JP2004193308A - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004193308A JP2004193308A JP2002359057A JP2002359057A JP2004193308A JP 2004193308 A JP2004193308 A JP 2004193308A JP 2002359057 A JP2002359057 A JP 2002359057A JP 2002359057 A JP2002359057 A JP 2002359057A JP 2004193308 A JP2004193308 A JP 2004193308A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrolytic capacitor
- cathode
- anode
- foil
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
【解決手段】誘電体酸化皮膜を有する陽極箔、セパレータ、陰極箔が順次積層形成されたコンデンサ素子と、電解質と、アクリル系誘導体の共重合体を含むアクリル系高分子とを具備して上記コンデンサ素子に含浸された電解コンデンサ駆動用高分子電解質複合体と、上記陽極箔と陰極箔が夫々接続された一対の外部電極からなる電解コンデンサとすることで、低ESRで適用電圧帯が高く、高温度でも長時間特性の安定した電解コンデンサを提供することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業分野の発展によりエレクトロニクス素子の高性能化、高信頼性化が求められている。特に、電解液を使用する電解コンデンサや電池等の電気化学素子は、漏液、デバイスへの実装、加工性などの点で多くの問題があり、従来より電解液の固体化が検討されている。この中で高分子固体電解質は無機系の電解質に比べ、イオン伝導率がはるかに小さいにも拘らず、軽量で柔軟性、成形性等の機械的性能の面において優れているので注目を集めている。従来提案されている高分子固体電解質としては、例えばポリエチレンオキシド(PEO)とリチウム塩の複合体(イオン伝導率:100℃で10−4S/cm)(非特許文献1)、トリオール型ポリエチレンオキシドのジイソシアネート架橋物ポリマー−金属塩複合体(イオン伝導率:30℃で10−5S/cm)(特許文献1)、単官能および多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドとアルカリ金属、アルカリ土類金属塩との混合物(イオン伝導率:25℃で10−3S/cm)(特許文献2)等が報告されている。また、実際に電解コンデンサに適用した高分子固体電解質の例としては、多価アルコールと金属塩およびアミン塩とβ−1,3−グルカンおよび/またはアルキルセルロースの複合体(イオン伝導度:室温で10−3S/cm)(特許文献3)が報告されている。
【0003】
また、積層構造としては、誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属からなる陽極体の上に固体電解質、銀ペーストを積層して構成するタイプの電解コンデンサが報告されている(特許文献4)。
【0004】
【非特許文献1】
polymer,14, 586,(1973)
【特許文献1】
特開昭62−48716号公報
【特許文献2】
特開平8−295711号公報
【特許文献3】
特開平5−55088号公報
【特許文献4】
特開平3−276620号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの高分子固体電解質は、室温におけるイオン伝導度が低いため、コンデンサに適用した場合、損失が大きく十分な特性が得られなかったり、イオン伝導度は電解液並みに出ても高分子の耐熱性が低かったり、金属塩を使用しているため高温環境中でショートを起こしたり等、十分な特性が得られなかった。また、固体電解質を積層して低ESRを実現しているものの、使用している固体電解質が電子伝導性の材料であり皮膜修復性を有さないため、使用できる電圧帯が制限されるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、室温におけるイオン伝導度が高く耐熱性も高く、かつ、コンデンサを構成したとき電極(アルミニウム)箔と反応せず、成形性ならびに長寿命化の点で優れた電解コンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の発明は、表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極箔と弁作用金属からなる陰極箔をその間にセパレータを介在させて積層することにより構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を単独または2個以上積層した状態で陽極箔ならびに陰極箔に夫々接続された一対の外部電極と、この一対の外部電極の少なくとも一部が外部に露呈する状態でコンデンサ素子をアクリル系誘導体の共重合体を含むアクリル系高分子が混合された電解質と共に一体に被覆した絶縁性の外装樹脂からなる電解コンデンサであって、上記電解質は極性溶媒と、無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩の少なくとも1つからなる溶質とからなり、上記共重合体はアクリル系誘導体で末端に水酸基を有し、重合性の不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマー群の中の少なくとも1つからなる第1モノマーと、アクリル系誘導体で重合性の不飽和二重結合を複数有する多官能モノマー群の中の少なくとも1つからなる第2モノマーとの重合体である電解コンデンサ駆動用高分子電解質複合体を含む電解コンデンサとしたものである。これにより、巻回構造よりも多層構造引き出しによる従来にない低ESR化を実現し、かつ高分子電解質複合体を使用することで電解液のような液漏れを起こすことなく、積層構造が実現でき、外装樹脂での被覆が可能となるものである。また高分子電解質複合体を使用することで従来の固体電解質では不可能であった高い電圧まで修復機能を有し、適用電圧を高くできるものである。
