JP2024029270A - 積層体及びコーティング組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱的に安定な親水性を呈し得る積層体、及びかかる積層体に使用し得るコーティング組成物を提供する。【解決手段】本開示の一実施態様の積層体は、基材と、バインダー及び無機ナノ粒子を含む、基材の少なくとも一方の面に配置された第1層と、第1層に配置された親水性の第2層とを含み、バインダーは、バインダーの全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含むバインダー前駆体の硬化物を含み、無機ナノ粒子は(メタ)アクリロイル基を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、積層体及びコーティング組成物に関する。
近年、例えば、建材分野、医療分野などの幅広い分野において、親水性を有する各種の物品が開発されている。
特許文献1(特開2018-180099号公報)には、基材と、親水性ハードコート層と、を含む、20度以下の初期水接触角を有する親水性ハードコート積層体であって、親水性ハードコート層が、親水性バインダー、及び親水性ハードコート層の総重量に基づき、60質量%以上の無機ナノ粒子を含み、無機ナノ粒子が、親水性バインダー中に分散している、親水性ハードコート積層体が記載されている。
特許文献2(特開2020-185700号公報)には、内部に液体を流通させる流路を備える、生化学分析の分野などで使用され得る流路デバイスが記載されており、このデバイスは、該デバイスを構成する部材として2以上の部材を準備し、部材の少なくとも1つにおいて、親水化剤を含む処理液を用いて、この部材の他の部材と接合される側の表面を被覆する親水化被膜を形成する、被膜形成工程と、親水化被膜を備える部材においては、親水化被膜の接合面に対してのみ、選択的に紫外線、又は酸素含有気体に由来するプラズマを照射し、親水化被膜を備えない部材については、少なくとも前記接合面に対して、紫外線、又は酸素含有気体に由来するプラズマを照射する、照射工程と、紫外線又はプラズマにより処理された2以上の前記部材が備える接合面が互いに対向するように、あらかじめ定められた位置に配置された2以上の前記部材に外力を加え、前記接合面同士を圧着させる、圧着工程と、を含む、製造方法によって形成されることが記載されている。
特開2018-180099号公報 特開2020-185700号公報
親水性を有する物品は、その高い親水性能を長期間安定に維持することが求められる場合がある。例えば、生化学分析の分野などで使用され得る流路デバイスなどにおいては、界面の親水特性の変化は流体の流動性に影響を及ぼす場合がある。また、製造過程又は使用時において高温環境下にさらされたり、或いは、構成部材の長期安定性評価を行うため高温条件の熱老化促進試験などに供されたりする場合がある。このような場合、物品の親水性を長期間安定に維持できず、親水性能が低下するおそれがあった。
本開示は、熱的に安定な親水性を呈する積層体、及びかかる積層体に使用し得るコーティング組成物を提供する。
本開示の一実施態様によれば、基材と、バインダー及び無機ナノ粒子を含む、基材の少なくとも一方の面に配置された第1層と、第1層に配置された親水性の第2層とを含み、バインダーは、バインダーの全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含むバインダー前駆体の硬化物を含み、無機ナノ粒子は(メタ)アクリロイル基を有する、積層体が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、上記積層体を含む物品が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、バインダー前駆体及び無機ナノ粒子を含む、コーティング組成物であって、バインダー前駆体は、バインダー前駆体の全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含み、無機ナノ粒子は(メタ)アクリロイル基を有し、コーティング組成物は親水性層が適用される層を形成する、コーティング組成物が提供される。
本開示によれば、熱的に安定な親水性を呈する積層体、及びかかる積層体に使用し得るコーティング組成物を提供することができる。
上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施態様の積層体の概略断面図である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、必要に応じて図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本開示において「親水性」とは、親水性の対象となる箇所の水接触角が、基材の水接触角よりも低くなる性能を意味する。
本開示において「高温」とは、例えば、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約70℃以上、又は約90℃以上の温度を意味することができる。かかる温度の上限値としては特に制限はなく、例えば、約250℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約120℃以下、又は約100℃以下とすることができる。
本開示において「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
本開示において「硬化」には、一般的に「架橋」と呼ばれる概念も包含することができる。
本開示において「フィルム」には、「シート」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において、例えば、「接着剤層が基材に配置される」における「配置」とは、接着剤層が基材に直接的に配置されること、又は、接着剤層が他の層を介して基材に間接的に配置されることを意図している。
本開示において「透明」とは、JIS K 7361-1(1997)に準拠して測定される全光線透過率が、約80%以上をいい、望ましくは約85%以上、又は約90%以上であってよい。全光線透過率の上限値については特に制限はないが、例えば、約100%未満、約99%以下、又は約98%以下とすることができる。
本開示において「半透明」とは、JIS K 7361-1(1997)に準拠して測定される全光線透過率が、約80%未満をいい、望ましくは約75%以下であってよく、下地を完全に隠蔽しないことを意図する。
一実施態様において、本開示の積層体は、基材と、バインダー、及び(メタ)アクリロイル基を有する無機ナノ粒子を含む、基材の少なくとも一方の面に配置された第1層と、第1層に配置された親水性の第2層とを含んでいる。第1層及び第2層は、各々独立して、単層又は積層構成であってもよい。
親水性を呈する層(単に「親水性層」と称する場合がある。)の熱的安定性を向上させる場合、通常は、親水性層自体を構成する材料を検討することが一般的である。しかしながら、本発明者は、親水性層と基材との間に配置される層、即ち、本開示の第1層に着目し、この第1層が、親水性層の熱的安定性に寄与することを見出した。なお、親水性層が、熱老化促進試験などにおいて熱的に安定であるということは、例えば、常温での使用環境下では、親水性層の親水性能を長期間安定に維持できることを意味し得る。
