JP7033783B2 - ロック装置付きのスライドレール - Google Patents
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その代表的なものとして先行技術文献1(特許文献1)に示すように、ラック等の本体に固定される固定側レールと、固定側レールに対し摺動自在に配設された中間レールと、中間レールに対し摺動自在に配設された移動側レールと、固定側レールの前端部内面に着脱自在に設けられた係止部材と、係止部材に対応して、移動側レールの前端部内面に設けられたロック部材よりなるスライドレールのロック装置がある。
該ロック装置は、係止部材に設けられ、固定側レールの高さ方向の中心部に設けられた係止突起と、ロック部材に設けられる係止突片が係止することによりロック状態が維持されるもので、ロック部の操作部材を上下いずれかの方向に回動させて、係止突片を上下いずれかの方向に退避させて係止突起と係止突片の係止状態を解除しロックを解除するものである。
このようなロック装置の場合、移動側スライドレールに大きな荷重が掛かる場合、ロック装置のロック状態であっても、移動側スライドレールが荷重によって下側に撓み、係止突起と係止突片の係止状態が解除されることがあった。
固定側レールの上下折曲縁内面の当接部で構成されるだけであるから、部品点数が少なくて済み、組み立てが容易であるばかりか、移動側レールの振れが一番大きい移動側レールの引き出し方向側の先端近傍で移動側レールの振れを規制することができるから、振れ止め効果が高い。
ロック部材に一体に形成され上下一対に、かつ、上下間に凹部を形成し移動側レールから固定側レールに向かって突出する突出片と、固定側レールの固定側レールの上下折曲縁内面に設定される当接部で構成され、突出片と当接部が当接することにより、ロック状態での移動側レールのスライドレール上下方向への移動を移動側レールと固定側レールが協働で規制する振れ止め装置をロック装置に備える。
尚、便宜的に、図2における上下方向を上下方向と云い、左右方向を左右方向と云い、図1における左下側を引き出し側、右上側を引き込み側と云う。
スライドレール100は、陳列棚等の本体の内面に連結ネジ等で連結される固定側レール1と、固定側レール1に対し、固定側ボール保持板3に回転自在に保持された複数個のボール30・・・を介して摺動自在に設けられた中間レール4と、中間レール4に対し、移動側ボール保持板5に回転自在に保持された複数個のボール50・・・を介して摺動自在に設けられた移動側レール2より構成され、移動側レール2が固定側レール1に収納された状態を保持する係止部材7が固定側レール1の前端部内面に、係止部材7に係脱自在のロック部材6が、移動側レール2の前端部内面に設けられている。
インナー中間レール4aは、固定側レール1より短長な金属製の細長条板の短手両端部を、外向き円弧状に折り曲げて、外面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する上下折曲縁42a、42aと、基板41aからなり、移動側レール2と同形状な断面略コ字形に形成されている。
アウター中間レール4bは、移動側レール2より短長な金属製の細長条板の短手両端部を内向き円弧状に折り曲げて、内面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する上下折曲縁42b、42bと、基板41bからなり、固定側レール1と同形状な断面略C字形に形成されている。
そして、インナー中間レール4aとアウター中間レール4bは、コ字状断面の開口側とC字形断面の開口側が互いに外向きとなるように基板41a、40bが背中合わせに固着され、断面略I字形となるように中間レール4が構成されている。
そして、アウター中間レール4bの基板41bの後端部に移動側レール2側に突出し、移動側レール2の収納時、移動側レール2の後端部が当接するアウター中間レール後端ストッパー44bが形成され、基板41bの前端部付近に、移動側ボール保持板5の前端が当接するアウター中間レール前端ストッパー45bが形成されている。
そして、基板22の後端部には、スライドレール100の最大伸長状態で移動側ボール保持板5の後端に当接し、移動側レール2の収納時、前記アウター中間レール後端ストッパー44bの内面に当接する移動側レール後端ストッパー220が形成されている。