【0008】
ここで、アクリル系誘導体の末端の水酸基としては、狭義の水酸基だけではなく、カルボキシル基、リン酸基、ジヒドロキシル基など、末端に水酸基を有するものを含む。
【0009】
また、マトリックス中に無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を溶かし込んだ極性溶媒を含有した駆動用電解質の形状としては固体、ゲル、高粘性液体等の特定の形状に限定するものではない。
【0010】
また、上記極性溶媒としては、エチレングルコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ポリオキシアルキレンポリオール(分子量200以下のポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコールならびに、これら2種以上の併用)等、アミド溶媒(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロジリノン等)、アルコール溶媒(メタノール、エタノール等)、エーテル溶媒(メチラール、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等)、ニトリル溶媒(アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、フラン溶媒(2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン等)、スルホラン溶媒(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、カーボネート溶媒(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、またはメチルエチルカーボネート等)、ラクトン溶媒(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサジリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等)、イミダゾリジノン溶媒(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、ピロリドン溶媒の単独あるいは2種以上の併用が挙げられる。このうちではエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水、ラクトン溶媒、アルコール溶媒、カーボネート溶媒、エーテル溶媒、ニトリル溶媒およびフラン溶媒が好ましい。
【0011】
また、無機酸および有機酸としては、ポリカルボン酸(2〜4価):脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、7−メチル−7−メトキシカルボニル−1,9−デカンジカルボン酸、7,9−ジメチル−7,9−ジメトキシカルボニル−1,11−ドデカンジカルボン酸、7,8−ジメチル−7,8−ジメトキシカルボニル−1,14−テトラデカンジカルボン酸、:不飽和ポリカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イコタン酸];芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸;脂環式ポリカルボン酸、例えばテトラヒドロフタル酸(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸等)、ヘキサヒドロフタル酸;これらのポリカルボン酸のアルキル(炭素数1〜3)もしくはニトロ置換体、例えばシトラコン酸、ジメチルマレイン酸、ニトロフタル酸(3−ニトロフタル酸、4−ニトロフタル酸);および硫黄含有ポリカルボン酸、例えばチオプロピオン酸;モノカルボン酸;脂肪族モノカルボン酸(炭素数1〜30)[飽和モノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リンゴ酸、酒石酸:不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸];芳香族モノカルボン酸、例えば安息香酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸;オキシカルボン酸、例えばサリチル酸、マンデル酸、レゾルシン酸等が挙げられ、さらに、ほう酸、りん酸、けいタングステン酸、けいモリブデン酸、りんタングステン酸、りんモリブデン酸等があり、特に電気二重層コンデンサ用としては、4−フッ化ホウ酸、6−フッ化リン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。