JP5081563B2 - 移動側部材の摺動装置 - Google Patents
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この問題を解決するため、移動側部材に取付けられた引き込み力付加部材と、引き込み力付加部材に対応して固定側部材に取付けられた引き込み力受動部材からなり、引き込み力付加部材は、移動側部材が固定側部材に対して最終所定位置に近づいたとき、引き込み力受動部材に一部が弾性的に圧接する圧接機構を有し、引き込み力受動部材は、圧接機構の圧接力を移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させる案内傾斜面を設けた、引き込み機能をスライドレールに設けたものが提供されている。(例えば特許文献1参照。)
したがって、引き込み開始位置と引き込み終了位置との距離が短くなり、急激に引き込まれるたり、あるいは、収納保持された移動側部材を引き出すのに、予測以上の引き出し力を要するなど、好ましい引き込み効果を得ることができなかった。
このため、固定側レールと移動側レールからなるスライドレール本体を組上げる過程において、予めワイヤー、滑車機構、引張りスプリングを組み込まねばならず、生産効率が非常に悪いという問題があった。
さらに、ワイヤー、滑車機構、引張りスプリングに故障が発生した場合、内部に組み込まれているので、故障部分だけの取り替えができず、スライドレール全体を取り替える必要がありコスト高となっていた。
例えば、複写機においてはペーパートレーに、システムキッチンにおいては抽斗に、自動引きこみ機能と自動押し出し機能を合わせ持つことが強く要望されていた。
しかしながら、自動引き込み機能と自動押し出し機能は矛盾した動きとなるため、モータを使用した電気的なものは提供されていたが、非常に高価になることと、故障時の修理等に問題があった。
又、摺動力付加部材と摺動力受動部材をスライドレールとは関係ない外部に設けることによって、どのようなスライドレールの形態であっても使用することができる。
さらに、摺動力付加部材は、一方向に弾性力を付与するだけの簡単な構成であるから故障の発生もなく、安定した摺動状態を得ることができる。
又、引き込み力受動部材は、移動側部材の摺動距離とほぼ同等の長さで設けられているので、移動側部材が引き込まれる所定位置を広範囲から決定することができるので、所望の収納感覚(引き込み感覚)及び引き出し感覚を得ることができる。
又、移動側部材の停止状態から、移動側部材を一旦押し込む動作によって、移動側部材は所定位置まで押し出されるから、両手が塞がった状態であっても、体の一部で容易に操作が可能である。
又、引き込み案内路と第1押し出し案内路間に連続して設けることにより、コストアップになることもなく、安価に製作する事ができる。
又、回転ローラーの圧接力を、移動側部材の押し出し力あるいは引き込み力に変化させる構成は、第1、第2押し出し案内路と引き込み案内路を単に傾斜させるだけであるから、構造が簡単で安価に製作できるだけでなく、傾斜角度を変えるだけで、引き込みあるいは押し出しスピードを選択することができ、使用箇所にあった最適な摺動スピードを得ることができる。
さらに、引き込み案内路の引き出し側には開閉摺動路が設けられ、第2押し出し案内路と開閉摺動路間には引き出し案内路が設けられ、引き出し案内路と開閉摺動路の連続部分は、引き出し案内路から開閉摺動路の方向にのみ回転ローラーが通過可能に構成されているので、回転ローラーは、開閉摺動路、引き込み案内路、押し出し案内路、引き出し案内路、開閉摺動路と確実に周回し、安定した引き込み機能と押し出し機能を発揮する。
図1から図4において、符号100、100は、左右のスライドレールを示し、左右のスライドレール100、100は、対向した同形に形成されて、固定側部材200(実施例では、OA機器等の機器本体)と移動側部材203(実施例ではOA機器等のペーパートレー)間に、固定側連結座202、202と移動側連結座204、204を介して連結されている。
