以下では、本発明の実施の形態に係る部品実装装置等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、及び、比率とは異なる場合がある。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
また、以下の実施の形態において、X軸、Y軸、及び、Z軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、以下の実施の形態では、基板搬送方向のX軸正方向とし、Z軸正方向を上方とし、Z軸負方向を下方として記載する場合がある。
また、各図において、第1部品と第2部品と区別するために、第1部品及び第2部品のうち、第1部品にのみ、ハッチングを付して図示している。
また、以下の説明においては、第1部品及び第2部品を総称して、単に部品と記載する場合がある。
(実施の形態)
[概要]
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態における部品実装装置について説明する。
図1は、実施の形態に係る部品実装装置100を含む部品実装ライン1を示す概略構成図である。図2は、実施の形態に係る部品実装装置100を示す平面図(上面図)である。
なお、図1においては、コンピュータ102の図示を省略しているが、コンピュータ102は、基板搬入部10、貼着部20、部品実装装置100、本圧着部40、基板搬出部50等の各装置と制御線等により通信可能に接続されており、各装置の動作、当該動作のタイミング等を制御する。
また、図2には、部品実装装置100が備える各装置(本実施の形態では、部品実装ライン1が備える各装置)を制御するためのコンピュータ102を機能的なブロックとして示している。コンピュータ102は、例えば、マイコン(マイクロコンピュータ)等で実現され、部品実装装置100と通信可能に接続されている。
部品実装装置100は、液晶パネル等の基板200に複数の処理を施す装置を複数備える部品実装ライン1の1つの装置である。部品実装ライン1は、インラインで複数の作業を実施する部分である。部品実装装置100を含む部品実装ライン1は、基板200等にフレキシブル部品(FPC:Flexible Printed Circuit)等の部品を実装する実装システムである。具体的には、部品実装ライン1は、電極により構成された電極部330が形成された基板200にACF(Anisotropic Conductive Film)等の異方性導電部材(ACF)340を貼着し、ACF340を介して基板200と部品とを熱圧着させる装置である。
本実施の形態においては、部品実装ライン1は、基板200を搬入する基板搬入部10と、基板200にACF340を貼り付ける貼着部20と、ACF340に第1部品300及び第2部品310を実装(仮圧着)する部品実装装置100と、ACF340と共に第1部品300及び第2部品310を熱圧着(本圧着)して基板200と第1部品300及び第2部品310との電気的な導通を確保する本圧着部40と、第1部品300及び第2部品310が熱圧着された基板200を搬出する基板搬出部50を備えている。
また、基板移載装置152により、基板200が、基板搬入部10、貼着部20、部品実装装置100、本圧着部40、及び、基板搬出部50の順に順次各部に移載される。
基板搬入部10は、部品実装ライン1よりも上流側に配置された上流側設備で所定の作業を終えた基板200を搬入する装置である。基板搬入部10は、例えば、X方向に並列した複数のステージ11を備えている。ステージ11は、上流側設備から搬出された基板200を保持する。
貼着部20は、接着テープの一種であって、異方性導電フィルムをテープ状にしたACF340を基板200に貼り付ける装置である。貼着部20は、例えば、X方向に並列した複数のステージ21を備えている。ステージ21は、基板搬入部10から搬出された基板200を保持する。また、貼着部20は、ステージ21が保持する基板200を所定の方向に移動させ、ACF340の貼り付けが行われるテープ貼り付け位置に基板200を移動させる。貼着部20は、所定のサイズに切断されたACF340を貼着ツール22によって基板200に圧着する。これにより、貼着部20は、基板200にACF340を貼り付ける。
部品実装装置100は、基板200に貼着されたACF340上に、第1部品300及び第2部品310を仮圧着する装置である。具体的には、部品実装装置100は、トレイ210から第1部品300及び第2部品310をピックアップして、ACF340を介して基板200に第1部品300及び第2部品310を搭載する装置である。より具体的には、部品実装装置100は、ピックアップ位置230にトレイ210を載置し、載置したトレイ210から、部品セット320を構成する複数品種の部品を、部品セット320ごとに順次ピックアップして基板200に実装(仮圧着)する。
本圧着部40は、基板200に仮圧着された部品を熱圧着(本圧着)する装置である。本圧着部40は、例えば、X方向に並列した複数のステージ41を備えている。本圧着部40は、ステージ41が保持する基板200を所定の方向に移動させ、部品の熱圧着が行われる部品圧着位置に基板200を移動させる。本圧着部40は、圧着ツール42によってACF340を介して基板200に部品を加熱しながら押し付けて熱圧着する。
基板搬出部50は、本圧着部40によって部品が圧着された基板200を部品実装ライン1の下流に配置された下流側設備へ搬出する装置である。基板搬出部50において、基板搬出部50が有するステージ51に保持された基板200は、基板200を取り出して下流側へ搬出可能な図示しない搬出装置によって下流側設備に搬出される。
コンピュータ102は、部品実装装置100及び部品実装ライン1の各装置の動作を制御する制御装置である。コンピュータ102は、ソフトウェアを実行することにより実現する処理部として制御部120と、当該ソフトウェアを記憶する記憶部130と、を備えている。なお、コンピュータ102は、部品実装装置100が単独で備えてもよいし、部品実装ライン1が備えるコンピュータを利用するものでもかまわない。
[部品実装装置]
続いて、部品実装装置100について、詳細に説明する。
部品実装装置100は、上記のように、基板200に貼着されたACF340上に、第1部品300及び第2部品310を実装する装置である。本実施の形態では、部品実装装置100は、1つの基板200に、フレキシブル部品等の第1部品300と、第1部品300とは異なるフレキシブル部品等の第2部品310との2品種の部品を1つずつ仮圧着する装置である。部品実装装置100が基板200に実装する第1部品300及び第2部品310は、それぞれ1つのトレイ210に予め定められた配列で複数保持されている。
本実施の形態では、部品セット320は、1つの第1部品300及び1つの第2部品310で構成されている。なお、図2及び後述する図5〜図7には、第1部品300及び第2部品310を同一の形状で図示しているが、第1部品300と第2部品310とは、形状が異なっていてもよい。
