JP2020117668A - 新規エマルション - Google Patents

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Abstract

【課題】新規なエマルションを提供する。【解決手段】芳香族基を複数有する反応性乳化剤(A)及びヒンダードアミン系モノマーを少なくとも重合成分とする(メタ)アクリル系ポリマーのエマルション。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なエマルション等に関する。
建築物の内装用塗料や外装用塗料(トップコート、上塗り塗料)は、環境配慮の観点から、溶剤系塗料から水性塗料に移行しつつある。
このような水系塗料として、例えば、乳化重合によって得られるエマルションの使用が検討されている。
例えば、特許文献1には、特定の反応性界面活性剤と多官能性化合物を含む界面活性剤組成物を乳化重合用乳化剤として使用して得られるエマルションを、塗料などに使用することが開示されている。
特開2015−13921号公報
本発明の目的は、新規なエマルションを提供することにある。
本発明の他の目的は、耐汚染性に優れた塗膜を効率よく形成しうるエマルションを提供することにある。
本発明の他の目的は、耐候性に優れた塗膜を効率よく形成しうるエマルションを提供することにある。
本発明者の検討によれば、従来の塗料で形成された塗膜は、屋外に暴露されると大気中の汚染物質(例えば、車や工場からの排出ガスに含まれる有機物質、埃、砂など)によって汚染されやすい場合があり、このような塗膜を有する建物は、前記汚染によって外観が悪化するなどの問題を生じうることがわかった。
このような中、本発明者は、耐汚染性に優れた塗膜を得るべく鋭意研究を重ねた結果、エマルションの重合成分を、芳香族基を複数有する反応性乳化剤(A)及びヒンダードアミン系モノマーを少なくとも含む重合成分で構成することにより、耐汚染性に優れた塗膜を形成しうることなどを見出した。
また、本発明者は、このようなエマルションが、芳香族基を複数有する重合成分を使用していながら、意外にも、耐候性に優れた塗膜を形成しうることなども見出した。
本発明者は、上記以外にも種々の新知見を得て、さらに鋭意検討を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明等に関する。
[1]
芳香族基を複数有する反応性乳化剤(A)及びヒンダードアミン系モノマーを少なくとも重合成分とする(メタ)アクリル系ポリマーのエマルション。
[2]
反応性乳化剤(A)が下記式(1)で表される反応性乳化剤を含む[1]に記載のエマルション。
(式中、Dは下記式(D−1)又は(D−2)を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Tは水素原子又は−SOM(Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH)を示し、lは1〜2を示し、mは1〜3を示し、nは1〜1000を示す。)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
[3]
ヒンダードアミン系モノマーが下記式(2)で表される化合物を含む[1]又は[2]に記載のエマルション。
(式中、R及びRは水素原子又はアルキル基、R、R、R及びRはアルキル基、Xは酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)、Y及びZは水素原子又は置換基を示す。)
[4]
重合成分が、さらに、脂環族基を有する単量体及び反応性乳化剤(A)以外の芳香族基を有する単量体から選択される1種以上の単量体を含む[1]〜[3]のいずれかに記載のエマルション。
[5]
重合成分が、シクロヘキシルメタクリレート及びスチレンから選択される1種以上の単量体を含む[1]〜[4]のいずれかに記載のエマルション。
[6]
反応性乳化剤(A)の割合が、重合成分全体に対して0.1〜10質量%である[1]〜[5]のいずれかに記載のエマルション。
[7]
ヒンダードアミン系モノマーの割合が、重合成分全体に対して0.1〜10質量%である[1]〜[6]のいずれかに記載のエマルション。
[8]
反応性乳化剤(A)以外の乳化剤の割合が、重合成分全体に対して5質量%以下である[1]〜[7]のいずれかに記載のエマルション。
[9]
(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度が−40〜80℃である[1]〜[8]のいずれかに記載のエマルション。
なお、上記エマルションは、シランカップリング剤を含んでいてもよい。また、シランカップリング剤は、上記エマルションの重合成分に含まれていてもよい。このようなシランカップリング剤としては、重合性不飽和結合基を有するシランカップリング剤であってもよい。
[10]
[1]〜[9]のいずれかに記載のエマルションを含む塗料。
[11]
[10]に記載の塗料で形成された塗膜。
[12]
[11]に記載の塗膜を有する建築物。
[13]
[11]に記載の塗膜を有する建材。
本発明では、新規なエマルションを提供できる。このようなエマルションは、塗料用などとして有用である。
本発明では、耐汚染性に優れた塗膜を効率よく形成しうるエマルションを提供しうる。
また、本発明では、耐候性に優れた塗膜を効率よく形成しうるエマルションを提供しうる。
<エマルション>
本発明のエマルションは、芳香族基を複数有する反応性乳化剤(A)及びヒンダードアミン系モノマーを少なくとも重合成分(又は単量体成分)とする(メタ)アクリル系ポリマー(以下、(メタ)アクリル系ポリマー(a)ということがある)のエマルションである。なお、(メタ)アクリル系ポリマー(重合体)を構成する単量体(モノマー)由来の構造単位を重合成分といってもよい。
本発明では、(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重合成分が反応性乳化剤(A)を含む(特に、ヒンダードアミン系モノマーと組み合わせて含む)ことにより、効率よく塗膜の耐汚染性を向上又は改善しうる。
また、本発明では、(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重合成分が反応性乳化剤(A)を含む(特に、ヒンダードアミン系モノマーと組み合わせて含む)ことにより、効率よく塗膜の耐候性を向上又は改善しうる。
本発明のエマルションは、通常、エマルション状態にある(メタ)アクリル系ポリマー(又はポリマー粒子)が溶媒中に分散したものである。
(反応性乳化剤(A))
反応性乳化剤(又は反応性界面活性剤)(A)は、通常、反応性基(又は重合性基)を有する。
反応性基としては、重合性不飽和結合基(特に、炭素―炭素二重結合)が好ましい。
反応性乳化剤(A)において、芳香族基としては、特に限定されず、例えば、フェニル基、ナフチル基などのC6−20芳香族炭化水素基などが挙げられる。
また、芳香族基の数は、2以上であればよく、例えば、2〜10個、2〜8個、2〜6個、2〜4個などであってもよい。
反応性乳化剤(A)は、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤などであってよく、エマルション粒子の分散性などの観点から、中でもアニオン性乳化剤が好ましい。
アニオン性乳化剤としては、例えば、スルホン酸塩化合物、硫酸塩化合物などが挙げられる。
反応性乳化剤(A)としては、例えば、下記式(1)で表される反応性乳化剤が好ましい。
(式中、Dは下記式(D−1)又は(D−2)を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Tは水素原子又は−SOM(Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH)を示し、lは1〜2を示し、mは1〜3を示し、nは1〜1000を示す。)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
反応性乳化剤(A)としては、特に、下記式(1−1)で表される反応性乳化剤が好ましい。
(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNHを示し、mは1〜3を示し、nは1〜1000を示す。)
上記式(1)及び(1−1)のMにおいて、アルカリ金属原子としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが好ましい。
また、アルカリ土類金属原子としては、例えば、マグネシウム、カルシウムなどが好ましい。
反応性乳化剤(A)としては、市販品を使用してもよく、例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンAR−10、アクアロンAR−1025、アクアロンAR−20、アクアロンAR−2020などが挙げられる。
反応性乳化剤(A)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分において、反応性乳化剤(A)の割合は、他のモノマーの種類にもよるが、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、例えば、重合成分全体(又は単量体成分全体)の0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.3質量%以上(例えば、1.5質量%以上、2質量%以上など)であってもよい。
重合成分において、反応性乳化剤(A)の割合は、例えば、重合成分全体の20質量%以下、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であってもよい。
なお、これらの上限値と下限値とを適宜組み合わせて適当な範囲(例えば、0.1〜10質量%、1.5〜10質量%など)を設定してもよい(他も同じ)。
重合成分において、反応性乳化剤(A)の割合は、他のモノマーの種類にもよるが、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、例えば、重合成分全体の0.01モル%以上、好ましくは0.05モル%以上、さらに好ましくは0.1モル%以上、特に好ましくは0.13モル%以上(例えば、0.15モル%以上、0.2モル%以上など)であってもよい。
重合成分において、反応性乳化剤(A)の割合は、例えば、重合成分全体の20モル%以下、好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下であってもよい。
なお、これらの上限値と下限値とを適宜組み合わせて適当な範囲(例えば、0.1〜10モル%、0.15〜10モル%など)を設定してもよい(他も同じ)。
(ヒンダードアミン系モノマー)
ヒンダードアミン系モノマーとしては、例えば、ピペラジン骨格(特に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格)を有する重合性化合物(ピペラジン骨格及び重合性基を有する化合物)が挙げられる。
ヒンダードアミン系モノマーにおいて、重合性基としては、特に限定されず、例えば、アルケニル基(ビニル基、アリル基など)、アルケニルカルボニル基[例えば、(メタ)アクリロイル基、クロトノイル基など]などが挙げられる。
なお、ヒンダードアミン系モノマーの重合性基の数は、1以上であればよく、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1であってもよい。好ましいヒンダードアミン系モノマーは、単官能性モノマー(重合性基を1つ有する化合物)である。そのため、ヒンダードアミン系モノマーは、少なくとも単官能性モノマーで構成してもよい。
代表的なヒンダードアミン系モノマーには、下記式(2)で表される化合物などが含まれる。
(式中、R及びRは水素原子又はアルキル基、R、R、R及びRはアルキル基、Xは酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)、Y及びZは水素原子又は置換基を示す。)
