JP7243023B2 - Oct装置 - Google Patents

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Description

本開示は、被検眼眼底のOCTデータを得るOCT装置に関する。
被検眼眼底のOCTデータを得るOCT装置として、例えば、OCT光学系から出力されるスペクトル干渉信号を処理してOCTデータを取得可能な装置が知られている。近年では、広角の眼底OCTデータを得るための装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、装置本体が眼底を走査する光学系を持ち、装置本体と被検眼との間にアタッチメント光学系が挿入されることで、アタッチメント光学系の退避時(非挿入時)と比べて眼底上における測定光の走査範囲が拡大される装置が開示されている。
特開2016‐123467号公報
広角の眼底OCTデータを得る場合、例えば、深さ方向での撮影範囲が不足してしまうことによって、眼底の周辺部が観察できない可能性がある。
本件発明は、上記問題点を鑑み、広角のOCTデータを容易に観察できるOCT装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1)
OCT光源からの光を測定光路と参照光路とに光分割器によって分割し、前記測定光路を介して被検眼の眼底上に導かれた測定光と前記参照光路からの参照光とのスペクトル干渉信号を検出器によって検出するOCT光学系と、
前記スペクトル干渉信号に基づいて取得されるOCTデータを表示手段に出力可能な制御手段であって、眼底中心部でのOCTデータを得るための第1の撮影モードと、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータを得るための第2の撮影モードとの間で表示手段の表示状態を眼底に対する撮影画角に応じて切り換える制御手段と、
を備えることを特徴とするOCT装置であって、
前記制御手段は、前記第1の撮影モードに設定された場合、眼底中心部でのOCTデータを得るため、眼底中心部における網膜表面がゼロディレイ位置より奥側に形成される、もしくは、眼底中心部における脈絡膜裏面がゼロディレイ位置より前側に形成されるように前記測定光と前記参照光との光路長差が調整された状態にて、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後いずれか一方の画像領域を表示手段に出力し、
前記第2の撮影モードに設定された場合、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータを得るため、眼底中心部における網膜表面がゼロディレイ位置より奥側に形成され、眼底周辺部における脈絡膜表面がゼロディレイ位置より前側に形成されるように前記測定光と前記参照光との光路長差が調整された状態にて、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域を表示手段に出力することを特徴とする。
広角のOCTデータを容易に観察できる。
本開示の実施形態の一例について図面に基づいて説明する。図1~図4は本実施形態の実施例に係る図である。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
本実施形態に係るOCT装置は、OCT光学系を備え、OCT光学系の検出器から出力されるスペクトル干渉信号を処理してOCTデータを取得可能であってもよい。この場合、OCT光学系は、例えば、フーリエドメインOCT光学系(SS-OCT光学系、SD-OCT光学系)であってもよく、OCT光学系は、OCT光源からの光を測定光路と参照光路に分割するための光分割器を有し、測定光路を介して被検物に導かれた測定光と参照光路からの参照光とのスペクトル干渉信号を検出してもよい。
また、OCT装置は、画像処理器を備えてもよく、画像処理器は、OCT光学系から出力されるスペクトル干渉信号を処理してOCTデータを取得可能であってもよい。
<眼底広角撮影>
OCT光学系は、例えば、OCT光源からの光を、光分割器によって測定光路と参照光路に分割し、測定光路を介して被検眼眼底に導かれた測定光と参照光路からの参照光との干渉信号を、検出器によって検出するものであってもよい。
OCT光学系は、測定光が眼底上を横断する一つの横断方向に関して眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域に測定光を導くことが可能なOCT光学系であってもよい。この場合、広角領域としては、例えば、特定の横断方向(例えば、水平方向)に関して測定光が眼底上で横断する場合、眼底中心部と眼底周辺部の両方に横断するように広い角度領域であってもよい。また、測定光が横断する横断領域に関して、例えば、眼底中心部での横断領域と眼底周辺部での横断領域は、横断方向に関して連続してもよい。広角領域としては、例えば、眼底上において18mm以上の領域であってもよい。もちろん、広角領域が18mmよりも狭い領域を得る場合に用いられてもよく、本実施形態の装置は、眼底の湾曲度が大きい被検眼の周辺領域を撮像する場合に特に有用である。
眼底中心部としては、例えば、少なくとも眼底の黄斑部及び乳頭部を含む領域が設定され、眼底周辺部として、一つの横断方向に関して眼底中心部の両端部よりも外側の領域をそれぞれ含む領域が設定されてもよい。もちろんこれに限定されず、例えば、眼底中心部として、少なくとも眼底の黄斑部を含む領域が設定され、眼底周辺部として、一つの横断方向に関して眼底中心部の両端部よりも外側の領域をそれぞれ含む領域が設定されてもよい。
眼底の広角領域に測定光を導くことが可能なOCT光学系として、例えば、対物レンズ光学系が用いられてもよいし、凹面ミラーを用いた対物ミラー光学系が用いられてもよい。また、対物レンズ光学系に、アタッチメント光学系が取り付けられた(挿入された)構成であってもよい。
<表示状態の切換>
OCT装置は、制御部を備えてもよい。制御部は、例えば、スペクトル干渉信号に基づいて取得されるOCTデータを表示部に出力可能な制御部であってもよい。また、制御部は、例えば、OCT光学系を制御し、OCTデータを取得してもよい。
OCTデータを得るための撮影モードとしては、眼底中心部でのOCTデータを得るための第1の撮影モードと、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータを得るための第2の撮影モードとが設定可能であってもよい。
制御部は、眼底中心部でのOCTデータを得るための第1の撮影モードと、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータを得るための第2の撮影モードとの間で表示部の表示状態を切り換えてもよい。これによって、広角領域のOCTデータを容易に観察することができる。
表示状態を切り換える場合、制御部は、表示部の画面上へのOCTデータの出力範囲を変更するようにしてもよい(例えば、図3、図4参照)。例えば、第1の撮影モードに設定された場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後いずれか一方の画像領域を表示部に出力し、第2の撮影モードに設定された場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域を表示部に出力するようにしてもよい。これによって、眼底中心部でのOCTデータと、広角領域のOCTデータとをそれぞれ好適に観察することができる。もちろん上記に限定されず、例えば、第1の撮影モードに設定された場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後いずれか一方の画像領域全体と、他方の画像領域の一部を表示部に出力し、第2の撮影モードに設定された場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域全体を表示部に出力するようにしてもよい。