部品実装装置100は、トレイ格納部221に格納されている複数のトレイ210のうちから1つのトレイ210をトレイ載置位置(ピックアップ位置)230に移動させる。
また、部品実装装置100は、トレイ210に保持されている部品セット320を構成する第1部品300及び第2部品310の一方をピックアップして基板200に仮圧着し、さらに、第1部品300及び第2部品310の他方をピックアップして基板200に仮圧着する。このように、基板200には、部品セット320を構成する第1部品300及び第2部品310が、予め定められた順序でトレイ210から順次ピックアップされて基板200に仮圧着される。
また、部品実装装置100は、基板移載装置152によって新たな基板200を搬送し、トレイ210に保持されている、次の部品セット320を構成する第1部品300及び第2部品310の一方をピックアップして基板200に仮圧着し、さらに、第1部品300及び第2部品310の他方をピックアップして基板200に仮圧着する。このように、部品実装装置100は、基板200ごとに、1つの部品セット320を構成する複数の部品を順次仮圧着する。
部品実装装置100は、トレイ210に仮圧着可能な第1部品300又は第2部品310がなくなった場合、トレイ210をトレイ回収部222に移動させ、トレイ格納部221に格納されている複数のトレイ210のうちから1つのトレイ210をトレイ載置位置(ピックアップ位置)230に移動させ、第1部品300及び第2部品310のピックアップを再開する。
このように、部品実装装置100は、トレイ210に保持されている第1部品300及び第2部品310を、予め定められたピックアップ順序である初期ピックアップ順序(第1ピックアップ順序)にしたがってピックアップして基板200に仮圧着する。
また、部品実装装置100は、第1部品300及び第2部品310に不良品がないかを検出する。ここで、部品実装装置100は、第1部品300又は第2部品310に不良品が検出された場合、不良品として検出された部品を除く部品セット320を構成する部品の中に基板200に仮圧着可能な部品があれば、初期ピックアップ順序を、初期ピックアップ順序とは異なるピックアップ順序である第2ピックアップ順序に変更して、第1部品300及び第2部品310をピックアップして、基板200に仮圧着する。ただし、部品実装装置100は、第1部品300又は第2部品310に不良品が検出された場合であっても、不良品として検出された部品を除く部品セット320を構成する部品の中に基板200に仮圧着可能な部品がなければ、その時のピックアップ順序を変更しない。そして、ピックアップ順序に基づき、不良品と検出された部品と同じ部品を次の部品セット320からピックアップして、基板200に仮圧着する。
部品実装装置100が実行する部品実装方法は、具体的には、載置工程と、実装工程とを含む。
載置工程では、部品実装装置100は、基板200に仮圧着される複数品種の部品の組である部品セット320を複数組保持する複数のトレイ210から1つのトレイ210を取り出してピックアップ位置230に載置する。
実装工程では、部品実装装置100は、載置工程でピックアップ位置230に載置されたトレイ210から、部品セット320を構成する複数品種の部品を順次ピックアップして基板200に仮圧着する。
部品実装装置100は、実装工程では、予め定められた初期ピックアップ順序にしたがって、部品セット320(第1部品セット)を構成する複数品種の部品のピックアップを開始し、基板200にピックアップした部品を仮圧着する。部品実装装置100は、部品セット320(第1部品セット)に含まれる複数の部品を、予め定められた初期ピックアップ順序にしたがって全て仮圧着した場合、初期ピックアップ順序にしたがって次の部品セット320(第2部品セット)に含まれる複数の部品を順次基板200に仮圧着する。
例えば、実装工程は、部品供給工程と、仮圧着工程と、を含む。
部品実装装置100は、部品供給工程では、載置工程でピックアップ位置230に載置されたトレイ210から、部品セット320を構成する複数品種の部品を順次ピックアップして部品載置ステージ(部品供給位置)110に供給する。
また、部品実装装置100は、仮圧着工程では、部品載置ステージ110に供給された部品を順次ピックアップして、ピックアップした部品を基板200に仮圧着することで実装する。
本実施の形態では、部品実装装置100は、ピックアップ位置230に載置されたトレイ210に保持されている部品、例えば、第1部品300をピックアップヘッド(ヘッド)113によってピックアップして、部品載置ステージ110に載置(供給)する。次に、部品実装装置100は、部品載置ステージ110に載置した部品を、仮圧着部104が有する圧着ヘッド(ヘッド)153によって基板200に仮圧着する。
なお、ピックアップヘッド(ヘッド)113と圧着ヘッド(ヘッド)153とは、1つのヘッドにより実現されてもよい。この場合、当該ヘッドは、ピックアップした部品を部品載置ステージ110に載置せずに、基板200に仮圧着させてもよい。
また、部品実装装置100は、部品セット320を構成する複数品種の部品のうちの1つである第1部品300であって、ピックアップした第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次にピックアップする予定である第1部品300が不良品であるか否かを判定する。部品実装装置100は、ピックアップした第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次にピックアップする予定である第1部品300が不良品でないと判断した場合には、当該第1部品300の基板200への実装を行う。部品実装装置100は、ピックアップした第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次にピックアップする予定である第1部品300が不良品であると判定した場合には、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があるか否かを確認する。そして、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があれば、当該第1部品300の基板200への仮圧着を取りやめ、初期ピックアップ順序において当該第1部品300の次にピックアップする第2部品310以降のピックアップを行ってから、ピックアップ位置に載置されたトレイ210が保持する部品セット320とは異なる部品セット320(第2部品セット)における第1部品300をピックアップするようにピックアップ順序を変更する。ただし、部品実装装置100は、ピックアップした第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次にピックアップする予定である第1部品300が不良品であると判定した場合であっても、不良品として検出された部品を除く部品セット320を構成する部品の中に基板200に仮圧着していない部品がなければ、その時のピックアップ順序を変更しない。そして、ピックアップ順序に基づき、不良品と検出された部品と同じ部品を次の部品セット320からピックアップして、基板200に仮圧着する。
