JP2017078987A - プラント設計支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な安全性の確保を考慮したコスト評価を容易に行うことができるプラント設計支援装置を提供する。【解決手段】フォルトツリーと機器の仕様とに基づいて、設計対象のプラントに用いられる機器の多重化が予め定めた基準を満たしているかどうかを判定する多重化設定装置2と、多重化設定装置2を介したフォルトツリーと、イベントツリーと、機器故障率データとに基づいて、異常発生確率を計算するリスク計算装置3と、多重化設定装置2を介したフォルトツリーと異常発生確率とに基づいて設計対象のプラントの運転コストを計算するとともに、フォルトツリーに基づいて設計対象のプラントの製作コストを計算するコスト計算装置4と、リスク計算装置3の計算結果と、コスト計算装置4の計算結果とを統合して出力する結果出力装置5とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、プラント設計を支援するプラント設計支援装置に関する。
プラント設計においては各種コストを意識した設計が求められており、このようなプラントの設計に関連する技術として例えば特許文献1(特開2004−94626号公報)には、プラントを構成する機器の設計要求情報を入力する設計要求入力手段と、前記設計要求入力手段により入力された設計要求情報を設計パラメータおよび運用条件に変換する設計パラメータ設定手段と、前記機器に想定される故障事象イベントツリーと不信頼度関数とを予め対応付けて記憶した故障確率データベースと、前記設計要求入力手段で得られた設計パラメータ値および想定運用パターンに対応して故障確率データベースから前記プラントの全使用期間にわたる予想運用パターンに対する不信頼度関数を予測するイベントシミュレーション手段と、前記不信頼度関数に復旧コストを乗じてイベントツリーにしたがってリスクコストを計算するリスクコスト計算手段と、前記プラントの運用による利得、および故障による損失、ならびに保守管理に要するコストを、設計要求と比較して適合するか否かの判定を行う設計適合判定手段と、設計パラメータを変更する設計パラメータ変更手段を有し、前記設計適合判定手段が設計要求を満たさないと判定した場合には、前記設計パラメータの変更値を前記イベントシミュレーション手段にフィードバックすることにより、再度イベントシミュレーションを行い、前記設計適合判定手段において設計条件に適合する最適な設計パラメータを選定し、その結果を用いて最適な設計条件を出力する設計指示手段とをそなえたプラント機器の設計支援装置が開示されている。
例えば、原子力プラントの設計においては安全性が最優先の課題であり、十分な安全性を確保しつつ合理的な範囲でコストを削減することが求められる。
原子力プラントにおいて高い安全性を確保するためには、信頼性の高い機器や計器を用いたり多重化したりして各機能の安全性を高めるほかに、異なる原理や構造のものを併用したり物理的位置や電源が別のものを併用したりして共通原因による同時故障を防止することも重要であり、機器や計器の数を必然的に増やすことになるため、原子力プラントの製作コストは大きくなる傾向にある。
また、原子力プラントにおいては、機器の故障などによって運転が停止した場合、その保守作業だけでなく、不足した電力を火力発電などで代替するために非常に大なコストを要するため、このようなコストを含む運転コストを考慮してプラントのライフサイクル全体としてのコスト評価を行う必要がある。
このように原子力プラントにおいては、安全性を追求していくと製作コストは一般的に大きくなるが、機器の故障などによる原子力プラントの計画外の停止の頻度は下がるため、原子力プラントの運転コストは低下する。逆に、原子力プラント設計を簡素化して製作コストを小さくすれば、機器の故障による原子力プラントの計画外の停止の頻度が上がるため、原子力プラントの運転コストは上昇する。つまり、原子力プラントの設計においては、十分な安全性を確保しつつ製作コストと運転コストの合計を抑えることが重要である。
