JP2020109587A - 設備点検システム、設備点検方法及びプログラム - Google Patents

設備点検システム、設備点検方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2020109587A
JP2020109587A JP2019000747A JP2019000747A JP2020109587A JP 2020109587 A JP2020109587 A JP 2020109587A JP 2019000747 A JP2019000747 A JP 2019000747A JP 2019000747 A JP2019000747 A JP 2019000747A JP 2020109587 A JP2020109587 A JP 2020109587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inspection
component
importance
equipment
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019000747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7110991B2 (ja
Inventor
駿 佐藤
Shun Sato
駿 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2019000747A priority Critical patent/JP7110991B2/ja
Priority to US16/680,735 priority patent/US11293836B2/en
Publication of JP2020109587A publication Critical patent/JP2020109587A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7110991B2 publication Critical patent/JP7110991B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M13/00Testing of machine parts
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q10/00Administration; Management
    • G06Q10/20Administration of product repair or maintenance
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/418Total factory control, i.e. centrally controlling a plurality of machines, e.g. direct or distributed numerical control [DNC], flexible manufacturing systems [FMS], integrated manufacturing systems [IMS], computer integrated manufacturing [CIM]
    • G05B19/4184Total factory control, i.e. centrally controlling a plurality of machines, e.g. direct or distributed numerical control [DNC], flexible manufacturing systems [FMS], integrated manufacturing systems [IMS], computer integrated manufacturing [CIM] characterised by fault tolerance, reliability of production system
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q50/00Systems or methods specially adapted for specific business sectors, e.g. utilities or tourism
    • G06Q50/04Manufacturing
    • GPHYSICS
    • G07CHECKING-DEVICES
    • G07CTIME OR ATTENDANCE REGISTERS; REGISTERING OR INDICATING THE WORKING OF MACHINES; GENERATING RANDOM NUMBERS; VOTING OR LOTTERY APPARATUS; ARRANGEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS FOR CHECKING NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • G07C3/00Registering or indicating the condition or the working of machines or other apparatus, other than vehicles
    • G07C3/14Quality control systems
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/32Operator till task planning
    • G05B2219/32371Predict failure time by analysing history fault logs of same machines in databases
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Human Resources & Organizations (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Tourism & Hospitality (AREA)
  • Strategic Management (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Economics (AREA)
  • General Business, Economics & Management (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Marketing (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Primary Health Care (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Entrepreneurship & Innovation (AREA)
  • Operations Research (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】適切なタイミングで設備の構成部位を点検するような点検計画を作成することが可能な設備点検システムを提供する。【解決手段】設備点検システム1は、指標取得部226と、重要度判定部228と、点検時期決定部232とを有する。指標取得部226は、少なくとも1つの影響指標を取得する。重要度判定部228は、影響指標に基づいて、構成部位の点検の重要度を判定する。点検時期決定部232は、重要度に応じて、構成部位の点検時期を決定する。【選択図】図2

Description

本発明は、設備点検システム、設備点検方法及びプログラムに関し、特に、設備の点検に関する設備点検システム、設備点検方法及びプログラムに関する。
産業用ロボット等の設備を用いて、車体等の加工工場において、溶接及び塗装等の予め定められた作業が行われる。設備は、モータ、ブレーキ及び減速機等の構成部位を用いて所定の動作を行う。このような設備においては、設備が稼働中に意図せずに停止するといったことを防止するため、設備の保守作業(保全作業又は点検作業)が行われる。
上記の技術に関連し、特許文献1は、実際の故障発生時期が揺らいだ場合の保守品質の低下を抑制可能な保守作業間隔を決定できる保守作業間隔決定装置を開示する。特許文献1にかかる保守作業間隔決定装置は、施設における故障発生率が従うと仮定する統計的分布である故障分布について、想定故障件数と実績故障件数との差が予め設定された件数合致条件を満たすか否かを判定する。そして、特許文献1にかかる保守作業間隔決定装置は、件数合致条件を満たすと判定された故障分布に基づいて、施設における保守作業間隔を決定する。
特開2016−224862号公報
設備の構成部位(部品等)によって、その構成部位の故障が設備の稼働に与える影響の大きさは、異なり得る。例えば、ある構成部位については、一度故障すると設備の復旧までに多大な時間がかかる場合がある。このような構成部位については、上記影響の大きさが大きい。一方、別の構成部位については、故障したとしても設備の復旧までにそれほど時間がかからない場合があり、又は、定期交換時期まで点検作業を行わなくてもよい場合もある。このような構成部位については、上記影響の大きさが小さい。構成部位の故障が設備の稼働に与える影響の大きさが大きい場合は、その構成部位の点検の重要度が高くなる。一方、構成部位の故障が設備の稼働に与える影響の大きさが小さい場合は、点検の重要度が低くなる。
一方、上述した特許文献1においては、施設を構成する構成部位それぞれについての点検の重要度を考慮していない。したがって、施設の構成部位の点検を、適切なタイミングで行うことができないおそれがあった。
本発明は、適切なタイミングで設備の構成部位を点検するような点検計画を作成することが可能な設備点検システム、設備点検方法及びプログラムを提供するものである。
