JP2020122098A - 耐水性を有するホスフィン酸塩系難燃剤 - Google Patents

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雄介 河内
尚規 森本
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尚規 森本
矩子 後藤
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矩子 後藤
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Abstract

【課題】ハロゲン化合物を用いないノンハロゲンタイプの難燃剤であって、耐水性能、難燃性能に優れた難燃剤、難燃性樹脂組成物の提供。【解決手段】ホスフィン酸塩系難燃剤であって、該ホスフィン酸塩がアルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩であることを特徴とする耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ホスフィン酸系難燃剤であってその耐水性能が大幅に改善されたホスフィン酸の複合塩からなる難燃剤成分を含む難燃剤、ホスフィン酸の複合塩からなる難燃剤の製造方法及びその難燃剤を含む難燃性熱可塑性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物に関する。
さらに詳しくは、ホスフィン酸のアルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩を難燃剤として使用することによりホスフィン酸金属塩の耐水安定性が向上し、かつ該ホスフィン酸のアルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩を単独でもしくは他の難燃剤と組み合わせて難燃剤として使用した場合、難燃性、耐火性の著しい向上をもたらす難燃剤、その難燃剤の製造方法及びその難燃剤を含む難燃性熱可塑性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物に関する。
合成樹脂の難燃剤には、環境、安全面からの要請を受けて非ハロゲン系のリン系難燃剤が最近しばしば使用され、該リン系難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、赤リン、有機リン系金属塩、リン酸エステルおよびリン酸アミドなど数多くの難燃剤が公知である。
しかし、一般的にリン系難燃剤は耐水性能に難点があり、例えば、ポリリン酸アンモニウムは耐加水分解性に難があり、特許文献1では表面被覆されたポリリン酸アンモニウムが使用されているが、表面被覆されたポリリン酸アンモニウムであっても、高温・高湿条件下では十分加水分解を防ぐことは困難であり、その結果生成するポリリン酸により製品物性の劣化だけでなく、製品表面に、いわゆるブリードアウトと呼ばれる白化現象やベタツキを生じて、製品の品質を低下してしまうおそれがある。
また、特許文献2ではリン酸エステルを使用しているが、リン酸エステルの問題点である加水分解性とブリードアウトに対応する為、リン酸エステルの酸価と分子量を制限している。しかしながら、高温・高湿条件下において、リン酸エステル成分のブリードアウトを十分に防ぐことは困難であり、さらには、リン酸エステルは耐加水分解性を向上させるため、縮合型等に分子量を大きくする必要があり、それにより、リン酸エステル中のリン含有率が低下してしまう。その結果、一般的に難燃性能が低下するという問題を有している。
赤リンも非ハロゲン系のリン系難燃剤として有力な難燃剤であるが、空気中の水分と反応して微量ではあるがホスフィンガスを発生する問題や赤燐表面からのリンのオキソ酸が溶出するという問題がある。その対策として特許文献3等では赤燐粒子表面を無機系、有機系の被覆材で被覆処理することが提案されているが、未だ十分な成果を得るに至っていない。
特許第3221277号公報 特開2013−189736号公報 特開平10−152599号公報 特許第6151678号公報
一方、特許文献4に示すとおり、本発明者らは先に、ポリウレタン用の難燃剤としてホ
スフィン酸塩が優れた難燃性能を示すことを発見提案しており、そのホスフィン酸塩の中でモノアルキルホスフィン酸塩は耐加水分解性を示すことも見出した。しかし、有機基を有するホスフィン酸塩に比べ、ホスフィン酸アルミニウム等の無機のホスフィン酸塩は一般的には耐水性に難点があるとみなされてきた。
そこで、本発明者らは、長期間にわたり耐水性に優れた無機ホスフィン酸塩系難燃剤であって、更に、該無機ホスフィン酸塩系難燃剤を合成樹脂、塗料、シーラント、パテ、接着剤、粘着剤等に添加したとき、難燃性能が向上する無機ホスフィン酸塩系難燃剤を得るべく鋭意研究を行った。その結果、無機ホスフィン酸塩系難燃剤をアルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩とすることで上述の課題を解決できることを見いだし、また、該耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤の製造方法についても、ホスフィン酸アルカリ金属塩溶液に無機酸アルミニウムの溶液を反応させ、その後2価又は4価の金属元素の無機酸塩の溶液を反応させることにより、効率的に該耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を製造できることを見いだし、また、該耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を熱可塑性樹脂等の合成樹脂に配合することにより耐水性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物が得られることを見いだし、これらの知見に基づき本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように本発明の目的は、長期間にわたる耐水性に優れたホスフィン酸塩系難燃剤及びその製造方法の提供であり、更に、該耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、塗料、シーラント、パテ、接着剤、粘着剤等に添加することにより、難燃性能が向上した耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤配合樹脂組成物を提供することである。
本発明は下記の構成を有する。
(1)ホスフィン酸塩系難燃剤であって、該ホスフィン酸塩がアルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩であることを特徴とする耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
