JP2020131927A - リクライニング装置 - Google Patents

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祐士 増田
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Abstract

【課題】滑らかに作動すると共に、タイムラグの少ないリクライニング装置を提供する。【解決手段】回転軸25に連動するプレート28のカム押し翼28bA、28bBによってくさび状カム30A、30Bを直接作動させるため、外歯歯車23と内歯歯車34との間の回転抵抗が均一になり、外歯歯車と内歯歯車の回転を滑らかすることが出来る。更に、回転軸25が回転しない状態で、くさび状カム30A、30Bがカム押し翼28bA、28bBのテーパーの設けられた当接面28btに接した状態に保たれるため、回転軸の回動で直ちにロック解除される。これにより、リクライニング装置全体の反転タイムラグを低減することが可能となる。【選択図】図6

Description

本発明は、シートクッションに対してシートバックを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置に関するものである。
従来、シートクッションに対してシートバックを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置として下記特許文献1に開示されるリクライニング装置が知られている。このリクライニング装置は、座部フレームに接続された外歯歯車と、該外歯歯車に対して偏心され背部フレームに接続された内歯歯車とから成り、外歯歯車の中央貫通穴に形成された回転軸に連動するボス部の内周面と、該外歯歯車のボス部に対して偏心され内歯歯車の中央貫通穴に形成されたボス部の外周面(ブッシュ)との間に配置されたU字状連結部材と一対のくさび状カムとを備える。回転軸が回転しない間、偏心された外歯歯車のボス部の内周面と内歯歯車のボス部の外周面との間にくさび状カムが入り込み外歯歯車と内歯歯車とのロック状態が保たれる。一方、ロック解除は、回転軸の回転に伴いU字状連結部材が回転し、くさび状カムがU字状連結部材に引きずられ、ボス部の外周面(ブッシュ)がくさび状カムに対して摺動し、両ボス部の相対回転が可能になることで行われる。
特開2011−207253号公報
ところで、特許文献1のリクライニング装置では、上述した可撓性を備えるU字状連結部材とくさび状カムとの接触面がズレ易く、このズレによって外歯歯車と内歯歯車との間の回転抵抗にムラが出て、外歯歯車と内歯歯車の回転を滑らかに出来ないという課題があった。ここで、U字状連結部材を廃止し、回転軸にカム押し用の部位を設け、回転軸によってくさび状カムを直接作動させることも考えられる。しかし、くさび状のカムの入り込み方のバラツキを考慮し、回転軸のカム押し用の部位とくさび状カムとの間の隙間を設定することが必要となり、リクライニング装置の動作のタイムラグが大きくなる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、滑らかに作動すると共に、タイムラグの少ないリクライニング装置を提供することにある。
本発明に係るリクライニング装置は、シートクッションに対してシートバックを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置であって、シートクッションおよびシートバックのいずれか一方に固定される第1フレームと、シートクッションおよびシートバックの他方に固定される第2フレームと、前記第1フレームに連結されて外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の外歯ボス部を備える外歯歯車と、前記第2フレームに連結されて外周面に前記外歯に噛合可能な内歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の内歯ボス部を備える内歯歯車と、前記外歯歯車に同軸的かつ回転自在に嵌合するとともに、前記外歯歯車および前記内歯歯車のいずれか一方を他方の歯車軸を中心に公転させる回転軸と、を備える。