本発明にかかる設備点検システムは、設備の構成部位の故障が前記設備の稼働に与える影響の度合を示す少なくとも1つの影響指標を取得する指標取得部と、前記影響指標に基づいて、前記構成部位の点検の重要度を判定する重要度判定部と、前記重要度に応じて、前記構成部位の点検時期を決定する点検時期決定部とを有する。
また、本発明にかかる設備点検方法は、設備の構成部位の故障が前記設備の稼働に与える影響の度合を示す少なくとも1つの影響指標を取得し、前記影響指標に基づいて、前記構成部位の点検の重要度を判定し、前記重要度に応じて、前記構成部位の点検時期を決定する。
また、本発明にかかるプログラムは、設備の構成部位の故障が前記設備の稼働に与える影響の度合を示す少なくとも1つの影響指標を取得するステップと、前記影響指標に基づいて、前記構成部位の点検の重要度を判定するステップと、前記重要度に応じて、前記構成部位の点検時期を決定するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明は、上記のように、設備の構成部位それぞれの点検の重要度を考慮して点検計画を作成するので、構成部位ごとに適切なタイミングで点検を行うような点検計画を作成することが可能となる。つまり、点検周期が長くてもよいような構成部位については点検周期を長くし、点検周期を短くする必要がある構成部位については点検周期を短くするようにするような点検計画を作成することが可能となる。
また、好ましくは、前記構成部位に故障が発生するごとに、前記指標取得部は、前記影響指標を取得し、前記点検時期決定部は、前記構成部位の点検時期を更新する。
このように構成されることによって、設備の保守活動の向上により影響指標の度合が低下した場合に、必要となる頻度を超えて過剰に点検することを抑制することができる。
また、好ましくは、前記構成部位に故障が発生するごとに、前記重要度判定部は、前記構成部位についての前記重要度を更新する。
このように構成されることによって、設備の保守活動の向上により影響指標の度合が低下したときに、必要となる頻度を超えて過剰に点検することを抑制することができる。
また、好ましくは、前記構成部位が故障すると予測される時期に基づいて点検時期の候補を算出する候補算出部をさらに有し、前記点検時期決定部は、前記重要度が予め定められたランク以下であり、かつ、予め定められた前記構成部位の定期交換時期が前記点検時期の候補よりも早く到来する場合に、当該構成部位を点検項目から除外する。
このように構成されることによって、点検を行う必要がほとんどない構成部位を点検することが抑制されるので、点検作業の効率化を図ることが可能となる。
また、好ましくは、前記影響指標は、前記構成部位が故障したときに当該構成部位を有する前記設備の復旧に要する時間に関する第1の指標と、前記構成部位を交換してから次に故障する時期までの当該構成部位を有する前記設備の稼働時間に関する第2の指標とを含む。
第1の指標及び第2の指標は、設備の可用性及び信頼性などを管理するために一般的に使用されている指標である。したがって、影響指標としてこれらの第1の指標及び第2の指標を用いることで、より容易に、点検の重要度を判定することが可能となる。
本発明によれば、適切なタイミングで設備の構成部位を点検するような点検計画を作成することが可能な設備点検システム、設備点検方法及びプログラムを提供できる。
実施の形態1にかかる設備点検システムを示す図である。 実施の形態1にかかる設備点検システムの各装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態1にかかる予兆情報を例示する図である。 実施の形態1にかかる故障履歴を例示する図である。 実施の形態1にかかる設備点検システムによって実行される設備点検方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる重要度判定チャートを例示する図である。 実施の形態1にかかる点検時期決定部によって実行される処理を示すフローチャートである。 実施の形態1において、ある構成部位について点検項目を追加する場合の処理を示すフローチャートである。 実施の形態2にかかる設備点検システムによって実行される設備点検方法を示すフローチャートである。 実施の形態2にかかる重要度判定チャートを例示する図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
図1は、実施の形態1にかかる設備点検システム1を示す図である。また、図2は、実施の形態1にかかる設備点検システム1の各装置の構成を示す機能ブロック図である。設備点検システム1は、複数の設備10と、制御装置100と、管理装置200とを有する。設備点検システム1は、例えば、複数の加工工程を有する工場に設けられている。そして、後述するように、設備点検システム1は、設備10の構成部位の点検時期(点検周期)を決定するように構成されている。ここで、「点検周期」が定まれば、実質的に一意に次回の点検時期が決定するため、「点検周期」を決定するということは、「点検時期」を決定することとなる。
設備10は、例えば、産業用ロボット等の機器である。以下に示す実施の形態では、設備10が産業用ロボットである例について説明する。しかしながら、設備10は、産業用ロボットに限られない。
制御装置100は、複数の設備10それぞれごとに設けられていてもよい。管理装置200は、設備点検システム1に少なくとも1つ設けられていればよい。制御装置100は、例えば、設備10と有線又は無線を介して通信可能に接続されている。また、管理装置200は、例えば、制御装置100と有線又は無線を介して通信可能に接続されている。制御装置100は、対応する設備10の動作を制御するために必要な処理を行う。管理装置200は、複数の設備10それぞれについての点検計画を作成するために必要な処理を行う。したがって、管理装置200は、点検計画作成装置として機能する。
設備10は、例えば、車両の製造ラインの近傍等に設置されている。設備10は、例えば、車両に対して溶接(例えばスポット溶接)、塗装(例えば中塗り又は上塗り)等の予め定められた作業を行うためのロボットである。設備10は、1つ以上のアーム12を有する。アーム12は、1つ以上の関節14を有する。関節14は、モータ装置20を有する。モータ装置20は、関節14を駆動するモータ22と、モータ22の動力を関節14に伝達する減速機24とを有する。また、モータ装置20は、モータ22の回転を制動するブレーキ26を有する。さらに、モータ装置20は、モータ22の回転角度を検出するエンコーダ28を有する。制御装置100は、モータ22及びブレーキ26の動作を制御することで、関節14を動作させる。これにより、設備10は、所望の動作を行うように構成されている。つまり、実施の形態1にかかる設備10は、関節14を駆動させて動作する関節駆動ロボットである。また、アーム12、関節14及びモータ装置20は、設備10の構成部位である。さらに、モータ22、モータのベアリング(図示せず)、減速機24、ブレーキ26及びエンコーダ28は、設備10の構成部位である。
制御装置100は、例えばコンピュータとしての機能を有する。制御装置100は、設備10の内部に搭載されてもよいし、設備10と有線又は無線を介して通信可能に接続されてもよい。制御装置100は、設備10の近傍に設置された制御盤又は操作盤であってもよい。この場合、制御装置100も、設備10の構成部位である。制御装置100は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、I/O(Input/Output)104及びUI(User Interface)105を有する。
CPU101は、制御処理及び演算処理等を行う処理デバイス(プロセッサ)としての機能を有する。ROM102は、CPU101によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するストレージとしての機能を有する。RAM103は、処理データ等を一時的に記憶するメモリとしての機能を有する。I/O104は、入出力装置であり、設備10又は管理装置200等の外部からデータ及び信号を入力し、外部にデータ及び信号を出力する。UI105は、例えばキーボード等の入力デバイスと、例えばディスプレイ等の出力デバイスとから構成される。なお、UI105は、入力デバイスと出力デバイスとが一体となったタッチパネルとして構成されてもよい。また、UI105は、制御盤等で構成された制御装置100から物理的に独立し、制御装置100のCPU101等と有線又は無線で接続されたリモコンであってもよい。なお、ROM102は、設備10を制御するための動作プログラム(ティーチングデータ)を格納できるように構成されている。
管理装置200は、例えばコンピュータとしての機能を有する。管理装置200は、例えば、設備点検システム1が設けられた工場の中央監視室等に設置され得る。管理装置200は、ハードウェアとして、CPU201、ROM202、RAM203、I/O204及びUI205を有する。
CPU201は、制御処理及び演算処理等を行う処理デバイス(プロセッサ)としての機能を有する。ROM202は、CPU201によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するストレージとしての機能を有する。RAM203は、処理データ等を一時的に記憶するメモリとしての機能を有する。I/O204は、入出力装置であり、制御装置100等の外部からデータ及び信号を入力し、外部にデータ及び信号を出力する。UI205は、例えばキーボード等の入力デバイスと、例えばディスプレイ等の出力デバイスとから構成される。なお、UI205は、入力デバイスと出力デバイスとが一体となったタッチパネルとして構成されてもよい。
図2に示すように、制御装置100は、設備制御部110と、計測データ取得部112と、データ処理部114と、データ出力部116と、点検支援部120とを有する。点検支援部120は、点検計画表示部122と、故障情報入力部124とを有する。これらの制御装置100の各構成要素の機能の説明は後述する。
