JP2020115195A - 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記下引き層が金属酸化物粒子を含有し、23±2℃において、強度5×104(V/cm)の電界を与えたときの体積抵抗率ρが1×107(Ω・cm)以上、2×108(Ω・cm)未満の範囲内であり、
前記下引き層の層厚が10〜40μmの範囲内であり、かつ、前記感光層の層厚が30〜50μmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。
前記下引き層が金属酸化物粒子を含有し、23±2℃において、強度5×104(V/cm)の電界を与えたときの体積抵抗率ρが2×107(Ω・cm)以上、1×108(Ω・cm)未満の範囲内であり、
前記電荷輸送層が、下記一般式(1)〜(4)で表される構造を有する化合物から選ばれるいずれかの化合物を含有し、かつ、電荷輸送層の層厚が29μm以上、50μm未満の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
前記電子写真感光体として、第1項から第4項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
[電子写真感光体の基本構成]
図1は、本発明の電子写真感光体の構成の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の電子写真感光体の主要構成要素の詳細について説明する。
導電性支持体は、導電性を有するものであれば良く、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス等の金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム又は紙などが挙げられる。
本発明の電子写真感光体では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する下引き層を有する。
本発明に係る下引き層が含有する金属酸化物粒子は、特に制限はないが、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化スズ微粒子又は酸化アルミニウム微粒子であることが好ましい。また、金属酸化物微粒子の個数平均一次粒径は1〜300nmの範囲内であることが好ましい。特に好ましくは3〜100nmの範囲内である。
本発明に係る金属酸化物粒子は、シランカップリング剤による表面処理が施されていることが好ましく、更には、反応性有機基を有するカップリング剤で表面修飾されたものがより好ましい。
S−2:CH2=CHSi(OCH3)3
S−3:CH2=CHSiCl3
S−4:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OC2H5)(OCH3)2
S−7:CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9:CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10:CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11:CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17:CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19:CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20:CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21:CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22:CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23:CH2=CHSi(OCH3)3
S−24:CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−25:CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−26:CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−27:CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−28:CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−29:CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−30:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
S−31:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)2(OCH3)
S−32:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCOCH3)2
S−33:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(ONHCH3)2
S−34:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OC6H5)2
S−35:CH2=CHCOO(CH2)2Si(C10H21)(OCH3)2
S−36:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH2C6H5)(OCH3)2
S−37:(CH3O)2(CH3)SiC3H6NHC2H4NH2
S−38:(CH3O)3SiC3H6NHC2H4NH2
S−39:(CH3O)3SiC3H6NH2
S−40:(C2H5O)3SiC3H6NH2
S−41:(C2H5O)3SiC3H6N=C(CH3)(C4H9)
S−42:(CH3O)3SiC3H6NH−(C6H5)