さらにこれらの塩が挙げられる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、アクリル系誘導体の共重合体が共重合体マトリックスを構成し、電解質が前記共重合体マトリックスに取り込まれている構成としたものである作用効果を有する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、アクリル系誘導体の共重合体がポリオキシアルキレン基を含んでいることを特徴とするものであり、これにより極性溶媒との親和性を高め、共重合体の中に極性溶媒と、無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩の少なくとも1つからなる溶質とからなる電解質を取り込みやすくすることができるという作用効果を有する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、溶質がカチオンとしての金属塩を含んでいない構成にしたものであり、これにより、これらの材料においてはカチオンとして金属塩を用いていないために電解コンデンサに適用した場合、耐ショート性を向上させつつ、すなわち、ショートが起きにくくしつつ、高いイオン伝導度を引き出すことができるという作用効果が得られる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、無機酸もしくは有機酸の塩がアンモニウム塩、アミン塩もしくはアミジン塩から選ばれる溶質である構成としたものであり、アンモニウム塩は前記無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩が挙げられ、アミン塩を構成するアミンとして1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン、ジエタノールアミン等)、3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、トリエタノールアミン等)、4級アミン(テトラメチルアミン、テトラエチルアミン、テトラプロピルアミン等)が挙げられ、アミジン塩としてアルキル置換アミジン基を有する化合物およびアルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物が、炭素数1〜11のアルキル基またはアリールアルキル基で4級化されたイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物から選ばれる化合物が挙げられる。
【0016】
具体的には、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物が1−メチル1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−(−3’ヘプチル)イミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチル−イミダゾリニウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリニウムなどが挙げられ、これらから選ばれる1種以上を用いた構成としたものである。これにより、カチオンとして金属塩を用いないために、コンデンサに適用した場合、耐ショート性を向上させつつ、高いイオン伝導度を引き出すことができるという作用効果が得られる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、アクリル系誘導体で末端に水酸基を有する(化1)〜(化4)で表される単官能モノマー群および(化5)〜(化16)で表される多官能モノマー群の中からそれぞれ少なくとも1種以上を用いて重合されたアクリル酸エステルの共重合体マトリックスを含む構成としたものであり、アクリル系誘導体の末端に水酸基を有する(化1)〜(化4)で表される単官能モノマー群と(化5)〜(化16)で表される多官能モノマー群のアクリル酸エステルは、それぞれに適した重合開始剤を加え、加熱するか、または紫外線(UV)または電子線(EB)を照射することにより架橋し、それと同時に無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を溶かし込んだ極性溶媒が架橋物のマトリックス中に取り込まれるために、常温におけるイオン伝導度が高いものを得ることができる。特に、多官能モノマー群のアクリル酸エステルをジアクリル酸エステルをもつ化合物とすることで、3次元架橋構造を形成することが可能となり、単官能モノマー群のアクリル酸エステルのみの単独重合に比べ、共重合体マトリックスの骨格を安定に維持することができ、その結果、無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を溶かし込んだ極性溶媒をマトリックス中に安定に保持することができるものである。
【0018】
また、単官能モノマー群のアクリル酸エステルのように分子の末端に親水基を有するアクリル酸エステルを用いることで、溶媒との親和性が向上し、架橋してできたマトリックス内に無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を溶かし込んだ極性溶媒を取り込みやすくするものである。
【0019】
また、多官能モノマー群のアクリル酸エステルのように官能基を有した架橋構造、または多鎖型の架橋構造を有することで溶媒との親和性および架橋密度を上げることができ、電解液の含有量を向上することができる。また、リン酸基を有する架橋構造を用いることでコンデンサの陽極箔および陰極箔への吸着を促しアクリル酸エステルの共重合体マトリックスを含む駆動用電解質の密着性を高め、箔との接触抵抗を低減できるものである。これにより、更に高いイオン伝導度を実現でき、かつマトリックスが物理的極間距離を維持するため、コンデンサに適用した時ショート性において優れた特性を示すものである。
【0020】
【化17】
【0021】
【化18】
【0022】
【化19】
【0023】
【化20】
【0024】
【化21】
【0025】
【化22】
【0026】
【化23】
【0027】
【化24】
【0028】
【化25】
【0029】
【化26】
【0030】
【化27】
【0031】
【化28】
【0032】
【化29】
【0033】
【化30】
【0034】
【化31】
【0035】
【化32】
【0036】
