JP2020106324A - マイクロ流体デバイス用フィルム、マイクロ流体デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板に接合可能であり、高温高湿条件下においても安定した親水性を示し、耐擦傷性を有する、マイクロ流体デバイス用フィルムを提供する。【解決手段】一実施態様のフィルムは、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板と接合されて、内部に液密な流路を有するマイクロ流体デバイスを形成するマイクロ流体デバイス用フィルムであって、基材と、親水性コーティングとを含み、親水性コーティングが、(メタ)アクリル系樹脂と、親水性コーティングの総質量に基づき65〜95質量%の未変性ナノシリカ粒子とを含む。【選択図】図1

Description

本開示はマイクロ流体デバイス用フィルム、マイクロ流体デバイス及びその製造方法に関する。
親水性フィルムがマイクロ流体デバイスに広く使用されている。マイクロ流体デバイスは一般に複数の層から構成される。例えば、第1層(基板)の表面には流路が形成され、この流路を覆うように第2層が第1層に接合される。ポリジメチルシロキサン(PDMS)材料は、加工性、耐薬品性、精度などの観点から第1層に好適に使用される。親水性フィルムは第2層に使用される。
PDMS材料は、親水性を付与する目的で界面活性剤を含む第2層とは接着しにくい傾向がある。シリカ蒸着フィルムは親水性を有しておりプラズマ処理によりPDMS材料に接着するため、第2層として使用できることが知られている。
特許文献1(特開2005−257283号公報)は「少なくとも微細流路が形成されたポリジメチルシロキサン(PDMS)基板と、該PDMS基板の微細流路形成面に接着された対面基板とからなるマイクロチップにおいて、前記対面基板がPDMS以外の合成樹脂から形成されており、前記対面基板の貼り合わせ面には酸化シリコン膜が成膜されており、該対面基板が酸化シリコン膜を介して前記PDMS基板と接着されていることを特徴とするマイクロチップ」を記載している。
特許文献2(国際公開第2008/087800号)は、「2つの樹脂製基板のうち少なくとも1つの樹脂製基板には表面に流路用溝が形成され、前記2つの樹脂製基板を、前記流路用溝が形成されている面を内側にして接合するマイクロチップの製造方法であって、前記2つの樹脂製基板のそれぞれに対して前記接合する面を活性化し、その後、圧力を加えながら前記2つの樹脂製基板を接合することを特徴とするマイクロチップの製造方法」を記載している。
特許文献3(国際公開第2008/065868号)は、「2つの樹脂製部材の少なくとも1つの樹脂製部材には流路用溝が形成され、前記2つの樹脂製部材を、前記流路用溝が形成されている面を内側にして接合するマイクロチップ基板の接合方法であって、前記2つの樹脂製部材のそれぞれに対して、接合する面の表面にSiOを主成分とするSiO膜を形成し、前記SiO膜を活性化させることで、前記2つの樹脂製部材を接合することを特徴とするマイクロチップ基板の接合方法」を記載している。
特開2005−257283号公報 国際公開第2008/087800号 国際公開第2008/065868号
シリカ蒸着フィルムの親水性は高温高湿条件下で低下する。このことは、シリカ蒸着フィルムの保存安定性、又はマイクロ流体デバイスの性能保証の観点から不利である。また、シリカ蒸着膜のフィルムに対する密着性は比較的低く、マイクロ流体デバイスの作製中に、搬送ローラなどの装置又は器具がシリカ蒸着膜に接触する、あるいは水中にシリカ蒸着膜が浸漬されると、シリカがフィルムから脱落してフィルムの親水性が低下する場合がある。
本開示は、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板に接合可能であり、高温高湿条件下においても安定した親水性を示し、耐擦傷性を有する、マイクロ流体デバイス用フィルムを提供する。
一実施態様によれば、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板と接合されて、内部に液密な流路を有するマイクロ流体デバイスを形成するマイクロ流体デバイス用フィルムであって、基材と、親水性コーティングとを含み、前記親水性コーティングが、(メタ)アクリル系樹脂と、前記親水性コーティングの総質量に基づき65〜95質量%の未変性ナノシリカ粒子とを含む、フィルムが提供される。
別の実施態様によれば、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板と、上記フィルムとを含むマイクロ流体デバイスであって、前記ポリジメチルシロキサン基板の前記流路が形成された表面と前記フィルムの前記親水性コーティングとが向かい合うように、前記ポリジメチルシロキサン基板と前記フィルムとが接合されて、内部に液密な流路を有する、マイクロ流体デバイスが提供される。
さらに別の実施態様によれば、マイクロ流体デバイスの製造方法であって、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板を用意することと、上記フィルムを用意することと、前記ポリジメチルシロキサン基板の前記流路が形成された表面及び前記フィルムの前記親水性コーティングを活性化することと、前記ポリジメチルシロキサン基板の前記流路が形成された表面と前記フィルムの前記親水性コーティングとが向かい合うように、前記ポリジメチルシロキサン基板と前記フィルムとを接合して、これによりマイクロ流体デバイスの内部に液密な流路を形成することを含む、方法が提供される。
本開示によれば、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板に接合可能であり、高温高湿条件下においても安定した親水性を示し、耐擦傷性を有する、マイクロ流体デバイス用フィルムが提供される。
上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
一実施態様のマイクロ流体デバイス用フィルムの概略断面図である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において「親水性」とは、基材の水接触角に比べて低いこと、又は水分散性若しくは水溶性を呈することを意味する。
