JP2020121797A - 二重容器 - Google Patents
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Abstract
Description
このような二重容器では、外容器を径方向の内側に向けて押圧すると、吐出弁が開かれて吐出孔と容器本体内とが連通し、内容物が吐出孔から吐出される。そして、内容物の吐出に伴って内容器が減容変形すると、内容器と外容器との間が負圧になることにより、外気が吸気孔を通して内容器と外容器との間に導入される。
そして、例えば二重容器の廃棄時などには、キャップ本体を空気弁に対して相対的に移動させて空気弁を第2弁座部に当接させ、この状態で外容器を径方向の内側に向けて押圧すると、外容器と内容器との間に存在する空気は、吸気孔及び外気導入孔を通して外部に排出される。一方、外気導入孔及び吸気孔を通した外部から外容器と内容器との間への空気の流通が阻止されているため、外容器の押圧を解除した後であっても、外容器の減容変形状態が維持される。
このように、いったんキャップ本体を空気弁に対して相対的に移動させて空気弁を第2弁座部に当接させるだけで、外容器と内容器との間の空気を吸気孔及び外気導入孔を通して排出した後であっても、外容器の減容変形状態が維持されるので、例えば二重容器を廃棄する際において、減容変形の作業効率を向上させることができる。
また、空気弁を第1弁座部に当接させた状態で外容器と内容器との間の空間に外気を導入する場合と、空気弁を第2弁座部に当接させた状態で外容器と内容器との間の空間にある空気を外部に排出する場合と、で外気導入孔を共通の孔部として使用することが可能となる。
この場合では、空気弁を第1弁座部に当接させた状態で外容器を押圧して内容物を吐出させた後に外容器が十分に復元変形する前に蓋部材を閉じた場合であっても、例えば蓋部材とキャップ本体との間の隙間などの空気流入路を通して、外容器と内容器との間に外気が導入され、外容器を十分に復元変形させることができる。一方、空気弁を第2弁座部に当接させた状態で外容器と内容器との間の空間にある空気を外部に排出した状態で蓋部材を閉じた場合には、外気導入孔及び吸気孔を通した外部から外容器と内容器との間への空気の流通が阻止されているので、空気流通路を通して外容器と内容器との間へ外気が流入せず、外容器の減容変形状態を維持できる。
ここで、容器本体4及び吐出キャップ5は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oと称し、図1において容器軸Oに沿って容器本体4の底部から吐出キャップ5に向かう方向を上方、その逆方向を下方とする。また、容器軸Oから見た平面視で容器軸Oに直交する方向を径方向、容器軸O回りに周回する方向を周方向とする。さらに、径方向のうち図1における左側を前方、その逆方向を後方とする。
ブロー成形としては、例えば押出成形などによって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをブロー成形することで容器本体4を形成しても良い(押出ブロー成形)。また、射出成形などによって外容器用のプリフォーム、及び内容器用のプリフォームを形成し、これらを二重(内外)に組み合わせた後、二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
なお、外容器用のプリフォームを先に二軸延伸ブロー成形して外容器3を形成した後、内容器用のプリフォームを内部に配置し、その後、内容器用のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
外容器3の口部3Aは、上側に位置する円筒状の上筒部11と、上筒部11の下端に連設され、内径及び外径が上筒部11よりも拡径された円筒状の下筒部12と、を有する。上筒部11及び下筒部12は、容器軸Oと同軸に配設されている。
また、上筒部11の上端部は、外径が縮径された幅狭部11Dとなっている。
内容器2の口部2Aの上端部には、径方向外側に突出する平面視で円環状の折返部13が形成されており、この折返部13は、外容器3の口部3Aの上端開口縁を上方側から塞いでいる。これにより、内容器2は、少なくともこの折返部13において外容器3から剥離することが規制される。なお、内容器2は、この折返部13を含む吸気孔11Aよりも上側の部分において外容器3から剥離することが規制されていればよい。
天板部31の内容器軸Oに対して前方にずらした位置には、天板部31を上下方向に貫通する吐出孔31Aが形成されている。また、天板部31のうち吐出孔31Aの開口縁部には、円筒状の吐出筒部33が上方に向けて立設されている。吐出筒部33の内径及び外径は、上方に向かうにしたがって漸次拡径している。
