JP2003173932A - 固体コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体コンデンサおよびその製造方法

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JP2003173932A JP2001372273A JP2001372273A JP2003173932A JP 2003173932 A JP2003173932 A JP 2003173932A JP 2001372273 A JP2001372273 A JP 2001372273A JP 2001372273 A JP2001372273 A JP 2001372273A JP 2003173932 A JP2003173932 A JP 2003173932A
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solid
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fine particle
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Teruki Fujiyama
輝己 藤山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏れ電流などの電気特性に優れて生産性の高
い固体コンデンサを提供することを目的とする。 【解決手段】 エッチング箔に誘電体酸化皮膜12を形
成した陽極箔11と、この陽極箔11に対向させた少な
くともエッチング処理したアルミニウム箔の陰極箔13
と、前記陽極箔11の表面に導電性の乏しい高分子層1
4が形成され、かつ陽極箔11と陰極箔13の間に導電
性微粒子層15を設けた構成としたものであり、この構
成により、漏れ電流、ESR等の電気特性のバラツキの
少ない優れた固体コンデンサを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に利用
される固体コンデンサおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高周波化に伴って、電子部品
である電解コンデンサにおいても高周波領域でのインピ
ーダンス特性に優れた大容量で耐電圧の高い電解コンデ
ンサが求められてきている。最近では、この高周波領域
のインピーダンス低減のために、電気伝導度の高い導電
性高分子を固体電解質層に用いた固体電解コンデンサが
検討されてきており、また大容量化の要求に対しては電
極箔を積層させる場合と比較して、構造的に大容量化が
容易な巻回形(陽極箔と陰極箔をその間にセパレータを
介して巻回した構造のもの)による導電性高分子を用い
た固体電解コンデンサが製品化されている。
【0003】この巻回形の固体電解コンデンサにおい
て、導電性高分子の形成方法についてこれまで多くの発
明がなされており、一般的には導電性高分子のモノマー
溶液と酸化剤溶液で交互に電解重合または化学重合して
固体電解質層を形成するか、導電性高分子のモノマー溶
液と酸化剤溶液の混合溶液で電解重合または化学重合し
て固体電解質層を形成していた。
【0004】ここで用いられている導電性高分子のモノ
マーとしてはピロール、チオフェン、エチレンジオキシ
チオフェン、アニリンまたはその誘導体が用いられてお
り、酸化剤溶液としては高い耐熱性を確保しやすく脱ド
ープし難いというメリットが得られる観点から、スルホ
ン酸アニオンの分子量の大きいベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
ナフタレンスルホン酸、トリイソプロピルナフタレンス
ルホン酸や炭素10以上の脂肪族スルホン酸(少なくと
も分子量222g/モル)等の第二鉄塩を含有したアル
コール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブタノール、エチレングリコール等)溶液が
用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記巻回
形の固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子を巻回
形のコンデンサ素子内部に均一かつ十分に含浸させるこ
とは困難であり、特にエチレンジオキシチオフェンを重
合してなるポリエチレンジオキシチオフェンにおいて
は、種々の酸化剤条件(より具体的には酸化剤溶液ロッ
ト間での差異)や重合条件(温度など)の微妙な変化、
さらには酸化剤溶液を調合してから導電性高分子のモノ
マーを重合するまでの経過時間等によって、電気特性の
バラツキ(特に導電性高分子の誘電体酸化皮膜上への被
覆率により決定される静電容量のバラツキや導電性高分
子の充填率により決定される高周波域でのESRのバラ
ツキ)が大きいという課題を有していた。
【0006】また、前記導電性高分子はイオン導電性を
有しないために誘電体酸化皮膜の修復能力がほとんどな
く、導電性高分子を電解質としてコンデンサを構成した
場合、コンデンサの漏れ電流が高くなりやすい上、エー
ジング中にショートしやすいという欠点を有していた。
【0007】また、電解質が固体であるがゆえに局部圧
力が直接電極に加わり易いので、複素環式モノマーを含
有する溶液と酸化剤を含有する溶液に個々に含浸、また
は複素環式モノマーと酸化剤を含有する混合液に含浸
し、規定温度で数時間をかけて重合しなければならなか
った。
