JP2020117386A - エレベーター - Google Patents

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Abstract

【課題】乗客に耳詰まり等の不快感を与える可能性が高いときだけかご内気圧制御を実施することができるエレベーターを提供する。【解決手段】エレベーター10は、昇降路2内を昇降移動する乗りかご12と、乗りかご12内に連通する内部空間を含み、内部空間の容積を増加または減少させることによってかご内気圧を調整するかご内気圧調整部30と、かご内気圧調整部30の動作を制御する制御盤20とを備える。制御盤20は、乗りかご12の一回の運転における移動階数または移動距離が所定値以上であるときかご内気圧調整部30を作動させてかご内気圧制御を実施する。【選択図】図1

Description

本発明は、かご内の気圧調整が可能なエレベーターに関する。
建造物の高層化に伴い、エレベーターのかごの昇降距離が長くなり、かごの移動速度も高速になってきている。そのため、かご内の気圧の変化が大きくなり、かご内の乗客が耳詰まり等の不快感を覚えることがある。
このような不都合を改善するために、特許文献1では、乗りかごの中の空気を外部に排気する排気用送風部と、乗りかごの中に空気を吸気する吸気用送風部と、排気用送風部及び吸気用送風部の各動作を制御する制御部とを備えたエレベーターが記載されている。このエレベーターでは、乗りかごが上昇移動するとき、まず排気用送風部を作動させて乗りかごの中から空気を排気することによって乗りかご内を減圧し、乗りかご内の気圧が外部の気圧と等しくなるタイミングで吸気用送風部を作動させて乗りかごの中に空気を吸気することによって乗りかご内を加圧する。このような制御を行うことによって、かご内気圧の変化量の最大値を下げることができ、その結果、乗客の耳詰まり等の不快感を低減できると記載されている。
特開2017−1755号公報
しかしながら、高層の建造物に設置されたエレベーターであっても、乗りかごが一回の運転で移動する階数が少ない場合には、乗りかご内の気圧変化はそれほど大きくならないため、乗客に耳詰まり等の不快感を与えることはない。
そこで、本発明の目的は、乗客に耳詰まり等の不快感を与える可能性が高いときだけかご内気圧制御を実施することができるエレベーターを提供することである。
本発明に係るエレベーターは、昇降路内を昇降移動する乗りかごと、前記乗りかご内に連通する内部空間を含み、前記内部空間の容積を増加または減少させることによってかご内気圧を調整するかご内気圧調整部と、前記かご内気圧調整部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記乗りかごの一回の運転における移動階数または移動距離が所定値以上であるとき前記かご内気圧調整部を作動させてかご内気圧制御を実施するものである。
この構成によれば、乗りかごの一回の運転における移動階数または移動距離が所定値以上のときにかご内気圧制御を実施するため、かご内気圧調整部を乗客が耳詰まり等の不快感を覚える可能性が高い場合に限定して動作させることができ、かご内気圧調整部の動作回数や消費電力を抑えることができる。
本発明に係るエレベーターにおいて、前記かご内気圧調整部は、前記内部空間を覆って設けられた弾性膜部材と、前記弾性膜部材を伸縮させるアクチュエータとを有しており、前記制御部は前記アクチュエータの動作を制御して前記弾性膜部材を伸縮させることにより前記内部空間の容積を変更してもよい。この構成によれば、アクチュエータの動作を制御して弾性膜部材を伸縮させることにより内部空間の容積を変更することで、かご内気圧の調整を行うことがきる。
また、本発明に係るエレベーターにおいて、前記かご内気圧調整部は、前記内部空間を形成するシリンダ及びピストンと、前記シリンダ内で前記ピストンを駆動するアクチュエータとを有しており、前記制御部は前記アクチュエータの動作を制御して前記シリンダ内で前記ピストンを移動させることにより前記内部空間の容積を変更してもよい。この構成によれば、アクチュエータの動作を制御してシリンダ内でピストンを移動させることにより内部空間の容積を変更することで、かご内気圧の調整を行うことがきる。
また、本発明に係るエレベーターにおいて、制御部は、かご内気圧制御を実施するか否かを乗客に選択させるように構成されてもよい。この構成によれば、乗客の要望に応じてかご内気圧制御を不実施とする選択が可能になる。