そして、前記内歯ボス部と前記外歯ボス部との間に介挿され、前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側とに同時に接触して前記内歯ボス部と前記外歯ボス部との回転を規制すると共に、前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側との少なくとも一方を摺動させ前記内歯ボス部と前記外歯ボス部との回転を許容する一対のくさび状カムと、前記一対のくさび状カムを前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側とに同時に接触させる方に付勢するバネ材と、前記回転軸の回転に伴い回転する円盤状部材であって、軸方向に延在し、前記一対のくさび状カムを前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側との少なくとも一方から非接触にする方向へ押す当接面にテーパーの設けられたカム押し翼を一対備える円盤状部材と、前記円盤状部材を前記一対のくさび状カム側に押し当て、前記テーパーの設けられた当接面を前記一対のくさび状カムへ当接させる板バネであって、付勢力は前記バネ材よりも弱く設定されている板バネと、を備え、前記回転軸及び前記円盤状部材は、当該回転軸の回転時に互いに接触する接触位置での接触角度が90°に近くなるように形成されることを技術的特徴とする。
本発明のリクライニング装置は、回転軸が回転しない状態で、バネ材に付勢され、一対のくさび状カムが内歯ボス部側と外歯ボス部側とに同時に接触して内歯ボス部と外歯ボス部との回転を規制するロック状態が保たれる。この際に、バネ材に押された一対のくさび状カムが、円盤状部材のカム押し翼のテーパーの設けられた当接面に押し当たり、円盤状部材をくさび状カムから離れる方向に押し上げるが、板バネの付勢力はバネ材よりも弱く設定されているため、バネ材によって円盤状部材は押し上げられ、くさび状カムがカム押し翼のテーパーの設けられた当接面に接した状態に保たれる。回転軸が回転すると、回転軸の回転に伴いバネ材の付勢力に逆らい円盤状部材が回転し、円盤状部材の一方のカム押し翼のテーパーの設けられた当接面が一方のくさび状カム(くさび先端側が回転軸の回転方向に対向する側:回転抑止側)を内歯ボス部側と外歯ボス部側との少なくとも一方から離間する方に押し、他方のくさび状カム(くさび先端側が回転軸の回転方向に向いている側:回転非抑止側)もバネ材からの付勢力により内歯ボス部側と外歯ボス部側との相対回転を可能にする。その際、回転軸及び円盤状部材は、当該回転軸の回転時に互いに接触する接触位置での接触角度が90°に近くなるように形成されるため、回転軸と円盤状部材との間に作用する摩擦力が大きくなる。このため、回転軸の回転に応じて円盤状部材におけるカム押し翼の当接面にてくさび状カムを押す際に、円盤状部材が回転軸に対して押し上げられることもない。これにより、両くさび状カムが、内歯ボス部側と外歯ボス部側との少なくとも一方を摺動させロック状態が解除され、外歯歯車および内歯歯車のいずれか一方が他方の歯車軸を中心に公転され、シートクッションに対してシートバックを傾動させる。
本発明のリクライニング装置は、U字状連結部材を廃止し、回転軸に連動する円盤状部材のカム押し翼によってくさび状カムを直接作動させるため、外歯歯車と内歯歯車との間の回転抵抗が均一になり、外歯歯車と内歯歯車の回転を滑らかすることが出来る。更に、回転軸が回転しない状態で、くさび状カムの少なくも一方がカム押し翼のテーパーの設けられた当接面に接した状態に保たれるため、回転軸の回動で直ちにロック解除され、外歯歯車および内歯歯車のいずれかを公転させる。これにより、リクライニング装置全体の反転タイムラグを低減することが可能となる。
本発明のリクライニング装置を搭載する車両用シートの一例を概念的に示す側面図である。 リクライニング装置の分解斜視図である。 図3(A)はリクライニング装置の正面図であり、図3(B)はプレートと回転軸の説明図である。 図4(A)は図3(A)に示すリクライニング装置のA−A縦断面図であり、図4(B)は図4(A)に示すリクライニング装置のB−B横断面図である。 図5(A)は外歯歯車および内歯歯車の詳細構造を示す説明図であり、図5(B)は図5(A)のC−C縦断面であり、リクライニング装置のロック状態の説明図であり、図5(C)はリクライニング装置のロック解除の説明図である。 図6(A)は、図5(A)中のスプリングの一部を除いた図で、リクライニング装置のロック状態の説明図であり、図6(B)はリクライニング装置のロック解除の説明図である。 プレートスプリング、回転軸、プレートを説明するための説明図である。 