JP2020124771A - ワークの固定用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】線状のワークの切断を妨げることなくワークを作業台に確実に固定することができるワークの固定用治具を提供する。【解決手段】ワーク収容溝56及びクランプ部材収容溝58を有するベース部材50と、クランプ部材収容溝58に抜け止めされて収容されるとともにガタを有して嵌合されて第2方向に沿って移動可能なクランプ部材52と、クランプ部材52をワーク収容溝56に向けて押し込む皿ネジ54とを備える。クランプ部材52は第1移動部材62と第2移動部材64とを有し、第1移動部材62の第2移動部材64側の端面は、第2移動部材64に向かって底面58C側とは反対側を向いた第1傾斜面62Bを有する。第2移動部材64の第1移動部材62側の端面は、第1移動部材62に向かって底面58C側を向いた第2傾斜面64Bを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、ワークの固定用治具に係り、特にファイバーケーブル等の線状のワークを切断装置の作業台に固定するためのワークの固定用治具に関する。
ファイバーケーブルは、主に基板と基板との間で信号を伝達するケーブルとして使用される。また、ファイバーケーブルは、その端部を基板のコネクタに挿入して使用するものなので、端部を高精度に切断加工する必要がある。
特許文献1には、ファイバーケーブル切断装置の一例が開示されている。この切断装置は、ファイバーケーブルを送り出す搬送手段と、ファイバーケーブルを切断する切断刃と、を備えており、搬送手段によってファイバーケーブルを送りつつ、切断刃によってファイバーケーブルの端部を切断する。
特開2010−160207号公報
一方、特許文献1に開示されたファイバーケーブル切断装置とは別に、例えば、半導体ウェーハ等のワークを切削加工する切削加工装置をケーブル切断装置に適用することが考えられる。
ここで、上記の切削加工装置は、一般的に、ワークに対して相対的にY軸方向にインデックス送りとZ軸方向に切り込み送りとがされるブレードと、バキュームによりワークを吸着保持してブレードに対し相対的にX軸方向の切削送りがされるテーブル(作業台に相当)とを有している。
しかしながら、このような構成の切削加工装置をケーブル切断装置として適用しようとすると、加工対象物が板状のワークから、ファイバーケーブル等の線状のワークに変更されることに伴い、以下のような課題が存在する。
例えば、1本のファイバーケーブルを切断する場合、ファイバーケーブルの表面積が小さいため、ファイバーケーブルをバキュームによってテーブルに吸着しても十分な保持力を得ることができず切断時にファイバーケーブルが位置ずれするという問題がある。この問題は、ワックスを使用してファイバーケーブルをテーブルに接着させることで解消できるが、このような接着方法は、ファイバーケーブルにワックスを塗布する作業、及びワックスをファイバーケーブルから剥離する作業をその都度行う必要があるので作業性が悪い。
そこで、上記の作業性を改善するために、クランプ部材を使用してファイバーケーブルをテーブルに機械的に固定する方法がある。この固定方法は、バキュームの場合の保持力の方向と同様に、ファイバーケーブルの上からファイバーケーブルをクランプ部材によってテーブルに押さえ付けるものである。このため、クランプ部材は、必然的にファイバーケーブルからブレードの側に向けて突出して配置されることになる。
しかしながら、上記の位置にクランプ部材が配置されると、ファイバーケーブルの切断加工時に切削加工装置の構成部材がクランプ部材に干渉する場合があり、このような場合にはファイバーケーブルの切断を妨げてしまうという虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、線状のワークの切断を妨げることなくワークを作業台に確実に固定することができるワークの固定用治具を提供することを目的とする。
本発明のワークの固定用治具は、本発明の目的を達成するために、第1方向に沿って形成されたワーク収容溝と、ワーク収容溝に連通し且つ第1方向に直交する第2方向に沿って形成されたクランプ部材収容溝と、を有するベース部材と、クランプ部材収容溝に抜け止めされて収容されるとともにガタを有して嵌合されて第2方向に沿って移動可能なクランプ部材と、ベース部材に取り付けられてクランプ部材をワーク収容溝に向けて押し込む駆動部材と、を備え、クランプ部材は、駆動部材側に配置された第1移動部材と、ワーク収容溝側に配置された第2移動部材とから構成され、第1移動部材の第2移動部材側の端面は、第2移動部材に向かってクランプ部材収容溝の底面側とは反対側を向いた第1傾斜面を有し、第2移動部材の第1移動部材側の端面は、第1移動部材に向かってクランプ部材収容溝の底面側を向いた第2傾斜面を有し、 第2移動部材のワーク収容溝側の端面は、ワーク収容溝に収容されたワークに当接する当接面を有する。
