JP2020139064A - 石油系芳香族含有油、ゴム組成物、タイヤ及びタイヤの製造方法 - Google Patents

石油系芳香族含有油、ゴム組成物、タイヤ及びタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れたゴム組成物を製造可能とし、REACH規則を満たす石油系芳香族含有油を提供する。【解決手段】クレイゲル法による飽和分の割合が、40質量%以下であり、HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、芳香族分100質量%に対し、10質量%以上30質量%以下であり、ベンゾ(a)ピレンの含有量が1質量ppm以下であり、下記1)〜8)の特定芳香族化合物の含有量の合計が10質量ppm以下である、石油系芳香族含有油。1)ベンゾ(a)ピレン(BaP)、2)ベンゾ(e)ピレン(BeP)、3)ベンゾ(a)アントラセン(BaA)、4)クリセン(CHR)、5)ベンゾ(b)フルオランテン(BbFA)、6)ベンゾ(j)フルオランテン(BjFA)、7)ベンゾ(k)フルオランテン(BkFA)、8)ジベンゾ(a,h)アントラセン(DBAhA)。【選択図】なし

Description

本発明は、石油系芳香族含有油、ゴム組成物、タイヤ及びタイヤの製造方法に関する。
一般にゴム製品には、ゴム組成物の加工性や軟化性を改善するためにプロセスオイルが配合されることが多い。たとえばSBR(スチレンブタジエン共重合体ゴム)等の合成ゴムには、その合成時に伸展油(エキステンダーオイル)が配合されている(ゴム配合油)。また、タイヤ等のゴム加工製品には、その加工性やゴム加工製品の品質を改善するために加工油(プロセスオイル)が配合されている。なお、ここでは伸展油と加工油とで表現を分けているが、これらは総称してプロセスオイルと呼ばれることがある。
一方で、欧州においては、ゴム配合油に特定の発ガン性多環芳香族化合物を特定量以上含有するものを、タイヤ又はタイヤ部品の製造に使用してはならないとの規制(REACH規則)が2010年より適用されている。そのため、REACH規則に合致するゴム配合油が求められている。
自動車分野における省燃費化の動向は非常に注目されており、タイヤの省燃費化についてもさらなる改良が要求されている。タイヤには、2010年1月からタイヤラベリング制度が開始されるに伴い、省燃費性を示す「転がり抵抗性能」とブレーキ性能を示す「ウェットグリップ性能」の向上が強く求められている。しかしながら、一般に転がり抵抗性能とウェットグリップ性能とは背反の関係にあり、これらの高次元での両立が課題となっている。
タイヤの転がり抵抗性能の向上には、空気抵抗の低減や、トレッドパターンの工夫などの他、ゴム組成すなわちトレッドコンパウンド自身のヒステリシスロスを抑制する手法がある。近年、タイヤ処方のひとつである補強材として、シリカを配合するコンパウンドが普及してきている。シリカは、単に配合するだけではコンパウンド中でシリカ同士が凝集して、ゴム変形時にシリカ分子同士が擦れてエネルギーロスを生じやすい。これに対し、ウェットグリップ性能を保ちつつ、転がり抵抗性能を改良するという狙いから、末端変性シリカやシランカップリング剤を適用することで、シリカの存在形態をコントロールする手法が提案されている。
特許文献1によれば、ゴム成分と、含水炭酸カルシウムと、シランカップリング剤とを混練する第一ベース練り工程と、前記第一ベース練り工程により得られた混練物と、シリカとを混練する第二ベース練り工程とを含む製造方法により得られるタイヤ用ゴム組成物が開示されている。これによれば、シリカの分散性に優れ、省燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランス良く向上できるタイヤ用ゴム組成物が得られるという。
特開2012−153787号公報
しかしながら、タイヤには、さらなる「転がり抵抗性能」及び「ウェットグリップ性能」の向上と、これらの両立が求められている。かかる要求に対し、シリカやシランカップリング剤以外のゴム部材からの様々なアプローチが期待される。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れたゴム組成物を製造可能とし、REACH規則を満たす石油系芳香族含有油を提供することを目的とする。
また、本発明は、REACH規則を満たす石油系芳香族含有油を含有し、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れた、ゴム組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該石油系芳香族含有油を含有するタイヤ、及び当該タイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、飽和分と、芳香族分のなかでも特に2環芳香族分と、を下記の特定量で含む油を配合することで、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れるゴム組成物を製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、下記の石油系芳香族含有油、ゴム組成物、タイヤ、及びタイヤの製造方法である。
(1)クレイゲル法による飽和分の割合が、40質量%以下であり、
HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、10質量%以上30質量%以下であり、
ベンゾ(a)ピレンの含有量が1質量ppm以下であり、
下記1)〜8)の特定芳香族化合物の含有量の合計が10質量ppm以下である、石油系芳香族含有油。
1)ベンゾ(a)ピレン(BaP)
2)ベンゾ(e)ピレン(BeP)
3)ベンゾ(a)アントラセン(BaA)
4)クリセン(CHR)
5)ベンゾ(b)フルオランテン(BbFA)
6)ベンゾ(j)フルオランテン(BjFA)
7)ベンゾ(k)フルオランテン(BkFA)
8)ジベンゾ(a,h)アントラセン(DBAhA)。
(2)前記クレイゲル法による飽和分の割合が、20質量%以上である、前記(1)に記載の石油系芳香族含有油。
(3)前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、28質量%以下である、前記(1)又は(2)に記載の石油系芳香族含有油。
(4)前記クレイゲル法による飽和分の割合が、35質量%以下である、前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油。
(5)前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、20質量%以上である、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油。
(6)前記クレイゲル法による飽和分の割合が、30質量%以下である、前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油。
(7)前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、25質量%以下である、前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油。
(8)前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、24.5質量%以下である、前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油。
(9)ゴムに混合されて用いられるエキステンダーオイル又はプロセスオイルである、前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油。
(10)前記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油と、ゴムとを含有する、ゴム組成物。
(11)前記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油を含有する、タイヤ。
(12)ゴムと、前記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の石油系芳香族含有油と、を配合して加硫することを含む、前記(11)に記載のタイヤの製造方法。
本発明によれば、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れたゴム組成物を製造可能とし、REACH規則を満たす石油系芳香族含有油を提供できる。
また、本発明によれば、REACH規則を満たす石油系芳香族含有油を含有し、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れた、ゴム組成物を提供できる。
