JP2020124297A - Oct光学系の調整方法、参照用アタッチメント、および、oct装置。 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態に係るOCT装置は、OCT光学系(例えば、図1参照)を備える。また、OCT装置は、OCT光学系の検出器から出力されるスペクトル干渉信号を処理してOCTデータを取得可能であってもよい。この場合、OCT光学系は、例えば、フーリエドメインOCT光学系(SS−OCT光学系、SD−OCT光学系)であってもよく、OCT光学系は、光分割器と、光検出器と、を有してもよい。光分割器は、OCT光源からの光を測定光路と参照光路に分割する。光検出器は、測定光路を介して被検眼に導かれた測定光と参照光路からの参照光とのスペクトル干渉信号を検出する。更に、OCT装置は、画像処理器を備えてもよく、画像処理器は、OCT光学系から出力されるスペクトル干渉信号を処理してOCTデータを取得可能であってもよい。
OCT装置は、測定光路の光路長変化を伴って、撮影範囲に関する測定光の照射条件を変更可能であってもよい。撮影範囲に関する測定光の照射条件が変更され、更に、測定光と参照光との光路長差が適宜調整されることによって、撮影範囲が変更される。この場合、撮影範囲は、例えば、深さ方向に関して変更されてもよいし、横断方向に関して変更されてもよい。深さ方向に関して変更される場合、撮影範囲は、被検眼の前眼部と眼底との間で変更されてもよい。また、前眼部の角膜側の領域と水晶体側の領域との間で変更されてもよい。横断方向に関して変更される場合、例えば、眼底の中心領域と、眼底の広角領域との間で変更されてもよい。広角領域は、中心領域に対する眼底の周辺領域を含む領域である(図4参照)。広角領域は、周辺領域に加え、更に中心領域を含む領域であってもよい。撮影範囲に関する照射条件は、例えば、測定光の集光位置、および、走査範囲のうちいずれかに関する条件であってもよい。なお、以下の説明においては、OCT装置における測定光の走査範囲の大きさを、画角と称する場合がある。
本実施形態のOCT光学系は、第1導波路と、第2導波路と、を含んでいる。第1導波路および第2導波路は、いずれも、参照光路の一部を形成する。第1導波路は、光分割器側に形成される。第2導波路は、第1導波路に対して、光検出器側に形成される。第1導波路と第2導波路とのそれぞれは、例えば、光ファイバによって形成されていてもよいし、他の部材又は媒介によって形成されてもよい。
参照用アタッチメントは、少なくとも、第3導波路を含んでいる(例えば、図1,図6〜図9B参照)。第3導波路は、第1導波路と第2導波路との間で、両者に接続可能である。第3導波路は、第1導波路と第2導波路とに接続されることによって、OCT光学系における参照光路の一部となる。第3導波路の一部又は全部は、例えば、光ファイバによって形成されていてもよいし、他の部材又は媒介によって形成されてもよい。
第3導波路は、1分岐光路と第2分岐光路との少なくとも2つに分岐していてもよい。第1分岐光路の光路長は、第2分岐光路の光路長と、互いに異なる。また、第3導波路が第1導波路と第2導波路とに接続された状態において、第1分岐光路を経た参照光と、第2分岐光路を経た参照光とは、同時に、又は、択一的に、検出器へ導かれてもよい。
また、第3導波路が、1分岐光路と第2分岐光路とに分岐されている場合において、参照用アタッチメントは、光分割器からの参照光が導かれる光路を、第1分岐光路と第2分岐光路との間で切り替えるスイッチ(駆動部の一例)を、有してよい。これにより、検出器において、第1分岐光路からの参照光による干渉信号と、第2分岐光路からの参照光による干渉信号と、のうち一方を選択的に検出可能であってもよい。
第3導波路の光路長を調整するために駆動制御される光路長調整部を、参照用アタッチメントは更に有していてもよい。光路長調整部は、第3導波路の光路長を、所定の調整範囲の中で増減させる。光路長調整部が駆動制御されることで、測定光と参照光との光路長差が調整される。このような光路長調整部の一例として、光遅延線(オプティカルディレイライン:ODL)が知られている。