本発明の一形態は、第2傾斜面は、第1方向からみたときに第1傾斜面よりも急峻な傾斜面に形成されることが好ましい。
本発明の一形態は、 第1移動部材の駆動部材側の端面は、駆動部材に向かってクランプ部材収容溝の底面側とは反対側を向いた第3傾斜面を有し、駆動部材は、ベース部材に螺合可能に取り付けられた皿ネジであって、頭部の傾斜した座面が、第3傾斜面に接触されることが好ましい。
本発明の一形態は、クランプ部材収容溝がアリ溝であることが好ましい。
本発明によれば、線状のワークの切断を妨げることなくワークを作業台に確実に固定することができる。
本発明の実施形態のワークの固定用治具が適用されたファイバーケーブル切断装置の正面図 図1に示したファイバーケーブル切断装置の左側面図 図1に示したファイバーケーブル切断装置の全体斜視図 実実施形態の固定用治具の全体斜視図 図4に示した固定用治具のV−V線に沿う断面図 図4に示した固定用治具のVI−VI線に沿う断面図 固定用治具の要部拡大断面図 固定用治具の要部拡大断面図 固定用治具の要部拡大断面図 8度傾斜切断を行うファイバーケーブル切断装置の説明図
以下、添付図面に従って本発明に係るワークの固定用治具の好ましい実施形態について詳説する。
図1は、本発明の実施形態のワークの固定用治具10が適用されたファイバーケーブル切断装置12の正面図、図2は、図1に示したファイバーケーブル切断装置12の左側面図、図3は、ファイバーケーブル切断装置12の全体斜視図である。
なお、本明細書では、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の三次元直交座標系を用いて説明する。図1から図3に示すX軸方向は水平方向であって、後述するテーブル16の切削送り方向を指している。また、Y軸方向は、水平方向のうちX軸方向に直交する方向を指している。更に、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交する鉛直方向であって、後述するブレード18の切り込み送り方向を指している。
本実施形態においては、1本のファイバーケーブル14を固定する固定用治具10について説明するが、多数本(例えば2本以上)のファイバーケーブル14が結束された結束ケーブル(不図示)を固定する場合でも実施形態の固定用治具10を用いることができる。
また、以下の説明では、ファイバーケーブル切断装置12として、半導体ウェーハ等のワークを切削加工するダイシング装置を適用し、ダイシング装置に実施形態の固定用治具10を適用した場合における利点について説明する。ダイシング装置が適用されたファイバーケーブル切断装置12は、固定用治具10を介してファイバーケーブル14を固定するテーブル16と、テーブル16に固定されたファイバーケーブル14を切断するブレード18と、を有している。
テーブル16は、一例として円盤状に構成されており、その上面には水平方向に平坦な固定面20を備え、この固定面20に固定用治具10がプレート22を介して固定されている。実施形態では、固定面20に対する固定用治具10の固定方式として、固定面20を真空吸着可能な吸引口を備えた吸着面として構成し、この固定面20にプレート22を真空吸着し、このプレート22に固定用治具10を接着剤又はネジ等の固定手段により固定する方式を例示する。なお、この固定方式に限定されるものではなく、固定面20に固定用治具10を固定可能な方式であれば採用可能である。
テーブル16は、その下部に、テーブル16をX軸方向に沿って往復移動させるX移動機構部24を備えている。X移動機構部24は、X軸方向に沿って配設された一対のガイドレール26、26と、一対のガイドレール26、26の間に配置されたボールネジ装置28とを備えている。このX移動機構部24によれば、ボールネジ装置28を正転又は反転駆動することにより、テーブル16を一対のガイドレール26、26に沿ってX(+)方向又はX(−)方向に移動させることができる。X移動機構部24として、上記のボールネジ装置28を使用することにより、端面研磨に要求される低速で高精細な送り速度(例えば、0.02〜0.03mm/s)を実現することが可能となるので好ましい。