そして、固定側メンバー基板12の収納側端部を移動側メンバー2方向に折り曲げて固定側収納時ストッパー15が形成され、固定側メンバー基板12の引き出し側端部を移動側メンバー2方向に折り曲げて固定側移動時ストッパー14が形成されている。
そして、移動側基板311の引き出し側端部を移動側メンバー2方向に折り曲げてボールリテーナー引き出し時ストッパー26が形成され、固定側基板31の収納側端部を固定側メンバー1方向に折り曲げてボールリテーナー収納時ストッパー27が形成されている。
符号28・・・(図3に示す。)は移動側連結座204との連結孔を示している。
弾性圧接腕812は、スライドレール100の厚み方向に扁平で引き出し方向に長い金属製の板体で、引き出し側端部が枢軸813にて移動側連結座204の収納側端部に回動自在に設けられ、先端側(収納側端)には、回転ローラー814が回転自在に取付けられている。
すなわち、回転ローラー814は、弾性圧接腕812に付与された弾発体811による回動力によって、摺動力受動部材82に常に弾性的に圧接することとなる。
変換機構5と、変換機構5の引き出し側の端部に連続して設けられ、引き出し方向で上方に傾斜し、引き出し側端部が、前記開閉摺動路821と第2開閉摺動路823間に連続する引き出し摺動路825を有している。
一方、回動案内部材822の引き出し側端部は上方5には回動可能であるから、回転ローラー814は引き出し摺動路825から回動案内部材822の引き出し側端部を押し上げて開閉摺動路821に支障なく移動する。
すると、引き込み案内路52は収納方向で下方に傾斜しているので、回転ローラー814の弾性的圧接力によって、回転ローラー814(移動側部材203)は自動的に収納方向に引き込まれ、回転ローラー814が引き込み案内路52の収納側端部から第1通過間隙53に位置した状態(図7に示す状態。)から、変換案内路54の下端部から引き出し側にやや押し出されながら第2通過間隙55を通過してラッチ部83に達する。(図8に示す状態。)
すなわち、移動側部材203は所定位置から自動的に引き込まれた後、やや前方に押し出された状態の所定位置で保持される。
この移動側部材203の動きは、特に高品質のコピー機に使用されるペーパートレイの動きにもとめられている。つまり、コピー紙を所定位置に収納しておくためには、トレーが一旦収納された状態から、自動的に所定位置まで押し出して停止させる事によって、より確実で、安定した停止位置が得られるからである。
さらに手動にて移動側部材203を引き出すと、回転ローラー814は引き出し摺動路825から回動案内部材822の引き出し側端部を押し上げて(図11に示す状態。)開閉摺動路821に移動し、やがて移動側部材203は完全に引き出された状態となる。(図5に示す状態。)
又、第1実施例ではスライドレール100に、固定側連結座202、移動側連結座204を介して摺動力受動部材82と摺動力付加部材材81を連結しているが、スライドレール100と切り離して、固定側部材200、移動側部材203に直接取付けても良い。
第2実施例のスライドレール100は、固定側メンバー1と、固定側メンバー1に摺動可能でほぼ同長の移動側メンバー2と、固定側メンバーと移動側メンバー間に配設され、固定側メンバー1の略4分の1程度の長さのボールリテーナ4と、ボールリテーナー4に回転自在に保持され、固定側メンバー1と移動側メンバー2の上下の両折曲縁間を転動するボール40・・・より構成されている。
摺動力受動部材82は、上端部が固定側メンバー1に連結され、固定側部材200に直接連結され、第1実施例同様、水平な開閉摺動路821と、開閉摺動路821の収納側に連続して設けられた変換機構5と、変換機構5の引き出し側の端部に連続して設けられ、引き出し方向で上方に傾斜し、引き出し側端部が、前記開閉摺動路821に連続する引き出し摺動路825を有している。