図8(A)は、本発明に係る回転軸の凸部とプレートの凹部との接触位置での接触角度を説明する説明図であり、図8(B)は、比較例に係る回転軸の凸部とプレートの凹部との接触位置での接触角度を説明する説明図である。 式(1)に基づいて算出される接触角度と垂直抗力(摩擦力)との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るリクライニング装置20を搭載する車両用シート10の一実施形態について図を参照して説明する。図1は、本発明のリクライニング装置20を搭載する車両用シート10の一例を概念的に示す側面図である。
図1に示されるように、本発明のリクライニング装置20を備えた車両用シート10は、着座者の座部を受けるシートクッション11と、このシートクッション11に対して傾動可能であって着座者の背部を受けるシートバック12とを備えている。
シートクッション11の骨格となる座部フレーム11aと、シートバック12の骨格となる背部フレーム12aとが、座部フレーム11aの端部に設置されたリクライニング装置20の第1フレーム14および第2フレーム15等を介して連結されている。そして、当該リクライニング装置20に設けられる傾動用モータ(図示略)の回転駆動に応じて、シートバック12がシートクッション11に対して傾動可能となっている。
次に、リクライニング装置20の構成について、図2〜図7を用いて説明する。図2は、リクライニング装置20の分解斜視図である。図3(A)は、リクライニング装置の正面図である。図4(A)は図3(A)に示すリクライニング装置のA−A縦断面図であり、図4(B)は図4(A)に示すリクライニング装置のB−B横断面図である。図5(A)は外歯歯車および内歯歯車の詳細構造を示す説明図であり、図5(B)は図5(A)のC−C縦断面図である。図6(A)は、リクライニング装置のロック状態の説明図であり、図6(B)はリクライニング装置のロック解除の説明図である。図7はプレートスプリング、回転軸、プレートを説明するための説明図である。
図2に示されるように、リクライニング装置20は、上述した両フレーム14、15に加えて、外歯歯車23、内歯歯車24、回転軸25、プレートカバー26、ブッシュ27、プレート28、プレートスプリング22、一対のくさび状カム30A,30B、スプリング29およびシャフトカバー31を備えている。なお、図3(A)では、説明の便宜上、両フレーム14、15の記載を省略している。
図2に示されるように、外歯歯車23は、貫通穴23bを中心に略円環状に形成されており、その外周面には外歯23aが形成されている。この外歯歯車23には、図4(A)に示されるように一側面の中央部から外歯ボス部23cが突出するように形成されており、他側面から略円弧状の4つの突出部23dが突出して形成されている。外歯歯車23の内周面に設けられる外歯ボス部23cは、軸方向と同軸に形成されている。
図2に示されるように、内歯歯車24は、内側面に内歯24aが形成される円筒部24dと、図4(A)に示される貫通穴24bを中心とする内歯ボス部24cが形成される側板部24eとを備えている。内歯歯車24の内周面に設けられる内歯ボス部24cは、軸方向と同軸に形成されている。内歯24aは、外歯23aに対して偏心して噛合するように形成されている。
回転軸25は、外歯歯車23の外歯ボス部23cに対して同軸的であって回転自在に嵌合するように形成されている。この回転軸25は、シートバック12をシートクッション11に対して傾動させるときに上記傾動用モータの回転駆動に応じて所定の減速比で回転されるものであり、図2及び図7に示されるように回転軸25の内面には、傾動用モータの回転駆動に応じて回転する回転部材を連結するためのセレーション25aが形成されている。図3(B)及び図7に示されるように、回転軸25の外周面の上部側には、軸方向対称位置に一対の凸部25bA、25bBが形成されているのに加え、凸部25bBから時計回りに90度ずれた位置であって、一方のみに1の位置決め用凸部25bcが形成されている。この凸部25bA、25bBを含めた回転軸25の外周面の詳細形状については後述する。
プレートカバー26は、図2に示されるように金属板を略円筒状にして形成されており、図4(A)に示されるように内歯歯車24の円筒部24dの端部に溶接等で固定され、外歯23aにて内歯24aに噛合した外歯歯車23の軸方向の移動を規制する役割を果たす。