ここで、図2及び図3の実線で示すテーブル16の位置が切断開始位置であることを示しており、図2の二点鎖線で示すテーブル16の位置が切断終了位置であることが示されている。したがって、上記のX移動機構部24によりテーブル16を切断開始位置から切断終了位置に向けて矢印Aで示すX(−)方向に移動させることにより、ファイバーケーブル14の被切断部14A(図1及び図3参照)を回転するブレード18によって切断することができる。また、切断終了位置からテーブル16を矢印Bで示すX(+)方向に移動させることにより切断開始位置にテーブル16を戻すことができる。
ブレード18は、一例として、ダイヤモンド砥粒又はCBN(cubic boron nitride)砥粒をニッケルで電着した電着ブレードを例示することができる。また、電着ブレードの他、金属粉末を混入した樹脂で結合したメタルレジンボンドのブレードも使用することができる。このよう構成されたブレード18は、図1に示すように、Y軸方向に沿って配置された高周波モータ内蔵型のスピンドル30に連結されており、このスピンドル30によって、例えば、6000rpm〜80000rpmで高速回転される。また、スピンドル30は、Z移動機構部32に取り付けられており、Z移動機構部32はY移動機構部34に取り付けられている。このような構成によりブレード18は、Z移動機構部32によってZ軸方向における切り込み量の調整と、Y移動機構部34によってY軸方向における切断位置の調整と、がなされる。なお、Z移動機構部32及びY移動機構部34においても、X移動機構部24と同様の構造(ガイドレールとボールネジ装置とを有する構造)を適用することができる。
また、図3に示すように、スピンドル30には、二点鎖線で示すフランジカバー36が固定されている。フランジカバー36は、ブレード18がファイバーケーブル14の被切断部14Aと接触する加工点P(図1参照。以下、ブレード18の最下点とも言う。)及びブレード18の前面側(ブレード18の面のうち、Y(−)側に向いた面)を除いたブレード18の外周部を覆うようにして配置されている。
フランジカバー36には、冷却水供給部38と不図示の切削水供給部とが取り付けられている。
冷却水供給部38は、一対のノズル部40、40と、一対のノズル部40、40に冷却水を供給する冷却水供給装置(不図示)とを備えている。一対のノズル部40、40は、ブレード18の下部を挟むようにしてブレード18の前面側と後面側(ブレード18の面のうち、Y(+)側に向いた面)の両側にX方向に沿って延設されている。これらのノズル部40、40には、ブレード18に向けて冷却水を噴射する複数の噴射孔42、42…が備えられている。よって、上記の冷却水供給装置から一対のノズル部40、40に供給された冷却水は、複数の噴射孔42、42…からブレード18に向けて噴射される。これにより、加工点Pにて切断加工を行うブレード18と被切断部14Aとが冷却水によって冷却される。なお、噴射孔42、42…は、ブレード18及び被切断部14Aを冷却水で効率よく冷却するために、ブレード18の最下点に対し、例えば数ミリほど離間させた位置に備えられている。
一方、上記の切削水供給部は、切削水供給装置(不図示)と切削水ノズル(不図示)を有する周知のものであり、切削水供給装置から切削水ノズルに供給された切削水を切削水ノズルの噴射口から加工点Pに向けて噴出するように構成されている。なお、切削水ノズルの噴射口においても、加工点Pに切削水を効率よく噴射する観点から、ブレード18の最下点に対し、例えば数ミリほど離間させた位置に備えられている。
以上がファイバーケーブル切断装置12の概略構成である。このような構成のファイバーケーブル切断装置12において、ファイバーケーブル14をブレード18によって切断する場合、ブレード18の最下点の近傍に配置された一対のノズル部40、40が、ファイバーケーブル14の固定用治具10に干渉しないことが要求される。以下、このような要求を満足しつつ、ファイバーケーブル14を確実に固定可能な実施形態の固定用治具10について説明する。
図4は、固定用治具10を上面視したときの固定用治具10の全体斜視図である。図5は、図4のV−V線に沿う固定用治具10の断面図である。図6は、図4のVI−VI線に沿う固定用治具10の断面図である。
図4及び図5に示すように、固定用治具10は、ベース部材50と、クランプ部材52と、皿ネジ54とを備えている。