この場合、乗客によってかご内気圧制御の不実施が選択されたとき、前記制御部は、前記乗りかごの低速運転を実施するか否かを乗客に選択させるように構成されていてもよい。この構成によれば、乗客の要望に応じて乗りかごの低速運転を選択することが可能となり、その結果、通常速度での運転の場合に比べてかご内気圧の時間当たりの変化量が小さくなるため、かご内気圧制御を実施しなくても乗客に耳詰まり等の不快感を与えるのを抑制できる。
本発明に係るエレベーターによれば、乗りかごの一回の運転における移動階数または移動距離が所定値以上のときにかご内気圧制御を実施するため、かご内気圧調整部を乗客が耳詰まり等の不快感を覚える可能性が高い場合に限定して動作させることができ、かご内気圧調整部の動作回数や消費電力を抑えることができる。
エレベーターの設置例を示した図である。 図1に示したエレベーターの乗りかごを示す斜視図である。 乗りかごに設置されたかご内気圧調整部を示す断面図である。 かご内気圧調整部を備えたエレベーターの制御系を示すブロック図である。 乗りかごの上昇時のかご内気圧の変化を示すグラフである。 乗りかごの下降時のかご内気圧の変化を示すグラフである。 制御盤で実行されるかご内気圧制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 制御盤で実行されるかご内気圧制御の処理手順の別の例を示すフローチャートである。 制御盤で実行されるかご内気圧制御の処理手順の更に別の例を示すフローチャートである。 かご内気圧調整部をシリンダ及びピストンで構成した例を示す図である。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明に係るエレベーター10の設置例を示した図である。エレベーター10は、建造物1に設置されている。図1において建造物1は、例えば、地下1階Fbで、地上100階F1〜F100のビルディングが例示されている。
エレベーター10は、乗りかご12を備える。乗りかご12は、建造物1内で鉛直方向に延在する空間として設けられた昇降路2内に設置されている。昇降路2の天井部の上には、機械室3が設けられている。機械室3には、巻上機14が配置されている。巻上機14の綱車には、ロープ16が巻き掛けられている。ロープ16は巻上機14の綱車の両側から鉛直下方に垂下し、機械室3の床(すなわち昇降路2の天井部)の開口部を介して昇降路2内に延びている。ロープ16の一方端は、乗りかご12に連結されている。ロープ16の他方端は、釣合錘18に連結されている。これにより、エレベーター10では、巻上機14の駆動によって乗りかご12が昇降路2内で昇降移動するようになっている。
機械室3には、制御盤20が設置されている。制御盤20は、エレベーター10の動作を統括的に制御する制御部である。制御盤20は、例えば、中央演算処理装置(CPU)や記憶部(RAM,ROM)等を含むコンピュータを有しており、後述するかご内気圧制御を実行することができる。
図2は、図1に示したエレベーター10の乗りかご12を示す斜視図である。乗りかご12は、直方体状の箱体によって構成される。乗りかご12の一方側の側面には、乗降口22が設けられている。乗降口22にはかご扉24が設置されている。乗りかご12が各階Fb,F1〜F100に停止した状態で、かご扉24が乗場扉(図示せず)と共に開くことで、乗客が乗降口22を介して乗りかご12に乗降することができる。
図1及び図2に示すように、エレベーター10は、かご内気圧調整部30を備えている。かご内気圧調整部30は、タンク37及びコンプレッサ39と共に、乗りかご12の天井26の上に設置されている。
かご内気圧調整部30は、配管32を介してタンク37に接続されている。配管32には、給気弁33が配置されている。給気弁33は、開度調整可能な電磁弁によって好適に構成される。タンク37には、配管35を介してコンプレッサ39が接続されている。コンプレッサ39によって圧縮空気が配管35を介してタンク37に供給されて貯留されている。これにより、配管32に設けた給気弁33が開かれると、タンク37内に貯留されている圧縮空気が配管32を介してかご内気圧調整部30に供給されるようになっている。
図3は、乗りかご12に設置されたかご内気圧調整部30を示す断面図である。図3に示すように、かご内気圧調整部30は、乗りかご12内に連通する内部空間31を含み、この内部空間31の容積を増加または減少させることによってかご内気圧を調整する機能を有する。