また、シランカップリング剤としては、上記S−1〜S−42以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらのシランカップリング剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に係る下引き層の体積抵抗率ρは、23±2℃において、強度5×104(V/cm)の電界を与えたときの体積抵抗率ρが1×107(Ω・cm)以上、2×108(Ω・cm)未満の範囲内であることを特徴とする。
下引き層の層厚d(cm)、電界強度E(V/cm)、電流I(A)、有効電極面積S(cm2、上記の場合S=2cm2)より、下式(A)に従って、体積抵抗率ρを求めることができる。測定は、すべて23±2℃の環境下で行う。
本発明に係る下引き層の体積抵抗率ρを、本発明で規定する範囲に達成する方法としては、特に制限はないが、下引き層を構成する金属酸化物微粒子の種類や添加量、下引き層の層厚等を適宜調整することにより、1×107(Ω・cm)以上、2×108(Ω・cm)未満の範囲内の体積抵抗率ρとすることができる。
下引き層の形成に用いる下引き層形成用塗布液の調製に用いる溶媒としては、前述した金属酸化物微粒子等の無機微粒子を良好に分散させ、ポリアミド樹脂をはじめとするバインダー樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、及びsec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。また、保存性や無機微粒子の分散性を向上させるために、前記溶媒に対して以下のような助溶剤を併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
前述したように、本発明の電子写真感光体を構成する感光層は、例えば、図1の(a)で示すような電荷発生機能と電荷輸送機能を一つの層に付与した単層構成の感光層104の他に、図1の(b)で示すような、少なくとも、電荷発生層105(CGL)と電荷輸送層106(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。このように、機能分離型の層構成の感光層104とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすいメリットがある。負帯電性感光体は、下引き層103の上に電荷発生層105(CGL)、その上に電荷輸送層106(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は下引き層103の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい感光層104の層構成は、図1の(b)で示すような機能分離構造を有する負帯電性感光体である。
本発明に係る電荷発生層105は、電荷発生物質(CGM)とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
本発明に係る電荷輸送層106は、少なくとも層内に電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも、下引き層、感光層、又は電荷発生層及び電荷輸送層で構成される感光層を順に積層してなるものであるが、本発明の効果を阻害しない範囲で他の層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、例えば、下記工程を経ることにより製造することができる。以下、電子感光体の一例として、導電性支持体上に、接着層、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に形成した場合の製造方法を説明する。なお、下引き層に接着性がある場合には、接着層の形成は不要である。
工程(2):導電性支持体状に形成された接着層の外周面に下引き層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより、下引き層を形成する工程
工程(3):導電性支持体上に形成された下引き層の外周面に電荷発生層形成用塗布液を塗布し、必要により乾燥することにより電荷発生層を形成する工程
工程(4):下引き層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程
以下、各工程について説明する。
接着層は、溶媒中に接着層用バインダー樹脂を溶解させて接着層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を導電性支持体上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を必要により乾燥することにより形成することができる。
下引き層は、溶媒中に、バインダー樹脂と、金属酸化物粒子と、前述の溶媒を用いて下引き層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を導電性支持体上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層は、前述の溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を下引き層上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層は、前述の溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂及び電荷輸送物質を溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
本発明の電子写真画像形成方法は、少なくとも、
1)電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
2)当該電子写真感光体の表面を露光することにより、静電潜像を形成する露光工程と
3)当該静電潜像をトナーにより顕像化しトナー画像を形成する現像工程と、
4)当該トナー画像を転写媒体に転写する転写工程と、
を有し、1)〜4)で使用する電子写真感光体が本発明の電子写真感光体であることを特徴とする。
5)残存トナーを除去するクリーニング工程と、
6)残存電荷を除去する除電工程を
有していてもよい。
次いで、具体的な電子写真画像形成方法について、電子写真画像形成装置を用いて説明する。
《体積抵抗率測定用の下引き層サンプルの形成》
〔表面修飾金属微粒子の調製〕