例えば、部品実装装置100は、カメラ141、142によって部品を撮像して画像解析することで、部品が不良品であるか否かを判定する。部品実装装置100は、部品が不良品であると判定した場合は、例えば、当該部品を基板200に仮圧着せずに破棄する。
また、例えば、部品実装装置100が実行する部品実装方法は、さらに、トレイ210をピックアップ位置230に再載置する再載置工程を含む。
部品実装装置100は、再載置工程では、ピックアップ位置230に載置されたトレイ210における、複数品種の部品のうちの少なくとも1つの品種の部品について、次に仮圧着する部品があるか否かを判定し、仮圧着する部品がない場合、ピックアップ位置230からピックアップ位置230に載置されたトレイ210を取り除き、複数のトレイ210から新たにトレイ210を1つ取り出してピックアップ位置230に載置する。
図3は、実施の形態に係る部品実装装置100の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
部品実装装置100は、機能的には、載置部101と、実装部105と、検出部140と、基板移載装置152と、制御部120と、記憶部130と、を備える。
載置部101は、基板200に仮圧着される複数品種の部品の組である部品セット320を複数組保持する複数のトレイ210から1つのトレイ210を取り出してピックアップ位置230に載置する装置である。具体的には、載置部101は、複数のトレイ210を格納しているトレイ格納部221から1つのトレイ210を取り出してピックアップ位置230に載置させる装置である。載置部101は、例えば、トレイ格納部221と、トレイ移送機構112と、トレイ回収部222とを備える。
トレイ格納部221は、トレイ210を複数格納するための収容筐体である。
トレイ移送機構112は、複数のトレイ210が格納されたトレイ格納部221から1つのトレイ210を取り出して、取り出したトレイ210を、ピックアップヘッド113が第1部品300及び第2部品310を実装部105がピックアップ可能な位置であるピックアップ位置230まで移動させるコンベアである。トレイ210には、第1部品300及び第2部品310が、トレイ210上で重なることなく並べて載置された状態で保持されている。
また、トレイ移送機構112は、ピックアップ位置230に載置されているトレイ210において、次に基板200に仮圧着する第1部品300及び第2部品310がない場合、当該トレイ210をトレイ回収部222まで移送する。例えば、制御部120は、カメラ141等から構成される検出部140に検出させた画像を解析することで、トレイ210に次に仮圧着する第1部品300及び第2部品310がないかを判定する。制御部120は、ピックアップ位置230に載置されているトレイ210において、次に仮圧着する第1部品300及び第2部品310がないと判定した場合、トレイ移送機構112に当該トレイ210をトレイ回収部222まで移送させる。
なお、本実施の形態においては、トレイ移送機構112は、トレイ回収部222に移送させたトレイ210を再度ピックアップ位置230に戻すことができないように構成されている。トレイ移送機構112は、例えば、トレイ210が供給されるトレイ格納部221からトレイ回収部222に向かって一方向にのみトレイ210を移送し、所定の場所で停止できる機能を備えている。
トレイ格納部221、トレイ移送機構112、及び、トレイ回収部222は、例えば、X軸に沿って並列した状態で配置されている。トレイ移送機構112は、例えば、X軸正方向にトレイ210を移動させる。
トレイ回収部222は、基板200に次に仮圧着する第1部品300又は第2部品310がないと制御部120によって判定されたトレイ210が格納される収容部である。
実装部105は、載置部101によってピックアップ位置230に載置されたトレイ210から、部品セット320を構成する複数品種の部品を順次ピックアップして基板200に仮圧着する装置である。具体的には、実装部105は、載置部101によってピックアップ位置230に載置されたトレイ210から第1部品300又は第2部品310をピックアップして、ピックアップした第1部品300又は第2部品310を基板200に仮圧着する。
実装部105は、機能的には、部品供給部103と、仮圧着部104と、を有する。
部品供給部103は、トレイ210に保持されている部品をピックアップして、ピックアップした部品を部品載置ステージ110に供給する装置である。本実施の形態の場合、部品供給部103は、仮圧着部104とY軸に沿って並んで配置されている。
部品供給部103は、ハードウェア部としてピックアップヘッド113と、ヘッド移送機構114と、部品載置ステージ110と、を有する。
ピックアップヘッド113は、ピックアップ位置230に載置されたトレイ210における部品をピックアップするとともに、ピックアップした部品を、部品載置ステージ110において離す装置である。
ピックアップヘッド113の部品の保持方法は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、真空吸着により部品を保持する方法が採用されている。
ヘッド移送機構114は、ピックアップヘッド113を、ピックアップ位置230と部品載置ステージ110との間を往復動させる装置である。
ヘッド移送機構114の種類は、ピックアップヘッド113をピックアップ位置230と部品載置ステージ110との間で往復動できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、直動ガイドとサーボモータとの組み合わせによって構成される。
部品載置ステージ110は、ピックアップヘッド113から供給された部品が載置されるステージである。
仮圧着部104は、部品載置ステージ110に載置された部品を、基板200に仮圧着する装置である。具体的には、仮圧着部104は、ハードウェア部として、部品載置ステージ110に載置された部品をACF340に搭載することで仮圧着させる圧着機構157と、基板保持テーブル158と、を有する。
圧着機構157は、圧着ヘッド153と、圧着ヘッド移動機構154と、を含んで構成される。
圧着ヘッド153は、部品載置ステージ110に載置された部品を吸着して保持可能な吸着ノズルを備えている。圧着ヘッド153は、部品載置ステージ110に載置されている部品を吸着ノズルによって吸着し、基板200に仮圧着する。圧着ヘッド153の部品の保持方法は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、真空吸着により部品を保持する方法が採用されている。
基板保持テーブル158は、基板移載装置152によって貼着部20から搬出された基板200を保持するステージである。