尚、スライドレール100は、基板31、基板51が垂直方向に配置され、基板31、基板51を挟んでボール30・・・、ボール50・・・がそれぞれ、縦方向に対向配置される状態(図2の状態)をスライドレール100の縦使いと云い、基板31、基板51が水平方向に配置され、基板31、基板51を挟んでボール30・・・、ボール50・・・がそれぞれ、水平方向に対向配置される状態をスライドレール100の横使いと云う。
そして、スライドレール100の移動側レール2が固定側レール1に最も収納された状態(最短縮小状態)では、インナー中間レール後端ストッパー44aが、固定側レール1のレール短縮時ストッパーに当接し、移動側レール2の移動側レール後端ストッパー220がアウター中間レール後端ストッパー44bの前面に当接し、移動側レール21のロック部材6が固定側レール1の係合部7に係合している。(ロック状態。尚、この状態でロック部材6と係止部材7の係止状態を解除するための解除用クリアランスが設けられ、移動側レール2はスライドレール100の摺動方向に若干移動可能となっている。)
第1実施例のロック部材6は、合成樹脂材で一体に成型されたベース部材60と、合成樹脂材で一体に成型された操作部材61とで構成される。
また、固定基板部601の後面から後方にむかって、移動側レール2の基板22に沿うように固定角孔を有する固定片601dが突設されている。
そして、回転基部611には、表面側(固定側レール1側)から裏面側(移動側レール2の基板22側の面)にかけて貫通する回動保持用貫通孔612が形成されている。
操作部材61の回転基部611を、ベース部材60の回動凹部601aの貫通側から挿入し、ベース部材60の回転軸601bに回動保持用貫通孔612が軸支されるように、かつ、操作部材61の案内溝618にベース部材60の外れ止め片605が挿通するように装入する。
前述の通り、押圧部604b、604bの先端間は、後述する操作部材61のロック部613の高さ寸法より若干短いので、操作部材61のロック部613の上面と下面で、押圧部604b、606の先端間を押し広げ、弾性杆604a、604aを弾性変形させながら操作部材61はベース部材60に装入されることになる。
したがって、ベース部材60に操作部材61が装着された状態で、操作部材61には、押圧部604b、604bを介して弾性杆604a、604aの若干の弾性力が常に伝わるので、操作部材61は上下回動の中間部で保持されることになる。この状態で、操作部材61は、ベース部材60に対して回動可能となりロック部材6の組み立ては完成する。
このように押し込むと、固定片601dの固定孔と移動側レール2の基板22側に凸設された固定片22aが係合し、ロック部材6の前後の移動が固定され、移動側レール2の前端面から抜けないようになる。そして、移動側上下嵌合凹部602、602は、移動側レール2の膨出する上下折曲縁21、21の内面に沿うように施されているから、ロック部材6は、固定側レール1側にも抜けないようになり、ロック部材6は移動側レール2に嵌合状態で装着保持される。
そして、固定側上下嵌合突部71、71の上部側の下面と、下部側の上面はそれぞれ、当接受面71a、71aとされ、固定側上下嵌合突部71、71間、すなわち、当接受面71a、71a間は、ロック部材6の突出片603、603の当接面603c、603c間の距離に対して、若干大きく形成され、当接受面71a、71a間に突出片603、603が挿通可能で、かつ、当接受面71aと当接面603cが近接するように設定されている。
この装着時には、固定側上下嵌合突部71、71と連接する固定部72が弾性変形することによって固定側上下嵌合突部71、71が固定側レール1のボール案内溝部に装入され、固定側レール1の取付用嵌合孔121、121に係止部材7の嵌合突起721、721が装入され、固定部72の弾性力によって係止部材7が固定側レール1に嵌合状態で装着保持される。
この時、嵌合突起721が、取付用嵌合孔121と嵌合しているので、係止部材7はレールの引き出し方向には移動しない。
この状態からさらに、移動側レール2を収納させると、被案内傾斜部614bが、案内傾斜部731に接触しながら、操作部材61を、回転基部611の回動保持用貫通孔612を中心軸として、弾性部材604の押圧部604bを介して弾性杆604aを弾性変形させながら上方あるいは下方に回動させるので、係止突片614は追従して上方あるいは下方に移動する(図8に示す状態)。
特に、本件実施例のように、移動側レール2の前端にロック部材6が、固定側レール1の前端に係止部材7が備え付けられている場合、スライドレール100最収縮状態で、ロック部材6、係止部材7のところにはロック部材6、係止部材7があるため中間レール4を配置できない。また、移動側ボール保持板5も、ボール支持式のスライドレールの場合、引き込み側に配置されることになるため、移動側ボール保持板5の前端から前方では、移動側レール2を支持するものがない。そのため、移動側レール2のロック部材6の部分は、中間レール4で支持されないので、下方に撓み易い(図12に示す状態)。