そして、内歯歯車24の貫通穴24bには耐摩耗性に優れ、くさび状カム30A,30Bとの接触部摩擦力を低減する為に摩擦係数の小さい円筒形のブッシュ27が嵌め込まれている。図4(B)に示されるように、このブッシュ27の内周面と外歯歯車23の外歯ボス部23cの外周面との間には、両者に接触するように、一対のくさび状カム30A,30Bが挿入される。
一対のくさび状カム30A,30Bは、ブッシュ27の内周面と外歯ボス部23cの外周面との間に配置される。一対のくさび状カム30A,30Bは、スプリング29の付勢力によって離反する方向へ付勢され、ブッシュ27の内周面と外歯ボス部23cの外周面とに同時に接触することで、内歯ボス部24cと外歯ボス部23cとの回転を規制して、外歯歯車23と内歯歯車24とのロック状態を保つ。そして、回転軸25の回転に伴い、一対のくさび状カム30A,30Bは、ブッシュ27の内周面と外歯ボス部23cの外周面の少なくとも一方から離間し(ここでは、ブッシュ27をくさび状カム30A,30Bに対して摺動可能にし)てロック状態を解除し、外歯歯車23、内歯歯車24の公転を許容する。更に、一対のくさび状カム30A,30Bは、ブッシュ27の内周面と外歯ボス部23cの外周面との間に配置されることで、外歯歯車23に対して内歯歯車24を偏心させ、外歯23aに内歯24aを噛合させるものである。
外歯歯車23の貫通穴23bに嵌合される回転軸25は、一対のくさび状カム30A,30Bにより、外歯23aと内歯24aとを噛合させ、外歯歯車23および内歯歯車24のいずれか一方を他方の歯車軸を中心に公転させることができる。くさび状カム30A、30Bの凹部30Aa,30Baにはスプリング29の両係合端部29a、29bがそれぞれ係合されており、回転軸25に回転力が入力されない限り、当該回転軸25と内歯歯車24との相対運動を禁止するようにくさび状カム30A,30Bを離反する方向へスプリング29によって付勢されている。スプリング29は、線材から構成されるねじりバネから成る。
図7に示されるようにプレート28は、回転軸25の回転に伴い回転する円盤状部材である。プレート28の中央に回転軸25を挿通させるための開口28aが形成されている。図3(B)に示されるように、この開口28aには、回転軸25における一対の凸部25bA、25bBと係合するための凹部28cA、28cBと、位置決め用凸部25bcを挿通するための凹部28ccが形成されている。該位置決め用凸部25bcに依って、プレート28が回転軸中心に対して180°回転した方向に組み付けられるのが防がれる。プレート28の外周に軸方向に延在する一対のカム押し翼28bA、28bBが、軸対称の位置に形成されている。カム押し翼28bAのくさび状カム30Aに当接する当接面28bt、及び、カム押し翼28bBのくさび状カム30Bに当接する当接面28btは、くさび状カム側に向かって先細になるテーパーが設けられている。回転軸25の時計方向への回転に伴いカム押し翼28bAが、くさび状カム30Aをブッシュ27の内周面と外歯ボス部23cの外周面との少なくとも一方から離間する方向へ押す。回転軸25の反時計方向への回転に伴いカム押し翼28bBが、くさび状カム30Bをブッシュ27の内周面と外歯ボス部23cの外周面との少なくとも一方から離間する方向へ押す。凹部28cA、28cBを含めた開口28aの詳細形状については後述する。
プレートスプリング22は、プレート28をくさび状カム側に向けて付勢する皿バネ又は板バネである。プレートスプリング22の中央に回転軸25を挿通させるための開口22aが形成されている。プレートスプリング22の外周に外周方向に延在する一対のシャフトカバー31への当接面22bが、軸対称の位置に形成されている。プレートスプリング22の付勢力はスプリング29よりも弱く設定されている。
そして、図7に示される略円環状に形成されたシャフトカバー31を、円弧状に開口する2つの開口部31aに内歯歯車24の係合用突起24gを挿通させるようにして、内歯歯車24に組み付ける。これにより、回転軸25等が適正な位置に保持されるとともに、噛合部等へのほこりやゴミの侵入が防止されることとなる。
そして、第1フレーム14と外歯歯車23の各突出部23d等とを溶接固定し、第2フレーム15と内歯歯車24の係合用突起24g等とを溶接固定することで、図3(A)に示すリクライニング装置20が完成する。
