JP2020107679A - ゲル電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲル電解質が一定の形態を保持することができるゲル電解コンデンサ及びその製造方法を提供する。【解決手段】ゲル電解コンデンサは、陽極箔、陰極箔、これらの間に配置されるゲル電解質を備える。ゲル電解質は、架橋されたポリマーにより成る三次元網目構造、電解液及び増粘剤を含む。増粘剤は、未架橋の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、キサンタンガム、又はこれらの群より選ばれる2種以上であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、ゲル電解質を用いたコンデンサ及びその製造方法に関する。
電解コンデンサは、タンタルあるいはアルミニウム等のような弁作用金属を陽極箔及び陰極箔として備えている。陽極箔は、弁作用金属を焼結体あるいはエッチング箔等の形状にすることで拡面化され、拡面化された表面に誘電体酸化皮膜を有する。電解質として液状の電解液を用いた場合、陽極箔と陰極箔の間には電解液が介在する。電解液は、陽極箔が備える誘電体酸化皮膜の凹凸面に密接し、真の陰極として機能する。
電解液を用いた電解コンデンサは、使用中に液漏れする虞がある。そこで、ゲル電解質をコンデンサに使用することが検討されてきた。ゲル電解質は電解液と当該電解液を保持するゲルにより成る。ゲルは、ゲルネットワークの主鎖となるポリマーと、ポリマーを架橋する架橋剤とにより、架橋されたポリマーによる三次元網目構造を有する所謂ポリマーゲルである。このゲル電解コンデンサでは、ゲルの電解液保持力によって過電圧印加時等における電解液の液漏れが抑制される。
ゲルは電解液の保持に加え、陽極箔と陰極箔を隔ててショートを防止する役割も果たし得る。即ち、ゲル電解質はセパレータの役割をも果たし得る。そこで、ゲル電解コンデンサにおいては、陽極箔と陰極箔との間のセパレータレス化、又はセパレータの薄厚化も提案されている。セパレータレスであれば、ゲル電解コンデンサの小型化又は高容量化に寄与するためである。また、厚さの薄いセパレータを用いても小型化又は高容量化が期待されるためである。
ゲル電解コンデンサは電極箔上にゲル電解質を密着させなくてはならない。そこで電極箔上でゲル電解質を作製することが好適である。その製造方法としては、モノマーと架橋剤と重合開始剤とを含有させた電解液(以下、ゲル化剤含有液という)を電極箔上に塗布した上で、重合反応と架橋反応を開始させることになる。
しかしながら、ゲル化剤含有液を電極箔に塗布しても、重合反応及び架橋反応が終了するまでに液ダレしてゲル電解質が形成できなかった。また、セパレータを用いない場合や厚さの薄いセパレータを用いる場合、陽極箔と陰極箔とがショートしない所定の厚みをゲル電解質に与えることができなかった。そのため、ゲル電解コンデンサの製品化は困難であった。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、ゲル電解質が一定の形態を保持することができるゲル電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に係るゲル電解コンデンサは、陽極箔、陰極箔、及び前記陽極箔と前記陰極箔との間に配置されるゲル電解質を備え、前記ゲル電解質は、架橋されたポリマーにより成る三次元網目構造、電解液及び増粘剤を含むこと、を特徴とする。
前記増粘剤は、未架橋の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、キサンタンガム、又はこれらの群より選ばれる2種以上であるようにしてもよい。
また、上記課題を解決すべく、本発明に係るゲル電解コンデンサの製造方法は、モノマー、架橋剤、重合開始剤、電解液及び増粘剤を含むゲル化剤含有液を調製し、前記ゲル化剤含有液を電極箔上に配置し、重合反応及び架橋反応により前記陽極箔にゲル電解質を形成すること、を特徴とする。
未架橋の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、キサンタンガム、又はこれらの群より選ばれる2種以上を前記増粘剤として添加し、前記ゲル化剤含有液を調製するようにしてもよい。
前記ゲル化剤含有液は、190mPa・s以上36,400mPa・s以下の粘度を有するようにしてもよい。
本発明によれば、ゲル化剤含有液が液ダレし難く、またゲル電解質が均一に十分な厚みを保つことができ、一定の形態を保持したゲル電解質を有するゲル電解コンデンサが達成できる。
(ゲル電解コンデンサ)
