JP2008091590A - 電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が図れ、さらなる低インピーダンス特性を有する電解コンデンサを提供する。
【解決手段】誘電体酸化皮膜を有する陽極と陰極との間にポリマーゲルのみからなる電極剥離層を形成した電解コンデンサであって、ポリマーゲルがポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルからなるポリマーとイオン性液体からなる。
【選択図】なし
【解決手段】誘電体酸化皮膜を有する陽極と陰極との間にポリマーゲルのみからなる電極剥離層を形成した電解コンデンサであって、ポリマーゲルがポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルからなるポリマーとイオン性液体からなる。
【選択図】なし
Description
電解コンデンサに関し、特に小型化が図れ、さらなる低インピーダンス特性を有する電解コンデンサに関する。
従来の電解コンデンサは、アルミニウムなどの弁金属箔の表面積をエッチング処理によって拡大し、誘電体層を形成して陽極とし、エッチング処理を施した同種または他の金属の箔を陰極とし、セパレータ(電解紙)を両極間に配置した構造となっている。このセパレータは、陽極箔と陰極箔がショートするのを防止し、併せてこの電解液を保持するものであり、クラフト紙、マニラ紙等の薄く低密度の紙が用いられている。
そして、高電導率を有する電解コンデンサ駆動用の電解液として、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、溶質として環状アミジン化合物を四級化したカチオンであるイミダゾリニウムカチオンやイミダゾリウムカチオンを、カチオン成分とし、酸の共役塩基をアニオン成分とした塩を溶解させたものが用いられている。
そして、リード線を接合した陽極箔と陰極箔をセパレータを介して重ね合わせ、巻回してコンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子に電解液を含浸させ、ケースに入れて封口し、電解コンデンサが製造される。
このように、電解コンデンサは、ショート防止の為セパレータを両極間に配置しているので、このセパレータを薄くすれば、両極間の距離が短くなり、電解コンデンサ素子の外径を小さくでき、コンデンサを小型化できる。しかしながら、セパレータを薄くしすぎると、両極が接近しすぎることになり、両極がショートしてしまうので薄膜化にも限界があり、電解コンデンサの小型化には限界があった。さらに、セパレータの抵抗によって低インピーダンス化にも限界があった。
このようなアルミニウム電解コンデンサの欠点を改良することを目的として、セパレータを用いずにゲル状のイオン伝導性電解質を陽極箔と陰極箔の間に形成して、小型化、低インピーダンス化を図る試みがある(特許文献1)。
しかしながら、このような試みによっても、低インピーダンス化は十分ではなかった。そこで、本発明は、小型化が図れ、さらなる低インピーダンス特性を有する電解コンデンサを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を有する陽極と陰極との間にポリマーゲルのみからなる電極剥離層を形成した電解コンデンサであって、ポリマーゲルがポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルからなるポリマーとイオン性液体からなる。
また、イオン性液体が、ジシアナミドをアニオン成分とする塩であってもよい。
さらに、イオン性液体が下記式で示される非対称のカチオンをカチオン成分としてもよい。
次に、イオン性液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムであってもよい。
また、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの25〜400wt%のスルホランを含んでもよい。
さらに、ポリマーがメタクリル酸2−ヒドロキシルエチルであってもよい。
誘電体酸化皮膜を有する陽極と陰極との間にポリマーゲルのみからなる電極剥離層を形成した電解コンデンサであって、ポリマーゲルがポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルからなるポリマーとイオン性液体からなる電解コンデンサを構成することで、小型化および高耐電圧化が図れ、さらなる低インピーダンス特性を有する電解コンデンサを提供することができる。
本願のポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルからなるポリマーとイオン性液体からなるポリマーゲルは、電解コンデンサのセパレータの替りに用いることができ、陽極と陰極の極間をこれまでのセパレータを用いた電解コンデンサより小さくすることができるので、電解コンデンサの小型化を図ることができる。さらに、このポリマーの導電率は高いので、電解コンデンサの低インピーダンス化を図ることができる。
イオン性液体については、ジシアナミドをアニオン成分とする塩、または、下記式で示される非対称のカチオンをカチオン成分とすることができる。
なかでも、電導度の良好な1−エチル−3−メチルイミダゾリウムがもっとも好適である。
また、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドのみでは高温寿命試験においてインピーダンスの上昇がみられるが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドの25〜400wt%のスルホランを含有させると、インピーダンスの安定化を図ることができる。