なお、図2に示した制御装置100の各構成要素は、CPU101がROM102に記憶されたプログラムを実行することによって実現可能である。また、制御装置100は、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてそのプログラムをインストールするようにしてもよい。なお、図2に示した制御装置100の各構成要素は、上記のようにソフトウェアによって実現されることに限定されず、何らかの回路素子等のハードウェアによって実現されてもよい。
また、図2に示した制御装置100の各構成要素の1つ以上は、制御装置100とは別の装置によって実現されてもよい。例えば、点検支援部120は、制御装置100とは別の装置(例えば、設備10の保守作業者が携帯する、タブレット端末等の携帯端末)によって実現されてもよい。つまり、設備10の制御を行い、必要なデータ及び情報を取得する装置と、設備10の点検作業を支援する装置とは、物理的に別の装置であってもよい。
図2に示すように、管理装置200は、予兆管理部210と、点検計画作成部220とを有する。予兆管理部210は、データ格納部212と、予兆情報生成部214と、予兆判定部216とを有する。点検計画作成部220は、故障情報取得部222と、故障履歴格納部224と、指標取得部226と、重要度判定部228と、候補算出部230と、点検時期決定部232と、点検計画出力部234と、予備品管理部236とを有する。これらの管理装置200の各構成要素の機能の説明は後述する。
なお、図2に示した管理装置200の各構成要素は、CPU201がROM202に記憶されたプログラムを実行することによって実現可能である。また、制御装置100と同様に、管理装置200は、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてそのプログラムをインストールするようにしてもよい。なお、制御装置100と同様に、図2に示した管理装置200の各構成要素は、上記のようにソフトウェアによって実現されることに限定されず、何らかの回路素子等のハードウェアによって実現されてもよい。また、図2に示した管理装置200の各構成要素の1つ以上は、管理装置200とは別の装置(例えば制御装置100)によって実現されてもよい。
次に、図2に示した制御装置100の各構成要素について説明する。
設備制御部110は、設備10の動作を制御する。設備制御部110は、ROM102に格納された動作プログラム(ティーチングデータ)に従って、設備10を制御してもよい。具体的には、設備制御部110は、設備10のモータ装置20の動作を制御する。つまり、設備制御部110は、モータ装置20のモータ22及びブレーキ26を制御する。さらに具体的には、設備制御部110は、制御値(指令値)である指令電流値を示す指令電流をモータ22に送信して、モータ22を動作させる。また、設備制御部110は、エンコーダ28から、モータ22の回転角度を示すエンコーダ値を受信する。設備制御部110は、エンコーダ値が示す回転角度を用いて、フィードバック制御等により、設備10の関節14が所定の動作を行うように、モータ22を回転させてもよい。さらに、設備制御部110は、ブレーキ信号(ブレーキ開放信号)をブレーキ26に送信し、ブレーキ26を開放させる。
計測データ取得部112は、モータ装置20において計測された計測データを取得する。このとき、計測データ取得部112は、設備10の識別情報とともに、計測データを取得してもよい。計測データは、設備10(モータ装置20)の動作状態を示す生データである。したがって、計測データ取得部112は、設備10の動作状態を取得する動作状態取得部としての機能を有し得る。計測データは、例えば、指令電流値、ブレーキ信号、エンコーダ値、発熱温度等である。しかしながら、計測データは、これらの値に限られない。例えば、計測データ取得部112は、モータ電流値を取得してもよい。
データ処理部114は、計測データ取得部112によって取得された計測データを処理して、予兆管理に使用可能な予兆管理データに変換する処理を行う。データ出力部116は、予兆管理データを管理装置200に出力する。計測データが時系列に沿って取得されるので、予兆管理データは、設備10の時系列に沿った動作状態を示している。予兆管理データは、例えば、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差、振幅、吸引時間、平均温度等であるが、これらに限られない。
例えば、データ処理部114は、指令電流値を用いて、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等を取得する。平均指令電流値は、例えば、設備10の1サイクルの動作における指令電流値の平均値である。また、最大電流値は、例えば、設備10の1サイクルの動作における指令電流値の最大値である。また、標準偏差は、例えば、指令電流値の平均値からのバラつきである。また、振幅は、指令電流値の振れ幅(1周期中の山谷差)である。なお、データ処理部114は、振幅の平均値(設備10の1サイクルの動作における平均値)又は振幅の最大値(設備10の1サイクルの動作における最大値)を取得してもよい。
平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅は、モータ装置20のベアリング又はギア(減速機24)の劣化の進行に応じて大きくなる傾向がある。したがって、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅は、設備10の構成部位であるベアリング又はギアに関する故障の予兆を管理するのに使用され得る。ここで、「故障」とは、構成部位が全く機能を果たさなくなった場合だけでなく、十分な性能で稼働することができない程度の動作不良(異常)が発生した場合も含み得る。
また、データ処理部114は、エンコーダ値を用いて、モータ回転速度を取得する。モータ回転速度は、エンコーダ値(回転角度)の変化量から、算出され得る。ここで、データ処理部114は、モータ回転速度が略一定(回転速度の振れ幅が一定範囲以内)であるときの指令電流値を用いて、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等を取得してもよい。これにより、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等から、モータ回転速度の変動による影響を除外できる。つまり、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等が、設備10の各部位の劣化の進行(故障の兆候)をより確実に示すこととなる。
また、データ処理部114は、ブレーキ信号から、吸引時間を取得する。吸引時間は、ブレーキ信号(ブレーキ開放信号)が送信されてから、実際にブレーキ26が開放されて、設備10の関節14が動作可能となるまでの時間である。したがって、データ処理部114は、ブレーキ信号の発生時間と、実際に設備10が動作可能となった時間(例えばエンコーダ値の立ち上がり時間又はモータ電流値の立ち上がり時間)との差分を、吸引時間としてもよい。吸引時間は、ブレーキ26のディスクが摩耗すると長くなる傾向がある。したがって、吸引時間は、設備10の構成部位であるブレーキ26に関する故障の予兆を管理するのに使用され得る。
点検支援部120は、設備10の保守作業者が設備10の構成部位の点検等の保守作業を支援するための機能を有する。点検計画表示部122は、後述する点検計画作成部220によって作成された点検計画に関する情報をUI105に表示する。例えば、点検計画表示部122は、本日行うべき点検計画に関する情報を、UI105に表示する。なお、点検支援部120が携帯端末に設けられている場合は、点検計画表示部122は、本日行うべき点検計画等に関する情報を、携帯端末のUIに表示する。例えば、点検計画表示部122は、本日点検すべき設備10の構成部位を表示する。
故障情報入力部124は、保守作業者がUI105を操作することによって、故障情報を受け付ける。故障情報は、故障が発見された構成部位、日付、及び故障の内容等を含む。つまり、保守作業者は、ある構成部位を点検して故障を発見した場合は、故障情報入力部124によって、故障情報を入力する。故障情報入力部124は、入力された故障情報を、管理装置200に出力する。
次に、図2に示した管理装置200の各構成要素について説明する。
予兆管理部210は、構成部位それぞれについて、故障が発生する予兆を管理する。データ格納部212は、制御装置100のデータ出力部116から予兆管理データを取得して格納する。特に、データ格納部212は、故障が発生した構成部位に関する予兆管理データを格納し得る。なお、予兆管理部210は、全ての構成部位について、予兆管理を行う必要はない。例えば、予兆管理部210は、ブレーキ26については予兆管理を行い、減速機24については予兆管理を行わなくてもよい。
予兆情報生成部214は、予兆管理データを用いて、各構成部位の故障の予兆を管理するための情報である予兆情報を生成する。予兆情報は、例えば、対応する構成部位の故障の予兆を表す予兆管理データの値の進行と、故障が発生すると予想される予兆管理データの閾値とを含んでもよい。予兆情報生成部214は、予兆情報を、構成部位ごとに生成し得る。例えば、ある設備10(例えば設備#1)における構成部位(例えばブレーキ26)に故障が発生したとする。この場合、予兆情報生成部214は、その故障した構成部位の予兆管理データ(例えば吸引時間)の時系列に沿った進行と、故障が発生したときの予兆管理データの値と、構成部位が稼働を開始してから故障が発生するまでの期間とから、予兆情報を生成する。なお、さらに、別の設備10(例えば設備#2)における構成部位(例えばブレーキ26)に故障が発生した場合、設備#1の構成部位のデータと設備#2のデータとの平均値から、予兆情報を生成してもよい。
図3は、実施の形態1にかかる予兆情報を例示する図である。図3に例示した予兆情報は、ある構成部位について、予兆管理データの値の、前回の故障日(つまり構成部位の交換日)から、故障が発生すると予測される故障予測日までの進行を示すグラフである。横軸は日付(時間経過)であり、縦軸は対応する構成部位の故障の予兆を表す予兆管理データ(例えば吸引時間)の値である。そして、図3に例示する予兆情報(グラフ)を用いて、前回故障日N(日)からX日が経過した(N+X)日に、予兆管理データがThに達して、構成部位に故障が発生すると予測される。