また、天板部31のうち吐出孔31Aの開口縁部には、円筒状の規制筒部34が下方に向けて突設されている。規制筒部34は、容器本体4を口部4Aが下方を向く吐出姿勢にした状態で内容物を吐出させるときに後述する連絡空間S内に残留する残留空気が容器本体4を正立姿勢に戻したときに天板部31の下面を伝って吐出孔31Aに到着することを規制する。
また、天板部31のうち外気導入孔31Bよりも径方向内側には、径方向で間隔をあけて円筒状の第1及び第2垂下筒部35、36が下方に向けて突設されている。
上側部分37の内周面には、円筒状の弁座体41が嵌合されている。弁座体41は、容器軸Oと同軸に配設されている。弁座体41は、平面視で円環板状の環状弁座部(第2弁座部)42と、環状弁座部42の外周縁から上方に向けて延設された円筒状の内装筒部43と、を有する。これら環状弁座部42及び内装筒部43は、容器軸Oと同軸に配設されている。
環状弁座部42の上面には、空気弁24が当接可能となっているが、図1に示す状態において、環状弁座部42は、空気弁24から離間している。
下側部分38の下端部は、口部4Aの下筒部12の外周面に気密に外嵌されている。これにより、吸気孔11Aがキャップ本体21の外筒部32の下方から二重容器の外部と連通することが防止される。
ベース部51は、容器本体4の口部4Aの上端開口部上に位置する有頂円筒状の中央部54と、中央部54の下端から径方向外側に向けて延在する平面視で円環状の環状外周部55と、を有する。これら中央部54及び環状外周部55は、容器軸Oと同軸に配設されている。
環状外周部55には、円筒状の立上筒部56が上方に向けて立設されており、この立上筒部56は、中央部54の周壁部を径方向外側から囲んでいる。さらに、環状外周部55には、環状外周部55の外周縁から下方に向けて延在する円筒状の第1及び第2取付筒部57、58が延設されている。第1取付筒部57は、外容器3の上筒部11に対する嵌合部として機能しており、第1取付筒部57の外周面には、上下方向に延在する第3通気溝部57Aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。第2取付筒部58は、第1取付筒部57よりも径方向内側に配設されており、内容器2の口部2Aに対するシール部として機能している。第1及び第2取付筒部57、58は、外容器3の上筒部11の幅狭部11Dを径方向で挟み込んでいる。
区画筒部61は、中栓体22とキャップ本体21との間の空間を区画筒部61よりも径方向内側に位置して吐出孔31Aに連通する連絡空間Sと、区画筒部61よりも径方向外側に位置して外気導入孔31Bに連通する外側通路と、に区画する。区画筒部61の下端部は、中央部54の周壁部と立上筒部56との間に配設されており、区画筒部61の上端部は、天板部31の第1及び第2垂下筒部35、36間に配設されている。
天壁部71の内容器軸Oよりも前方にずらした位置には、下方に向けて突出する円筒状のシール筒部73が設けられている。シール筒部73は、吐出筒部33の内側に上方から挿入されている。
筒壁部72の後側部分の下端は、ヒンジ74を介してキャップ本体21の後側部分の上端に連結されている。また、筒壁部72の前側部分の上端部には、操作突片75が径方向外側に向けて突設されている。
まず、内容物を吐出させる場合には、蓋部材25の操作突片75を操作し、蓋部材25をヒンジ74回りに回動させて吐出孔31Aを開放させる。吐出孔31Aを開放させた後、例えば容器本体4を傾倒させたまたは上下反転させた吐出姿勢とした状態で、外容器3の上記胴部を径方向内側にスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器2は、外容器3と共に径方向内側に減容し、内容器2の内圧は、上昇する。ここで、容器本体4の傾倒または上下反転に伴って、弁体部53は、収容筒部52内を上方に移動する。弁体部53の上方への移動は、規制突部52Bによって規制される。
また、容器本体4のスクイズ変形の停止または解除により、外容器3が復元変形し始めるので、外容器3と内容器2との間には、負圧が生じる。この負圧によって、空気弁24の先端部は、天板部31の下面から離反し、外気導入孔31Bを開放させる。これにより、外気は、外気導入孔31B、第3通気溝部57A、第1及び第2通気溝部11C、38B並びに吸気孔11Aを通じて、外容器3と内容器2との間に流入する。その結果、外容器3が復元変形しても、内容器2を外容器3の内面から離間させ、内容器2を減容変形させたままの状態とする。