ポリアクリル酸エステルとしては、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルを挙げることができる。ポリメタクリル酸エステルとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシルエチルを挙げることができる。
本願の電解コンデンサは、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルのモノマーとイオン性液体を混合し、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を添加し、この重合液を陽極および/または陰極にコーティングして重合を促進させ、その後、両極を重ね合わせて平板型電解コンデンサとして形成する。また、両極を箔型とし、巻回して巻回型電解コンデンサとして形成することもできる。
本願のポリマーゲルのなかでも、相溶性、粘着性が良好でインピーダンスが低減するので、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドとポリメタクリル酸2−ヒドロキシルエチルからなるポリマーゲルが好ましい。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドに メタクリル酸2−ヒドロキシルエチルモノマーと 過酸化ベンゾイルを加えかくはん後, エッチング箔を陽極酸化した陽極箔とエッチング箔からなる陰極箔にそれぞれ滴下し, 減圧含浸した。混合物が含浸された陽極箔及び陰極箔を60℃で加熱、重合した。重合後, 両極を重ね合わせて挟み, セパレーターレスコンデンサを作成した(実施例)。同様に、両極の間にセパレータを挟み、γ−ブチロラクトン、フタル酸エチルジメチルイミダゾリニウムを減圧含浸した(比較例)。
それぞれ陽極箔の陽極酸化電圧を20V(表1)、130V(表2)とし、両極間を変えた電解コンデンサについて、インピーダンスを測定した。
表に示されるように、両極間を従来の50μmに比べて、20μmを小さくすることができ、小型化を図ることができる。
さらに、両極間が同じ比較例と比べて、インピーダンスが低減しており、低インピーダンス化を図ることができる。
実施例1のポリマーゲルと、従来のポリフッ化ビニリデンと四フッ化ホウ素テトラエチルアンモニウムからなるポリマーゲルのイオン伝導度は、6.75(mS/cm)、4.30(mS/cm)であり、伝導度の向上が図られていることがわかる。
実施例1のポリマーゲルを用いてセパレーターレスコンデンサを作成し,火花電圧を測定した。同様に,両極の間にセパレータを挟み、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミドを減圧含浸し,火花電圧を測定した。結果は、それぞれ120V、60Vで、本願のポリマーゲルの耐電圧は、イオン性液体の耐電圧より大幅に上昇していることがわかった。
Claims (6)
- 誘電体酸化皮膜を有する陽極と陰極との間にポリマーゲルのみからなる電極剥離層を形成した電解コンデンサであって、ポリマーゲルがポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルからなるポリマーとイオン性液体からなる電解コンデンサ。
- イオン性液体が、ジシアナミドをアニオン成分とする塩である請求項1記載の電解コンデンサ。
- イオン性液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムである請求項1乃至3いずれかに記載の電解コンデンサ。
- 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの25〜400wt%のスルホランを含む請求項4に記載の電解コンデンサ。
- ポリマーがメタクリル酸2−ヒドロキシルエチルである請求項1乃至5いずれかに記載の電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
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JP2006270179A JP2008091590A (ja) | 2006-09-30 | 2006-09-30 | 電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006270179A JP2008091590A (ja) | 2006-09-30 | 2006-09-30 | 電解コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008091590A true JP2008091590A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39375452
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JP2006270179A Pending JP2008091590A (ja) | 2006-09-30 | 2006-09-30 | 電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008091590A (ja) |
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2006
- 2006-09-30 JP JP2006270179A patent/JP2008091590A/ja active Pending
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