本発明の実施形態に係るゲル電解コンデンサは、静電容量により電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。ゲル電解コンデンサは、電極箔として陽極箔及び陰極箔を備え、また陽極箔と陰極箔との間にゲル電解質を備える。陽極箔は表面に多孔質構造を有する。必要に応じて陰極箔の表面にも多孔質構造を有する。少なくとも陽極箔の多孔質構造部分には誘電体酸化皮膜が形成されている。
本発明の実施形態に係るゲル電解コンデンサは、静電容量により電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。ゲル電解コンデンサは、電極箔として陽極箔及び陰極箔を備え、また陽極箔と陰極箔との間にゲル電解質を備える。陽極箔は表面に多孔質構造を有する。必要に応じて陰極箔の表面にも多孔質構造を有する。少なくとも陽極箔の多孔質構造部分には誘電体酸化皮膜が形成されている。
ゲル電解質は、電解液と増粘剤と当該電解液を保持するゲル骨格により成る。このゲル電解質は、流動性が低く、均一で所定以上の厚みを維持している。そのため、ゲル電解質は、陽極箔と陰極箔とを隔てるセパレータとなり、また誘電体酸化皮膜に密接して箔の電界を伝達する真の陰極となる。ゲル骨格は、ゲルネットワークの主鎖となるポリマーと、ポリマーを架橋する架橋剤とにより成る三次元網目構造であり、電解液を保持する所謂ポリマーゲルである。増粘剤は、オリゴマー又はポリマーではあるが、個々のオリゴマー又はポリマーが架橋されずにゲル電解質内に存在する。
(電極箔の作製方法)
陽極箔及び陰極箔は、弁作用金属を材料とする長尺の箔体である。弁作用金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、酸化ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン等である。純度は、陽極箔に関して99.9%程度以上が望ましく、陰極箔に関して99%程度以上が望ましいが、ケイ素、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛等の不純物が含まれていても良い。
陽極箔及び陰極箔は、弁作用金属を材料とする長尺の箔体である。弁作用金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、酸化ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン等である。純度は、陽極箔に関して99.9%程度以上が望ましく、陰極箔に関して99%程度以上が望ましいが、ケイ素、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛等の不純物が含まれていても良い。
陽極箔及び陰極箔は、弁作用金属の粉体を焼結した焼結体、又は延伸された箔にエッチング処理を施したエッチング箔であり、即ち、多孔質構造は、トンネル状のピット、海綿状のピット、又は密集した粉体間の空隙により成る。多孔質構造は、典型的には、塩酸等のハロゲンイオンが存在する酸性水溶液中で直流又は交流を印加する直流エッチング又は交流エッチングにより形成され、若しくは芯部に金属粒子等を蒸着又は焼結することにより形成される。尚、陰極箔は、陽極箔と比べて電解コンデンサの静電容量に対する表面積の影響が少ないため、多孔質構造による表面粗さは小さくともよい。
誘電体酸化皮膜は、典型的には、陽極箔の表層に形成される酸化皮膜であり、陽極箔がアルミニウム製であれば多孔質構造領域を酸化させた酸化アルミニウム層である。また、陰極箔に誘電体酸化皮膜層を設けてもよい。この誘電体酸化皮膜層は、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム等の酸あるいはこれらの酸の水溶液等のハロゲンイオン不在の溶液中で電圧印加する化成処理により形成される。
(セパレータ)
このゲル電解コンデンサは、セパレータを用いることもできるし、ゲル電解質がセパレータを兼ねることができるため、セパレータレスとすることもできる。セパレータを用いる場合、セパレータは、クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。セパレータを用いることにより、ショートの発生を抑制する効果が高まる。セパレータは厚さが薄いものが好ましく、例えば40μm以下が好ましい。
このゲル電解コンデンサは、セパレータを用いることもできるし、ゲル電解質がセパレータを兼ねることができるため、セパレータレスとすることもできる。セパレータを用いる場合、セパレータは、クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。セパレータを用いることにより、ショートの発生を抑制する効果が高まる。セパレータは厚さが薄いものが好ましく、例えば40μm以下が好ましい。
(ゲル電解質の形成方法)