ここで、回転軸25の外周面とプレート28の開口28aとの詳細形状について、図8及び図9を参照して詳述する。図8(A)は、本発明に係る回転軸25の凸部25bAとプレート28の凹部28cAとの接触角度αを説明する説明図であり、図8(B)は、比較例に係る回転軸101の凸部101bAとプレート102の凹部102cAとの接触角度αを説明する説明図である。図9は、式(1)に基づいて算出される接触角度αと垂直抗力N(摩擦力F)との関係を示すグラフである。なお、プレート102は、開口以外はプレート28と同じ形状であり、外周の軸対称の位置に一対のカム押し翼28bA、28bBが形成されるものとする。
本実施形態では、回転軸25の凸部25bAとプレート28の凹部28cAとは、図8(A)に示されるように、軸方向にて線接触している接触位置Pでの接触角度αが90°に近くなるように形成されている。このように接触角度αが90°に近くなるように凸部25bA及び凹部28cA形成される理由について、以下に説明する。
図8(B)に示される比較例の回転軸101の凸部101bAとプレート102の凹部102cAとのように、キー溝に嵌り込むように凸部101bAが凹部102cAに係合する状態では、一見して回転軸101とプレート102とが強固に係合しているように見える。
しかしながら、凸部101bAと凹部102cAとが軸方向にて線接触している接触位置Pでの接触角度αは、90°よりも0°に近い状態になるため、回転軸101とプレート102との間に作用する摩擦力Fが小さくなる。回転軸101の中心から接触位置Pまでの距離をLとするとき、回転軸101に伝わるトルクTに対して、以下の式(1)及び図9からわかるように、接触角度αが小さくなるほど垂直抗力N、すなわち、摩擦力Fが小さくなるからである。
F=μ×N
=μ×T/(L×cosα) ・・・(1)
このように、摩擦力Fが小さくなると、回転軸101の回転に応じてプレート102におけるカム押し翼28bAの当接面28btにてくさび状カム30Aを押す際に、くさび状カム30Aを介したスプリング29の付勢力のために、くさび状カム30Aを十分に押せずにカム押し翼28bAがプレートスプリング22の付勢力に抗して押し上げられてしまう。このように、くさび状カム30Aを十分に押せずにプレート102が押し上げられてしまうと、ロック状態の解除の際にタイムラグが生じてしまう。
これに対して、本発明に係る回転軸25の凸部25bAとプレート28の凹部28cAとは、図8(A)に示されるように、接触角度αが90°に近くなるように形成されるため、回転軸25とプレート28との間に作用する摩擦力Fが大きくなる。このため、回転軸25の回転に応じてプレート28におけるカム押し翼28bAの当接面28btにてくさび状カム30Aを押す際に、プレート28が回転軸25に対して押し上げられることもなく、ロック状態を解除することができる。同様の理由により、回転軸25の凸部25bBとプレート28の凹部28cBとは、軸方向から見た接触角度αが90°に近くなるように形成されている。
次に、リクライニング装置20の作動について図3(A)、図5〜図8を参照して説明する。
図5(B)は、図5(A)のC−C縦断面であり、リクライニング装置のロック状態の説明図である。図6(A)は、図5(A)中のスプリングの一部を除いた図であり、リクライニング装置のロック状態の説明図である。
実施形態のリクライニング装置20は、図6(A)に示されるように回転軸25が回転しない状態で、スプリング29に付勢され、一対のくさび状カム30A、30Bが外歯ボス部23cとブッシュ27とに同時に接触して内歯ボス部24cと外歯ボス部23cとの回転を規制するロック状態が保たれる。この際に、図5(B)に示されるようにスプリング29に押された一対のくさび状カム30A、30Bが、プレート28のカム押し翼28bA、28bBのテーパーの設けられた当接面28btに押し当たり、プレート28はくさび状カム30A、30Bから離れるYU方向へ押し上げる方向に付勢される。図7中に示されるように、プレート28は回転軸25によってYU方向、YD方向に移動可能に保持されると同時に、プレートスプリング22の付勢力によってYD方向、即ち、くさび状カム30A、30B側に押し下げられる。ここで、プレートスプリング22の付勢力はスプリング29よりも弱く設定されているため、スプリング29によってプレート28は押し上げられ、くさび状カム30A、30Bがカム押し翼28bA、28bBのテーパーの設けられた当接面28btに接した状態に保たれる。