検出部140は、第1部品300及び第2部品310が不良品であるか否かを検出するための装置である。検出部140は、例えば、ハードウェア部として、カメラ141、142を有する。なお、本実施の形態では、部品実装装置100は、トレイ210に保持されている第1部品300及び第2部品310の不良を検出するためのカメラ141と、圧着ヘッド153が保持した状態で、第1部品300及び第2部品310の不良を検出するためのカメラ142と、を備える。例えば、カメラ141は、下方を撮像することでピックアップ位置230に位置する第1部品300及び第2部品310を撮像できるように配置されている。また、例えば、カメラ142は、上方を撮像することで圧着ヘッド153が保持している第1部品300又は第2部品310を撮像できるように配置されている。
なお、部品実装装置100が検出部140として備えるカメラの台数、配置等は、特に限定されない。例えば、検出部140は、カメラ142を備え、カメラ141を備えなくてもよい。
基板移載装置152は、隣接する装置間で基板200の移載(受け渡し)を行う装置であり、X軸に沿って隣接する装置間を往復動し、上流の装置から基板200を受け取って下流の装置のステージに載置する。
制御部120は、載置部101、実装部105、検出部140、及び、基板移載装置152の各動作、各動作のタイミング等を制御する処理部である。また、制御部120は、予め定められた初期ピックアップ順序に基づいて、ピックアップヘッド113によるトレイ210から部品載置ステージ110への第1部品300及び第2部品310の供給が順次行われるように、トレイ移送機構112を制御することで、トレイ210を上流から下流へ向かわせ、トレイ210をピックアップ位置230で停止させる。
例えば、制御部120は、トレイ移送機構112に対して、トレイ格納部221に格納されている複数のトレイ210のうちの1つのトレイ210を上流側から下流側へ前進させる(本実施の形態では、X軸正方向)前進制御を行い、ピックアップ位置230に配置されるように停止制御を行う。
また、制御部120は、ピックアップ対象の第1部品300又は第2部品310上にピックアップヘッド113を移動させる。次に、制御部120は、ピックアップヘッド113に、対象の第1部品300又は第2部品310を1つ保持させる、つまり、ピックアップさせる。また、制御部120は、ピックアップヘッド113に第1部品300又は第2部品310を保持させた後に、ピックアップヘッド113を部品載置ステージ110上にまで移送させる。また、制御部120は、ピックアップヘッド113に保持させている第1部品300又は第2部品310を解放させ、ピックアップヘッド113を部品載置ステージ110から次に保持させる第1部品300又は第2部品310の上にまで移送させる。
また、制御部120は、部品載置ステージ110に載置されているピックアップ対象の第1部品300又は第2部品310上に圧着ヘッド153を移動させる。また、制御部120は、圧着ヘッド153に、部品載置ステージ110に載置されている第1部品300又は第2部品310を1つ保持させる、つまり、ピックアップさせる。また、制御部120は、圧着ヘッド153に第1部品300又は第2部品310を保持させた後に、圧着ヘッド153を基板200上にまで移送させる。また、制御部120は、圧着ヘッド153に保持させている第1部品300又は第2部品310を基板200に仮圧着させ、圧着ヘッド153を基板200上から次に保持させる部品載置ステージ110上の第1部品300又は第2部品310の上にまで移送させる。
また、制御部120は、部品セット320を構成する複数品種の部品のうちの1つである第1部品300であって、実装部105にピックアップさせた第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次に実装部105にピックアップさせる第1部品300が不良品であるか否かを検出部140に検出させ、不良品でないと判定した場合、基板200に第1部品300を実装部105に仮圧着させる。
一方、制御部120は、第1部品300が不良品である場合には、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があるか否かを確認する。そして、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があれば、当該第1部品300の基板200への実装を実装部105に取りやめさせ、初期ピックアップ順序において当該第1部品300の次にピックアップ予定である第2部品310以降のピックアップを実装部105に行わせてから、ピックアップ位置に載置されたトレイ210が保持する部品セット320とは異なる部品セット320における第1部品300をピックアップするようにピックアップ順序を変更する。ただし、制御部120は、第1部品300が不良品である場合であっても、不良品として検出された第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に基板200に仮圧着可能な部品がなければ、その時のピックアップ順序を変更しない。そして、ピックアップ順序に基づき、不良品と検出された第1部品300と同じ第1部品300の次の部品セット320からのピックアップを実装部105に行わせる。
制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラムとによって実現される。
記憶部130は、制御部120が実行する制御プログラムを記憶する記憶装置である。記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリである。
また、記憶部130は、制御部120がヘッド(ピックアップヘッド113及び圧着ヘッド153)に第1部品300及び第2部品310をピックアップさせる順序である初期ピックアップ順序を予め記憶している。制御部120は、記憶部130に記憶されている初期ピックアップ順序にしたがって、部品をピックアップする。また、記憶部130は、初期ピックアップ順序から変更されたピックアップ順序である第2ピックアップ順序を予め記憶していてもよい。なお、以下の説明においては、まず第1部品300をピックアップし、次に第2部品をピックアップし、次に第1部品300をピックアップし、次に第2部品310をピックアップするように、予め初期ピックアップ順序が定められているとして説明する。
[処理手順]
続いて、図4〜図7を参照して、部品実装装置100が実行する部品実装方法について説明する。
図4は、実施の形態に係る部品実装装置100が実行する第1部品300及び第2部品310の実装の処理手順を示すフローチャートである。
まず、制御部120は、載置部101にトレイ格納部221に格納されている複数のトレイ210から1つのトレイ210を抜き出させて、ピックアップ位置230に移動させピックアップ位置230にトレイ210を載置させる(ステップS101)。