予兆判定部216は、ある構成部位(例えばブレーキ26)に関する予兆情報を用いて、ある設備10の同じ構成部位の故障の予兆を判定する。例えば、図3に例示した予兆情報を用いて、ある設備(例えば設備#3)の構成部位(例えばブレーキ26)の故障の予兆を判定するとする。この場合、予兆判定部216は、この予兆情報に関する予兆管理データ(例えば吸引時間)の値から、あとどれくらいの日数で故障が発生すると予測されるかを判定してもよい。また、予兆判定部216は、例えばその構成部位の稼働日数から、故障予測日を判定してもよい。
点検計画作成部220(図2)は、後述する処理により、構成部位ごとに、点検計画を作成する。故障情報取得部222は、制御装置100から故障情報を取得する。故障履歴格納部224は、取得された故障情報を、故障履歴として格納する。
図4は、実施の形態1にかかる故障履歴を例示する図である。図4の例において、故障履歴は、故障した構成部位を示す識別情報と、故障日と、停止期間とを含む情報の履歴である。停止期間は、故障した構成部位を交換するために、その構成部位を備える設備10が停止してから復旧するまでの期間である。例えば、図4に例示した故障履歴は、日付t1において構成部位X1(設備#1の構成部位X)が故障し、停止期間がT1(分)であったことを示している。また、図4に例示した故障履歴は、日付t2において構成部位Y1(設備#1の構成部位Y)が故障し、停止期間がT2(分)であったことを示している。また、図4に例示した故障履歴は、日付t3において構成部位X2(設備#2の構成部位X)が故障し、停止期間がT3(分)であったことを示している。また、図4に例示した故障履歴は、日付t4において構成部位Y2(設備#2の構成部位Y)が故障し、停止期間がT4(分)であったことを示している。なお、「構成部位X」は、例えばモータ22であり、「構成部位Y」は、例えばブレーキ26である。なお、故障履歴は、構成部位ごとに、別個に生成されてもよい。つまり、故障履歴格納部224は、例えばモータ22及びブレーキ26それぞれについて、別個に、故障履歴を格納してもよい。
指標取得部226(図2)は、少なくとも1つの影響指標を取得する。ここで、影響指標とは、ある構成部位の故障が設備10の稼働に与える影響の度合を示す。実施の形態1において、影響指標は、MTTR(Mean Time To Recovery;平均修復時間)及びMTBF(Mean Time Between Failure;平均故障間隔)である。MTTRは、構成部位が故障したときに当該構成部位を有する設備10の復旧に要する時間に関する指標(第1の指標)である。また、MTBFは、構成部位を交換してから次に故障する時期までの当該構成部位を有する設備の稼働時間に関する指標(第2の指標)である。MTTR及びMTBFは、設備の可用性及び信頼性などを管理するために一般的に使用されている指標である。したがって、影響指標としてMTTR及びMTBFを用いることで、より容易に(ユーザに理解し易く)、点検の重要度を判定することが可能となる。
なお、ある構成部位のMTTRが長い場合というのは、その構成部位が故障すると、その構成部位を備える設備10の停止期間が長いということである。したがって、MTTRが長い場合にその構成部位の故障が設備10の稼働に与える影響は大きいといえるので、MTTRは、影響指標であるといえる。つまり、MTTRが長いほど、その影響指標の度合は大きくなる。
また、ある構成部位のMTBFが短い場合というのは、その構成部位は故障しやすいということになる。したがって、MTBFが短い場合にその構成部位の故障が設備10の稼働に与える影響は大きいといえるので、MTBFは、影響指標に関するといえる。つまり、MTBFが短いほど、その影響指標の度合は大きくなる。
ここで、MTTRは、構成部位(例えばモータ22又はブレーキ26)ごとに定義される。例えば、構成部位XのMTTRは、以下の式1で定義される。
(式1)
MTTR=(構成部位Xの故障に伴う設備の停止期間の累計)/(構成部位Xの故障件数)
また、MTBFは、構成部位(例えばモータ22又はブレーキ26)ごとに定義される。例えば、構成部位XのMTBFは、以下の式2で定義される。
(式2)
MTBF=(構成部位Xが前回故障したタイミングから次に構成部位Xが故障するタイミングまでの、設備の稼働期間の累計)/(構成部位Xの故障件数)
なお、設備の稼働期間とは、構成部位Xが前回故障した後で設備が復旧して稼働を開始したときから、次に構成部位Xが故障したときまでの期間である。
重要度判定部228は、影響指標に基づいて、構成部位の点検の重要度を判定する。点検時期決定部232は、重要度に応じて、構成部位の点検時期を決定する。点検計画出力部234は、決定された点検時期から、その構成部位の点検計画を作成して出力する。また、候補算出部230は、構成部位が故障すると予測される時期に基づいて、その構成部位の点検時期の候補を算出する。なお、指標取得部226、重要度判定部228、点検時期決定部232、点検計画出力部234及び候補算出部230の具体的な処理については後述する。
予備品管理部236は、作成された点検計画に基づいて、各構成部位の予備品を管理する。例えば、予備品管理部236は、ある構成部位について点検時期又は定期交換時期が近付いている場合、その構成部位の予備品を発注する。また、予備品管理部236は、各構成部位について、予備品の個数を管理する。
図5は、実施の形態1にかかる設備点検システム1によって実行される設備点検方法を示すフローチャートである。設備点検システム1は、図5に示された処理を、管理の対象となる構成部位ごとに、例えば、故障が発生するごとに行う。ここで、図5に示された処理は、主に、管理装置200の点検計画作成部220によって実行される。
管理の対象となる構成部位に故障が発生すると(ステップS100のYES)、管理装置200は、故障情報を取得する(ステップS102)。具体的には、上述したように、管理装置200の故障情報取得部222は、各設備10において管理の対象となる構成部位(例えばモータ22又はブレーキ26)の故障情報を、制御装置100から取得する。例えば、管理の対象となる構成部位がモータ22である場合、故障情報取得部222は、複数の設備10それぞれの、モータ22に関する故障情報を取得する。故障履歴格納部224は、図4に例示するように、取得された故障履歴を格納する。
次に、管理装置200は、構成部位ごとのMTTR及びMTBFを算出する(ステップS104)。具体的には、管理装置200の指標取得部226は、影響指標として、管理対象の構成部位のMTTR及びMTBFを算出する。ここで、管理対象の構成部位がモータ22である場合、指標取得部226は、モータ22のMTTR及びMTBFを算出する。
ここで、管理対象の構成部位がモータ22である場合のMTTRを算出する方法について説明する。指標取得部226は、故障履歴のうち、モータ22の故障による停止期間を合計(累計)する。ここで、図4の例で、構成部位Xがモータ22であるとする。このとき、モータ22(構成部位X)が故障したのは故障日t1,t3,t5及びt7であるので、指標取得部226は、停止期間T1,T3,T5及びT7を合計する。さらに、図4の例では、モータ22(構成部位X)の故障件数は4件である。したがって、この場合、指標取得部226は、モータ22(構成部位X)のMTTRを、式1から、MTTR=(T1+T3+T5+T7)/4と算出する。
また、管理対象の構成部位がモータ22である場合のMTBFを算出する方法についてさらに説明する。指標取得部226は、故障履歴のうち、モータ22が前回故障した後で設備10が復旧して稼働を開始したときから次にモータ22が故障したときまでの期間を累計する。図4に示す例において、構成部位Xがモータ22であるとする。このとき、設備#1については、故障日t1で、モータ22(構成部位X1)が故障し、次に、故障日t5で、モータ22(構成部位X1)が故障している。したがって、設備#1について、モータ22の前回故障日から次回故障日までの稼働期間は、(t5−t1)である。同様に、設備#2について、モータ22の前回故障日から次回故障日までの稼働期間は、(t7−t3)である。また、この場合、故障件数は、前回の故障日をカウントしなければ、2件である。したがって、この場合、指標取得部226は、モータ22(構成部位X)のMTBFを、式2から、MTBF={(t5−t1)+(t7−t3)}/2と算出する。
なお、故障日t1が日付及び時刻で示されている場合、設備#1については、t1で故障してT1後に復旧する。したがって、設備#1について、モータ22の前回故障日において復旧したタイミングから次回故障日において故障したタイミングまでの稼働期間は、(t5−(t1+T1))である。同様に、この場合、設備#2について、モータ22の前回故障日において復旧したタイミングから次回故障日において故障したタイミングまでの稼働期間は、(t7−(t3+T3))である。したがって、この場合、指標取得部226は、モータ22(構成部位X)のMTBFを、式2から、MTBF={(t5−(t1+T1))+(t7−(t3+T3))}/2と算出する。
次に、管理装置200は、構成部位ごとの点検の重要度を判定する(ステップS106)。具体的には、管理装置200の重要度判定部228は、MTTR及びMTBFに応じて、管理対象の構成部位の点検の重要度を判定する。さらに具体的には、重要度判定部228は、図6に示す重要度判定チャートを用いて、重要度を判定する。ここで、以下に説明するように、影響指標の度合が大きいほど、構成部位の点検の重要度が大きくなるように、重要度が決定される。
図6は、実施の形態1にかかる重要度判定チャートを例示する図である。実施の形態1では、2つの影響指標(MTTR及びMTBF)に応じて構成部位の点検の重要度を判定するので、重要度判定チャートは、二次元で構成されている。図6に示す重要度判定チャートでは、MTTR及びMTBFの長さに応じて、3つの領域ArA,ArB,ArCが定められている。領域ArAは、点検の重要度が最も大きな「ランクA」に対応する領域である。領域ArBは、点検の重要度が中程度の「ランクB」に対応する領域である。領域ArCは、点検の重要度が最も小さな「ランクC」に対応する領域である。なお、重要度のランクの数は、図6に示したような3つに限られない。ここで、Tr1及びTr2はMTTRにおける閾値であり、Tr1<Tr2である。また、Tf1及びTf2はMTBFにおける閾値であり、Tf1<Tf2である。