〜Rにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−10アルキル基、さらに好ましくはC1−4アルキル基、特にメチル基などが挙げられる。
代表的なR及びRは水素原子又はメチル基であり、特にRが水素原子、Rが水素原子又はメチル基であるのが好ましい。また、代表的なR〜Rはメチル基である。
Y及びZにおける置換基としては、炭化水素基[例えば、アルキル基{例えば、メチル基などの前記例示のアルキル基(例えば、C1−20アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基)}]、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基などのC1−20アルコキシ基、好ましくはC1−10アルコキシ基、さらに好ましくはC1−4アルコキシ基、特にメトキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−10アシル基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ヒドロキシル基、重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基、クロトノイル基)などが挙げられる。
代表的なYとしては、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基などのC1−4アルキル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基などのC1−4アルコキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−4アシル基)、(メタ)アクリルロイル基、クロトノイル基などが挙げられ、特に、水素原子又はメチル基が好ましい。
また、代表的なZとしては、水素原子又はシアノ基が挙げられ、特に水素原子が好ましい。
具体的なヒンダードアミン系モノマーとしては、例えば、
4−(メタ)アクリルロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、置換基を有する4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン{例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−アルキルピペリジン[例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどの4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−C1−4アルキル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン]、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−アルコキシピペリジン[例えば、4−(メタ)アクリロイル−1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−C1−4アルコキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン]などのN−置換(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの4−置換−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど}などの4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類;
4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類;
4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、置換基を有する4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン{例えば、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−アルキルピペリジン[例えば、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどの4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−C1−4アルキルピペリジン]などのN−置換(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの4−置換−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど}などの4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類;
4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類;
1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類;
1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類;
などが挙げられる。
これらの中でも、特に、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類[例えば、4−(メタ)アクリルロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−アルキルピペリジンなど]が好ましい。
ヒンダードアミン系モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分において、ヒンダードアミン系モノマーの割合は、他のモノマーの種類にもよるが、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、例えば、重合成分全体の0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上(例えば、0.5質量%以上、1質量%以上など)であってもよい。
重合成分において、ヒンダードアミン系モノマーの割合は、例えば、重合成分全体の30質量%以下、好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下(例えば、8質量%以下、5質量%以下など)であってもよい。
なお、これらの上限値と下限値とを適宜組み合わせて適当な範囲(例えば、0.1〜10質量%、0.5〜10質量%など)を設定してもよい(他も同じ)。
重合成分において、ヒンダードアミン系モノマーの割合は、他のモノマーの種類にもよるが、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、例えば、重合成分全体の0.01モル%以上、好ましくは0.05モル%以上、さらに好ましくは0.1モル%以上(例えば、0.5モル%以上、1モル%以上など)であってもよい。
重合成分において、ヒンダードアミン系モノマーの割合は、例えば、重合成分全体の30モル%以下、好ましくは25モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下(例えば、8モル%以下、5モル%以下など)であってもよい。
なお、これらの上限値と下限値とを適宜組み合わせて適当な範囲(例えば、0.1〜10モル%、0.5〜10モル%など)を設定してもよい(他も同じ)。
反応性乳化剤(A):ヒンダードアミン系モノマーの質量比は、他のモノマーの種類にもよるが、耐汚染性および耐候性などの観点から、例えば、1:99〜99:1であり、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:20であってもよい。このような範囲は、特に、重合成分全体に対する反応性乳化剤(A)が2質量%以上の場合に好ましい。
(他の単量体)
(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重合成分は、反応性乳化剤(A)及びヒンダードアミン系モノマー以外の他の単量体を含んでいてもよい。
他の単量体としては、特に限定されないが、代表的な他の単量体としては、脂肪族(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂肪族(メタ)アクリレートとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−20アルキル(メタ)アクリレート]、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのC1−12アルコキシC1−12アルキル(メタ)アクリレートなど)]などが挙げられる。
脂肪族(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの脂肪族(メタ)アクリレートの中でも、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのC1−12アルキル(メタ)アクリレート(例えば、C1−8アルキル(メタ)アクリレート)が好ましく、特に、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
重合成分において、脂肪族(メタ)アクリレートの割合は、他のモノマーの種類にもよるが、重合成分全体における脂肪族(メタ)アクリレートの割合は、例えば、10〜90質量%、好ましくは20〜90質量%、さらに好ましくは25〜80質量%、特に好ましくは30〜80質量%程度であってもよい。
脂肪族(メタ)アクリレート以外の他の単量体としては、例えば、脂環族系単量体(脂環族基を有する単量体)、水酸基含有(メタ)アクリレート、反応性乳化剤(A)以外の芳香族系単量体(芳香族基を有する単量体)、酸基含有単量体(又はアニオン性基含有単量体)、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体、紫外線吸収性単量体、架橋性単量体(架橋性モノマー)などが挙げられる。
(脂環族系単量体)
脂環族系単量体としては、脂環構造(例えば、C4−20シクロアルキル基、好ましくはC4−10シクロアルキル基)を有する単量体が挙げられる。
具体的な脂環族系単量体としては、例えば、脂環式(メタ)アクリレート[例えば、シクロアルキル(メタ)アクリレート(例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのC4−20シクロアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはC4−10シクロアルキル(メタ)アクリレート)、シクロアルキルアルキル(メタ)アクリレート(例えば、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのC4−10シクロアルキルC1−4アルキル(メタ)アクリレート)、架橋環式(メタ)アクリレート(例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなど)]などが挙げられる。
脂環族系単量体の中でも、C4−20シクロアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、C4−10シクロアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
脂環族系単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分が脂環族系単量体を含有する場合、重合成分全体における脂環族系単量体の割合は、例えば、5〜80質量%、好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは15〜65質量%、特に好ましくは20〜60質量%程度であってもよい。