【0008】本発明は従来のこのような課題を解決し、
漏れ電流などの電気特性に優れ生産性の高い固体コンデ
ンサおよびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、エッチング箔に誘
電体酸化皮膜を形成した陽極箔と、この陽極箔に少なく
ともエッチング処理したアルミニウム箔の陰極箔を対向
させ、前記陽極箔の表面に導電性の乏しい高分子層を形
成し、かつ陽極箔と陰極箔の間に導電性微粒子層を設け
た構成としたものであり、この構成により、漏れ電流、
ESR等の電気特性のバラツキが優れた固体コンデンサ
を得ることができるという作用を有する。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、導電性の乏しい高分子層の抵抗率が
1.0×104Ω/□〜1.0×108Ω/□とした構成
とするものであり、この構成によれば、導電性の乏しい
高分子層は電解質として利用することで、誘電体酸化皮
膜上まで電荷を運ぶことができるため、エッチングされ
た箔表面の容量を引き出し易い。また、高抵抗であるた
め、誘電体酸化皮膜の微細な損傷部が絶縁破壊しても電
流が制限され電子のなだれ現象が生じにくいため損傷部
の拡大が無く、漏れ電流が小さく、かつエージング中に
ショートが発生しにくい固体コンデンサを構成すること
ができるという作用を有する。
【0011】なお、抵抗率が1.0×104Ω/□未満
では、誘電体酸化皮膜の微細な損傷部から電流が流れや
すくなり、漏れ電流特性が悪くなる。また、抵抗率が
1.0×108Ω/□を越えると、エッチングされた箔
表面の容量の引き出し率が悪くなる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、導電性の乏しい高分子層がポリエステ
ルまたはその誘導体を有する構成とするものであり、ま
た、請求項4に記載の発明は、ポリエステルの誘導体が
グリシジル変性ポリエステル、スルホン酸変性ポリエス
テル、カルボン酸変性ポリエステルよりなる群より選ば
れる高分子または共重合体の少なくとも1種以上を含む
構成とするもので、これらの高分子または共重合体は、
導電性高分子の抵抗率を1.0×104Ω/□〜1.0
×108Ω/□の値に設定することが容易であるため、
電子なだれ現象を局所的な範囲に止めるに十分な絶縁性
能を有する高分子層を構成できるので、漏れ電流が非常
に小さく、かつエージング中のショート発生を低減する
ことができるという作用を有する。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、導電性微粒子層が導電性微粒子粉末を
セパレータに分散させた構成とするものであり、導電性
微粒子層を均一に固定することができ、容量およびES
Rの低い固体コンデンサを構成できるという作用を有す
る。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、セパレータがポリエチレンテレフタレ
ート樹脂および/またはポリブチレンテレフタレート樹
脂を含有する湿式法により作製された不織布である構成
とするものであり、不織布の中でも合成樹脂であるポリ
エチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂と導電性微粒子粉末との密着性・接着性が極め
て良いため、他の合成樹脂からなるセパレータ材質を使
用した場合と比較して高周波領域でのESRをより一層
低くすることができるという作用を有する。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、導電性微粒子層が導電性微粒子粉末を
分散させた弾性導電性シートで構成するものであり、請
求項5に記載の発明の作用効果と同様の作用を有する。
【0016】請求項8に記載の発明は、エッチング箔に
誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と少なくともエッチン
グ処理されたアルミニウム箔の陰極箔とをその間にセパ
レータを介在させて巻回することによりコンデンサ素子
を作製し、このコンデンサ素子を導電性の乏しい高分子
水溶液に浸漬して高分子層を形成し、続いて導電性微粒
子溶液に浸漬して導電性微粒子層を形成する製造方法で
あり、高周波領域のESRの低い大容量の固体コンデン
サを容易にかつ安定して製造することができるという作
用を有する。
【0017】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の発明において、導電性の乏しい高分子層を形成する前
に、前記陽極箔を有機化合物の水溶液で化成処理を行う
製造方法としたもので、陽極箔の誘電体酸化皮膜の欠陥
部を修復するばりでなく、陽極箔の端部に化成皮膜を形
成し、漏れ電流や高周波領域でのESRを低くすること
ができるという作用を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0019】図1は本発明の実施の形態による固体コン
デンサのコンデンサ素子の要部を拡大した概念図であ
り、同図に示すように、エッチング箔に誘電体酸化皮膜
12を形成した陽極箔11と、この陽極箔11に少なく
ともエッチング処理したアルミニウム箔の陰極箔13を
対向させ、前記陽極箔11の表面に導電性の乏しい高分
子層(以下、低高分子層と記す)14が形成され、かつ
陽極箔11と陰極箔13の間に導電性微粒子層15を設
けた構成としたものである。
【0020】前記低高分子層14は、その抵抗率が1.