そして、当接面603cと当接受面71aは、前述のとおり近接しているので、移動側レール2が必要以上に下方に移動することがない。
そして、移動側レール2の当接面603cは、係止部材7の当接受面71aに当接するため、移動側レール2と固定側レール1の上下方向の位置関係が大きく変わらないので、係合ロック部614aと当接係止部732の当接が外れることはなく、ロックが解除されることがない。
このように、当接面603cと当接受面71aで振れ止め装置62が構成され、振れ止め装置62をロック装置に備えると、移動側レール2と固定側レール1が協働しスライドレール100の前端部の撓み、振れを規制できるので、ロック状態の維持に特に効果を発揮する。
そして、係止突片614を、係止部材7の係止突起73の上方、あるいは下方に位置させる(図10、11に示す状態)。
また、弾性部材604は、ベース部材60と一体とされなくとも、操作部材61と一体に合成樹脂で成型されていてもよい。
実施例では、スライドレール100は、ボールが上下方向に配置される縦使いであるが、ボールが水平方向に配置される横使いのスライドレールにも使用可能である。
横使いの場合、振れ止め装置62は、スライドレール100の水平方向の揺れに対しての振れ止め規制に効果が発揮可能である。
また、係止部材と、ベース部材、操作部材からなるロック部材は、スライドレールに対して、合成樹脂の弾性力を利用して嵌合されるので、ネジやリベット止めのような別工程が必要なく、組立効率が良いばかりか、スライドレールが実際に使用される中でのメンテナンス時に、ロック装置も簡単に交換できる。さらにロック装置、振れ止め装置は、左右兼用であるため、メンテナンス用の部品の管理も左右で分ける必要がなく部品管理効率がよい。
1 固定側レール
11 上下折曲縁
12 基板
2 移動側レール
21 上下折曲縁
22 基板
3 固定側ボール保持板
4 中間レール
4a インナー中間レール
4b アウター中間レール
5 移動側ボール保持板
6 ロック部材
60 ベース部材
601 固定基板部
601a 回動凹部
601c フランジ部
602 移動側上下嵌合凹部
603 突出片
603b 通過凹部
603c 当接面
604 弾性部材
605 外れ止め片
61 操作部材
611 回転基部
614 係止突片
614a 係合ロック部
614b 被案内傾斜部
617 操作用腕部
618 案内溝
62 振れ止め装置
7 係止部材
71 固定側上下嵌合突部
71a 当接受面
72 固定部
721 嵌合突起
722 開口孔
73 係止突起
731 案内傾斜部
732 当接係止部
Claims (3)
- ラック等の本体に固定される固定側レールと、固定側レールに対し摺動自在に配設された中間レールと、中間レールに対し摺動自在に配設された移動側レールと、固定側レールの前端部内面に着脱自在に設けられた係止部材と、係止部材に対応して、移動側レールの前端部内面に設けられたロック部材よりなり、係止部材に設けられる係止突起と、ロック部材に設けられる係止突片が係止することによりロック状態が維持され、ロック部材の操作部材を上下いずれかの方向に回動させて、係止突起と係止突片の係止状態を解除するロック装置を備えるスライドレールにおいて、ロック状態で移動側レールの固定側レールに対してのスライドレールの縦使いにおける上下方向への移動を移動側レールと固定側レールが協働で規制する振れ止め装置を備えることを特徴とするロック装置付きのスライドレール。
- 振れ止め装置は、ロック部材に設けられる移動側レールから固定側レールに向かって突出する突出片と、固定側レールの固定側レールの上下折曲縁内面に設定される当接部で構成され、突出片と当接部が当接することにより、ロック状態での移動側レールのスライドレールの縦使いにおける上下方向の振れを規制することを特徴とする請求項1に記載のロック装置付きのスライドレール。
- 突出片は、スライドレールの縦使いにおいて上下一対に、かつ、合成樹脂にてロック部材のベース部材と一体に形成され、突出片間に係止突起が通過可能な凹部を形成していることを特徴とする請求項2に記載のロック装置付きのスライドレール。
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