また、重合成分が脂肪族(メタ)アクリレート及び脂環族系単量体を含有する場合、これらの割合は、脂肪族(メタ)アクリレート/脂環族系単量体(質量比)=95/5〜5/95(例えば、90/10〜10/90)、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは80/20〜40/60程度であってもよい。
(水酸基含有(メタ)アクリレート)
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート、好ましくはヒドロキシC2−6アルキル(メタ)アクリレート、さらに好ましくはヒドロキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど]、3以上のヒドロキシ基を有するポリオールの(メタ)アクリレート[例えば、グリセリンモノ(メタ)アクリレートなどのトリ乃至ヘキサヒドロキシC3−10ポリオールの(メタ)アクリレート]などが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
水酸基含有(メタ)アクリレートの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
重合成分が水酸基含有(メタ)アクリレートを含有する場合、重合成分全体における水酸基含有(メタ)アクリレートの割合は、例えば、0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜8質量%、特に好ましくは1〜5質量%程度であってもよい。
また、重合成分が脂肪族(メタ)アクリレート及び/又は脂環族系単量体、並びに水酸基含有(メタ)アクリレートを含有する場合、水酸基含有(メタ)アクリレートの割合は、脂肪族(メタ)アクリレート及び/又は脂環族系単量体100質量部に対して、例えば、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部、特に好ましくは1〜8質量部程度であってもよい。
(芳香族系単量体)
反応性乳化剤(A)以外の芳香族系単量体としては、例えば、スチレン系モノマー[例えば、スチレン、α−アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチレンなどのα−C1−4アルキルスチレン)、アルキルスチレン(例えば、ビニルトルエンなどのC1−4アルキルスチレン)、ハロスチレン(例えば、クロロスチレンなど)など]、芳香族(メタ)アクリレート[例えば、アリール(メタ)アクリレート(例えば、フェニル(メタ)アクリレートなどのC6−10アリール(メタ)アクリレート)、アラルキル(メタ)アクリレート(例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレートなどのC6−10アリールC1−4アルキル(メタ)アクリレート)、アリールオキシアルキルメタクリレート(例えば、フェノキシエチルメタクリレートなどのC6−10アリールオキシC1−4アルキルメタクリレート)など]などが挙げられる。
芳香族系単量体の中でも、スチレン系モノマーが好ましい。
芳香族系単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分が芳香族系単量体を含有する場合、重合成分全体における芳香族系単量体の割合は、例えば、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜40質量%、さらに好ましくは1〜35質量%(例えば、10〜35質量%など)程度であってもよい。
(酸基含有単量体)
酸基含有単量体(アニオン性基含有単量体)としては、例えば、カルボン酸基含有単量体[例えば、不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸)、不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸)など]、スルホン酸基含有単量体[例えば、スチレン系単量体(例えば、スチレンスルホン酸など)など]などが挙げられる。
なお、酸基含有単量体は、アニオン化されていても(又は塩を形成していても)よい。
酸基含有単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分が酸基含有単量体を含有する場合、重合成分全体における酸基含有単量体の割合は、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは0.02〜5質量%、さらに好ましくは0.05〜3質量%程度であってもよい。
(フッ素原子含有単量体)
フッ素原子含有単量体としては、例えば、フッ素原子含有アクリル系単量体[例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレート(例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどのフルオロC1−10アルキル(メタ)アクリレート、好ましくはフルオロC2−6アルキル(メタ)アクリレートなど)など]などが挙げられる。
フッ素原子含有単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分がフッ素原子含有単量体を含有する場合、重合成分全体におけるフッ素原子含有単量体の割合は、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは0.02〜5質量%、さらに好ましくは0.03〜3質量%程度であってもよい。
(窒素原子含有単量体)
窒素原子含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド系化合物{例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド[例えば、N−アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジC1−4アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど)など]など}、窒素原子含有(メタ)アクリレート化合物{例えば、N−置換アミノアルキル(メタ)アクリレート[例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのN,N−ジC1−4アルキルアミノC2−4アルキル(メタ)アクリレート]など}などが挙げられる。
窒素原子含有単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分が窒素原子含有単量体を含有する場合、重合成分全体における窒素原子含有単量体の割合は、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは0.02〜5質量%、さらに好ましくは0.03〜3質量%程度であってもよい。
(紫外線吸収性単量体)
紫外線吸収性単量体(紫外線吸収性基を有する単量体)としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体、ベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体としては、重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基)を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、例えば、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル〕−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキ シ−5’−(メタ)アクリロイルアミノメチル−5’−tert−オクチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチル−3’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3’−tert−ブチルフェニル〕−4−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体としては、重合性基(例えば、(メタ)アクリロイル基)を有するベンゾフェノン系紫外線吸収剤、例えば、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−〔2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ〕プロポキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−4−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕ブトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
紫外線吸収性単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分が紫外線吸収性単量体を含有する場合、重合成分全体における紫外線吸収性単量体の割合は、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは0.02〜5質量%、さらに好ましくは0.03〜3質量%程度であってもよい。
(架橋性モノマー)
架橋性モノマーにおいて、架橋は、例えば、重合による架橋であってもよいし、化学反応(例えば、イソシアネートとの反応、エポキシとの反応、加水分解シリル化反応、ヒドラジンとの反応、アジリジンとの反応など)による架橋であってもよい。
なお、架橋性モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマー(a)を架橋しうるが、このような架橋の態様としては、特に限定されず、架橋性モノマーの種類等に応じて適宜選択でき、分子内架橋、分子間架橋のいずれであってもよく、これらの両方の態様で架橋していてもよい。
重合による架橋性モノマーとしては、例えば、2個以上の重合性二重結合を持つ化合物が挙げられる。
2個以上の重合性二重結合を有する化合物としては、例えば、ジオールのジ(メタ)アクリレート{例えば、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート[例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートなどのC2−10アルカンジオールジ(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、アルキレンオキシド変性アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[例えば、エチレンオキシド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート]、芳香族ジオール又はそのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート[例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート]など}、3以上のヒドロキシ基を有するポリオールのポリ(メタ)アクリレート{例えば、ペンタエリスリトールジ乃至テトラ(メタ)アクリレート[例えば、ペンタエリスリトールモノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど]、ジペンタエリスリトールジ乃至ヘキサ(メタ)アクリレート[例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタ(メタ)アクリレートなど]、トリメチロールプロパンジ乃至トリ(メタ)アクリレート[例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど]、ジトリメチロールプロパンジ乃至テトラ(メタ)アクリレート[例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなど]、グリセリンジ乃至トリ(メタ)アクリレート[例えば、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレートなど]などのC3−10ポリオールのポリ(メタ)アクリレート}、など}などのポリメタクリレート;不飽和炭化水素[例えば、アルカジエン(例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのC4−10アルカジエンなど)など];芳香族炭化水素(例えば、ジビニルベンゼンなど)など];ジカルボン酸ジアリル(例えば、フタル酸ジアリルなど)、トリアリルイソシアヌレートなどの複数のアリル基を有する化合物;などが挙げられる。