なお、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域を表示部に出力する場合、制御部は、実像と虚像の両方を含むOCTデータを表示部に表示してもよい。この場合、実像と虚像の一方が除去される処理が行われた後、一方の画像が表示部に表示されてもよい。
制御部は、第1の撮影モードにて取得された眼底中心部でのOCTデータと、第2の撮影モードにて取得された眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータとを合成し、合成OCTデータを表示部に表示してもよい。これによれば、広角領域でのOCTデータにおける眼底中心部のOCTデータの画質を向上できるので、より精度の高い観察が可能となる。
なお、第1の撮影モードと第2の撮影モードとの間のモード切換は、検者の手動操作によって切り換えられてもよいし、自動的に切り換えられてもよい。さらに、制御部は、撮影モードの切換に応じて、表示部の表示状態を切り換えるようにしてもよい。
例えば、制御部は、OCT光学系への広角アタッチメントの挿脱による撮影モードの切換に応じて、表示部の表示状態を切り換えてもよい。また、眼底上への測定光の走査範囲の変更による撮影モードの切換に応じて、表示部の表示状態を切り換えてもよい。
例えば、制御部は、眼底上での測定光の走査範囲が所定範囲内であれば、第1の撮影モードに設定し、眼底上での測定光の走査範囲が所定範囲を超えた場合、第2の撮影モードに設定してもよい。なお、制御部は、撮影モードのモード切換信号をトリガとして、表示部の画面へのOCTデータの出力範囲を切り換えるようにしてもよい。
上記のようにすれば、撮影モードに応じた表示部の表示状態の切換をスムーズに行うことができる。各OCTデータの観察をよりスムーズに行うことが可能となる。
なお、上記説明においては、撮影モードに応じて表示部の表示状態を切り換えるものとしたが、これに限定されない。例えば、制御部は、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後いずれか一方の画像領域を表示部に出力する第1の表示モードと、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域を表示部に出力する第2の表示モードとを切り換え可能であってもよい。なお、第1の表示モードと第2の表示モードの切換において、前述の第1の撮影モードと第2の撮影モードとの間の切換手法と同様の手法が用いられてもよい。また、後述される実施例に記載された切換手法が用いられてもよい。
<ソフトウェア分散補正>
OCT装置は、記憶部を備えてもよい。記憶部は、例えば、OCTデータにおける分散を補正するための分散補正データを記憶する記憶部であってもよい。制御部は、記憶部から取得される分散補正データを用いてスペクトル干渉信号を補正し、補正されたスペクトル干渉信号をフーリエ解析してOCTデータを取得してもよい。これによって、実像と虚像とが判別可能となり、ゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域が表示部に出力する場合であっても、OCTデータを容易に観察することが可能となる。
<解析処理>
OCT装置は、解析処理部を備えてもよい。解析処理部は、例えば、OCTデータを解析処理して解析結果を得る解析処理部であってもよい。前述の制御部が解析処理部を兼用してもよいし、制御部とは別に解析処理部が設けられてもよい。
解析処理部は、第1の撮影モードにて取得されたOCTデータを解析する場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後いずれか一方の画像領域を解析することによって解析結果を取得してもよい。解析処理部は、第2の撮影モードにて取得されたOCTデータを解析する場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域を解析することによって解析結果を取得してもよい。これによって、取得されるOCTデータの撮影モードに応じた解析処理を行うことが可能となる。
以下に、広角領域のOCTデータを得るためのOCT光学系の実施形態の一例を以下に説明する。もちろん、本実施形態に係るOCT光学系は、下記の構成に限定されない。
<画角切換光学系>
ここで、以下では、測定光路上に配置された導光光学系へ画角切換光学系が挿脱可能であり、挿入状態と退避状態との間で、眼底上における測定光の走査範囲を示す画角の大きさが異なる場合について説明する。このとき、本実施形態では、画角の大きさは、退避状態よりも挿入状態の方が増大される。勿論、これに限られるものではなく、上記画角の大きさが、退避状態よりも挿入状態の方が減少されてもよい。
導光光学系は、測定光路上に形成されている。導光光学系は、少なくとも光走査部(光スキャナ)を含み、更には、対物光学系を含んでいてもよい。導光光学系は、光分割器からの測定光を光走査部によって偏向することで、光走査部の動作に基づいて測定光が旋回される旋回点を被検眼の前眼部に形成し、旋回点を経た測定光を眼底へ導く。光走査部の動作に伴って、測定光は旋回点を中心として眼底上で走査される。
対物光学系は、導光光学系のうち光走査部と被検眼との間に配置される光学系であって、旋回点を形成するために用いられる。対物光学系に関して光走査部と共役な位置に旋回点は形成される。この旋回点を、「第1旋回点」ともいう。なお、対物光学系は、レンズを含む屈折系であってもよいし、ミラーを含む反射系であってもよいし、両者を組み合わせたものであってもよい。
導光光学系は、少なくとも1つのレンズを含む画角切換光学系が、測定光路上で挿脱される。ここでは、導光光学系に対して画角切換光学系が挿入された状態を、「挿入状態」と称し、退避された状態を、「退避状態」と称している。挿入状態では、眼底における測定光の走査範囲を示す画角の大きさが、退避状態とは異なっていてもよい。
以下では、画角切換光学系が導光光学系に挿入された挿入状態において、画角が増大される場合について説明する。この場合、画角切換光学系の挿入状態において、眼底の広角領域に測定光が導かれるように、画角が退避状態から増大される。
画角切換光学系は、導光光学系に含まれる対物光学系と、被検眼と、の間において挿脱されてもよい。このとき、より好ましい画角切換光学系のレンズ配置は、画角切換光学系において主要なパワーを持つレンズが、第1旋回点と被検眼との間で挿脱されるような配置である。このような配置の場合、対物光学系と第1旋回点との間に主要なパワーを持つレンズが配置される場合に比べて、より長い作動距離を確保しやすくなる。
画角切換光学系において主要なパワーを持つレンズが、第1旋回点と被検眼との間で挿入される場合、画角切換光学系は、挿入状態において、第1旋回点をリレーし、第2旋回
点を形成する。詳細には、挿入状態において画角切換光学系が第1旋回点を経由した測定光を光軸に向けて折り曲げることによって、第2旋回点が形成される。挿入状態では、第2旋回点が前眼部に位置することで、測定光が眼底上で走査される。
なお、本開示において、眼底上における測定光の走査範囲の大きさを「画角」と表現している。ここでいう「画角」は、光スキャナよりも被検眼側に配置される光学系の性能に依存するものであり、光スキャナは最大の画角が実現されるように適宜動作するものと仮定した値である。
<光路長差の変動を補償>
