JP2020117142A - 車両の駐車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両を駐車して乗員が車両から降車した状態から、車両を押して移動可能とする車両の駐車装置を提供する。【解決手段】車両のパーキングギヤを係止するパーキングロックを実行する電動パーキングロック装置11と、車両のパーキングブレーキを作動させる電動パーキングブレーキ装置12と、車両の外部から電動パーキングロック装置11及び電動パーキングブレーキ装置12の作動状態を切り換え可能な移動用スイッチ20と、移動用スイッチ20の操作が継続されている間、電動パーキングロック装置11によるパーキングロックと、電動パーキングブレーキ装置12によるパーキングブレーキの作動と、を一時的に解除する制御装置30と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、駐車時において車両を移動可能とする車両の駐車装置に関する。
アクチュエータによりシフトレンジを切り換え可能な自動変速装置を備えた車両において、車両駐車時に、例えばイグニッションスイッチオフ時に、シフトレンジを強制的にパーキングレンジに切り替える機能を備えるものがある。
また、特許文献1には、上記のようにエンジン等の駆動源が停止した際に、シフトレンジを強制的にパーキングレンジに切り替える機能を有する車両において、シフトレンジがパーキングポジションでないときにエンジン等の駆動源が停止された場合に、その後シフトレンジをパーキングポジションに変更する操作を行うと、シフトレンジをニュートラル状態に維持する機能が提案されている。これにより、エンジン等の駆動源が停止された後でも車両を手で押して移動することが可能となる。
特開2011−74981号公報
特許文献1では、車両からの降車前にあらかじめ車両を手で押すことが分かっている場合には有効である。しかしながら、例えば車両を駐車場等に停車して、エンジン等の駆動源を停止させた後に、運転者が車両後方に移動して、車両のリヤドアを開作動させて車室内に荷物の積み下ろしを行おうとした際に、車両後方の障害物によりリヤドアが十分に開閉できるスペースが確保できないことに気づいた場合に、特許文献1の車両では再度車室内に戻って、エンジンの始動、停止、シフトレンジの操作を行わなければならず、車両後部から移動せずに車両を押して移動させることが不可能であった。
また、車両を駐車する際には、通常、パーキングブレーキを作動させるので、例えパーキングレンジに切り替えたとしても、車両を押して移動させることは困難である。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、車両を駐車して乗員が車両から降車した状態から、車両を押して移動可能とする車両の駐車装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の車両の駐車装置は、車両のパーキングギヤを係止するパーキングロックを作動させる電動パーキングロック装置と、前記車両のパーキングブレーキを作動させる電動パーキングブレーキ装置と、前記車両の外部から前記電動パーキングロック装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の作動状態を切り換え可能な操作部と、前記操作部の操作が継続されている間、前記電動パーキングロック装置によるパーキングロックと、前記電動パーキングブレーキ装置によるパーキングブレーキの作動と、を一時的に解除する制御部と、を備えたことを特徴とする。
これにより、電動パーキングロック装置によるパーキングロック及び電動パーキングブレーキ装置によるパーキングブレーキを作動させて車両を駐車し、車両から乗員が降車した後で、車両外部から操作部を操作することで、パーキングロック及びパーキングブレーキを解除することができる。
また、好ましくは、前記制御部は、前記操作部の操作が開始されてから第1の所定時間経過した場合、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を終了するとよい。
これにより、操作部の操作を開始してパーキングロック及びパーキングブレーキの作動を一時解除してから第1の所定時間経過後に当該一時解除を終了するので、パーキングロック及びパーキングブレーキを自動的に作動させて、車両が逸走するような過度な移動を防止することができる。
また、好ましくは、前記操作部の操作が開始されてからの前記車両の移動距離を検出する移動距離検出部を備え、前記制御部は、前記操作部の操作開始後における前記車両の移動距離が第1の所定距離を超えた場合に、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を終了するとよい。
これにより、操作部の操作を開始してパーキングロック及びパーキングブレーキを一時解除して車両を第1の所定距離を超えて移動させると当該一時解除を終了するので、パーキングロック及びパーキングブレーキを自動的に作動させて、車両が逸走するような過度な移動を防止することができる。
また、好ましくは、前記車両が位置している路面の傾斜角を検出する傾斜角検出部を備え、前記制御部は、前記路面の傾斜角が所定角度を超えている場合に、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を規制するとよい。