かご内気圧調整部30は、内部空間31を覆って設けられた弾性膜部材34と、弾性膜部材34を伸縮させるアクチュエータ36とを有している。弾性膜部材34は、例えばゴムシートによって好適に構成される。アクチュエータ36は、筒状をなすシリンダ38と、シリンダ38を摺動するピストン40を備える。ピストン40によってシリンダ38の内部が第1室42aと第2室42bとに気密状に区画されている。
ピストン40に下端が連結されているピストンロッド44の上端部がシリンダ38の外部に気密状に延出している。ピストンロッド44の上端には取付部46が固定されており、この取付部46が例えば接着等によって弾性膜部材34の内面中央部に取り付けられている。
弾性膜部材34の外周端縁部は、筒状をなすベース部材48の上端面に気密状に取り付けられている。ベース部材48は、乗りかご12の天井26に固定されている。ベース部材48の内側下部には底板50が設けられており、この底板50上にアクチュエータ36が立設されている。底板50には、複数の貫通孔52が形成されており、これらの貫通孔52が乗りかご12の天井26に形成された開口部27に対向している。これにより、弾性膜部材34によって覆われた内部空間31が乗りかご12内と連通している。
図3に示すように、配管32は、かご内気圧調整部30の内部において給気管54を介して切換弁56に接続されている。切換弁56には第1給気管54a及び第2給気管54bが接続されており、第1給気管54aはシリンダ38内の第1室42aに圧縮空気を供給するように接続され、第2給気管54bはシリンダ38内の第2室42bに圧縮空気を供給するように接続されている。これにより、切換弁56の切換動作によって、圧縮空気をシリンダ38内の第1室42aまたは第2室42bに選択的に供給できるようになっている。
シリンダ38には、第1室42aから圧縮空気を排気するための第1排気管60aと、第2室42bから圧縮空気を排気するための第2排気管60bとが接続されている。第1排気管60aには第1排気弁58aが設けられ、第2排気管60bには第2排気弁58bが設けられている。第1排気管60aと第2排気管60bとは排気管60に合流し、排気管60を介してかご内気圧調整部30の外部に圧縮空気を排気できるようになっている。
上記のように構成されるかご内気圧調整部30では、第1排気弁58aを閉じると共に第2排気弁58bを開いた状態で、給気弁33を開いて配管32から給気管54、切換弁56及び第1給気管54aを介してシリンダ38内の第1室42aに圧縮空気を供給すると、シリンダ38内でピストンが押し上げられ、図3中に二点鎖線で示すように弾性膜部材34が伸びる。その結果、かご内気圧調整部30の内部空間31の容積が増加することで、乗りかご12内が減圧されることになる。
他方、第1排気弁58aを開くと共に第2排気弁58bを閉じた状態で、給気弁33を開いて配管32から給気管54、切換弁56及び第2給気管54bを介してシリンダ38内の第2室42bに圧縮空気を供給すると、シリンダ38内でピストンが押し下げられて弾性膜部材34が縮む。その結果、かご内気圧調整部30の内部空間31の容積が減少することで、乗りかご12内が加圧されることになる。
なお、本実施形態ではかご内気圧調整部30のアクチュエータ36が圧縮空気で作動する空圧式である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、油圧式のアクチュエータを用いてもよい。
図4は、かご内気圧調整部30を備えたエレベーター10の制御系を示すブロック図である。図4に示すように、制御盤20には、巻上機14、かご内操作盤15、給気弁33、切換弁56、第1排気弁58a、第2排気弁58b、及び、圧力計62が電気的に接続されている。
制御盤20は、巻上機14の動作を制御する。これにより、昇降路2内における乗りかご12の昇降移動および停止が制御される。かご内操作盤15は、乗りかご12内の壁面に設置されており、乗客が操作することによって行き先となる停止階の設定などを行うことができる。かご内操作盤15によって設定された停止階の情報は、制御盤20に送信されて、巻上機14の駆動制御に用いられる。
また、かご内操作盤15は、かご内気圧制御を不実施とするための操作ボタンや、乗りかご12の移動速度を通常よりも低速で行うことを指示するための低速運転ボタンなどが設けられているのが好ましい。これらのボタンは、例えば、タッチパネル式の表示部に表示され、乗客がタッチ操作することによって指示を受け付けることができる。