本発明者は、親水性層と基材との間に配置される第1層に着目した。第1層の少なくとも最表面は、熱による影響あるいはその二次的な効果として応力緩和などにより微小な変形が生じることがある。そして、第1層に親水性層を適用した後に、第1層に熱による表面変形が生じると、第1層に配置されている親水性層も同時に変形すると考えられる。その結果、例えば、第1層の一部が最表面に現れたりするため、親水性層の親水性能が低下すると考えられる。また、第1層に無機ナノ粒子が含まれている場合、この表面変形がより発生しやすくなる場合がある。親水性層と基材との間に配置される本開示の第1層は、バインダー、及び(メタ)アクリロイル基を有する無機ナノ粒子を含み、更に、バインダーは、その全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含むバインダー前駆体の硬化物を含んでいる。そのため、バインダーの架橋密度が高まり、第1層の表面変形が生じにくくなり、また、無機ナノ粒子表面にバインダーと結合できる反応性基((メタ)アクリロイル基)を修飾することで、バインダーと無機ナノ粒子とが結合された状態となり、硬化時に発生する収縮などを最小限に抑制できるため、熱による第1層の伸び又は縮みが制限されると考えている。その結果、本開示の第1層は、第1層表面の塑性変形を低減又は防止することができ、同時に、第1層に配置される第2層の塑性変形も低減又は防止することができるため、親水性の第2層の熱的安定性を向上させ得ると考えている。
本開示の一実施態様の積層体の概略断面図を図1に示す。図1の積層体100は、基材101、第1層103、及び親水性の第2層105を含む。基材101に配置された第1層103は、バインダー107と、バインダーに対して少なくとも一部が結合することのできる反応性基((メタ)アクリロイル基)を有する無機ナノ粒子109を含んでいる。図1では、第1層103及び第2層105は、基材101の片面に形成されているが、これらは基材101の両面に形成されていてもよい。あるいは、基材101の第2層105側と反対側の面に、例えば、接着剤層を適用してもよい。
バインダーとしては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する樹脂、ウレア樹脂等のウレア結合を有する樹脂、ポリチオール化合物に代表されるエン-チオール化合物系を用いて得られる樹脂が挙げられる。なかでも、第1層の塑性変形の低減又は防止の観点、つまり、親水性層(第2層)の熱的安定性等の観点から、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン結合を有する樹脂が好ましく、(メタ)アクリル樹脂がより好ましい。ここで、本開示において「ウレタン結合を有する樹脂」とは、ウレタン樹脂の他、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートを用いて調製した樹脂なども包含することができ、ウレタン樹脂には、(メタ)アクリルウレタン樹脂なども包含することができる。「エン-チオール化合物系」とは、チオール化合物及びエン化合物を包含することができる。チオール化合物としては、例えば、1官能、2官能、3官能、あるいは4官能の1級チオール及び2級チオールが挙げられる。エン化合物としては、これに限定されるものではないが、例えば、1官能、2官能、3官能、あるいは4官能のアリルエーテルなどを挙げることができる。バインダーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。また、架橋成分として、イソシアネート化合物を添加することもできる。
バインダーの含有量としては、親水性層との密着性、硬化時における第1層の収縮性、得られる積層体の耐擦傷性の観点から、第1層の総重量(乾燥塗工量)に基づき、例えば、約10質量%以上、約13質量%以上、約15質量%以上、又は約17質量%以上とすることができ、また、例えば、約50質量%未満、約45質量%以下、約40質量%以下、約35質量%以下、又は約30質量%以下とすることができる。
バインダーは、バインダー前駆体の全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含むバインダー前駆体を用いて調製される。このようなモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの使用は、第1層の硬度を向上させることができるため、耐擦傷性等の性能向上に対しても貢献することができる。ここで、本開示において「バインダー前駆体」とは、第1層において最終的にバインダーとなる成分を意味し、例えば、硬化性若しくは架橋性モノマー及び/又は硬化性若しくは架橋性オリゴマー、これらを予め硬化させた若しくは架橋させた樹脂を挙げることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーは、例えば、一分子中、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物である。(メタ)アクリロイル基数の上限としては特に制限はないが、10個以下、6個以下、5個以下、又は4個以下とすることができる。一般的に、(メタ)アクリレートモノマーの官能基数、すなわち、(メタ)アクリロイル基数が多くなると、架橋密度が上がり、変形しにくい硬化物となるため、得られる積層体の安定した親水性能に寄与できると考えられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、親水性層の熱的安定性等の観点から、かかるモノマーの(メタ)アクリロイル当量が、約80以上、約85以上、約90以上、約95以上、又は約100以上であることが好ましく、約700以下、約650以下、約600以下、約550以下、約500以下、約450以下、約400以下、又は約350以下であることが好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル当量とは、(メタ)アクリレートモノマーの分子量を(メタ)アクリロイル基の個数で除した値、すなわち、(メタ)アクリロイル当量=Mw/N(Mw:分子量、N:(メタ)アクリロイル基の個数)で算出される値である。一般的に、(メタ)アクリロイル当量が少なくなると、架橋密度が上がり、変形しにくい硬化物となるため、得られる積層体の安定した親水性能に寄与できると考えられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、親水性層の熱的安定性等の観点から、かかるモノマーの中心骨格が、環状構造又は分岐構造を有することが好ましい。環状構造としては、芳香族環以外の構造が好ましく、C、O及びNから構成される環状構造がより好ましい。環状構造を有するモノマーとしては、例えば、トリス[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレートを挙げることができ、分岐構造を有するモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを挙げることができる。ここで、親水性層の熱的安定性等については、得られる積層体の応力集中又は外部からの熱などによる変化に対する耐性等を考慮しながら、モノマーの化学構造を適宜選択し、調整される。一般的に、モノマーの中心骨格が環状構造(剛直な化学構造)を有すると、硬いフィルムが得られ、熱安定性が高くなるため、得られる積層体に安定した親水性能を付与することが可能となる。一方、モノマーに長鎖の化学構造が含まれる場合には、フィルムの柔軟性が高く、応力集中を低下させることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとして、エトキシ化、アルコキシ化、プロポキシ化、カプロラクトン変性、又はウレタン変性されたモノマーを使用することができる。また、変性箇所の繰り返し単位数を変えることができる。一実施形態においては、変性箇所の合計繰り返し単位数を40以下、30以下、20以下、又は10以下とすることができ、0以上、又は1以上とすることができる。変性箇所の繰り返し単位数が多いと柔軟性が高くなる傾向となり内部の応力を緩和しやすくなるが、一方で外部からの熱などによる応力に対して変形しやすくなる場合がある。また、親水性の熱的安定性の観点から、官能基数に応じた変性箇所の合計繰り返し単位数は、4以下、3以下、2以下、又は1以下であることが好ましい。変性箇所の繰り返し単位数が少なくなると、架橋密度が上昇し、変形しにくい硬化物となるため、得られる積層体の安定した親水性能に寄与できると考えられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、次のものに限定されないが、具体的には、例えば、トリス[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート(例えば、3官能、4官能、6官能、9官能、又は10官能のウレタン(メタ)アクリレート)、及び3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