化学反応による架橋性モノマーとしては、例えば、エポキシ基含有単量体、カルボニル基含有単量体、アジリジニル基含有単量体、イソシアナト基含有単量体などが挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、例えば、エポキシ基含有(メタ)アクリレート[例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレートなどのグリシジルオキシC2−4アルキル(メタ)アクリレート)など]、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
これらのエポキシ基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カルボニル基含有単量体としては、例えば、重合性二重結合を有するアルデヒド(例えば、アクロレイン、ホルミルスチロール、(メタ)アクリルオキシアルキルプロペナールなど)、重合性二重結合を有するケトン(例えば、ビニルエチルケトンなど)、カルボニル基含(メタ)アクリレート[例えば、アセトニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレートなど]などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
これらのカルボニル基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アジリジニル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルアジリジン、アジリジニル基含有(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチル)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
これらのアジリジニル基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
イソシアナト基含有単量体としては、例えば、イソシアナト基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
イソシアナト基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズAOI(登録商標)」など)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズMOI(登録商標)」など)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズBEI(登録商標)」など)、5−メタクロイルオキシ−3−オキシペンチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズMOI−EG(登録商標)」など)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
これらのイソシアナト基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
架橋性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
重合成分が架橋性モノマーを含有する場合、重合成分全体における架橋性モノマーの割合は、例えば、0.01〜15質量%、好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%程度であってもよい。
なお、上記例示の他の単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記した他の単量体の中でも、脂環族系単量体[例えば、C4−20シクロアルキル(メタ)アクリレート(好ましくは、C4−10シクロアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど)]及び芳香族系単量体{例えば、スチレン系モノマー[例えば、スチレン、α−アルキルスチレン(例えば、α−C1−4アルキルスチレンなど)、アルキルスチレン(例えば、C1−4アルキルスチレンなど)、ハロスチレン(例えば、クロロスチレンなど)など]}から選択される1種以上を含むことが好ましく、特に、シクロヘキシルメタクリレート及びスチレンから選択される1種以上を含むことが好ましい。
エマルションは、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、シランカップリング剤を含んでいてもよい。なお、シランカップリング剤は、(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重合成分に含まれていてもよい。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては、例えば、加水分解(縮合)性基(例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子など)が結合したシリル基を有するものが挙げられる。
シランカップリング剤において、ケイ素(原子)の数は、1以上であればよく、2以上(例えば、オリゴマーないしポリマー型のシランカップリング剤など)であってもよい。
シランカップリング剤としては、重合性不飽和結合基を有するものがよい。このようなシランカップリング剤は、(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重合成分となりうる。
重合性不飽和結合基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクロイル基などが挙げられる。
重合性不飽和結合基の数は、特に限定されず、1以上であってよい。
重合性不飽和結合基を有するシランカップリング剤としては、例えば、下記式(3)で表されるシランカップリング剤(化合物)であってもよい。
(R2)n1−Si−(R3)4−n1 (3)
(式中、R2は、同一若しくは異なって、重合性不飽和結合基を有する基を示す。R3は、同一若しくは異なって、水素原子、加水分解縮合性基、炭化水素基、エポキシ基(エポキシ基含有基)を示す。n1は、1〜3の整数を示す。)
R2において、重合性不飽和結合基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクロイル基などが挙げられる。
R3において、炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基など)などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などのC1−4アルキル基などが挙げられる。
R3において、加水分解縮合性基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(塩素原子など)、アルコキシ基、アシロキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基など)、メルカプト基などが挙げられる。
R3において、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などのC1−4アルコキシ基などが挙げられる。
R3において、アシロキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのC2−4アシルオキシ基などが挙げられる。
R3の中でも、加水分解縮合性基同士の縮合結合や、加水分解縮合性基と他のポリマー(例えば、他のポリマーが有する結合する水酸基)との縮合結合によってポリマー同士が架橋するなどの観点から、加水分解縮合性基が好ましい。
加水分解縮合性基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(塩素原子など)、アルコキシ基、アシロキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基など)、メルカプト基などが好ましく、アルコキシ基、アシロキシ基がより好ましい。
具体的なシランカップリング剤としては、ビニル基含有シラン{例えば、ビニル基を有するハロシラン(例えば、ビニルトリクロロシランなどのビニルモノ乃至トリハロシラン)、ビニル基を有するアルコキシシラン[例えば、ビニルアルコキシシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルモノ乃至トリアルコキシシラン、好ましくはビニルモノ乃至トリC1−4アルコキシシラン)、ビニルアルコキシアルコキシシラン(例えば、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニルモノ乃至トリ(C1−4アルコキシC1−4アルコキシ)シラン)、スチリル基含有シラン(例えば、p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリルモノ乃至トリアルコキシシラン、好ましくはスチリルモノ乃至トリC1−4アルコキシシラン)など]}、(メタ)アクリロイル基含有シラン{例えば、(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシラン[例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロキシアルキルモノ乃至トリアルコキシシラン、好ましくは(メタ)アクリロキシC2−4アルキルモノ乃至トリC1−4アルコキシシラン]、(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシシラン[例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルヒドロキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルヒドロキシシランなどの(メタ)アクリロキシアルキルヒドロキシシラン、好ましくは(メタ)アクリロキシC2−4アルキルヒドロキシシラン]}などが挙げられる。
中でも、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシランが好ましく、(メタ)アクリロキシアルキルモノ乃至トリアルコキシシランがより好ましく、(メタ)アクリロキシC2−4アルキルモノ乃至トリC1−4アルコキシシラン[例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなど]が特に好ましい。
シランカップリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
エマルションがシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の割合は、他のモノマーの種類にもよるが、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、例えば、重合成分全体の0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.15質量%以上であってもよい。