一方で、原子力プラントを構成する機器や計器の数は膨大であり、また多重化のパターンは非常に多いため、設計変更のたびにコストを見積もることは大変な作業となるので、設計を支援することが重要である。しかしながら、上記従来技術においては、機器の故障リスクとコストを考慮して機器を設計しているものの、安全性の十分な確保とコスト評価との両立については考慮されていなかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、十分な安全性の確保を考慮したコスト評価を容易に行うことができるプラント設計支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、予めフォルトツリーデータベースに記憶されている設計対象のプラントに関するフォルトツリーを読み込み、オペレータが入力した前記プラントに用いる機器の種類および構成の情報に基づいて読み込んだフォルトツリーを変更する設計入力装置と、前記設計入力装置で変更されたフォルトツリーと、機器仕様データベースから読み込んだ前記プラントに用いられる機器の仕様とに基づいて、前記プラントに用いられる機器の多重化が予め定めた基準を満たしているかどうかを判定し、前記基準を満たしていないと判定した場合には、前記フォルトツリーの多重化を促進する多重化促進処理を行う多重化設定装置と、前記多重化設定装置を介した前記フォルトツリーと、イベントツリーデータベースから読み込んだイベントツリーと、前記プラントに用いられる各機器の故障率を記憶した機器故障率データベースから読み込んだ機器故障率とに基づいて、前記プラントにおける異常発生確率を計算するリスク計算装置と、前記多重化設定装置を介した前記フォルトツリーと前記リスク計算装置からの異常発生確率とに基づいて前記プラントの運転コストを計算するとともに、前記フォルトツリーの機器の種類および構成の情報に基づいて前記プラントの製作コストを計算するコスト計算装置と、前記リスク計算装置の計算結果と、前記コスト計算装置の計算結果とを統合して出力する結果出力装置とを備えたものとする。
十分な安全性の確保を考慮したコスト評価を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るプラント設計支援装置の全体構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図1において、プラント設計支援装置100は、設計対象のプラントに関するフォルトツリー200(後の図2参照)を記憶するフォルトツリーデータベース6と、フォルトツリーデータベース6からフォルトツリー200を読み込み、設計対象のプラントに用いる機器の種類および構成についてオペレータが入力した情報に基づいて読み込んだフォルトツリー200を変更する設計入力装置1と、設計対象のプラントに用いる機器の仕様を記憶する機器仕様データベース7と、設計入力装置1で変更されたフォルトツリー200と機器仕様データベース7から読み込んだ機器の仕様(機器仕様データ500:後の図5参照)とに基づいて、設計対象のプラントに用いられる機器の多重化が予め定めた基準を満たしているかどうかを判定する多重化設定装置2と、設計対象のプラントにおいて発生が想定される事象の関係を表すイベントツリー300(後の図3参照)を記憶するイベントツリーデータベース8と、設計対象のプラントに用いる機器の故障率(機器故障率データ400:後の図4参照)を記憶する機器故障率データベース9と、多重化設定装置2を介したフォルトツリー200A(後の図7参照)と、イベントツリーデータベース8から読み込んだイベントツリー300と、機器故障率データベース9から読み込んだ機器故障率データ400とに基づいて、設計対象のプラントにおける異常発生確率を計算するリスク計算装置3と、多重化設定装置2を介したフォルトツリー200Aとリスク計算装置3からの異常発生確率とに基づいて設計対象のプラントの運転コストを計算するとともに、フォルトツリー200Aの機器の種類および構成の情報に基づいて設計対象のプラントの製作コストを計算するコスト計算装置4と、リスク計算装置3の計算結果と、コスト計算装置4の計算結果とを統合して出力する結果出力装置5とから概略構成されている。
図2は、フォルトツリーデータベースに記憶されたフォルトツリーの一例を示す図である。
図2において、フォルトツリー200は、設計対象のプラントの設計情報の一部を構成する機器の種類及び構成の情報を用いて予め作成されたものであり、プラント系統の故障確立の計算等に用いられる。
フォルトツリー200は、ある流量制御系が流量制御に失敗する確率を計算する場合の一例を示すものであり、流量制御系の構成要素例として、ポンプP1、弁V1、計器S1,S2を用いた場合を示している。フォルトツリー200は、流量制御系が流量制御に失敗する要因となりうる各構成要素の状態、すなわち、ポンプP1であれば故障(ポンプP1故障203)、弁V1であれば動作失敗(弁V1動作失敗204)、計器S1,S2であれば異常(計器S1異常207、計器S2異常208)により構成されている。