次に、制御部120は、検出部140を制御してトレイ210に保持されている第1部品300及び第2部品310を検出させ、トレイ210に次にピックアップする第1部品300又は第2部品310が存在するか否かを判定する(ステップS102)。例えば、制御部120は、初期ピックアップ順序にしたがった場合に、トレイ210に次にピックアップする第1部品300が存在するか否かを判定する。
制御部120は、トレイ210に次にピックアップする第1部品300又は第2部品310が存在しないと判定した場合(ステップS102でNo)、ピックアップ位置230に載置されているトレイ210をトレイ回収部222へ載置部101に移動させ(ステップS103)、ステップS101に処理を戻す。
一方、制御部120は、トレイ210に次にピックアップする第1部品300又は第2部品310が存在すると判定した場合(ステップS102でYes)、検出部140を制御して、次にピックアップする第1部品300又は第2部品310の不良を検出させ、第1部品300又は第2部品310が不良品であるか否かを判定する(ステップS104)。例えば、制御部120は、トレイ210に次にピックアップする第1部品300が不良品であるか否かを判定する。
制御部120は、次にピックアップする第1部品300又は第2部品310が不良品ではないと判定した場合(ステップS104でNo)、次にピックアップする第1部品300又は第2部品310を実装部105(より具体的には、部品供給部103が有するピックアップヘッド113)にピックアップさせる(ステップS105)。例えば、制御部120は、ピックアップヘッド113をトレイ210上まで移動させ、ピックアップヘッド113にトレイ210から第1部品300をピックアップさせる。
次に、制御部120は、ピックアップヘッド113にピックアップさせた第1部品300又は第2部品310を部品載置ステージ110に載置させる(ステップS106)。例えば、制御部120は、ピックアップヘッド113を部品載置ステージ110上まで移動させ、ピックアップヘッド113に第1部品300を部品載置ステージ110に載置させる。
次に、制御部120は、部品載置ステージ110に載置された第1部品300又は第2部品310を実装部105(より具体的には、仮圧着部104が有する圧着ヘッド153)にピックアップさせる(ステップS107)。例えば、制御部120は、圧着ヘッド153を部品載置ステージ110に載置されている第1部品300上まで移動させ、圧着ヘッド153に第1部品300をピックアップさせる。
次に、制御部120は、検出部140を制御して、圧着ヘッド153にピックアップさせた第1部品300又は第2部品310の不良を検出させ、圧着ヘッド153にピックアップさせた第1部品300又は第2部品310が不良品であるか否かを判定する(ステップS108)。例えば、制御部120は、圧着ヘッド153にピックアップさせた第1部品300が不良品であるか否かを判定する。
制御部120は、圧着ヘッド153にピックアップさせた第1部品300又は第2部品310が不良品ではない判定した場合(ステップS108でNo)、圧着ヘッド153にピックアップさせた第1部品300又は第2部品310を圧着ヘッド153によって基板200に仮圧着させる(ステップS109)。例えば、制御部120は、圧着ヘッド153を基板200上まで移動させ、圧着ヘッド153によって基板200から第1部品300を仮圧着させる。
次に、制御部120は、処理をステップS102に戻し、検出部140を制御してトレイ210に保持されている第1部品300及び第2部品310を検出させ、トレイ210に次にピックアップする第1部品300又は第2部品310が存在するか否かを判定する。例えば、制御部120は、ステップS109で第1部品300を仮圧着した場合、初期ピックアップ順序にしたがって、つまり、ピックアップ順序を変更せずに、トレイ210に次にピックアップする第2部品310が存在するか否かを判定する。
図5は、実施の形態に係る部品実装装置100が、第1部品300及び第2部品310をピックアップする予め定められた順序である初期ピックアップ順序を説明するための図である。具体的には、初期ピックアップ順序は、部品実装装置100が第1部品300又は第2部品310の不良を検出しない場合に、第1部品300及び第2部品310をピックアップする順序である。
なお、図5並びに後述する図6及び図7においては、図2に示す第1部品300を、個体ごとに第1部品301、302、303、304、305と符号を付している。また、図2に示す第2部品310を、個体ごとに第2部品311、312、313、314、315と符号を付している。また、図2に示す部品セット320を、セットごとに部品セット321、322、323、324、325、324a、325aと符号を付している。また、図2に示す複数のトレイ210を、トレイごとにトレイ211、212と符号を付している。また、説明のために、ピックアップ位置230に載置されているトレイ211と、トレイ格納部221に格納されており、次にトレイ載置位置に載置されるトレイ212とを並べて図示している。
なお、第1部品301〜305を総称して第1部品300と呼称し、第2部品311〜315を総称して第2部品310と呼称し、部品セット321〜325、324a、325aを総称して部品セット320と呼称し、トレイ211、212を総称してトレイ210と呼称する場合がある。
まず、制御部120は、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109を実行することで、実装部105を制御して、部品セット321に含まれる第1部品301をピックアップさせて、基板200に仮圧着させる。次に、制御部120は、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109を再度実行することで、実装部105を制御して、部品セット321に含まれる第2部品311をピックアップさせて、基板200に仮圧着させる。
制御部120は、第1部品300及び第2部品310を基板200に仮圧着をした後に、例えば、基板移載装置152を制御して、部品の仮圧着が完了した基板200を部品実装ライン1の後工程(下流)へ搬送させ、部品実装ライン1の前工程(上流)から新たな基板200を部品実装装置100へ搬送させる。
制御部120は、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109を再度実行することで、実装部105を制御して、部品セット321の次の部品セットである部品セット322に含まれる第1部品302をピックアップさせて、基板200に仮圧着させ、さらに、部品セット322に含まれる第2部品312をピックアップさせて、基板200に仮圧着させる。
制御部120は、上記の制御を繰り返して、部品セット320ごとに初期ピックアップ順序にしたがって、基板200に第1部品300及び第2部品310を順次基板200に仮圧着させる。