ランクAにランク付けされる構成部位は、例えば、故障発生時に、設備の稼働中に修理することができず、生産管理に多大な影響を及ぼす程度の長時間の停止が必要となる構成部位、又は、定期交換時期(設備のオーバーホールの時期)までに故障が発生する可能性が極めて高い構成部位である。したがって、ランクAにランク付けされる構成部位の、工場全体の生産活動に対する影響度は大きいと言える。ランクBにランク付けされる構成部位は、例えば、故障発生時に、生産管理に影響を及ぼさない程度の期間の停止が必要となる構成部位、又は、定期交換時期までに故障が発生する可能性が比較的高い構成部位である。したがって、ランクBにランク付けされる構成部位の、工場全体の生産活動に対する影響度は、ランクAにランク付けされる構成部位よりは小さいと言える。また、ランクCにランク付けされる構成部位は、例えば、設備の稼働中に(日々の休憩時間等の間に)修理することができ、かつ、定期交換時期までに故障が発生する可能性が極めて低い構成部位である。したがって、ランクCにランク付けされる構成部位の、工場全体の生産活動に対する影響度は、ランクBにランク付けされる構成部位よりも小さいと言える。
ここで、領域ArAは、MTTRがTr2以上である、又は、MTBFがTf1以下である領域である。領域ArCは、MTTRがTr1未満であり、且つ、MTBFがTf2を超える領域である。領域ArBは、領域ArA及びArCを除く領域である。例えば、S104の処理で、構成部位X(モータ22)についてMTTR=MTTR_a(>Tr2)と算出された場合、重要度判定部228は、構成部位X(モータ22)の点検の重要度をランクAと判定する。この場合、構成部位Xの故障に対する設備10の影響は大きいことを意味する。また、例えば、S104の処理で、構成部位Y(ブレーキ26)についてMTTR=MTTR_b(<Tr1)且つMTBF=MTBF_b(>Tf2)と算出された場合、重要度判定部228は、構成部位Y(ブレーキ26)の点検の重要度をランクCと判定する。この場合、構成部位Yの故障に対する設備10の影響は小さいことを意味する。
次に、管理装置200の点検計画作成部220は、管理対象の構成部位について故障の予兆管理を行っているか判定する(ステップS108)。例えば、予兆管理部210が構成部位X(モータ22)については故障の予兆管理を行っておらず、構成部位Y(ブレーキ26)については故障の予兆管理を行っているとする。この場合、管理対象の構成部位が構成部位Xのとき、点検計画作成部220(例えば候補算出部230)は、故障の予兆管理を行っていないと判定する(S108のNO)。一方、管理対象の構成部位が構成部位Yのとき、点検計画作成部220(例えば候補算出部230)は、故障の予兆管理を行っていると判定する(S108のYES)。
管理対象の構成部位について故障の予兆管理を行っていない場合(S108のNO)、候補算出部230は、点検周期の候補(点検周期候補)Hnを、S104の処理で算出されたMTBFと算出する(ステップS110)。つまり、候補算出部230は、Hn=MTBFとする。一方、管理対象の構成部位について故障の予兆管理を行っている場合(S108のYES)、候補算出部230は、図3に例示したような予兆情報を用いて、故障予測日を算出する(ステップS112)。そして、候補算出部230は、点検周期候補Hnを、故障予測日から前回の故障日まで遡った期間とする(ステップS114)。つまり、候補算出部230は、Hn=(故障予測日−前回故障日)=X(日)とする。このようにすることで、予兆管理によって予測された故障予測日に応じて点検時期を決定できるので、より精度よく、点検計画を作成することが可能となる。
管理装置200は、点検時期を決定する(ステップS120)。具体的には、点検時期決定部232は、S106の処理で判定された重要度と、S110又はS114の処理で算出された点検周期候補とに応じて、構成部位の点検時期を決定する。S120の具体的な処理については、図7を用いて後述する。
図7は、実施の形態1にかかる点検時期決定部232によって実行される処理(S120)を示すフローチャートである。点検時期決定部232は、S106の処理で決定された重要度のランクが「ランクA(重要度:大)」であるか否かを判定する(ステップS122)。重要度のランクがランクAである場合(S122のYES)、点検時期決定部232は、現在の点検周期H0が点検周期候補Hnよりも長い(H0>Hnである)か否かを判定する(ステップS124)。
H0>Hnでない、つまり、現在の点検周期H0が点検周期候補Hn以下である場合(S124のNO)、点検時期決定部232は、点検周期をH0と決定する(ステップS126)。つまり、この場合、点検時期決定部232は、点検時期を更新しない。一方、H0>Hnである、つまり、現在の点検周期H0が点検周期候補Hnより長い場合(S124のYES)、点検時期決定部232は、点検周期をHnと決定する(ステップS128)。つまり、この場合、点検時期決定部232は、点検時期をHnに更新する。重要度のランクがランクAの場合、この構成部位の点検の重要度は大きい。したがって、点検周期が、より短くなるように、つまりH0及びHnの短い方に決定される。
一方、重要度のランクがランクAでない場合(S122のNO)、点検時期決定部232は、S106の処理で決定された重要度のランクが「ランクB(重要度:中)」であるか否かを判定する(ステップS130)。重要度のランクがランクBである場合(S130のYES)、点検時期決定部232は、点検周期をHnと決定する(ステップS128)。つまり、重要度のランクがランクBである場合、常に、点検時期決定部232は、点検時期をHnに更新する。言い換えると、重要度のランクがランクBである場合、点検時期決定部232は、点検時期を、最新の点検周期候補に更新する。
一方、重要度のランクがランクBでない場合(S130のNO)、重要度のランクは「ランクC(重要度:小)」である。この場合、点検時期決定部232は、管理対象の構成部位の定期交換周期Hcが点検周期候補Hnよりも長い(Hc>Hnである)か否かを判定する(ステップS132)。ここで、定期交換周期Hcは、構成部位ごとに、その構成部位の製造メーカ等によって予め定められた期間である。Hc>Hnである、つまり、定期交換周期Hcが点検周期候補Hnより長い場合(S132のYES)、点検時期決定部232は、点検周期をHnと決定する(ステップS128)。つまり、この場合、点検時期決定部232は、点検時期を、最新の点検周期候補に更新する。
一方、Hc>Hnでない、つまり、定期交換周期Hcが点検周期候補Hn以下である場合(S132のNO)、点検時期決定部232は、管理対象の構成部位を、点検項目から除外する(ステップS134)。定期交換周期Hcが点検周期候補Hn以下であるということは、予め定められた定期交換時期が、点検時期の候補よりも早く到来するということである。この場合、この構成部位については、点検の重要度が予め定められたランク以下(実施の形態1の例ではランクC以下)であり、且つ、予め定められた定期交換時期が点検時期の候補よりも早く到来するので、その構成部位の点検を行う必要はほとんどない。例えば、その構成部位が故障する前に、構成部位の交換がなされる可能性が極めて高い。したがって、この構成部位については、点検項目から除外する。これにより、点検項目の数が減少して、点検を行う必要がほとんどない構成部位を点検することが抑制されるので、点検作業の効率化を図ることが可能となる。
管理装置200は、各構成部位について、S120で決定された点検時期に応じた点検計画を生成し、制御装置100(又は作業者の携帯端末)の点検支援部120に出力する(図5のステップS140)。これにより、点検計画表示部122は、UI105(又は携帯端末のUI)に、点検計画を表示する。具体的には、点検計画出力部234は、S120の処理で決定された点検周期と、各設備10の構成部位の前回故障日(設備10の復旧日)とから、各構成部位の点検時期(点検予定日)を決定する。これにより、点検計画出力部234は、点検計画を作成する。そして、点検計画出力部234は、本日が点検時期となった構成部位を備える設備10の制御装置100(又は作業者の携帯端末)に、その構成部位を本日点検べきである旨の通知を出力する。例えば、図4の例で、構成部位X1の点検予定日が本日である場合、点検計画出力部234は、構成部位X1を備える設備10(設備#1)の制御装置100(又は作業者の携帯端末)に、構成部位X1を本日点検べきである旨の通知を出力する。
そして、管理装置200は、管理対象の構成部位に故障が発生すると(S100のYES)、再度、S102〜S140の処理を行う。具体的には、前回故障した構成部位の設備10とは異なる設備の同じ種類の構成部位に故障が発生したとする。例えば、図4の例において、前回、設備#1の構成部位X(構成部位X1)に故障が発生し、今回、設備#2の構成部位X(構成部位X2)に故障が発生したとする。この場合、故障情報取得部222は、点検支援部120から、構成部位X2について新たに生成された故障情報を取得し(S102)、指標取得部226は、MTTR及びMTBFを算出する(S104)。そして、重要度判定部228は、新たに算出されたMTTR及びMTBFを用いて点検の重要度を判定し(S106)、点検時期決定部232は、新たに判定された重要度に応じて点検時期を決定する(S120)。ここで、今回算出されたMTTR及びMTBFは、前回算出されたMTTR及びMTBFと異なる可能性がある。したがって、構成部位に故障が発生すると、重要度判定部228は、その構成部位の点検の重要度を更新し、点検時期決定部232は、その構成部位の点検時期(点検周期)を更新することとなる。