導光光学系において画角切換光学系が挿脱されると、測定光路の光路長が変化し、参照光との光路長差の変動を生じ得る。例えば、対物光学系によって形成される旋回点をリレーする画角切換光学系は、大型化しやすく、光路長が長くなってしまい易いので、挿脱に伴う光路長差の変化も大きくなってしまうことが考えられる。ここで、例えば、従来より、眼底撮影用のOCTの検査窓に、アタッチメント光学系を装着して前眼部撮影を可能とするものが知られている(例えば、本出願人による「特開2011-147612号公報」等を参照されたい)。このような装置において、アタッチメント光学系の着脱の前後で測定光路の光路長が変化したが、アタッチメント光学系自体の光路長が短く、更に、撮影部位が前眼部へ切換わることで、眼球内における測定光路の光路長が短くなるので、眼軸長(≒32mm)程度のスケールの変化量を補償すれば足りるものであった。これに対し、本実施形態のような画角切換光学系の光路長は、眼軸長よりも長くなってしまう。本実施形態では、例えば、眼軸長相当量に対して3倍~8倍程度の変化量を補償することが必要となる場合がありうる。例えば、60°程度の画角を実現するOCT装置に、100°程度の画角を実現する画角切換光学系の一設計例では、画角切換光学系は、170mm程度となった。このように、本実施形態における画角切換光学系の挿脱にともなう測定光路の光路長の変化は、従来の構成で対応できるものではなかった。
そこで、OCT光学系は、挿入状態と退避状態との間において、測定光路の光路長差の変化量を補償する補償部(本実施形態における補償手段)を備えてもよい。
補償部として、OCT光学系は複数の参照光路を備えてもよい。例えば、参照光路が第1分岐光路と第2分岐光路との少なくとも2つに分岐していてもよい。ここでいう第1分岐光路は、退避状態における測定光路の光路長と対応した第1光路長を持ち、第2分岐光路は、挿入状態における測定光路の光路長と対応した第2光路長を持つ。第1分岐光路と、第2分岐光路とにおける光路長差は、予め定められていてもよく、詳細には、画角切換光学系の光路長と略同一の長さであってもよい。
OCT光学系は、検出器によって、第1分岐光路からの参照光による干渉信号と、第2分岐光路からの参照光による干渉信号とを、同時に検出可能であってもよい。また、いずれか一方を、選択的に検出可能であってもよい。
光分割器からの参照光が第1分岐光路および第2分岐光路とに同時に導光されることによって、第1分岐光路および第2分岐光路のそれぞれの光路からの参照光による干渉信号が、検出器によって同時に検出可能となる。但し、この場合において、第1分岐光路を経た参照光と測定光との光路長差、および、第2分岐光路を経た参照光と測定光との光路長差は、画角切換光学系の挿脱に基づいて、略0と、略画角切換光学系の光路長分、との間で互いに入れ替わる。このため、参照光路の経路が互いに異なる2種類の干渉信号のうち、導光光学系の状態(挿入状態/退避状態)に対応した一方の干渉信号の強度が、残り一方に比べて明らかに強くなる。そして、画角切換光学系の光路長が十分長い場合において、残り一方の干渉信号の強度は、問題とならないレベルとなる。退避状態においては、第1分岐光路を経た参照光による干渉信号が、第2分岐光路を経た参照光による干渉信号に比べて信号強度の大きな信号であり、挿入状態においては、その逆になる。OCT光源からの光は、光分割器によって測定光と参照光とに分割されるが、被検眼のように光を大きく減衰させる要素は、参照光路側において必須とはならないので、第1分岐光路と第2分岐光路とに参照光をさらに分岐させたとしても、干渉信号を得るうえで十分な光量を確保できる。このため、測定光路および参照光路のいずれか一方の光路長を、画角切換光学系の挿脱に応じて切り替える構成を持たなくても、検出器によって検出される干渉信号に基づいて、OCTデータを良好に得ることができる。
OCT光学系は、光分割器からの参照光が導かれる光路を、第1分岐光路と第2分岐光路との間で切り替えるスイッチ(駆動部の一例)を、補償部の一部として有してもよい。これにより、検出器において、第1分岐光路からの参照光による干渉信号と、第2分岐光路からの参照光による干渉信号と、のうち一方を選択的に検出できるようになる。スイッチは、例えば、OCT装置の制御部によって、導光光学系の状態(挿入状態/退避状態)に応じて切り替えられてもよい。すなわち、退避状態においては、光分割器からの参照光が第1分岐光路へ導かれ、挿入状態においては、光分割器からの参照光が第2分岐光路へ導かれるように、スイッチが駆動制御されてもよい。このような測定光路における光路長変化量の補償方法は、上記のスイッチを設けない方式に対し、画角切換光学系の光路長が比較的短い場合などにおいて、特に有利と考えられる。
また、上記のような分岐した参照光路は必ずしも必須ではない。この場合、例えば、補償部は、測定光路と参照光路とのうち、少なくとも一方の長さを調整するものであってもよい。 例えば、補償部が参照光路の光路長を調整する場合、補償部は、光分割器からの参照光が導かれる参照光路の光路長を、退避状態における測定光路の光路長と対応した第1光路長と、挿入状態における測定光路の光路長と対応した第2光路長と、の間で切換えてもよい。また、補償部が測定光路の光路長を調整する場合、補償部は、測定光路において、光分割器と光走査部との間における光路長を変更することで、上記の画角切換光学系の挿脱に伴う光路長の変化量を補償してもよい。
<分散補正>
また、本実施形態のOCT装置は、測定光路と参照光路との間における光学系の分散量を補正(補償)する分散補正部(分散補償部)を有することで、良好なOCTデータを得ることができる。分散補正部は、分散量を光学的に補正するものであってもよいし、信号処理的(信号処理および演算の少なくともいずれかを含む)に補正するものであってもよい。前者の場合、分散補正部は、OCT光学系の一要素であって、後者の場合、分散補正部は、検出器と接続される電子回路(専用回路でもよいし、画像処理器でもよい)である。
ところで、本実施形態では、導光光学系において画角切換光学系が挿脱されることにより、少なくとも測定光路と参照光路との間における光学系の分散量が変化してしまう。そこで、本実施形態のOCT装置は、分散補正部における分散量の補正値が、互いに異なる値で複数設定されていてもよい。少なくとも、退避状態における分散量を補正するための第1補正値と、挿入状態における分散量を補正するための第2補正値と、が設定されていることで、画角切換光学系が挿脱の前後いずれの場合においても、良好なOCTデータを取得できる。
また、分散補正部の補正値は、更に細分化されていてもよい。例えば、光走査部の走査角度毎に、測定光路と参照光路との間における光学系の分散量が異なり得るので、第1補正値、第2補正値、または、その両方は、光走査部の走査角度毎に異なる値が設定されて
いてもよい。特に、画角切換光学系の挿入状態において、走査範囲が広角化された場合に、眼底中心部へ照射される測定光に関する分散量と、眼底周辺部へ照射される測定光に関する分散量と、に有意な差が生じる場合が考えられる。そこで、分散補正部は、少なくとも眼底中心部と眼底周辺部との間において互いに異なる補正値が設定されていてもよい。
<光束径変更部>
また、本実施形態のOCT装置は、導光光学系において画角切換光学系が挿脱されると、測定光の光束径が大きくなることで眼底上における測定光のスポットサイズが大きくなり、画像解像力が退避状態に対して低減することが考えられる。これに対し、本実施形態のOCT装置は、光束径変更部を有していてもよい。ここでいう、光束径変更部は、被検眼へ照射される測定光の光束径を調整するものである。OCT装置の制御部等によって光束径変更部が導光光学系の状態(挿入状態/退避状態)に応じて切換えられることによって、光学アタッチメントの挿脱の前後における画像解像力の変化を抑制可能となる。より詳細には、制御部は、退避状態から挿入状態へ切り替えられる場合には、測定光の光束径が縮小されるように光束径変更部を駆動させる。また、挿入状態から退避状態へ切り替えられる場合には、測定光の光束径が拡大されるように光束径変更部を駆動させる。これによって、測定光のスポットサイズの変化が補正される。なお、スポットサイズは、画角に略比例するので、挿入状態と退避状態との間の画角(走査範囲)の比に応じた補正量分だけ、光束径変更部が駆動されることが好ましい。