流量制御系では、流量を計測し、ポンプの回転数と弁の開度を調整して流量を制御している。したがって、フォルトツリー200において流量制御失敗201が発生する条件は、ポンプP1故障203、弁V1動作失敗204、流量計測異常205(流量を正しく計測できなかった状態)のいずれかの状態が発生した場合に流量制御失敗201となる。なお、流量は2つの計器S1,S2で計測を行っている場合を例示しており、両方の計器S1,S2が故障した場合(計器S1異常207、計器S2異常208の両方の状態が発生した場合)にのみ流量計測異常205は発生する。
図3は、イベントツリーデータベースに記憶されたイベントツリーの一例を示す図である。
図3において、イベントツリー300は、設計対象のプラントにおいて発生が想定される事象の関係を表すものであり、一例として起因事象A301が発生した場合について、プラント停止、或いは炉心損傷が発生する条件をツリーで表したものである。
イベントツリー300は、各事象(起因事象A301、出力制御失敗302、流量制御失敗303、圧力制御失敗304)の発生の関係を表すツリー307と、各事象の発生の組み合せによって想定されるプラントの状態305と、その状態305となる確率306とから成る。
図3において、各事象を左から右に見た場合、すなわち、起因事象A301、出力制御失敗302、流量制御失敗303、圧力制御失敗304の順で見た場合、ツリー307の各分岐の上側は各事象が発生しない場合(制御に成功した場合)、各分岐の下側は各事象が発生した場合(制御に失敗した場合)を示している。各事象の発生確率を、起因事象A301の発生確率P0、出力制御失敗302の発生確率P1、流量制御失敗303の発生確率P2、圧力制御失敗304の発生確率P3とする。イベントツリー300における各事象の発生とプラントの制御との流れを説明すると、起因事象A301が確率P0で発生した場合、まず出力制御で安定化を図る。この出力制御に失敗する確率はP1である。出力制御に成功する確率は1−P1であるが、実際の確率P1は十分に小さく、成功確率を近似して1とすることができる。なお、以下の説明では各事象の発生確率(機器の失敗確率)は成功確率に比べて十分小さいため、成功確率は近似して1とすることができる。出力制御の後、流量制御と圧力制御を行う。イベントツリー300では、上から2番目のパターンで各事象が発生した場合にプラント停止が発生し、上から5番目のパターンで各事象が発生した場合に炉心損傷が発生すると想定している。つまり、起因事象A301によるプラント停止確率はP0×P2、炉心損傷確率はP0×P1×P2×P3である。なお、P0は運転実績から設定し、P1とP2とP3はそれぞれの系統のフォルトツリーで計算した値を用いる。
図4は、機器故障率データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図4において、機器故障率データベース9に記憶されている機器故障率データ400は、設計対象のプラントで用いられる各機器の機器番号401と、機器ごとの故障率402とで構成されている。
機器故障確率には、例えば他のプラントでの運転実績で得られた値が用いられている。例えば、機器故障率データ400では、機器番号P1の機器は、故障率が1.5×10^−3(回/年)である。
図5は、機器仕様データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図5において、機器仕様データベース7に記憶されている機器仕様データ500は、設計対象のプラントで用いられる各機器の機器番号501と、機器ごとの構造502と、各機器で用いる電源503と、各機器の故障する起因事象504と、各機器のコスト505とで構成されている。
例えば、機器仕様データ500では、機器番号S1の機器は、差圧式の構造を有しており、AC電源を用い、起因事象Aによって故障し、コストは100万円であることがわかる。
図1に戻る。
設計入力装置1は、設計対象のプラントの設計情報として、機器の種類および構成を入力する装置である。この設計情報には、少なくともプラント系統のフォルトツリーを構成し、系統の失敗確率を計算するために必要な情報を含む。具体的には、ポンプや計器の種類と数、制御系ロジックの構成である。設計入力装置1は、フォルトツリーデータベース6から既存のフォルトツリー200を入力し、このフォルトツリー200をもとに機器の種類および構成を追加、修正するユーザーインターフェースである。なお、本実施の形態では説明の簡単のため、設計入力装置1によるフォルトツリー200への追加修正は図示しないものとし、フォルトツリーデータベース6から読み込んだフォルトツリー200と設計入力装置1を介したフォルトツリー200とは同じものを用いて説明する。