上述したように、実施の形態1にかかる設備点検システム1は、MTTR及びMTBFといった影響指標に基づいて設備10の構成部位の点検の重要度を判定し、判定された重要度に応じて、構成部位の点検時期(点検周期)を決定するように構成されている。このように、実施の形態1にかかる設備点検システム1においては、設備10の構成部位それぞれの点検の重要度を考慮して点検計画を作成するので、構成部位ごとに適切なタイミングで点検を行うような点検計画を作成することが可能となる。つまり、点検周期が長くてもよいような構成部位については点検周期を長くし、点検周期を短くする必要がある構成部位については点検周期を短くするようにするような点検計画を作成することが可能となる。
また、上述したように、実施の形態1にかかる設備点検システム1は、構成部位に故障が発生するごとに、影響指標(MTTR及びMTBF)を取得(算出)し、点検の重要度を更新し、点検周期(点検時期)を更新するように構成されている。ここで、算出されるMTTR及びMTBFは、設備の保守活動の向上により、変動し得る。具体的には、例えば、構成部位が故障したときに設備10を停止してからその構成部位の修理又は交換作業を行って設備10を復旧(再稼働)するまでの一連の作業のどれかを効率化することで、MTTRを短くすることができる。これにより、MTTRについての影響指標の度合を低下させることが可能となる。また、MTBFについても同様に、例えば、構成部位を故障しにくいものに改良して構成部位の信頼性を向上させることで、MTBFを長くすることができる。これにより、MTBFについての影響指標の度合を低下させることができる。したがって、保守活動の向上により、MTTR及びMTBFの値が良好となる(つまり影響指標としての度合が低下する)ことで、構成部位の点検の重要度が小さくなり得る。これにより、点検周期を長くすることができるようになる。なお、点検の重要度のランクが小さくならず変化しない場合であっても、MTBFが長くなることによって、点検周期候補Hnが長くなり得るので、点検周期が長くなり得る。
設備10の安全性及び信頼性を考慮すると、点検周期は短い方が好ましいように思われる。しかしながら、必要となる頻度を超えて過剰に点検することで、点検作業の効率化を阻害する可能性がある。一方、実施の形態1にかかる設備点検システム1は、構成部位に故障が発生するごとに、影響指標を取得し、点検周期(点検時期)を更新するように構成されている。ある構成部位について、設備の保守活動の向上により、MTBFが長くなることによって、図5のS110の処理及び図7のS128の処理により、点検周期が長くなり得る。したがって、実施の形態1においては、必要となる頻度を超えて過剰に点検することを抑制することができる。したがって、実施の形態1においては、保守作業の向上により影響指標の度合が低下したことを適切に反映した点検計画を作成することが可能となる。
また、実施の形態1にかかる設備点検システム1は、構成部位に故障が発生するごとに、点検の重要度を更新するように構成されている。最初は重要度がランクA(重要度:大)であったため短い点検周期とする必要があったが、MTTRを短くし、MTBFを長くすることが可能となった場合に、重要度のランクが低下する可能性がある。例えば、ある構成部位について、MTTRがTr2以上であったが、設備の保守活動の向上により、MTTRがTr2未満となることで、重要度のランクがランクAからランクBに低下し得る。このような場合に、実施の形態1においては、低下した重要度のランクに対応した長い点検周期(点検時期)を決定することができる。また、例えば、ある構成部位について、重要度がランクBであったが、設備の保守活動の向上により、MTTRを短くし、MTBFを長くすることが可能となった場合に、重要度のランクがランクCに低下し得る。このような場合、S132の条件によっては、その構成部位について、点検項目から除外することができる。したがって、実施の形態1においては、設備の保守活動の向上により、影響指標の度合が低下したときに、必要となる頻度を超えて過剰に点検することを抑制することができる。
図8は、実施の形態1において、ある構成部位について点検項目を追加する場合の処理を示すフローチャートである。まず、点検計画作成部220は、点検項目を追加する(ステップS152)。具体的には、設備10の機種の更新等により新たな構成部位が導入された場合等に、点検計画作成部220は、その構成部位に関する点検項目が追加された点検計画を作成する。このとき、点検計画作成部220は、その構成部位に関する情報(識別情報等)と、点検項目とを対応付けてもよい。
点検計画作成部220は、仕様により、点検周期候補Hn’を決定する(ステップS154)。具体的には、点検計画作成部220は、構成部位の製造メーカ等によって予め定められた仕様で示された点検周期、及び、設備10の寿命によって、点検周期候補Hn’を決定する。なお、設備10の寿命は、設備10を構成する複数の構成部位のうち、最も寿命が短いものに基づいて定められ得る。点検計画作成部220は、例えば、構成部位の仕様で示された点検周期の方が設備10の寿命よりも短い場合、構成部位の仕様で示された点検周期を点検周期候補Hn’と決定してもよい。一方、点検計画作成部220は、例えば、構成部位の仕様で示された点検周期の方が設備10の寿命よりも長い場合、設備10の寿命を点検周期候補Hn’と決定してもよい。
点検計画作成部220は、構成部位の仕様で示された定期交換周期Hcが点検周期候補Hn’よりも長いか否かを判定する(ステップS156)。なお、この定期交換周期Hcは、図7に示された定期交換周期Hcと同じであってもよい。構成部位の仕様で示された定期交換周期Hcが点検周期候補Hn’よりも長くない場合(S156のNO)、点検周期候補Hn’に対応する点検時期よりも定期交換周期Hcに対応する定期交換時期の方が早く到来する。したがって、この構成部位の点検は不要となる。したがって、点検計画作成部220は、この構成部位について、点検項目から除外する(ステップS158)。つまり、この構成部位については、点検項目を登録しない。例えば、制御盤のバッテリについては2か月ごとに交換する必要があるのに対し、制御盤の構成部位の点検周期が、2か月よりも長い周期である制御盤の点検周期に合わせることがある。このような場合、制御盤の構成部位であるバッテリについては、点検項目から除外することができる。
一方、構成部位の仕様で示された定期交換周期Hcが点検周期候補Hn’よりも長い場合(S156のYES)、点検計画作成部220は、点検周期候補Hn’を点検周期として、点検計画における新規の点検項目を作成する(ステップS160)。そして、その構成部位について1回目の故障が発生した場合(ステップS162のYES)、図5のS102の処理に進み、点検周期が決定(更新)される。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、点検の重要度を判定するのに使用される影響指標が、実施の形態1と異なる。なお、実施の形態2にかかる設備点検システム1の構成については、図2に示したものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
図9は、実施の形態2にかかる設備点検システム1によって実行される設備点検方法を示すフローチャートである。設備点検システム1は、図9に示された処理を、管理対象となる構成部位ごとに、例えば、故障が発生するごとに行う。ここで、図9に示された処理は、主に、管理装置200の点検計画作成部220によって実行される。
管理対象となる構成部位に故障が発生すると(ステップS200のYES)、図5のS102と同様に、管理装置200の故障情報取得部222は、故障情報を取得する(ステップS202)。故障履歴格納部224は、図4に例示するように、取得された故障履歴を格納する。ここで、実施の形態2にかかる故障情報は、図4に例示したような、構成部位ごとの故障日及び停止期間の他に、構成部位ごとの作業リスクのランク(作業リスクランク)を示す作業リスク情報も含み得る。作業リスクについては後述する。なお、この作業リスク情報は、例えば、保守作業者が、予め定められた規定に従って入力されることで、生成され得る。したがって、保守作業者が制御装置100のUI105(又は携帯端末のUI)を操作することで、作業リスク情報が入力され得る。
次に、管理装置200の指標取得部226は、構成部位ごとのMTTR及び作業リスクを取得する(ステップS204)。つまり、実施の形態2にかかる指標取得部226は、影響指標として、MTTR及び作業リスクを取得する。なお、MTTRを取得(算出)する方法は、実施の形態1で説明した方法と実質的に同様であるので、説明を省略する。
作業リスクは、対応する構成部位についてのメンテナンス作業(保守作業)のリスク(困難の程度)の度合を示す影響指標である。例えば、重量の重い構成部位(例えば減速機24)又は高所に位置する構成部位(例えばモータ22)については、特別な機器(クレーン又は高所作業車等)を用いて取り外し、運搬及び取り付け等を行う必要があるため、大きな工数及び費用が発生する可能性がある。したがって、このような構成部位については、設備の稼働に影響を及ぼすと言えるので、作業リスクランクが高くなる、つまり影響指標の度合が大きくなる。これに対し、重量の軽い構成部位又は低所に位置する構成部位については、特別な機器を必要とせずに作業を行うことができるので、大きな工数及び費用が発生する可能性が少ない。したがって、このような構成部位については、設備の稼働にあまり影響を及ぼさないと言えるので、作業リスクランクが低くなる、つまり影響指標の度合が小さくなる。
次に、管理装置200は、構成部位ごとの点検の重要度を判定する(ステップS206)。具体的には、実施の形態2においては、管理装置200の重要度判定部228は、MTTR及び作業リスクに応じて、構成部位の点検の重要度を判定する。さらに具体的には、実施の形態2にかかる重要度判定部228は、図10に示す重要度判定チャートを用いて、重要度を判定する。ここで、以下に説明するように、実施の形態2においても、影響指標の度合が大きいほど、構成部位の点検の重要度が大きくなるように、重要度が決定される。