参照用アタッチメントが、上記したように、スイッチおよびODL等のようなデバイスを含む場合、外部電源からの電力を、デバイスへ供給するための導線が参照用アタッチメントへ設けられていてもよい。また、OCT装置の制御部(プロセッサ)からの制御信号をデバイスへ入力するための導線が、参照用アタッチメントへ設けられていてもよい。併せて、各導線と、OCT装置本体の端子と電気的に接続するための接続端子が、参照用アタッチメントに設けられていてもよい。
一般に、OCT光学系は、装置内部に収容されているので、参照用アタッチメントを着脱するためには、装置の分解が必要と考えられる。このため、参照用アタッチメントを着脱して、OCT光学系を調整する作業(以下、「着脱作業」と称する)を行う者を、以下、「作業者」と称する。着脱作業では、参照用アタッチメントの第3導波路が、OCT光学系における第1導波路の端部と第2導波路の端部との間に挿脱されるように、参照用アタッチメントがOCT光学系に対して着脱される。
第1の初期状態として、参照用アタッチメントが、予めOCT光学系に装着されていることが考えられる。このとき、作業者は、例えば、予め装着された参照用アタッチメントを、OCT光学系から取り外し、新たな参照用アタッチメントへと交換する。
第2の初期状態として、OCT装置が参照用アタッチメントを有していない場合が考えられる。この場合、第1導波路と、第2導波路とが、分離可能な態様で、直接的に接続されている。
「実施例」
以下、第1実施例として、図1から図5に示される光コヒーレンストモグラフィー(OCT)装置を説明する。図1は、第1実施例のOCT装置を示している。
導光光学系150は、測定光を眼Eに導くために設けられる。導光光学系150には、例えば、光ファイバ152、コリメータレンズ154、可変ビームエキスパンダ155、光スキャナ156、及び、対物レンズ系158(本実施例における対物光学系)が順次設けられてもよい。この場合、測定光は、光ファイバ152の出射端から出射され、コリメータレンズ154によって平行ビームとなる。その後、可変ビームエキスパンダ155によって所望の光束径となった状態で、光スキャナ156に向かう。光スキャナ156を通過した光は、対物レンズ系158を介して、眼Eに照射される。対物レンズ系158に関して光スキャナ156と共役な位置に、第1の旋回点P1が形成される。この旋回点P1に前眼部が位置することで、測定光はケラレずに眼底に到達する。また、光スキャナ156の動作に応じて測定光が眼底上で走査される。このとき、測定光は、眼底の組織によって散乱・反射される。
<画角切換アタッチメント>
次に、画角切換アタッチメント160について説明する。画角切換アタッチメント160は、一例として、OCT装置の筐体面に対して着脱される。アタッチメント光学系160aを含む鏡筒が、本実施例における画角切換アタッチメント160であってもよい。画角切換アタッチメント160が着脱されることで、対物光学系158と被検眼Eとの間において、アタッチメント光学系160aが挿脱される。
<参照光学系>
参照光学系110は、測定光の眼底反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110を経由した参照光は、カップラ(Fiber Coupler)148にて測定光路からの光と合波されて干渉する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであってもよい。
参照用アタッチメント200は、コネクタ201,ファイバ203,および,コネクタ205を有する。一本のファイバ203の両端に、コネクタ201、および、コネクタ205が取り付けられている。これによって、単一の第3導波路が形成される。
参照用アタッチメント210は、2つに分岐した第3導波路を有する。分岐した導波路の一方を、第1分岐光路と称し、他方を第2分岐光路と称する。第1分岐光路と第2導波路とは互いに異なる光路長を持つので、第1分岐光路を経る第3導波路と、第2分岐光路を経る第3導波路と、の間で、光路長が異なっている。
<光検出器>
検出器120は、測定光路からの光と参照光路からの光による干渉を検出するために設けられている。第1実施例において、検出器120は、分光検出器であって、例えば、分光器と、ラインセンサとを含み、カップラ148によって合波された測定光と参照光とが、分光器で分光され、波長毎にラインセンサの異なる領域(画素)に受光される。これによって画素毎の出力が、スペクトル干渉信号として取得される。