図5(C)、図6(B)は、リクライニング装置のロック解除の説明図である。
図6(B)に示されるようにシートバック12をシートクッション11に対して傾動させるために上記傾動用モータの回転駆動に応じて回転軸25が時計方向に回転すると、図8(A)に示されるように、回転軸25の凸部25bAとプレート28の凹部28cAとが接触位置Pにて接触して上記摩擦力Fが生じた状態で、回転軸25の回転に伴いスプリング29の付勢力に逆らいプレート28が時計方向に回転する。上述したようにくさび状カム30A、30Bがカム押し翼28bA、28bBのテーパーの設けられた当接面28btに接した状態に保たれるため、回転軸25の回転と同時に、図5(C)に示されるプレート28の一方のカム押し翼28bAのテーパーの設けられた当接面28btが一方のくさび状カム30A(くさび先端側が回転軸の時計回転方向に対向する側:回転抑止側)を内歯ボス部24cとブッシュ27との少なくとも一方から離間する方に押し、他方のくさび状カム30B(くさび先端側が回転軸の時計回転方向に向いている側:回転非抑止側)もスプリング29からの付勢力により外歯ボス部23cとブッシュ27との相対回転を可能にする。このように、当接面28btが一方のくさび状カム30Aを押す際、上述のように発生した摩擦力Fにより、プレート28が回転軸25に対してロック解除不能に押し上げられることもない。これにより、ブッシュ27が両くさび状カム30A、30Bに対して摺動してロック状態が解除され、この回転軸25の回転に応じて外歯歯車23および内歯歯車24が相対回動し、シートバック12がシートクッション11に対して傾動する。
回転軸25が反時計方向に回転すると、回転軸25の凸部25bBとプレート28の凹部28cBとが接触して上記摩擦力Fが生じた状態で、プレート28が反時計方向に回転する。上述したようにくさび状カム30A、30Bがカム押し翼28bA、28bBのテーパーの設けられた当接面28btに接した状態に保たれるため、回転軸25の回転と同時に、図7に示されるプレート28の他方のカム押し翼28bBのテーパーの設けられた当接面28btが他方のくさび状カム30B(くさび先端側が回転軸の反時計回転方向に対向する側:回転抑止側)を内歯ボス部24cとブッシュ27との少なくとも一方から離間する方に押し、一方のくさび状カム30A(くさび先端側が回転軸の反時計回転方向に向いている側:回転非抑止側)もスプリング29からの付勢力により外歯ボス部23cとブッシュ27との相対回転を可能にする。このように、当接面28btが他方のくさび状カム30Bを押す際、上述のように発生した摩擦力Fにより、プレート28が回転軸25に対してロック解除不能に押し上げられることもない。これにより、ブッシュ27が両くさび状カム30A、30Bに対して摺動してロック状態が解除され、この回転軸25の回転に応じて外歯歯車23および内歯歯車24が相対回動し、シートバック12がシートクッション11に対して上述した回転軸の時計回転と反対方向へ傾動する。
本発明のリクライニング装置は、U字状連結部材を廃止し、回転軸25に連動するプレート28のカム押し翼28bA、28bBによってくさび状カム30A、30Bを直接作動させるため、外歯歯車と内歯歯車との間の回転抵抗が均一になり、外歯歯車と内歯歯車の回転を滑らかすることが出来る。更に、回転軸25が回転しない状態で、くさび状カム30A、30Bがカム押し翼28bA、28bBのテーパーの設けられた当接面28btに接した状態に保たれるため、回転軸の回動で直ちにロック解除され、外歯歯車および内歯歯車のいずれかを公転させる。これにより、リクライニング装置全体の反転タイムラグを低減することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)第1フレーム14が座部フレーム11aに連結されるとともに第2フレーム15が背部フレーム12aに連結されることに限らず、第1フレーム14が背部フレーム12aに連結されるとともに第2フレーム15が座部フレーム11aに連結されてもよい。
(2)第1フレーム14および第2フレーム15は、座部フレーム11aおよび背部フレーム12aの一部であってもよい。
(3)内歯ボス部24cの内周面にブッシュ27を設けたが、外歯ボス部23cの外周面側にブッシュを設けることができる。
10…車両用シート
11…シートクッション
12…シートバック
14…第1フレーム
15…第2フレーム
20…リクライニング装置
22…プレートスプリング
23…外歯歯車
23a…外歯
23c…外歯ボス部
24…内歯歯車
24a…内歯
24c…内歯ボス部
25…回転軸
27…ブッシュ
28…プレート
28bA、28bB…カム押し翼
29…スプリング
30A…くさび状カム
30B…くさび状カム

Claims (5)

  1. シートクッションに対してシートバックを傾動可能に保持するシートのリクライニング装置であって、
    シートクッションおよびシートバックのいずれか一方に固定される第1フレームと、
    シートクッションおよびシートバックの他方に固定される第2フレームと、
    前記第1フレームに連結されて外周面に外歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の外歯ボス部を備える外歯歯車と、
    前記第2フレームに連結されて外周面に前記外歯に噛合可能な内歯が形成され、内周面に軸方向と同軸の内歯ボス部を備える内歯歯車と、
    前記外歯歯車に同軸的かつ回転自在に嵌合するとともに、前記外歯歯車および前記内歯歯車のいずれか一方を他方の歯車軸を中心に公転させる回転軸と、を備え、
    前記内歯ボス部と前記外歯ボス部との間に介挿され、前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側とに同時に接触して前記内歯ボス部と前記外歯ボス部との回転を規制すると共に、前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側との少なくとも一方を摺動させ前記内歯ボス部と前記外歯ボス部との回転を許容する一対のくさび状カムと、
    前記一対のくさび状カムを前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側とに同時に接触させる方に付勢するバネ材と、
    前記回転軸の回転に伴い回転する円盤状部材であって、軸方向に延在し、前記一対のくさび状カムを前記内歯ボス部側と前記外歯ボス部側との少なくとも一方から非接触にする方向へ押す当接面にテーパーの設けられたカム押し翼を一対備える円盤状部材と、
    前記円盤状部材を前記一対のくさび状カム側に押し当て、前記テーパーの設けられた当接面を前記一対のくさび状カムへ当接させる板バネであって、付勢力は前記バネ材よりも弱く設定されている板バネと、を備え、
    前記回転軸及び前記円盤状部材は、当該回転軸の回転時に互いに接触する接触位置での接触角度が90°に近くなるように形成されることを特徴とするリクライニング装置。
  2. 請求項1のリクライニング装置であって、
    前記外歯ボス部の内周面にブッシュが設けられ、
    前記一対のくさび状カムは前記ブッシュに接触することを特徴とするリクライニング装置。
  3. 請求項1又は請求項2のリクライニング装置であって、
    前記回転軸は、外周に少なくとも一対の凸部を備え、
    前記円盤状部材は、中央に前記回転軸に挿通される開口と、前記凸部に係合する前記開口に繋がる凹部とを備える。
  4. 請求項3のリクライニング装置であって、
    前記回転軸は、外周に軸方向対称位置に設けられた一対の凸部と、1の凸部とを備え、
    前記円盤状部材は、前記1の凸部に係合する凹部を備える。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1のリクライニング装置であって、
    前記バネ材は、線材から構成されるねじりバネから成る。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20070108824A1 (en) * 2005-11-05 2007-05-17 Dieter Lange Inclination adjustment fitting for the backrest of a vehicle seat
JP2007275279A (ja) * 2006-04-06 2007-10-25 Imasen Electric Ind Co Ltd 自動車用リクライニング装置
JP2009138758A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Toyota Boshoku Corp 回転留め装置

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