多重化設定装置2は、機器仕様データベース7から機器仕様を入力し、設計入力装置1から機器の種類および構成を入力し、機器の多重化の状態を判定するものである。多重化設定装置2は、フォルトツリー200において機器の多重化が十分でない場合には、機器の多重化が予め定めた基準を満たすように機器の種類および構成を変更する。例えば、多重化された機器が共通原因によって同時に故障する可能性がある場合には、共通原因による同時故障が発生しないように、構造の異なる機器に変更する(多重化促進処理)。例えば、フォルトツリー200と機器仕様データ500とを用いると、計器S1と計器S2はいずれも差圧式の流量計であり、起因事象Aによって同時に故障する可能性があることがわかる。この場合、共通原因による同時故障が発生する可能性があるため、計器S1と計器S2の多重化だけでは不十分と判定される。したがって、例えば計器S2をリストの次の候補である計器S3に設計変更したり、図7のフォルトツリーの変更例(フォルトツリー200A)に示すように、計器S1,S2に加えて計器S3を多重化したりする。なお、多重化促進処理は、機器の種類および構成のうち多重化が十分でない部分を設計情報の追加や修正が可能なユーザーインターフェースに表示してオペレータに確認・修正させる処理でも良い。
リスク計算装置3は、イベントツリーデータベース8からイベントツリー300を入力し、機器故障率データベース9から機器故障率データ400を入力し、多重化設定装置2から機器の種類および構成を入力し、プラント停止確率と炉心損傷確率を計算する。
例えば、流量制御のフォルトツリー200と機器故障率データ400とを用いると、計器S1,S2の故障率はそれぞれ1.0×10^−3(回/年)であるので、流量計測異常の確率はこれらの積で1.0×10^−6である。同様にポンプP1の故障率は1.5×10^−3、弁V1の故障率は1.0×10^−3であるので、流量制御失敗確率P2はこれらの和で約2.5×10^−3である。他の系統の失敗確率も同様に計算する。
また、イベントツリー300を用いると、プラント停止確率はP0×P2、炉心損傷確率はP0×P1×P2×P3である。P0を10^−2、P1を10^−2、P3を10^−2とすると、起因事象Aによるプラント停止確率は2.5×10^−5、炉心損傷確率は2.5×10^−9である。他の起因事象によるプラント停止確率も同様に計算し、それらの和をプラント停止確率とする。なお、本実施例では簡単のため、起因事象Aのみを想定して計算する。
コスト計算装置4は、多重化設定装置2から機器の種類および構成を入力し、リスク計算装置3からプラント停止確率を入力し、プラント製作コストとプラント運転コストを計算する。プラント製作コストとプラント運転コストの和がプラントライフサイクルのコストとなる。
プラント製作コストは、機器の種類と数を多重化設定装置2から取得し、各機器のコストの和を計算して得る。また、プラント運転コストは、1年あたりのプラント停止確率をP、プラント運転年数をY、1回のプラント停止による損失の平均値をCとして、P×Y×Cで計算する。
プラント運転コストは、運転年数を40年、1回のプラント停止による損失を100億円とすると、1000万円である。流量制御のフォルトツリー200Aと機器仕様データ500のコストの情報を用いると、ポンプP1は600万円、弁V1は200万円、計器S1,S2は100万円、計器S3は200万円であるので、流量制御系の製作コストは1200万円である。なお、本実施例では簡単のため、流量制御系のみを想定して計算すると、プラント製作コストは1200万円である。
結果出力装置5は、リスク計算装置3で計算した炉心損傷確率と、コスト計算装置4で計算したコストなどを統合してディスプレイなどに出力する。これらの処理結果のうち、例えば、炉心損傷確率が予め設定した閾値を超えるパターンは除外され、閾値以下のものが出力される。
図8は、結果出力装置に出力される処理結果の一例を示す図である。
図8において、処理結果800には、複数の設計パターン801ごとに、プラント停止確率802、炉心損傷確率803、製作コスト804、運転コスト805、総コスト806の情報が含まれている。