これにより、車両の傾斜角が所定角度を超えている場合にはパーキングロック及びパーキングブレーキが一時解除されず、車両の逸走を防止することができる。
また、好ましくは、前記車両は、車両後方に開放するリヤドアを備え、前記操作部は、前記車両の後部に備えられているとよい。
これにより、車両を駐車してリヤドアを開放しようとした際に、車両後方に障害物が存在してリヤドアが十分に開放できない場合に、車両の後部に備えられている操作部を操作することでパーキングロック及びパーキングブレーキを一時解除し、車両を前方に押して移動させることができる。これにより、リヤドアを十分に開放させて、車両後部から荷物等を積み下ろしすることが可能となる。
また、好ましくは、前記操作部は、ユーザが携帯可能な携帯機器に備えられているとよい。
これにより、車両を駐車した後に、車外から携帯機器に備えられた操作部を操作してパーキングロック及びパーキングブレーキを一時解除し、車両を押して移動させることができる。
また、好ましくは、前記車両の周囲の障害物を検出する障害物検出部を備え、前記制御部は、前記操作部の操作が開始されてからの前記車両の移動方向において、前記障害物が第2の所定距離範囲内に位置することを検出した場合に、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を規制するとよい。
これにより、車両の駐車後に操作部を操作してパーキングロック及びパーキングブレーキを一時解除し、車両を移動させようとした際に、車両の移動方向に障害物が存在した場合には、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除を規制して作動させ、車両を停止させて障害物への接触を回避することができる。
また、好ましくは、前記操作部を操作したときの前記電動パーキングブレーキ装置の作動状態を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除が終了した際に、前記記憶部に記憶された前記作動状態に前記電動パーキングブレーキ装置を制御するとよい。
これにより、駐車した際に意図的にパーキングブレーキを作動させずに降車した場合には、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除が終了した際にパーキングブレーキを作動させずに、意図したパーキングブレーキの状態に戻すことができる。
また、好ましくは、前記車両のキーの認証を行うキー認証装置を備え、前記制御部は、前記キーの認証が行われていない場合には、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を規制するとよい。
これにより、車両の所有者が車両付近にいない場合に、操作部を操作してもパーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除が行われないので、車両外部の操作部を他人がいたずらで操作したとしても、車両が移動可能になってしまうことを防止することができる。
また、好ましくは、前記制御部は、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除が終了した際に、前記パーキングブレーキを作動させてから第2の所定時間経過後に前記パーキングロックを作動させるとよい。
これにより、パーキングブレーキを作動させてすぐにパーキングロックを作動させないので、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除終了後すぐに操作部を再度操作したときに、電動パーキングブレーキの解除のみで車両をすぐに移動可能にすることができる。
本発明の車両の駐車装置によれば、車両外部から操作部を操作することで、パーキングロック及びパーキングブレーキを解除することができるので、駐車後に乗員が降車した状態から当該乗員が容易に車両を押して移動させることが可能となる。
本発明の実施形態における駐車装置を採用した車両の駐車イメージ図である。 本発明の実施形態における車両の駐車装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態の駐車装置における駐車制御要領を示すフローチャートの一部である。 本実施形態の駐車装置における駐車制御要領を示すフローチャートの残部である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態における駐車装置を採用した車両1の駐車イメージ図である。図2は、本発明の実施形態における車両1の駐車装置2の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の駐車装置2を備えた車両1は、車両後面にリヤドア3を備え、車両後方から車内の荷室に荷物を積み下ろし可能な車両である。
リヤドア3は、車両後面を略上下方向全面に亘って延び、上端部のヒンジ部4を揺動中心として略水平になるまで上下方向に揺動可能に車両1の後端部に支持されている。