図10は、実施の形態2にかかる重要度判定チャートを例示する図である。実施の形態1では、2つの影響指標(MTTR及び作業リスク)に応じて構成部位の点検の重要度を判定するので、重要度判定チャートは、二次元で構成されている。図10に示す重要度判定チャートでは、MTTRの長さ及び作業リスクランクに応じて、3つの領域ArA,ArB,ArCが定められている。領域ArAは、点検の重要度が最も大きな「ランクA」に対応する領域である。領域ArBは、点検の重要度が中程度の「ランクB」に対応する領域である。領域ArCは、点検の重要度が最も小さな「ランクC」に対応する領域である。なお、重要度のランクの数は、図10に示したような3つに限られない。ここで、Tr1及びTr2はMTTRにおける閾値であり、Tr1<Tr2である。また、Ra、Rb及びRcは作業リスクランクにおける閾値であり、Ra>Rb>Rcである。
ランクAにランク付けされる構成部位は、例えば、故障発生時に、設備の稼働中に修理することができず、生産管理に多大な影響を及ぼす程度の長時間の停止が必要となる構成部位、又は、点検作業の困難性が極めて高い構成部位である。したがって、ランクAにランク付けされる構成部位の、工場全体の生産活動に対する影響度は大きいと言える。ランクBにランク付けされる構成部位は、例えば、故障発生時に、生産管理に影響を及ぼさない程度の期間の停止が必要となる構成部位、又は、点検作業の困難性が中程度の構成部位である。したがって、ランクBにランク付けされる構成部位の、工場全体の生産活動に対する影響度は、ランクAにランク付けされる構成部位よりは小さいと言える。また、ランクCにランク付けされる構成部位は、例えば、設備の稼働中に(日々の休憩時間等の間に)修理することができ、かつ、点検作業の困難性が低い構成部位である。したがって、ランクCにランク付けされる構成部位の、工場全体の生産活動に対する影響度は、ランクBにランク付けされる構成部位よりも小さいと言える。
ここで、領域ArAは、MTTRがTr2以上である、又は、作業リスクランクがRb以上である領域である。領域ArCは、MTTRがTr1未満であり、且つ、作業リスクランクがRc未満である領域である。領域ArBは、領域ArA及びArCを除く領域である。例えば、S204の処理で、構成部位X(モータ22)について作業リスクランク=Rx(>Rb)と算出された場合、重要度判定部228は、構成部位X(モータ22)の点検の重要度をランクAと判定する。この場合、構成部位Xの故障に対する設備10の影響は大きいことを意味する。また、例えば、S204の処理で、構成部位Y(ブレーキ26)についてMTTR=MTTR_y(<Tr1)且つ作業リスクランク=Ry(<Rc)と算出された場合、重要度判定部228は、構成部位Y(ブレーキ26)の点検の重要度をランクCと判定する。この場合、構成部位Yの故障に対する設備10の影響は小さいことを意味する。
また、実施の形態2にかかる管理装置200の候補算出部230は、実施の形態1と同様にして、点検周期候補Hnの算出処理を行う(S208〜S214)。また、実施の形態2にかかる管理装置200の点検時期決定部232は、実施の形態1と同様にして、S206の処理で判定された重要度と、S210又はS214の処理で算出された点検周期候補とに応じて、構成部位の点検時期を決定する(S220)。また、実施の形態2にかかる管理装置200の点検計画出力部234は、実施の形態1と同様にして、各構成部位について、S220で決定された点検時期に応じた点検計画を生成し、制御装置100(又は作業者の携帯端末)の点検支援部120に出力する(S240)。なお、S208〜S240の処理については、それぞれ、S108〜S140の処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。
上述したように、実施の形態2にかかる設備点検システム1は、MTTR及び作業リスクといった影響指標に基づいて設備10の構成部位の点検の重要度を判定し、判定された重要度に応じて、構成部位の点検時期(点検周期)を決定するように構成されている。したがって、実施の形態2にかかる設備点検システム1においても、上述した実施の形態1にかかる設備点検システム1が奏する効果と実質的に同様の効果を奏することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述したフローチャートの各ステップの順序は、適宜変更可能である。また、また、フローチャートの各ステップの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、図5に示したフローチャートにおいて、S108〜S114の処理は、S106の処理の前に行われてもよい。また、S108〜S114の処理はなくてもよい。これらのことは、図9においても同様である。
また、上述した実施の形態では、影響指標の例として、MTTR、MTBF及び作業リスクを挙げたが、影響指標は、上記の例に限定されない。例えば、影響指標は、稼働率(=MTBF/(MTBF+MTTR))でもよい。
また、上述した実施の形態では、図6及び図10に示したように、2つの影響指標を用いて点検の重要度を判定したが、点検の重要度を判定するのに使用する影響指標の数は、2つに限られない。点検の重要度を判定するのに使用する影響指標の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。点検の重要度を判定するのに使用する影響指標の数が1つの場合、一次元の重要度判定チャートを用いて重要度が判定され得る。また、点検の重要度を判定するのに使用する影響指標の数が3つの場合、三次元の重要度判定チャートを用いて重要度が判定され得る。
また、上述した実施の形態では、点検時期決定部232は、各構成部位についての点検周期を決定するとした。しかしながら、点検時期決定部232は、構成部位ごとに、点検時期を決定してもよい。具体的には、例えば、同じ種類の別の構成部位(図4の例の構成部位X1及び構成部位X2など)ごとに、S110,S114(S210,S214)の処理で点検時期の候補を算出し、S120(S220)の処理で、「点検周期」を「点検時期」に置き換えて処理することで、点検時期を決定してもよい。
また、上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1・・・設備点検システム、10・・・設備、12・・・アーム、14・・・関節、20・・・モータ装置、22・・・モータ、24・・・減速機、26・・・ブレーキ、28・・・エンコーダ、100・・・制御装置、110・・・設備制御部、112・・・計測データ取得部、114・・・データ処理部、116・・・データ出力部、120・・・点検支援部、122・・・点検計画表示部、124・・・故障情報入力部、200・・・管理装置、212・・・データ格納部、220・・・点検計画作成部、222・・・故障情報取得部、224・・・故障履歴格納部、226・・・指標取得部、228・・・重要度判定部、230・・・候補算出部、232・・・点検時期決定部、234・・・点検計画出力部、236・・・予備品管理部

Claims (7)

  1. 設備の構成部位の故障が前記設備の稼働に与える影響の度合を示す少なくとも1つの影響指標を取得する指標取得部と、
    前記影響指標に基づいて、前記構成部位の点検の重要度を判定する重要度判定部と、
    前記重要度に応じて、前記構成部位の点検時期を決定する点検時期決定部と
    を有する設備点検システム。
  2. 前記構成部位に故障が発生するごとに、
    前記指標取得部は、前記影響指標を取得し、
    前記点検時期決定部は、前記構成部位の点検時期を更新する
    請求項1に記載の設備点検システム。
  3. 前記構成部位に故障が発生するごとに、前記重要度判定部は、前記構成部位についての前記重要度を更新する
    請求項2に記載の設備点検システム。
  4. 前記構成部位が故障すると予測される時期に基づいて点検時期の候補を算出する候補算出部
    をさらに有し、
    前記点検時期決定部は、前記重要度が予め定められたランク以下であり、かつ、予め定められた前記構成部位の定期交換時期が前記点検時期の候補よりも早く到来する場合に、当該構成部位を点検項目から除外する
    請求項1から3のいずれか1項に記載の設備点検システム。
  5. 前記影響指標は、前記構成部位が故障したときに当該構成部位を有する前記設備の復旧に要する時間に関する第1の指標と、前記構成部位を交換してから次に故障する時期までの当該構成部位を有する前記設備の稼働時間に関する第2の指標とを含む
    請求項1から4のいずれか1項に記載の設備点検システム。
  6. 設備の構成部位の故障が前記設備の稼働に与える影響の度合を示す少なくとも1つの影響指標を取得し、
    前記影響指標に基づいて、前記構成部位の点検の重要度を判定し、
    前記重要度に応じて、前記構成部位の点検時期を決定する
    設備点検方法。
  7. 設備の構成部位の故障が前記設備の稼働に与える影響の度合を示す少なくとも1つの影響指標を取得するステップと、
    前記影響指標に基づいて、前記構成部位の点検の重要度を判定するステップと、
    前記重要度に応じて、前記構成部位の点検時期を決定するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
JP2019000747A 2019-01-07 2019-01-07 設備点検システム、設備点検方法及びプログラム Active JP7110991B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019000747A JP7110991B2 (ja) 2019-01-07 2019-01-07 設備点検システム、設備点検方法及びプログラム
US16/680,735 US11293836B2 (en) 2019-01-07 2019-11-12 Equipment inspection system, equipment inspection method, and program

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019000747A JP7110991B2 (ja) 2019-01-07 2019-01-07 設備点検システム、設備点検方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020109587A true JP2020109587A (ja) 2020-07-16