(メタ)アクリル樹脂及びウレタン結合を有する樹脂は、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーに加え、例えば、かかるモノマーのオリゴマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、及び単官能(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも一種を併用して調製してもよい。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、フルオレンジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。2官能(メタ)アクリレートモノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、n-ペンタデシル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートを挙げることができる。単官能(メタ)アクリレートモノマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
本開示の第1層は、後述するコーティング組成物を用いて形成することができる。かかるコーティング組成物には、最終的に第1層のバインダーとなるバインダー前駆体が含まれている。
本開示の第1層は、親水性層の熱的安定性等の観点から、バインダーが、バインダーの全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを約30質量%以上含むバインダー前駆体の硬化物を含む。バインダー前駆体中の3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの含有量としては、約40質量%以上、約50質量%以上、又は約70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。ある実施態様においては、かかる含有量は100質量%とすることができる。一般的に、3官能以上のモノマーの含有量が多くなると、架橋密度が上がり、変形しにくい硬化物となるため、得られる積層体の親水性能が安定する傾向にある。ここで、バインダー前駆体及びかかる前駆体の硬化物中における3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの割合は、熱分解ガスクロマトグラフィーを用いて評価することができる。
本開示の第1層は、バインダーが、バインダーの全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを約30質量%以上含むバインダー前駆体の硬化物を含んでいる。3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの割合が増えると、バインダーの架橋密度を上げることができるため、得られる硬化物は変形が生じにくくなる。一方で、本開示の第1層は、バインダーに加えて無機ナノ粒子を含んでいる。そのため、バインダー成分と無機ナノ粒子表層との界面は、第1層の熱的安定性に影響を与えているものと考えられる。また、一般に架橋密度を向上させると、硬化物の弾性率が向上し、硬化物となった際の応力が高くなる。その結果、硬化時の収縮などにより発生した内部応力又は熱処理などによる外部応力によって変形を起こしやすい状態となる。一般的に、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの量が多くなると、親水性層の初期親水性が高くなり、また、熱的安定性も向上する傾向にある。
本開示の第1層においては、バインダーが、バインダー前駆体の全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含むバインダー前駆体を用いて調製されることに加えて、無機ナノ粒子表面にバインダーに対して少なくとも一部が結合することのできる反応性基(すなわち、(メタ)アクリロイル基)を有する無機ナノ粒子を用いることで、バインダーと無機ナノ粒子が結合された状態となり、硬化時に発生する収縮等を好適に抑制できる。その結果、第1層表面の塑性変形を低減又は防止することができ、同時に第1層に配置される第2層の塑性変形を低減又は防止することができると考えている。このように、第1層に配置される親水性の第2層の塑性変形を低減又は抑制することができるため、親水性層の熱的安定性を向上させることが可能となる。また、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーのような多官能(メタ)アクリレートモノマーは疎水性として振る舞うことが多く、光学的な観点からも、無機ナノ粒子表面をかかるモノマーと親和性のある反応性基((メタ)アクリロイル基)で修飾することが望ましいと考えられる。
本開示の第1層は、(メタ)アクリロイル基を有する無機ナノ粒子を含んでいる。(メタ)アクリロイル基(反応性基)は、かかる基の少なくとも一部が、バインダー前駆体成分又はバインダー成分を構成する(メタ)アクリレートモノマーの官能基と反応して第1層中のバインダーと結合し、バインダーに対して少なくとも一部が結合し固定化される。そのため、上述のように、親水性層の熱的安定性に貢献することができる。反応性基とバインダー前駆体成分又はバインダー成分との反応は特に制限はなく、例えば、熱重合反応、光重合反応、縮合反応、付加反応を挙げることができる。
無機ナノ粒子への反応性基の導入は、例えば、無機ナノ粒子を表面処理剤で変性させることによって実施することができる。一般に、表面処理剤には、粒子表面に結合(例えば、共有結合、イオン結合、又は強力な物理吸着による結合)することになる第1の末端部と、バインダー成分又はバインダー前駆体成分と反応してバインダーと一体化し得る、第2の末端部(反応性基)とが備わっている。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン、及びチタネートが挙げられる。好ましいタイプの表面処理剤は、無機ナノ粒子表面の化学的性質によりある程度は決定される。シリカ粒子及び他のケイ素質粒子に対しては、シランが好ましい。金属酸化物に対しては、シラン及びカルボン酸が好ましい。表面変性は、モノマーとの混合に続いて又は混合後のいずれかで行うことができる。シランを使用するとき、シランの無機ナノ粒子表面との反応は、バインダーへの組み込みに先立つことが好ましい。表面処理剤の所望量は、粒径、粒子の種類、表面処理剤の分子量、及び表面処理剤の種類といった、様々な要因に依存する。一般に、ほぼ単層の表面処理剤が粒子表面に結合することが好ましい。必要とされる結合手順又は反応条件もまた、使用する表面処理剤によって左右される。例えば、シランを使用するとき、酸性又は塩基性条件下の高温で、約1時間~約24時間の表面処理が好ましい。カルボン酸のような表面処理剤では、通常は高温又は長時間を必要としない。