なお、(化1)および(化4)で表される構造において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基(以下、EOと称す)、オキシプロピレン基(以下、POと称す)、オキシブチレン基(以下、BOと称す)、オキシテトラメチレン基(以下、TMOと称す)などが挙げられる。ポリオキシアルキレン基はこれらのオキシアルキレン基の1種の単独重合または2種以上の共重合体でも良いが、架橋物のマトリックス中へ電解液をより多く取り込むために、使用する極性溶媒や溶質種によって、より親和性の高い構造が選択できるものである。
【0037】
また、2種以上のオキシアルキレン基を含むポリオキシアルキレン基は、ブロック状に付加したもの、ランダム状に付加したものがあり、特に限定するものではない。
【0038】
請求項7に記載の発明は、アクリル系誘導体の末端に水酸基を有する(化1)〜(化4)で表される単官能モノマー群と(化5)〜(化16)で表される多官能モノマー群の混合比が、重量比で100:3〜3:100としたアクリル酸エステルの共重合体マトリックスである構成としたものであり、好ましくは100:10〜10:100である。これにより、マトリックスの骨格維持がより安定するものであり、その効果をより効率良く引き出すことができるという作用効果が得られる。
【0039】
請求項8に記載の発明は、極性溶媒と無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を合わせた重量に対し、アクリル酸エステルの共重合体マトリックスの含有量が5〜50wt%である構成としたものであり、アクリル酸エステルの含有量が5wt%より少ないと架橋物のマトリックスを形成できず、硬化ができない。また、含有量が50wt%以上になると、マトリックス中に取り込める電解液の絶対量が減るため、イオン伝導度が大幅に低下し十分な特性を引き出すことができないことになる。
【0040】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、コンデンサの陽極箔と陰極箔とを隔離しているセパレータの秤量が0.01〜55g/m2の範囲のものを用いて構成したものであり、これにより、従来の電解液または高分子固体電解質では、これら秤量の低いセパレータを用いた場合、ショートを引き起こし安定な特性を保つことができないのに対し、本発明のコンデンサ駆動用電解質を用いた場合、セパレータに高分子マトリックスが網目状に張り巡らされるため、コンデンサの電極間の極間距離を物理的に保つことができるため耐圧の安定性が向上し、従来では適用できなかった中高圧のコンデンサにも秤量の低いセパレータの使用を可能にし、良好な特性の引き出しが可能となるという作用効果が得られる。
【0041】
ここで、セパレータの種類としてはマニラ紙、クラフト紙、セルロール紙、Hemp紙、不織布、およびこれらの混抄セパレータが挙げられる。
【0042】
請求項10に記載の発明は、セパレータが空孔率10〜90%の多孔質樹脂フィルムまたは不織布である構成としたものであり、これにより、従来の電解液または高分子固体電解質では、10〜90%の範囲である多孔質樹脂フィルムもしくは不織布ではショートを引き起こしていたのに対し、本発明のコンデンサ駆動用電解質を用いた場合、多孔質樹脂フィルムもしくは不織布に高分子マトリックスが網目状に張り巡らされ、その中に溶質の溶け込んだ極性溶媒を含有するため、コンデンサの電極間の極間距離を物理的に保つことができるため耐圧を安定に保つことができると共に、良好な特性の引き出しを可能にすることができるという作用効果が得られる。
【0043】
特に、これらを使用することにより、コンデンサ内のセパレータの占める抵抗分を大きく下げることが可能となるため、低ESR化、低インピーダンス化に効果の大きいものである。
【0044】
なお、多孔質樹脂フィルムもしくは不織布としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、レーヨン樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニルカルバゾール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、セルロース樹脂等の熱可塑性樹脂およびフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、キシレン樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0045】
請求項11に記載の発明は、コンデンサの陽極箔と陰極箔とを隔離しているセパレータの面積が、陽極箔と陰極箔の対向する面積よりも大きいものを間に挟んで積層したことを特徴としたものであり、これにより、積層した陽極箔部と陰極箔部の物理的ショートを防ぎ安定した特性を実現することができるという作用効果を有する。
【0046】
請求項12に記載の発明は、弁作用金属がアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンのいずれかである構成としたものである。
【0047】
請求項13に記載の発明は、一対の外部電極がコム端子またはめっき層により形成された構成としたものである。
【0048】
請求項14に記載の発明は、表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属箔からなる陽極箔と弁作用金属箔からなる陰極箔をその間にセパレータを介在させて積層することによりコンデンサ素子を作製し、続いてこのコンデンサ素子を単独または2個以上積層した状態で陽極箔ならびに陰極箔に陽極コム端子ならびに陰極コム端子を夫々接続した後、このコンデンサ素子をアクリル系誘導体の共重合体を含むアクリル系高分子が混合された電解質溶液に浸漬し、続いてこれを引き上げて加熱乾燥することにより上記電解質溶液をゲル化させた後、上記陽極コム端子ならびに陰極コム端子の一部が夫々外部に露呈する状態でコンデンサ素子を絶縁性の外装樹脂で被覆するようにした電解コンデンサの製造方法であり、この方法により、低ESR、高耐圧の電解コンデンサを提供できるものである。なお、ここでの絶縁性の外装樹脂とは、樹脂材料、ラミネート剤等に限定するものではない。