また、制御部120は、トレイ211に保持されている第1部品300及び第2部品310が無くなった場合(図4に示すステップS102でNo)、載置部101を制御して、トレイ211をトレイ回収部222に移動させ(図4に示すステップS103)、さらに、トレイ格納部221から、新たなトレイ212を取り出させてピックアップ位置230まで移動させる。
また、制御部120は、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109を再度実行することで、実装部105を制御して、トレイ212の部品セット325に含まれる第1部品305をピックアップさせて、基板200に仮圧着させ、さらに、部品セット325に含まれる第2部品315をピックアップさせて、基板200に仮圧着させる。
再び図4を参照し、制御部120は、次にピックアップする第1部品300又は第2部品310が不良品であると判定した場合(ステップS104でYes)、又は、制御部120は、圧着ヘッド153にピックアップさせた第1部品300又は第2部品310が不良品であると判定した場合(ステップS108でYes)、不良品と判定した第1部品300又は第2部品310を除く部品セット321を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があるか否かを確認する(ステップS110)。
そして、不良品と判定した第1部品300又は第2部品310を除く部品セット321を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があれば(ステップS110でYes)、不良品と判定した第1部品300又は第2部品310を用いずに、ピックアップ順序を変更する(ステップS111)。具体的には、制御部120は、不良品であると判定した場合、不良品と判定した第1部品300又は第2部品310を除く部品セット321を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があれば、不良品と判定した第1部品300又は第2部品310を基板200に仮圧着させずに、ピックアップ順序を変更する処理を実行する(ステップS111)。制御部120は、例えば、初期ピックアップ順序が第1部品300→第2部品310→第1部品300である場合には、初期ピックアップ順序から変更された後のピックアップ順序(第2ピックアップ順序)を第2部品310→第1部品300→第2部品310のように変更する。制御部120は、このようにピックアップ順序を変更して、処理をステップS102に戻す。
ただし、部品実装装置100は、ピックアップした第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次にピックアップする予定である第1部品300が不良品であると判定した場合であっても、不良品と判定した第1部品300又は第2部品310を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品がなければ(ステップS110でNo)、ピックアップ順序の変更は行わず、処理をステップS102に戻す。
図6は、実施の形態に係る部品実装装置100が、第1部品300及び第2部品310をピックアップする予め定められた順序である初期ピックアップ順序から変更したピックアップ順序である第2ピックアップ順序を説明するための図である。なお、図6及び後述する図7では、初期ピックアップ順序を破線矢印で示し、第2ピックアップ順序を実線矢印で示している。
まず、制御部120は、初期ピックアップ順序にしたがって、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109を実行することで、実装部105を制御して、基板200に第1部品300及び第2部品310を順次基板200に仮圧着させる。
ここで、制御部120は、第1部品303が不良品であると判定したとする(図4に示すステップS104又はステップS108でYes)。この場合、制御部120は、不良品であると検出された第1部品303(すなわち第1部品300)を除く部品セット323を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があるか否かを確認する。その結果、図6の場合、第1部品303が不良品であると判定された時点で、基板200に実装された部品はないため、第1部品303を除く部品セット323を構成する部品(すなわち第1部品300及び第2部品310)として、第2部品313が存在することが確認される。すると、制御部120は、第1部品300及び第2部品310のピックアップ順序を、初期ピックアップ順序から第2ピックアップ順序に変更する。例えば、制御部120は、次にピックアップする第1部品303が不良品である場合には、第1部品303をピックアップせず、第1部品303を含む部品セット323における第2部品313をピックアップして基板200に仮圧着させる。
次に、制御部120は、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109を再び実行することで、実装部105を制御して、第1部品304をピックアップさせて、基板200に仮圧着させる。
このように、制御部120は、部品が不良品である場合には、当該部品を利用せず、ピックアップ順序を変更して、部品セット323において不良品ではない第2部品313と、部品セット323の次にピックアップされる予定の部品セットの第1部品304とを、新たな部品セット324aとして、部品セットごとに第2ピックアップ順序で基板200に部品を仮圧着させることができる。
図7は、比較例に係る部品実装装置が実行する部品のピックアップ順序を説明するための図である。比較例に係る部品実装装置は、部品に不良品がある場合においても、ピックアップ順序を変更せず、初期ピックアップ順序のまま部品をピックアップする。
まず、比較例に係る部品実装装置は、初期ピックアップ順序にしたがって、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109と同様に、実装部105を制御して、基板200に第1部品300及び第2部品310を順次基板200に仮圧着させる。
ここで、比較例に係る部品実装装置が、第1部品303を不良品であると判定したとする(図4に示すステップS104又はステップS108でYes)。
比較例に係る部品実装装置は、第1部品300及び第2部品310のピックアップ順序を、初期ピックアップ順序から第2ピックアップ順序に変更しない。つまり、比較例に係る部品実装装置は、ステップS110及びステップS111を実行せずに、ステップS102に処理を戻す。
例えば、比較例に係る部品実装装置は、次にピックアップする第1部品303が不良品である場合には、第1部品303をピックアップせず、次の部品セット324aに含まれる第1部品304をピックアップして基板200に仮圧着させる。