<実施例>
以下、実施例として、図1,図2に示される光コヒーレンストモグラフィー(OCT)装置を説明する。本実施例に係るOCT装置は、例えば、スペクトルドメイン式OCT(SD-OCT)を基本的構成としている。
OCT装置1は、光源102、干渉光学系(OCT光学系)100、および、演算制御器(演算制御部)70(図2参照)を含む。その他、OCT装置には、メモリ72、表示部75、図示無き正面像観察系及び固視標投影系が設けられてもよい。演算制御器(以下、制御部)70は、光源102、干渉光学系100、メモリ72、表示部75に接続されている。
干渉光学系100は、導光光学系150によって測定光を眼Eに導く。干渉光学系100は、参照光学系110に参照光を導く。干渉光学系100は、眼Eによって反射された測定光と参照光との干渉、によって取得される干渉信号光を検出器(受光素子)120に受光させる。なお、干渉光学系100は、図示無き筐体(装置本体)内に搭載され、ジョイスティック等の操作部材を介して周知のアライメント移動機構により眼Eに対して筐体を3次元的に移動させることによって被検眼に対するアライメントが行われてもよい。
干渉光学系100には、SD-OCT方式が用いられる。光源102としては低コヒーレント長の光束を出射するものが用いられ、検出器120として、スペクトル干渉信号を波長成分ごとに分光して検出する分光検出器が用いられる。
カップラ(スプリッタ)104は、第1の光分割器として用いられ、光源102から出射された光を測定光路と参照光路に分割する。カップラ104は、例えば、光源102からの光を測定光路側の光ファイバー152に導光すると共に、参照光路側の参照光学系110に導光する。
<導光光学系>
導光光学系150は、測定光を眼Eに導くために設けられる。導光光学系150には、例えば、光ファイバー152、コリメータレンズ154、可変ビームエキスパンダ155、光スキャナ156、及び、対物レンズ系158(本実施例における対物光学系)が順次設けられてもよい。この場合、測定光は、光ファイバー152の出射端から出射され、コリメータレンズ154によって平行ビームとなる。その後、可変ビームエキスパンダ155によって所望の光束径となった状態で、光スキャナ156に向かう。光スキャナ156を通過した光は、対物レンズ系158を介して、眼Eに照射される。対物レンズ系158に関して光スキャナ156と共役な位置に、第1の旋回点P1が形成される。この旋回点P1に前眼部が位置することで、測定光はケラレずに眼底に到達する。また、光スキャナ156の動作に応じて測定光が眼底上で走査される。このとき、測定光は、眼底の組織によって散乱・反射される。
光スキャナ156は、眼E上でXY方向(横断方向)に測定光を走査させてもよい。光スキャナ156は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構によって任意に調整される。光源102から出射された光束は、その反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の方向に走査される。光スキャナ156としては、例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられてもよい。
測定光による眼Eからの散乱光(反射光)は、投光時の経路を遡って、光ファイバー152へ入射され、カップラ104に達する。カップラ104は、光ファイバー152からの光を、検出器120に向かう光路へと導く。
<アタッチメント光学系>
実施例のOCT装置においてアタッチメント光学系160(「画角切換光学系」の一例)は、導光光学系150における対物光学系158と、被検眼Eとの間において挿脱される。アタッチメント光学系を含む鏡筒が、図示無き筐体面に対して着脱されることで、対物光学系158と被検眼Eとの間において、アタッチメント光学系160の挿脱が行われる。
アタッチメント光学系160は複数のレンズ161~164を含んでいてもよい。ここで、図1に示したアタッチメント光学系160において主要な正のパワーを持つレンズは、被検眼の眼前に置かれたレンズ164である。少なくともレンズ164の挿脱一は、対物光学系158によって形成される第1旋回点P1と被検眼Eとの間となっている。第1旋回点P1を通過した測定光を少なくともレンズ164が光軸Lに向けて折り曲げることで、アタッチメント光学系160および対物光学系158に関して光スキャナ156と共役な位置に第2旋回点P2が形成される。つまり、アタッチメント光学系160は、旋回点P1を旋回点P2へリレーする光学系である。
本実施例において、第2旋回点P2における測定光の立体角は、第1旋回点P1における立体角に比べて大きくなる。例えば、第2旋回点P2での立体角は、第1旋回点P1における立体角に対して2倍以上に増大される。本実施例では、退避状態においてφ60°程度の画角で走査可能であり、挿入状態では、φ100°程度の画角で走査可能となる。
可変ビームエキスパンダ155は、実施例における光束径調整部である。一例として、可変ビームエキスパンダ155は、両側テレセントリック光学系を形成する複数のレンズを有し、レンズ間隔がアクチュエータによって変化されることで、光束径を切換える構成であってもよい。可変ビームエキスパンダ155は、制御部70からの指示に基づいて測定光の光束径を調整する。
仮に、挿入状態と退避状態との間で、可変ビームエキスパンダ155から光スキャナ156へ導かれる測定光の光束径が一定であるとすると、眼底上での測定光のスポットサイズは画角と比例するので、挿入状態では退避状態に比べて解像力が低下してしまう。そこで、本実施例では、制御部70は、アタッチメント光学系の挿脱に応じて、可変ビームエキスパンダ155を駆動し、挿入状態での光束径を、退避状態に対して縮小する。挿入状態と退避状態とにおける光束径(可変ビームエキスパンダ155における光束径)の比は、挿入状態と退避状態とにおける画角の逆比であることで、アタッチメント光学系160の挿脱に基づく解像力の変化を抑制できる。
ところで、十分な作動距離を確保するために、アタッチメント光学系160は、十分な光線高さの位置から測定光が光軸Lに向けて折り曲げられる必要がある。また、アタッチメント光学系160で生じる収差を許容範囲に抑制するためには、アタッチメント光学系160に含まれる各々のレンズのパワーに制限がある。故に、アタッチメント光学系160の光路長を短くすることは困難である。
従来のOCT装置において、参照光と測定光との光路長差を調整する構成は存在しているものの、アタッチメント光学系160の挿脱に適用できるような調整範囲を持つものは存在しなかった。例えば、従来、眼底撮影OCTに、光学アダプタを装着して前眼部撮影を可能とするものが知られている(例えば、本出願人による「特開2011-147612号公報」等を参照されたい)。しかし、この光学アダプタは、装置本体の光学系によって形成された旋回点のリレーを行うものではなく、また、走査範囲を広角化する要請も無いので、比較的短い光路長で形成できる。更に、光学アダプタの挿入に伴い、像面の位置が眼底から前眼部へ変移する。それ故、光学アダプタの挿入に伴って、光路長差を大きく調整する必要が無かった。
<参照光学系>
参照光学系110は、測定光の眼底反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110を経由した参照光は、カップラ148にて測定光路からの光と合波されて干渉する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであってもよい。