図4に示すように、ベース部材50は、長辺50A、50Aと短辺50B、50Bとを有し、全体として矩形の平板状に構成されている。また、ベース部材50には、ワーク収容溝56とクランプ部材収容溝58(図5参照)とが備えられている。
ワーク収容溝56は、長手軸14B(図4参照)を有するファイバーケーブル14を長手軸14Bに沿った第1方向に沿って収容する溝である。このワーク収容溝56は、互いに対向する壁面56A、56Bと底面56Cとから構成され、第1方向と平行な短辺50Bに沿って形成されている。
図5に示すように、クランプ部材収容溝58は、クランプ部材52を収容する溝であり、第1方向に直交する第2方向に沿って形成されている。
固定用治具10は、テーブル16(図3参照)に対して第1方向がY軸方向となり、第2方向がX軸方向となるように配置されて固定される。したがって、固定用治具10にファイバーケーブル14を固定した場合、ファイバーケーブル14はその軸方向である長手軸14BがY軸方向に配置される。これにより、テーブル16のX軸方向の移動により、ファイバーケーブル14の被切断部14Aがブレード18によって切断される。以下、説明の便宜上、第1方向をY軸方向と称したり、第2方向をX軸方向と称したりして説明する場合がある。
図6に示すように、クランプ部材収容溝58は、互いに対向する壁面58A、58Bと底面58Cとから構成され、X軸方向と平行な長辺50Aに沿って形成される。また、クランプ部材収容溝58は、図4に示すように、一端58Dがワーク収容溝56に連通され、他端58Eが後述するネジ孔60(図5参照)に臨んで開口されている。このようなクランプ部材収容溝58は、一例として断面がアリ溝形状に構成されている。なお、アリ溝形状とは、溝の開口縁の溝幅よりも溝の底面の溝幅が広い形状を指す。
図4及び図5に示すように、クランプ部材52は、クランプ部材収容溝58に収容されるとともに、クランプ部材収容溝58に沿って移動自在に嵌合されている。すなわち、クランプ部材52は、図6に示すように、アリ溝形状のクランプ部材収容溝58に嵌合される周知な台形の断面形状を有し、クランプ部材収容溝58からZ(+)方向に対して抜け止めされている。また、クランプ部材52は、クランプ部材収容溝58に対し、少なくともZ軸方向に形成された隙間Gをもってクランプ部材収容溝58に嵌合されている。これにより、クランプ部材52は、クランプ部材収容溝58に対し、クランプ部材収容溝58からの抜けが防止されつつ、隙間G分のZ方向のガタを有して嵌合されている。クランプ部材52の詳細な構成については後述する。
図4に示すように、皿ネジ54は、ベース部材50にZ軸方向に形成されたネジ孔60(図5参照)に螺合可能に取り付けられる。皿ネジ54は、周知の構成であり、図5の如く、上面55Aが平らで座面55Bが円錐形の頭部55を有している。この皿ネジ54は、本発明の駆動部材の一例である。
以下、クランプ部材52の詳細な構成について説明する。
図5に示すように、クランプ部材52は、皿ネジ54側に配置された第1移動部材62と、ワーク収容溝56側に配置された第2移動部材64とから構成されている。
第1移動部材62は、長手軸62Aを有する矩形の板状に構成される。また、図7に示す固定用治具10の要部拡大断面図の如く、第1移動部材62の第2移動部材64側の端面は、第2移動部材64に向かってクランプ部材収容溝58の底面58C側とは反対側を向いた第1傾斜面62Bを有している。ここで、図7に示したNB(Normal Vector)1は、第1傾斜面62Bの法線ベクトルである。この法線ベクトルNB1は、Z(+)方向の成分とX(+)方向の成分とを含んでいる。
図5に示すように、第2移動部材64は、長手軸64Aを有する矩形の板状に構成される。また、図7に示すように、第2移動部材64の第1移動部材62側の端面は、第1移動部材62に向かってクランプ部材収容溝58の底面58C側を向いた第2傾斜面64Bを有している。ここで、図7に示したNB2は、第2傾斜面64Bの法線ベクトルである。この法線ベクトルNB2は、Z(−)方向の成分とX(−)方向の成分とを含んでいる。
また、第2傾斜面64Bは、Y軸方向からみたときに、第1傾斜面62Bよりも急峻な傾斜面に形成されている。すなわち、Z軸に対する第2傾斜面64Bの傾斜角度aが、第1傾斜面62Bの傾斜角度bよりも小さく設定されている。具体的な傾斜角度aは30°であり、傾斜角度bは45°である。なお、この傾斜角度a、bは一例である。