ゲル電解質は、電極箔上にゲル化剤含有液を40μm以上の層厚で塗工して、電極箔上で重合反応及び架橋反応させることで形成する。ゲル化剤含有液を陽極箔に塗工すると容量が向上するため好ましい。ゲル化剤含有液は、ゲル骨格となるポリマーの構成要素とするモノマー、ゲル骨格となるポリマーを架橋して三次元網目構造を形作るための架橋剤、モノマーを重合反応させる重合開始剤、電解液及び増粘剤を含む混合液である。40μm以上の層厚は、セパレータレスであってもショートを防止できる厚みである。40μm以上の層厚とするためには、ゲル化剤含有液の粘度を190mPa・s以上に調整することが望ましい。ゲル化剤含有液が190mPa・s以上の粘度を有することで、40μm以上の層厚としてもゲル化剤含有液が液ダレすることがない。一方、ゲル化剤含有液の層厚が20μm以下であると、450Vの電圧印加に耐えられずにショートする。但し、450Vは、民生用途で一般的な定格電圧の一つであり、当該電圧未満を目的とする場合には層厚を40μm未満にすることができる。
ゲル電解質は、電極箔上にゲル化剤含有液を40μm以上の層厚で塗工して、電極箔上で重合反応及び架橋反応させることで形成する。ゲル化剤含有液を陽極箔に塗工すると容量が向上するため好ましい。ゲル化剤含有液は、ゲル骨格となるポリマーの構成要素とするモノマー、ゲル骨格となるポリマーを架橋して三次元網目構造を形作るための架橋剤、モノマーを重合反応させる重合開始剤、電解液及び増粘剤を含む混合液である。40μm以上の層厚は、セパレータレスであってもショートを防止できる厚みである。40μm以上の層厚とするためには、ゲル化剤含有液の粘度を190mPa・s以上に調整することが望ましい。ゲル化剤含有液が190mPa・s以上の粘度を有することで、40μm以上の層厚としてもゲル化剤含有液が液ダレすることがない。一方、ゲル化剤含有液の層厚が20μm以下であると、450Vの電圧印加に耐えられずにショートする。但し、450Vは、民生用途で一般的な定格電圧の一つであり、当該電圧未満を目的とする場合には層厚を40μm未満にすることができる。
このようなゲル化剤含有液の粘度を調整するために、増粘剤として、未架橋の、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCともいう)、ポリビニルピロリドン(以下、PVPともいう)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCともいう)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(以下、HEMCともいう)、キサンタンガム、又はこれらの群より選ばれる2種以上が添加される。これら増粘剤は、ゲル化剤含有液に溶解し、またゲル骨格を形成するための重合反応を阻害しないため、粘度が190mPa・s以上のゲル化剤含有液を調製できる。好ましくは、ゲル化剤含有液は、増粘剤によって36,400mPa・s以下の粘度に調整されるのがよい。この粘度以下であると、ゲル電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)及びtanδ(誘電正接)を低く抑えることができる。
尚、ゲル骨格を形成するためのモノマーや架橋剤や重合開始剤を含有せずに増粘剤である、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)及びキサンタンガムのみによって、電解液の粘度を190mPa・s以上に調整することは好ましくない。これら増粘剤によって電解液の粘度を上昇させて電解コンデンサを作製しても、この電解コンデンサはショートし、またはショートしなくとも耐電圧が非常に小さくなる。
ゲル骨格を形成するためのモノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸など、種々のモノマーを用いることができる。このモノマーは、二重結合が反応して直鎖状に重合する。即ち、ポリマーの主鎖は長尺の紐形状を有する。そして、複数のポリマーは架橋剤により架橋され、ポリマーは三次元網目構造を有する。尚、モノマーの他、又はモノマーに代えて、ゲル化剤含有液に対してオリゴマーを添加して光重合させることで、ポリマーを形成するようにしてもよい。即ち、本発明においてモノマーとは、単量体の他、複数のモノマーが重合したオリゴマーも含まれる。