図1に示す参照光学系110は、透過光学系によって形成されている。この場合、参照光学系110は、カップラ104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。これに限らず、参照光学系110は、例えば、反射光学系によって形成され、カップラ104からの光を反射光学系により反射することにより検出器120に導いてもよい。
本実施例において、参照光学系110は、複数の参照光路が設けられてもよい。例えば、図1では、カップラ140によって参照光路が、ファイバ141を通過する光路(本実施例における第1分岐光路)と、ファイバ142を通過する光路(本実施例における第2分岐光路)と、に分岐される。ファイバ141とファイバ142は、カップラ143に接続されており、これにより、2つの分岐光路は結合され、光路長差調整部145、偏波調整部147、を介してカップラ148へ入射される。
本実施例において、カップラ104からの参照光は、カップラ143によってファイバ141とファイバ142との同時に導かれる。ファイバ141とファイバ142のいずれを経由した光も、カップラ148において測定光(眼底反射光)と合波される。
ファイバ141とファイバ142との間における光路長差、つまり、第1分岐光路と第2分岐光路との間の光路長差は、固定値であってもよい。本実施例では、アタッチメント光学系160の光路長と略同一となるような光路長差を有する。
なお、測定光路と参照光路の少なくともいずれかには、測定光と参照光との光路長差を調整するための光学部材が配置されてもよい。一例として、図1に示した光学系においては、参照光路調整部145が設けられており、当該箇所に、測定光と参照光との光路長差を調整するために、直交した2つの面を持つミラー145aが設けられている。このミラー145aがアクチュエータ145bによって矢印方向に移動されることによって、参照光路の光路長を増減することができる。勿論、測定光と参照光との光路長差が調整する構成は、これに限られるものではない。例えば、導光光学系150において、コリメータレンズ154とカップラ153とが一体的に移動されることで、測定光の光路長が調整され、結果として、測定光と参照光との光路長差が調整されてもよい。
ここで、本実施例では、カップラ143とカップラ148との間の光路上、つまりは、第1分岐光路と第2分岐光路との共通光路上に、参照光路調整部145が設けられているので、測定光路と参照光路との間の光路長差の調整であって、眼軸長の個人差に関する調整を、第1分岐光路および第2分岐光路の両方に対して、まとめて実行することが可能となる。
なお、参照光路調整部145における光路長の調整範囲は、ファイバ141とファイバ142との光路長差(換言すれば、第1分岐光路と第2分岐光路との間における光路長差)に対して十分短く設定されることが好ましい。
<ゼロディレイ位置の製造公差を補正>
ところで、アタッチメント光学系160と、ファイバ142との製造公差によって、アタッチメント光学系160の装置毎におけるゼロディレイ位置(測定光路と参照光路との光路長差がゼロになる位置)が異なってしまうことが考えられる。製造公差は、例えば、導光光学系150におけるコリメートレンズ154と視度補正レンズとの間の距離の初期距離値を調整すること補正可能である。このような製造誤差を調整するための図示無き調整機構をOCT装置1は有していてもよい。調整機構は、OCT装置1の製品出荷後に調整可能な構成であってもよい。
<光検出器>
検出器120は、測定光路からの光と参照光路からの光による干渉を検出するために設けられている。本実施例において、検出器120は、分光検出器であって、例えば、分光器と、ラインセンサとを含み、カップラ148によって合波された測定光と参照光とが、分光器で分光され、波長毎にラインセンサの異なる領域(画素)に受光される。これによって画素毎の出力が、スペクトル干渉信号として取得される。
眼底の湾曲と測定光の結像面とは必ずしも一致しておらず、アタッチメント光学系150の挿入状態では、眼底中心部または眼底周辺部の少なくとも一方において、両者の乖離が増大するので、光検出器においては、当該乖離を考慮した十分なDepth rangeが確保さ
れていることが好ましい。例えば、SD-OCTでは、所期するDepth rangeに対して十分な画素数のラインカメラが採用されることが好ましい。また、<変形例>として後述する構成が更に採用されてもよい。
<深さ情報の取得>
制御部70は、検出器120によって検出されたスペクトル信号を処理(フーリエ解析)し、被検眼のOCTデータを得る。
スペクトル信号(スペクトルデータ)は、波長λの関数として書き換えられ、波数k(=2π/λ)に関して等間隔な関数I(k)に変換されてもよい。あるいは、初めから波数kに関して等間隔な関数I(k)として取得されてもよい(K―CLOCK技術)。演算制御器は、波数k空間でのスペクトル信号をフーリエ変換することにより深さ(Z)領域におけるOCTデータを得てもよい。
さらに、フーリエ変換後の情報は、Z空間での実数成分と虚数成分を含む信号として表されてもよい。制御部70は、Z空間での信号における実数成分と虚数成分の絶対値を求めることによりOCTデータを得てもよい。
ここで、カップラ148には、第1分岐光路を経由した参照光と、第2分岐光路を経由した参照光とが、同時に導かれており、各々が測定光と合波される。第1分岐光路と第2分岐光路との間には、アタッチメント光学系160の光路長と同程度という、大きな光路長差が存在していることから、第1分岐光路を経由した参照光と、第2分岐光路を経由した参照光とのうち、一方は、測定光との干渉が生じやすいものの、残り一方は、干渉が生じ難い。検出器120からのスペクトル干渉信号には、第1分岐光路を経由した参照光による成分と、第2分岐光路を経由した参照光による成分と、が含まれているものの、2種類の成分のうち、導光光学系150の状態に応じた一方が、他方に比べて際立って強い信号として得られる。結果、導光光学系150の状態にかかわらず、良好なOCTデータを得ることができる。つまり、アタッチメント光学系160に対応する光路長差を持つ、複数の参照光路を有することで、実施例に係るOCT装置は、測定光路と参照光路との光路長差の変化量であって、アタッチメント光学系160の挿脱に伴う変化量が、導光光学系150の状態にかかわらず補償される。
なお、参照光路調整部145を制御し、測定光路と参照光路との光路長差であって、被検眼Eの眼軸長に関する光路長差を、事前に調整しておく必要がある。本実施例では、例えば、予め定められた調整範囲でミラー145aを移動させると共に、各位置での干渉信号を取得し、干渉信号の強度が最も高くなる位置を基準として、ミラー145aの位置を定めるようにしてもよい。参照光路調整部145における光路長の調整範囲が、第1分岐光路と第2分岐光路との間における光路長差)に対して十分小さい場合は、参照光路調整部145の調整範囲において、干渉信号の強度ピークとなる位置は、一義的に特定されうる。
なお、挿入状態において、眼底周辺部からの測定光の眼底反射光は、眼底中心部からの反射光に対して微弱になるので、測定光路と参照光路とのゼロディレイ位置が、眼底周辺部において所期する眼底組織(例えば、網膜、脈絡膜、強膜等)と重なるように、測定光路と参照光路との光路長差が参照光路調整部145によって調整されてもよい。
<ソフトウェアによる分散補正>
なお、本実施例において、制御部70は、検出器120から出力されるスペクトルデータに対しソフトウェアによる分散補正処理を施してもよい。制御部70は、分散補正後のスペクトルデータに基づいてOCTデータを得る。このため、実像と虚像との間で画質において差異が生じる。
つまり、本実施例において、測定光路と参照光路との間における光学系の分散量の違いは、信号処理的に補正される。詳細には、予めメモリ72に記憶された補正値を、上記のスペクトル信号の処理において適用することによって行われる。