また、本発明によれば、当該石油系芳香族含有油を含有するタイヤ、及び当該タイヤの製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法の一例を説明する工程図である。 本発明の一実施形態のタイヤ組成物を調製する過程の一例を説明する工程図である。
以下、本発明の石油系芳香族含有油、ゴム組成物、タイヤ、及びタイヤの製造方法の実施形態を説明する。
≪石油系芳香族含有油≫
実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による飽和分の割合、HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合、ベンゾ(a)ピレンの含有量、及び特定芳香族化合物の含有量が、特定の数値範囲を満たすものである。これらの項目について下記数値範囲を満たす石油系芳香族含有油を含有するゴム組成物又はタイヤは、tanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立される。
ここで、「ウェットグリップ性能」とは、いわゆるブレーキ性能のことで、動的粘弾性試験によって得られるtanδ(0℃)がその指標となる。「転がり抵抗性能」とは、いわゆる省燃費性能のことで、動的粘弾性試験によって得られるtanδ(50℃)がその指標となる。
上記「石油系」とは、石油由来(Petroleum-Derived)の炭化水素油を含有することを意味する。上記「芳香族含有油」とは、クレイゲル法による飽和分の割合、及びHPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、下記数値範囲を満たすものであることを意味する。
実施形態の石油系芳香族含有油は、上記各項目の数値範囲を満たすものであれば、製法や分類は特に制限されるものではなく、例えば、常圧蒸留残渣、常圧蒸留留分、減圧蒸留留分、減圧蒸留残渣、脱れき油、溶剤抽出ラフィネート、水素化精製油、脱蝋油、溶剤抽出エキストラクト等が挙げられ、後述の石油系芳香族含有油の製造方法で製造された油を含有するものであることが好ましい。石油系芳香族含有油における石油由来の炭化水素油の含有割合は、50質量%以上であってよく、80質量%以上であってよく、95質量%以上であってよい。
以下、実施形態の石油系芳香族含有油の性状に係る各項目について説明する。
石油系油の成分はクレイゲル法によって、飽和分、芳香族分、極成分(質量%)に分類可能である。以下のクレイゲル法による飽和分、芳香族分、又は極成分(質量%)の値は、飽和分、芳香族分、及び極成分の総量100質量%に対する値である。
実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による飽和分の割合が、40質量%以下であり、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による飽和分の割合が、5質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、22質量%以上であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による飽和分の割合が、5質量%以上40質量%以下であってもよく、20質量%以上35質量%以下であってもよく、22質量%以上30質量%以下であってもよい。
上記の飽和分の割合が上記数値を満たすことで、当該油を含有するゴム組成物又はタイヤのtanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立される。
このことは、飽和分が炭化水素の極性として適度なバランスであり、ゴムに一定の親和性を示すとともに、ゴムの配合剤にも一定の親和性を示すものであるため、上記の飽和分の割合が上記範囲内にあることで、製造されるゴム組成物又はタイヤの物理特性を好適なものとできるためと考えられる。
実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による芳香族分の割合が、50質量%以上であることが好ましく、51質量%以上であることがより好ましく、58質量%以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による芳香族分の割合が、74質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、66質量%以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による芳香族分の割合が、50質量%以上74質量%以下であってもよく、51質量%以上70質量%以下であってもよく、58質量%以上66質量%以下であってもよい。
上記の芳香族分の割合が上記数値を満たすことで、当該油を含有するゴム組成物又はタイヤのtanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立される。
このことは、芳香族分がゴムに高い親和性を示すものであるため、上記の芳香族分の割合が上記範囲内にあることで、製造されるゴム組成物又はタイヤの物理特性を好適なものとできるためと考えられる。
実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による極成分の割合が、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による極成分の割合が、12質量%以下であることが好ましく、11質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、クレイゲル法による極成分の割合が、3質量%以上12質量%以下であってもよく、4質量%以上11質量%以下であってもよく、5質量%以上10質量%以下であってもよい。
上記の極成分の割合は、上記の飽和分及び芳香族分の割合と相反関係となるものであり、上記の極成分の割合が、上記数値を満たすことで、当該油を含有するゴム組成物又はタイヤのtanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立される。
クレイゲル法による飽和分、芳香族分、及び極成分の割合(質量%)は、ASTM D2007−11 Standard Test Method for Characteristic Groups in Rubber Extender and Processing Oils and Other Petroleum-Derived Oils by the Clay-Gel Absorption Chromatographic Methodの規定により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、10質量%以上であり、16質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、22質量%以上であることがさらに好ましく、23質量%以上であることが特に好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、30質量%以下であり、28質量%以下であることが好ましく、26質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましく、24.5質量%以下であることが特に好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、10質量%以上30質量%以下であってもよく、16質量%以上28質量%以下であってもよく、20質量%以上26質量%以下であってもよく、22質量%以上25質量%以下であってもよく、23質量%以上24.5質量%以下であってもよい。ここで、上記の2環芳香族分の割合が上記数値を満たすことで、当該油を含有するゴム組成物又はタイヤのtanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立される。
このことは、後述の実施例に示すデータから検討されるに、芳香族分の中でも2環以上の芳香族分の割合が、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能の両立に大きく寄与する。そのなかで、2環芳香族分は、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能の向上に加え、さらにREACH規則を満たすとの観点からも良好な性質を有する。