【0049】
請求項15に記載の発明は、コンデンサ素子の陽極取り出し部ならびに陰極取り出し部に陽極コム端子ならびに陰極コム端子を夫々接続する工程を、コンデンサ素子を絶縁性の外装樹脂で被覆する前に行うようにしたものである。
【0050】
請求項16に記載の発明は、コンデンサ素子の陽極取り出し部ならびに陰極取り出し部に陽極コム端子ならびに陰極コム端子を夫々接続する方法に代えて、陽極取り出し部ならびに陰極取り出し部に夫々めっきによる外部電極を形成するようにしたものである。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に請求項1〜15に記載の発明について説明する。
【0052】
図1は本発明の一実施の形態による電解コンデンサの構成を示した斜視図、図2は同コンデンサ素子を示した斜視図、図3は同コンデンサ素子の分解斜視図であり、図1〜図3において1はコンデンサ素子であり、このコンデンサ素子1は表面に誘電体酸化皮膜層が形成されたアルミニウム製の陽極箔2と、同じくアルミニウム製の陰極箔3とを、その間にセパレータ4を介在させて積層することにより構成されているものである。
【0053】
なお、本実施の形態においては、このように構成されるコンデンサ素子1を複数個積層した構成としており、その際、上記陽極箔2と陰極箔3は交互に位置をずらせて積層することによって一方の端面には陽極箔2のみが、他方の端面には陰極箔3のみが同一面に配設されるように形成され、かつセパレータ4の面積を、陽極箔2と陰極箔3の相対向する部分の面積よりも若干大きく形成することによって絶縁の信頼性を確保するように構成しているものである。
【0054】
5はスペーサであり、陽極箔2とセパレータ4と陰極箔3を積層した際に、陽極箔2間ならびに陰極箔3間に生じる隙間を無くするように設けられるものであるが、コンデンサ素子1を構成するに当たって必要不可欠な部材ではない。6と7はコンデンサ素子1の陽極箔2と陰極箔3が夫々接続された陽極端子と陰極端子、8はこの陽極端子6と陰極端子7の一部が夫々外部に露呈する状態で後述する電解質が含浸されたコンデンサ素子1を被覆した絶縁性の外装樹脂である。
【0055】
また、このように構成された電解コンデンサは、上記コンデンサ素子1が外装樹脂8で被覆される前に、極性溶媒と、無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質と、アクリル系誘導体の末端に水酸基を有する(化1)〜(化4)で表される単官能モノマー群および(化5)〜(化16)で表される多官能モノマー群の中から選ばれたアクリル酸エステルと重合開始剤を含んだ液状の駆動用電解液を含浸させた後、このコンデンサを加熱することによりアクリル系誘導体の末端に水酸基を有する(化1)〜(化4)で表される単官能モノマー群(化5)〜(化16)で表される多官能モノマー群のアクリル酸エステル類がラジカル重合反応を起こし、共重合体マトリックスを形成すると同時に無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質を溶かし込んだ極性溶媒が架橋物のマトリックス中に取り込まれ、その結果、駆動用電解液が固化して駆動用電解質を生成することによりコンデンサを作製する。その後、これらを絶縁性の外装樹脂8で封止することにより、多層引き出しによる低ESRと電解コンデンサ駆動用高分子電解質複合体による高耐圧化を実現できるものである。また、図4は他の実施の形態を示したものであり、上記図1〜図3に示した電解コンデンサの陽極端子6と陰極端子7に代えて、コンデンサ素子1の端面にめっきをすることによって陽極電極9と陰極電極10を形成したものである。
【0056】
また、図5〜図7は同一面から陽極と陰極を引き出すようにした他の実施の形態を示したものであり、図5は電解コンデンサの構成を示した斜視図、図6は同コンデンサ素子を示した斜視図、図7は同コンデンサ素子の分解斜視図であり、図5〜図7において、11はコンデンサ素子、12は陽極箔、13は陰極箔、14はセパレータ、15は陽極電極、16は陰極電極、17は外装樹脂を夫々示すものである。
【0057】
以下、具体的な実施例について詳細に説明をする。
【0058】
(実施例1〜9)
本発明の実施例1〜9の駆動用電解質と比較例1および2の固体電解質の組成と物性を(表1)に示す。なお、このときの駆動用電解液中の水分は2wt%に調整した。また、(化1)および(化5)のアクリル酸エステル誘導体の構造を(表2)及び(表3)に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
(表1)の結果から、実施例1〜9の駆動用電解質は伝導度は多少低下するが、火花発生電圧を向上させることができる。これにより、ショート性改善効果が認められる。
【0063】
次に、(表1)に示した駆動用電解液を用いて駆動用電解質にしたコンデンサを各20個用意し、寿命試験を行った結果を(表4)に示す。なお、ここではアルミ電解コンデンサを用い、定格はいずれも400WV470μFであり、試験温度は105℃でリップル負荷試験を行った。
【0064】
【表4】
【0065】
(表4)の結果から、比較例1および2はエージング中にショートが発生し、正常な製品が作製できなかったのに対し、実施例1〜9のアルミ電解コンデンサは初期特性が安定し、105℃リップル負荷試験5000時間後でもショートかつ開弁等の不具合も発生していない。これにより、本発明のアクリル酸エステルからなる共重合体マトリックスを含む駆動用電解質が耐熱性に大きな効果があることが判る。
【0066】
(実施例10〜18)
本発明の実施例10〜18の駆動用電解質と比較例3〜5の固体電解質の組成および物性を(表5)に示す。なお、このときの駆動用電解液中の水分は2wt%に調整した。但し、ほう酸系を含む実施例14〜18および比較例4および5の水分は25wt%に調整した。