車両1は、走行駆動源として例えばエンジン5を搭載している。また、エンジン5と車両1の車輪(走行駆動輪)6との間の動力伝達路に介装される変速機7は、車室内の図示しないシフトレバーの操作によって、変速段をドライブレンジ、ニュートラルレンジ、パーキングレンジ等に切り換え可能となっている。
なお、ドライブレンジは、エンジン5と車輪6との間の駆動力の伝達路を接続する。ニュートラルレンジは、エンジン5と車輪6との間の駆動力の伝達路を切断し、エンジン5と車輪6とが互いに独立して回転可能となる。パーキングレンジは、エンジン5と車輪6との間の駆動力の伝達路を切断するとともに車輪6の回転が規制される。
図2に示すように、車両1には、電動パーキングロック装置11及び電動パーキングブレーキ装置12、キー認証装置13が備えられている。
電動パーキングロック装置11は、車輪6に接続されているパーキングギヤを係止して、車輪6の回転を規制する、所謂パーキングロックを行うパーキングロック機構と、当該パーキングロック機構を作動させる電動アクチュエータによって構成されている。電動パーキングロック装置11は、シフトレバーがパーキングレンジに操作された際に、車両停止状態を含む所定の条件で作動してパーキングロックを行う。
電動パーキングブレーキ装置12は、停車時に車輪(例えば後輪)を制動するパーキングブレーキ装置を電動アクチュエータによって作動させるように構成されている。電動パーキングロック装置11は、例えば車両1の運転席近傍に配置されたスイッチを操作することで電動アクチュエータによりパーキングブレーキ装置を作動させ、駐車時における車両1の移動を規制する機能を有する。
キー認証装置13は、携帯用のキーレスエントリ装置を認証する装置であり、車両1に対応したキーレスエントリ装置が車内または車両1の周囲に位置する際に、車両1の作動を許可するキー認証が可能となっている。
また、車両1には、車輪6の回転速度を検出する車輪速センサ14(移動距離検出部)、車両1の傾斜角、すなわち車両1が位置している路面の傾斜角を検出する傾斜角センサ15(傾斜角検出部)、車両1の周囲、例えば車両1の前方の障害物を検出する障害物センサ16(障害物検出部)が備えられている。
本実施形態の駐車装置2は、上記の電動パーキングロック装置11、電動パーキングブレーキ装置12、キー認証装置13、車輪速センサ14、傾斜角センサ15、障害物センサ16、及び車両1の補機用バッテリ17を含むとともに、移動用スイッチ20(操作部)、起動用スイッチ21、保持用スイッチ22、制御電源リレー23、制御装置30(制御部、移動距離検出部、記憶部)を備えている。
移動用スイッチ20は、モーメンタリスイッチであり、車両1の外部、例えば車両1のリヤドア3の外壁面に備えられている。移動用スイッチ20は、制御装置30に電源を供給して、後述する駐車制御を実行開始するためのスイッチである。
起動用スイッチ21は、トランジスタのスイッチング機能を利用したものであり、移動用スイッチ20がONになることで、制御電源リレー23をオン作動させる。
制御電源リレー23は、オン状態で、車両1の補機用バッテリ17と制御装置30とを接続して、補機用バッテリ17から制御装置30に電力を供給させる。
保持用スイッチ22は、トランジスタのスイッチング機能を利用したものであり、起動した制御装置30から電力を供給されて制御電源リレー23を励磁状態に保持する機能を有する。
制御装置30は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、タイマ及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成され、補機用バッテリ17から制御電源リレー23を介して電力が供給されている状態で作動し、キー認証装置13によるキー認証結果、車輪速センサ14による車輪速度、傾斜角センサ15による車両1の傾斜角、障害物センサ16による車両1の周囲の障害物の検出結果を入力し、電動パーキングロック装置11及び電動パーキングブレーキ装置12を作動制御する。
図3、4は、本実施形態の駐車装置2における駐車制御要領を示すフローチャートである。
本制御は、制御装置30において実行されるが、起動用スイッチ21、保持用スイッチ22、制御電源リレー23による制御装置30への電力供給制御も含む。したがって、本制御は、車両1の電源のオンオフに拘わらず実行される。
始めに、ステップS10では、移動用スイッチ20がONであるか否かを判別する。移動用スイッチ20がONである場合には、ステップS20に進む。移動用スイッチ20がOFFである場合には、図4のステップS140に進む。
ステップS20では、起動用スイッチ21をONとする(移動用スイッチ20がONになることで、起動用スイッチ21がONとなる)。これにより、制御電源リレー23がONとなる。そして、ステップS30に進む。
ステップS30では、制御装置30を起動する。なお、タイマにより制御装置30の起動からの時間を計測開始する。そして、ステップS40に進む。
ステップS40では、保持用スイッチ22をONとする。これにより、移動用スイッチ20がOFF状態であっても、制御電源リレー23がON状態で保持され、制御装置30の電源が保持される。そして、ステップS50に進む。