実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される1環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、48質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、52質量%以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される1環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、64質量%以下であることが好ましく、62質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される1環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、48質量%以上64質量%以下であってもよく、50質量%以上62質量%以下であってもよく、52質量%以上60質量%以下であってもよい。
上記の1環芳香族分の割合は、上記の2環以上の芳香族分の割合と相反関係となるものであり、上記の1環芳香族分の割合が、上記数値を満たすことで、当該油を含有するゴム組成物又はタイヤのtanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立される。
実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される3環以上の芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、10質量%以上であることが好ましく、12質量%以上であることがより好ましく、14質量%以上であることがさらに好ましく、16質量%以上であることが特に好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される3環以上の芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、28質量%以下であることが好ましく、26質量%以下であることがより好ましく、24質量%以下であることがさらに好ましく、23質量%以下であることが特に好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、HPLCを用いて分画される3環以上の芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、10質量%以上28質量%以下であってもよく、12質量%以上26質量%以下であってもよく、14質量%以上24質量%以下であってもよく、16質量%以上23質量%以下であってもよい。
上記の3環以上の芳香族分の割合が、上記数値を満たすことで、当該油を含有するゴム組成物又はタイヤのtanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立され、さらにREACH規則を満たす点からも良好なものとすることができる。
HPLCを用いた芳香族分分画は、後述の実施例に記載の測定条件により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、
ベンゾ(a)ピレンの含有量が1質量ppm以下であり、
下記1)〜8)の特定芳香族化合物(PAHs)の含有量の合計が10質量ppm以下である。
1)ベンゾ(a)ピレン(BaP)
2)ベンゾ(e)ピレン(BeP)
3)ベンゾ(a)アントラセン(BaA)
4)クリセン(CHR)
5)ベンゾ(b)フルオランテン(BbFA)
6)ベンゾ(j)フルオランテン(BjFA)
7)ベンゾ(k)フルオランテン(BkFA)
8)ジベンゾ(a,h)アントラセン(DBAhA)。
これらベンゾ(a)ピレン及び上記特定芳香族化合物(PAHs)の含有量の含有量が上記範囲内であることで、REACH規則におけるエキステンダーオイルへの含有規制に順守した、より安全性の高いゴム配合油とすることができる。
これらの化合物の含有量は、対象成分を分離・濃縮した後、内部標準物質を添加した試料を調製して、GC−MS分析により定量分析することで取得できる。
ベンゾ(a)ピレン及び特定芳香族化合物(PAHs)の含有量は、欧州規格EN 16143:2013 Petroleum products - Determination of content of Benzo(a)pyrene (BaP) and selected polycyclic aromatic hydrocarbons (PAH) in extender oils - Procedure using double LC cleaning and GC/MS analysisの規定により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、100℃における動粘度が、25mm/s以上であることが好ましく、27mm/s以上であることがより好ましく、28mm/s以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、100℃における動粘度が、75mm/s以下であることが好ましく、58mm/s以下であることがより好ましく、50mm/s以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、100℃における動粘度が、25mm/s以上75mm/s以下の範囲であってもよく、27mm/s以上58mm/s以下の範囲であってもよく、28mm/s以上50mm/s以下の範囲であってもよい。上記動粘度の値が上記数値を満たすものであると、石油系芳香族含有油を含有するゴム組成物又はタイヤの粘度が好ましいものとなることから、tanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値がより一層好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能の両立がより一層好ましいものとなる。さらに、上記動粘度の値が上記上限値以下であると、石油系芳香族含有油をゴムへ配合するための移送や作業性が良好なものとなる。
100℃における動粘度は、JIS K2283:2000の規定により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、アニリン点が60℃以上であることが好ましく、65℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、アニリン点が100℃以下であることが好ましく、95℃以下であることがより好ましく、90℃以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、アニリン点が60℃以上100℃以下の範囲であってもよく、65℃以上95℃以下の範囲であってもよく、70℃以上90℃以下の範囲であってもよい。アニリン点は、等量のアニリンと油とが混じる温度のことで、ゴム相溶性の指標となる。アニリン点が上記上限値以下であると、過度な加温をせずとも油がアニリンと溶け合うということであり、ゴム相溶性が高く好ましい。即ち、アニリン点の値が上記数値を満たすものであると、石油系芳香族含有油のゴムに対する親和性が良好となり、製造されるゴム組成物又はタイヤの物理特性を、より一層好ましいものとできる。
アニリン点は、ASTM D611−12 Standard Test Methods for Aniline Point and Mixed Aniline Point of Petroleum Products and Hydrocarbon Solventsの規定により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、ガラス転移点(Tg)が、−58℃以上であることが好ましく、−56℃以上であることがより好ましく、−54℃以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、ガラス転移点(Tg)が、−44℃以下であることが好ましく、−46℃以下であることがより好ましく、−48℃以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、ガラス転移点(Tg)が、−58℃以上−44℃以下の範囲であってもよく、−56℃以上−46℃以下の範囲であってもよく、−54℃以上−48℃以下の範囲であってもよい。ガラス転移点が上記数値を満たすものであると、製造されるゴム組成物又はタイヤの物理特性を、より一層好ましいものとでき、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能の向上に重要となる。