(2)前記複合塩における2価又は4価の金属元素が、Cu、Fe、Mn、Co、Ni、Ti、及びZrから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)に記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
(3)前記複合塩におけるアルミニウムと2価又は4価の金属元素とのモル比が、アルミニウム:2価又は4価の金属元素=95:5〜50:50であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
(4)耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤が、ホスフィン酸の複合塩100重量部に対し難燃助剤1〜200重量部をさらに含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
(5)前記難燃助剤がリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、フタル酸メラミン、メラミン、シアヌル酸メラミン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸化合物、錫酸化合物、炭酸化合物、銅酸化物,酸化鉄,フェロセン、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物、シリカ、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維、リン酸エステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の難燃助剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
(6)前記難燃助剤がシアヌル酸メラミン、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
(7)前記ホスフィン酸の複合塩がホスフィン酸のアルミニウムとチタン又はジルコニウムとの複合塩であり、前記難燃助剤がシアヌル酸メラミン又はポリリン酸メラミンであることを特徴とする(4)〜(6)のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
(8)(1)〜(3)のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤の製造方法であって、ホスフィン酸アルカリ金属塩溶液に無機酸アルミニウムの溶液を反応させ、その後2価又は4価の金属元素の無機酸塩の溶液を反応させ複合塩とすることを特徴とする耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤の製造方法。
(9)(1)〜(7)のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を熱可塑性樹脂に配合したことを特徴とする耐水性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(10)前記熱可塑性樹脂が、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、SEBS樹脂及びEPDM樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂であることを特徴とする(9)に記載の耐水性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(11)難燃性熱可塑性樹脂組成物の用途が、電線、建築部材、産業機器部材、電気製品、フィルム、トレイ、コンテナ、パレット、電子部品ハウジング、自動車部品、発泡体クッション、工業用ロール・パッキン・ベルト、塗料、防水材、塗料、接着剤、各種積層板であることを特徴とする(9)又は(10)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(12)難燃性熱可塑性樹脂組成物の用途が、被覆電線用、光ファイバー、産業機械用フィルム・シート、電機製品部品、自動車用ハーネス、電子電気部品ハウジングであることを特徴とする(11)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
本発明によれば、ハロゲン系難燃剤と同等以上の、著しく高度な難燃性能を有し、製品の着色性を阻害せず、高温・高湿条件下でも耐加水分解性と耐ブリードアウト性を兼ね備えた耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤及びその製造方法、さらには、該耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を配合することによりコスト増を抑制可能な難燃性熱可塑性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
さらに本発明は、非ハロゲン系のリン系難燃剤を使用する為、従来のハロゲン系難燃剤を用いた難燃性熱可塑性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物と比較し、環境への配慮がなされたものである。
本発明の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤で使用するホスフィン酸塩は、アルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩であり、2価又は4価の金属元素としてはCu、Fe、Mn、Co、Ni、Ti、及びZrから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。これらの2価又は4価の金属元素の中では、耐水性能、難燃性能の観点からみればTi及びZrの使用が好ましい。
アルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩における、アルミニウムと2価又は4価の金属元素との比率は、モル比で、アルミニウム:2価又は4価の金属元素=95:5〜50:50の範囲が好ましく、さらに好ましくは、アルミニウム:2価又は4価の金属元素=90:10〜60:40の範囲である。