なお、弁体部53は、その自重だけではなく内容器2の復元力によって生じる内容器2内の負圧によっても、縮径部52Aに向けて下方移動して縮径部52Aに着座してもよい。
ここで、内容物を吐出させた後に外容器3が十分に復元変形する前に蓋部材25を閉じた場合であっても、例えば蓋部材25とキャップ本体21との間の隙間のような空気流通路を通して外容器3と内容器2との間の空間に外気が導入されるので、外容器3は、十分に復元変形される。
なお、内容物の正圧上昇を利用して、弁体部53を規制突部52B側へ上方移動させることも可能であるため、内容物を吐出させる際に必ずしも容器本体4を傾倒または上下反転させる必要はない。
また、外容器3と内容器2との間の空間に外気を導入する場合と外容器3と内容器2との間の空間にある空気を外部に排出する場合との双方で、外気導入孔31Bを共通の孔部として使用することが可能となる。
さらに、内容物を吐出させた後に外容器3が十分に復元変形する前に蓋部材25を閉じた場合であっても、蓋部材25とキャップ本体21との間の隙間を通して外容器3と内容器2との間の空間に外気が導入されるので、外容器3を十分に復元変形させることができる。そして、外容器3と内容器2との間の空間にある空気を排出した後に蓋部材25を閉じた場合には、外気導入孔31B及び吸気孔11Aを通した外部から外容器3と内容器2との間への空気の流通が遮断されているので、上述した隙間を通した外気の流入が阻止され、外容器3の減容変形状態を維持できる。
例えば、二重容器として、内容器が外容器の内面に剥離可能に積層された積層剥離型容器としたが、これに限定されるものではなく、内容器と外容器との間に隙間が確保された二重容器としても構わない。ただし、積層剥離型容器とした場合には、汎用性を高めることができるので好ましい。
キャップ本体は、容器本体に対して容器軸回りに回転移動することによって、空気弁を第1弁座部である天板部に当接させる位置と第2弁座部である環状弁座部に当接させる位置とを切り替えているが、容器本体に対して容器軸回りの回転移動を伴わずに容器本体、ひいては空気弁に対して上下動させるように構成するなど、他の態様で空気弁を第1弁座部である天板部に当接させる位置と第2弁座部である環状弁座部に当接させる位置とを切り替えてもよい。また、空気弁をキャップ本体に対して移動させることによって上記2つの位置を切り替えるように構成してもよい。
収容筒部及び弁体部によってサックバック効果を得ているが、収容筒部及び弁体部が設けられていなくてもよい。
吐出キャップは、キャップ本体にヒンジ接続された蓋部材を備えているが、キャップ本体に対して装着可能であれば、ヒンジ接続以外の他の方法によりキャップ本体に装着可能である蓋部材を備えていてもよい。また、吐出キャップは、蓋部材を備えていなくてもよい。
Claims (2)
- 内容物が収容されると共に前記内容物の減少に伴って減容変形する内容器、及び、前記内容器が内装される外容器を備える容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、かつ前記内容物の吐出孔が形成された吐出キャップと、を備え、
前記外容器には、前記内容器との間に外気を吸入する吸気孔が形成されている二重容器であって、
前記吐出キャップが、
外部と前記吸気孔とを連通可能な外気導入孔が形成されたキャップ本体と、
前記吐出孔と前記容器本体内との連通、遮断を切り替える吐出弁と、
前記キャップ本体の内側に配設され、前記外気導入孔を開閉する空気弁と、
を備え、
前記キャップ本体が、
前記空気弁が当接したときに、前記外気導入孔を通した外部から前記吸気孔側への空気の流通を許容する一方で前記外気導入孔を通した前記吸気孔側から外部への空気の流通を阻止する第1弁座部と、
前記空気弁が当接したときに、前記外気導入孔を通した外部から前記吸気孔側への空気の流通を阻止する一方で前記外気導入孔を通した前記吸気孔側から外部への空気の流通を許容する第2弁座部と、
を有し、
前記キャップ本体が、前記空気弁が前記第1弁座部及び前記第2弁座部のいずれか一方と当接するように切り替えるように前記空気弁に対して相対的に移動可能に配設されていることを特徴とする二重容器。 - 前記吐出キャップが、前記キャップ本体に着脱自在に装着され、前記吐出孔及び前記外気導入孔を開閉する蓋部材を備え、
前記蓋部材と前記キャップ本体との間には、空気流入路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の二重容器。
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