ガラス転移点は、後述の実施例に記載の測定条件により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、粘度比重定数(VGC)が、0.84以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.86以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、粘度比重定数(VGC)が、0.92以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましく、0.89以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、粘度比重定数(VGC)が、0.84以上0.92以下であってもよく、0.85以上0.90以下であってもよく、0.86以上0.89以下であってもよい。粘度比重定数は油の組成を表現する指数であり、一般的に、パラフィン性が高くなると値が低くなり、アロマ性が高いと値は高くなる傾向にある。上記粘度比重定数の値が上記数値を満たすものであると、石油系芳香族含有油を含有するゴム組成物又はタイヤの物理特性が好ましいものとなることから、tanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値がより一層好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能の両立がより一層好ましいものとなる。
粘度比重定数(VGC)は、ASTM D2140−08 Standard Practice for Calculating Carbon-Type Composition of Insulating Oils of Petroleum Originの規定により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、環分析による%CAが12以上であることが好ましく、14以上であることがより好ましく、16以上であることがさらに好ましい。実施形態の石油系芳香族含有油は、環分析による%CAが30以下であることが好ましく、28以下であることがより好ましく、26以下であることがさらに好ましい。上記数値の数値範囲の一例としては、実施形態の石油系芳香族含有油は、環分析による%CAが12以上30以下でであってもよく、14以上28以下であってもよく、16以上26以下であってもよい。
上記%CAが上記数値を満たすものであると、発ガン性の高い多環芳香族量が抑制され、同時にゴムとの相溶性にを向上させるアロマ性を帯びてくる傾向にあり、当該油を含有するゴム組成物又はタイヤのtanδ(50℃)及びtanδ(0℃)の値が好ましいものとなり、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能の両立がより一層好ましいものとなる。
%CAは、ASTM D2140−08 Standard Practice for Calculating Carbon-Type Composition of Insulating Oils of Petroleum Originの規定により求めるものとする。
実施形態の石油系芳香族含有油は、ゴムに混合されて用いられるエキステンダーオイル又はプロセスオイルとして好適に使用される。
[石油系芳香族含有油の製造方法]
以下、実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法について説明する。当該方法によれば、本発明の石油系芳香族含有油を製造可能である。なお、本発明の石油系芳香族含有油は、下記実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法により製造されたものに限定されるものではない。
実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法は、
溶剤抽出によりエキストラクトを得る工程、又は、
溶剤抽出して得られたエキストラクトと、ラフィネート又はラフィネートを精製した基油とを混合する工程を含む。
溶剤抽出の対象物としては、原油を常圧蒸留した残渣を減圧蒸留した減圧蒸留残渣の脱れきによって得られる脱れき油留分や、原油を常圧蒸留した残渣を減圧蒸留した減圧蒸留留分が挙げられる。溶剤抽出において、エキストラクトは、溶剤抽出の対象物を芳香族炭化水素に対して親和性を有する溶剤で抽出処理し、溶剤と抽出物(エキストラクト)とを分離回収ことにより得られる。出発原料の原油は、パラフィン系原油、ナフテン系原油など種々の原油を、単独あるいは混合して用いることができるが、特にはパラフィン系原油を用いることが好ましい。
図1は、実施形態の石油系芳香族含有油の製造方法の一例を説明する工程図である。原油は、まず常圧蒸留装置(不図示)で処理されることで、常圧蒸留残渣が得られる。常圧蒸留残渣は、減圧蒸留装置10へと送られて減圧蒸留され、減圧蒸留残渣12が得られる。減圧蒸留残渣12は脱れき抽出装置20にて処理され、脱れき油22となる。その後、脱れき油22は溶剤抽出装置30へと送られる。溶剤抽出装置30では、脱れき油22をラフィネート32とエキストラクト34とに分離する。ラフィネート32は水素化精製装置40で水素化精製され水素化精製油42となり、さらに脱ろう装置50で脱ろうされ、脱ろう油52が得られる。得られた脱ろう油52とエキストラクト34とを混合して石油系芳香族含有油62を得ることができる。
なお、ここでは、脱ろう油52とエキストラクト34とを混合して石油系芳香族含有油62を得る場合を説明したが、脱ろう油52に代えて、ラフィネート32又は水素化精製油42を、エキストラクト34と混合してもよい。
また、別途、減圧蒸留装置10から分留される減圧蒸留留分11は、溶剤抽出装置30で処理され、ラフィネート31とエキストラクト33に分離する。ラフィネート31は水素化精製装置40で水素化精製され水素化精製油41となり、さらに脱ろう装置50で脱ろうされ、脱ろう油51が得られる。得られた脱ろう油51とエキストラクト34とを混合して石油系芳香族含有油62を得ることができる。
なお、ここでは、脱ろう油51とエキストラクト34とを混合して石油系芳香族含有油62を得る場合を説明したが、脱ろう油51に代えて、ラフィネート31又は水素化精製油41と、エキストラクト34と混合してもよい。
また、ここでは、脱ろう油51,52等とエキストラクト34とを混合して石油系芳香族含有油62を得る場合を説明したが、エキストラクト34に代えて、脱ろう油51,52等と、エキストラクト33とを混合してもよい。
また、エキストラクト33,34を石油系芳香族含有油62としてもよい。
減圧蒸留は、留出油の終点が常圧換算580℃以上となる条件あるいは残渣の初留点が450℃以上となる条件にて行うことが、得られるエキストラクト中の芳香族含有量を所定の範囲に容易に調整できるため、好ましい。
脱れきは、塔頂温度:好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜100℃、塔底温度:好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜90℃、溶剤比:好ましくは1〜10、より好ましくは1〜9、となる条件にて行うことができる。
溶剤抽出は、エキストラクト33,34を得るため、得られた脱れき油を芳香族炭化水素に選択的親和性を有する溶剤で抽出する処理を行うことが好ましい。芳香族炭化水素に選択的親和性を有する溶剤としては、極性溶媒であってよく、フルフラール、フェノール及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択される1つあるいはそれ以上を用いることができる。エキストラクト収率を上記の範囲とするための具体的な抽出条件は、脱れき油組成にもよるため一義的に決めることはできないが、溶剤比、圧力、温度等を適宜選定することにより可能である。一般的には、塔頂温度:好ましくは100〜155℃、より好ましくは100〜140℃、塔底温度:好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜110℃、油1に対する溶剤比:好ましくは2〜5、より好ましくは3〜4.5で溶剤と接触させるとよい。
一方、ラフィネート31,32を得るため、常圧換算沸点が300〜700℃の減圧蒸留留分を芳香族炭化水素に親和性を有する溶剤で抽出する溶剤精製処理を行うことが好ましい。芳香族炭化水素に選択的親和性を有する溶剤としては、フルフラール、フェノール及びN−メチル−2−ピロリドンから1つあるいはそれ以上を選択して用いることができる。この溶剤精製工程においては、通常の潤滑油基油を精製する条件、例えば、フルフラールを抽出溶媒として用いる場合、塔頂温度:好ましくは90〜150℃、より好ましくは100〜140℃、塔底温度:好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜80℃、油1に対する溶剤比:好ましくは0.5〜4、より好ましくは1〜3、で溶剤と接触させるとよい。