また、制御盤20は、給気弁33、第1排気弁58a及び第2排気弁58bに指令を送信して開閉制御や開度調整を行うことができ、切換弁56に指令を送信して給気管54を第1給気管54aに接続する状態、または、第2給気管54bに接続する状態に、切り換えることができる。
さらに、制御盤20には、圧力計62が接続されている。圧力計62は、乗りかご12内に設置され、乗りかご12内の気圧を検出して制御盤20に送信する。制御盤20は、圧力計62によって検出されたかご内気圧情報を、かご内気圧調整部30のアクチュエータ36の制御に用いることができる。
次に、図5A及び図5Bを参照して、かご内気圧調整部30によって実施されるかご内気圧制御について説明する。図5Aは、乗りかご12の上昇時のかご内気圧の変化を示すグラフであり、図5Bは乗りかご12の下降時のかご内気圧の変化を示すグラフである。
図5Aにおいて実線で示すように、乗りかご12が例えば1階F1である出発階から上昇移動して所定階数Fn以上の停止階に停止するとき、乗りかご12はかご内気圧は逆S字状に変化する。乗りかご12は完全気密状態ではないため、乗りかご12の外部(すなわち昇降路2内)の気圧低下に伴って低下する。かご内気圧は、最初は移動速度が加速する状態にあるときには比較的緩やかに低下するが、乗りかご12の上昇速度が最高速度に到達して一定になると単位時間辺りの上昇距離が大きくなることにより、比較的急に低下する。そして、乗りかご12が停止階に近づくにつれて上昇速度が減速し、これに伴ってかご内気圧の低下が緩やかになり、停止階に到達したときかご内気圧が最低となる。
かご内気圧制御を行わない場合、かご内気圧の単位時間当たりの変化量が大きくなるとき、乗りかご12内の乗客は耳詰まり等の不快感を覚えることがある。そのため、本実施形態のエレベーターでは、かご内気圧調整部30を用いて次のようなかご内気圧制御を実施する。
かご内気圧の単位時間当たりの変化量が増加から減少に転じる変曲点に対応する運転時間t1までは、かご内気圧調整部30を作動させてかご内気圧を矢印Pdwで示すように減圧する。具体的には、かご内気圧調整部30のピストン40を押し上げて弾性膜部材34を引き伸ばす。これにより、弾性膜部材34で気密状に覆われた内部空間31の容積が増加し、内部空間31に連通する乗りかご12内のかご室内気圧が低下する。
そして、運転時間t1から乗りかご12の停止までは、かご内気圧調整部30を作動させてかご内気圧を矢印Pupで示すように加圧する。具体的には、運転時間t1では乗りかご12内から外部への空気漏れによってかご内気圧が外部気圧と略等しくなるため、この運転時間t1のタイミングでかご内気圧調整部30のピストン40を下げる。これにより、弾性膜部材34で気密状に覆われた内部空間31の容積が減少し、内部空間31に連通する乗りかご12内のかご室内気圧が増加する。
このようにかご内気圧調整部30を用いてかご内気圧制御を実施することで、図5A中に二点鎖線で示すように、乗りかご12内の気圧変化を略直線状に低下させることができる。したがって、乗りかご12内の単位時間当たりの気圧変化量の最大値を小さくすることができ、その結果、乗りかご12内の乗客が感じる耳詰まり等の不快感を低減することができる。
図5B中に実線で示すように、乗りかご12が所定階数Fn以上(例えば20階F20以上)である出発階から下降移動して1階F1に停止するとき、乗りかご12のかご内気圧はS字状に変化する。乗りかご12は完全気密状態ではないため、乗りかご12の外部(すなわち昇降路2内)の気圧増加に伴って増加する。かご内気圧は、最初は移動速度が加速する状態にあるときには比較的緩やかに低下するが、乗りかご12の下降速度が最高速度に到達して一定になると単位時間辺りの上昇距離が大きくなることにより、比較的急に増加する。そして、乗りかご12が停止階に近づくにつれて下降速度が減速し、これに伴ってかご内気圧の増加が緩やかになり、停止階に到達したときかご内気圧が最高(すなわち1気圧)となる。
この場合には、かご内気圧の単位時間当たりの変化量が増加から減少に転じる変曲点に対応する運転時間t2までは、かご内気圧調整部30を作動させてかご内気圧を矢印Pupで示すように加圧し、運転時間t2から乗りかご12の停止までは、かご内気圧調整部30を作動させてかご内気圧を矢印Pdwで示すように減圧する。かご内気圧調整部30によるかご内気圧の増加および減少の動作は、乗りかご12の上昇時と同様である。