架橋剤としては2官能アクリレート、2官能メタクリレート、2官能アクリルアミドもしくは多官能基アクリレート、多官能基メタクリレート、多官能アクリルアミドを用いる。2官能アクリレート、2官能メタクリレート、2官能アクリルアミドとしては2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N'−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド等が挙げられる。多官能基アクリレート、多官能基メタクリレート、多官能アクリルアミドとしては、2,2−ビス[(アクリロイルオキシ)メチル]プロパン−1,3−ジイル=ジアクリラート、2−[(アクリロイルオキシ)メチル]−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジイル=ジアクリラート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、オキシビスメチレンビス(メタンテトライル)ヘキサキス(メタノール)ヘキサアクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N−[トリス(3−アクリルアミドプロポキシメチル)メチル]アクリルアミド等が挙げられる。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2'−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロパンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ-シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル] −1−ブタノン、ベンゾイルぎ酸メチル、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、11,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
電解液に関し、溶媒はプロトン性の有機極性溶媒又は非プロトン性の有機極性溶媒であり、単独又は2種類以上が組み合わせられる。溶質は、有機酸の塩、無機酸の塩、又は有機酸と無機酸との複合化合物の塩であり、単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。アニオンとなる酸及びカチオンとなる塩基を溶質成分として別々に電解液に添加してもよい。
プロトン性の有機極性溶媒としては、一価アルコール類、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類などが挙げられる。一価アルコール類としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
非プロトン性の有機極性溶媒としては、スルホン系、アミド系、ラクトン類、環状アミド系、ニトリル系、オキシド系などが代表として挙げられる。スルホン系としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。アミド系としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。ラクトン類、環状アミド系としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。ニトリル系としては、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等が挙げられる。オキシド系としてはジメチルスルホキシド等が挙げられる。
有機酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等のカルボン酸、フェノール類、スルホン酸が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。有機酸と無機酸の複合化合物としては、ボロジサリチル酸、ボロジ蓚酸、ボロジグリコール酸等が挙げられる。
これら有機酸の塩、無機酸の塩、ならびに有機酸と無機酸の複合化合物の少なくとも1種の塩としては、アンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩の四級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。四級化アミジニウムとしては、エチルジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。アミン塩のアミンとしては、一級アミン、二級アミン、三級アミンが挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなど、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなど、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