その他所望により、ラフィネートを水素化精製及び/又は溶剤脱ロウあるいは水素化脱ロウ処理により、脱ロウすることにより、より好ましい基油が得られる。なお、前記水素化精製は、ニッケル、コバルト、モリブデン等の活性金属1種以上をアルミナやシリカ−アルミナ等の担体に担持した触媒の存在下に、水素圧5〜15MPa、温度250〜400℃、液空間速度(LHSV)1〜5h−1の条件で行うとよい。また、前記溶剤脱ロウは、例えば、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒下に、溶媒/油比(容積比)=1/1〜5/1、温度−10〜−40℃で行うとよく、また、水素化脱ロウは、ゼオライト触媒の存在下に、水素圧5〜15MPa、温度300〜400℃、LHSV1〜5Hr−1の条件で行うとよい。
水素化精製は、触媒存在下、高温高圧の水素と原料油を接触させることで、硫黄分、窒素分など、プロセスオイルの使用、保存などに悪影響をおよぼす不純物を水素化軽質反応物として除去することができ、結果として安定性や色相などを向上することができる。溶剤脱ろうはアセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエンからなる群より選択される1つあるいはそれ以上の溶剤を用いて原料油に混合し、その後冷却工程を経てノルマルパラフィンをはじめとするワックス留分を析出させ、これをフィルタにてろ過して分離除去することで低温流動性の向上を図ることができる。
以上のようにして得られたエキストラクトと基油とを質量比で95/5〜5/95、特に好ましくは、80/20〜20/80の割合で混合することにより実施形態の石油系芳香族含有油を製造することができる。
≪ゴム組成物≫
以下、実施形態のゴム組成物について説明する。なお、本発明のゴム組成物は、下記ゴム組成物に限定されるものではない。
図2は、原料ゴムからタイヤ組成物を調製する過程の一例を説明する工程図である。タイヤ原料となるタイヤ組成物は、原料ゴム、及び各種配合剤が配合されている。合成ゴムは、その合成時にエキステンダーオイルが配合されることがあり、原料ゴムとして、予めエキステンダーオイルを含有するゴム組成物(油展ゴムともいわれる)が使用されてもよい(図2(a)参照)。又はエキステンダーオイルを含有しない原料ゴム(非油展ゴムともいわれる)が使用されてもよい(図2(b)参照)。原料ゴムには、プロセスオイル及び各種配合剤が添加される(図2(a),(b)参照)。
油展ゴムである原料ゴム(ゴム組成物)は、単量体を重合反応に供することで得ることができ、その過程でエキステンダーオイルを添加して製造することができる。例えば、原料ゴムのゴム原料である単量体とエキステンダーオイルとを含む反応液を重合反応に供する方法や、原料ゴムのゴム原料である単量体を含む反応液を重合反応させた後、重合体溶液にエキステンダーオイルを添加する方法により、油展ゴムを製造することができる(図2(a))。
タイヤ組成物(ゴム組成物)は、前記原料ゴム、本発明に係る石油系芳香族含有油、及び配合剤を、例えば、公知のゴム用混練機、例えば、ロール、ミキサー、ニーダーなどで混練し、製造することができる。タイヤ組成物は任意の条件で加硫することができる。
本明細書においては、原料ゴム及び実施形態の石油系芳香族含有油(エキステンダーオイル又はプロセスオイル)を含有するものをゴム組成物という。
実施形態のゴム組成物は、タイヤの製造に用いられるタイヤ用ゴム組成物として好適である。一実施形態として、本発明は、原料ゴム、本発明に係る石油系芳香族含有油、及び配合剤を含有する、タイヤ組成物を提供する。タイヤ組成物は、実施形態のゴム組成物に包含される概念とする。タイヤ組成物(ゴム組成物)は加硫されていてもよく、未加硫であってもよい。
なお、ここではエキステンダーオイルとプロセスオイルとで表現を分けているが、これらは総称してプロセスオイルと呼ばれることがある。
以下、ゴム組成物及びタイヤ組成物の組成について説明する。
原料ゴムとしては、エラストマー性ポリマーを用いることができ、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン系ゴム(EPDM、EPM)、エチレン−ブテンゴム(BBM)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴムなどのオレフィン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどを挙げることができ、また、水添されていてもよいポリスチレン系エラストマー性ポリマー(SBS、SIS、SEBS)、ポリオレフィン系エラストマー性ポリマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー性ポリマー、ポリウレタン系エラストマー性ポリマー、ポリエステル系エラストマー性ポリマーまたはポリアミド系エラストマー性ポリマーなどの熱可塑性エラストマーでもよい。なお、これらは単独、または任意のブレンドとして使用することができる。
石油系芳香族含有油との相溶性の観点からは、エラストマー性ポリマーは、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、及びアクリルニトリルゴムからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。さらに、タイヤ性能として、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能を発揮するトレッド部に好適に使用可能であるとの観点から、エラストマー性ポリマーは、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
エキステンダーオイル、又はプロセスオイルとしては、実施形態に係る石油系芳香族含有油を用いることができる。
配合剤としては、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、架橋剤(加硫剤)、架橋促進剤、樹脂、可塑材、加硫促進剤、加硫促進助剤(加硫助剤)等が挙げられる。
充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、シラン化合物(シランカップリング剤)等が挙げられ、シリカ及び/又はシランカップリング剤が好ましい。
カーボンブラックは粒子径に基づいて、ハードカーボンとソフトカーボンとに分類される。ソフトカーボンはゴムに対する補強性が低く、ハードカーボンはゴムに対する補強性が強い。実施形態のゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合には、特に補強性の強いハードカーボンを用いるのが好ましい。カーボンブラックは、エラストマー性ポリマー100質量部に対して10〜250質量部配合されていることが好ましく、20〜200質量部配合されていることがより好ましく、30〜50質量部配合されていることがさらに好ましい。
シリカとしては、特に限定されないが、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、および沈降シリカなどが挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。これらのシリカはそれぞれ単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらシリカの比表面積は、特に制限されないが、窒素吸着比表面積(BET法)で通常10〜400m2/g、好ましくは20〜300m2/g、更に好ましくは120〜190m2/gの範囲であるときに、補強性、耐摩耗性および発熱性等の改善に対し好適である。ここで、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じ、BET法で測定される値である。
シラン化合物としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
架橋剤(加硫剤)としては、粉末硫黄、沈降性硫黄、高分散性硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などが挙げられる。
加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)などのチウラム系、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド・アンモニア系、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン系、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)などのチアゾール系、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどのシクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド系などが挙げられる。