制御部70は、検出器120から出力される受光信号に基づいて光のスペクトル強度を取得し、波長λの関数として書き換える。次に、スペクトル強度I(λ)を波数k(=2π/λ)に関して等間隔な関数I(k)に変換する。
測定光と参照光との分散(dispersion)ミスマッチによる影響は、干渉成分の位相をシフトさせ、各波長の合波信号のピークを下げ、信号に拡がりを持たせる(解像度が下がる)。そこで、分散補正では、波長毎にシフトした位相を戻してやることで、干渉信号の低下による解像度の低下を補正する。この場合、波数kの関数としての位相ずれ量φ(k)を求めておき、I(k)・exp-iφ(k)によってkの値毎に位相のずれを戻す。ここで、分散補正すべき位相φ(k)は、キャリブレーションによって予め求めることもできるし、取得された断層画像に対応する位相φ(k)を求めるようにしてもよい。そして、メモリ72には、分散補正用のパラメータ(例えば、位相φ(k))が記憶される。
その後、制御部70は、設定された分散補正データによって補正された分散補正後のスペクトル強度I(k)をフーリエ変換することにより、OCTデータが得られる。
例えば、実像に対する分散の影響を補正するための分散補正値として第1の分散補正値(正像用)をメモリ72から取得し、検出器120から出力されるスペクトルデータを第1の分散補正値を用いて補正し、補正されたスペクトル強度データをフーリエ変換してOCTデータを形成する。実像Rは、高感度・高解像度の画像にて取得され、虚像M(ミラーイメージ)は、分散補正値の違いにより低解像度のぼけた画像にて取得される。
これにより、第1の画像領域G1において実像が取得されたとき、その実像は、高感度・高解像度の画像にて取得され、その虚像(ミラーイメージ)は、第2画像領域G2において、分散補正値の違いにより低解像度のぼけた画像にて取得される。一方、第2の画像領域G2において実像が取得されたとき、その虚像は、第1画像領域G1において、分散補正値の違いにより低解像度のぼけた画像にて取得される。
もちろん、これに限定されず、虚像Mに対するソフトウェア分散補正が行われても良い。この場合、虚像Mが、高感度・高解像度の画像にて取得され、実像Rが低解像度のぼけた画像にて取得される。
なお、上記のようにソフトウェアによって分散補正を行う手法の詳細については、米国特許第6980299号公報、特表2008-501118号公報、等を参考にされたい。また、特開2010-29648号公報を参考にされたい。
ソフトウェアによる分散補正処理が行われる場合において、眼底中心部でのOCTデータを得る際、例えば、制御部70は、実像と虚像の画像データのうち、感度及び解像度が高い方の画像データを抽出すればよい。
なお、本実施例では、退避状態に対応する第1補正値と、第1補正値とは異なる値であって挿入状態に対応する第2補正値とが予めメモリ72に記憶されており、導光光学系の状態に応じて適用する補正値が切換えられる。結果、実施例に係るOCT装置は、測定光路と参照光路との間における分散量の変化量であって、アタッチメント光学系160の挿脱に伴う変化量が、導光光学系150の各状態で補償される。
更に、本実施例では、挿入状態に対応する第2補正値が、測定光の走査位置に応じて複数設定されている。詳細には、眼底中心部用の補正値と、眼底周辺部用の補正値と、が第2補正値として、互いに異なる値で設定される。例えば、第1補正値は、眼底のφ60°以内の領域に適用され、第2補正値は、φ60°よりも離れた領域に適用される値として設定されていてもよい。アタッチメント光学系160は、全体として大きなパワーを持つので、眼底中心部を通過する光束と、眼底周辺部を通過する光束との間で、有意な分散量の違いが生じることが考えられる。これに対し、本実施例では、眼底における測定光の照射位置に応じて、分散量の補正値が変更されるので、眼底の広角領域において良好なOCTデータを得ることができる。
勿論、第2補正値は、更に細分化されていてもよい。例えば、眼底全体が、眼底中心部と、眼底中心部よりも外側の第1の眼底周辺部と、第1の眼底周辺部よりも外側の第2の眼底周辺部と、に分割され、眼底中心部に対応する補正値と、第1の眼底周辺部に対応する補正値と、第2の眼底周辺部に対応する補正値と、が第2補正値として、異なる値で設定されていてもよい。
<制御系>
制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を備えてもよい(図2参照)。例えば、制御部70のCPUは、OCT装置の制御を司ってもよい。RAMは、各種情報を一時的に記憶する。制御部70のROMには、OCT装置の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されてもよい。
制御部70には、記憶部としての不揮発性メモリ(以下、メモリに省略する)72、表示部75等が電気的に接続されてもよい。メモリ72には、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体が用いられてもよい。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、および、OCT装置に着脱可能に装着されるUSBメモリ等をメモリ72として使用することができる。メモリ72には、OCTデータの取得及びOCT画像の撮影を制御するための制御プログラムが記憶されてもよい。また、メモリ72には、OCTデータから生成されるOCT画像の他、撮影に関する各種情報が記憶されてもよい。表示部75は、OCTデータから生成されるOCT画像を表示してもよい。
なお、アタッチメント光学系160が導光光学系に挿入されているか否かを自動的に検出する挿脱検出部が設けられていてもよく、検出部からの検出信号に基づいて、制御部は、OCT光学系100における各部の制御、処理を実行してもよい。例えば、上記した、可変ビームエキスパンダ155による光束径の切換制御、参照光路調整部145によるゼロディレイ位置の設定制御、測定光路と参照光との間における光学系の分散量の変更処理、等が適宜実行されてもよい。挿入検出部としては、対物光学系158の近傍に配置されたセンサであってもよい。
勿論、検者が、OCT装置のUI(ユーザインターフェース)に対して、導光光学系の状態(アタッチメント光学系の挿入状態/退避状態)を特定する情報を入力することで、当該情報に基づいて、制御部がOCT光学系100における各部の制御、処理を実行してもよい。
<撮影モードの設定>
本実施例に係るOCT装置において、眼底中心部でのOCTデータを得るための第1の撮影モードと、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータを得るための第2の撮影モードと、が設定可能であってもよい。この場合、例えば、第1の撮影モードにおいては、眼底上での測定光の走査範囲が眼底中心部に設定され、第2の撮影モードにおいては、眼底上での測定光の走査範囲が眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域に設定されてもよい。
この場合、例えば、制御部70は、検者によって操作される操作部からの操作信号に基づいて、第1の撮影モードと第2の撮影モードとを切り換えてもよい。また、制御部70は、第1の撮影モードと第2の撮影モードとを自動的に切換えてもよい。また、制御部70は、第1の撮影モードと第2の撮影モードとの間での切換を促すガイド表示を行うようにしてもよい。
制御部70は、前述の挿脱検出部からの検出信号に基づいて、第1の撮影モードと第2の撮影モードとを自動的に切り換えてもよい(ガイド表示を行ってもよい)。制御部70は、測定光の走査範囲が所定範囲内であれば、第1の撮影モードに設定し、測定光の走査範囲が所定範囲を超えた場合、第2の撮影モードに設定してもよい。モード切換は、自動的に行われてもよいし、ガイド表示を介して行われてもよい。