例えば、設計パターン1の場合、プラント停止確率は2.5×10^−5であり、炉心損傷確率は2.5×10^−9であり、製作コストは1100万円であり、運転コストは1000万円であり、総コストは2100万円であることがわかる。
結果出力装置5は、例えば、結果の出力条件の閾値として炉心損傷確率の上限を1.0×10^−8と設定すると、設計パターン4は除外されて出力せず、設計パターン1〜3を出力する。このように炉心損傷確率等の出力条件を設定することにより、安全性を確保した上で総コストが最も低いのは設計パターン3であると特定することができる。この設計パターン3は、製作コストは高めであるが、プラント停止確率を低減することにより運転コストが抑えられており、プラントライフサイクルでのコストは低くなるということがわかる。
図6は、本実施の形態のプラント設計支援装置における処理を示すフローチャートである。
図6において、プラント設計支援装置100は、まず、設計入力装置1によりフォルトツリーデータベース6からフォルトツリー200を読み出し、オペレータが既存のフォルトツリーに対して追加や修正を行う(ステップS600)。続いて、機器の種類と構成を設定し(ステップS610)、多重化設定装置2により、機器の多重化が十分かどうかを判定する(ステップS620)。ステップS620での判定結果がNOの場合にはステップS610に戻り、機器の種類と構成を見直して再設定する。なお、ステップS610での機器の種類と構成の設定(再設定)は、設計入力装置1でオペレータにより実施される場合と、多重化設定装置2で実施される場合とがある。ステップS620での判定結果がYESの場合は、リスク計算装置3によりフォルトツリー200Aと機器故障率データ400とから系統の失敗確率を計算する(ステップS630)。続いて、リスク計算装置3により、イベントツリー300と、ステップS630で計算した系統の失敗確率とからプラント停止確率と炉心損傷確率を計算する(ステップ640)。続いて、コスト計算装置4により、プラントの運転コストと製作コストを計算する(ステップS650)。ここで、処理予定となっている設計パターンの全てについて処理が終了したかどうかを判定し(ステップS660)、判定結果がNOの場合には、判定結果がYESになるまでステップS600〜S650を繰り返す。ステップS660での判定結果がYESの場合には、結果出力装置5により処理結果を出力する。
以上のように構成した本実施の形態の効果を説明する。
原子力プラントなどにおいては、安全性を追求していくと製作コストは一般的に大きくなるが、機器の故障などによる原子力プラントの計画外の停止の頻度は下がるため、原子力プラントの運転コストは低下する。逆に、原子力プラント設計を簡素化して製作コストを小さくすれば、機器の故障による原子力プラントの計画外の停止の頻度が上がるため、原子力プラントの運転コストは上昇する。つまり、原子力プラントの設計においては、十分な安全性を確保しつつ製作コストと運転コストの合計を抑えることが重要である。一方で、原子力プラントを構成する機器や計器の数は膨大であり、また多重化のパターンは非常に多いため、設計変更のたびにコストを見積もることは大変な作業となるので、設計を支援することが重要である。しかしながら、従来技術においては、機器の故障リスクとコストを考慮して機器を設計しているものの、安全性の十分な確保とコスト評価との両立については考慮されていなかった。
これに対して本実施の形態においては、原子力プラントの設計において、機器の多重性を確認して安全性を確保した上で、フォルトツリーとイベントツリーを用いてプラントの運転リスクとコストを評価することにより、プラントライフサイクルでのコストを見積もるように構成したので、十分な安全性の確保を考慮したコスト評価を容易に行うことができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
1 設計入力装置
2 多重化設定装置
3 リスク計算装置
4 コスト計算装置
5 結果出力装置
6 フォルトツリーデータベース
7 機器仕様データベース
8 イベントツリーデータベース
9 機器故障率データベース
100 プラント設計支援装置
200,200A フォルトツリー
300 イベントツリー
400 機器故障率データ
500 機器仕様データ
800 処理結果
2 多重化設定装置
3 リスク計算装置
4 コスト計算装置
5 結果出力装置
6 フォルトツリーデータベース
7 機器仕様データベース
8 イベントツリーデータベース
9 機器故障率データベース
100 プラント設計支援装置
200,200A フォルトツリー
300 イベントツリー
