JP6531000B2 - 外容器を減容変形させた状態に維持できる二重容器 - Google Patents
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上記吐出キャップには、外部と、内容器と外容器との間と、を連通する外気導入孔が形成されると共に、吐出キャップの内側から外気導入孔を開放自在に閉塞する空気弁と、吐出孔と容器本体内との連通、遮断を切替える吐出弁と、が設けられている。
なお、天壁部に外気導入孔が形成されている場合であっても、外容器に形成された吸気孔を通して内容器と外容器との間に外気を適切に導入できるので、外容器に直接外気導入孔を形成した場合と同様の外気導入性能を確保できる。
以下、本発明に係る第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
ブロー成形としては、例えば押出成形等によって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをブロー成形することで容器本体4を形成しても良い(押出ブロー成形)。また、射出成形等によって外容器用のプリフォーム、及び内容器用のプリフォームを形成し、これらを二重(内外)に組み合わせた後、二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
なお、外容器用のプリフォームを先に二軸延伸ブロー成形して外容器3を形成した後、内容器用のプリフォームを内部に配置し、その後、内容器用のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
なお、容器本体4を構成する外容器3はスクイズ変形可能とされ、この外容器3のスクイズ変形に伴って内容器2は減容変形する。よって、外容器3のうち少なくとも胴部に位置する部分は、径方向内側(容器内側)に向けて弾性変形可能とされている。
内容器2の口部2aの上端部には、径方向外側に突出する環状の折り返し部2bが形成され、この折り返し部2bを利用して外容器3の口部3aの開口端を上方側から塞いでいる。そのため、外容器3の口部3aは、内容器2によって閉塞されている。外容器3の口部3aには、外容器3と内容器2との間に、後述する外気導入孔23を経由して外気を導入させる吸気孔6が形成されている。
中栓部10は、容器本体4の口部4aの上端開口部上に配置されたベース部11と、ベース部11を上下方向に貫通する収容筒部12と、収容筒部12内に収容された弁体部13と、を備えている。
なお、図示の例では、ベース部11及び収容筒部12は一体に形成されているが、別体に形成しても構わない。
内ベース部11bには、内容物を流通させる流通孔16が容器軸Oに対して径方向にずれた位置に形成されていると共に、上記収容筒部12が形成されている。
収容筒部12の内部は、残留した内容物を収容する収容空間とされ、上下に開口している。収容筒部12の下側部分には、下端部に向かうにしたがい漸次縮径する縮径部(弁座部)12aが形成されている。また、収容筒部12の上側部分における内面には、弁体部13の上方への抜けを規制する規制突起12bが径方向内側に向けて突出するように形成されている。
いずれにしても、弁体部13の上方への抜けを規制できれば、規制突起12bをどのように形成しても構わない。さらには、規制突起12bは必須なものではなく、具備しなくても構わない。この場合であっても、後述する吐出弁40を利用して弁体部13の上方への抜けを規制することが可能である。
この弁体部13は、内容物を吐出するにあたって容器本体4を例えば傾倒又は上下反転させたときに規制突起12b側に移動し、容器本体4を元の正立姿勢に戻したときに、自重又は内容器2の復元力によって生じる負圧によって縮径部12a側に移動する。これにより、ベース部11の上側に存在する残留内容物を収容筒部12の内部に引き込むことができ、いわゆるサックバック効果により液だれを回避することが可能とされている。
さらに、合成樹脂製の弁体部13とした場合には、金属製にした場合に比べて質量や内容物に対する比重を軽くすることができるので、例えば二重容器1を、吐出孔26を下方に向けた吐出姿勢にした状態で、容器本体4の外容器3に対する径方向内側に向けてのスクイズ変形を解除したときに、弁体部13を規制突起12bから速やかに離反させて縮径部12aの内周面上に着座させ易くなる。従って、弁体部13を利用して、外気が収容筒部12内を通して内容器2内に進入することを抑制することができる。