さらに、電解液には種々の目的で添加剤を添加することもできる。添加剤としては、種々の目的によりポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコールなど)、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコールとの錯化合物、ホウ酸エステル、ニトロ化合物(o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、パラニトロベンジルアルコールなど)、リン酸エステルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記添加剤の中でも、耐電圧向上を目的としてポリエチレングリコールやホウ酸と多糖類との錯化合物を用いたり、コンデンサ中のガス吸収を目的としてニトロ化合物を用いることが好ましい。
このようなゲル化剤含有液に対しては、特に限定はされないが超音波処理によって各成分を分散させることが好ましい。超音波処理によれば、電解液に気泡が混入せず、その後のゲル電解質形成工程においてもゲル電解質中に気泡が混入しない。
ゲル化剤含有液が調製され、電極箔に塗工された後は、加熱又は光照射が施される。尚、ゲル化剤含有液を電極箔に塗工するほか、吹き付けによって電極箔上にゲル化剤含有液を配置してもよい。熱重合する場合、例えば125℃の温度雰囲気下に10秒〜20分程度晒すと良い。また、光重合する場合、例えば水銀ランプを用いて1分〜60分程度照射すると良く、光源たるランプとしては高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、LEDランプ等が挙げられる。これによって、電極箔上で重合反応及び架橋反応が進行し、ゲル電解質が形成される。
(ゲル電解コンデンサの組み立て方法)
一方の電極箔上にゲル電解質の層を形成した後は、この電極箔と共にゲル電解質を挟むように他方の電極箔(陽極箔又は陰極箔)と対向させる。そして、これを巻回することで、巻回形のコンデンサ素子が作製される。或いは、この陽極箔と陰極箔とをゲル電解質を介在させつつ交互に積み重ねることで、積層形のコンデンサ素子が作製される。
一方の電極箔上にゲル電解質の層を形成した後は、この電極箔と共にゲル電解質を挟むように他方の電極箔(陽極箔又は陰極箔)と対向させる。そして、これを巻回することで、巻回形のコンデンサ素子が作製される。或いは、この陽極箔と陰極箔とをゲル電解質を介在させつつ交互に積み重ねることで、積層形のコンデンサ素子が作製される。
コンデンサ素子は、金属製の外装ケースに収容され、封口体で封止される。外装ケースの材質は、アルミニウム、アルミニウムやマンガンを含有するアルミニウム合金、又はステンレスが挙げられる。封口体はゴムや硬質基板が挙げられる。陽極箔及び陰極箔には、ステッチ、コールドウェルド、超音波溶接、レーザー溶接などによって、引出端子が接続され、封口体で封止する。この後、再化成工程を経て、ゲル電解コンデンサの作製が完了する。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1乃至8並びに比較例1乃至9のゲル電解コンデンサを作製した。これらゲル電解コンデンサの作製方法は次の通りである。即ち、まず、三次元網目構造の構成要素であるモノマー、当該モノマーが重合して成るポリマーを架橋してポリマーに三次元網目構造をとらせる架橋剤、モノマーを重合させる重合開始剤、比較例1及び2を除いて添加される増粘剤、及び下表1に示す組成1又は下表2に示す組成2の電解液を混合して、ゲル化剤含有液を調製した。
表1に示すように、組成1の電解液はエチレングリコールを溶媒とし、組成2の電解液はγ−ブチロラクトンを溶媒とするものである。また、組成1及び組成2とも、溶質のアニオン成分として1,7−オクタンジカルボン酸が添加され、組成1の溶質のカチオン成分としてアンモニアが吹き込まれ、組成2の溶質のカチオン成分としてトリエチルアミンが吹き込まれ、その他の添加剤として耐電圧及びガス吸収の観点からホウ酸とマンニトールとパラニトロベンジルアルコールを添加した。尚、下記表1及び下記表2においては、溶媒であるエチレングリコール又はγ−ブチロラクトンを100重量部として、その他の添加物の重量部を示してある。
モノマーとしてはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルが用いられ、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルはゲル化剤含有液全量に対して添加量20wt%の割合で添加された。架橋剤としてはポリエチレングリコールジメタクリラートが用いられ、ポリエチレングリコールジメタクリラートは、下記数式(1)で表される架橋度が4%となるように添加された。重合開始剤としてはジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドが用いられた。