<深さ情報の取得>
制御部70は、検出器120によって検出されたスペクトル信号を処理(フーリエ解析)し、被検眼のOCTデータを得る。
図5に示すように、参照用アタッチメント200,210は、それぞれ、ケース200b,210bを有していてもよい。ケース200b,210bは、少なくとも各種のファイバおよびカップラが収容される。また、本実施例において、干渉光学系100におけるカップラ104からカップラ148までの各部を収容するケース100bを、OCT装置は有してもよい。但し、OCT光学系100と参照用アタッチメント200,210との間でコネクタを着脱するために、例えば、コネクタ108,131、コネクタ201,205、コネクタ211,217の一部または全部が、ケースの外に露出されていてもよい。干渉光学系100および参照用アタッチメント200,210におけるファイバ類がケース100b,200b,210bへ収容されていることによって、着脱作業や、参照用アタッチメント200,210の運搬の際に、各部が良好に保護される。
なお、第1分岐光路と第2分岐光路との光路長差は、既知の値であることから、例えば、深さ方向に関するキャリブレーションに利用されてもよい。例えば、模型眼等の所定の試料が撮影され、第1分岐光路を経た参照光によるOCTデータと、第2分岐光路を経た参照光によるOCTデータと、の深さ方向に関する間隔が求められる。この間隔が光路長差に応じた所定の値となるように、OCTデータの深さ方向の縮尺が調整されてもよい。
次に、図6を参照して、第2実施例について説明する。図6は、第2実施例に係る参照用アタッチメント220を示している。なお、第1実施例と同一の部材については、同一の符号を付し、詳細については省略する。
次に、図7を参照して、第3実施例について説明する。図7は、第3実施例に係る参照用アタッチメント230を示している。第1実施例および第2実施例で開示した参照用アタッチメントは、第3導波路の光路長が予め定められていたが、第3実施例の参照用アタッチメント230は、第3導波路の光路長を、任意の長さに調整できる。OCT装置における撮影範囲の自由度が、より一層、向上する。
次に、図8A,図8Bを参照して、第4実施例を説明する。上記実施例において、第1ないし第3導波路の各端部には、光コネクタが設けられていた。第4実施例では、光コネクタを用いることなく、各導波路が接続される。
次に、図9A,図9Bを参照して、第5実施例を説明する。図9Aは、第5実施例におけるOCT装置の初期状態を示し、図9Bは、第5実施例におけるOCT装置に、参照用アタッチメント210が装着された状態を示す。第5実施例において、参照用アタッチメント210における各部は、第1実施例と同様である。一方、第5実施例は、干渉光学系100に関して、次の2点が、第1実施例と異なっている。
以上、実施形態および実施例に基づいて、本開示を説明した。但し、本開示は、必ずしも上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々の変容例を含む。
例えば、第1,第2,第4,第5実施例では、画角切換アタッチメント160の挿入状態と対応する参照光路は、1つだけ設けられている。しかし、これに限定されるものでは無く、挿入状態と対応する参照光路は、複数形成されていてもよい。詳細には、眼底中心部を含むOCTデータを得るために設定された光路長を有する第1の参照光路と、眼底周辺部を含むOCTデータを得るために設定された光路長を有し第1の参照光路とは異なる第2の参照光路と、が、挿入状態と対応する参照光路として形成されていてもよい。導光光学系の状態毎に(ここでは、画角切換光学系の挿入状態と退避状態との2種類の状態毎に)、それぞれの状態に対応する参照光路が設けられている場合、OCT光学系には、3つ以上の参照光路が設けられることとなる。
<反射系(ミラー系)による画角切換光学系>
上記実施形態では、画角切換光学系は少なくとも1つのレンズを含むものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。画角切換光学系は、ミラー系(ミラー群)であってもよい。より詳細には、画角切換光学系は、1枚以上のミラーを有する非共軸系のミラー系(ミラー群)であってもよい。この場合も、画角切換光学系の挿脱に伴って、測定光路おける光路長が変化するので、補償部による光路長の補償は有効である。