次に、比較例に係る部品実装装置は、図4のステップS102、及び、ステップS104〜ステップS109と同様の処理を再度実行することで、実装部105を制御して、部品セット323における不良品ではない第2部品313をピックアップさせて、基板200に仮圧着させる。このように、比較例に係る部品実装装置もまた、実施の形態に係る部品実装装置100と同様に、部品が不良品である場合には、当該部品を利用せず、部品セット323において不良品ではない第2部品313と、部品セット323の次にピックアップされる予定の部品セットの第1部品304とを、新たな部品セット324aとして、部品セットごとに基板200に部品を仮圧着させる。
次に、比較例に係る部品実装装置は、初期ピックアップ順序にしたがって、図4に示すステップS102において、トレイ211から第1部品300をピックアップしようとする。しかしながら、トレイ211には、利用可能な第1部品300が存在しないため、載置部101を制御して、トレイ211をトレイ回収部222に移動させ、さらに、トレイ格納部221から、新たなトレイ212を取り出させてピックアップ位置230まで移動させる。そのため、比較例においては、不良品ではない第2部品314が用いることができない。
以上のように、部品実装装置100は、部品が不良品である場合にピックアップ順序を変更することで、比較例に係る部品実装装置とは異なり、不良品ではない第2部品314を基板200に仮圧着させることができる。
なお、図4に示すステップS101〜ステップS106までと、ステップS107〜ステップS109までとは、ピックアップ順序に変更がない場合においては、平行して行われてもよい。つまり、トレイ210をピックアップ位置230に載置させる載置工程及びトレイ210から部品をピックアップして部品載置ステージ110に載置する部品供給工程と、部品載置ステージ110に載置された部品を基板200に仮圧着させる仮圧着工程とは、平行して行われてもよい。
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る部品実装方法は、基板200に実装される複数品種の部品の組である部品セット320を複数組保持する複数のトレイ210から1つのトレイ210を取り出してピックアップ位置230に載置する載置工程と、載置工程でピックアップ位置230に載置されたトレイ210から、部品セット320を構成する複数品種の部品を順次ピックアップして基板200に実装する実装工程と、を備える。実装工程では、予め定められた初期ピックアップ順序にしたがって、第1部品セットを構成する複数品種の部品のピックアップが開始される。また、実装工程では、第1部品セットを構成する複数品種の部品のうちの1つである第1部品300であって、ピックアップした第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次にピックアップする予定である第1部品300が不良品であるか否かを判定する。また、実装工程では、不良品であると判定した場合には、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があるか否かを確認する。そして、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があれば、第1部品300の基板200への実装を取りやめ、初期ピックアップ順序において当該第1部品300の次にピックアップする第2部品310以降のピックアップを行ってから、ピックアップ位置230に載置されたトレイ210が保持する第1部品セットとは異なる第2部品セットにおける第1部品300をピックアップするようにピックアップ順序を変更する。
具体的に例えば、実装工程では、第1部品セットとして部品セット321を構成する複数品種の部品のうちの1つである第1部品301であって、ピックアップした第1部品301、又は、初期ピックアップ順序において次にピックアップする予定である第1部品301が不良品であるか否かを判定し、不良品であると判定した場合には、第1部品301を除く部品セット321を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があるか否かを確認する。そして、第1部品301を除く部品セット321を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があれば、第1部品301の基板200への実装を取りやめ、初期ピックアップ順序において当該第1部品301の次にピックアップする第2部品311以降のピックアップを行ってから、ピックアップ位置230に載置されたトレイ210が保持する第1部品セットである部品セット321とは異なる第2部品セットである部品セット322における第1部品302をピックアップするようにピックアップ順序を変更する。
このような方法によれば、例えば、次にピックアップする部品がトレイ210にない場合にトレイ210を新たなトレイに変更する処理を実行する場合においては、第1部品300が不良品である場合に、第1部品300と同じ部品を次にピックアップする予定の部品セットからピックアップせずに、部品のピックアップ順序を変更して、第1部品300が不良品として含む部品セットに含まれる第2部品310からピックアップすることとなる。そのため、このような方法によれば、トレイ210において不良品の少ない品種の部品から、部品セット320において順次部品がピックアップされるように、ピックアップ順序が変更されることとなる。これにより、次にピックアップする部品がないトレイ210が新たなトレイ210に交換されてしまう前に、不良品の少ない部品を先にピックアップすることができるので、初期ピックアップ順序では利用することができなかった部品を基板200に実装させることができる。このように、実施の形態に係る部品実装方法によれば、例えば、比較例に係る部品実装装置では利用できなかった第2部品314を利用できるため、トレイ210に配置された部品を従来よりも無駄なく利用することができる。
また、例えば、本実施の形態に係る部品実装方法に含まれる実装工程は、載置工程でピックアップ位置230に載置されたトレイ210から、部品セット320を構成する複数品種の部品を順次ピックアップして部品供給位置(部品載置ステージ110)に供給する部品供給工程と、部品供給位置に供給された部品を順次ピックアップして、ピックアップした部品を基板200に仮圧着することで実装する仮圧着工程と、を含む。
このような方法によれば、トレイ210をピックアップ位置230に載置させる載置工程及びトレイ210から部品をピックアップして部品載置ステージ110に載置する部品供給工程と、部品載置ステージ110に載置された部品を基板200に仮圧着させる仮圧着工程とが平行して実行され得る。そのため、トレイ210をピックアップ位置230に載置させてから部品を基板200に実装するまでのタクトタイムが短縮され得る。
