶表示素子の、電圧無印加時の偏光顕微鏡画像であり、図16(a)は、実施例1の液晶表示素子について、電圧無印加時に液晶セルの直上からピンセットで荷重を印加したときの偏光顕微鏡画像である。
図16(c)は、比較例2の液晶表示素子の、電圧無印加時の偏光顕微鏡画像であり、図16(d)は、比較例2の液晶表示素子について、電圧無印加時に液晶セルの直上からピンセットで荷重を印加したときの偏光顕微鏡画像である。
液晶セルに、液晶組成物(1)のみを注入した比較例2の液晶表示素子では、ピンセットで押したことで液晶が流動し、暗状態において偏光状態が乱れて光が漏れ出していることがわかる。
一方、液晶組成物(1)に重合禁止剤を含有する重合性組成物(2)を混合して重合性液晶組成物を調製し、この重合性液晶組成物を液晶セルに注入した実施例1の液晶表示素子では、ピンセットで押したときでも偏光状態が変化せず、光漏れを確認することはできなかった。
高分子壁構造を有する高分子スペーサーは、フレキシブルLCDの湾曲時における表示の乱れを大幅に抑制することが可能であり、かつ大きな衝撃を加えても内部構造が変化せず、高分子スペーサーの高さ及び液晶層のセル厚が保たれることを確認できた。
(実施例9)
[液晶表示素子の作製]
実施例1の液晶表示素子のうち、液晶セルに対して光学マスク越しに0.2mW/cmの紫外線を300分間照射したことを変更して、液晶セルに対して光学マスク越しに1.0mW/cmの紫外線を60分間照射した点以外は、実施例1の液晶表示素子と同様にして、実施例9の液晶表示素子を作製した。
(実施例10)
[重合性液晶組成物の調製]
下記に示す、化合物A4及び化合物A5を下記に示す組成比で混合し、化合物A4~化合物A5の総量100質量部に対して、1質量部のイルガキュア(登録商標)651(BASF社製)、及び0.3質量部の2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを混合して、重合性組成物(3)を調製した。
Figure 0007283651000145
更に、70質量部の上記液晶組成物(1)、及び、30質量部の上記重合性組成物(3)を混合して、実施例10の重合性液晶組成物を得た。
[液晶表示素子の作製]
実施例9の液晶表示素子において、一方の基板にストライプ状電極を有し垂直配向処理が施された一対の基板の間に、実施例10の重合性液晶組成物を、毛細管現象を利用して注入して液晶セルを作製した点以外は、実施例9の液晶表示素子と同様にして、実施例10の液晶表示素子を作製した。
(実施例11)
[重合性液晶組成物の調製]
下記に示す、化合物A1~化合物A3を下記に示す組成比で混合し、化合物A1~化合物A3の総量100質量部に対して、1質量部のイルガキュア(登録商標)651(BASF社製)、及び0.15質量部の2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを混合して、重合性組成物(4)を調製した。
Figure 0007283651000146
更に、70質量部の上記液晶組成物(1)、及び、30質量部の上記重合性組成物(4)を混合して、実施例11の重合性液晶組成物を得た。
[液晶表示素子の作製]
実施例9の液晶表示素子において、一方の基板にストライプ状電極を有し垂直配向処理が施された一対の基板の間に、実施例12の重合性液晶組成物を、毛細管現象を利用して注入して液晶セルを作製した点以外は、実施例9の液晶表示素子と同様にして、実施例11の液晶表示素子を作製した。
(実施例12)
[重合性液晶組成物の調製]
下記に示す、化合物A2、化合物A3及び化合物A6を下記に示す組成比で混合し、化合物A2、化合物A3及び化合物A6の総量100質量部に対して、1質量部のイルガキュア(登録商標)651(BASF社製)、及び0.3質量部の2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを混合して、重合性組成物(5)を調製した。
Figure 0007283651000147
更に、70質量部の上記液晶組成物(1)、及び、30質量部の上記重合性組成物(5)を混合して、実施例12の重合性液晶組成物を得た。
[液晶表示素子の作製]
実施例9の液晶表示素子において、一方の基板にストライプ状電極を有し垂直配向処理が施された一対の基板の間に、実施例12の重合性液晶組成物を、毛細管現象を利用して注入して液晶セルを作製した点以外は、実施例9の液晶表示素子と同様にして、実施例12の液晶表示素子を作製した。
(実施例13)
[重合性液晶組成物の調製]
下記に示す、化合物A1、化合物A7及び化合物A8を下記に示す組成比で混合し、化合物A1、化合物A7及び化合物A8の総量100質量部に対して、1質量部のイルガキュア(登録商標)651(BASF社製)、及び0.3質量部の2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを混合して、重合性組成物(6)を調製した。