なお、第1傾斜面62Bと第2傾斜面64Bの傾斜角度は、必ずしも実施形態の構成に限らず、例えば同じ傾斜角度でもよいし、Z軸に対する第2傾斜面64Bの傾斜角度が、第1傾斜面62Bの傾斜角度よりも大きく設定されていてもよい。但し、実施形態の構成によれば、第2傾斜面64Bは、Y軸方向からみたときに、第1傾斜面62Bよりも急峻な傾斜面に形成されているので、後述するように、第2移動部材64からチップ66に対し、チップ66を底面56Cに押し付ける力を効果的に付与することができる、という効果が得られる。
また、図8に示す固定用治具10の要部拡大断面図の如く、第2移動部材64のワーク収容溝56の側の端面は、ワーク収容溝56に収容されたファイバーケーブル14に当接する当接面64Cを有している。この当接面64Cは、Y軸方向からみたときに、Z軸に沿った垂直面として形成される。ここで、図8に示したNB3は、当接面64Cの法線ベクトルであり、X(+)方向の成分を含んでいる。
なお、ファイバーケーブル14の端部14C(図4参照)を固定用治具10に容易に固定するために、図4、図5及び図8に示すように、ファイバーケーブル14の端部14Cには矩形状のセラッミクス製のチップ66が固着され、このチップ66を介してファイバーケーブル14の端部14Cがワーク収容溝56に収容される。よって、図8に示した当接面64Cは、ファイバーケーブル14に直接当接されておらず、チップ66に当接されることで、ファイバーケーブル14に間接的に当接されている。
一方、図9に示す固定用治具10の要部拡大断面図の如く、第1移動部材62の皿ネジ54の側の端面は、皿ネジ54に向かってクランプ部材収容溝58の底面58C側とは反対側を向いた第3傾斜面62Cを有している。ここで、図9に示したNB4は、第3傾斜面62Cの法線ベクトルである。この法線ベクトルNB4は、Z(+)方向の成分とX(−)方向の成分とを含んでいる。
図9に示すように、第3傾斜面62Cに、皿ネジ54の頭部55の傾斜した座面55Bが接触されている。実施形態では、Z軸に対する第3傾斜面62Cの傾斜角度cと座面55Bの傾斜角度dとがそれぞれ45°に設定されている。なお、上記の傾斜角度c、dは一例である。
実施形態の固定用治具10では、図5の断面図に示すように、ベース部材50の上面50Cに対して、第1移動部材62の上面62D、及び第2移動部材64の上面64Dが同一面上に位置されている。なお、この構成は一例である。例えば、上面62D、64Dは、ベース部材50の上面50Cに対してZ(−)方向側に位置にしていてもよく、また、図1に示したノズル部40、40に干渉しない程度に、ベース部材50の上面50Cに対してZ(+)方向側に位置していてもよい。また、ワーク収容溝56のZ(−)方向の深さは、ワーク収容溝56にチップ66が収容されたとき、チップ66の上面66Aがベース部材50の上面50Cから突出しない程度の深さ、又はノズル部40、40に干渉しない程度に突出した深さとすることが好ましい。
次に、上記の如く構成された固定用治具10の作用について説明する。
図5に示すように、皿ネジ54をネジ孔60に螺入していくと、皿ネジ54の座面55Bが、第1移動部材62の第3傾斜面62C(図9参照)に当接する。この状態から更に皿ネジ54を螺入すると、座面55Bが第3傾斜面62Cに図5の矢印e方向に押し付けられることから、矢印e方向の水平成分fの力により第1移動部材62がクランプ部材収容溝58に沿って第2移動部材64に向けて押し込まれる。そして、第1移動部材62の第1傾斜面62Bが、第2移動部材64の第2傾斜面64Bに図5の矢印g方向に押し付けられることから、矢印g方向の水平成分hの力により第2移動部材64がクランプ部材収容溝58に沿ってチップ66に向けて押し込まれる。その後、第2移動部材64の当接面64C(図8参照)がチップ66に当接される。
この状態から皿ネジ54を更にネジ孔60に螺入していくと、第1移動部材62の第1傾斜面62Bが、第2移動部材64の第2傾斜面64BのZ(−)側に潜り込む。この潜り込みの作用によって、第2移動部材64は、図5の当接面64Cを支点として、図6に示した隙間Gの間で矢印g方向に持ち上げられていく。そうすると、第2移動部材64の当接面64Cからチップ66には、矢印j方向に示すZ(−)側に向いた力が作用するので、チップ66がワーク収容溝56の底面56Cと壁面56Aとに押し付けられる。これにより、ファイバーケーブル14の端部14Cが固定用治具10に確実に固定される。