表面処理剤としては、次のものに限定されないが、例えば、イソオクチルトリメトキシ-シラン、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG3TES)、SILQUEST(商標)A1230、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TES)、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ-t-ブトキシシラン、ビニルトリス-イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β-カルボキシエチル酢酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及び上述のうちの2つ以上の混合物が挙げられる。
無機ナノ粒子の反応性基として(メタ)アクリロイル基が用いられることより、上記の表面処理剤のなかでも、(メタ)アクリロイル基を導入できる、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物が好ましい。
無機ナノ粒子を構成する粒子としては、次のものに限定されないが、例えば、シリカ(SiO、SiO)、アルミナ(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、及びアンチモンドープ酸化スズ(ATO)からなる群から選択される少なくとも一種の粒子を使用することができる。なかでも、親水性層との層間密着性、耐擦傷性等の観点から、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムが好ましく、シリカがより好ましい。
無機ナノ粒子の含有量としては、第1層の総重量(乾燥塗工量)に基づき、例えば、約50質量%超、約55質量%以上、約60質量%以上、約65質量%以上、又は約70質量%以上とすることができる。無機ナノ粒子の含有量の上限値としては特に制限はないが、親水性層の熱的安定性等の観点から、約90質量%以下、約87質量%以下、約85質量%以下、又は約83質量%以下とすることができる。無機ナノ粒子をこのような割合で第1層中に配合すると、親水性層の層間密着性を向上させることができるとともに、第1層の硬度も向上させることができるため、第1層に配置される親水性層の耐擦傷性なども向上させることができる。一般的には、第1層中の無機ナノ粒子の含有量が多くなると、架橋密度が上がるため、得られる積層体の安定した親水性能に寄与でき、また、親水性層の初期親水性が優れる傾向にある。
無機ナノ粒子の平均粒径は、本技術分野において一般的に用いられる技術を使用して、透過電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。無機ナノ粒子の平均粒径の測定において、ゾル試料を、メッシュのレース状炭素(Ted Pella Inc.(Redding,CA)から入手可能)の上面に超薄炭素基材を有する400メッシュの銅TEM格子に滴下することで、TEM画像用のゾル試料を調製することができる。液滴の一部を、濾紙とともに格子の側部又は底部に接触させることにより除去することができる。ゾルの溶媒の残りは加熱するか又は室温で放置して除去することができる。これにより、超薄炭素基材上に粒子を残し、基材からの干渉を最小にして画像化することができる。次に、TEM画像を格子全域にわたる多くの位置で記録することができる。500~1000個の粒子の粒径測定を可能にするのに十分な画像を記録する。次に、無機ナノ粒子の平均粒径を、各試料における粒径測定値に基づいて計算することができる。TEM画像は、300KVで動作する(LaB源使用)高分解能透過電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズより商品名「Hitachi H-9000」として入手可能)を使用して得ることができる。画像は、カメラ(例えば、Gatan,Inc.(Pleasanton,CA)から商品名「GATAN ULTRASCAN CCD」として入手可能:モデル番号895、2k×2kチップ)を使用して記録することができる。画像は5万倍及び10万倍の倍率で撮ることができる。いくつかの試料において、画像は30万倍の倍率で撮ることができる。
無機ナノ粒子の平均粒径は、約1nm以上、約5nm以上、約10nm以上、約15nm以上、又は約20nm以上とすることができ、約500nm以下、約400nm以下、約300nm以下、約200nm以下、又は約100nm以下とすることができる。
無機ナノ粒子は、小さな粒子の群と大きな粒子の群とから構成されていてもよい。この場合、小さな粒子の群の平均粒径は、約2nm以上、約3nm以上、約5nm以上、約70nm以上、約10nm以上、約15nm以上、又は約20nm以上、約200nm以下、約150nm以下、約120nm以下、約100nm以下、約80nm以下、約60nm以下、又は約40nm以下の範囲にすることができる。大きな粒子の群の平均粒径は、約60nm以上、約65nm以上、約70nm以上、又は約75nm以上、約400nm以下、約350nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約150nm以下、又は約100nm以下の範囲にすることができる。
第1層中に無機ナノ粒子を高度に充填させることを考慮すると、少なくとも2つの異なる粒径分布を有する無機ナノ粒子の混合物を使用することが好ましい。無機ナノ粒子の混合物の粒径分布は、小さな粒子の群の平均粒径及び大きな粒子の群の平均粒径をピークとする二峰性又は多峰性のピークを示す。例えば、平均粒径の異なる二種類の無機ナノ粒子がコーティング組成物に含まれている場合には、粒度分布のグラフにおいて二峰性のピークが測定される。即ち、粒度分布のグラフにおけるピークの数から、平均粒径の異なる無機ナノ粒子が、何種類含まれているかを確認することができる。ここで、コーティング組成物の粒度分布は、ベックマンーコールター社製の粒度分布測定装置(LS I3 320)を用いたレーザー回折・散乱法により測定することができる。
いくつかの実施形態では、約2nm~約200nmの範囲の平均粒径を有する無機ナノ粒子の平均粒径と、約60nm~約400nmの範囲の平均粒径を有する無機ナノ粒子の平均粒径の比は、2:1~200:1の範囲であり、いくつかの実施形態では、2.5:1~100:1、又は2.5:1~25:1の範囲である。好ましい平均粒径の組み合わせの例としては、5nm/190nm、5nm/75nm、20nm/190nm、5nm/20nm、20nm/75nm、75nm/190nm、又は5nm/20nm/190nmの組み合わせが挙げられる。このような平均粒径が異なる無機ナノ粒子の混合物を使用すると、第1層の透明性を向上させることができ、また、大量の無機ナノ粒子を第1層に充填することができるため、硬度、耐擦傷性等の性能を向上させることができる。第1層において、少なくとも2つの異なる粒径分布を有する無機ナノ粒子の混合物が使用されていることは、例えば、後述する透明性(全光線透過率、ヘイズ値)、耐擦傷性(Δヘイズ値)の結果から、間接的に特定することができる。
例えば、無機ナノ粒子の種類、量、及びサイズ、並びに平均粒径が異なる無機ナノ粒子を使用する場合の各粒子の比率を調整することにより、透明性(例えば全光線透過率及びヘイズ)、耐擦傷性、硬度、親水性層の熱的安定性等の性能を調整することができる。
小さな粒子の群と大きな粒子の群との質量比(%)は、使用される粒径又は使用される粒径の組み合わせに応じて選択することができる。好ましい質量比は、商品名「CALVOLD2」として入手できるソフトウェアを使用して、使用される粒径又は使用される粒径の組み合わせに応じて選択することが可能であり、例えば、粒径の組み合わせ(小さな粒子の群/大きな粒子の群)に関する小さな粒子の群と大きな粒子の群の質量比と充填率の間のシミュレーションに基づいて選択することもできる(“Verification of a Model for Estimating the Void Fraction in a Three-Component Randomly Packed Bed,” M.Suzuki and T.Oshima:Powder Technol.,43,147-153(1985)も参照のこと。)。
いくつかの実施態様において、第1層は、その他の任意成分として、例えば、上記の無機ナノ粒子以外のフィラー、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、可塑剤、フロー向上剤、レベリング剤、顔料、染料などの添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。これらの添加剤の個々の及び合計の配合量は、第1層に必要な特性を損なわない範囲で決定することができる。
上記の無機ナノ粒子以外のフィラー(例えば、銀、銅若しくは鉄等の金属粒子、又は有機粒子)の使用は、親水性層の熱的安定性を低下させるおそれがある。したがって、かかるフィラーの含有量は、第1層の総重量に基づき、約10質量%以下、約5質量%以下、約3質量%以下、約1質量%以下、又は約0.5質量%以下とすることが好ましく、あるいは、かかるフィラーは第1層中に配合しないことがより好ましい。
第1層の厚みは、例えば、約0.5マイクロメートル以上、約1マイクロメートル以上、約2マイクロメートル以上、約3マイクロメートル以上、約4マイクロメートル以上、約5マイクロメートル以上、約8マイクロメートル以上、約10マイクロメートル以上、約15マイクロメートル以上、又は約20マイクロメートル以上とすることができ、約200マイクロメートル以下、約150マイクロメートル以下、約100マイクロメートル以下、約80マイクロメートル以下、約50マイクロメートル以下、約30マイクロメートル以下、約20マイクロメートル以下、約15マイクロメートル以下、又は約10マイクロメートル以下とすることができる。第1層の厚みは、かかる範囲から、硬化時における収縮、使用用途応じた要求性能(例えば耐擦傷性、光学特性等)に基づいて適宜選定することができる。第1層の厚さは、デジタルマイクロメータを使用して任意の少なくとも3か所の積層構成の厚さと基材のみの厚さを測定した差分の平均値を意図する。
第1層を調製するための本開示のコーティング組成物(「第1コーティング組成物」又は「第1層用コーティング組成物」と称する場合がある。)は、上述した第1層で用い得る各種材料を含むことができ、バインダー前駆体、及び該バインダー前駆体に対して少なくとも一部が反応することのできる反応性基((メタ)アクリロイル基)を有する無機ナノ粒子を含み、バインダー前駆体が、バインダー前駆体の全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含んでいる。
第1層用コーティング組成物は、かかる組成物によって形成された第1層に対し、親水性層を適用するように使用される。
第1層用コーティング組成物におけるバインダー前駆体の含有量は、親水性層との密着性、硬化時における第1層の収縮性、得られる積層体の耐擦傷性の観点から、かかるコーティング組成物の固形分100質量部を基準として、例えば、約10質量部以上、約13質量部以上、約15質量部以上、又は約17質量部以上とすることができ、また、例えば、約50質量部未満、約45質量部以下、約40質量部以下、約35質量部以下、又は約30質量部以下とすることができる。
第1層用コーティング組成物における無機ナノ粒子の含有量は、かかるコーティング組成物の固形分100質量部を基準として、約50質量部超、約55質量部以上、約60質量部以上、約65質量部以上、又は約70質量部以上とすることができる。無機ナノ粒子の含有量の上限値としては特に制限はないが、親水性層の熱的安定性等の観点から、約90質量部以下、約87質量部以下、約85質量部以下、又は約83質量部以下とすることができる。
上述した任意成分の各種添加剤は、第1層用コーティング組成物によって得られる第1層に必要な特性を損なわない範囲で、第1層用コーティング組成物中に適宜配合することができる。第1層用コーティング組成物は、架橋剤、硬化剤も適宜配合することができる。
第1層用コーティング組成物のモノマー等の硬化は、次のものに限定されないが、例えば、熱重合、光重合によって行うことができる。
熱重合は、熱重合開始剤を使用する。熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物などの公知の材料を使用することができる。熱重合開始剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
光重合は、例えば、電子線、紫外線などの電離放射線を使用することができる。電子線を使用する場合には、光重合開始剤を使用する必要はないが、紫外線による光重合の場合は、光重合開始剤を使用する。光重合開始剤としては、公知の材料を使用することができる。例えば、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-メチルプロパノン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン)、2-ヒドロキシ-1-{4-〔4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)フェノキシ〕フェニル}-2-メチルプロパノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。光重合開始剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
第1層用コーティング組成物は、作業性、塗工性などを改善するために、任意に、溶媒、例えば1-メトキシ-2-プロパノール等の有機溶媒を配合することができる。
第1層用コーティング組成物を用いて第1層を形成する方法としては特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、コーティング組成物を、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、ドクターコート、ロールコート、キャストコート、ノッチバーコーター、カーテンコート、スプレーコート、ディップコート、グラビアコートなどによって基材上にコーティングし、必要に応じて乾燥させ、熱硬化又は光硬化することによって第1層を形成することができる。
第1層に第2層を直接配置する場合には、第1層と第2層との層間密着性を向上させるために、第1層の表面に対して表面処理を適用することができる。かかる表面処理としては、例えば、化学処理、コロナ処理(例えば、空気又は窒素コロナ)、プラズマ、火炎、又は化学線が挙げられる。
本開示の積層体は、第1層に対して親水性の第2層が配置されている。親水性層の熱的安定性の観点から、第2層は、第1層に対して直接的に配置されていることが好ましい。
第2層の親水性の程度としては特に制限はない。例えば、第2層の熱老化促進試験前の水接触角(単に「初期水接触角」と称する場合がある。)としては、例えば、約50.0°以下、約40.0°以下、約30.0°以下、約20.0°以下、又は約10.0°以下とすることができる。初期水接触角の下限値としては特に制限はなく、例えば、約1.0°以上、約3.0°以上、又は約5.0°以上とすることができる。
本開示の積層体は、上述した第1層に対して第2層が配置されているため、親水性層(第2層)の熱的安定性を向上させることができる。かかる安定性は、90℃1週間の熱老化促進試験後の水接触角及び初期水接触角によって評価することができる。いくつかの実施態様において、本開示の積層体は、下記式1及び/又は下記式2を満足する:
(90℃1週間の熱老化促進試験後の水接触角)≦約30.0° …式1
(90℃1週間の熱老化促進試験後の水接触角-初期水接触角)≦約15.0° …式2
いくつかの実施形態において、本開示の積層体は、上記式1に関し、「90℃1週間の熱老化促進試験後の水接触角」の値が、約27.0°以下、約25.0°以下、又は約23.0°以下を満足する。かかる値の下限値としては特に制限はなく、例えば、約1.0°以上、約2.0°以上、約3.0°以上、約4.0°以上、又は約5.0°以上とすることができる。
いくつかの実施形態において、本開示の積層体は、上記式2に関し、「90℃1週間の熱老化促進試験後の水接触角-初期水接触角」の値が、約14.0°以下、約13.5°以下、又は約13.0°以下を満足する。かかる値の下限値としては特に制限はなく、例えば、約0.1°以上、約0.2°以上、約0.3°以上、又は0.4°以上とすることができる。
親水性の第2層の材料としては特に制限はないが、親水性層の安定した界面形成という観点から、第2層は、両性イオン性シランを含むことが好ましい。このようなシランは、少なくとも1つのホスフェート基(PO -3)又はスルホネート基(SO )を含むことが好ましい。
両性イオン性スルホネート官能化合物の例として、米国特許第5,936,703号(Miyazakiら)、並びに国際公開第2007/146680号及び同第2009/119690号に開示されるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示の第2層を調製するためのコーティング組成物(「第2コーティング組成物」又は「第2層用コーティング組成物」と称する場合がある。)中で用いられる両性イオン性スルホネート官能化合物として、以下の式(I)で示される両性イオン性スルホネート-有機シラノール化合物を使用する:
(RO)-Si(R-W-N(R)(R)-(CH-SO …式(I)
(式(I)中、
各Rは独立に、水素、メチル基、又はエチル基であり、
各Rは独立に、メチル基又はエチル基であり、
各R及びRは独立に、飽和又は不飽和、直鎖状、分子状、又は環状有機基であり、これらは互いに、任意に基Wの原子と結合して環を形成してよく、
Wは、有機連結基であり、
p及びmは、1~3の整数であり、
qは、0又は1であり、
p+qは、3である。)
式(I)の有機連結基Wは、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状、分岐状、若しくは環状の有機基から選択され得る。連結基Wは好ましくはアルキレン基であり、カルボニル基、ウレタン基、尿素基、酸素、窒素、及び硫黄などのヘテロ原子、並びにこれらの組み合わせを含んでよい。好適な連結基Wの例として、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルキル置換シクロアルキレン基、ヒドロキシ置換アルキレン基、ヒドロキシ置換モノオキサアルキレン基、モノオキサ骨格置換を有する二価の炭化水素基、モノチア骨格置換を有する二価の炭化水素基、モノオキソ-チア骨格置換を有する二価の炭化水素基、ジオキソ-チア骨格置換を有する二価の炭化水素基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、及び置換アルキルアリーレン基が挙げられる。
式(I)の両性イオン性シランの好適な例は、米国特許第5,936,703号(Miyazakiら)、並びに国際公開第2007/146680号及び同第2009/119690号に記載されており、次の両性イオン性官能基(-W-N(R)(R)-(CH-SO )を含む:
Figure 2024029270000002
いくつかの実施形態では、第2層用コーティング組成物中で用いられる両性イオン性スルホネート官能化合物として、以下の式(II)で示されるスルホネート-有機シラノール化合物を使用する:
(RO)-Si(R-CHCHCH-N(CH-(CH-SO …式(II)
(式(II)中、
各Rは独立に、水素、メチル基、又はエチル基であり、
各Rは独立に、メチル基又はエチル基であり、
p及びmは、1~3の整数であり、
qは、0又は1であり、
p+qは、3である。)
式(II)の両性イオン性シランの好適な例は、米国特許第5,936,703号(Miyazakiら)に記載されており、例えば以下のものが挙げられる:
(CHO)Si-CHCHCH-N(CH-CHCHCH-SO 、及び
(CHCHO)Si(CH)-CHCHCH-N(CH-CHCHCH-SO
好適な両性イオン性シランのその他の例として、以下のものが挙げられる:
Figure 2024029270000003
第2層用コーティング組成物は、典型的には、両性イオン性シランを、コーティング組成物の総重量に基づき、約0.01質量%以上、約0.05質量%以上、約0.10質量%以上、約0.15質量%以上、又は約0.20質量%以上、約20質量%以下、約15質量%以下、約10質量%以下、約5質量%以下、約1質量%以下配合することができる。上述した厚さの単層の第2層を得るには、一般に、相対的に希釈されたコーティング組成物が用いられる。別の方法としては、相対的に濃縮されたコーティング組成物を用いて第2層を形成し、その後に第2層を一部洗い流すことができる。
第2層用コーティング組成物は、好ましくは、アルコール、水、又はヒドロアルコール性溶液(すなわちアルコール及び/又は水)を含む。典型的には、かかるアルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノールなどの低級アルコール(例えば、C~Cのアルコール、より典型的にはC~Cのアルコール)を使用することができる。好ましくは、第2層用コーティング組成物は水溶液である。本明細書で用いられるとき、用語「水溶液」は、水を含有する溶液を意味する。このような溶液は、水を唯一の溶媒として使用してよく、又はアルコールとアセトンなど、水と有機溶媒を配合してもよい。凍結融解安定性を向上させるために、第2層用コーティング組成物に有機溶媒を含めてもよい。典型的には、有機溶媒は、組成物の最大約50質量%、好ましくは組成物の約5~約50質量%の範囲の量で配合することができる。
第2層用コーティング組成物は、酸性、塩基性、又は中性であってよい。かかる組成物によって形成される第2層の耐久性能は、pHの影響を受ける場合がある。例えば、スルホネート官能両性イオン性シランを含有するコーティング組成物は、好ましくは中性である。
第2層用コーティング組成物は、様々な粘度で提供されてよい。したがって、例えば、粘度は、水様の低いものから、ペースト様の高いものまで可変であり得る。あるいは、第2層用コーティング組成物は、ゲル形態で提供されてもよい。
第2層用コーティング組成物は、様々なその他の成分を含んでもよい。このような成分として、例えば、カチオン性、アニオン性、又は非イオン性の界面活性剤などの従来の界面活性剤を用いることができる。洗剤及び湿潤剤もまた使用できる。
いくつかの実施形態では、第2層用コーティング組成物は、耐久性の向上をもたらし得る無機系バインダー、例えばカップリング剤をさらに含む。かかるカップリング剤としては、例えば、テトラアルコキシシラン(例えば、テトラエチルオルトシリケート(TEOS))、そのオリゴマー、例えばアルキルポリシリケート(例えば、ポリ(ジエトキシシロキサン))、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、シリカ(例えば、シリカ粒子)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、コーティング組成物に含まれるこのようなカップリング剤の量は、第2層の親水性能又は光学性能などが低下することを防ぐために、限定されるべきである。カップリング剤の最適量は、実験的に決定され、カップリング剤の性質、分子量、及び屈折率に依存する。カップリング剤は、存在するとき、典型的には、コーティング組成物の約0.1~約20質量%、より好ましくはコーティング組成物の約1~約15質量%の濃度で組成物に添加される。
第2層用コーティング組成物を用いて第2層を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、ドクターコート、ロールコート、ノッチバーコーター、キャストコート、カーテンコート、スプレーコート、ディップコート、グラビアコート、エアナイフコートが挙げられる。好ましい方法としては、バーコート及びロールコート、又は厚さを調整するためにエアナイフコートが挙げられる。
第2層用コーティング組成物を第1層に対して配置した後、典型的には、オーブン等を用いて約20℃~約150℃の温度で乾燥することが好ましい。このとき、不活性ガスを循環させてもよい。乾燥プロセスを加速させるために温度を更に上げてもよいが、この場合は、基材への損傷を避けるために注意を払う必要がある。
第2層の厚さとしては光学的な特性を損なわない限り特に制限はないが、約10マイクロメートル以下、約7マイクロメートル以下、約5マイクロメートル以下、約3マイクロメートル以下、又は多くの場合は約1マイクロメートル以下が好ましい。第2層の厚さの下限値としては特に制限はなく、例えば、約100オングストローム以上、約150オングストローム以上、又は約200オングストローム以上とすることができる。ここで、第2層の厚さは、膜厚が約100オングストローム以上の場合には、分光干渉法を用いた浜松ホトニクス製 Optical NanoGauge膜厚計を用いて測定することができる。膜厚が約100オングストローム未満の場合には、偏光を利用した分光エリプソメトリーを用いた測定方法で測定することができる。
本開示の積層体を構成する基材としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂)、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂)、塩化ビニル-酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、セルロース樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、エチレンビニルアセテート、シクロヘキシルエチレン-エチレン-(1-ブテン)共重合体(USI社製(台湾)、ViviOn(商標))及びフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む有機系基材を使用することができる。基材として、ガラスなどの無機系基材を使用することもできる。
基材の形状又は構成としては特に制限はなく、例えば、フィルム形状、板形状、曲面形状、異形状、又は3次元形状であってもよく、単層構成、積層構成、又は形状の相違する複数の基材が組み合わさったような複合構成であってもよい。
基材は無色であってもよい。基材は、半透明、又は透明であってよいが、透明であることが望ましい。基材は、略平滑な表面を有してもよく、エンボスなどの表面加工により形成することのできる構造化表面を有してもよく、或いは、孔又は流路などの加工が施されていてもよい。
基材の表面に対し、表面処理が適用されていてもよい。かかる表面処理としては、例えば、易接着処理(例えば、プライマー処理)、化学処理(例えば、ケミカルエッチング処理)、コロナ処理(例えば、空気又は窒素コロナ)、プラズマ処理、火炎処理、及び化学線処理が挙げられる。
基材の厚みは、例えば、約12マイクロメートル以上、約25マイクロメートル以上、約50マイクロメートル以上、又は約80マイクロメートル以上とすることができ、約5mm以下、約1mm以下、又は約0.5mm以下とすることができる。ある実施態様においては、基材の厚みは、約100マイクロメートルとすることができる。
いくつかの実施態様では、基材として、伸長可能な基材が使用される。伸長可能な基材の引張伸長率は、約10%以上、約20%以上、又は約30%以上とすることができ、約400%以下、約350%以下、又は約300%以下とすることができる。伸長可能な基材の引張伸長率は、幅25mm、長さ150mmのサンプルを用意し、引張試験機を用いて、温度20℃、引張速度300mm/分、チャック間隔100mmでサンプルを破断するまで伸長したときの、[破断時のチャック間隔(mm)-伸長前のチャック間隔(mm)(=100mm)]/伸長前のチャック間隔(mm)(=100mm)×100(%)で計算される値である。
いくつかの実施態様では、本実施態様の積層体は、例えば、第1層と基材との間、又は基材の第2層側と反対側の基材面に、任意に、着色層、装飾層、光輝層、接合層(プライマー層)、接着剤層などの追加の層を適用してもよい。追加の層は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができ、また、積層体の全面に又は一部に適用することができる。基材及び追加の層の厚さは、第1層と同様にして求めることができる。
接着剤層として、一般に使用されるアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系、シリコーン系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は放射線硬化型(例えば紫外線硬化型)の接着剤を使用することができる。接着剤層の厚さは、一般に、約5マイクロメートル以上、約10マイクロメートル以上、又は約20マイクロメートル以上とすることができ、約100マイクロメートル以下、約80マイクロメートル以下、又は約50マイクロメートル以下とすることができる。
接着剤層の表面に剥離ライナーが付与されていてもよい。剥離ライナーとして、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらのライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。剥離ライナーの厚さは、一般に、約5マイクロメートル以上、約15マイクロメートル以上、又は約25マイクロメートル以上とすることができ、約500マイクロメートル以下、約300マイクロメートル以下、又は約250マイクロメートル以下とすることができる。
本実施態様の積層体は、例えば、枚葉品の形態であってもよく、ロール状に巻かれたロール体であってもよく、或いは、3次元形状の形態であってもよい。
いくつかの実施態様では、本開示の積層体は透明性を有する。透明性は、上述した、全光線透過率(初期全光線透過率)で評価してもよく、或いは、ヘイズ値(初期ヘイズ値)で評価してもよい。本開示の積層体、特に、透明基材を使用した積層体は、ヘイズ値として、例えば、約10%以下、約7.0%以下、約5.0%以下、約3.0%以下、又は約1.0%以下とすることができる。ヘイズ値の下限値としては特に制限はないが、例えば、約0.10%以上、約0.30%以上、又は約0.50%以上とすることができる。