0×104Ω/□〜1.0×108Ω/□にすることによ
り、誘電体酸化皮膜12の微細な損傷部が絶縁破壊して
も電流が制限され電子のなだれ現象が生じにくくなるた
め、損傷部の拡大が無く、漏れ電流が小さく、かつエー
ジング中にショートを発生しにくくすることができる。
【0021】また、前記低高分子層14は電解質として
の利用もできるので、誘電体酸化皮膜12上まで電荷を
運ぶことができるため、エッチング箔表面の容量を引き
出し易い固体コンデンサを得ることができる。
【0022】また、前記低高分子層14はポリエステル
またはその誘導体を有する構成とするものであり、ポリ
エステルの誘導体がグリシジル変性ポリエステル、スル
ホン酸変性ポリエステル、カルボン酸変性ポリエステル
よりなる群より選ばれる高分子または共重合体の少なく
とも1種以上にすることにより、前記低高分子層14の
抵抗率を1.0×104Ω/□〜1.0×108Ω/□の
値に設定することを容易にすることができる。
【0023】また、前記導電性微粒子層15は粒子径が
1μm以下のカーボンや銀等の導電性微粒子を有機溶媒
および有機バインダーをベースにした導電性溶液を陽極
箔11と陰極箔13の間に形成したものである。
【0024】この導電性微粒子層15は、陽極箔11の
平均ピット径が3〜10μmであることから陽極箔11
のピット内にも導電性微粒子が入り込み、容量引き出し
率を高くすることができる。
【0025】以下、本実施の形態のコンデンサ素子とこ
れを用いた固体コンデンサの具体的な実施例について説
明する。
【0026】(実施例1)エッチング箔に誘電体酸化皮
膜を形成した陽極箔とエッチング処理されたアルミニウ
ム箔の陰極箔とをその間にポリエチレンテレフタレート
製スパンボンド不織布のセパレータ(厚さ50μm、秤
量25g/m2)を介在させて巻回することにより巻回
形のコンデンサ素子を構成した(このコンデンサ素子に
アジピン酸アンモニウムの10重量%エチレングリコー
ル溶液を含浸させた際の周波数120Hzにおける静電
容量は672μFであった)。
【0027】次に、このコンデンサ素子を化成液(7%
のアジピン酸アンモニウム水溶液、温度70℃)の入っ
た金属容器内に浸漬し、陽極箔を陽極、金属容器を陰極
にして化成処理して陽極箔の誘電体酸化皮膜の欠陥部を
修復した。
【0028】続いて、このコンデンサ素子をグリシジル
変性ポリエステルの濃度が5.0重量%とポリエチレン
ジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸の濃度が
1.0重量%の水溶液(合計の溶液中固形分濃度6.0
重量%)中に浸漬して引き上げた後、150℃で5分間
乾燥処理を行い、少なくとも誘電体酸化皮膜上に低高分
子層を形成した(ガラス板上に膜厚10μmの低高分子
層を形成したときの抵抗率は1.0×107Ω/□であ
った)。
【0029】続いて、このコンデンサ素子を粒子径が1
μm以下のカーボン微粒子を有機溶媒および有機バイン
ダーと混合したカーボン溶液に浸漬し、陽極箔と陰極箔
の間に導電性微粒子層を形成した。
【0030】続いて、このコンデンサ素子を樹脂加硫ブ
チルゴム封口材(ブチルゴムポリマー30部、カーボン
20部、無機充填剤50部から構成、封口体硬度:70
IRHD[国際ゴム硬さ単位])と共にアルミニウム製
の外装ケースに封入した後、カーリング処理により開口
部を封止し、更に陽極箔、陰極箔から夫々導出された両
リード端子をポリフェニレンサルファイド製の座板に通
し、リード線部を扁平に折り曲げ加工することにより面
実装型の固体コンデンサを作製した(サイズ:直径10
mm×高さ10mm)。
【0031】(実施例2)前記実施例1において、低高
分子層をグリシジル変性ポリエステルの濃度が4.0重
量%とスルホン化ポリアニリンの濃度が1.0重量%の
水溶液(合計の溶液中固形分濃度5.0重量%)を用い
た以外は実施例1と同様にして面実装型の固体コンデン
サを作製した(ガラス板上に膜厚10μmの低高分子層
を形成したときの抵抗率は1.0×106Ω/□であっ
た)。
【0032】(実施例3)前記実施例1において、低高
分子層をスルホン酸変性ポリエステルの濃度が2.5重
量%とカルボン酸変性ポリエステルの濃度が2.5重量
%およびポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレン
スルホン酸の濃度が1.0重量%の水溶液(合計の溶液
中固形分濃度6.0重量%)を用いた以外は実施例1と
同様にして面実装型の固体コンデンサを作製した(ガラ