制御部70は、測定光と参照光との間の光路長差を自動的に調整した後、第1の画像領域G1におけるOCTデータの実像Rがゼロディレイに掛かる場合(又は第2の画像領域G2においてもOCTデータの実像Rが検出される場合)、第2の撮影モードに自動的に切り換える、又はガイド表示を行うようにしてもよい。光路長差が自動的に調整される場合、眼底中心部のOCTデータにおける網膜部分が第1の画像領域G1に形成されるように調整されてもよい。
<撮影モードに応じたOCTデータの表示状態の切換>
制御部70は、第1の撮影モードと第2の撮影モードとの間で、表示部75上でのOCTデータの表示状態を切り換えてもよい(例えば、図3、図4参照)。この場合、例えば、制御部70は、撮影モードに応じて、表示部75の表示画面上のOCTデータの出力範囲を変更してもよい。制御部70は、第1の撮影モードに設定された場合、深さ方向に関するOCTデータの出力範囲を第1の出力範囲に設定し、第2の撮影モードに設定された場合、第2の撮影モードに設定された場合、深さ方向に関するOCTデータの出力範囲を第1の出力範囲よりも広い第2の出力範囲に設定してもよい。この場合、第2の出力範囲は、眼底中心部から眼底周辺部まで表示部75の表示画面に出力されるように出力範囲が設定されてもよい。
なお、制御部70は、撮影モードに応じて、表示部75の表示画面上のOCTデータの表示倍率を変更してもよい。この場合、制御部70は、縦倍率を変更するようにしてもよいし、縦倍率と横倍率の少なくともいずれかを変更するようにしてもよい。また、制御部70は、表示部75の表示画面上のOCTデータの表示範囲を変更してもよい。この場合、制御部70は、縦方向の表示範囲を変更するようにしてもよいし、縦方向と横方向の少なくともいずれかの表示範囲を変更するようにしてもよい。
図3、図4はOCT光学系200によって取得されるOCTデータの一例と表示部での出力例を示す図である。ゼロディレイ位置Zは、OCTデータにおいて参照光の光路長に対応する位置であり、測定光と参照光の光路長が一致する位置に相当する。OCTデータは、ゼロディレイ位置Sより奥側に対応する第1画像領域G1と、ゼロディレイ位置Zより手前側に対応する第2画像領域G2と、から形成される。第1画像領域G1と第2画像領域G2は、例えば、ゼロディレイ位置Zに関して互いに対称な関係となる。
図3(a)は第1の撮影モードにて取得されるOCTデータの一例を示す図であり、図3(b)は第1の撮影モードにて取得されるOCTデータの表示部での出力例を示す図である。
例えば、制御部70は、眼底中心部における網膜表面がゼロディレイ位置Zより奥側に形成される、あるいは、眼底中心部における脈絡膜裏面がゼロディレイ位置Zより前側に形成されるように、測定光と参照光との光路長差を調整してもよい。
眼底中心部における網膜表面がゼロディレイ位置Zより奥側に形成される場合(網膜モード)、第1画像領域と第2画像領域において形成される各断層像は、互いに向かい合った状態となる(図(a)参照)。第1画像領域G1において実像Rが取得され、第2画像領域G2において虚像M(ミラーイメージ)が取得される。
図示を略すが、眼底中心部における脈絡膜裏面がゼロディレイ位置Zより前側に形成される場合(脈絡膜モード)、第1画像領域G1と第2画像領域G2において形成される各断層像は、互いに反対方向を向いた状態となる。第1画像領域G1において虚像Mが取得され、第2画像領域G2において実像Rが取得される。
制御部70は、例えば、OCTデータにおける第1画像領域G1又は第2画像領域G2のいずれか一方の画像データを抽出し、表示部75の画面上に表示してもよい(図2(b)参照)。この結果として、例えば、表示部75上には、実像Rのみが表示され、虚像Mは表示されない。これにより、例えば、検者は、眼底中心部の断層像を単一の断層像として観察できる。なお、眼底中心部のOCTデータとしては、例えば、黄斑と乳頭の少なくともいずれかを含むOCTデータが取得されてもよい。
なお、画像データを抽出して表示する場合、制御部70は、例えば、画像データをOCTデータから切り出してもよいし、画像データに対応する情報から画像データを改めて作成してもよい。
図4(a)は第2の撮影モードにて取得されるOCTデータの一例を示す図であり、図4(b)は、第2の撮影モードにて取得されるOCTデータの表示部での出力例を示す図である。この場合、例えば、制御部70は、眼底中心部における網膜表面がゼロディレイ位置Zより奥側に形成され、さらに、眼底周辺部における脈絡膜裏面がゼロディレイ位置Zより前側に形成されるように、測定光と参照光との光路長差を調整してもよい。
眼底中心部でのOCTデータの少なくとも一部に関して、第1画像領域と第2画像領域において形成される各断層像は、互いに向かい合った状態となる。第1画像領域G1において実像Rが取得され、第2画像領域G2において虚像M(ミラーイメージ)が取得される。
眼底周辺部でのOCTデータの少なくとも一部に関して、第1画像領域と第2画像領域において形成される各断層像は、反対方向を向いた状態となる。第1画像領域G1において虚像Mが取得され、第2画像領域G2において実像Rが取得される。
なお、眼底中心部と眼底周辺部は相対的であり、境界が明確に規定されないが、少なくとも、眼底周辺部のOCTデータにおける両端部を含んだ領域は、反対方向を向いた状態となる。この場合、眼底周辺部のOCTデータの一部(眼底中心部側)は、互いに向かい合った状態となりえる。
制御部70は、例えば、OCTデータにおける第1画像領域G1及び第2画像領域G2の両方の画像データを抽出し、表示部75の画面上に表示してもよい。この結果として、例えば、表示部75上には、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域の断層像が表示される。これにより、例えば、検者は、眼底の広角領域の断層像を観察できる。この場合、例えば、実像Rと虚像Mの両方が表示されるが、断層像が交わる部分は一部のみであり、網膜厚が薄い眼底周辺で交差されるので、観察への影響は軽微である。また、前述のソフトウェアによる分散補正によって一方の画像の画質を低感度・低解像度の画像とすることで、他方の画像を観察しやすくすることができる。
なお、広角領域でのOCTデータに関して、眼底中心部のOCTデータとしては、例えば、黄斑と乳頭を含むOCTデータが取得され、眼底周辺部のOCTデータとして、例えば、黄斑と乳頭よりも周辺側領域のOCTデータが取得されてもよい。この場合、周辺側領域のOCTデータの少なくとも一部が第2画像領域の画像データとして取得される。
なお、上記説明において、第1の撮影モードと第2の撮影モードとの間で、表示部上の表示状態を切り替える場合、制御部70は、OCTデータをライブ画像として動画で表示する際に表示状態を切り換えてもよい。この場合、OCTデータは、眼底正面画像と共に表示されてもよいし、眼底正面画像上には走査範囲を示すグラフィック(例えば、ライン)が表示されてもよい。また、制御部70は、OCTデータをキャプチャー画像として取得した後に静止画でOCTデータを表示する際に表示状態を切り換えてもよい。
キャプチャー画像として取得されたOCTデータをメモリ72に記憶する場合、制御部70は、撮影モードと対応付けてOCTデータをメモリ72に記憶するようにしてもよい。これによって、ビューアソフトにてOCTデータを閲覧する場合においても、制御部70は、撮影モードに応じた表示状態の切換が可能となる。なお、撮影モードに応じて表示部75の表示状態が切り換えられるので、制御部70は、キャプチャー動作が行われる際の表示部75の表示状態と対応付けてOCTデータを記憶するようにしてもよい。
<撮影モードに応じたOCTデータの解析処理の切換>