増粘剤としては下記のものを用いた。PVPは、K値(粘性特性値)120(平均分子量3,470,000)、K値90(平均分子量1,200,000)、K値50(平均分子量250,000)、K値30(平均分子量45,000)を用いた。HPCは、平均分子量1,000,000、平均分子量700,000、平均分子量140,000のものを用いた。キサンタンガムは東京化成工業株式会社製の製品コードX0048を用いた。HEMCはシグマアルドリッチ社製の製品番号435015を用いた。HPMCはシグマアルドリッチ社製の製品番号H7509を用いた。酢酸セルロースは平均分子量30,000のもの、メチルセルロースはシグマアルドリッチ社製の製品番号M0512、エチルセルロースはシグマアルドリッチ社製の製品番号247499、グアーガムは東京化成工業株式会社製の製品コードG0478を用いた。
ゲル化剤含有液に対しては超音波処理を施し、各成分を均一に分散させた。超音波処理では、株式会社ソニックテクノロジー社超音波分散機GSD600ATにて、ゲル化剤含有液を30℃で10分〜60分間分散処理を行った。また、この分散処理方法で溶解しないものについては、さらに80℃で10〜60分間分散処理を行った。
そして、このような実施例1乃至8及び比較例1乃至9のゲル化剤含有液の粘度を測定した。粘度が100mPa・s以下のゲル化剤含有液に対しては音叉振動式粘度計(株式会社エーアンドデイ社SVシリーズ)が用いられ、室温25℃で測定した。粘度が100mPa・s超のゲル化剤含有液に対してはレオメータ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社 HAAKE Viscotester iQシリーズ)が用いられ、ひずみ速度を100(l/s)で測定した。
更に、調製したゲル化剤含有液を、エッチング処理及び化成処理した陽極箔の誘電体酸化皮膜上に40μm以上の層厚を目指し、ダイコーターを用いて塗布した。
ゲル化剤含有液を陽極箔に塗布した後、水銀ランプを用いて10分間、ゲル化剤含有液に光照射を行い、重合反応及び架橋反応を開始させ、ゲル電解質を作製した。ゲル電解質が形成された陽極箔に陰極箔を重ね合わせて巻回し、ゲル電解コンデンサを作製した。ゲル電解コンデンサは、定格電圧は450V、定格容量は12μFである。そして、ゲル電解コンデンサについて、耐電圧、Cap、ESR及びtanδを測定した。
以上の実施例1乃至8並びに比較例1乃至9のゲル化剤含有液の粘度、ゲル電解コンデンサの諸特性を下記表3に示す。表3には、実施例1乃至8並びに比較例1乃至9で用いられた増粘剤の種類、平均分子量及びゲル化剤含有液全体に対する添加量も示してある。全ての増粘剤は未架橋のオリゴマー又はポリマーである。尚、下記表3に示すように、比較例1及び比較例2のゲル化剤含有液は増粘剤が未添加である。
表3に示されるように、増粘剤として、未架橋の、HPC、PVP、HPMC、HEMC及びキサンタンガムをゲル化剤含有液に添加した実施例1乃至8では、全て増粘剤がゲル化剤含有液に溶解し、またゲル化剤含有液がゲル化し、即ちゲル電解質が形成された。一方、これら5種とは異なる増粘剤を用いた比較例3乃至9では、増粘剤がゲル化剤含有液に溶解せず、または重合反応が阻害されてゲル化せず、即ちゲル電解質が形成できなかった。特に、増粘剤がゲル化剤含有液に溶解しなかった比較例3乃至6、比較例8及び比較例9は、30℃で分散処理を行ったが溶解しなかったため、さらに80℃でも分散処理を行ったが、溶解しないことを確認した。また、比較例1及び2では、三次元網目構造を有するゲル電解質が形成されているものの、ゲル化剤含有液が極めて低粘度となり液ダレが生じ、セパレータ無しでは陽極箔と陰極箔とが接触し、ゲル電解コンデンサがショートした。
しかも、実施例1乃至8のゲル電解コンデンサは、耐電圧をはじめとする諸特性も良好であった。このように、これら5種が増粘剤として添加され、且つ三次元網目構造を有するゲル電解質であれば、セパレータ無しのゲル電解コンデンサが作製できることが確認された。特に、増粘剤としてPVP、HPC又はHEMCを用いた場合、電解液の溶媒がエチレングリコールであっても、γ−ブチロラクトンであっても、ゲル電解コンデンサが作製できる。
次に、実施例9乃至11並びに比較例10乃至12のゲル化剤含有液を調製し、そのゲル化剤含有液を用いてゲル電解コンデンサを作製した。実施例9乃至11並びに比較例10乃至12のゲル化剤含有液は、増粘剤の種類及び添加量が各々変更され、これにより各種粘度となるように調製された。その他の条件は実施例1乃至8と同じである。粘度の測定方法は実施例1乃至実施例8並びに比較例1乃至9と同じである。