このキャップ本体20によって、吐出キャップ5は容器本体4の口部4aに離脱自在に装着されている。なお、キャップ本体20は、容器本体4の口部4aに対して螺着される場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合されていても構わない。
図示の例では、外気導入孔23は周方向に沿って延びる平面視円弧状に形成されている。但し、この場合に限定されるものではなく、例えば外気導入孔23を周方向に間隔をあけて複数形成しても良い。
垂下筒部24は、天壁部22のうち外気導入孔23よりも径方向内側に位置する部分から下方に向けて突出するように形成されている。吐出筒部25は、容器軸Oに対して径方向にずれた位置に形成されていると共に、天壁部22を上下に貫くように形成されている。この吐出筒部25は、流通孔16を通して内容器2の内部に連通可能とされ、その内周面は下側から上側に向かうにしたがい漸次拡径している。そして、吐出筒部25の上端部が内容物を吐出する吐出孔26とされている。
なお、弁本体41は収容筒部12の上部開口を完全に閉塞していない。そのため、収容筒部12の内部は常時上方に向けて開放されている。
なお、外気導入孔23を通じて外部から流入した外気は、図2に示す矢印のように、外容器3に形成された吸気孔6を通じて内容器2と外容器3との間に流入する。
また、吐出弁40と外気導入弁50とを一体に形成したが、これらを別部材としても構わない。
なお、本実施形態では、押下部60を押下げ操作することで、押下突起62を利用して外気導入弁50を開放(開弁)させる。
レバー片61と垂下筒部24との接続部分には、例えばレバー片61の他の部分よりも薄肉に形成された折曲部63が形成されている。これにより、押下部60は、折曲部63を介してキャップ本体20に連結されている。
なお、基端部62aと外気導入孔23の周縁部23aとは、必ずしも弱化部を介して連結されている必要はなく、例えば基端部62aを外気導入孔23の周縁部23aに対して強く嵌合させても構わない。
また、基端部62aの外周面には、径方向外側に向けて突出した係止凸部(係止部)64が形成されている。この係止凸部64は、押下突起62を利用して弁体52を下方に向けて強制的に押下した際に、外気導入孔23の周縁部(被係止部)23aに対して係止する。これにより、押下部60の全体を押下げた状態に維持することが可能とされている。
頂壁部32には、下方に向けて突出したシール筒部33が形成されている。このシール筒部33は、吐出筒部25内に上方から挿入されていると共に、下端部が吐出筒部25の内側に着脱自在に嵌合されている。これにより、シール筒部33は吐出孔26を通じた内容物の吐出を規制している。
なお、周壁部31には、容器軸Oを挟んでヒンジ部34とは反対側に位置する部分から径方向外側に突出するように操作突片35が形成されている。これにより、操作突片35を利用して、蓋部30の回動操作を容易に行うことが可能とされている。
このように構成された二重容器1を使用する場合について説明する。
内容物を吐出する場合には、まず図1に示す吐出キャップ5の蓋部30をヒンジ部34回りに回動させて、図2に示すように吐出孔26を開放させた後、例えば容器本体4を傾倒又は上下反転させながら容器本体4の外容器3を径方向内側にスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器2が外容器3と共に径方向内側に変形して減容するので、内容器2の内圧が上昇する。
その結果、外容器3が復元変形したとしても、内容器2を外容器3の内面から離間させ、減容変形させたままの状態にしておくことができる。
そして、弁体部13の移動に伴うサックバック効果によって、吐出筒部25と内ベース部11bとの間に内容物が残留したとしても、その残留した内容物を収容筒部12内に引き込むことができる。従って、残留内容物が吐出孔26を通じて外部に漏れ難く、液だれを防止することができる。
そこで、二重容器1の廃棄を行う場合には、図6及び図7に示すように、折曲部63を折り曲げるように該折曲部63を中心に押下部60のレバー片61を押下げ操作して、外気導入孔23を通して外気導入弁50の弁体52を押下突起62で押下する。これにより、弁体52の一部を強制的に押下げて開放(開弁)させることができ、外気導入孔23を開放させることができる。