ス板上に膜厚10μmの低高分子層を形成したときの抵
抗率は1.0×108Ω/□であった)。
【0033】(実施例4)前記実施例1において、低高
分子層をグリシジル変性ポリエステルの濃度が3.0重
量%とカルボン酸変性ポリエステルの濃度が3.0重量
%およびポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレン
スルホン酸の濃度が1.0重量%の水溶液(合計の溶液
中固形分濃度7.0重量%)を用いた以外は実施例1と
同様にして面実装型の固体コンデンサを作製した(ガラ
ス板上に膜厚10μmの低高分子層を形成したときの抵
抗率は1.0×1010Ω/□であった)。
【0034】(実施例5)前記実施例1において、セパ
レータをポリエチレンテレフタレート樹脂を湿式法によ
り作製した不織布(厚さ50μm、秤量22.5g/m
2)を用いた以外は実施例1と同様にして面実装型の固
体コンデンサを作製した。
【0035】(実施例6)前記実施例1において、セパ
レータをポリブチレンテレフタレート樹脂を湿式法によ
り作製した不織布(厚さ50μm、秤量22.5g/m
2)を用いた以外は実施例1と同様にして面実装型の固
体コンデンサを作製した。
【0036】(実施例7)前記実施例1において、セパ
レータを粒子径が1μm以下のカーボン微粒子を有機溶
媒およびシリコーンゴムと混合して弾性導電性シートに
形成したものを用いた以外は実施例1と同様にして面実
装型の固体コンデンサを作製した。
【0037】(実施例8)前記実施例1において、導電
性微粒子層を粒子径が1μm以下の銀微粒子を有機溶媒
および有機バインダーと混合した銀溶液を用いた以外は
実施例1と同様にして面実装型の固体コンデンサを作製
した。
【0038】(実施例9)エッチング箔に誘電体酸化皮
膜を形成した陽極箔とエッチング処理されたアルミニウ
ム箔の陰極箔とをその間にポリエチレンテレフタレート
製スパンボンド不織布のセパレータ(厚さ50μm、秤
量25g/m2)を介在させて巻回することにより巻回
形のコンデンサ素子を構成した(このコンデンサ素子に
アジピン酸アンモニウムの10重量%エチレングリコー
ル溶液を含浸させた際の周波数120Hzにおける静電
容量は670μFであった)。
【0039】前記セパレータは、粒子径が1μm以下の
カーボン微粒子を有機溶媒および有機バインダーと混合
したカーボン溶液をセパレータに含浸させ、導電性微粒
子であるカーボン微粒子を均一に分散させたものを用い
た。
【0040】次に、このコンデンサ素子を化成液(7%
のアジピン酸アンモニウム水溶液、温度70℃)の入っ
た金属容器内に浸漬し、陽極箔を陽極、金属容器を陰極
にして化成処理して、陽極箔の誘電体酸化皮膜の欠陥部
を修復した。
【0041】続いて、このコンデンサ素子をグリシジル
変性ポリエステルの濃度が3.0重量%とポリエチレン
ジオキシチオフェンポリスチレンスルホン酸の濃度が
1.0重量%の水溶液(合計の溶液中固形分濃度4.0
重量%)中に浸漬して引き上げた後、150℃で5分間
乾燥処理を行い、少なくとも誘電体酸化皮膜上に低高分
子層を形成した(ガラス板上に膜厚10μmの低高分子
層を形成したときの抵抗率は1.0×104Ω/□であ
った)。
【0042】次に、前記ンデンサ素子を実施例1と同様
にして面実装型の固体コンデンサを作製した。
【0043】(比較例)前記実施例1において、低高分
子層および導電性微粒子層の代わりに、複素環式モノマ
ーにエチレンジオキシチオフェン1部、酸化剤にナフタ
レンスルホン酸第二鉄1部とトリイソプロピルナフタレ
ンスルホン酸第二鉄1部とを用い、重合溶剤にエタノー
ル4部を用いた水溶液にコンデンサ素子を浸漬して、陽
極箔と陰極箔の間に導電性高分子の固体電解質層を形成
した以外は実施例1と同様にして面実装型の固体コンデ
ンサを作製した。
【0044】以上のように作製した本発明の実施例1〜
9と比較例の固体コンデンサについて、その静電容量
(測定周波数120Hz)、インピーダンス(測定周波
数100kHz)、漏れ電流(定格電圧6.3V印加後
2分値)、エージング処理中のショート発生(不良)を
比較した結果を(表1)に示す。
【0045】なお、試験個数はいずれも50個であり、
静電容量、ESR、漏れ電流は、ショート品を除いたサ
ンプルについての平均値で示した。
【0046】
【表1】
【0047】(表1)より明らかなように、本発明の実
施例1〜9の固体コンデンサは、陽極箔の誘電体酸化皮
膜上に抵抗率の低い低高分子層を設けた構成としている