加硫促進助剤としては、アセチル酸、プロピオン酸、ブタン酸、ステアリン酸、アクリル酸、マレイン酸などの脂肪酸、アセチル酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ブタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、マレイン酸亜鉛などの脂肪酸亜鉛、亜鉛華などが挙げられる。
これら原料ゴム、本発明に係る石油系芳香族含有油、及び配合剤の配合量は、本発明の目的に反しない限り、一般的な配合量とすることができる。
一例として、エラストマー性ポリマー100質量部に対して、充填剤:30〜100質量部、石油系芳香族含有油:80質量部以下、老化防止剤:0.5〜5質量部、架橋剤:1〜10質量部、樹脂:0〜20質量部、加硫促進剤:0.5〜5質量部、加硫促進助剤:1〜10質量部の配合を例示できる。
充填剤として、シリカ及び/又はシランカップリング剤が用いられる場合、シリカ及び/又はシランカップリング剤は、エラストマー性ポリマー100質量部に対して、10〜300質量部配合されていることが好ましく、50〜150質量部配合されていることがより好ましく、70〜100質量部配合されていることがさらに好ましい。シラン化合物(シランカップリング剤)の含有量は、エラストマー性ポリマー100質量部に対し、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
石油系芳香族含有油は、エラストマー性ポリマー100質量部に対して、0.5〜80質量部配合されていることが好ましく、10〜50質量部配合されていることがより好ましく、20〜40質量部配合されていることがさらに好ましい。
実施形態のゴム組成物によれば、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れたゴム組成物を提供できる。
≪タイヤ・タイヤの製造方法≫
実施形態のタイヤは、上記の実施形態に係る石油系芳香族含有油を含有するものである。
実施形態のタイヤは、ゴムと、実施形態の石油系芳香族含有油と、を配合して加硫することで、製造することができる。
言い換えると、実施形態のタイヤは、上記タイヤ組成物(ゴム組成物)を含んでよく、タイヤ組成物に対し、加硫を行うことにより製造することができる。具体的には、例えば、上記タイヤ組成物を加硫成形して、タイヤを製造することができる。より具体的には、例えば、上記タイヤ組成物を加熱溶融し、加熱溶融したタイヤ組成物を押し出し、次いで、タイヤ成型機を用いて成形した後、加硫機を用いて加熱・加圧することにより、タイヤを製造することができる。
タイヤは、一例として、トレッド、カーカス、サイドウォール、インナーライナー、アンダートレッド、ベルト部などのタイヤ各部から構成される。実施形態のタイヤは、上記の実施形態に係る石油系芳香族含有油を、トレッド部に含有するものであることが好ましい。実施形態のタイヤは、実施形態のタイヤ組成物からなるタイヤトレッドを有することが好ましい。石油系芳香族含有油が、接地面となるトレッド部に含有されることで、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能が好適に発揮される。
実施形態のタイヤ及びタイヤの製造方法によれば、転がり抵抗性能及びウェットグリップ性能に優れたタイヤを提供できる。
実施形態の石油系芳香族含有油が、なぜタイヤ組成物(ゴム組成物)のウェットグリップ性能と転がり抵抗性能の両立に効果を発揮するのかについては、以下のように推定される。
両性能は二律背反であるため、一方を損なうことなく、もう一方を高められれば結果として両立ができる。通常、省燃費タイヤと呼ばれているものにはシリカを配合することで両立、特に省燃費性能を志向されているが、シリカは表面に親水基が多く、ゴムポリマーとはなじみにくいため、シリカどうしで凝集してしまう傾向がある。その場合、タイヤが走行中に変形した際に、シリカ同士が擦れるなどして発熱してしまい、余計なエネルギーロスが生じる。したがって、シリカをゴムポリマー中でいかに分散させるかがポイントとなる。上述の特定成分を特定量で含む石油系芳香族含有油は、シリカを含め各種配合剤の分散や溶解に作用し、それらのゴムポリマー中での挙動が各物理特性に好ましい影響を与え、結果として背反性能の両立に繋がるものと考えられる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.プロセスオイルの製造
<実施例1−1>
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた減圧蒸留残渣を圧縮液化したプロパンによる脱れき抽出装置(運転条件:塔頂温度60〜90℃、塔底温度50〜80℃、溶剤比1.5〜6.0の範囲で調整)に供し、得られた脱れき油をフルフラール抽出装置(運転条件:塔頂温度130〜140℃、塔底温度80〜100℃、溶剤比3.0〜4.0の範囲で調整)に供し、得られたエキストラクト留分をエキストラクト(A)とした。
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた500N相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装置(運転条件:塔頂温度110〜130℃、塔底温度60〜80℃、溶剤比1.0〜3.0の範囲で調整)に供し、得られたラフィネート留分を水素化精製装置(運転条件:貴金属系触媒を用いて、液空間速度1.0〜2.0h−1、反応温度270〜330℃、水素オイル比1500〜2500NL/L、水素分圧4.0〜6.0MPaの範囲で調整)に供し、得られた水素化精製油を溶剤脱蝋装置(運転条件:メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、一次溶剤比2.0、二次溶剤比0.8、脱蝋温度−15〜−25℃の範囲で調整)に供し、得られた脱蝋油を脱蝋油(B)とした。
エキストラクト(A)/脱蝋油(B)を質量比で60/40に混合して、実施例1のプロセスオイルを得た。
<実施例2−1>
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた減圧蒸留残渣を圧縮液化したプロパンによる脱れき抽出装置(運転条件:塔頂温度50〜80℃、塔底温度40〜70℃、溶剤比5.0〜8.0の範囲で調整)に供し、得られた脱れき油をフルフラール抽出装置(運転条件:塔頂温度100〜120℃、塔底温度50〜70℃、溶剤比3.5〜4.5の範囲で調整)に供し、得られたエキストラクト留分をエキストラクト(C)とした。
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた500N相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装置(運転条件:塔頂温度100〜120℃、塔底温度50〜70℃、溶剤比1.0〜3.0の範囲で調整)に供し、得られたラフィネート留分を水素化精製装置(運転条件:貴金属系触媒を用いて、液空間速度1.0〜2.0h−1、反応温度320〜370℃、水素オイル比1500〜2500NL/L、水素分圧8.0〜10.0MPaの範囲で調整)に供し、得られた水素化精製油を溶剤脱蝋装置(運転条件:メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、一次溶剤比1.3、二次溶剤比1.3、脱蝋温度−15〜−25℃の範囲で調整)に供し、得られた脱蝋油を脱蝋油(D)とした。
エキストラクト(C)/脱蝋油(D)を質量比で70/30に混合して、実施例2のプロセスオイルを得た。
<実施例3−1>
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた減圧蒸留残渣を圧縮液化したプロパンによる脱れき抽出装置(運転条件:塔頂温度55〜85℃、塔底温度45〜75℃、溶剤比1.0〜4.0の範囲で調整)に供し、得られた脱れき油をフルフラール抽出装置(運転条件:塔頂温度110〜130℃、塔底温度60〜80℃、溶剤比3.0〜4.0の範囲で調整)に供し、得られたエキストラクト留分をエキストラクト(E)とした。