シランカップリング剤の割合は、例えば、重合成分全体の15質量%以下、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下であってもよい。
なお、これらの上限値と下限値とを適宜組み合わせて適当な範囲(例えば、0.05〜10質量%など)を設定してもよい(他も同じ)。
シランカップリング剤の割合は、他のモノマーの種類にもよるが、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、例えば、重合成分全体の0.01モル%以上、好ましくは0.05モル%以上、さらに好ましくは0.1モル%以上、特に好ましくは0.15モル%以上であってもよい。
シランカップリング剤の割合は、例えば、重合成分全体の15モル%以下、好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下、特に好ましくは3モル%以下であってもよい。
なお、これらの上限値と下限値とを適宜組み合わせて適当な範囲(例えば、0.05〜10モル%など)を設定してもよい(他も同じ)。
なお、シランカップリング剤は、構成単位にシラン官能基(シリル基)を有しており、該シリル基によりポリマー(a)同士を架橋しうるが、このような架橋の態様としては、特に限定されず、分子内架橋、分子間架橋のいずれであってもよく、これらの両方の態様で架橋していてもよい。
架橋の態様は、例えば、シランカップリング剤がポリマー(a)の重合成分に含まれるなどの場合、ポリマー(a)に有するシリル基同士の結合(分子内の架橋)であってもよいし、ポリマー(a)に有するシリル基とポリマー(a)に有するシリル基以外の官能基(例えば、後述する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート由来の構成単位に有する水酸基)との架橋(分子間架橋)であってもよい。
エマルションは、後述するように、通常、乳化剤存在下の反応によって作製してもよい。
乳化剤は、反応性乳化剤(A)であってもよいし、反応性乳化剤(A)に加えて、反応性乳化剤(A)の範疇に属さない他の乳化剤(界面活性剤)を含んでいてもよい。
他の乳化剤としては、反応性乳化剤(A)の範疇に属さない乳化剤であればよく、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤(例えば、デシルアンモニウムクロライドなどのアルキルアンモニウム塩)、両性乳化剤(例えば、ベタインエステル型乳化剤)などが挙げられる。
アニオン性乳化剤としては、例えば、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート塩;アンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネートなどのアルキルスルホネート塩;アンモニウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホン酸−ホルマリン縮合物;アンモニウムラウリレート、ナトリウムステアリレートなどの脂肪酸塩などが挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの縮合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、エチレンオキサイドと脂肪族アミンとの縮合体などが挙げられる。
また、他の乳化剤には、高分子乳化剤が含まれる。高分子乳化剤としては、例えば、アニオン性乳化剤(ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩)、ノニオン性乳化剤(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルアクリレートなどのポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、これらの重合体を構成する単量体のうちの1種類以上の単量体を共重合成分とする重合体などが挙げられる。
また、他の乳化剤は、塗膜物性などの観点から、反応性基(又は重合性基)を有するもの(反応性乳化剤)であってもよい。
エマルションが他の反応性乳化剤を含有する場合、他の反応性乳化剤は、反応性乳化剤(A)とともに(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重合成分であってもよい。
他の反応性乳化剤としては、例えば、アニオン性乳化剤[例えば、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩〔例えば、三洋化成工業(株)製、商品名:エレミノールRS−30など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10など〕、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンKH−10など〕、プロペニルノニルフェニルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンBC−10など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSE−10など〕、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−10、SR−30など〕、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化スルホネート塩〔例えば、日本乳化剤(株)製、商品名:アントックスMS−60など〕など]、ノニオン性乳化剤[例えば、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−20など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンRN−20など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープNE−10など〕など]などが挙げられる。
他の乳化剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
これら他の乳化剤の中でも、アニオン性乳化剤、特に、アニオン性の反応性乳化剤を好適に使用してもよい。
エマルションが他の乳化剤を含有する場合、重合成分全体における他の乳化剤の割合は、例えば、30質量%以下(例えば、0.01〜30質量%)、好ましくは20質量%以下(例えば、0.01〜20質量%)、さらに好ましくは10質量%以下(例えば、0.01〜10質量%)、特に好ましくは5質量%以下(例えば、0.01〜5質量%)程度であってもよい。
乳化剤全体における反応性乳化剤(A)の割合は、例えば、10質量%以上(例えば、10〜100質量%、10〜90質量%)、好ましくは40質量%以上(例えば、40〜100質量%、40〜90質量%)、より好ましくは70質量%以上(例えば、70〜100質量%、70〜90質量%)、特に好ましくは90質量%以上(例えば、90〜100質量%)程度であってもよく、最も好ましくは、100質量%である。
エマルションは、単層構造であっても(1層のみで構成されていても)よく、多層構造(又はコアシェル構造)であっても(内層が構成されていても、外層(最外層)と内層とで構成されていても)よい。
エマルションが多層構造である場合、層の数は、2以上であればよく、例えば、2〜6、好ましくは2〜5、さらに好ましくは2〜4(例えば、2〜3)であってもよく、特に3であってもよい。
エマルションが多層構造である場合、外層(シェル)及び内層(コア)のうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリル系ポリマー(a)(のエマルション)で構成されていればよく、内層と外層は異なるポリマー(樹脂)で構成されていてもよい。
(メタ)アクリル系ポリマー(a)(のエマルション)は、外層と内層のいずれを構成していてもよいが、少なくとも外層を構成していることが好ましい。
なお、(メタ)アクリル系ポリマー(a)(のエマルション)で構成された層において、各成分の配合割合は、上記例示の範囲と同じであってよい。
また、外層と内層のいずれか1層が、(メタ)アクリル系ポリマー(a)以外のポリマー(のエマルション)で構成されている場合、そのようなポリマーの重合成分としては、上記例示の単量体(例えば、上記例示の他の単量体など)から選択することができる。
エマルションが多層構造である場合、反応性乳化剤(A)は、外層及び内層のうちの少なくとも1層に含まれていればよい。
また、エマルションが多層構造である場合、ヒンダードアミン系モノマーは、外層及び内層のうちの少なくとも1層に含まれていればよいが、塗膜の耐汚染性や耐候性向上などの観点から、少なくとも外層(特に、最外層)に含まれていることが好ましい。
また、多層構造を、硬質層(ハード層)と軟質層(ソフト層)とで構成(相対的に構成)してもよい。
このような場合、外層及び内層のいずれをハード層としてもよく、すなわち、外層がハード層及び内層がソフト層の層構成であってもよく、外層がソフト層及び内層がハード層の層構成であってもよい。また、内層が複数の層で構成されている場合、複数の内層間で、ハード層及びソフト層を構成してもよい。
内層を構成するポリマーと外層を構成するポリマーとの質量比は、内層を構成するポリマー:外層を構成するポリマー(質量比)が、例えば、95:5〜5:95(例えば、90:10〜10:90)、好ましくは88:12〜12:88(例えば、85:15〜15:85)であってもよく、95:5〜20:80(例えば、90:10〜30:70、好ましくは88:12〜40:60)であってもよい。
特に、エマルションが3層構造である場合、エマルション全体に対して、1段目の層の割合は20〜70質量%(例えば、30〜60質量%)、2段目の層の割合は20〜70質量%(例えば、30〜60質量%)、3段目の層の割合は20〜70質量%(例えば、30〜60質量%)程度であってもよい。
エマルションを構成する(メタ)アクリル系ポリマー(a)のガラス転移温度は、例えば、−40℃以上(例えば、−40〜80℃、−40〜40℃など)、好ましくは−30℃以上(例えば、−30〜80℃、−30〜40℃など)、より好ましくは−25℃以上(例えば、−25〜80℃、−25〜40℃など)であってもよい。また、多層構造のエマルションである場合、多層構造のエマルションを構成する重合体全体のガラス転移温度が、上記例示の範囲であってもよい。
上記の範囲でポリマーのガラス転移温度が高いほど、耐汚染性や耐候性が優れる傾向がある。ポリマーのガラス転移温度が高いほど、エマルションの造膜性が低下する(最低造膜温度が高くなる)ため、ポリマーのガラス転移温度が高いエマルションは、主に加熱乾燥等の高温環境での塗料塗膜の形成に用いられる。
また、本発明は、ポリマーのガラス転移温度が低くても、エマルションの重合成分に、芳香族基を複数有する反応性乳化剤(A)及びヒンダードアミン系モノマーを少なくとも含むことにより、塗膜の耐汚染性や耐候性が優れる。すなわち、本発明は、低温から室温の環境下でも塗膜形成を可能にする、ガラス転移温度が低いポリマーの樹脂エマルションを一形態として含んでおり、このようなエマルションは、ガラス転移温度が低いポリマーのエマルションでありながら耐汚染性や耐候性が優れることから、建築外装塗料用途などに好適である。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、ポリマーを構成する単量体成分に使用されている単量体の単独重合体のガラス転移温度を用いて、
式(I): 1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100 (I)
〔式中、Wmは重合体を構成する単量体成分における単量体mの含有率(質量%)、Tgmは単量体mの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度であってもよい。