そして、ゲル化剤含有液を各種厚みとなるように陽極箔に塗工し、塗工が可能か否かを観察した。塗工できた場合には、引き続きゲル電解コンデンサを作製し、2mAの直流定電流にて450Vまで電圧を上げ、その後450Vの定電圧を1時間印加し、ショートの有無を確認した。試験中に10V以上の電圧降下が発生したものはショートと判定した。
下記表4に、実施例9乃至11並びに比較例10乃至12で用いられた増粘剤の種類、平均分子量、添加量及び粘度、並びに塗工しようとした厚み、塗工の可否及びショートの有無を示す。
表4に示すように、ゲル化剤含有液の粘度が少なくとも190mPa・s以上であれば、目的の厚みにゲル化剤含有液を塗工できることが確認された。そして、40μm以上の層厚でゲル化剤含有液を塗工できれば、ゲル電解コンデンサはセパレータが無くともショートしないことが確認された。即ち、粘度が190mPa・s以上のゲル化剤含有液を調製し、このゲル化剤含有液によって三次元網目構造を有するゲル電解質を形成することで、セパレータレスのゲル電解コンデンサが作製できることが確認された。
次に、比較例13乃至比較例18の電解コンデンサを作製した。これら電解コンデンサの作製過程において、実施例1乃至11で増粘剤として用いられたPVP又はHPCを組成1の電解液に添加し、また電解液の粘度を190mPa・s以上に調製している。但し、三次元網目構造を形成するためのモノマーは未添加とした。また念のため、実施例1乃至11と同じ重合開始剤を添加し、重合反応のための光照射を行った。そして、電解液にPVP又はHPCを添加した段階で粘度を測定し、また電解コンデンサが作製された段階で耐電圧、Cap、ESR及びtanδを測定した。その結果を下表5に示す。
表5に示すように、比較例13乃至比較例18の電解液は190mPa・sとは桁違いに大きな粘度となるように調整されている。そのため、電解液の塗工段階では、セパレータ無しでも陽極箔と陰極箔とを隔離できた。但し、これらポリマーは重合反応しなかった。即ち、ゲル電解質は形成されず、これらポリマーは増粘剤として電解液中に残存した。その結果、比較例13及び比較例15の電解コンデンサはショートしてしまい、他の比較例の電解コンデンサはショートしなかったものの、耐電圧が各実施例と比べて大幅に低下した。これにより、HPC、PVP、HPMC、HEMC及びキサンタンガムで電解液の粘度を調整するだけでは足りず、これらポリマーとは別に三次元網目構造を採るポリマーが必要であることが確認された。
次に、実施例12乃至23のゲル電解コンデンサを作製し、ゲル化剤含有液の段階で粘度を測定し、またゲル電解コンデンサが作製された段階で耐電圧、Cap、ESR及びtanδを測定した。これらゲル電解コンデンサの作製条件は、増粘剤として添加されたPVP又はHPCの平均分子量及び添加量が各種変更されていることを除き、他の実施例と同一である。その結果を下表6に示す。
表6に示すように、HPC、PVP、HPMC、HEMC及びキサンタンガムが増粘剤として用いられ、ゲル化剤含有液の粘度を190mPa・s以上とし、そして三次元網目構造を有するゲル電解質を形成することで、増粘剤の平均分子量及び添加量に依らずセパレータレスのゲル電解コンデンサが作製でき、耐電圧をはじめとする諸特性も良好であることが確認された。また、実施例19のように粘度が36,400以下であれば、ESR及びtanδも良好な範囲に収めることができることが確認された。
Claims (5)
- 陽極箔、陰極箔、及び前記陽極箔と前記陰極箔との間に配置されるゲル電解質を備え、
前記ゲル電解質は、架橋されたポリマーにより成る三次元網目構造、電解液及び増粘剤を含むこと、
を特徴とするゲル電解コンデンサ。 - 前記増粘剤は、
未架橋の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、キサンタンガム、又はこれらの群より選ばれる2種以上であること、
を特徴とする請求項1記載のゲル電解コンデンサ。 - モノマー、架橋剤、重合開始剤、電解液及び増粘剤を含むゲル化剤含有液を調製し、
前記ゲル化剤含有液を電極箔上に配置し、
重合反応及び架橋反応により前記電極箔にゲル電解質を形成すること、
を特徴とするゲル電解コンデンサの製造方法。 - 未架橋の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、キサンタンガム、又はこれらの群より選ばれる2種以上を前記増粘剤として添加し、前記ゲル化剤含有液を調製すること、
を特徴とする請求項3記載のゲル電解コンデンサの製造方法。 - 前記ゲル化剤含有液は、190mPa・s以上36,400mPa・s以下の粘度を有すること、
を特徴とする請求項3又は4記載のゲル電解コンデンサの製造方法。
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