【0067】
【表5】
【0068】
次に、(表5)に示した駆動用電解液を用いて駆動用電解質にしたアルミ電解コンデンサを各20個用意し、その寿命試験を行った結果を(表6)および(表7)に示す。なお、(表6)のアルミ電解コンデンサの定格は160V330μF、(表7)は400V330μFである。また、試験温度は(表6)は125℃中で行い、(表7)は95℃中でDC負荷試験を行った。
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
(表6)および(表7)の結果から、本発明の実施例10〜18のアルミ電解コンデンサは、各比較例と比べて駆動用電解質の電気的な特性は同等であったが、高温中でのDC負荷試験では、秤量の小さいセパレータを用いた比較例3および多孔質樹脂セパレータを用いた比較例4は全数ショートが発生したのに対し、本発明の各実施例のものは非常に安定であり、歴然とした差があることが判る。
【0072】
また、従来のセパレータを用いた比較例5はショートこそ発生しないが特性変化率が著しく大きくなっているのに対し、本発明の各実施例は試験後も安定な特性を保っているのが示される。
【0073】
これらの結果よりアクリル系誘導体の末端に水酸基を有する(化17)〜(化20)で表される第1グループおよび(化21)〜(化32)で表される第2グループのアクリル酸エステルからなる共重合体マトリックスを含む駆動用電解質は、従来の電解液に比べて伝導度は低下するものの、秤量の低いセパレータや多孔質樹脂セパレータを使用することにより、tanδ、製品ESRおよびインピーダンスを十分に低くすることができるものである。
【0074】
ここで、本発明の駆動用電解質(実施例1)と比較例(比較例4)での電極箔への化成能力を比較した結果を図8に示す。駆動用電解質を用いた場合、比較例に対し100V以上の高い化成能力を有することが示される。これにより高温環境下でも耐ショート性の向上を来すものである。その結果、秤量の低いセパレータや多孔質樹脂フィルムを用いても優れた寿命特性を実現できる。
【0075】
また、(表6)および(表7)に示した効果をより明確なものにするために、実施例14と比較例5のアルミ電解コンデンサについて、試験終了後、分解し、陰極箔の容量と外観を調査した。その結果を(表8)に示す。
【0076】
【表8】
【0077】
(表8)から明らかなように、比較例5の試験後の陰極箔は初期容量比が1/2以下まで減少し、かつ表面が黒色に変色しているのに対して、実施例14の陰極箔は容量変化は殆ど観察されず、変色も見当たらなかった。
【0078】
以上のことから、本発明の極性溶媒と無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩のいずれか1種以上の溶質と、さらにアクリル系誘導体の末端に水酸基を有する(化17)〜(化20)で表される第1グループおよび(化21)〜(化32)で表される第2グループのアクリル酸エステルからなる共重合体マトリックスを含むコンデンサ駆動用電解質は、高温環境下においても陰極箔表面を保護できる特性を有することが確認され、高温で長寿命の安定性を有するアルミ電解コンデンサを供給することができる。
【0079】
なお、前記実施例では示さなかったが、4〜100WVの電解コンデンサに前記駆動用電解質を用いても同様の効果を期待することができる。
【0080】
なお、前記本発明の実施の形態では、アルミ電解コンデンサを対象として説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、電気二重層コンデンサ駆動用電解質としても有用なものである。
【0081】
【発明の効果】
以上のように本発明による電解コンデンサは、表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極箔と弁作用金属からなる陰極箔をその間にセパレータを介在させて積層することにより構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を単独または2個以上積層した状態で陽極箔ならびに陰極箔に夫々接続された一対の外部電極と、この一対の外部電極の少なくとも一部が外部に露呈する状態でコンデンサ素子をアクリル系誘導体の共重合体を含むアクリル系高分子が混合された電解質と共に一体に被覆した絶縁性の外装樹脂からなる電解コンデンサであって、上記電解質は極性溶媒と、無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩の少なくとも1つからなる溶質とからなり、上記共重合体はアクリル系誘導体で末端に水酸基を有し、重合性の不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマー群の中の少なくとも1つからなる第1モノマーと、アクリル系誘導体で重合性の不飽和二重結合を複数有する多官能モノマー群の中の少なくとも1つからなる第2モノマーとの重合体である電解コンデンサ駆動用高分子電解質複合体を含むものである構成としたことにより、駆動用電解液に対し漏液や耐熱性の面で良好な特性を有し、また従来の駆動用高分子固体電解質に比べ金属塩を用いないことにより耐ショート性の大幅な向上を示すものであり、工業的価値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による電解コンデンサの構成を示した斜視図
【図2】同コンデンサ素子を示した斜視図
【図3】同コンデンサ素子の分解斜視図
【図4】電解コンデンサの他の実施の形態を示した斜視図
【図5】電解コンデンサの他の実施の形態を示した斜視図
【図6】同コンデンサ素子を示した斜視図
【図7】同コンデンサ素子の分解斜視図
【図8】本発明の実施の形態による電極箔の化成能力を示す特性図
【符号の説明】