ステップS50では、制御装置30が起動直後であるか否かを判別する。制御装置30が起動直後であるか否かについては、タイマによって計測されている制御装置30の起動からの経過時間が例えば1秒以下であるか否かによって判別すればよい。制御装置30が起動直後でない場合には、ステップS70に進む。起動直後である場合には、ステップS60に進む。
ステップS60では、パーキングブレーキ状態を記憶する。詳しくは、パーキングブレーキが作動している状態であるか否かを記憶する。そして、ステップS70に進む。
ステップS70では、キー認証装置13によるキー認証が完了しているか否かを判別する。キー認証が完了している場合には、ステップS80に進む。キー認証が完了していない場合には、スタートに戻る。
ステップS80では、傾斜角センサ15によって検出した車両1の傾斜角が所定角度(車両1が逸走しない範囲の角度)以下であるか否かを判別する。傾斜角が所定角度以下である場合には、ステップS90に進む。傾斜角が所定角度を超えている場合には、スタートに戻る。
ステップS90では、電動パーキングロック装置11によるパーキングロックを解除する。したがって、変速機7がニュートラルレンジと同様に設定される。そして、ステップS100に進む。
ステップS100では、電動パーキングブレーキ装置12によるパーキングブレーキを解除する。なお、この時点より例えば車輪速センサ14による車輪速度に基づいて、車両1の走行距離を数cm単位で測定開始する。また、タイマによってパーキングブレーキを解除してからの経過時間を計測する。そして、ステップS110に進む。
ステップS110では、ステップS90においてパーキングブレーキを解除してから移動した車両の移動距離が第1の所定距離を超えたか否かと、パーキングブレーキを解除してからの経過時間が第1の所定時間を超えたか否かを判別する。第1の所定距離は、リヤドア3を完全に開作動するのに必要な距離、例えばリヤドア3の上下長さに設定すればよい。第1の所定時間は、車両1を押してリヤドア3を完全に開作動するのに必要な距離を移動させるのに必要な時間、例えば数秒程度に設定すればよい。車両1の移動距離が第1の所定距離を超過したことと、経過時間が第1の所定時間を超えたことのいずれかが満たされた場合には、ステップS130に進む。車両1の移動距離が第1の所定距離以下であり、かつ経過時間が第1の所定時間以下である場合には、ステップS120に進む。
ステップS120では、障害物センサ16により車両前方に近接して、詳しくは車両前方の第2の所定距離以下に、障害物が存在するか否かを判別する。第2の所定距離は、車両1が時速数km程度の速度で移動している状態からパーキングブレーキを作動して車両1が停止するまでに必要な距離以上に設定すればよい。車両前方に近接して障害物が存在する場合は、ステップS130に進む。車両前方に近接して障害物が存在しない場合には、スタートに戻る。
ステップS130では、電動パーキングブレーキ装置12によるパーキングブレーキを作動させる。そして、スタートに戻る。
図4のステップS140では、制御装置30が起動しているか否かを判別する。制御装置30が起動している場合には、ステップS150に進む。制御装置30が起動していない場合には、スタートに戻る。
ステップS150では、例えば車輪速センサ14による車輪速度に基づいて、車両停止状態であるか否かを判別する。車両停止状態である場合には、ステップS170に進む。車両停止状態でない場合には、ステップS160に進む。
ステップS160では、電動パーキングブレーキ装置12によるパーキングブレーキを作動させる。そして、スタートに戻る。
ステップS170では、車両停止してから第2の所定時間経過したか否かを判別する。第2の所定時間は、例えば数秒に設定すればよい。車両停止してから第2の所定時間経過した場合には、ステップS180に進む。車両停止してから第2の所定時間経過していない場合には、スタートに戻る。
ステップS180では、電動パーキングロック装置11によるパーキングロックを作動させる。そして、ステップS190に進む。
ステップS190では、ステップS60において記憶されたパーキングブレーキの作動状態となるように電動パーキングブレーキ装置12の作動を復元する。そして、ステップS200に進む。
ステップS200では、保持用スイッチ22をOFFとする。したがって、制御電源リレー23がOFFとなる。そして、ステップS210に進む。
ステップS210では、制御電源リレー23を介した補機用バッテリ17から制御装置30への電力供給が遮断されるので、制御装置30が作動停止する。そして、スタートに戻る。
以上のように、本実施形態の車両1の駐車装置2は、電動パーキングロック装置11によるパーキングロック、及び電動パーキングブレーキ装置12によるパーキングブレーキを解除させる移動用スイッチ20を車両1の外部であるリヤドア3に備えている。
そして、移動用スイッチ20を操作することで、車両電源のオンオフに拘わらず、即ち車両駐車時であっても、パーキングロック及びパーキングブレーキが解除されるので、車両1を外部から押して移動させることができる。
したがって、例えば図1に示すように壁等の障害物Bに車両後方を向けて駐車し、リヤドア3を開けて車両後部から荷物の積み下ろしをしようとした際に、車両1と障害物B等との距離が短くてリヤドア3が完全に開けることができなかった場合に、車両後部の移動用スイッチ20を押すことで、パーキングロック及びパーキングブレーキを解除させ、乗員等が車両1を前方に押して移動させることが可能となる。これにより、乗員が車両後部から車両1の運転席に移動して電動パーキングブレーキ装置12の解除操作や変速機7をニューラルレンジに操作する必要がなく、車両後部から乗員が移動せずに、容易に車両1を移動させることができる。また、車両後部において車両1のリヤドア3と障害物Bとの間隔を直接目視で確認しながら車両1を押すことができるので、車両1を正確に必要な距離だけ移動させることができる。また、移動用スイッチ20を押している間だけパーキングロック及びパーキングブレーキが解除されるので、移動用スイッチ20の操作を終了するだけで簡単に車両1を停車させ、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除を終了させることができる。
また、制御装置30は、移動用スイッチ20が操作されてパーキングロック及びパーキングブレーキを解除してから第1の所定時間経過後または車両1の移動距離が第1の所定距離を超えた場合に、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除を終了して作動させる。これにより、パーキングロック及びパーキングブレーキを解除させて車両1を移動させた際に、車両が大きく逸走してしまうような過度な移動を防止することができる。
また、制御装置30は、車両1の傾斜角が所定角度を超えている場合に、例え移動用スイッチ20が操作されても、パーキングロック及びパーキングブレーキの解除を行わない。これにより、傾斜地において移動用スイッチ20を押した際に車両1が逸走することを防止することができる。
また、制御装置30は、キー認証装置13が認証されていない場合には、例え移動用スイッチ20が操作されても、パーキングロックの解除及びパーキングブレーキの解除を行わない。これにより、車両1の所有者が車両付近にいない場合に、他人がいたずらで移動用スイッチ20を操作したとしても、車両1が移動可能になってしまうことを防止することができる。
また、制御装置30は、パーキングロック及びパーキングブレーキの解除を行った後、障害物センサ16によって車両1の移動方向(本実施形態では前方)に障害物が検出された場合、詳しくは障害物が車両1の前方の第2の所定距離範囲内に近接して位置する場合には、パーキングブレーキの一時解除を終了して作動させる。これにより、パーキングロック及びパーキングブレーキを解除して車両1を移動させた際に、車両1が障害物に接触することを回避することができる。
また、制御装置30は、移動用スイッチ20を操作したときの電動パーキングブレーキ装置12の作動状態を記憶しており、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除が終了した際に、この記憶した作動状態に電動パーキングブレーキ装置12の作動状態を復元する。これにより、例えば寒冷地のように駐車した際に意図的にパーキングブレーキを作動させずに降車した場合には、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除が終了した際にパーキングブレーキを作動させずに、意図したパーキングブレーキの状態に自動的に戻すことができる。
また、制御装置30は、車両停止してから第2の所定時間経過した後にパーキングロックを作動させる。したがって、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除が終了した際に、パーキングブレーキを作動させて車両停止してから第2の所定時間以上経過した後にパーキングロックを作動させるので、パーキングロック及びパーキングブレーキの一時解除終了後すぐに移動用スイッチ20を再操作した場合に、パーキングロックは作動しておらず、パーキングブレーキの解除のみで車両1をすぐに移動可能にすることができる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定するものではない。
例えば上記実施形態の駐車制御におけるステップ110において、パーキングブレーキを解除してからの車両1の移動距離と経過時間の両方を判定しているが、いずれか一方のみ実行してもよい。また、キー認証、傾斜角、障害物の夫々の判定については、適宜選択して実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、車両1のリヤドア3に移動用スイッチ20を配置したが、スマートキー等の携帯機器に移動用スイッチ20を設けてもよい。また、移動用スイッチ20を車両後部のリヤドア3以外の場所に配置してもよい。
また、上記実施形態では、障害物センサ16を車両1の一方向(前方)の障害物を検出するものとしたが、障害物センサ16を車両の全方向(前後左右)の障害物を検出するものとしてもよい。上記実施形態では、車両1のリヤドア3に移動用スイッチ20を配置し、車両1の後方から前方へ車両を押して移動させることを前提に、障害物センサ16を車両1の前方の障害物を検出するものとしたが、移動用スイッチ20を車両後部のリヤドア3以外の場所やスマートキー等の携帯機器に設けた場合、車両1の移動方向が一方向に特定できない場合がある。この場合は、障害物センサ16を車両の全方向の障害物を検出するものとし、移動用スイッチ20が操作された後の車両1の移動方向における障害物の有無からパーキングロック及びパーキングブレーキを制御すればよい。