本開示において「分散」とは、凝集していないことを意味し、「水分散性」とは、ナノシリカ粒子が水中で凝集しないことを意味する。例えば、ナノシリカ粒子を透明の(メタ)アクリル系樹脂中に分散させた場合、親水性コーティングの初期ヘイズ値を約20%以下にすることができる。
本開示において「未変性」とは、ナノシリカ粒子表面の末端基、例えばシラノール基(Si−OH基)が他の材料により変性されていないことを意味する。「変性」とは、例えば、ナノシリカ粒子を水、(メタ)アクリル系樹脂などに分散し易くするために、ナノシリカ粒子表面の末端基に表面処理剤を結合(共有結合、イオン結合、又は物理吸着による結合)させる処理を意味する。
一実施態様のマイクロ流体デバイス用フィルムは、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板と接合されて、内部に液密な流路を有するマイクロ流体デバイスを形成する。本開示において「液密な流路」とは、マイクロ流体デバイス内部に形成されたある流路と他の流路との間で互いに液体が連通せず、マイクロ流体デバイスの外縁から液体が流出しない流路を意味する。フィルムは、基材と、親水性コーティングとを含む。親水性コーティングは、(メタ)アクリル系樹脂と、親水性コーティングの総質量に基づき65〜95質量%の未変性ナノシリカ粒子とを含む。本開示において「親水性コーティングの総質量」とは乾燥質量を意味する。フィルムの親水性コーティングは、マイクロ流体デバイスの内部に液密な流路が形成されるように、ポリジメチルシロキサン基板と接合する。一実施態様では、フィルムの親水性コーティングとポリジメチルシロキサン基板とを接合した後、ポリジメチルシロキサン基板からフィルムを剥離すると、ポリジメチルシロキサン基板の凝集破壊が生じる。
親水性コーティングは、極性基であるシラノール末端基を有する未変性ナノシリカ粒子を高度に含む。そのため、親水性コーティングの表面に露出する未変性ナノシリカ粒子の割合を高くすることができ、親水性コーティングに高い親水性を付与し、かつ化学的性質が類似するポリジメチルシロキサン基板との優れた接合性を達成することができる。また、未変性ナノシリカ粒子自体が高い耐擦傷性を有することに加えて、未変性ナノシリカ粒子が(メタ)アクリル系樹脂により基材に固定されているため、親水性コーティングは優れた耐擦傷性を示す。さらに、親水性コーティングは未変性ナノシリカ粒子と組み合わせて(メタ)アクリル系樹脂を含むため、高温高湿条件下においてシリカ蒸着膜に生じるような親水性の低下を共存する(メタ)アクリル系樹脂の親水性により補償することができ、その結果、親水性コーティングの全体的な親水性の低下を抑制することができる。
一実施態様のフィルムの概略断面図を図1に示す。図1のフィルム10は、基材12と親水性コーティング14とを有する。
基材の材料としては、次のものに限定されないが、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN))、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)、非晶質シクロオレフィンポリマー(COP)、エポキシ樹脂、ポリアセテート、ポリ塩化ビニル、ガラスなどを使用することができる。
基材の形状としては、フィルム、板、フィルム状又は板状の積層体などが挙げられる。
基材は、透明又は着色透明であってもよい。透明基材又は着色透明基材を含むフィルムは、フィルムを通したマイクロ流体デバイス内部、例えば流路を視認可能にすることができる。本開示において「透明」とは、波長範囲400〜700nmにおける全光線透過率が90%以上であることを意味し、「着色透明」とは、例えばサングラスのように、着色された基材を介して対象物を視認できる透明性を意図しており、この場合、全光線透過率は90%以下であってもよい。全光線透過率はJIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996)に準拠して決定される。
一実施態様では、基材はポリエチレンテレフタレートフィルム又はシクロオレフィンポリマーフィルム、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムである。ポリエチレンテレフタレートフィルム及びシクロオレフィンポリマーフィルムは透明性及び強度に優れており、特にポリエチレンテレフタレートフィルムは安価で入手容易である。
基材の厚みとしては、次のものに限定されないが、フィルム状の場合には、約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約500μm以下、約300μm以下、又は約200μm以下とすることができ、板状の場合には、約0.5mm以上、約0.8mm以上、又は約1mm以上、約10mm以下、約5mm以下、又は約3mm以下とすることができる。一実施態様では、基材の厚みは約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下である。この実施態様では、フィルム側からのマイクロ流体デバイス内部、例えば流路の顕微鏡観察を容易にすることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、未変性ナノシリカ粒子の親水性バインダーとして機能する。(メタ)アクリル系樹脂は、親水性コーティングの耐擦傷性及び基材に対する密着性を高め、高温高湿条件下における親水性を安定化することができる。(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル基又はメタクリル基を有する1種又は2種以上のモノマーを含むモノマー混合物を重合又は共重合することにより得ることができる。