ため、誘電体酸化皮膜の損傷部より電子なだれ現象が生
じた際でも、その部位で電子なだれ現象を止めることが
でき、比較例の固体コンデンサと比較して、漏れ電流が
小さく、かつエージング中にショートの発生しにくい固
体コンデンサを得ることができる。
【0048】また、低高分子層は電解質の一部として利
用することができるのでコンデンサのインピーダンスを
低くし、静電容量の高い固体コンデンサを得ることがで
きる。
【0049】一方、比較例の固体コンデンサは、誘電体
酸化皮膜上に直接導電性高分子の固体電解質層を設けて
いるため、電子なだれ現象が大きくなり、ショートも発
生し、インピーダンスも高いものであった。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明の固体コンデンサ
は、エッチング箔に誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔
と、この陽極箔に対向させた少なくともエッチング処理
したアルミニウム箔の陰極箔と、前記陽極箔の表面に導
電性の乏しい高分子層が形成され、かつ陽極箔と陰極箔
の間に導電性微粒子層を設けた構成とすることにより、
漏れ電流、ESR等の電気特性に優れた固体コンデンサ
を得ることができるものである。
【0051】また、導電性微粒子層を導電性微粒子粉末
をセパレータに分散させた構成とすることにより、導電
性微粒子層を均一に固定することができ、容量及びES
Rの低い固体コンデンサを得ることができるので、従来
のように長時間の重合時間を必要とせず、製造工程を簡
素化でき、工業的価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による固体コンデンサの
コンデンサ素子の要部拡大概念図
【符号の説明】
11 陽極箔 12 誘電体酸化皮膜 13 陰極箔 14 導電性の乏しい高分子層(低高分子層) 15 導電性微粒子層 16 セパレータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング箔に誘電体酸化皮膜を形成し
    た陽極箔と、この陽極箔に少なくともエッチング処理し
    たアルミニウム箔の陰極箔を対向させ、前記陽極箔の表
    面に導電性の乏しい高分子層を形成し、かつ陽極箔と陰
    極箔の間に導電性微粒子層を設けたコンデンサ素子を有
    する固体コンデンサ。
  2. 【請求項2】 導電性の乏しい高分子層の抵抗率が1.
    0×104Ω/□〜1.0×108Ω/□とした請求項1
    に記載の固体コンデンサ。
  3. 【請求項3】 導電性の乏しい高分子層がポリエステル
    またはその誘導体を有した請求項1に記載の固体コンデ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 ポリエステルの誘導体がグリシジル変性
    ポリエステル、スルホン酸変性ポリエステル、カルボン
    酸変性ポリエステルよりなる群より選ばれる高分子また
    は共重合体の少なくとも1種以上を含む請求項3に記載
    の固体コンデンサ。
  5. 【請求項5】 導電性微粒子層がセパレータに導電性微
    粒子粉末を分散させたものである請求項1に記載の固体
    コンデンサ。
  6. 【請求項6】 セパレータがポリエチレンテレフタレー
    ト樹脂および/またはポリブチレンテレフタレート樹脂
    を含有する湿式法により作製された不織布である請求項
    5に記載の固体コンデンサ。
  7. 【請求項7】 導電性微粒子層が導電性微粒子粉末を分
    散させた弾性導電性シートとした請求項1に記載の固体
    コンデンサ。
  8. 【請求項8】 エッチング箔に誘電体酸化皮膜を形成し
    た陽極箔と少なくともエッチング処理されたアルミニウ
    ム箔の陽極箔とをその間にセパレータを介在させて巻回
    することによりコンデンサ素子を作製し、このコンデン
    サ素子を導電性の乏しい高分子水溶液に浸漬して高分子
    層を形成し、続いて導電性微粒子溶液に浸漬して導電性
    微粒子層を形成する固体コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 導電性の乏しい高分子層を形成する前
    に、有機化合物の水溶液で化成処理を行う請求項8に記
    載の固体コンデンサの製造方法。
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