また、エマルションが多層構造である場合、多層構造のエマルションを構成する重合体全体のガラス転移温度は、多段乳化重合の際に用いられた単量体成分全体(すべての単量体成分)における各単量体の質量分率とこれに対応する単量体の単独重合体のガラス転移温度から求められたガラス転移温度を意味する。
単独重合体のガラス転移温度は、例えば、2−エチルヘキシルアクリレートの単独重合体では−70℃、シクロヘキシルメタクリレートの単独重合体では83℃、スチレンの単独重合体では100℃、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの単独重合体では70℃、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの単独重合体では55℃、メチルメタクリレートの単独重合体では105℃、メタクリル酸の単独重合体では130℃、tert−ブチルメタクリレートの単独重合体では107℃、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレートの単独重合体では約130℃、ダイアセトンアクリルアミドの単独重合体では77℃、グリセリンモノメタクリレートの単独重合体では55℃、n−ブチルメタクリレートの単独重合体では20℃、n−ブチルアクリレートの単独重合体では−56℃である。
なお、特殊単量体、多官能単量体などのようにガラス転移温度が不明の単量体については、単量体成分における当該ガラス転移温度が不明の単量体の合計量が質量分率で10質量%以下である場合、ガラス転移温度が判明している単量体のみを用いてガラス転移温度が求めてよい。
単量体成分におけるガラス転移温度が不明の単量体の合計量が質量分率で10質量%を超える場合には、重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)、示差熱量分析(DTA)、熱機械分析(TMA)などによって求めてもよい。
エマルションを構成する(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重量平均分子量は、塗膜物性などの観点から、例えば、10万以上、好ましくは30万以上、さらに好ましくは55万以上、特に好ましくは60万以上であってもよい。
また、(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重量平均分子量の上限値は、特に限定されないが、例えば、造膜性を向上させるなどの観点から、500万以下であることが好ましい。
重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー〔例えば、東ソー(株)製、品番:HLC−8120GPC、カラム:TSKgel G−5000HXLとTSKgel GMHXL−Lとを直列に使用〕を用いて測定(ポリスチレン換算)してもよい。
エマルション粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、50nm以上、好ましくは100nm以上であってもよく、塗膜物性などの観点から、例えば、300nm以下、好ましくは250nm以下であってもよい。
エマルション粒子の平均粒子径は、代表的には、50〜300nm(例えば、60〜250nm)、好ましくは100〜250nm程度であってもよい。
なお、エマルション粒子の平均粒子径は、動的光散乱法による粒度分布測定器〔パーティクル・サイジング・システムズ(Particle Sizing Systems)社製、商品名:NICOMP Model 380〕を用いて測定された体積平均粒子径であってよい。
エマルションにおける粒子(又は固形分)の固形分(不揮発分)量は、生産性などの観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上であってよく、取り扱い性向上などの観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下であってもよい。
なお、エマルションにおける粒子の不揮発分量は、例えば、エマルション1gを秤量し、熱風乾燥機で110℃の温度で1時間乾燥させ、得られた残渣を不揮発分とし、
式:〔エマルションにおける不揮発分量(質量%)〕=(〔残渣の質量〕÷〔エマルション1g〕)×100
に基づいて求めることができる。
エマルションの最低造膜温度は、造膜性向上などの観点から、例えば、60℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下であってもよい。
エマルションの最低造膜温度は、例えば、エマルション粒子全体のガラス転移温度や最外層のガラス転移温度を調節することによって調整することができる。
なお、本明細書において、エマルションの最低造膜温度は、例えば、熱勾配試験機の上に置いたガラス板上に樹脂エマルションを厚さが0.2mmとなるようにアプリケーターで塗工し、クラックが生じたときの温度などとして求めることができる。
エマルションにおけるポリマーの含有率((メタ)アクリル系ポリマー(a)の含有率、多層構造である場合は、内層及び外層を構成するポリマーの合計の含有率)は、塗膜物性などの観点から、例えば、20質量%以上(例えば、25〜100質量%)、好ましくは30質量%以上(例えば、35〜90質量%)、さらに好ましくは40質量%以上(例えば、45〜85質量%)であってもよい。
(エマルションの製造方法)
エマルションは、溶媒中で、重合体を形成する単量体成分を乳化重合することにより得ることができる。
溶媒としては、例えば、水、水を含む溶媒[水とアルコール(メタノール、エタノールなどのC1−4アルコールなど)との混合溶媒など]などの水性溶媒が挙げられる。
溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
単量体成分を乳化重合させる方法としては、乳化剤の存在下で乳化重合すればよく、例えば、乳化剤を含む溶媒(溶液)に、単量体成分を混合(滴下など)して重合する方法、予め乳化させておいた単量体成分を溶媒に混合(滴下など)して重合する方法などが挙げられるが、本発明は、かかる方法のみに限定されるものではない。反応性乳化剤(A)を(メタ)アクリルポリマーの重合成分に含むために、反応性乳化剤(A)の存在下で乳化重合することが好ましい。
なお、溶媒(媒体)の量は、得られるエマルションに含まれる不揮発分量等を考慮して適宜設定すればよい。
重合は、重合開始剤の存在下で行ってもよい。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2− メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2, 2−アゾビス(2―ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、4,4−アゾビス(4−シ アノ吉草酸)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)などのアゾ化合物;過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化アンモニウムなどの過酸化物などが挙げられる。
重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤を使用する場合、重合成分100質量部あたりの重合開始剤の量は、重合速度を高め、未反応の単量体成分の残存量を低減させる等の観点から、好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、塗膜物性等の観点から、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
重合開始剤の添加方法は、特に限定されないが、例えば、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下などが挙げられる。
また、重合反応の終了時期を早める等の観点から、重合成分を反応系内に添加する終了前またはその終了後に、重合開始剤の一部を反応容器内に添加してもよい。
なお、重合開始剤の分解を促進するために、例えば、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤、硫酸第一鉄などの遷移金属塩などの重合開始剤の分解剤を反応系内に適量で添加して もよい。
また、反応系内には、必要により、例えば、チオール基を有する化合物(tert−ドデシルメルカプタンなど)などの連鎖移動剤、pH緩衝剤、キレート剤、造膜助剤などの添加剤を存在させてもよい。
重合の際の雰囲気は、特に限定されないが、重合効率などの観点から、窒素ガスなどの不活性ガスであってもよい。
重合温度は、特に限定されないが、例えば、50〜100℃、好ましくは60〜95℃であってもよい。重合温度は、一定であってもよく、重合反応の途中で変化させてもよい。
重合時間は、特に限定されず、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1時間以上(例えば、1〜24時間)、好ましくは2〜12時間(例えば、2〜9時間)程度であってもよい。
また、多層構造のエマルションは、上記例示の乳化重合を多段階で行うことによって、得ることができる。
<組成物>
本発明は、本発明のエマルションを含む組成物も包含する。このような組成物は、本発明のエマルションと他の成分を含んでいてよい。
本発明の組成物は、特に、塗料用に使用することができる。
他の成分としては、例えば、増粘剤、顔料、顔料分散剤、沈殿防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、成膜助剤、増粘剤、表面調整剤、防腐・防黴剤、レベリング剤、凍結防止剤、湿潤剤、pH調整剤、消泡剤などが挙げられる。
これらの成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
増粘剤としては、例えば、ウレタン会合型増粘剤、塩基を添加することで水に溶解する(アルカリ可溶する)アクリル系樹脂[例えば、(メタ)アクリル酸由来の単位とアルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート)由来の単位を少なくとも含むアクリル系樹脂]などが挙げられる。
ウレタン会合型増粘剤としては、例えば、ウレタン系樹脂を好適に使用することができる。ウレタン系樹脂は、水溶性であることが好ましい。
また、ウレタン系樹脂は、疎水性部位(疎水性基)と親水性部位(親水性基)を有していることが好ましい。
ウレタン系樹脂における疎水性基の結合箇所は、特に限定されず、疎水性基は、ウレタン系樹脂の末端に有していてよく、ウレタン系樹脂の片末端に有していてもよいし、両末端に有していてもよく、両末端に有していることが好ましい。
なお、疎水性基は、会合部位として作用しうる。
例えば、溶媒中(水、水を含む水性溶媒)で、疎水性基部位(特に、末端の疎水性基)が(メタ)アクリル系ポリマーのエマルション粒子表面と会合(物理的結合)することによって、及び/又は、疎水性基同士が会合していてもよい。
疎水性基としては、例えば、炭化水素基(例えば、C1−30脂肪族炭化水素基、C3−30脂肪族炭化水素基など)などが挙げられる。
ウレタン系樹脂における親水性基の結合箇所は、特に限定されず、親水性基は、ウレタン系ポリマーの主鎖に有していてもよいし、側鎖に有していてもよい。
親水性部位(親水性基)としては、特に限定されないが、例えば、エーテル結合を有する部位(例えば、ポリオキシエチレンなどのオキシアルキレン単位)などが挙げられる。エーテル結合を有する部位は、例えば、ウレタン系樹脂の構造単位であるポリオール由来の単位であってもよい。
ウレタン会合型増粘剤は、商業的に容易に入手することができるものであってもよい。
ウレタン会合型増粘剤としては、例えば、アデカノールUH−420、アデカノールUH−438、アデカノールUH−450VF〔以上、(株)ADEKA製、商品名〕などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