下記各組成物を撹拌しながら混合した後、120℃で1時間の熱処理を行い、表面修飾酸化亜鉛微粒子を調製した。酸化亜鉛微粒子としては、MZ300(テイカ社製)を使用した。同様に、酸化亜鉛微粒子を酸化チタン微粒子に変更して、表面修飾酸化チタン微粒子を得た。酸化チタン微粒子として、STM150MK(テイカ社製)を使用した。
酸化亜鉛微粒子:MZ300(テイカ社製) 80質量部
シランカップリング剤:KBM503(信越化学工業株式会社) 1質量部
トルエン 1000質量部
上記の各組成物を撹拌しながら混合した後、120℃で1時間の熱処理を行い、表面修飾酸化亜鉛微粒子を調製した。
酸化チタン微粒子:STM150MK(テイカ社製) 80質量部
シランカップリング剤:KBM503(信越化学工業株式会社) 1質量部
トルエン 1000質量部
上記の各組成物を撹拌しながら混合した後、120℃で1時間の熱処理を行い、表面修飾酸化チタン微粒子を調製した。
(下引き層塗布液1の調製)
表面修飾酸化亜鉛微粒子(MZ300表面処理品) 100質量部
赤色染料:アリザリン 0.8質量部
架橋剤:イソシアネート(コロネート2507:東ソー社製) 15質量部
樹脂バインダー:塩ビ酢ビ共重合体樹脂(VMCH:ユニオンカーバイド社製)
8質量部
溶媒1:メチルエチルケトン 62質量部
溶媒2:シクロヘキサノン 5質量部
上記の各構成材料を混合した後サンドミルにて分散処理して、下引き層塗布液1を調製した。
次いで、前記図2で説明したように、スライドガラス基板502上に、2.66×10−3Pa以下の真空度で、アルミニウムを真空蒸着し、測定面積が2cm2の基板側アルミニウム電極503Aを形成した。
上記下引き層UCL1サンプルの作製において、下引き層UCL1の形成に用いた下引き層塗布液1に代えて下記下引き層塗布液2を用いて、層厚が12.1μmの下引き層UCL2を形成した以外は同様にして下引き層UCL2サンプルを作製した。
上記下引き層塗布液1の調製において、赤色染料であるアリザリンの添加量を、0.5質量部に変更した以外は同様にして、下引き層塗布液2を調製した。
上記下引き層UCL1サンプルの作製において、下引き層UCL1の形成に用いた下引き層塗布液1に代えて下記下引き層塗布液3を用いて、層厚が20.0μmの下引き層UCL3を形成した以外は同様にして下引き層UCL3サンプルを作製した。
上記下引き層塗布液1の調製において、赤色染料であるアリザリンの添加量を、0.3質量部に変更した以外は同様にして、下引き層塗布液3を調製した。
上記下引き層UCL1サンプルの作製において、下引き層UCL1の形成に用いた下引き層塗布液1に代えて下記下引き層塗布液4を用いて、同一条件で下引き層をそれぞれ形成した以外は同様にして下引き層UCL4、4−2、4−3、4−4サンプルを作製した。上記各下引き層の層厚は、それぞれ表Iに記載したとおりである。
上記下引き層塗布液1の調製において、金属酸化物微粒子として、表面修飾酸化亜鉛微粒子に代えて、上記調製した表面修飾酸化チタン微粒子を用いた以外は同様にして、下引き層塗布液4を調製した。
上記下引き層UCL1サンプルの作製において、下引き層UCL1の形成に用いた下引き層塗布液1に代えて下記下引き層塗布液5を用いて、層厚が30.7μmの下引き層UCL5を形成した以外は同様にして下引き層UCL5サンプルを作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:酸化チタン微粒子(SAMT600S) 440質量部
無機微粒子:酸化チタン微粒子(SAM150MK) 100質量部
溶媒1:エタノール 1250質量部
溶媒2:1−プロパノール 560質量部
溶媒3:テトラヒドロフラン 970質量部
〔下引き層UCL6サンプルの作製:比較例〕
上記下引き層UCL1サンプルの作製において、下引き層UCL1の形成に用いた下引き層塗布液1に代えて下記下引き層塗布液6を用いて塗布し、160℃で1時間の熱処理を行って、層厚が5.4μmの下引き層UCL6を形成した以外は同様にして下引き層UCL6サンプルを作製した。
〈金属酸化物微粒子の前処理1〉
酸化亜鉛微粒子(前出) 500質量部
シランカップリング剤(KBM603 信越化学社製) 5質量部
トルエン 3000質量部
上記各構成材料を撹拌しながら、混合した後、120℃で1時間の熱処理を行い、表面修飾酸化亜鉛微粒子を得た。
表面修飾酸化亜鉛微粒子 500質量部
アリザリン 10質量部
テトラヒドロフラン(THF) 3000質量部
上記各構成材料を40℃で10時間加熱しながら、撹拌及び混合をした後、ろ別し、乾燥することで、染料処理酸化亜鉛微粒子を得た。
450質量部のメチルエチルケトンに対し、ポリビニルブチラール(BL−S:積水化学工業社製)を45質量部混合溶解させたものに、
染料処理酸化亜鉛微粒子 450質量部
アクリルポリオール(固形分50%、アクリディックA814 大日本インキ社製)
50質量部
イソシアネート(コロネート2507 東ソー社製)80%液 100質量部
2−プロパノール 55質量部
を添加混合し、ジルコニアビーズ(平均粒径:0.5mm)とともにサンドミルに入れ、10時間分散し、分散液を調製した。
上記下引き層UCL6サンプルの作製において、下引き層UCL6の形成に用いた下引き層塗布液6に代えて下記下引き層塗布液7を用いて塗布し、120℃で30分間乾燥させて、層厚が12.4μmの下引き層UCL7を形成した以外は同様にして下引き層UCL7サンプルを作製した。
バインダー:ポリアミド樹脂(ダイアミドX4685:ダイセル・エポニック社)
100質量部
無機微粒子:酸化チタン微粒子(SAMT600S) 540質量部
溶媒1:エタノール 1250質量部
溶媒2:1−プロパノール 560質量部
溶媒3:テトラヒドロフラン 970質量部
〔下引き層UCL8サンプルの作製:比較例〕
上記下引き層UCL6サンプルの作製において、下引き層UCL6の形成に用いた下引き層塗布液6に代えて下記下引き層塗布液8を用いて、層厚が21.2μmの下引き層UCL8を形成した以外は同様にして下引き層UCL8サンプルを作製した。
上記下引き層塗布液6の調製において、金属酸化物微粒子として、表面修飾酸化亜鉛微粒子に代えて、上記調製した表面修飾酸化チタン微粒子を用いた以外は同様にして、下引き層塗布液8を調製した。
上記下引き層UCL6サンプルの作製において、下引き層UCL6の形成に用いた下引き層塗布液6に代えて下記下引き層塗布液9を用いて塗布し、120℃で30分間乾燥させて、層厚が28.2μmの下引き層UCL9を形成した以外は同様にして下引き層UCL9サンプルを作製した。
バインダー樹脂:ポリアミド樹脂(CM8000:東レ社製) 100質量部
無機微粒子:酸化チタン微粒子(SMT500SAS) 120質量部
無機微粒子:酸化チタン微粒子(SMT150MK) 160質量部
溶媒1:メタノール 1360質量部
溶媒2:1−プロパノール 340質量部
〔下引き層UCL10サンプルの作製:比較例〕
上記下引き層UCL9サンプルの作製において、下引き層UCL9の形成に用いた下引き層塗布液9中の酸化チタン微粒子(SMT150MK)の添加量を240質量部に変更した以外は同様にして調製した下引き層塗布液10を用いて、層厚が38.8μmの下引き層UCL10を形成した以外は同様にして下引き層UCL10サンプルを作製した。
図2に記載の下引き層の体積抵抗率測定装置を用いて、上記作製した各下引き層サンプルについて、下記の方法に従って体積抵抗率を測定した。
以上により作製した各下引き層の構成について、表Iに示す。
下記の方法に従って、導電性支持体上に、各種下引き層/電荷発生層/電荷輸送層を順次形成して電子写真感光体1〜13を作製した。
(導電性支持体)
円筒状のアルミニウム基体φ60mm×L362mm×t1mmを用いた。
上記下引き層UCL1サンプルの作製に用いた下引き層UCL1を同様の方法で、層厚が抵抗測定サンプルと同等(20.7μm)となる条件で形成して、これを下引き層(UCL1)とした。得られたUCL1の層厚は、21.2μmであった。
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液を調製し、上記下引き層(UCL1)上に浸漬塗布し、0.2μmの電荷発生層(CGL)を形成した。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(*1:Y−TiOPc Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの)
20質量部
電荷発生層用バインダー樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業社製) 10質量部
溶媒1:酢酸t−ブチル 900質量部
溶媒2:MMP(4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン) 100質量部
(電荷輸送層(CTL1)の形成)
上記形成した電荷発生層(CGL)上に、下記の方法で調製した電荷輸送層塗布液1を浸漬塗布法で塗布し、層厚が34.5μmの電荷輸送層(CTL1)を形成し、電子写真感光体1を作製した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550 三菱ガス化学社製)
100質量部
電荷輸送物質:例示化合物1−2(一般式(1)で表される構造を有する化合物)
60質量部
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン 6質量部
溶媒1:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒2:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96:信越化学社製) 0.12質量部
[電子写真感光体2〜5の作製:本発明]
上記電子写真感光体1の作製において、下引き層(UCL1)に代えて、上記作製した下引き層(UCL2)〜(UCL5)に変更し、表IIに記載の層厚となるように変更した以外は同様にして、電子写真感光体2〜5を作製した。
上記電子写真感光体1の作製において、下引き層として下引き層4−2を用い、電荷輸送層(CTL1)に代えて、下記の方法で調製した電荷輸送層塗布液2を用いて、電荷輸送層(CTL2)を形成した以外は同様にして、電子写真感光体6を作製した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550 三菱ガス化学社製)
100質量部
電荷輸送物質:例示化合物2−2(一般式(2)で表される構造を有する化合物)
60質量部
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン 6質量部
溶媒1:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒2:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96:信越化学社製) 0.12質量部
[電子写真感光体7の作製:本発明]
上記電子写真感光体1の作製において、下引き層として下引き層4−3を用い、電荷輸送層(CTL1)に代えて、下記の方法で調製した電荷輸送層塗布液3を用いて、電荷輸送層(CTL3)を形成した以外は同様にして、電子写真感光体7を作製した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550 三菱ガス化学社製)
100質量部
電荷輸送物質:例示化合物3−8(一般式(3)で表される構造を有する化合物)
60質量部
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン 6質量部
溶媒1:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒2:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96:信越化学社製) 0.12質量部
[電子写真感光体8の作製:本発明]
上記電子写真感光体1の作製において、下引き層として下引き層4−3を用い、電荷輸送層(CTL1)に代えて、下記の方法で調製した電荷輸送層塗布液4を用いて、電荷輸送層(CTL4)を形成した以外は同様にして、電子写真感光体8を作製した。
バインダー:ポリカーボネート樹脂(FPC6550 三菱ガス化学社製)
100質量部
電荷輸送物質:例示化合物4−1(一般式(4)で表される構造を有する化合物)
60質量部
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン 6質量部
溶媒1:テトラヒドロフラン 808質量部
溶媒2:トルエン 197質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96:信越化学社製) 0.12質量部
[電子写真感光体9〜13の作製:比較例]
上記電子写真感光体1の作製において、下引き層(UCL1)に代えて、上記作製した下引き層(UCL6)〜(UCL10)に変更し、表IIに記載の層厚となるように変更した以外は同様にして、電子写真感光体9〜13を作製した。
下記の方法に従って、上記作製した電子写真感光体の画像特性及び帯電劣化耐性の評価を行った。
(ネガメモリーの評価)
各電子写真感光体を装着したデジタルフルカラー複合機「bizhub PRO C1070」(コニカミノルタ社製)を用いて、オリジナル原稿として、図5の(a)に記載のオリジナル原稿を用いて、電子写真感光体1周目のオリジナル原稿の黒ベタ部とハーフトーン部に対応する、図5の(b)で示す感光体2周目のハーフトーン部の画像濃度の差(ネガメモリー)をマクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて評価した。
各電子写真感光体を装着したデジタルフルカラー複合機「bizhub PRO C1070」(コニカミノルタ社製)を用いて、オリジナル原稿として、図5の(a)の原稿を用いて、図5の(c)で示すような電子写真感光体面上での照度(照射光量)が2μJ/cm2と10μJ/cm2の時のハーフトーン部分の画像濃度の差(ポジメモリー)をマクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて評価した。
○:上記測定値がいずれも0.02未満で良好である
△:上記測定値のいずれか一方が0.02以上、0.04未満であり実用上許容される範囲である
×:ネガメモリー又はポジメモリー・カブリのいずれか一方が、0.04以上で実用上問題がある
××:ネガメモリー及びポジメモリー・カブリのいずれもが、0.04以上で実用上問題がある
〔帯電劣化耐性の評価〕
繰り返し電位の測定は、以下のようにして行った。各電子写真感光体を装着したデジタルフルカラー複合機「bizhub PRO C1070」(コニカミノルタ社製)を用いて、1万枚のプリント後の画像を、上記画像特性の評価と同様にして評価した。
したがって、本発明の電子写真感光体は、カブリ、画像メモリー及びゴーストの発生を抑制し、耐久性に優れた電子写真感光体であることがわかった。
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 一次転写ローラー
5b 二次転写ローラー
6Y、6M、6C、6K、6b クリーニング手段
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A、22B、22C、22D 中間ローラー
23 レジストローラー
24 定着手段
25 排紙ローラー
26 排紙トレイ
30 ブレード部材
31 支持部材
41Y 現像手段4Yが備える現像スリーブ
70 中間転写体ユニット
71、72、73、74 ローラー
77 中間転写体
80、501 筐体
82L、82R 支持レール
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 転写材
100A、100B 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 下引き層
104 感光層
105 電荷発生層
106 電荷輸送層
211 感光体
217 露光の光
220 帯電極
222 露光用光源
223 現像器
224 転写媒体
225 転写ローラー
227 クリーニングブレード
228 除電ランプ
300 電子写真画像形成装置
500 体積抵抗率測定装置
502 スライドガラス基板
503A、503B 基板側アルミニウム電極
504 下引き層
505 表面側アルミニウム電極
506 保護抵抗
507、511 はんだ
508、512 ボンディングワイヤー
509 直流電源
510 基準アース
513 微小電流計
514 接地アース
Claims (7)
- 導電性支持体上に、少なくとも、下引き層及び感光層を順次積層してなる電子写真感光体であって、
前記下引き層が金属酸化物粒子を含有し、23±2℃において、強度5×104(V/cm)の電界を与えたときの体積抵抗率ρが1×107(Ω・cm)以上、2×108(Ω・cm)未満の範囲内であり、
前記下引き層の層厚が10〜40μmの範囲内であり、かつ、前記感光層の層厚が30〜50μmの範囲内であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記感光層が、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層で構成され、
前記下引き層が金属酸化物粒子を含有し、23±2℃において、強度5×104(V/cm)の電界を与えたときの体積抵抗率ρが2×107(Ω・cm)以上、1×108(Ω・cm)未満の範囲内であり、
前記電荷輸送層が、下記一般式(1)〜(4)で表される構造を有する化合物から選ばれる化合物を含有し、かつ、電荷輸送層の層厚が29μm以上、50μm未満の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層が含有する金属酸化物が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、又は酸化アルミニウムを含有し、かつ、シランカップリング剤による表面処理が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、チタニルフタロシアニン化合物又はガリウムフタロシアニン化合物を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 少なくとも、電子写真感光体を用い、帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を経て画像を形成する電子写真画像形成方法であって、
前記電子写真感光体として、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。 - 前記電子写真感光体の表面を除電する除電工程を有していないことを特徴とする請求項5に記載の電子写真画像形成方法。
- 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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