また、上記実施形態では、リヤドア3を大きく開くために、パーキングロック及びパーキングブレーキを解除して、車両1を前方に押して移動可能となるようにしたが、リヤドア3以外の車両1のドアを大きく開くために、パーキングロック及びパーキングブレーキを解除するようにしてもよい。例えば車両後部の側面に設けられたドアが車両側方の障害物によって開閉不能である場合に、移動用スイッチ20を押してパーキングロック及びパーキングブレーキを解除し、車両側方の障害物から離れた位置に車両1を押して移動するようにしてもよい。本発明は、各種の形状の車両に広く適用することができる。
1 車両
2 駐車装置
3 リヤドア
11 電動パーキングロック装置
12 電動パーキングブレーキ装置
13 キー認証装置
14 車輪速センサ(移動距離検出部)
15 傾斜角センサ(傾斜角検出部)
16 障害物センサ(障害物検出部)
20 移動用スイッチ(操作部)
30 制御装置(制御部、移動距離検出部、記憶部)

Claims (10)

  1. 車両のパーキングギヤを係止するパーキングロックを作動させる電動パーキングロック装置と、
    前記車両のパーキングブレーキを作動させる電動パーキングブレーキ装置と、
    前記車両の外部から前記電動パーキングロック装置及び前記電動パーキングブレーキ装置の作動状態を切り換え可能な操作部と、
    前記操作部の操作が継続されている間、前記電動パーキングロック装置によるパーキングロックと、前記電動パーキングブレーキ装置によるパーキングブレーキの作動と、を一時的に解除する制御部と、
    を備えたことを特徴とする車両の駐車装置。
  2. 前記制御部は、前記操作部の操作が開始されてから第1の所定時間経過した場合、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を終了することを特徴とする請求項1に記載の車両の駐車装置。
  3. 前記操作部の操作が開始されてからの前記車両の移動距離を検出する移動距離検出部を備え、
    前記制御部は、前記操作部の操作開始後における前記車両の移動距離が第1の所定距離を超えた場合に、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を終了することを特徴とする請求項1または2に記載の車両の駐車装置。
  4. 前記車両が位置している路面の傾斜角を検出する傾斜角検出部を備え、
    前記制御部は、前記路面の傾斜角が所定角度を超えている場合には、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を規制することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両の駐車装置。
  5. 前記車両は、車両後方に開放するリヤドアを備え、
    前記操作部は、前記車両の後部に備えられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両の駐車装置。
  6. 前記操作部は、ユーザが携帯可能な携帯機器に備えられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両の駐車装置。
  7. 前記車両の周囲の障害物を検出する障害物検出部を備え、
    前記制御部は、前記操作部の操作が開始されてからの前記車両の移動方向において、前記障害物が第2の所定距離範囲内に位置することを検出した場合に、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を終了することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車両の駐車装置。
  8. 前記操作部を操作したときの前記電動パーキングブレーキ装置の作動状態を記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除が終了した際に、前記記憶部に記憶された前記作動状態に前記電動パーキングブレーキ装置を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車両の駐車装置。
  9. 前記車両のキーの認証を行うキー認証装置を備え、
    前記制御部は、前記キーの認証が行われていない場合には、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除を規制することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の車両の駐車装置。
  10. 前記制御部は、前記パーキングロック及び前記パーキングブレーキの一時解除が終了した際に、前記パーキングブレーキを作動させてから第2の所定時間経過後に前記パーキングロックを作動させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の車両の駐車装置。
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