これらの中でも、アデカノールUH−420などが好ましい。
ウレタン会合型増粘剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記アクリル系樹脂は、会合部位(例えば、前記例示のウレタン系樹脂における疎水性基など)を有していてもよい。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、アクリセットWR−507、アクリセットWR−650〔以上、(株)日本触媒製、商品名〕などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
増粘剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
組成物において、(メタ)アクリル系ポリマー:増粘剤の質量比は、例えば、100:0.01〜100:1、好ましくは100:0.1〜100:0.8、より好ましくは100:0.15〜100:0.5であってもよい。
また、組成物がウレタン会合型増粘剤と前記アクリル系樹脂を含む場合、ウレタン会合型増粘剤:前記アクリル系樹脂の質量比は、例えば、100:1〜100:100、好ましくは100:5〜100:90、より好ましくは100:10〜100:80であってもよい。
顔料としては、特に限定されず、公知の顔料を使用することができる。
顔料は着色剤であってもよく、体質顔料(増量剤)であってもよい。
代表的な顔料としては、例えば、無機系顔料(例えば、酸化チタン、酸化鉄、アルミニウム、パール顔料等の無機系着色顔料)、有機系顔料(例えば、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、アンスラピリミジン、フタロシアニン、スレン、ジオキサジン、カーボンブラック等の有機系着色顔料)、体質顔料(例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、マイカ、タルク等)を挙げることができる。
顔料は単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
特に着色隠蔽性や塗膜表面を高光沢にすることから、酸化チタンを少なくとも使用することが好ましい。顔料の配合量としては、乾燥後の塗膜中のポリマー成分(又はエマルション)の固形分100重量部に対して、例えば、5〜70質量部、好ましくは7〜65質量部、さらに好ましくは10〜60質量部程度であってもよい。
組成物の粘度は、BH型粘度計で回転速度20rpmにおける25℃での粘度が、例えば、1000〜20000mPa・s、好ましくは1500〜10000mPa・s、より好ましくは2000〜8000mPa・sであってもよい。
組成物は、溶媒を含んでいてもよく、エマルション(及び他の成分)が溶媒中に分散(又は溶解)した組成物であってもよい。
溶媒としては、前記例示の溶媒を使用することができ、好ましくは、水、水を含む溶媒[例えば、水とアルコール(メタノール、エタノールなどの低級アルコール)とを含む混合溶媒]などの水性溶媒である。
特に、組成物は、エマルション及び他の成分が水性溶媒中に分散(又は溶解)した組成物(水性組成物)であってもよい。
溶媒を含む組成物において、エマルション及び他の成分の総量の割合は、用途などに応じて適宜選択できるが、例えば、0.1〜95質量%、好ましくは1〜90質量%、さらに好ましくは3〜80質量%程度であってもよい。
組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、エマルションと他の成分とを混合することで製造できる。
<エマルションの用途>
本発明のエマルション(又は組成物)は、特に、塗料用(塗装用)として好適である。このようなエマルション(又は組成物)は、例えば、各種素材(例えば、金属、ガラス、磁器、コンクリート、サイディングボード、樹脂など)で形成された基材の表面仕上げ等に使用してもよい。
本発明のエマルション(又は組成物)は、中でも、トップコート(又は上塗り材、例えば、内装材(建材)や外装材のトップコート)に好適に使用することができる。
外装材としては、例えば、各種建材(例えば、フレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボードなどの無機質建材;例えば、瓦、外壁材などの窯業系建材など)などが挙げられる。窯業系建材は、例えば、無機質硬化体の原料となる水硬性膠着材に無機充填剤、繊維質材料などを添加し、得られた混合物を成形し、得られた成形体を養生し、硬化させることによって得られる。
このような外装材(建材)の表面には、通常、所望の意匠を付与する等のために、上塗り材(水性塗料)が塗布されている。より具体的には、トップコート又は上塗り材(水性塗料)は、太陽光や風雨などの外的環境から建築物を保護したり、建築物の美観や意匠性を持たせるための塗料(建築・外装用塗料)として使用されている。本発明の組成物は、このトップコート用又は上塗り材(水性塗料)として好適に使用することができる。
特に塗料の中でも、建築物の外壁(外装材)に直接塗布し、自然環境下で乾燥硬化(常温乾燥)させる外装用塗料に使用することができる。
本発明のエマルションで形成された塗料は、得られる塗膜の耐汚染性や耐候性が優れるため、このような外装用塗料に使用した場合にも、良好な塗膜を得ることができる。
前記の外装用塗料を用いて形成される表面塗膜の状態としては透明〜着色半透明〜着色隠蔽まで、種々の形態のものであり得るが、外装材に形成した下層塗膜層もしくは古くなった上塗り塗膜層を隠蔽する目的(改修目的)で、着色隠蔽状態のものが特に多い。
本発明のエマルション(又は組成物)を塗料(塗装)に使用する場合、本発明のエマルション(又は組成物)を含む塗料単独で1層で塗工してもよく、2層以上に重ね塗りすることによって塗工してもよい。2層以上に重ね塗りすることによって塗工する場合、その一部の層のみが本発明のエマルション(又は組成物)を含む塗料によって形成されてもよく、全部の層が本発明のエマルション(又は組成物)を含む塗料で形成されてもよい。重ね塗りは、例えば、プライマー処理やシーラー処理などを施した被塗物に、第1層(例えば、下塗り層)用塗料を塗布して乾燥させた後 、第2層(例えば、上塗り層)用塗料を上塗りし、乾燥させる方法などが挙げられるが、本発明はかかる方法によって限定されるものではない。塗料を塗布する際には、例えば、スプレー、ローラー、ハケ、コテなどを用いることができる。
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水475部を仕込んだ。
滴下ロートに脱イオン水465部、乳化剤((株)第一工業製薬社製、商品名:アクアロンAR−10)の25%水溶液120部(乳化剤が30部含有)、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)328、メチルメタクリレート(MMA)460部、スチレン(St)100部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)100部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)5部、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(アデカスタブLA−87)5部、シリル基含有モノマー(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−503)2部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの100部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5%水溶液60部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を180分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持し、25%アンモニア水をpHが8〜10なるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂エマルションを得た。
(実施例2〜5)
モノマーの種類及び配合割合、乳化剤の配合割合を表1に記載のようにした以外は実施例1と同様にして、樹脂エマルションを得た。
(実施例6)
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水461部を仕込んだ。
滴下ロートに脱イオン水59部、乳化剤((株)第一工業製薬社製、商品名:アクアロンAR−10)の25%水溶液80部(乳化剤が20部含有)、スチレン200部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの40部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5%水溶液60部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
その後、脱イオン水382部、乳化剤((株)第一工業製薬社製、商品名:アクアロンAR−10)の25%水溶液80部(乳化剤量が20部含有)、2−エチルヘキシルアクリレート240部、メチルメタクリレート323部、スチレン100部、シクロヘキシルメタクリレート100部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート5部、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(アデカスタブLA−87)30部、シリル基含有モノマー(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−503)2部からなる2段目のプレエマルションを60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
最後に、25%アンモニア水をpHが8〜10になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂エマルションを得た。
(実施例7)
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水435部を仕込んだ。
滴下ロートに脱イオン水59部、乳化剤((株)第一工業製薬社製、商品名:アクアロンAR−10)の25%水溶液80部(乳化剤量が20部含有)、スチレン200部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうちの40部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、過硫酸カリウムの5%水溶液60部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。
次に、滴下用プレエマルションの残部を60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
その後、脱イオン水166部、乳化剤((株)第一工業製薬社製、商品名:アクアロンAR−10)の25%水溶液80部(乳化剤量が20部含有)、2−エチルヘキシルアクリレート212部、メチルメタクリレート150部、シクロヘキシルメタクリレート30部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート5部、シリル基含有モノマー(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−503)3部からなる2段目のプレエマルションを60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