従って、外容器3を径方向内側に向けて押圧することで、内容器2と外容器3との間の空気を吸気孔6及び外気導入孔23を通じて外部に排出できるので、外容器3を容易に減容変形させることができる。また、外容器3を減容変形させた状態で、吐出キャップ5の蓋部30を閉めることで、外容器3を減容変形させたままの状態に維持することができる。これにより、外容器3を含む容器本体4の全体を潰した状態に維持することができ、二重容器1をかさ張ることなく廃棄することができる。従って、例えば処理コストの削減や廃棄作業における作業効率の向上化に繋げることができる。
次に、本発明に係る二重容器の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
押下部71は、外気導入孔23に対応するように周方向に延びた平面視円弧状のレバー片72と、レバー片72から下方に向けて延び、外気導入孔23を通じて外気導入弁50を押下する押下突起73と、を備えている。
レバー片72は、外気導入孔23の上方に配置されるように、周方向の両端部が薄肉に形成された折曲部74を介してキャップ本体20における天壁部22の中央部分22bに一体に連結されている。これにより、レバー片72は2箇所の折曲部74を中心に押下操作可能とされている。
このようにレバー片72に凸条部72aが形成されているので、例えば指先でレバー片72を押下げ操作する際に、凸条部72aに対して指先を最初に接触させ易い。そのため、レバー片72だけを適切に押下げ操作し易い。
上記角部75は、折曲部74を中心にレバー片72を押下げ操作した際に、天壁部22における中央部分22bの下側角部(被係止部)76に対して係止する。これにより、図10に示すように、押下部71の全体を押下げた状態に維持することが可能とされている。
但し、上記実施形態のように、外気導入孔、外気導入弁及び押下部をキャップ本体の天壁部に設けた場合には、誤って押下部に触れてしまうことを防止し易いので好ましい。
なお、天壁部に外気導入孔を形成した場合であっても、外容器に形成した吸気孔を通して内容器と外容器との間に外気を適切に導入できるので、外容器に直接外気導入孔を形成した場合と同様の外気導入性能を確保することができる。
例えば、折曲部を中心に開放部材を折曲操作することで、弁体の一部を破断或いは穿刺することで、外気導入弁を開放させても構わない。
2…内容器
3…外容器
4…容器本体
4a…容器本体の口部
5…吐出キャップ
6…吸気孔
20…キャップ本体
22…天壁部
23…外気導入孔
23a…外気導入孔の周縁部(被係止部)
26…吐出孔
40…吐出弁
50…外気導入弁(空気弁)
60、71…押下部(開放部材)
62、73…押下突起
63、74…折曲部
64…係止凸部(係止部)
75…角部(係止部)
76…下側角部(被係止部)
Claims (3)
- 内容物が収容されると共に該内容物の減少に伴い減容変形する内容器、及び該内容器が内装される外容器を備える容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、且つ前記内容物の吐出孔が形成されたキャップ本体を有する吐出キャップと、を備え、
前記吐出キャップは、前記吐出孔と前記容器本体内との連通、遮断を切替える吐出弁を備え、
前記外容器及び前記キャップ本体のうちのいずれか一方の部材には、外部と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する外気導入孔が形成されていると共に、前記一方の部材の内側から前記外気導入孔を開放自在に閉塞する空気弁が配設され、
前記一方の部材には、折曲部を介して連結され、前記一方の部材の外側から前記外気導入孔を通して前記空気弁を開放させる開放部材が設けられ、
前記開放部材には、前記空気弁の開放時に、前記一方の部材に形成された被係止部に対して係止する係止部が設けられていることを特徴とする二重容器。 - 請求項1に記載の二重容器において、
前記開放部材は、前記外気導入孔を通して前記空気弁を押下する押下突起を備えていることを特徴とする二重容器。 - 請求項1又は2に記載の二重容器において、
前記キャップ本体は、前記吐出孔が形成された天壁部を有する有頂筒状に形成され、
前記外気導入孔及び前記開放部材は、前記天壁部に形成され、
前記外容器には、前記外気導入孔と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する吸気孔が形成されていることを特徴とする二重容器。
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