Figure 0007283651000148
更に、70質量部の上記液晶組成物(1)、及び、30質量部の上記重合性組成物(6)を混合して、実施例13の重合性液晶組成物を得た。
[液晶表示素子の作製]
実施例9の液晶表示素子において、一方の基板にストライプ状電極を有し垂直配向処理が施された一対の基板の間に、実施例13の重合性液晶組成物を、毛細管現象を利用して注入して液晶セルを作製した点以外は、実施例9の液晶表示素子と同様にして、実施例13の液晶表示素子を作製した。
図18は、実施例9~13の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。実施例10~13の液晶表示素子は、それぞれ、実施例10~13の重合性液晶組成物を用いている点以外は、実施例1の重合性液晶組成物を用いた実施例9の液晶表示素子と同様であり、実施例9~13の液晶表示素子は、液晶組成物(1)を同じ組成量用いている点でも共通している。
実施例9~13の液晶表示素子の中では、実施例1の重合性液晶組成物を用いた実施例9の液晶表示素子の電圧透過率特性が、駆動電圧が最も低く、透過率が最も高いという結果となった。この結果は、重合性液晶組成物のうち、重合性組成物の種類により、高分子スペーサーの高分子壁の構造と、画素領域の光学特性が大きく影響を受けることを示している。
実施例9の液晶表示素子と、実施例11の液晶表示素子とでは、実施例9の液晶表示素子を作製する際に、重合性組成物(2)の調製において重合禁止剤である2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを0.3質量部混合しているのに対して、実施例11の液晶表示素子を作製する際に、重合性組成物(4)の調製において重合禁止剤である2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを0.15質量部混合しているだけの違いである。
実施例9の液晶表示素子の電圧透過率特性と、実施例11の液晶表示素子の電圧透過率特性とを比較すると、実施例9の液晶表示素子の方が、駆動電圧が低く、透過率も高いという結果であった。重合禁止剤の濃度としては、実施例11の重合性組成物(4)の重合禁止剤の含有量よりも、実施例9の重合性組成物(2)の重合禁止剤の含有量の方が好適であるという結果であった。
(実施例14)
[液晶表示素子の作製]
実施例11の液晶表示素子のうち、液晶セルに対して光学マスク越しに1.0mW/cmの紫外線を60分間照射したことを変更して、液晶セルに対して光学マスク越しに0.2mW/cmの紫外線を300分間照射した点以外は、実施例11の液晶表示素子と同様にして、実施例14の液晶表示素子を作製した。
実施例1の液晶表示素子と、実施例14の液晶表示素子とでは、実施例1の液晶表示素子を作製する際に、重合性組成物(2)の調製において重合禁止剤である2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを0.3質量部混合しているのに対して、実施例14の液晶表示素子を作製する際に、重合性組成物(4)の調製において重合禁止剤である2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを0.15質量部混合しているだけの違いである。
(実施例15)
下記に示す、化合物A1~化合物A3を下記に示す組成比で混合し、化合物A1~化合物A3の総量100質量部に対して、1質量部のイルガキュア(登録商標)651(BASF社製)、及び0.15質量部の4-メトキシ-1-ナフトールを混合して、重合性組成物(7)を調製した。
Figure 0007283651000149
更に、70質量部の上記液晶組成物(1)、及び、30質量部の上記重合性組成物(7)を混合して、実施例15の重合性液晶組成物を得た。
[液晶表示素子の作製]
実施例9の液晶表示素子において、一方の基板にストライプ状電極を有し垂直配向処理が施された一対の基板の間に、実施例15の重合性液晶組成物を、毛細管現象を利用して注入して液晶セルを作製した点以外は、実施例9の液晶表示素子と同様にして、実施例15の液晶表示素子を作製した。
実施例15の液晶表示素子は、実施例11の液晶表示素子とでは、実施例11の液晶表示素子を作製する際に、重合性組成物(4)の調製において重合禁止剤である2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンを実施例15の液晶表示素子を作製する際に、重合性組成物(7)において重合性禁止剤を4-メトキシ-1-ナフトールに代えただけの違いである。
実施例1の液晶表示素子の、電圧30V印加時の偏光顕微鏡画像を図20(a)に示す。実施例14の液晶表示素子の、電圧30V印加時の偏光顕微鏡画像を図20(b)に示す。
実施例11の液晶表示素子の、電圧30V印加時の偏光顕微鏡画像の図19(c)では、マスク領域内に高分子ネットワークの析出が若干観察されたが、実施例14の液晶表示素子の、電圧30V印加時の偏光顕微鏡画像の図20(b)では、観察されなかった。
図21は、実施例1の液晶表示素子及び実施例14の液晶表示素子の、電圧透過率特性の評価結果を示すグラフである。
紫外線照射強度により電圧透過率特性が僅かに変化しており、紫外線照射強度を小さく、長時間露光することにより、重合禁止剤の濃度の違いは小さくなった。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
10,100・・・液晶表示素子、11,12・・・基板、13・・・液晶層、14・・・高分子スペーサー、15・・・反応停止点、16・・・ポリマーネットワーク,17・・・光学マスク、18,19・・・電極、20・・・偏光板、 21・・・液晶組成物、22・・・少なくとも1つの重合性基を有する化合物、22’・・・高分子化合物、23・・・重合禁止剤、24・・・重合開始剤、 30・・・スペーサー、31・・・シール樹脂、32・・・フレキシブルバックライト、33・・・マイクロカラーフィルター、34・・・液晶分子、35・・・配向膜、36・・・ブラックマトリックス、37・・・透明電極、38・・・光学補償フィルム、39・・・エッジライト、P・・・露光領域、M・・・マスク領域

Claims (4)

  1. 少なくとも一方の基板に電極を有する一対の基板と、前記一対の基板の間に、液晶組成物を含有する液晶層及び高分子スペーサーとを備え、
    前記高分子スペーサーが、少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有する重合性組成物の硬化物であり、
    前記重合性組成物が、前記少なくとも1つの重合性基を有する化合物として、1つの重合性基を有する液晶性化合物の1種と、2以上の重合性基を有する液晶性化合物の2種とを含有する液晶表示素子。
  2. 前記一対の基板が可撓性を有する請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記液晶組成物が、下記一般式(J)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有する請求項1又は2に記載の液晶表示素子。
    Figure 0007283651000150
    (式中、RJ1は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
    J1は、0、1、2、3又は4を表し、
    J1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立して、
    (a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
    (b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
    (c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
    からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、
    J1及びZJ2はそれぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表し、
    J1が2、3又は4であってAJ2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nJ1が2、3又は4であってZJ1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
    J1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2-トリフルオロエチル基を表す。)
  4. 少なくとも一方の基板に電極を有する一対の基板の間に、少なくとも1つの重合性基を有する化合物及び重合禁止剤を含有する重合性組成物、並びに液晶組成物を狭持させた後に、
    前記重合性組成物に、光学マスクを用いてエネルギー線をパターン露光することにより、エネルギー線が照射された領域に、前記重合性組成物の硬化物からなる高分子スペーサーを形成させ、
    前記重合性組成物が、前記少なくとも1つの重合性基を有する化合物として、1つの重合性基を有する液晶性化合物の1種と、2以上の重合性基を有する液晶性化合物の2種とを含有する液晶表示素子の製造方法。
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