104 カップラ
110 参照光学系
120 光検出器
200,210,220,230,240,250 参照用アタッチメント
E 被検眼
Claims (10)
- OCT光学系の調整方法であって、
前記OCT光学系は、OCT光源からの光を測定光路と参照光路とに分割する光分割器と、前記測定光路を介して被検眼の組織上に導かれた測定光と前記参照光路からの参照光とのスペクトル干渉信号を検出するための光検出器と、前記参照光路の一部を形成する第1導波路と、前記参照光路の一部を形成する第2導波路と、を含み、
第3導波路を含む参照用アタッチメントを、前記第3導波路が前記第1導波路の端部と前記第2導波路の端部との間で挿脱されるように、前記OCT光学系に対して着脱することによって、前記参照光路の光路長を変更する、OCT光学系の調整方法。 - 前記参照光路において、前記第1導波路は、前記光分割器側に形成され、前記第2導波路は、前記第1導波路に対して前記光検出器側に形成されている請求項1記載のOCT光学系の調整方法。
- 前記OCT光学系に対して装着されている前記参照用アタッチメントである第1アタッチメントを、第1アタッチメントとは前記第3導波路の光路長が互いに異なる前記参照用アタッチメントである第2アタッチメントと取り換えることによって、前記参照光路の光路長を変更する、請求項1又は2記載のOCT光学系の調整方法。
- 前記第1導波路の端部と前記第2導波路の端部とは直接に接続可能であって、
前記第1導波路の端部と前記第2導波路の端部とを相互に接続したときの前記参照光路の状態である第1状態と、前記第1導波路の端部と前記第2導波路の端部との間に前記第3導波路が接続されたときの前記参照光路の状態である第2状態との間で切替わるように、前記参照用アタッチメントと前記OCT光学系とを着脱する請求項1又は2記載のOCT光学系の調整方法。 - 前記参照用アタッチメントを着脱することによって生じる前記参照光の光路長の変化は、前記測定光路上におい第3アタッチメントを挿脱することによる光路長の変化と対応していることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のOCT光学系の調整方法。
- 前記OCT装置は、前記第1導波路の前記端部 と前記第2導波路の前記端部とのそれぞれに、前記第1導波路と前記第2導波路とを、間接的または直接的に接続するための第1コネクタを有し、
前記参照用アタッチメントは、前記第3導波路の両端それぞれに、前記第1コネクタに対して着脱可能な第2コネクタを有し、
前記参照用アタッチメントと前記OCT光学系との着脱は、前記第1コネクタに対して前記第2コネクタをそれぞれ着脱することによって行う、請求項1から5のいずれかに記載のOCT光学系の調整方法。 - OCT光学系に対して着脱されることで、前記参照光路の光路長を変更する参照用アタッチメントであって、
前記OCT光学系は、OCT光源からの光を測定光路と参照光路とに分割する光分割器と、前記測定光路を介して被検眼の組織上に導かれた測定光と前記参照光路からの参照光とのスペクトル干渉信号を検出するための光検出器と、前記参照光路の一部を形成する第1導波路であって、前記光分割器側の第1導波路と、前記参照光路の一部を形成する第2導波路であって、前記第1導波路に対して前記光検出器側の第2導波路と、を含み、
前記参照用アタッチメントは、第3導波路と、前記第3導波路が前記第1導波路の端部と前記第2導波路の端部との間で挿脱されるように、前記OCT光学系に対して着脱可能である参照用アタッチメント。 - 前記第3導波路は、光路長が互いに異なる第1分岐光路と第2分岐光路との少なくとも2つに分岐しており、前記第1分岐光路を経た参照光と前記第2分岐光路を経た参照光とが、同時に、又は、択一的に、前記検出器へ導かれることを特徴とする、請求項7記載の参照用アタッチメント。
- 前記参照用アタッチメントは、前記第3導波路の光路長を可変制御するデバイスを含む請求項7記載の参照用アタッチメント。
- 前記OCT光学系と、前記参照用アタッチメントと、を含む請求項7〜9のいずれかに記載のOCT装置。
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