を第1実施例の引き込み案内路52の収納側端部まで延出し、上面に形成された、回転ローラー814の弾性的圧接力を移動側部材203(移動側メンバー2)の引きこみ力に変換させる、第1実施例の引き込み案内路52より緩やかに傾斜し、開閉摺動路821の収納側に連続する引き込み案内路520と、引き込み案内路520の収納側端部から、上下方向に形成された回転ローラー814の第1通過間隙53と、第1通過間隙53の引出し側の下端に設けられた収納方向で上方に傾斜する第1押し出し案内路57と、第1押し出し案内路57の収納側端部と回転ローラー814の第3通過間隙58を有し、引き出し側に連続する引き出し方向で下方に傾斜し、回転ローラー814の弾性的圧接力を移動側部材203(移動側メンバー2)の押し出し力に変換させる第2押し出し案内路59より構成されている。
そして、ラッチ部83は、第1押し出し案内路57の引き出し側端部に、回転ローラー814を保持する凹部状に形成されている。
作用効果も同様である。
ただ、前方引き込み案内路520を第1実施例より緩やかに傾斜させて開閉摺動路821の引き出し側端部まで延出させているので、第1実施例の弾発体811より弾発力を強く設定し、移動部材203の引き込み開始位置をより引き出し側方向に近づけている。
100 スライドレール
3 中間メンバー
2 移動側メンバー
200 固定側部材
203 移動側部材
5 変換機構
822 回動案内部材
823 第2開閉摺動路
52 引き込み案内路
53 第1通過間隙
54 変換案内路
55 第2通過間隙
57 第1押し出し案内路
58 第3通過間隙
59 押し出し案内路
81 摺動力付加部材
811 弾発体
812 弾性圧接腕
814 回転ローラー
82 摺動力受動部材
821 開閉摺動路
825 引き出し摺動路
83 ラッチ部
Claims (4)
- 固定側部材あるいは移動側部材のいずれか一方側に取付けられた摺動力付加部材と、摺動力付加部材に対応して他方側に取付けられた、移動側部材の摺動距離とほぼ等しい長さの摺動力受動部材より構成され、摺動力付加部材は、常に一方向にのみ弾性力が付与されて一部が摺動力受動部材に弾性的に圧接し、摺動力受動部材は、摺動力付加部材に付与された一方向の弾性力を、移動側部材が所定位置に達すると引きこみ力に、引き込まれた移動側部材が所定位置に達すると押し出し力に変換させる変換機構と、摺動力付加部材に付与された一方向の弾性力が、移動側部材の引きこみ力から押し出し力に変化した状態で保持するラッチ部を有することを特徴とする移動側部材の摺動装置。
- 変換機構は、外部からの収納力によって移動側部材が所定位置に達すると、摺動力付加部材に付与された一方向の弾性力を、移動側部材の引きこみ力に変換させる引き込み案内路と、引き込まれた移動側部材の一部が所定位置に達すると、摺動力付加部材に付与された一方向の弾性力を押し出し力に変換させて、移動側部材を一旦停止状態に導く第1押し出し案内路と、停止状態の移動側部材が一旦押し込まれると、摺動力付加部材に付与された一方向の弾性力を、移動側部材の押し出し力に変換させる第2押し出し案内路を有することを特徴とする請求項1に記載の移動側部材の摺動装置。
- ラッチ部は、引き込み案内路と第2押し出し案内路間で、第1押し出し案内路の引き出し側に位置して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の移動側部材の摺動装置。
- 摺動力付加部材は、先端部に設けられた回転ローラーが、常に摺動力受動部材の引き込み案内路と第1、第2押し出し案内路に圧接するよう弾性力が負荷された弾性圧接腕を有し、引き込み案内路は、回転ローラーの圧接力が移動側部材を固定側部材に対し、引き込み力に変化させる方向に傾斜し、第1、第2押し出し案内路は、回転ローラーの圧接力が移動側部材を固定側部材に対し、押し出し力に変化させる方向に傾斜し、引き込み案内路の引き出し側には開閉摺動路が設けられ、第2押し出し案内路と開閉摺動路間には引き出し摺動路が設けられ、引き出し摺動路と開閉摺動路の連続部分は、引き出し摺動路から開閉摺動路の方向にのみ回転ローラーが通過可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の移動側部材の摺動装置
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