このようにかご内気圧調整部30を用いてかご内気圧制御を実施することで、図5B中に二点鎖線で示すよう、乗りかご12内の気圧変化を略直線状に増加させることができる。したがって、乗りかご12内の単位時間当たりの気圧変化量の最大値を小さくすることができ、その結果、乗りかご12内の乗客が感じる耳詰まり等の不快感を低減することができる。
なお、上記の運転時間t1,t2は、各種の条件において、実機を用いて計測した時間や、シミュレーションによって得られた時間を、制御盤20の記憶部に予め記憶させておき、乗りかご12の移動階数又は移送距離に応じて記憶部から導出して、必要に応じて演算、補正などを行ったものを用いることができる。
次に、図6〜図7を参照して、制御盤20において実行されるかご内気圧制御の処理手順について説明する。
図6は、制御盤20で実行されるかご内気圧制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、制御盤20は、ステップS10において乗りかご12の出発階情報を取得し、続くステップS12において乗りかご12の停止階情報を取得する。制御盤20は、乗りかご12の現在位置を常に把握しており、乗りかご12の現在位置情報が出発階情報になる。また、乗りかご12の停止階情報は、乗りかご12のかご内操作盤15によって乗客が指示した停止階となる。
続いて、制御盤20は、ステップS14において、乗りかご12の移動階数が所定階数Fn(所定値)以上であるか否かを判定する。ここで、所定階数Fnは、予め設定された一定値であってもよいし、或いは、当日の外気圧情報等に応じて変更されてもよい。上記ステップS14で否定判定(NO)されると、そのまま処理を終了する(エンド)。他方、ステップS14において肯定判定(YES)されると、制御盤20は、ステップS16において、かご内気圧制御を実施する。かご内気圧制御は、図5A及び図5Bを参照して上述したとおりである。
このように本実施形態のエレベーター10によれば、乗りかご12の一回の運転における移動階数が所定階数以上のときにかご内気圧制御を実施するため、かご内気圧調整部30を乗客が耳詰まり等の不快感を覚える可能性が高い場合に限定して動作させることができ、かご内気圧調整部30の動作回数や消費電力を抑えることができる。
制御盤20は、図7に示すかご内気圧制御を実行してもよい。図7は、制御盤20で実行されるかご内気圧制御の処理手順の別の例を示すフローチャートである。ここでは、図7に示す処理手順のうち、図6と相違するステップのみについて主として説明する。
図7に示すように、制御盤20は、図6の処理手順と同様にステップS10〜S14を実行する。そして、制御盤20は、ステップS14において肯定判定(YES)されたとき、続くステップS18において、かご内気圧制御の不実施が選択されたか否かを判定する。かご内気圧制御の不実施は、出発階で乗りかご12に乗り込んだ乗客がかご内操作盤15においてタッチ操作等することによって選択することができる。この選択を行うことを乗客に促すため、かご内操作盤15に設けたスピーカから音声メッセージを発してもよい。所定時間(例えば数秒間)内にかご内気圧制御の不実施が選択されない場合には、制御盤20はかご内気圧制御不実施の選択なしと判定することができる。
上記ステップS18において肯定判定(YES)されたとき、制御盤20はかご内気圧制御を実施することなくそのまま処理を終了する(エンド)。他方、上記ステップS18において否定判定(NO)されたとき、制御盤20はステップS16においてかご内気圧制御を実施する。
このように図7に示す構成によれば、乗客の要望に応じてかご内気圧制御を不実施とする選択が可能になる。
制御盤20は、図8に示すかご内気圧制御を実行してもよい。図8は、制御盤20で実行されるかご内気圧制御の処理手順の更に別の例を示すフローチャートである。ここでは、図8に示す処理手順のうち、図7と相違するステップのみについて主として説明する。
制御盤20は、図7に示す処理手順と同様にステップS10〜S18を実行する。図8に示すように、制御盤20は、ステップS18においてかご内気圧制御の不実施が選択されたと判定されたとき、続くステップS20において、乗りかご12の低速運転が選択されたか否かを判定する。ここで、乗りかご12の低速運転は、出発階で乗りかご12に乗り込んだ乗客がかご内操作盤15においてタッチ操作等することによって選択することができる。この選択を行うことを乗客に促すため、かご内操作盤15に設けたスピーカから音声メッセージを発してもよい。所定時間(例えば数秒間)内に乗りかご12の低速運転が選択されない場合には、制御盤20は乗りかご12の低速運転の選択なしと判定することができる。
上記ステップS20で肯定判定(YES)されたとき、制御盤20は、続くステップS22において乗りかご12の低速運転を実施する。この場合、乗りかご12の移動速度が通常運転速度よりも低速になり、その結果、かご内気圧の変化が通常速度の場合に比べて比較的緩やかになることで耳詰まり等の不快感の抑制につながる。他方、上記ステップS20で否定判定(NO)されたとき、制御盤20は、続くステップS16においてかご内気圧制御を実施する。
このように図8に示す構成によれば、乗客の要望に応じて乗りかごの低速運転を選択することが可能となり、その結果、通常速度での運転の場合に比べてかご内気圧の時間当たりの変化量が小さくなるため、かご内気圧制御を実施しなくても乗客に耳詰まり等の不快感を与えるのを抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記ではかご内気圧調整部30がアクチュエータ36で弾性膜部材34を伸縮させて内部空間31の容積を変更することによりかご内気圧を調整するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、シリンダ38aの下端開口を乗りかご12の天井26の開口部27に対向させた状態でシリンダ38aを天井26に気密状に固定し、シリンダ38aの上端面に設置したアクチュエータ36aによってシリンダ38a内でピストン40aを気密状に摺動させることによって、シリンダ38a内の下端部側の内部空間31の容積を変更してもよい。この場合、アクチュエータ36aには、空圧式、油圧式、電気式(モータ含む)等のものを用いることができる。
また、上述したかご内気圧制御では、乗りかご12の移動階数が所定階数以上の場合にかご内気圧制御を実施する場合について説明したが、これに限定されるものではない。制御盤20は、乗りかご12の移動距離が所定距離(所定値)以上であるときにかご内気圧制御を実施するように構成してもよい。制御盤20は、乗りかご12の現在位置を常に把握しているため、出発階情報と停止階情報に基いて乗りかご12の移動距離を導出することができる。
1 建造物、2 昇降路、3 機械室、10 エレベーター、12 乗りかご、14 巻上機、15 かご内操作盤、16 ロープ、18 釣合錘、20 制御盤、22 乗降口、24 かご扉、26 天井、27 開口部、30 かご内気圧調整部、31 内部空間、32 配管、33 給気弁、34 弾性膜部材、35 配管、37 タンク、39 コンプレッサ、36,36a アクチュエータ、38,38a シリンダ、40,40a ピストン、44 ピストンロッド、46 取付部、48 ベース部材、50 底板、52 貫通孔、54 給気管、56 切換弁、60 排気管、62 圧力計。

Claims (5)

  1. 昇降路内を昇降移動する乗りかごと、
    前記乗りかご内に連通する内部空間を含み、前記内部空間の容積を増加または減少させることによってかご内気圧を調整するかご内気圧調整部と、
    前記かご内気圧調整部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記乗りかごの一回の運転における移動階数または移動距離が所定値以上であるとき前記かご内気圧調整部を作動させてかご内気圧制御を実施する、エレベーター。
  2. 前記かご内気圧調整部は、前記内部空間を覆って設けられた弾性膜部材と、前記弾性膜部材を伸縮させるアクチュエータとを有しており、前記制御部は前記アクチュエータの動作を制御して前記弾性膜部材を伸縮させることにより前記内部空間の容積を変更する、請求項1に記載のエレベーター。
  3. 前記かご内気圧調整部は、前記内部空間を形成するシリンダ及びピストンと、前記シリンダ内で前記ピストンを駆動するアクチュエータとを有しており、前記制御部は前記アクチュエータの動作を制御して前記シリンダ内で前記ピストンを移動させることにより前記内部空間の容積を変更する、請求項1に記載のエレベーター。
  4. 前記制御部は、かご内気圧制御を実施するか否かを乗客に選択させるように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエレベーター。
  5. 乗客によってかご内気圧制御の不実施が選択されたとき、前記制御部は、前記乗りかごの低速運転を実施するか否かを乗客に選択させるように構成されている、請求項4に記載のエレベーター。
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