1、11 コンデンサ素子
2、12 陽極箔
3、13 陰極箔
4、14 セパレータ
5 スペーサ
6 陽極端子
7 陰極端子
8、17 外装樹脂
9、15 陽極電極
10、16 陰極電極
Claims (16)
- 表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属からなる陽極箔と弁作用金属からなる陰極箔をその間にセパレータを介在させて積層することにより構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を単独または2個以上積層した状態で陽極箔ならびに陰極箔に夫々接続された一対の外部電極と、この一対の外部電極の少なくとも一部が外部に露呈する状態でコンデンサ素子をアクリル系誘導体の共重合体を含むアクリル系高分子が混合された電解質と共に一体に被覆した絶縁性の外装樹脂からなる電解コンデンサであって、上記電解質は極性溶媒と、無機酸もしくは有機酸またはこれらの塩の少なくとも1つからなる溶質とからなり、上記共重合体はアクリル系誘導体で末端に水酸基を有し、重合性の不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマー群の中の少なくとも1つからなる第1モノマーと、アクリル系誘導体で重合性の不飽和二重結合を複数有する多官能モノマー群の中の少なくとも1つからなる第2モノマーとの重合体である電解コンデンサ駆動用高分子電解質複合体を含むものである電解コンデンサ。
- アクリル系誘導体の共重合体が共重合体マトリックスを構成し、電解質が前記共重合体マトリックスに取り込まれている請求項1に記載の電解コンデンサ。
- アクリル系誘導体の共重合体がポリオキシアルキレン基を含んでいる請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 溶質がカチオンとしての金属塩を含んでいない請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 溶質が無機酸および有機酸のアンモニウム塩、アミン塩およびアミジン塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの塩である請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 第1モノマーと第2モノマーとの重量比が100:3〜3:100の範囲である請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 溶質とアクリル系誘導体の共重合体の合計重量中に占める同共重合体の含有量が5〜50wt%の範囲である請求項1に記載の電解コンデンサ。
- セパレータの秤量が0.01〜55g/m2の範囲である請求項1に記載の電解コンデンサ。
- セパレータが空孔率10〜90%の多孔質樹脂フィルムまたは不織布である請求項1に記載の電解コンデンサ。
- コンデンサ素子を構成するセパレータの面積が、陽極箔と陰極箔の相対向する部分の面積より大きく形成された請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 弁作用金属がアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンのいずれかである請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 一対の外部電極がコム端子またはめっき層により構成された請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 表面に誘電体酸化皮膜層が形成された弁作用金属箔からなる陽極箔と弁作用金属箔からなる陰極箔をその間にセパレータを介在させて積層することによりコンデンサ素子を作製し、続いてこのコンデンサ素子を単独または2個以上積層した状態で陽極箔ならびに陰極箔に陽極コム端子ならびに陰極コム端子を夫々接続した後、このコンデンサ素子をアクリル系誘導体の共重合体を含むアクリル系高分子が混合された電解質溶液に浸漬し、続いてこれを引き上げて加熱乾燥することにより上記電解質溶液をゲル化させた後、上記陽極コム端子ならびに陰極コム端子の一部が夫々外部に露呈する状態でコンデンサ素子を絶縁性の外装樹脂で被覆するようにした電解コンデンサの製造方法。
- コンデンサ素子の陽極取り出し部ならびに陰極取り出し部に陽極コム端子ならびに陰極コム端子を夫々接続する工程を、コンデンサ素子を絶縁性の外装樹脂で被覆する前に行うようにした請求項14に記載の電解コンデンサの製造方法。
- コンデンサ素子の陽極取り出し部ならびに陰極取り出し部に陽極コム端子ならびに陰極コム端子を夫々接続する方法に代えて、陽極取り出し部ならびに陰極取り出し部に夫々めっきによる外部電極を形成するようにした請求項14に記載の電解コンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002359057A JP2004193308A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 電解コンデンサおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002359057A JP2004193308A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 電解コンデンサおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004193308A true JP2004193308A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32758558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002359057A Pending JP2004193308A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 電解コンデンサおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004193308A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014120512A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Nof Corp | 電解コンデンサ用電解液 |