JP7110991B2 JP7110991B2 (ja) 2022-08-02

Family

ID=71403753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019000747A Active JP7110991B2 (ja) 2019-01-07 2019-01-07 設備点検システム、設備点検方法及びプログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11293836B2 (ja)
JP (1) JP7110991B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113192227B (zh) * 2021-04-30 2022-09-30 重庆天智慧启科技有限公司 基于物联网的社区巡更服务平台
CN113361936B (zh) * 2021-06-09 2023-06-30 中联重科股份有限公司 用于起重机的可靠性分析方法、装置及系统
JP2023039572A (ja) * 2021-09-09 2023-03-22 三菱重工業株式会社 点検ルート計画提案システムおよび点検ルート計画提案方法
CN114037100B (zh) * 2021-11-15 2024-01-16 国网山东省电力公司信息通信公司 一种基于ai技术的电力设备运维方法及系统
CN115759479B (zh) * 2022-12-12 2023-09-19 中国人民解放军海军工程大学 一种基于综合值的复杂设备故障定位优化方法和系统

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0749712A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Toshiba Corp 設備保全管理装置
JP2004240642A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Hitachi Ltd プラント機器の保守支援装置
JP2007100305A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Komatsu Ltd 作業機械のメンテナンス作業管理システム
JP2009251822A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toshiba Corp 複合診断・保守計画支援システム及びその支援方法
JP2012150686A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラント安全設計支援装置及びプラント監視保守支援装置
JP2013088828A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Hitachi Ltd リスク評価を用いた設備定期点検支援システム
JP2018147385A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 三菱日立パワーシステムズ株式会社 保守作業計画システム、保守作業計画方法及びプログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5388713B2 (ja) 2008-06-18 2014-01-15 一般財団法人電力中央研究所 電力流通設備保守支援装置、電力流通設備保守支援方法および電力流通設備保守支援プログラム
US20140278711A1 (en) * 2013-03-14 2014-09-18 Professional Project Services, Inc. Systems Engineering Lifecycle Cost Estimation
US20160292652A1 (en) * 2015-04-03 2016-10-06 Chevron Pipe Line Company Predictive analytic reliability tool set for detecting equipment failures
JP6488891B2 (ja) 2015-06-03 2019-03-27 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 保守作業間隔決定装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0749712A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Toshiba Corp 設備保全管理装置
JP2004240642A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Hitachi Ltd プラント機器の保守支援装置
JP2007100305A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Komatsu Ltd 作業機械のメンテナンス作業管理システム
JP2009251822A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toshiba Corp 複合診断・保守計画支援システム及びその支援方法
JP2012150686A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラント安全設計支援装置及びプラント監視保守支援装置
JP2013088828A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Hitachi Ltd リスク評価を用いた設備定期点検支援システム
JP2018147385A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 三菱日立パワーシステムズ株式会社 保守作業計画システム、保守作業計画方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US11293836B2 (en) 2022-04-05
JP7110991B2 (ja) 2022-08-02
US20200217751A1 (en) 2020-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020109587A (ja) 設備点検システム、設備点検方法及びプログラム
US20200058081A1 (en) Production management apparatus, method, and non-transitory medium
US10601658B2 (en) Maintenance of consumable physical components of a network
Khoury et al. On the use of time-limited information for maintenance decision support: a predictive approach under maintenance constraints
US10657199B2 (en) Calibration technique for rules used with asset monitoring in industrial process control and automation systems
JP2018190424A (ja) 在庫管理装置、在庫管理方法、およびプログラム
Koomsap et al. Integrated process control and condition-based maintenance scheduler for distributed manufacturing control systems
KR100352314B1 (ko) 로트 반송 제어 시스템 및 그 반송 제어 방법
JP7125225B2 (ja) 異常予兆報知システム、方法、及び、プログラム
JP6596287B2 (ja) プラント保全支援システム
JP4481228B2 (ja) 保守サービス提供システム
JP2017078987A (ja) プラント設計支援装置
JP6705717B2 (ja) 生産ライン管理装置
JP6388335B2 (ja) 障害傾向判定装置、障害傾向判定方法及びプログラム
KR102126040B1 (ko) 반도체 제조 장치의 예지 보전 방법
TWI824458B (zh) 維護管理裝置、維護管理方法及維護管理程式
Kaiser A simulation study of predictive maintenance policies and how they impact manufacturing systems
WO2023188914A1 (ja) 情報処理方法及び情報処理装置
JP6868469B2 (ja) 提案支援システムおよび提案支援方法
Rosu et al. About the maintenance of technical systems-a short review.
JP2023093048A (ja) 保全計画立案システム、保全計画立案方法及びプログラム
WO2022118601A1 (ja) 設備管理装置および設備管理方法
WO2023037693A1 (ja) 生産管理方法、生産管理装置及びプログラム
JP2007281026A (ja) 半導体装置の研磨方法
JP2009245245A (ja) 機器類管理システム、機器類管理方法、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220704

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7110991

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151