以上の如く、実施形態の固定用治具10によれば、第1方向に沿って形成されたワーク収容溝56及び第2方向に沿って形成されたクランプ部材収容溝58を有するベース部材50と、クランプ部材収容溝58に抜け止めされて収容されるとともにガタを有して嵌合されて第2方向に沿って移動可能なクランプ部材52と、クランプ部材52をワーク収容溝56に向けて押し込む皿ネジ54と、を備え、クランプ部材52を第1移動部材62と第2移動部材64とから構成し、第1移動部材62の第2移動部材64側の端面は、第2移動部材64に向かって底面58C側とは反対側を向いた第1傾斜面62Bを有し、第2移動部材64の第1移動部材62側の端面は、第1移動部材62に向かって底面58C側を向いた第2傾斜面64Bを有し、第2移動部材64のワーク収容溝56側の端面は、ワーク収容溝56に収容されたチップ66に当接する当接面64Cを有するので、皿ネジ54によってクランプ部材52をX(+)方向に押し込むだけで、ファイバーケーブル14を固定用治具10に確実に固定することができる。
そして、上記の固定用治具10を、ダイシング装置が適用されたファイバーケーブル切断装置12に適用することにより、以下の有利な効果を得ることができる。
すなわち、ファイバーケーブル切断装置12は、ブレード18による加工点に冷却水を効率よく噴射するために、加工点に対し、例えば数ミリほど離間した位置にノズル部40、40(図3参照)が配置されている。このため、ファイバーケーブル14の上にクランプ部材を配置し、このクランプ部材によってファイバーケーブルをテーブル16に押さえ付ける固定用治具を採用した場合、ブレード18によるファイバーケーブル14の切断加工中に、ノズル部40、40が上記のクランプ部材に干渉してファイバーケーブル14の切断を妨げるという虞がある。
これに対し、実施形態の固定用治具10は、図5に示したように、クランプ部材52をX軸に沿って押し込むことでファイバーケーブル14をテーブル16にZ軸に沿って押さえ付ける構成を採用したので、ファイバーケーブル14のZ(+)側にはノズル部40、40(図3参照)と干渉する部材は存在しない。したがって、実施形態の固定用治具10によれば、ブレード18によるファイバーケーブル14の切断を妨げることなくファイバーケーブル14をテーブル16に確実に固定することができる。
また、実施形態の固定用治具10によれば、図7に示したように、第1傾斜面62Bよりも第2傾斜面64Bを急峻な傾斜面とする構成を採用したので、第1傾斜面62Bを第2傾斜面64BのZ(−)側に容易に潜り込ませることができる。これにより、第2移動部材64からチップ66に対し、チップ66を底面56Cに押し付ける力を効果的に付与することができる。
また、実施形態の固定用治具10によれば、図9に示したように、第1移動部材62の皿ネジ54の側の端面を、皿ネジ54に向かってクランプ部材収容溝58の底面58C側とは反対側を向いた第3傾斜面62Cに形成し、この第3傾斜面62Cに皿ネジ54の座面55Bを接触させる構成を採用したので、皿ネジ54をネジ孔60に螺入していくだけで、クランプ部材52をX軸に沿って押し込むことができる。
なお、実施形態では、本発明の固定用治具の構成要素である駆動部材として皿ネジ54を例示したが、駆動部材は、皿ネジに限定されるものではなく、クランプ部材52をワーク収容溝56に向けて押し込み可能な駆動部材であれば適用することができる。他の駆動部材の一例としてバネを適用した場合、バネの付勢力によってクランプ部材52をワーク収容溝56に向けて押し込むことができる。
また、実施形態の固定用治具10は、クランプ部材収容溝58をアリ溝とし、クランプ部材52の断面形状を台形にしたので、ベース部材50の上面50Cからのクランプ部材52の浮き上がりを抑制することができる。これにより、クランプ部材52にノズル部40(図2参照)が干渉することを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、ファイバーケーブル切断装置12としてダイシング装置を適用したので、特許文献1のようなファイバーケーブル切断装置と比較して、以下の効果を有する。
すなわち、特許文献1のファイバーケーブル切断装置は、ファイバーケーブルを切断する切断工程のみを行う装置なので、その後、切断したファイバーケーブルの端面を研磨するには別途研磨工程が必要となる。これに対して、ダイシング装置が適用されたファイバーケーブル切断装置12のブレード18は、一般的に砥粒の小さい砥石が使用され、その回転速度も速く、また、加工速度も低速度に制御可能なので高精細にワークを加工可能である。よって、ファイバーケーブル切断装置12としてダイシング装置を適用することにより、ファイバーケーブルの切断工程と切断した端面の研磨工程とをブレード18によって同時に実施することが可能となるので、特許文献1のファイバーケーブル切断装置と比較してスループットを向上させることができる。