WO2015098053A1 (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-02 | 日東電工株式会社 | 電解コンデンサ用セパレータ、その製造方法、及びそれを用いた電解コンデンサ |
-
2002
- 2002-12-11 JP JP2002359057A patent/JP2004193308A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014120512A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Nof Corp | 電解コンデンサ用電解液 |
WO2015098053A1 (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-02 | 日東電工株式会社 | 電解コンデンサ用セパレータ、その製造方法、及びそれを用いた電解コンデンサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6563694B2 (en) | Electric energy storage device and method for manufacturing the same | |
KR101525258B1 (ko) | 고체 전해 콘덴서의 제조 방법 | |
US7004983B2 (en) | Polymer electrolyte composite for driving an electrolytic capacitor, an electrolytic capacitor using the same, and a method of making the electrolytic capacitor | |
US6690573B2 (en) | Aluminum electrolytic capacitor and method for producing the same | |
EP0617442B1 (en) | Solid electrolytic capacitor and method of manufacturing the same | |
US6839222B2 (en) | Electrolytic capacitor | |
JP2005251885A (ja) | アルミ電解コンデンサ | |
WO2023190203A1 (ja) | 電解コンデンサ | |
JP2004193308A (ja) | 電解コンデンサおよびその製造方法 | |
JP2004253537A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JP4412882B2 (ja) | 電解コンデンサ駆動用高分子電解質複合体、それを用いた電解コンデンサ及びその製造方法 | |
JP4617529B2 (ja) | 電解コンデンサ | |
JP4449305B2 (ja) | アルミ電解コンデンサ | |
JP2003173932A (ja) | 固体コンデンサおよびその製造方法 | |
JP2886195B2 (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JP2004186642A (ja) | 電解コンデンサとその製造方法 | |
JP2003309041A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
KR102447851B1 (ko) | 겔전해질을 이용한 고전압의 초박형 전기이중층 커패시터 및 그 제조방법 | |
KR102259541B1 (ko) | 하이브리드 알루미늄 고분자 커패시터의 제조 방법 | |
JP2004200657A (ja) | 電解コンデンサ | |
JP2701876B2 (ja) | 電解コンデンサ用電解液 | |
WO2021200776A1 (ja) | 電解コンデンサおよびその製造方法 | |
JP4496580B2 (ja) | 電解コンデンサ | |
JP4646462B2 (ja) | 電解コンデンサ | |
JP2000106328A (ja) | コンデンサ及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051017 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Effective date: 20051114 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080804 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080902 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20081104 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090602 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |