JP2020130878A - 両方向引き出し型スライドレール - Google Patents
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Description
このスライドレールは、スライドレールが引き出された伸長状態からスライドレールを収縮させた場合に発生するインナーメンバーが伸長側と反対側に突き出る現象を前後端に取り付けられた突出防止ストッパーで規制するものである。
しかしながら、インナーメンバーは互いに背中合わせに重合している形態のため、水平方向の厚みが厚くなる問題があった。
例えばこのようなスライドレールを引き出しに使用した場合、スライドレールの厚みによって引き出しの巾寸法が小さくなる問題がある。
また、ボール摺動面を使用しないので、ボール摺動面を傷つけることや、ボール摺動面に塗布されたグリスが除去されることなどを防止できる。
尚、実施例においては、第2アウターメンバー2は、第1アウターメンバー1と同型であるが、スライドレールを使用する物品の仕様により、長さや上下高さが変更されることがある。
第1インナーメンバー3は、第1アウターメンバー1より短い長さで、第1アウターメンバー1に挿入可能な大きさの帯状金属板よりなる基板31と、基板31の短手側の両端部を外向き円弧状に湾曲して形成された、外面長手方向にボール摺動溝32、32を有する屈折縁33、33より、断面C字形に形成されている。
そして、基板31の前後端が折り曲げられて、第1ボールリテーナ5の伸長側端部と接触するストッパー部34、34が形成される。
そして、基板41の前後端が折り曲げられて、第2ボールリテーナ6の伸長側端部と接触するストッパー部44、44が形成される
尚、実施例においては、第2インナーメンバー4は、第1インナーメンバー3と同型であるが、スライドレールを使用する物品の仕様により、アウターメンバーに合わせて、長さや上下高さが変更されることがある。
インナーメンバー連結部材70は、鋼板製で第1インナーメンバー3の摺動方向長さと略同じ長さに形成される板状長方形の第1インナーメンバー連結部701と、第1インナーメンバー連結部701の下端部を水平に折り曲げ形成されるインナーメンバー体補強部702と、インナーメンバー体補強部702の第1インナーメンバー連結部701側端の他方端で下方に折り曲げられ形成される第2インナーメンバー4の摺動方向長さと略同じ長さに形成される板状長方形の第2インナーメンバー連結部703で形成される(図4参照)。
すなわち、第1インナーメンバー3と第2インナーメンバー4は、インナーメンバー連結部材70を介して上下方向に並んで配置されることとなる。
尚、実施例においては、第2ボールリテーナ6は、第1ボールリテーナ5と同型であるが、スライドレールを使用する物品の仕様により、アウターメンバーに合わせて、長さや上下高さが変更されることがある。
第1移動防止ストッパー8は、ストッパー本体80とストッパー本体80に回転軸802、802を介して回転自在に軸支されるローラー801、801で構成される。
そして、ストッパー本体80の凹部832の所定の位置に、ローラー801、801を挿入し、固定軸孔831a、831aから回転軸802を差込み、ローラー801の貫通軸孔801aを貫通させ、対向側の固定軸孔831a、831aまで差込み、回転軸802の先端を回転軸802が腕部831、831から脱落しないようにつぶして固定する。この状態で、ローラー81は、水平軸を中心軸として回転可能にストッパー本体80に取り付けられる。
そして、第1インナーメンバー3の端部のストッパー34を折り曲げる。前述のとおり、第1ボールリテーナ5が第1アウターメンバー1の端面から脱落することを防止しているから、ストッパー34と第1ボールリテーナ5の端面が接触することにより第1インナーメンバー3が第1アウターメンバー1の端面から脱落することを防止できる。
このようなボールリテーナでボールを保持したスライドレールの場合、アウターメンバーあるいはインナーメンバーの摺動移動量の約半分の移動量でボールリテーナもボールを転動させながら移動する。
そして、第1ボールリテーナ5の摺動方向の端面が第1インナーメンバー3の摺動方向のストッパー34と接触し、第1ボールリテーナ5の移動が停止し、第1アウターメンバー1の摺動方向と反対側のストッパー14が第1ボールリテーナ5の摺動方向と反対側の端面に接触し、第1アウターメンバー1の移動が停止し、第1アウターメンバー1は第1インナーメンバー3に対して最大伸長状態となる。
当然ながら、第1アウターメンバー1を固定側とした場合、第1インナーメンバー3は、第1アウターメンバー1の前後方向いずれにも突き出し摺動可能となる。
尚、第1インナーメンバー3のストッパー34を無くして、第1インナーメンバー連結部701の端部も折り曲げ縁を設け、ストッパー34と同じ機能を持たせてもよい。
前述のとおり、第1インナーメンバー3と第2インナーメンバー4は、インナーメンバー連結部材70を介して上下方向に並んで配置されているから、各インナーメンバーに合わせて第1アウターメンバー1と第2アウターメンバー2も上下方向に並んで配置される。
この状態で、第1アウターメンバー1を固定側として、第2アウターメンバー2を移動側とした場合、第2アウターメンバー2を伸長させると前述の通り、第2インナーメンバー4に対して、第2アウターメンバー2が最伸長状態となる(図8に示す状態)。そして、さらに第2アウターメンバー2を伸長させると、第2アウターメンバー2の収縮側のストッパー24によって第2インナーメンバー4(インナーメンバー体7)が伸長側に押し出される。第2インナーメンバー4(インナーメンバー体7)が伸長側に押し出されると第1インナーメンバー3が、固定側の第1アウターメンバー2に対して伸長側に摺動する。
そして、前述のとおり、第1インナーメンバー3が第1アウターメンバー1に対して最大伸長状態になり、スライドレール100は最大伸長状態となる(図9に示す状態)。
第2アウターメンバー2を反対側に伸長させても同様の作用によってスライドレール100は反対側で最大伸長状態となるので、スライドレール100は両方に引き出すことが可能となる。
そして、第1インナーメンバー連結部701と、第2インナーメンバー連結部にそれぞれ設けられた取り付け孔と、脚部811の固定貫通孔811aを使用して、適宜、リベットやネジなどでインナーメンバー体7とストッパー本体の固定部81は固定される。
このため、それぞれのアウターメンバーは、伸長するとローラー801に接触するので、アウターメンバーは容易には伸長できない。
この状態でスライドレール100は、第1アウターメンバー1と第2アウターメンバー2が上下方向に配置される。そのため、第1アウターメンバー1と第2アウターメンバー2が水平方向(左右方向)で重合することがないからスライドレールの水平方向(左右方向)の厚みを抑えることが可能である。合わせて、第1移動防止ストッパー8と第2移動防止ストッパー9の水平方向の厚みも、スライドレールの厚み寸法内に納まる寸法に設定される。
したがって、第1アウターメンバー1や第2アウターメンバー2に取り付けられる物品は、第1アウターメンバー1と第2アウターメンバー2が水平方向で重合する場合に比べおおよそ半分の厚みを考慮するだけでよく水平方向の寸法を大きく(広く)することが可能となる。
また、本実施例では、上側のローラー801、801の最上点は、第1アウターメンバー1の屈折縁13のボール摺動溝12側より上方に飛び出し、下側のローラー801、801の最下点は、第2アウターメンバー2の屈折縁23のボール摺動溝22側より下方に飛び出すように設定されている。
まず、第1アウターメンバー1を固定側として、第2アウターメンバー2を移動側とした場合、スライドレール100の最収縮状態(図7に示す状態)で、インナーメンバー体7と第2アウターメンバー2が、ローラー801、801によって容易に移動できないようになっているのは前述の通りである。
そして、第2アウターメンバー2を伸長させると、第2アウターメンバー2の屈折縁23の端面が下側のローラー801に接触する。さらに移動させると、ローラー801は回転しながら上側に押し上げられ、ストッパー本体80の弾性部82が該押し上げ力に抗しながら上方に曲がるように弾性変形し、ローラー801が第2アウターメンバー2の屈折縁23の端面を乗り越え、ローラー801が第2アウターメンバー2の屈折縁23の端面から外れるため第2アウターメンバー2は伸長可能となる。
そして、弾性部82は弾性力によって元の状態に復元する力が働くので、該復元力によってローラー801は第2アウターメンバー2の屈折縁23に上面に押し付けられる(図8に示す状態)。
したがって、インナーメンバー体7は、伸長側には摺動可能ではあるが、収縮側には、上側のローラー801が第1アウターメンバー1の屈折縁13の伸長側端面に接触し、かつ、下側ローラー801が、屈折縁23に上面に押し付けられていることから、上側のローラー801は下方に移動できないことから、移動できない。
そのため、第2アウターメンバー2を収縮させたとしても、インナーメンバー体7が最収縮状態を超えて収縮方向側に突き出してしまうことがない。
この状態から最伸長している第2アウターメンバー2を伸長させると、屈折縁13の下面でローラー801を転動させながら、インナーメンバー体7が伸長方向に摺動し、スライドレール100は最大伸長状態となる。
これらの収縮の動きは、スライドレールにかかっている負荷、荷重などにより一定な動きにならず、先に第2アウターメンバー2が収縮することや、インナーメンバー体7が先に収縮することや、第2アウターメンバー2とインナーメンバー体7が同時に収縮する場合がある。
第2アウターメンバー2がインナーメンバー体7に対して最収縮状態になっている場合は、伸長側の上側のローラー801を押し下げること可能となるが、上側のローラー801の最上点は、第1アウターメンバー1の下側の屈折縁23のボール摺動溝22側より上方に飛び出しているから、最収縮状態から前記の伸長方向と逆方向にインナーメンバー体7を伸長させるには、改めて移動防止ストッパー8のローラー801を下方に退避させる力が必要となるので、スライドレール100の伸長状態から収縮の過程で、最収縮状態となった時に屈折縁13の伸長側の端面が、伸長側の上側のローラー801に接触することにより一旦停止させることができる。
そのため、伸長したスライドレールを収縮させた場合、スライドレールの最収縮状態で一旦停止させることができることになり、例えば、スライドレールに取り付けられた引き出しなど、引き出して開いた状態から収納する場合、収納する時の勢いで反対側に容易に開いてしまうことを防止することが可能となる。
また、最収縮状態に近づいた際、弾性変形していた移動防止ストッパー8、9(弾性部82)が復元するときの、振動の感触などでスライドレールが最収縮した状態がわかりやすいといった効果もある。
反対に、弾性力やローラーの突出量を小さくすると、スライドレール100の最収縮状態からアウターメンバーを伸長させるための力、あるいは、インナーメンバーを伸長させるために力は小さくなり、スライドレール100の伸長状態から収縮の過程での、最収縮状態となった時の一旦停止させる力も小さくさせることができるので、最収縮状態となった時に一旦停止させることなく反対側に伸長できるようにすることも可能である。
また、インナーメンバー体7を固定側とすることも可能であり、インナーメンバー体7を固定側とした場合、第1アウターメンバー1、第2アウターメンバー2はそれぞれが別個に前後方向に摺動可能となるが、この場合、いずれかのアウターメンバーが伸長すると移動防止ストッパーが作動し、他方側のアウターメンバーの同方向側の伸長を阻止することになるので、一方側のアウターメンバーしか伸長できない。
そのため、例えば、第1アウターメンバー1と、第2アウターメンバー2にそれぞれに別個の引き出しを取り付けた場合、二つの引き出しが同じ方向に同時に引き出されることを防止するといった使い方が可能となる。
1 第1アウターメンバー
12 ボール摺動溝
13 屈折縁
2 第2アウターメンバー
21 基板
22 ボール摺動溝
23 屈折縁
3 第1インナーメンバー
4 第2インナーメンバー
5 第1ボールリテーナ
6 第2ボールリテーナ
7 インナーメンバー体
70 インナーメンバー連結部材
701 第1インナーメンバー連結部
702 インナーメンバー体補強部
703 第2インナーメンバー連結部
8 第1移動防止ストッパー
80 ストッパー本体
801 ローラー
801a 貫通軸孔
802 回転軸
81 固定部
811 脚部
811a 固定貫通孔
812 切り欠き
82 弾性部
83 ローラー保持部
831 腕部
831a 固定軸孔
832 凹部
9 第2移動防止ストッパー
Claims (3)
- 第1アウターメンバーと第2アウターメンバーと、第1アウターメンバーにボールにて摺動自在に保持される第1インナーメンバーと、第2アウターメンバーにボールにて摺動自在に保持される第2インナーメンバーと、第1アウターメンバー側のボールを回転自在に保持する第1ボールリテーナと、第2アウターメンバー側のボールを回転自在に保持する第2ボールリテーナとを有し、第1インナーメンバーと第2インナーメンバーを一体的に形成し、該インナーメンバーに対して、第1アウターメンバーと第2アウターメンバーのそれぞれが前後方向両側に摺動可能とされる両方向引き出し型スライドレールにおいて、スライドレールの収縮状態でインナーメンバーの単独での移動を防止するとともに、伸長移動するアウターメンバーによって、該伸長移動側と反対方向側に、インナーメンバーの最収縮状態を越えてインナーメンバーが伸長することを防止するストッパー機構が作動する移動防止ストッパーを有し、第1アウターメンバーと第2アウターメンバーがそれぞれ上下方向に離れて配置され、第1インナーメンバーと第2インナーメンバーが、該アウターメンバーの配置に合わせて上下方向に配置された状態で一体移動可能に連結されスライドレールが形成されるとともに、前記移動防止ストッパーが、上下方向に配置される第1インナーメンバーと第2インナーメンバーの上下間に設けられることを特徴とする両方向引き出し型スライドレール。
- 移動防止ストッパーは、第1インナーメンバーと第2インナーメンバーとを連結する連結部材に固定され、少なくとも該固定部からスライドレールの伸長側に延伸する支持部と、支持部先端で上下方向に配置される第1アウターメンバーあるいは第2アウターメンバーの端部に係止する係止体を有し、スライドレールの伸長時に、第1アウターメンバーと第2アウターメンバーの屈折縁のうち、互いに向かい合う側の屈折縁であって、かつ、互いに向かい合う側の面で押圧される受圧部を備え、該受圧部の押圧によって、ストッパー機構が作動する請求項1に記載の両方向引き出し型スライドレール。
- 移動防止ストッパーの受圧部を押圧する第1アウターメンバー、第2アウターメンバーの押圧面は、ボール摺動溝と対向するアウターメンバーの屈折縁の外面側としたことを特徴とする請求項2に記載の両方向引き出し型スライドレール。
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