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた500N相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装置(運転条件:塔頂温度105〜125℃、塔底温度55〜75℃、溶剤比1.2〜2.8の範囲で調整)に供し、得られたラフィネート留分を水素化精製装置(運転条件:貴金属系触媒を用いて、液空間速度2.0〜3.0h−1、反応温度310〜360℃、水素オイル比1500〜2500NL/L、水素分圧8.5〜12.0MPaの範囲で調整)に供し、得られた水素化精製油を溶剤脱蝋装置(運転条件:メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、一次溶剤比1.0〜2.0、二次溶剤比0.5〜1.4、脱蝋温度−15〜−25℃の範囲で調整)に供し、得られた脱蝋油を脱蝋油(F)とした。
エキストラクト(E)/脱蝋油(F)を質量比で62/38に混合して、実施例3のプロセスオイルを得た。
<実施例4−1>
ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた1000N相当の減圧蒸留留分を水素化精製装置(運転条件:貴金属系触媒を用いて、液空間速度1.0〜3.0h−1、反応温度270℃〜340℃、水素オイル比1400〜2800NL/L、水素分圧3.0〜9.0MPaの範囲で調整)に供し、得られた水素化精製油を水素化精製油(K)とした。
ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた減圧蒸留残渣を減圧蒸留残渣(L)とした。
水素化精製油(K)と減圧蒸留残渣(L)を100℃の動粘度が55mm/s近傍となるよう混合して、実施例4のプロセスオイルを得た。
<実施例5−1>
上記エキストラクト(E)を、実施例5のプロセスオイルとした。
<実施例6−1>
上記エキストラクト(C)を、実施例6のプロセスオイルとした。
<比較例1−1>
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた500N相当の減圧蒸留留分をフルフラール抽出装置(運転条件:塔頂温度100〜130℃、塔底温度50〜80℃、溶剤比1.0〜3.0の範囲で調整)に供し、得られたラフィネート留分を水素化精製装置(運転条件:貴金属系触媒を用いて、液空間速度1.0〜3.0h−1、反応温度280〜340℃、水素オイル比1500〜2500NL/L、水素分圧6.0〜10.0MPaの範囲で調整)に供し、得られた水素化精製油を溶剤脱蝋装置(運転条件:メチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤、一次溶剤比1.0〜2.0、二次溶剤比0.5〜1.4、脱蝋温度−15〜−25℃の範囲で調整)に供し、得られた脱蝋油を脱蝋油(G)とした。
中東原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた減圧蒸留残渣を減圧蒸留残渣(H)とした。
ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた1000N相当の減圧蒸留留分を水素化精製装置(運転条件:貴金属系触媒を用いて、液空間速度1.0〜3.0h−1、反応温度270℃〜340℃、水素オイル比1400〜2800NL/L、水素分圧3.0〜9.0MPaの範囲で調整)に供し、得られた水素化精製油を水素化精製油(I)とした。
ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた減圧蒸留残渣を減圧蒸留残渣(J)とした。
脱蝋油(G)/減圧蒸留残渣(H)を質量比で50/50に混合し、水素化精製油(I)/減圧蒸留残渣(J)を質量比で50/50に混合し、両者を100℃の動粘度が30mm/s近傍となるよう混合して、比較例1のプロセスオイルを得た。
<比較例2−1>
ナフテン原油を常圧蒸留装置に供し、得られた常圧蒸留残渣を減圧蒸留装置に供し、得られた2000N相当の減圧蒸留留分を水素化精製装置(運転条件:貴金属系触媒を用いて、液空間速度1.0〜3.0h−1、反応温度270℃〜340℃、水素オイル比1400〜2800NL/L、水素分圧3.0〜9.0MPaの範囲で調整)に供し、得られた水素化精製油を、比較例2のプロセスオイルとした。
<比較例3−1>
上記脱蝋油(F)を、比較例3のプロセスオイルとした。
<比較例4−1>
上記エキストラクト(E)/脱蝋油(F)を質量比で80/20に混合して、比較例5のプロセスオイルを得た。
2.プロセスオイルの性状測定
上記実施例及び比較例で得られたプロセスオイルを試料とし、下記項目の測定を行った。
[クレイゲル法]
クレイゲル法(クレイゲルカラムクロマト):ASTM D2007−11 Standard Test Method for Characteristic Groups in Rubber Extender and Processing Oils and Other Petroleum-Derived Oils by the Clay-Gel Absorption Chromatographic Methodにより、芳香族分、飽和分、極成分(質量%)を求めた。
[HPLCを用いた芳香族分分画]
HPLC(高圧液体クロマトグラフィー)を用いた芳香族分分画は、(既報:Analytical Chemistry, 1983, 55, p.1375-1379)に掲載されている「Separation of aromatic and polar compounds in fossil fuel liquids by liquid chromatography」を参考とし、以下の手順で実施した。
試料をヘキサンで5倍に希釈することにより前処理を行った。カラムは、ウォーターズ社製Spherisorb A5Y 250×4.6mmを用い、流量は2.5mL/分とし、検出器にはUV検出器を使用し、波長270nmで測定した。溶離液は、試料導入からの時間が0〜10.0分まではヘキサンを用い、10.0〜30.0分まではヘキサン100質量%からジクロロメタン40質量%とヘキサン60質量%の混合溶液に直線的にジクロロメタン含有量を増大させた。試料導入からの時間が30.0〜30.1分の間にジクロロメタン40質量%とヘキサン60質量%の混合溶液をジクロロメタン100質量%に変更し、30.1分以降はジクロロメタン100質量%を用いた。
得られたピーク面積から以下の式により環別の芳香族炭化水素の含有量(質量%)を求めた。ここで、1環面積は、ベンゼンのピークからナフタレンの直前のピークまでのピーク面積の合計であり、2環面積は、ナフタレンのピークからアントラセンの直前のピークまでのピーク面積の合計であり、また、3環以上面積は、アントラセンのピーク以降のピーク面積の合計である。
1環芳香族分(質量%)=(1環面積/(1環面積+0.1×2環面積+0.025×3環以上面積))×100;
2環芳香族分(質量%)=(0.1×2環面積/(1環面積+0.1×2環面積+0.025×3環以上面積))×100;
3環以上の芳香族分(質量%)=(0.025×3環面積/(1環面積+0.1×2環面積+0.025×3環以上面積))×100
[動粘度(100℃)]
JIS K2283:2000の規定により測定した。
[アニリン点]
ASTM D611−12 Standard Test Methods for Aniline Point and Mixed Aniline Point of Petroleum Products and Hydrocarbon Solventsの規定により測定した。
[ガラス転移点(Tg)]
DSC(示差走査熱量計)にて一定の昇温速度で昇温した際に測定される、ガラス転移領域における熱量変化ピークから得られたガラス転移点とした。初期温度は、通常予期ガラス転移点より30℃〜50℃程度又はそれより低い温度とし、当該初期温度で一定時間保持した後、昇温を開始した。具体的には、以下の条件で測定した。
装置:日立ハイテクサイエンス製DSC7020
初期温度:−90℃、10分間保持
昇温速度:10℃/分
終了温度:30℃、5分間保持
[粘度比重定数(VGC)]
ASTM D2140−08 Standard Practice for Calculating Carbon-Type Composition of Insulating Oils of Petroleum Originの規定により測定した。
[%CA]
ASTM D2140−08 Standard Practice for Calculating Carbon-Type Composition of Insulating Oils of Petroleum Originの規定により測定した。
[ベンゾ(a)ピレン及び特定芳香族化合物(PAHs)の含有量]
欧州規格EN 16143:2013 Petroleum products - Determination of content of Benzo(a)pyrene (BaP) and selected polycyclic aromatic hydrocarbons (PAH) in extender oils - Procedure using double LC cleaning and GC/MS analysisの規定により測定した。