制御部70は、取得されたOCTデータを解析処理して、解析結果を取得してもよい。例えば、制御部70は、OCTデータをセグメンテーション処理して、網膜又は脈絡膜の層厚又は曲率を解析結果として取得してもよい。また、OCTデータがOCTモーションコントラストデータ(OCTアンジオデータ)の場合、OCTモーションコントストデータを解析処理して、血管密度を解析結果として取得してもよい。解析結果は、表示部75に出力されてよく、例えば、数値として表示されてもよいし、解析マップ又は解析チャートとして表示されてもよい。
解析処理において、例えば、制御部70は、撮影モードに応じて、OCTデータの解析範囲を変更してもよい。制御部70は、第1の撮影モードに設定された場合、深さ方向に関するOCTデータの解析範囲を第1の解析範囲に設定し、第2の撮影モードに設定された場合、深さ方向に関するOCTデータの解析範囲を第1の解析範囲よりも広い第2の解析範囲に設定してもよい。この場合、第2の解析範囲は、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域において解析処理が行われるように解析範囲が設定されてもよい。
制御部70は、第1の撮影モードにて取得されたOCTデータを解析する場合、OCTデータにおける第1画像領域G1又は第2画像領域G2のいずれか一方の画像データを解析し、解析結果を取得してもよい。この結果として、例えば、眼底中心部の解析結果が得られる。なお、眼底中心部の解析結果としては、例えば、黄斑と乳頭の少なくともいずれかに関する解析結果が取得されてもよい。
制御部70は、第2の撮影モードにて取得されたOCTデータを解析する場合、OCTデータにおける第1画像領域G1及び第2画像領域G2の両方の画像データを解析し、解析結果を取得してもよい。この場合、少なくとも、第1画像領域G1にて得られた眼底中心部の画像データが解析され、第2画像領域G2にて得られた眼底周辺部の画像データが解析されてもよい。この結果として、例えば、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域の解析結果が得られる。なお、広角領域の解析結果としては、例えば、黄斑及び乳頭に関する解析結果と、黄斑及び乳頭よりも周辺側の領域に関する解析結果とが、取得されてもよい。
<OCTデータ/解析結果の合成>
制御部70は、第1の撮影モードにて取得された眼底中心部でのOCTデータと、第2の撮影モードにて取得された広角領域でのOCTデータとを画像処理によって合成し、合成OCTデータを取得してもよい。取得された合成OCTデータは、表示部75上に表示されてもよい。なお、制御部70は、共通するデータ領域(例えば、眼底中心部のOCTデータ)においてマッチング処理を行うことによってデータ間の位置合わせを行うようにしてもよい。また、データ間の撮影倍率のずれが調整されてもよい。なお、眼底中心部でのOCTデータに関し、第1の撮影モードにて取得されたOCTデータが用いられてもよいし、重み付け合成において優先されるように合成されてもよい。
この場合、例えば、第1の撮影モードにて取得された眼底中心部でのOCTデータは、第2の撮影モードにて取得された広角領域でのOCTデータに含まれる眼底中心部のOCTデータよりも高密度で取得されうる(例えば、撮影の際の時間が短くて済むため)。したがって、合成OCTデータは、解像度の優れた眼底中心部のOCTデータを含めた広角領域のOCTデータとして取得されるので、例えば、検者は、視覚神経系の黄斑又は乳頭を含めた領域を高精度で観察できると共に、眼底周辺部での眼底疾患を確実に観察することができる。
制御部70は、第1の撮影モードにて取得されたOCTデータに基づく眼底中心部の解析結果と、第2の撮影モードにて取得された広角領域でのOCTデータに基づく眼底周辺部の解析結果とを統合し、統合解析結果を取得してもよい。取得された統合解析結果は、表示部75上に表示されてもよい。前述の統合解析結果を得る場合、制御部70は、前述の合成OCTデータを解析処理することによって統合解析結果を取得してもよい。また、制御部70は、第1の撮影モードにて取得されたOCTデータと、第2の撮影モードにて取得されたOCTデータとをそれぞれ別々に解析処理し、各解析結果を統合するようにしてもよい。
なお、上記説明においては、被検眼を広角にて撮影するためのOCT装置を例としたが、これに限定されず、被検物のOCTデータを広角にて撮影するためのOCT装置において、本実施形態が適用されてもよい。また、被検物は、例えば、眼(前眼部、眼底等)、皮膚など生体のほか、生体以外の材料であってもよい。
本実施例に係るOCT装置の光学系の一例を示す図である。 本実施例に係るOCT装置の制御系の一例を示す図である。 本実施例に係るOCTデータの一例と表示部での出力例を示す図である(通常撮影)。 本実施例に係るOCTデータの一例と表示部での出力例を示す図である(広角撮影)。
70 制御部
100 OCT光学系
75 表示部

Claims (3)

  1. OCT光源からの光を測定光路と参照光路とに光分割器によって分割し、前記測定光路を介して被検眼の眼底上に導かれた測定光と前記参照光路からの参照光とのスペクトル干渉信号を検出器によって検出するOCT光学系と、
    前記スペクトル干渉信号に基づいて取得されるOCTデータを表示手段に出力可能な制御手段であって、眼底中心部でのOCTデータを得るための第1の撮影モードと、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータを得るための第2の撮影モードとの間で表示手段の表示状態を眼底に対する撮影画角に応じて切り換える制御手段と、
    を備えることを特徴とするOCT装置であって、
    前記制御手段は、前記第1の撮影モードに設定された場合、眼底中心部でのOCTデータを得るため、眼底中心部における網膜表面がゼロディレイ位置より奥側に形成される、もしくは、眼底中心部における脈絡膜裏面がゼロディレイ位置より前側に形成されるように前記測定光と前記参照光との光路長差が調整された状態にて、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後いずれか一方の画像領域を表示手段に出力し、
    前記第2の撮影モードに設定された場合、眼底中心部と眼底周辺部を含む広角領域でのOCTデータを得るため、眼底中心部における網膜表面がゼロディレイ位置より奥側に形成され、眼底周辺部における脈絡膜表面がゼロディレイ位置より前側に形成されるように前記測定光と前記参照光との光路長差が調整された状態にて、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域を表示手段に出力することを特徴とするOCT装置。
  2. OCTデータにおける分散を補正するための分散補正データを記憶する記憶部を備え、
    前記制御手段は、前記記憶部から取得される分散補正データを用いて前記スペクトル干渉信号を補正し、補正されたスペクトル干渉信号をフーリエ解析してOCTデータを取得することを特徴とする請求項1のOCT装置。
  3. 前記OCTデータを解析して解析結果を得る解析手段を備え、
    前記解析手段は、
    前記第1の撮影モードにて取得されたOCTデータを解析する場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後いずれか一方の画像領域を解析することによって解析結果を取得し、
    前記第2の撮影モードにて取得されたOCTデータを解析する場合、OCTデータ上のゼロディレイ位置に対して前後両方の画像領域を解析することによって解析結果を取得することを特徴とする請求項1~2のいずれかのOCT装置。
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