図10は、ファイバーケーブル14の切断面をコネクタとして利用するためのファイバーケーブル切断装置70の要部が示されている。ファイバーケーブル14の切断面をコネクタとして利用する際には、切断面の反射防止のために切断面を8度傾斜させて研磨することが知られている。図10に示すファイバーケーブル切断装置70は、それを実現する装置である。なお、上記の8度とは、ファイバーケーブル14の長手軸14Bに直交する面に対する角度である。ファイバーケーブル切断装置70を説明するにあたり、図1に示したファイバーケーブル切断装置12と同一若しくは類似の部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
図10に示すファイバーケーブル切断装置70によれば、プレート22の下面22Aは、X軸とY軸とで画定される水平面に対し傾斜角度が0°であり、この下面22Aに対して上面22Bが8度傾斜した傾斜面として構成されている。そして、この上面22Bに固定治具10を固定した後、ブレード18によってファイバーケーブル14の被切断部14Aを切断する。これにより、ファイバーケーブル14の切断面は8度傾斜した切断面となるので、ファイバーケーブル14の切断面をコネクタとして利用することができる。
また、図10に示すファイバーケーブル切断装置70のように、傾斜した上面22Bに固定治具10を固定しても、ノズル部40、40(図3参照)に干渉する部材は存在しないので、ファイバーケーブル14の切断を問題なく実施することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…固定用治具、12…ファイバーケーブル切断装置、14…ファイバーケーブル、16…テーブル、18…ブレード、20…固定面、22…プレート、24…X移動機構部、26…ガイドレール、28…ボールネジ装置、30…スピンドル、32…Z移動機構部、34…Y移動機構部、36…フランジカバー、38…冷却水供給部、40…ノズル部、42…噴射孔、50…ベース部材、52…クランプ部材、54…皿ネジ、56…ワーク収容溝、58…クランプ部材収容溝、60…ネジ孔、62…第1移動部材、64…第2移動部材、66…チップ、70…ファイバーケーブル切断装置

Claims (4)

  1. 第1方向に沿って形成されたワーク収容溝と、前記ワーク収容溝に連通し且つ前記第1方向に直交する第2方向に沿って形成されたクランプ部材収容溝と、を有するベース部材と、
    前記クランプ部材収容溝に抜け止めされて収容されるとともにガタを有して嵌合されて前記第2方向に沿って移動可能なクランプ部材と、
    前記ベース部材に取り付けられて前記クランプ部材を前記ワーク収容溝に向けて押し込む駆動部材と、
    を備え、
    前記クランプ部材は、前記駆動部材側に配置された第1移動部材と、前記ワーク収容溝側に配置された第2移動部材とから構成され、
    前記第1移動部材の前記第2移動部材側の端面は、前記第2移動部材に向かって前記クランプ部材収容溝の底面側とは反対側を向いた第1傾斜面を有し、
    前記第2移動部材の前記第1移動部材側の端面は、前記第1移動部材に向かって前記クランプ部材収容溝の底面側を向いた第2傾斜面を有し、
    前記第2移動部材の前記ワーク収容溝側の端面は、前記ワーク収容溝に収容されたワークに当接する当接面を有する、
    ワークの固定用治具。
  2. 前記第2傾斜面は、前記第1方向からみたときに前記第1傾斜面よりも急峻な傾斜面に形成される、
    請求項1に記載のワークの固定用治具。
  3. 前記第1移動部材の前記駆動部材側の端面は、前記駆動部材に向かって前記クランプ部材収容溝の底面側とは反対側を向いた第3傾斜面を有し、
    前記駆動部材は、前記ベース部材に螺合可能に取り付けられた皿ネジであって、頭部の傾斜した座面が、前記第3傾斜面に接触される、
    請求項1又は2に記載のワークの固定用治具。
  4. 前記クランプ部材収容溝がアリ溝である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のワークの固定用治具。
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