また、例えば、本実施の形態に係る部品実装方法は、さらに、ピックアップ位置に載置されたトレイ210における、複数品種の部品のうちの少なくとも1つの品種の部品について、次に実装する部品があるか否かを判定し、実装する部品がない場合、ピックアップ位置230からピックアップ位置230に載置されたトレイ210を取り除き、複数のトレイ210から新たにトレイ210を1つ取り出してピックアップ位置230に載置する再載置工程を含む。
このような方法によれば、ピックアップ位置230においてトレイ210が自動的に交換される制御が行われる場合において、部品に不良品があるときに、初期ピックアップ順序では利用することができなかった部品をより多く基板200に実装させることができる。そのため、このような方法によれば、トレイ210に配置された部品を従来よりもさらに無駄なく利用することができる。
また、本実施の形態に係る部品実装装置100は、基板200に実装される複数品種の部品の組である部品セット320を複数組保持する複数のトレイ210から1つのトレイ210を取り出してピックアップ位置230に載置する載置部101と、載置部101によってピックアップ位置230に載置されたトレイ210から、部品セット320を構成する複数品種の部品を順次ピックアップして基板200に実装する実装部105と、部品が不良品であるか否かを検出するための検出部140と、制御部120と、を備える。制御部120は、予め定められた初期ピックアップ順序にしたがって、部品セット320を構成する複数品種の部品のピックアップを実装部105に開始させる。また、制御部120は、部品セット320を構成する複数品種の部品のうちの1つである第1部品300であって、実装部105にピックアップさせた第1部品300、又は、初期ピックアップ順序において次に実装部105にピックアップさせる第1部品300が不良品であるか否かを検出部140に検出させる。また、制御部120は、第1部品300が不良品である場合には、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品があるか否かを確認する。また、制御部120は、第1部品300を除く部品セット320を構成する部品の中に、基板200への実装が可能な部品がある場合には、当該第1部品300の基板200への実装を実装部105に取りやめさせ、初期ピックアップ順序において当該第1部品300の次にピックアップ予定である第2部品310以降のピックアップを実装部105に行わせてから、ピックアップ位置230に載置されたトレイ210が保持する部品セット320とは異なる部品セット320における第1部品300をピックアップするようにピックアップ順序を変更する。
このような構成によれば、制御部120は、例えば、第1部品300が不良品である場合に、第1部品300と同じ部品を次にピックアップする予定の部品セットからピックアップさせずに、部品のピックアップ順序を変更して、第1部品300が不良品として含む部品セットに含まれる第2部品310からピックアップさせることとなる。そのため、このような構成によれば、不良品の少ない部品からピックアップされるように、ピックアップ順序が変更されることとなる。これにより、制御部120は、次にピックアップする部品がないトレイ210が新たなトレイ210に交換されてしまう前に、不良品の少ない部品を先にピックアップさせることができるので、初期ピックアップ順序では利用することができなかった部品を基板200に実装させることができる。このように、部品実装装置100によれば、例えば、比較例に係る部品実装装置では利用できなかった第2部品314を利用できるため、トレイ210に配置された部品を従来よりも無駄なく利用することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る部品実装方法等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、制御部等の処理部の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。処理部の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、処理部の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、例えば、上記実施の形態では、制御部120は、部品が不良品である場合に、すぐにピックアップ順序を変更したが、制御部120がピックアップ順序を変更するタイミングは、これに限定されない。例えば、制御部120は、部品が不良品であると判定した場合であって、且つ、部品が不良品であると判定した当該部品を保持するトレイ210において、次に実装部105にピックアップさせる部品がない場合に、ピックアップ順序を変更してもよい。これにより、制御部120は、当該トレイ210にまだ利用可能な部品が保持されている場合に、その利用可能な部品を実装部105にピックアップさせて基板200に実装させることができる。
また、上記実施の形態では、トレイ210には、第1部品300と第2部品310との2品種の部品からなる部品セット320が複数保持されていたが、部品セット320に含まれる部品の品種の数は、特に限定されない。例えば、部品セットは、第1部品300と、第2部品310と、第1部品300及び第2部品310とは異なる品種の第3部品との3つの品種から構成されていてもよい。
また、例えば、部品セットが3つの品種の部品から構成される場合に、第1部品の不良により、制御部120がピックアップ順序を変更するとする(図4に示すステップS111)。また、例えば、初期ピックアップ順序が、第1部品→第2部品→第3部品→第1部品→第2部品→・・・と定められているとする。これらの場合には、制御部120は、例えば、図4に示すステップS111では、第2部品→第3部品→第1部品→第2部品→第3部品→・・・のように、不良と判定された第1部品が部品セットのうちで最後にピックアップされるように、ピックアップ順序を変更する。また、制御部120は、このようにピックアップ順序を変更した後に、さらに、第2部品の不良により、ピックアップ順序を変更するとする。この場合には、制御部120は、例えば、第3部品→第1部品→第2部品→第3部品→第1部品→・・・のように、不良と判定された第2部品が部品セットのうちで最後にピックアップされるように、ピックアップ順序を変更する。もちろん、制御部120は、例えば、第3部品→第2部品→第1部品→第3部品→第2部品→・・・のように、不良と判定された第2部品と、第2部品より前に不良と判定された第1部品とのいずれを部品セットのうちで最後にピックアップしてもよい。このように、制御部120は、例えば、不良と判定した品種の部品を部品セットのうちでより後半にピックアップするようにピックアップ順序を変更する。言い換えると、制御部120は、例えば、不良と判定していない品種の部品を部品セットのうちでより前半にピックアップするようにピックアップ順序を変更する。
もちろん、部品セットは、4つ以上の品種から構成されていてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。