本発明の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤は、難燃性を向上させるために、必要に応じ難燃助剤をホスフィン酸の複合塩100重量部に対し1〜200重量部含むことができる。それらの難燃助剤としては、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、フタル酸メラミン、メラミン、シアヌル酸メラミン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸化合物、錫酸化合物、炭酸化合物、銅酸化物,酸化鉄,フェロセン、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物及びシリカ、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維、リン酸エステルからなる群より選ばれる1種または2種以上を使用することができる。これらの難燃助剤の中ではシアヌル酸メラミン又はポリリン酸メラミンを好ましく使用することができる。
耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤におけるホスフィン酸の複合塩と難燃助剤との好適な組み合わせとして、ホスフィン酸の複合塩がホスフィン酸のアルミニウムとチタン又はジル
コニウムとの複合塩であり、前記難燃助剤がシアヌル酸メラミン又はポリリン酸メラミンの組合せを挙げることができる。
難燃助剤以外の添加材としては、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光アップ剤、加水分解防止剤、滑剤、着色剤(染料、顔料等)、架橋剤、消泡剤、分散剤、流動化剤、抗菌剤、防虫剤、帯電防止剤、相溶化剤等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合しても良い。
本発明の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤は耐水性に優れていることから、配合された熱可塑性樹脂が湿度の高い雰囲気下で使用された場合であっても、優れた難燃性能を発揮することができる。また、本発明の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤が配合される熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、SEBS樹脂及びEPDM樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂を挙げることができる。また、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂にも効果的に配合することができる。
本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物の用途としては、例えば電線(被覆電線、光ファイバー等)、建築部材(室内外用、断熱材、ケーブル、配管)、産業機器部材(フィルム・シート)、電気製品(エアコン、冷蔵庫、IC封止材、プリント配線基板等)、フィルム、トレイ、コンテナ、パレット、電子部品ハウジング(携帯電話他)、自動車部品(内外装品、電装部品)(吸気管、ラジエタータンク、冷却ファン他)、発泡体クッション、工業用ロール・パッキン・ベルト、塗料、防水材、塗料、接着剤、各種積層板を挙げることができ、特に、被覆電線用、光ファイバー、産業機械用フィルム・シート、電機製品部品、自動車用ハーネス、電子電気部品ハウジングの分野に適している。
次に、本発明の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤の製造方法について説明する。
(1)ホスフィン酸アルカリ金属塩溶液を作成する工程、
(2)該ホスフィン酸アルカリ金属塩溶液に無機酸アルミニウムの溶液を加熱反応させる工程、
(3)その後、2価又は4価の金属元素の無機酸塩の溶液を加熱反応させる工程、
(4)生成した複合塩の白色結晶を濾過分離し、さらに水洗した後乾燥する工程、
を採用することにより、本発明の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を効率よく製造することができる。
上記ホスフィン酸アルカリ金属塩としてはホスフィン酸ナトリウムを好適に使用でき、無機酸アルミニウムとしては硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウムなどが使用できるが、硫酸アルミニウムが好適に使用できる。上記(2)及び(3)の工程での加熱温度は50〜95℃の範囲が好適であり、加熱時間は20〜60分程度が好ましい。また、(4)の濾過工程は冷却後に行い、好ましくは40℃以下に冷却した後に行うことが好ましい。水洗は温水により複数回行い、その後の乾燥の温度は100℃を超える程度の温度で行うことが効率的である。
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例及び比較例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、実施例及び比較例における評価は次の方法により行った。
(1)溶解度の測定方法
ビーカーに25℃イオン交換水1000mlを入れ、全体を攪拌しながら試料を
0.1gずつ投入する。試料を添加した後30分攪拌して、溶け残りがあるとき試
験を終了。溶解度が0.01g/水100ml未満を合格とした。
(2)粒度分布の測定方法
マイクロトラックMT−3300を用いて測定。
(3)難燃性能の評価方法
試料作成
1)ポリエチレンペレット(DFDJ‐7500 日本NUC株式会社、LLDP
E)1000gに試作2を420gとメラミンシアヌレート180gをヘン
シェルミキサーにて混合し、二軸押し出し機で150℃にて混練しコンパウン
ド化を行い、ペレットを作成した。
出来上がったペレットを射出成型機にてプレートを作成し試料とした。
2)ポリエチレンペレットをポリカーボネート樹脂(ノバレックスM7027U、
三菱エンジニアリングプラスチック株式会社)に変更し、押し出し機の混練温
度を250℃に変更した以外は上記1)の作成例と同様にして、プレートを作
成し試料とした。
3)ポリエチレンペレットをTPUペレット(レザミンP−1078F、大日精化
工業株式会社)に変更し、押し出し機の混練温度を190℃に変更した以外は
上記1)の作成例と同様にして、プレートを作成し試料とした。
物性試験
燃焼試験;UL94 V法
上記試験方法でV−0〜V−2を満たすものを合格とした。
[複合塩の製造]
撹拌機、温度計を取り付けた500ml 3つ口フラスコに水100ml添加、続いて次亜リン酸ナトリウム・1水和物64g添加し撹拌しながら25℃で溶解させる。溶解確認後、水115gに溶解した硫酸アルミニウム・14.3水和物54gを添加、溶解を確認するまで撹拌を行った。溶解確認後、温浴にて80〜90℃に加熱。50℃以上になると白色結晶が析出。その状態で30分間加熱撹拌後、30%硫酸チタン溶液16g添加した。添加後80〜90℃にて30分加熱後、40℃以下に冷却し吸引ろ過を行った。次に30〜40℃の温水500mlを用い2回洗浄を行い、残留芒硝を取り除き、乾燥をおこない結晶を取り出し収率は91%であった。出来上がった結晶の平均粒子径は15μmであった(製造例2)。