次に、脱イオン水166部、乳化剤((株)第一工業製薬社製、商品名:アクアロンAR−10)の25%水溶液80部(乳化剤が20部含有)、2−エチルヘキシルアクリレート137部、メチルメタクリレート50部、シクロヘキシルメタクリレート200部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート3部、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(アデカスタブLA−87)10部からなる3段目のプレエマルションを60分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持した。
最後に、25%アンモニア水をpHが8〜10になるようにフラスコ内に添加し、重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、樹脂エマルションを得た。
(実施例8)
モノマーの種類及び配合割合を表1に記載のようにした以外は実施例7と同様にして、樹脂エマルションを得た。
(実施例9)
モノマーの種類及び配合割合を表2に記載のようにし、乳化剤を、AR−10が10部となるようにし、さらに、アデカリアソープSR−10[(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−10(アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレン硫酸エステル塩)]が20部となるようにした以外は実施例1と同様にして、樹脂エマルションを得た。
(実施例10及び11)
モノマーの種類及び配合割合を表2に記載のようにした以外は実施例1と同様にして、樹脂エマルションを得た。
(参考例1〜2)
モノマーの種類及び配合割合を表3に記載のようにした以外は実施例1と同様にして、樹脂エマルションを得た。
(参考例3)
乳化剤として、アクアロンAR−10の代りにアデカリアソープSR−10[(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−10(アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレン硫酸エステル塩)]を用い、また、モノマーの種類及び配合割合を表3に記載のようにした以外は実施例1と同様にして、樹脂エマルションを得た。
得られた樹脂エマルションの物性を、以下のように測定した。
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度は、ポリマーを構成する単量体成分に使用されている単量体の単独重合体のガラス転移温度を用いて、
式(I): 1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100 (I)
〔式中、Wmは重合体を構成する単量体成分における単量体mの含有率(質量%)、Tgmは単量体mの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度として算出した。
また、エマルションが多層構造である場合、多層構造のエマルションを構成する重合体全体のガラス転移温度は、多段乳化重合の際に用いられた単量体成分全体(すべての単量体成分)における各単量体の質量分率とこれに対応する単量体の単独重合体のガラス転移温度から算出した。
[固形分量(NV)]
エマルションにおける不揮発分量(固形分量)は、エマルション1gを秤量し、熱風乾燥機で110℃の温度で1時間乾燥させ、得られた残渣を不揮発分とし、
式:〔エマルションにおける不揮発分量(質量%)〕=(〔残渣の質量〕÷〔エマルション1g〕)×100
に基づいて求めた。
[粘度]
BH型粘度計〔東京計器株式会社製〕で回転速度20rpmにおける25℃での粘度を求めた。
[TI]
BH型粘度計で回転速度2rpmにおける粘度を20rpmの粘度で除したものをTI(チクソ係数)とした。
TI=粘度(2rpm)/粘度(20rpm)
[体積平均粒子径]
エマルション粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は、動的光散乱法による粒度分布測定器〔パーティクル・サイジング・システムズ(Particle Sizing Systems)社製、商品名:NICOMP Model 380〕を用いて測定した。
[最低造膜温度(MFT)]
熱勾配試験機(テスター産業社製)の上に置いたガラス板上に樹脂エマルションを厚さが0.2mmとなるようにアプリケーターで塗工し、クラックが生じたときの温度を最低造膜温度とした。
次に、得られた樹脂エマルションを、以下の方法によって評価した。
[エナメル塗膜光沢の評価方法]
(1)顔料ペーストの調製
脱イオン水210質量部、分散剤〔花王株式会社製、商品名:デモールEP、分散剤(固形分)濃度25質量%水溶液〕60質量部、分散剤〔第一工業製薬株式会社製、商品名:ディスコートN−14、分散剤(固形分)濃度30質量%水溶液〕50質量部、湿潤剤〔花王株式会社製、商品名:エマルゲンLS−106、湿潤剤(固形分)濃度100質量%〕10質量部、プロピレングリコール60質量部、酸化チタン〔石原産業株式会社製、品番:CR−95〕1000質量部及びガラスビーズ(直径:1mm)200質量部をホモディスパーで回転速度3000rpmにて60分間撹拌した。その後、ガラスビーズを除くために60メッシュ金網で濾過して顔料ペーストとした。
(2)エナメル塗料の調製
上記樹脂エマルション100質量部に、成膜助剤として2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールイソブチレート〔JNC株式会社製、品番:CS−12〕7質量部を添加し、ホモディスパーで回転速度1500rpmにて10分間撹拌した。撹拌を継続しながら、上記顔料ペーストを42質量部投入した。顔料ペーストの投入量は、不揮発分の全量に対し顔料の量が14体積%(40質量%)となるように調整した。更に、不揮発分量が50質量%となるように適量の希釈水を加え、塗料の全体量に対して0.3質量%のシリコーン系消泡剤〔サンノプコ株式会社製、商品名:SNデフォーマー777〕を当該混合物に添加した。BH型粘度計〔東京計器株式会社製〕で回転速度20rpmにおける25℃での粘度が4500mPa・sとなるように増粘剤〔株式会社ADEKA製、商品名:アデカノールUH−420〕の5質量%水溶液を当該混合物に添加した。その後、更に1500rpmで30分間攪拌することにより、エナメル塗料を調製した。
(塗膜作製及び試験)
得られたエナメル塗料をガラス板(縦:150mm、横:70mm、厚さ:2mm)に10milアプリケーターを用いて塗布し、23℃の大気中にて1週間乾燥させてエナメル塗膜を得た。当該塗料が塗布された面の60°鏡面光沢を光沢計〔日本電色工業株式会社製、品番:VG2000〕で測定した。
(評価用下塗層の調製)
スレート板〔日本テストパネル(株)製、縦:70mm、横:150mm、厚さ:6mm〕にシーラー〔エスケー化研(株)製、商品名:EXシーラー〕をエアスプレーで150g/mの塗布量で均一に塗布し、23℃で1週間乾燥させた。
[耐候性試験]
次に、試料(上記エナメル塗料)を10milアプリケーターでスレートの被膜上に塗布し、23℃にて1週間乾燥させた後、当該試料が塗布されたスレート板の側面および背面をアルミニウムテープでシールし、試料が塗布された面の60°鏡面光沢を光沢計〔日本電色工業(株)製、品番:VG-7000〕で測定し、さらに以下の試験条件を1サイクルとして連続で1000時間繰り返す耐候性試験を行い、前記光沢計で当該スレート板の塗装面の光沢を測定し、
式:[光沢保持率(%)]=〔[耐候性試験後の光沢]÷[耐候性試験前の光沢]〕×100
に基づいて光沢保持率を求め、以下の評価基準に基づいて耐候性を評価した。
(耐候性試験の試験条件)
・試験機:メタルウェザー〔ダイプラ・ウィンテス(株)製、品番:KU−R4〕
・照射:上記試験機を用いて、気温65℃で相対湿度50%の雰囲気中で4時間照射した(照射強度:80mW/cm)。
・湿潤:上記照射後、気温35℃で相対湿度98%の雰囲気中で4時間暴露した。
なお、湿潤前後に各30秒間シャワーした。
[耐汚染性]
(評価用被膜の作製及び試験)
アルミ板〔日本テストパネル(株)製、縦:400mm、横:100mm、厚さ:1mm〕に上記エナメル塗料を6milアプリケーターで2回塗布し、23℃で1週間乾燥させた。
試験板を縦方向に半分の箇所(200mm)で南面30度の傾斜がつくように折り曲げた。得られた試験用被膜を以下の条件にて屋外暴露試験を行った。3ヵ月後、6ヵ月後に試験板を引き上げ、試験板の斜面/立面部位に関して雨筋汚染性を目視により以下の評価基準で評価した。
(試験条件)
南面30度、直接暴露(暴露地:大阪府吹田市/(株)日本触媒敷地内)。
(評価基準)
◎:斜面/立面共に全く雨筋が見られない。
○:斜面/立面共に殆ど雨筋が見られない。
△:斜面部分で雨筋が確認され、立面には殆ど雨筋が見られない。
×:斜面部分で雨筋が確認され、立面にも雨筋が見られる。
実施例の評価結果を表1及び表2に、参考例の評価結果を表3に示す。
上記表1及び表2の結果から明らかなように、実施例のエマルションによれば、塗膜が優れた耐汚染性を示した。
また、実施例のエマルションによれば、塗膜が優れた耐候性を示した。
本発明は、塗料用などとして有用なエマルションを提供できる。

Claims (13)

  1. 芳香族基を複数有する反応性乳化剤(A)及びヒンダードアミン系モノマーを少なくとも重合成分とする(メタ)アクリル系ポリマーのエマルション。
  2. 反応性乳化剤(A)が下記式(1)で表される反応性乳化剤を含む請求項1に記載のエマルション。
    (式中、Dは下記式(D−1)又は(D−2)を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Tは水素原子又は−SOM(Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はNH)を示し、lは1〜2を示し、mは1〜3を示し、nは1〜1000を示す。)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
  3. ヒンダードアミン系モノマーが下記式(2)で表される化合物を含む請求項1又は2に記載のエマルション。
    (式中、R及びRは水素原子又はアルキル基、R、R、R及びRはアルキル基、Xは酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)、Y及びZは水素原子又は置換基を示す。)
  4. 重合成分が、さらに、脂環族基を有する単量体及び反応性乳化剤(A)以外の芳香族基を有する単量体から選択される1種以上の単量体を含む請求項1〜3のいずれかに記載のエマルション。
  5. 重合成分が、シクロヘキシルメタクリレート及びスチレンから選択される1種以上の単量体を含む請求項1〜4のいずれかに記載のエマルション。
  6. 反応性乳化剤(A)の割合が、重合成分全体に対して0.1〜10質量%である請求項1〜5のいずれかに記載のエマルション。
  7. ヒンダードアミン系モノマーの割合が、重合成分全体に対して0.1〜10質量%である請求項1〜6のいずれかに記載のエマルション。
  8. 反応性乳化剤(A)以外の乳化剤の割合が、重合成分全体に対して5質量%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のエマルション。
  9. (メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度が−40〜80℃である請求項1〜8のいずれかに記載のエマルション。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のエマルションを含む塗料。
  11. 請求項10に記載の塗料で形成された塗膜。
  12. 請求項11に記載の塗膜を有する建築物。
  13. 請求項11に記載の塗膜を有する建材。
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