一実施態様では、(メタ)アクリル系樹脂はエチレンオキシド部位及びプロピレンオキシド部位から選択される少なくとも1つを有する。エチレンオキシド部位又はプロピレンオキシド部位を有する(メタ)アクリル系樹脂は、高い親水性を有し耐擦傷性に優れた親水性コーティングを提供することができる。このような(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマー;トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、グリセリンPO付加トリアクリレートなどのアルキレンオキシド変性又は付加(メタ)アクリレートモノマー、又はこれらのモノマー混合物を重合又は共重合させることによって得ることができる。ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマーは、単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマーとして、エチレングリコール又はプロピレングリコールの鎖長が異なる種々のモノマーを利用することができ、鎖長数(n)によって親水性を制御することができる。例えば、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマーとして、鎖長数が1以上、好ましくは5以上、7以上、又は10以上、100以下、80以下、又は50以下のものを使用することができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレートなどの1種又は2種以上の多官能ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマーと、親水性を有する又は有しない単官能モノマー、多官能ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマー以外の多官能モノマー、又はオリゴマーの1種又は2種以上とを共重合させることによって得ることもできる。これらのモノマー又はオリゴマーを組み合わせて用いる場合、親水性コーティングの親水性、耐擦傷性等を考慮して、配合比を適宜決定することができる。
単官能モノマーはエチレン性不飽和結合を1つ有するモノマーである。単官能モノマーとしては、次のものに限定されないが、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などの水酸基含有(メタ)アクリルモノマー;スチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
多官能ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートモノマー以外の多官能モノマーはエチレン性不飽和結合を2つ以上有するモノマーである。多官能モノマーとしては、次のものに限定されないが、例えば、多官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリルウレタンモノマー及びそれらのオリゴマーが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、一分子中、2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。多官能(メタ)アクリレートモノマー及びそのオリゴマーとしては、次のものに限定されないが、例えば、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、デンドリマーアクリレート及びそれらのオリゴマーが挙げられる。
多官能(メタ)アクリルウレタンモノマーは、一分子中、2個以上の(メタ)アクリル基を有するウレタン化合物である。多官能(メタ)アクリルウレタンモノマー及びそのオリゴマーとしては、次のものに限定されないが、例えば、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー及びそれらのオリゴマーが挙げられる。
モノマー又はモノマー混合物の重合又は共重合は、次のものに限定されないが、例えば、熱重合又は光重合によって行うことができる。熱重合は、一般に熱重合開始剤を使用して行われる。熱重合開始剤としては、次のものに限定されないが、例えば、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムなどの過酸化物、VA−044、V−50、V−501、VA−057(富士フイルム和光純薬株式会社(日本国東京都中央区))などのアゾ化合物などの親水性の熱重合開始剤を使用することができる。ポリエチレンオキシド鎖を有するラジカル開始剤なども使用することができる。重合促進剤として、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、β−ジメチルアミノプロピオニトリルなどの3級アミン化合物を用いてもよい。
光重合は、例えば、電子線、紫外線などの放射線照射を使用して行うことができる。電子線を使用する場合は、光重合開始剤を使用する必要はないが、紫外線による光重合は、一般に光重合開始剤を使用して行われる。光重合開始剤としては、次のものに限定されないが、例えば、Irgacure(商標)2959、Darocur(商標)1173、Darocur(商標)1116、Irgacure(商標)184(BASFジャパン株式会社(日本国東京都港区))等の水溶性又は親水性の光重合開始剤を使用することができる。
一実施態様では、(メタ)アクリル系樹脂は、親水性コーティングの総質量に基づいて、約5質量%以上、約8質量%以上、又は約10質量%以上、約30質量%以下、約25質量%以下又は約20質量%以下の量で親水性コーティングに含まれる。(メタ)アクリル系樹脂の含有量を上記範囲とすることで、親水性コーティングの基材に対する密着性を高めつつ、未変性ナノシリカ粒子を親水性コーティング表面に十分に露出させて、親水性コーティングの親水性、耐擦傷性及びポリジメチルシロキサン基板との接合性を高めることができる。
未変性ナノシリカ粒子は、親水性、耐擦傷性及びポリジメチルシロキサンとの接合性に優れる親水性コーティングの形成に寄与する。未変性ナノシリカ粒子は、水中に凝集しない状態で分散し得る粒子、すなわち水分散性の粒子であることが有利であり、次のものに限定されないが、例えば、pH調整に基づく粒子表面の静電反発力のみによって水中に分散する粒子を使用することができる。未変性ナノシリカ粒子の種類、含有量、及び平均粒径は、親水性コーティングの親水性、耐擦傷性、ポリジメチルシロキサン基板との接合性等を考慮して適宜決定することができる。
未変性ナノシリカ粒子は、水分散液(ゾル)などの様々な形態で使用することができる。未変性ナノシリカ粒子は、その表面にシラノール基を有するため、親水性コーティングの親水性をより効果的に高めることができる。未変性ナノシリカ粒子として、例えば、NALCO(商標)2329K、同2327、同2326(Nalco Water, An Ecolab Company(米国イリノイ州ネイパービル))などを使用することができる。
未変性ナノシリカ粒子は、親水性コーティングの総質量に基づき、約65質量%以上、約95質量%以下の量で親水性コーティングに含まれる。一実施態様では、未変性ナノシリカ粒子は、親水性コーティングの総質量に基づき、約65質量%以上、約70質量%以上、又は約75質量%以上、約95質量%以下、約90質量%以下、又は約85質量%以下の量で親水性コーティングに含まれる。未変性ナノシリカ粒子の含有量を上記範囲とすることで、未変性ナノシリカ粒子を親水性コーティング表面に十分に露出させて、親水性コーティングの親水性、耐擦傷性及びポリジメチルシロキサン基板との接合性を高めることができる。
未変性ナノシリカ粒子の平均粒径は、本技術分野において一般的に用いられる技術、例えば透過電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。未変性ナノシリカ粒子の平均粒径の測定手順は例えば以下のとおりである。未変性ナノシリカ粒子のゾル試料を、メッシュのレース状炭素(Ted Pella Inc.(米国カリフォルニア州レディング)から入手可能)の上面に超薄炭素基材を有する400メッシュの銅TEM格子に滴下することで、TEM画像用のゾル試料を調製する。液滴の一部を、濾紙とともに格子の側部又は底部に接触させることにより除去する。ゾルの溶媒の残りは加熱するか又は室温で放置して除去する。これにより、超薄炭素基材上に粒子を残し、基材からの干渉を最小にして画像化することができる。次に、TEM画像を格子全域にわたる多くの位置で記録する。500〜1000個の粒子の粒径測定を可能にするのに十分な画像を記録する。次に、未変性ナノシリカ粒子の平均粒径を、各試料における粒径測定値に基づいて計算する。TEM画像は、300kVで動作する(LaB源使用)高分解能透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ(日本国東京都港区)より製品名「Hitachi H−9000」として入手可能)を使用して得ることができる。画像は、カメラ(例えば、Gatan, Inc.(米国カリフォルニア州プレザントン)から製品名「GATAN ULTRASCAN CCD」として入手可能、モデル番号895、2k×2kチップ)を使用して記録することができる。画像を5万倍及び10万倍の倍率で撮影し、未変性ナノシリカ粒子の平均粒径に応じて、さらに画像を30万倍の倍率でも撮影する。
一実施態様では、未変性ナノシリカ粒子の平均粒径は、約1nm以上、約2nm以上、又は約3nm以上、約20nm以下、約15nm以下、又は約10nm以下である。上記範囲の平均粒径を有する未変性ナノシリカ粒子を用いることにより、親水性コーティングの表面粗さを小さくして、親水性コーティングのポリジメチルシロキサン基板への接合性を高めることができる。
未変性ナノシリカ粒子は、平均粒径の異なる2以上の粒子の群からなってもよい。例えば、未変性ナノシリカ粒子が小さな粒子の群と大きな粒子の群とからなる実施態様において、小さな粒子の群の平均粒径は、約1nm以上、約2nm以上、又は約3nm以上、約20nm以下、約15nm以下、又は約10nm以下とすることができ、大きな粒子の群の平均粒径は、約50nm以上、約60nm以上、又は約70nm以上、約300nm以下、約250nm以下、又は約200nm以下とすることができる。いかなる理論に拘束される訳ではないが、粒径の大きい未変性ナノシリカ粒子の間に粒径の小さい未変性ナノシリカ粒子が充填されることで、平均粒径の小さい未変性ナノシリカ粒子のみを用いた場合と同様に、親水性コーティングの表面粗さを小さくして、親水性コーティングのポリジメチルシロキサン基板への接合性を高めることができると考えられる。また、平均粒径の異なる2以上の粒子の群からなる未変性ナノシリカ粒子を使用することで、大量の未変性ナノシリカ粒子を親水性コーティングに充填して、親水性コーティングの親水性、耐擦傷性、又はポリジメチルシロキサン基板への接合性を高めることができる。
未変性ナノシリカ粒子の粒径分布は、小さな粒子の群の平均粒径及び大きな粒子の群の平均粒径をピークとする二峰性、又はそれより多くの粒子の群の平均粒径をピークとする多峰性を示してもよい。一実施態様では、約1nm〜約20nmの範囲の平均粒径を有する未変性ナノシリカ粒子の平均粒径と、約50nm〜約300nmの範囲の平均粒径を有する未変性ナノシリカ粒子の平均粒径の比は、0.01:1〜200:1、0.05:1〜100:1、又は0.1:1〜100:1である。2以上の粒子の群の平均粒径の組み合わせとしては、例えば、5nm/75nm、5nm/20nm、20nm/75nm、及び5nm/20nm/75nmが挙げられる。
2以上の粒子の群のそれぞれの群の質量比(%)は、使用される未変性ナノシリカ粒子の粒径又はその組み合わせに応じて選択することができる。好適な質量比は、ソフトウェア(製品名「CALVOLD 2」として入手可能)を使用して、粒径又はその組み合わせに応じて選択することが可能であり、例えば、粒径の組み合わせ(小さな粒子の群/大きな粒子の群)に関する小さな粒子の群と大きな粒子の群の質量比と充填率の間のシミュレーションに基づいて選択することもできる(M.Suzuki and T.Oshima ”Verification of a model for estimating the void fraction in a three−component randomly packed bed”,Powder Technol.,43,147−153(1985)も参照のこと)。
親水性コーティングは、親水性コーティングの総質量に基づき、約10質量%以下、好ましくは約5質量%以下、より好ましくは約1質量%以下の量で変性されたナノシリカ粒子を含んでもよい。親水性コーティングが変性されたナノシリカ粒子を含まないことがさらに好ましい。
親水性コーティングは、親水性、耐擦傷性、ポリジメチルシロキサンとの接合性等の性能に不具合を生じさせない範囲で、必要に応じて、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、静電気防止剤、染料などの添加剤をさらに含んでもよい。
一実施態様では、親水性コーティングはシランカップリング剤を含む。シランカップリング剤としては、次のものに限定されないが、例えば、ビニル変性アルコキシシラン、(メタ)アクリル変性アルコキシシラン、アミノ変性アルコキシシラン、グリシジル変性アルコキシシランなどのエポキシ変性アルコキシシラン、ポリエーテル変性アルコキシシラン、及び双性イオンアルコキシシランが挙げられる。シランカップリング剤を親水性コーティングに配合すると、未変性ナノシリカ粒子と(メタ)アクリル系樹脂とを結合させることができるため、親水性コーティングからの未変性ナノシリカ粒子の脱落を効果的に防止することができる。シランカップリング剤の使用は、ガラス等の無機系基材を使用した場合に、基材と親水性コーティングとの層間密着性を向上させることにも寄与する。ビニル基、(メタ)アクリル基などのエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤は、(メタ)アクリル系樹脂と同様に親水性バインダーとしても機能する。
シランカップリング剤は、親水性コーティングの総質量に基づき、約0.01質量%以上、約0.05質量%以上、又は約0.1質量%以上、約2質量%以下、約1質量%以下、又は約0.5質量%以下の範囲で使用することができる。
界面活性剤、防曇剤などの、水に対して溶出する親水性付与成分は、親水性コーティング表面にブリードして、親水性コーティングの耐擦傷性及びポリジメチルシロキサン基板との接合性を低下させる場合がある。一実施態様では、親水性コーティングは、水に対して溶出する親水性付与成分を親水性コーティングの総質量に対して、約1.0質量%以下、約0.5質量%以下、約0.01質量%以下の量で含む。好ましくは、親水性コーティングは親水性付与成分を含まない。
フィルムは、例えば、未変性ナノシリカ粒子、(メタ)アクリル系樹脂、水、水溶性有機溶媒、及び任意の添加剤を含むコーティング剤を、任意にプライマー層又は表面処理を有する基材に塗布及び乾燥して未硬化の親水性コーティングを形成する工程と、未硬化の親水性コーティングを硬化させる工程とを含む方法により製造することができる。本開示において「水溶性有機溶媒」とは、水と相分離することなく均一に混ざり合う有機溶媒を意味する。水溶性有機溶媒の溶解度パラメータ(SP)値は、例えば、約9.3以上、又は約10.2以上、約23.4未満である。
コーティング剤は、例えば、未変性ナノシリカ粒子のゾルを、溶媒中で反応開始剤と一緒に(メタ)アクリル系樹脂、及び任意の添加剤と混合し、必要に応じて溶媒をさらに追加することで所望の固形分含量に調整することにより得ることができる。反応開始剤として、例えば上記光重合開始剤又は熱重合開始剤を用いることができる。
いかなる理論に拘束される訳ではないが、未変性ナノシリカ粒子は、粒子間の静電反発力のみによってゾル中に分散していると考えられる。そのため、(メタ)アクリル系樹脂などを含むコーティング剤中に未変性ナノシリカ粒子を均一に分散させることは難しい場合がある。未変性ナノシリカ粒子の分散が不十分なコーティング剤を使用した場合、未変性ナノシリカ粒子は凝集して二次粒子の粒子径が増大するため、得られる親水性コーティングの透明性及び親水性、親水性コーティング表面の平滑性などが低下する場合がある。これらを防止又は抑制するために、コーティング剤を調製するときに溶媒を適宜選択することにより、未変性ナノシリカ粒子をコーティング剤中に均一に分散させることができる。溶媒としては、水及び水溶性有機溶媒の混合溶媒を使用することができる。コーティング剤中の水の量は、コーティング剤の総質量に基づき、約30質量%以上、約35質量%以上、又は約40質量%以上、約80質量%以下、約70質量%以下、又は約60質量%以下とすることができる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコールが挙げられる。1−メトキシ−2−プロパノールと、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種以上とを混合した有機溶媒の使用が有利である。水と水溶性有機溶媒の質量比は、30:70〜80:20、35:65〜70:30、40:60〜60:40とすることができる。水溶性有機溶媒における、1−メトキシ−2−プロパノールと、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの少なくとも1種以上との質量比としては、95:5〜40:60、90:10〜50:50、又は80:20〜60:40とすることができる。
コーティング剤を基材の表面に適用する技術として、例えば、バーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、キャピラリーコーティング、スプレーコーティング、グラビアコーティング、及びスクリーン印刷が挙げられる。適用されたコーティングは、必要に応じて乾燥し、加熱又は紫外線、電子線などの放射線照射により硬化することができる。このようにして基材上に親水性コーティングを形成して、マイクロ流体デバイス用フィルムを作製することができる。
親水性コーティングの厚みは、例えば、約0.05μm以上、約0.1μm以上、又は約0.5μm以上、約10μm以下、約8μm以下、又は約5μm以下とすることができる。
親水性コーティングは、基材の片面又は両面に適用することができる。基材の両面に親水性コーティングを有するフィルムを2つのポリジメチルシロキサン基板の間に配置することにより、三次元流路を有するマイクロ流路デバイスを作製することができる。
親水性コーティングと基材との間の密着性を向上させるため、基材表面を表面処理してもよく、基材表面上にプライマー層を適用してもよい。
表面処理として、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理、電子線照射、粗面化、オゾン処理、クロム酸又は硫酸を用いた化学酸化処理などが挙げられる。
プライマー層の材料として、例えば、(メタ)アクリレートの単独重合体又は2種以上の(メタ)アクリレートの共重合体若しくは(メタ)アクリレートと他の重合性モノマーの共重合体などの(メタ)アクリル樹脂、ポリオールとイソシアネート硬化剤とからなる2液硬化型ウレタン樹脂などのウレタン樹脂、アクリル−ウレタンブロック共重合体などの(メタ)アクリル−ウレタン共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィン、及びそれらの共重合体及び誘導体(例えば、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン、及びウレタン変性塩素化ポリプロピレン)などが挙げられる。
プライマー層は、上記材料を溶媒に溶解したプライマー溶液を、例えば、バーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、キャピラリーコーティング、スプレーコーティング、グラビアコーティング、又はスクリーン印刷などにより基材上に塗布、乾燥し、必要に応じて加熱又は放射線照射することにより形成することができる。プライマー層の厚みは、約0.1μm以上、又は約0.5μm以上、約20μm以下、又は約5μm以下とすることができる。プライマー層を備える基材を使用することもできる。このような基材として、例えば、ルミラー(商標)U32(東レ株式会社(日本国東京都中央区))、コスモシャイン(商標)A4100、同A4300(東洋紡株式会社(日本国大阪府大阪市))などを使用することができる。
マイクロ流体デバイス用フィルムは、シート状であってもよく、ロール体であってもよい。一実施態様では、マイクロ流体デバイス用フィルムの複数のシートをスタックしたとき、又はマイクロ流体デバイス用フィルムをロール体としたときに、親水性コーティング表面と基材表面の間、又は親水性コーティング表面同士の間でブロッキングが生じない。
マイクロ流体デバイス用フィルムは、例えば、親水性コーティングと基材との間、又は親水性コーティングの反対側の基材面に、必要に応じて、着色層、装飾層、導電層、接着剤層、粘着剤層等を有してもよい。
一実施態様では、親水性コーティングの表面粗さは、約3nm以下、約2.5nm以下、又は約2nm以下である。親水性コーティングの表面粗さは、算術平均粗さRaとして、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてタッピングモードにて測定することができる。親水性コーティングの表面粗さが3nm以下であることにより、親水性コーティングとポリジメチルシロキサン基板とを分子レベルの距離で近接させて、化学的相互作用、例えば共有結合又はイオン結合の生成を促進することにより接合強度をより高めることができる。親水性コーティングの表面粗さは、例えば、平均粒径が小さい未変性ナノシリカ粒子、例えば平均粒径1〜10nmの未変性ナノシリカ粒子を親水性コーティングに高度に充填することで得ることができる。平均粒径の異なる2以上の粒子の群からなる未変性ナノシリカ粒子を用いて上記表面粗さを得ることもできる。一実施態様では、親水性コーティングの表面粗さは、約0.1nm以上、約0.2nm以上、又は約0.5nm以上である。
親水性コーティングの親水性は、例えば水接触角によって表すことができる。一実施態様では、親水性コーティングの初期の水接触角は、約30度以下、約20度以下、又は約15度以下である。親水性コーティングの初期の水接触角が上記範囲であることにより、マイクロ流体デバイスに好適な親水性を有するフィルムを提供することができる。一実施態様では、親水性コーティングの初期の水接触角は、約1度以上、約2度以上、又は約5度以上である。
一実施態様では、フィルムを40℃、相対湿度75%で30日置いた後の親水性コーティングの水接触角は、約30度以下、約20度以下、又は約15度以下である。このような高温高湿条件下でエージングされた後の親水性コーティングの水接触角が上記範囲であることにより、保存安定性に優れたフィルムを提供することができ、マイクロ流体デバイスの性能を長期間にわたり保証することができる。一実施態様では、上記条件下でエージングされた親水性コーティングの水接触角は、約1度以上、約2度以上、又は約5度以上である。
一実施態様では、未変性ナノシリカ粒子が凝集して二次粒子へと粗大化することなく親水性コーティング中に均一に分散しており、親水性コーティングは高い透明性、すなわち低いヘイズ値を有する。例えば、親水性コーティングの初期ヘイズ値は、約20%以下、約15%以下、又は約10%以下である。親水性コーティングを、一般的な光学フィルム等の透明基材、例えば50μm厚のコスモシャイン(登録商標)A4100(東洋紡株式会社(日本国大阪府大阪市))の片面に1.5μmの厚みで適用したときに、得られるフィルムの初期ヘイズ値を約5%以下、約3%以下、又は約1%以下とすることができる。
親水性コーティングの耐擦傷性は、例えばスチールウール摩耗抵抗試験前後のヘイズ値の変化によって表すことができる。一実施態様では、親水性コーティングに対して#0000のスチールウール及び350gの重りを使用するスチールウール摩耗抵抗試験を10サイクル行った後のヘイズ値(%)から初期ヘイズ値(%)を引いた値であるΔヘイズ値(10サイクル後のヘイズ値−初期ヘイズ値)が、約−1.5%以上、約−1.2%以上、又は約−1%以上、約1.5%以下、約1.2%以下、又は約1%以下である。上記Δヘイズ値を有する親水性コーティングを有するフィルムは、高い耐擦傷性を有しており、マイクロ流体デバイスの製造時及び使用時の取り扱い性を高めることができる。一実施態様では、親水性コーティングを、一般的な光学フィルム等の透明基材、例えば、50μm厚のコスモシャイン(登録商標)A4100(東洋紡株式会社(日本国大阪府大阪市))の片面に1.5μmの厚みで適用したときに、得られるフィルムのΔヘイズ値を約−1.5%以上、約−1.2%以上、又は約−1%以上、約1.5%以下、約1.2%以下、又は約1%以下とすることができる。
マイクロ流体デバイス用フィルムを用いてマイクロ流体デバイスを作製することができる。一実施態様のマイクロ流体デバイスの製造方法は、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板を用意することと、上記フィルムを用意することと、ポリジメチルシロキサン基板の流路が形成された表面及びフィルムの親水性コーティングを活性化することと、ポリジメチルシロキサン基板の流路が形成された表面とフィルムの親水性コーティングとが向かい合うように、ポリジメチルシロキサン基板とフィルムとを接合して、これによりマイクロ流体デバイスの内部に液密な流路を形成することを含む。一実施態様では、ポリジメチルシロキサン基板とフィルムとの接合は、ポリジメチルシロキサン基板とフィルムとを押し付けることにより行われる。
ポリジメチルシロキサン基板をフィルムに接合する前に、ポリジメチルシロキサン基板を超音波洗浄、酸アルカリ洗浄などにより清浄化してもよい。
ポリジメチルシロキサン基板の流路が形成された表面及びフィルムの親水性コーティングの活性化は、プラズマ装置、例えば反応性イオンエッチング(RIE)装置内での酸素プラズマへの暴露、又はエキシマUV光若しくはイオンビームの照射などにより行うことができる。活性化によりポリジメチルシロキサン基板及び親水性コーティングの表面に付着している有機物などを分解除去し、これらの表面にラジカル、水酸基、カルボキシ基、アルデヒド基などの反応性の高い置換基を生成させることができる。活性化は、例えば、ポリジメチルシロキサン基板及び親水性コーティングの表面の水接触角が、約30度以下又は約15度以下となるまで行うことができる。
一実施態様では、ポリジメチルシロキサン基板の流路が形成された表面及びフィルムの親水性コーティングの活性化は酸素プラズマへの暴露により行われる。
ポリジメチルシロキサン基板とフィルムとを接合した後、ポリジメチルシロキサン基板若しくはフィルム又は両方に、開口部の形成などを含む機械加工を施してもよい。
一実施態様では、表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板と、上記フィルムとを含むマイクロ流体デバイスであって、ポリジメチルシロキサン基板の流路が形成された表面とフィルムの親水性コーティングとが向かい合うように、ポリジメチルシロキサン基板とフィルムとが接合されて、内部に液密な流路を有する、マイクロ流体デバイスが提供される。この実施態様のマイクロ流体デバイスは、ポリジメチルシロキサン基板とフィルムとが親水性コーティングを介して接合されており、他の接着剤は介在していない。そのため、他の接着剤を用いたときと比べて、マイクロ流体デバイスの流路表面に高い親水性を付与することができる。
マイクロ流体デバイス用フィルムは、例えば、体液診断、薬剤検査、水質調査などを用途とするマイクロ流体デバイスの製造に用いることができる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
本実施例において使用した試薬及び材料を表1に示す。
Figure 2020106324
SACの調製
シランカップリング剤SACを、米国特許公開第2015/0203708号公報(Klunら)のPreparative Example 7に記載の方法で調製した。
変性シリカゾル(変性ゾルA)の調製
変性処理したシリカゾル(「変性ゾルA」)を以下のように調製した。25.25gのSILQUEST(商標)A−174、及び0.5gのPROSTAB(商標)を、400gのNALCO(商標)2326、及び450gのMIPAの混合物にガラス瓶の中で加え、10分間室温で撹拌した。ガラス瓶を密封し、80℃のオーブン内に16時間置いた。得られた溶液から、60℃で溶液の固形分が45質量%近くになるまでロータリーエバポレーターで水を除去した。得られた溶液に200gのMIPAを入れ、次に、ロータリーエバポレーターを60℃で使用して残りの水を除去した。後半のステップを2回繰り返して溶液からさらに水を取り除いた。最後に、MIPAを加えることでナノシリカ粒子の濃度を48.4質量%に調整して、5nmの平均粒径を有するアクリル変性ナノシリカ粒子を含有する変性シリカゾル(以下、変性ゾルAという。)を得た。
コーティング剤C−1の調製
3.903gのNALCO(商標)2329K、0.392gのEBECRYL(商標)11、及び0.008gのSACを混合した。光重合開始剤として0.06gのIrgacure(商標)2959を混合物に添加した。次に、1.6gのIPA、2.4gのMIPA及び1.697gの蒸留水を混合物に加えて固形分が20.48質量%になるように調整し、平均粒径75nmの未変性ナノシリカ粒子を固形分基準で80質量%含有するコーティング剤C−1を調製した。
コーティング剤C−2〜C−8の調製
表2に示す配合に変更した以外は、コーティング剤1と同様の手順で、コーティング剤2〜8を調製した。未変性ナノシリカ粒子の平均粒径及びその含有量(固形分基準)を表2に示す。
変性ゾルAを含むコーティング剤C−Aの調製
1.778gの変性ゾルA、0.196gのEBECRYL(商標)11、及び0.004gのSACを混合した。光重合開始剤として0.03gのIrgacure(商標)2959を混合物に添加した。次に、1.8gのEtOH、及び6.222gのMIPAを混合物に加えて固形分が10.27質量%になるように調整し、平均粒径5nmのアクリル変性ナノシリカ粒子を固形分基準で80質量%含有するコーティング剤C−Aを調製した。
調製したコーティング剤の組成を表2に示す。配合量は全てグラムである。
Figure 2020106324
フィルム作製
コーティングを有するフィルムを以下の手順で作製した。
比較例1
コーティング剤C−1を、メイヤーロッド#8を用いて、基材である50μm厚のコスモシャイン(商標)A4100の易接着処理面上に塗布し、60℃で5分間乾燥した。次に、コーティングを適用した基材を、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(Fusion UV System Inc.のH−バルブ(DRSモデル))を用いて、照度700mW/cm、積算光量900mJ/cmの条件で紫外線(UV−A)紫外線を2回照射して、コーティングを硬化させた。このようにして、厚み1.5μmのコーティングを有するフィルムを作製した。
例1
コーティング剤C−1を、コーティング剤C−2に代えた以外は、比較例1と同様にしてコーティングを有するフィルムを作製した。
例2〜例4、比較例2〜比較例5
コーティング剤C−1を、表3に記載のコーティング剤に代え、使用するメイヤーロッドを#20に代えた以外は、比較例1と同様にしてコーティングを有するフィルムを作製した。
比較例6
コスモシャイン(商標)A4100の易接着処理面に、株式会社昭和真空(日本国神奈川県相模原市)製イオンプレーティング装置を用い、蒸発材料をSi、反応ガスを酸素とし、到達圧力2.36×10−4Pa、RF出力(プラズマ電源出力)400W、室温の条件でシリカ蒸着膜を堆積して、厚み120nmのコーティングを有するフィルムを作製した。
水接触角
接触角メーター(DROPMASTER FACE、協和界面科学株式会社(日本国埼玉県新座市))を使用し、Sessile Drop法により、フィルムのコーティング表面の水接触角を測定した。温度25℃の環境中、2μLの水をコーティング表面に滴下した後、光学顕微鏡画像から水接触角を決定した。5回測定した平均値を水接触角とした。水接触角が20度未満であれば優良、20度以上、30度以下であれば良好、30度超であれば不良と評価した。
表面粗さ(算術平均粗さRa)
フィルムのコーティング表面の算術平均粗さRaを評価した。フィルムをオックスフォード・インストゥルメンツ株式会社(日本国東京都品川区)製Cypher S AFMにセットし、コーティング表面をタッピングモードにて測定した。
Δヘイズ値
コーティングの耐擦傷性を、スチールウール摩耗抵抗試験前後のヘイズ値の変化によって評価した。スチールウール摩耗抵抗試験前に、コーティングの初期ヘイズ値を、JIS K 7136:2000に準拠してNDH−5000W(日本電色工業株式会社(日本国東京都文京区))を使用して測定した。その後、スチールウール摩耗抵抗試験器(ラビングテスターIMC−157C、株式会社井元製作所(日本国京都府京都市))にて、27mm角の#0000スチールウールを使用し、350gの荷重、85mmのストローク、60サイクル/分の速さで、コーティング表面を10回(サイクル)研磨した。試料表面を研磨した後、再度コーティングのヘイズ値を測定し、摩耗抵抗試験後のヘイズ変化(ヘイズ上昇)として、Δヘイズ値(%)=摩耗抵抗試験後のヘイズ値(%)−初期ヘイズ値(%)を計算した。
ポリジメチルシロキサン(PDMS)基板接合性
接触角の測定後、フィルムの表面及びPDMS基板をそれぞれIPAで拭いた。PDMS基板及びフィルムをそれぞれプラズマ処理した。PDMS基板をフィルムの上に置き、PDMS基板上に重りをおいて200g/16cmの圧力を掛け、80℃で30分間保持した。全面で接着し、フィルムを剥離したときにPDMS基板の凝集破壊が生じた場合を良好、一部接着し、フィルムを剥離したときに接着部分でPDMS基板の凝集破壊が生じた場合を可、接着しなかった場合を不良と評価した。
コーティングの組成及びフィルムの評価結果を表3に示す。
Figure 2020106324
例3及び比較例6のフィルムを40℃、相対湿度75%で30日保管したところ、例3のフィルムの接触角は16.42度から19.10度に変化したが依然として20度以下であった。一方、比較例6のフィルムの接触角は9.90度から42.82度に変化した。
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
10 フィルム
12 基材
14 親水性コーティング

Claims (13)

  1. 表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板と接合されて、内部に液密な流路を有するマイクロ流体デバイスを形成するマイクロ流体デバイス用フィルムであって、
    基材と、親水性コーティングとを含み、
    前記親水性コーティングが、(メタ)アクリル系樹脂と、前記親水性コーティングの総質量に基づき65〜95質量%の未変性ナノシリカ粒子とを含む、フィルム。
  2. 前記親水性コーティングの初期水接触角が30度以下である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記フィルムを40℃、相対湿度75%で30日置いたときの前記親水性コーティングの水接触角が30度以下である、請求項1又は2のいずれかに記載のフィルム。
  4. 前記親水性コーティングの表面粗さが3nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム。
  5. 前記親水性コーティングのΔヘイズ値が−1.5%〜1.5%であり、前記Δヘイズ値は、#0000のスチールウール及び350gの重りを使用するスチールウール摩耗抵抗試験を10サイクル行った後のヘイズ値(%)から初期ヘイズ値(%)を引いた値である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム。
  6. 前記(メタ)アクリル系樹脂がエチレンオキシド部位及びプロピレンオキシド部位から選択される少なくとも1つを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルム。
  7. 前記親水性コーティングがシランカップリング剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルム。
  8. 前記親水性コーティングの厚みが0.05μm以上10μm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルム。
  9. 前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフィルム。
  10. 前記基材が透明である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルム。
  11. 表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板と、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフィルムとを含むマイクロ流体デバイスであって、前記ポリジメチルシロキサン基板の前記流路が形成された表面と前記フィルムの前記親水性コーティングとが向かい合うように、前記ポリジメチルシロキサン基板と前記フィルムとが接合されて、内部に液密な流路を有する、マイクロ流体デバイス。
  12. マイクロ流体デバイスの製造方法であって、
    表面に流路が形成されたポリジメチルシロキサン基板を用意することと、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のフィルムを用意することと、
    前記ポリジメチルシロキサン基板の前記流路が形成された表面及び前記フィルムの前記親水性コーティングを活性化することと、
    前記ポリジメチルシロキサン基板の前記流路が形成された表面と前記フィルムの前記親水性コーティングとが向かい合うように、前記ポリジメチルシロキサン基板と前記フィルムとを接合して、これによりマイクロ流体デバイスの内部に液密な流路を形成することを含む、方法。
  13. 前記活性化が酸素プラズマへの暴露により行われる、請求項12に記載の方法。
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