なお、PAHsとは以下に示すものである。
1)ベンゾ(a)ピレン(BaP)
2)ベンゾ(e)ピレン(BeP)
3)ベンゾ(a)アントラセン(BaA)
4)クリセン(CHR)
5)ベンゾ(b)フルオランテン(BbFA)
6)ベンゾ(j)フルオランテン(BjFA)
7)ベンゾ(k)フルオランテン(BkFA)
8)ジベンゾ(a,h)アントラセン(DBAhA)
3.ゴム組成物の製造
<実施例1−2 〜 実施例6−2>
ゴムポリマーと、上記の実施例1−1〜6−1で製造したプロセスオイルと、その他の各配合剤(シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、加硫助剤、酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤)とを、下記配合にて調製した後、混練りを行い、未加硫のゴム組成物を得た後、160℃にてプレス加硫成形した。
<比較例1−2 〜 比較例4−2>
ゴムポリマーと、上記の比較例1−1〜4−1で製造したプロセスオイルと、その他の各配合剤(同上)とを、下記配合にて調製した後、混練りを行い、未加硫のゴム組成物を得た後、160℃にてプレス加硫成形した。
タイヤ組成物の配合を下記表1に示す。表中のphrは、ゴムポリマー100質量部に対する各種配合剤の質量部を表す。
Figure 2020139064
・ゴムポリマー(SBR): ランクセス製 BunaVSL4526
・シリカ: エボニック製 ULTRASIL7000GR
・シランカップリング剤:エボニック製 Si75
・老化防止剤: 大内新興化学工業製 ノクラック6C
・加硫助剤: 日油製 ステアリン酸
・酸化亜鉛: 東邦亜鉛製 酸化亜鉛3号
・プロセスオイル: 実施例および比較例で製造した各プロセスオイル
・硫黄: 市販加硫用硫黄
・加硫促進剤A: 大内新興化学工業製 ノクセラーcz
・加硫促進剤B: 大内新興化学工業製 ノクセラーd
ゴムの混練り方法:下記に示す二段練りとした。
(一段目)
・試験機: 東洋精機製作所製ラボプラストミルB-600
・試験機容積: 600cc
・充填率: 70%(質量比)
・回転数: 100rpm
・温度: 100℃開始で上限155℃とした
・練り時間: 約9分
(二段目)
・試験機: 池田機械工業製電気加熱式高温ロール機
・サイズ: 6インチφ×16インチ
・回転数: 前ロール25rpm
・回転比: 前後比 1:1.22
・温度: 23±10℃
4.ゴム組成物の物性測定
上記実施例及び比較例のプレス加硫成形後のゴム練り片から、8mmφ×10mmの試験片を作製し、当該試験片に対して、下記項目の測定を行った。
[tanδ(0℃)]
TAINSTRUMENTS製粘弾性測定装置ARESを用いて、ねじりモードで、周波数10Hz、測定温度範囲−50℃〜100℃、昇温速度2℃/min、動的ひずみ0.1%で測定を行った。得られた温度可変tanδより、0℃の値を抜粋した。
tanδ(0℃)は、ウェットグリップ性能の指標であり、この値が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを意味する。
[tanδ(50℃)]
TAINSTRUMENTS製粘弾性測定装置ARESを用いて、ねじりモードで、周波数10Hz、測定温度範囲−50℃〜100℃、昇温速度2℃/min、動的ひずみ0.1%で測定を行った。得られた温度可変tanδより、50℃の値を抜粋した。
tanδ(50℃)は、転がり抵抗性能の指標であり、この値が小さいほど転がり抵抗性能に優れることを意味する。
5.結果
上記の測定結果を以下に示す。なお、上記の実施例1−1及び実施例1−2は、実施例1と略記する。他の実施例及び比較例についても同様に略記する。
各項目の測定結果を下記の表2に示す。tanδ(0℃)及びtanδ(50℃)の値は、実施例6の実数値(それぞれ0.814、0.118)を1とした相対値で表記した。
Figure 2020139064
実施例1〜6のプロセスオイルは、実施形態に規定の「クレイゲル法による飽和分の割合」、及び「HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合」の範囲を満たすものであり、当該プロセルオイルを配合して得られた実施例1〜6のゴム組成物は、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が両立された、非常に優れたものであった。
特に、「クレイゲル法による芳香族分の割合」が実施形態に規定の範囲を満たすプロセスオイルを配合して得られた実施例1〜3のゴム組成物は、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗性能が、良好な数値にて両立されていることがわかる。
また、実施例及び比較例のいずれのプロセスオイルも、ベンゾ(a)ピレン及び特定芳香族化合物(PAHs)の含有量が、REACH規則を満たすものであることが確認できた。
以上、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
10…減圧蒸留装置、11…減圧蒸留留分、12…減圧蒸留残渣、20…脱れき抽出装置、22…脱れき油、30…溶剤抽出装置、31,32…ラフィネート、33,34…エキストラクト、40…水素化精製装置、41,42…水素化精製油、50…脱ろう装置、51,52…脱ろう油、62…石油系芳香族含有油

Claims (12)

  1. クレイゲル法による飽和分の割合が、40質量%以下であり、
    HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、10質量%以上30質量%以下であり、
    ベンゾ(a)ピレンの含有量が1質量ppm以下であり、
    下記1)〜8)の特定芳香族化合物の含有量の合計が10質量ppm以下である、石油系芳香族含有油。
    1)ベンゾ(a)ピレン(BaP)
    2)ベンゾ(e)ピレン(BeP)
    3)ベンゾ(a)アントラセン(BaA)
    4)クリセン(CHR)
    5)ベンゾ(b)フルオランテン(BbFA)
    6)ベンゾ(j)フルオランテン(BjFA)
    7)ベンゾ(k)フルオランテン(BkFA)
    8)ジベンゾ(a,h)アントラセン(DBAhA)。
  2. 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、20質量%以上である、請求項1に記載の石油系芳香族含有油。
  3. 前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、28質量%以下である、請求項1又は2に記載の石油系芳香族含有油。
  4. 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、35質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。
  5. 前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、20質量%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。
  6. 前記クレイゲル法による飽和分の割合が、30質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。
  7. 前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、25質量%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。
  8. 前記HPLCを用いて分画される2環芳香族分の割合が、前記芳香族分100質量%に対し、24.5質量%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。
  9. ゴムに混合されて用いられるエキステンダーオイル又はプロセスオイルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油と、ゴムとを含有する、ゴム組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油を含有する、タイヤ。
  12. ゴムと、請求項1〜9のいずれか一項に記載の石油系芳香族含有油と、を配合して加硫することを含む、請求項11に記載のタイヤの製造方法。
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