同様の方法でモル比率を変更した製造例1,3〜15を作成した。
(溶解度試験)
製造例1〜15の溶解度を測定した結果を表1に示す。溶解度がホスフィン酸アルミニウムより小さい場合は〇、大きい場合は×とした。
Figure 2020122098
(難燃性能試験)
ポリエチレン、ポリカーボネート又はポリウレタン樹脂に対し、製造例2〜5、7、15のホスフィン酸アルミニウム複合塩及び製造例1のホスフィン酸アルミニウム塩と難燃助剤であるシアヌル酸メラミン又はポリリン酸メラミンを配合した試験片、難燃剤として水酸化マグネシウム或いはポリリン酸アンモニウム、赤燐を配合した試験片を作成し、それらの難燃性能を評価した。その結果を表2、表3、表4に示す。
(耐水性能試験)
ポリエチレン樹脂に対し上記と同様のホスフィン酸アルミニウム複合塩とホスフィン酸アルミニウム塩とカーボンブラックを0.5%添加、50×100×2mm大の試験片を作成する。試験片を80℃の温水中に24時間浸漬した後の色相変化(白化現象)を評価
した。
評価は白化現象が無い場合は〇、ある場合は×とした。

燃焼試験;UL94 V法
Figure 2020122098
Figure 2020122098
Figure 2020122098
本発明の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤は、複合塩とすることによりホスフィン酸アルミニウムの難燃性能を有するだけでなく、ホスフィン酸アルミニウムに比べ耐水性能も向上し、難燃性に優れている。そのため、難燃性が要求される熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹
脂に難燃剤成分として好適に配合することができ、得られた難燃性熱可塑性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物は、例えば、電線、建築部材、産業機器部材、電気製品、フィルム、トレイ、コンテナ、パレット、電子部品ハウジング、自動車部品、発泡体クッション、工業用ロール・パッキン・ベルト、塗料、防水材、塗料、接着剤、各種積層板等の用途に好適に使用することができる。また、本発明の製造方法によれば、耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を効率よく製造することができる。

Claims (12)

  1. ホスフィン酸塩系難燃剤であって、該ホスフィン酸塩がアルミニウムと2価又は4価の金属元素との複合塩であることを特徴とする耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
  2. 前記複合塩における2価又は4価の金属元素が、Cu、Fe、Mn、Co、Ni、Ti、及びZrから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
  3. 前記複合塩におけるアルミニウムと2価又は4価の金属元素とのモル比が、アルミニウム:2価又は4価の金属元素=95:5〜50:50であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
  4. 耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤が、ホスフィン酸の複合塩100重量部に対し難燃助剤1〜200重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
  5. 前記難燃助剤がリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、フタル酸メラミン、メラミン、シアヌル酸メラミン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸化合物、錫酸化合物、炭酸化合物、銅酸化物,酸化鉄,フェロセン、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物、シリカ、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維、リン酸エステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の難燃助剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
  6. 前記難燃助剤が、シアヌル酸メラミン、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
  7. 前記ホスフィン酸の複合塩がホスフィン酸のアルミニウムとチタン又はジルコニウムとの複合塩であり、前記難燃助剤がシアヌル酸メラミン又はポリリン酸メラミンであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤の製造方法であって、ホスフィン酸アルカリ金属塩溶液に無機酸アルミニウムの溶液を反応させ、その後2価又は4価の金属元素の無機酸塩の溶液を反応させ複合塩とすることを特徴とする耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の耐水性ホスフィン酸塩系難燃剤を熱可塑性樹脂に配合したことを特徴とする耐水性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  10. 前記熱可塑性樹脂が、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、SEBS樹脂及びEPDM樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の耐水性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  11. 難燃性熱可塑性樹脂組成物の用途が、電線、建築部材、産業機器部材、電気製品、フィルム、トレイ、コンテナ、パレット、電子部品ハウジング、自動車部品、発泡体クッション、工業用ロール・パッキン・ベルト、塗料、防水材、塗料、接着剤、各種積層板であることを特徴とする請求項9又は10に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  12. 難燃性熱可塑性樹脂組成物の用途が、被覆電線用、光ファイバー、産業機械用フィルム・シート、電機製品部品、自動車用ハーネス、電子電気部品ハウジングであることを特徴とする請求項11に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
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