400 機器故障率データ
500 機器仕様データ
800 処理結果
Claims (6)
- 予めフォルトツリーデータベースに記憶されている設計対象のプラントに関するフォルトツリーを読み込み、オペレータが入力した前記プラントに用いる機器の種類および構成の情報に基づいて読み込んだフォルトツリーを変更する設計入力装置と、
前記設計入力装置で変更されたフォルトツリーと、機器仕様データベースから読み込んだ前記プラントに用いられる機器の仕様とに基づいて、前記プラントに用いられる機器の多重化が予め定めた基準を満たしているかどうかを判定し、前記基準を満たしていないと判定した場合には、前記フォルトツリーの多重化を促進する多重化促進処理を行う多重化設定装置と、
前記多重化設定装置を介した前記フォルトツリーと、イベントツリーデータベースから読み込んだイベントツリーと、前記プラントに用いられる各機器の故障率を記憶した機器故障率データベースから読み込んだ機器故障率とに基づいて、前記プラントにおける異常発生確率を計算するリスク計算装置と、
前記多重化設定装置を介した前記フォルトツリーと前記リスク計算装置からの異常発生確率とに基づいて前記プラントの運転コストを計算するとともに、前記フォルトツリーの機器の種類および構成の情報に基づいて前記プラントの製作コストを計算するコスト計算装置と、
前記リスク計算装置の計算結果と、前記コスト計算装置の計算結果とを統合して出力する結果出力装置と
を備えたことを特徴とするプラント設計支援装置。 - 請求項1に記載のプラント設計支援装置において、
前記リスク計算装置で用いる前記イベントツリーは、少なくともプラント停止確率と炉心損傷確率の情報を含むことを特徴とするプラント設計支援装置。 - 請求項1又は2に記載のプラント設計支援装置において、
前記多重化設定装置は、前記プラントに用いられる機器が共通原因によって同時に故障しないかどうかを基準として判定し、前記基準を満たしていないと判定した場合には、共通原因によって同時に故障しないように機器の種類を変更する多重化促進処理を行うことを特徴とするプラント設計支援装置。 - 請求項1又は2に記載のプラント設計支援装置において、
前記多重化設定装置は、前記プラントに用いられる機器が異なる動作原理、構造、設置場所であるかどうかを基準として判定し、前記基準を満たしていないと判定した場合には、同じ動作原理、構造、設置場所にならないように機器の種類および構成を変更する多重化促進処理を行うことを特徴とするプラント設計支援装置。 - 請求項1から4の何れか1項に記載のプラント設計支援装置において、
前記結果出力装置は、炉心損傷確率が予め設定したしきい値以下となる結果のみを出力することを特徴とするプラント設計支援装置。 - 設計対象のプラントに関するフォルトツリーを記憶するフォルトツリーデータベースと、
前記フォルトツリーデータベースから前記プラントに関するフォルトツリーを読み込み、オペレータが入力した前記プラントに用いる機器の種類および構成の情報に基づいて読み込んだフォルトツリーを変更する設計入力装置と、
前記プラントに用いる機器の仕様を記憶する機器仕様データベースと、
前記設計入力装置で変更されたフォルトツリーと、前記機器仕様データベースから読み込んだ機器の仕様とに基づいて、前記プラントに用いられる機器の多重化が予め定めた基準を満たしているかどうかを判定し、前記基準を満たしていないと判定した場合には、前記フォルトツリーの多重化を促進する多重化促進処理を行う多重化設定装置と、
前記プラントにおいて発生が想定される事象の関係を表すイベントツリーを記憶するイベントツリーデータベースと、
前記プラントに用いる機器の故障率を記憶する機器故障率データベースと、
前記多重化設定装置を介した前記フォルトツリーと、前記イベントツリーデータベースから読み込んだイベントツリーと、前記機器故障率データベースから読み込んだ機器故障率とに基づいて、前記プラントにおける異常発生確率を計算するリスク計算装置と、
前記多重化設定装置を介した前記フォルトツリーと前記リスク計算装置からの異常発生確率とに基づいて前記プラントの運転コストを計算するとともに、前記フォルトツリーの機器の種類および構成の情報に基づいて前記プラントの製作コストを計算するコスト計算装置と、
前記リスク計算装置の計算結果と、前記コスト計算装置の計算結果とを統合して出力する結果出力装置と
を備えたことを特徴とするプラント設計支援装置。
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