いくつかの実施態様では、本開示の積層体は耐擦傷性を有している。耐擦傷性は、後述するスチールウール摩耗抵抗試験前後のヘイズ値の差(Δヘイズ値)で評価することができる。Δヘイズ値は、例えば、約-0.20%~約0.20%、約-0.15%~約0.15%、又は約-0.10%~約0.10%にすることができる。
本開示の積層体を含む物品は、種々の用途で使用することができる。かかる用途としては特に制限はないが、例えば、医療用デバイス(例えば、マイクロ流路チップ、PCR等の測定部材、カテーテル、ガイドワイヤー、各種医療用デバイスの保護カバー);保護具(例えば、血液、体液、他の液体の飛散、飛沫感染から医療従事者又は患者を保護するために、目元、口元などを保護する保護具);乗物(例えば車、船、電車、航空機)の窓、ミラー、ボディー又はライトカバー;建築物の窓ガラス、サッシ、ドア、ドアノブ又は外装材;蛇口の取手;家電製品(例えばエアコン、扇風機、掃除機、洗濯機、冷蔵庫);カメラのレンズ又は本体;時計;光学ディスプレー(例えば、陰極線管(CRT)、液晶(LCD)ディスプレー、発光ダイオード(LED)ディスプレー);モバイル端末(例えば携帯情報端末(PDA)、携帯電話、スマートフォン);キーボード、タッチスクリーン、及び着脱式コンピュータスクリーンなどのデバイス;信号機;鏡、眼鏡又はゴーグル;カード;食器;家具(例えばテーブル、椅子、机);包装材;標識;測定装置又は観測装置;太陽電池パネル;風力発電などに用いられる各種の構成部材を挙げることができる。
例えば、医療デバイスは、生体組織及び体液などの生体物質と直接的に接触するとき、デバイスと生体物質との初期相互作用が、デバイスの表面で発生する。例えば、タンパク質の組織は、デバイスの表面との相互作用で変化し、これが下流で好ましくない悪影響をもたらす場合がある。このような相互作用を低減又は防止する目的で、医療用デバイスには親水性能が付与される場合がある。あるいは、糖尿病などの血液採取において使用されるマイクロ流路チップは、一般に、チップ内のマイクロ流路を通じて血液を採取するとき、ポンプなどの物理的な吸引装置は使用せずに、毛細管現象が利用される。この毛細管現象をより発現させやすくするために、マイクロ流路チップには親水性が付与されていることが望ましい。このため、親水性能を安定的に付与し得る本開示の積層体を含む物品は、医療用デバイスとして有利に使用することができ、なかでも、マイクロ流路チップとしてより有利に使用することができる。
マイクロ流路チップを製造するための流路形成方法としては、一般に、透明性のあるフィルムシート、本開示の積層体である親水性を有するフィルムシート、及び基材を含む粘着シート、あるいは基材を含まない粘着シートを所定の形状に抜き加工を行い、それを積層して貼り合わせることにより、微細な3次元形状の流路を作製する方法が挙げられる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。数値は本質的に測定原理及び測定装置に起因する誤差を含む。数値は通常の丸め処理が行われた有効数字で示される。
本実施例及び比較例で使用した各種の材料を表1に示す。
Figure 2024029270000004
〈実施例1〉
ナノ粒子分散液の調製
ナノ粒子分散液1及び2は、国際公開第2018/185590号(Naota)記載のComparative example modified silica sol (“Modified Sol 1”)及び(“Modified Sol 2”)の方法で調製した。
第1層用コーティング液の調製
表2に示す割合で、モノマー1、開始剤1及びMIPAを、ガラス容器中で混合した後、ナノ粒子分散液1及び2をさらに添加した。穏やかに混合した後、乳白色で半透明の第1層用コーティング液を得た。ここで、モノマー1は室温で固体状態であったので、約75℃のオーブンで溶解させてからガラス容器に添加した。
両性イオン性シラン含有液の調製
下記化学構造式の両性イオン性シランを含む両性イオン性シラン含有液は、国際公開第2011/084661号(Naiyongら)のPreparative Example 3に記載の方法で調製した:
Figure 2024029270000005
第2層用コーティング液の調製
ガラス容器中に、54.62質量部の水及び32.96質量部のIPAを添加した。その後、このガラス容器中に、10.02質量部の両性イオン性シラン含有液、5%固形分に調整した0.94質量部のLS-75水溶液、5%固形分に調整した0.48質量部のRhodacal(商標)Ds10水溶液、0.99質量部のDynol(商標)604をガラス容器中に添加して、第2層用コーティング液を調製した。かかるコーティング液の固形分は、0.17%であった。
積層体の調製
透明なPETフィルム基材(コスモシャイン(商標)A4360)の片面に、#7のワイヤーバーで第1層用コーティング液を塗布した後、60℃のオーブン中で5分間乾燥させた。第1層を適用したフィルムを、大気(空気)雰囲気下で紫外線照射器(へレウス社のH-バルブ(DRSモデル))に4回通して、第1層を硬化させた。このとき、照度840mW/cm、積算光量約650mJ/cmの条件で、紫外線(UV-A)を第1層に対して照射した。このようにして、厚さ約3マイクロメートルの第1層を作製した。
次いで、この第1層に対し、コロナ処理装置(春日電機株式会社製、有効幅250mm)を用い、塗布速度6m/分、入力電力0.12kWの条件で表面処理を実施した。
表面処理した第1層に対し、#3のワイヤーバーで第2層用コーティング液を塗布した後、60℃のオーブン中で5分間及び100℃のオーブン中で5分間乾燥させて、厚さ約0.01~0.02マイクロメートルの親水性の第2層を有する積層体を得た。
〈実施例2~31〉
第1層用コーティング液を、表2~3に示す材料に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2~31の積層体を作製した。ここで、実施例6で使用するナノ粒子分散液3は、国際公開第2020/136535号(Itoら)記載のModified Silica Sol(Modified Sol A)の方法で調製した。実施例18~22に使用されたモノマー7は、モノマー1同様に室温で固体状態であったので、約75℃のオーブンで溶解させてからガラス容器に添加した。
〈比較例1~5〉
SACの調製
表面改質剤であるシランカップリング剤のSACは、米国特許公開第2015/0203708号公報(Klunら)のPreparative Example 7に記載の方法で調製した。
第1層用コーティング液を、表4に示す材料に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1~5の積層体を作製した。ここで、比較例4及び5における第1層は、#10のワイヤーバーを用いて作製した。
実施例1~31及び比較例1~5の各サンプルについて下記の評価を実施し、その結果を表2~4に示す。
(水接触角:親水性)
接触角メーター(協和界面科学株式会社から製品名「DROPMASTER FACE」として入手)を使用し、下記の測定条件で第2層表面の初期水接触角及び90℃1週間の熱老化促進試験後の水接触角を測定した。表中の水接触角(CA)の値は、5回測定した平均値であり、ΔCA値は、90℃1週間の熱老化促進試験後の水接触角から初期水接触角を差し引いた値である:
(測定条件)
試験方法 :Sessile Drop法
水の滴下量:2マイクロリットル
遅延時間 :1,000ms
測定温度 :室温
(光学特性)
以下に示すスチールウール摩耗抵抗試験の前後における積層体の光学特性(ヘイズ及び全光線透過率)を、JIS K 7136(2000)及びJIS K 7361-1(1997)にそれぞれ準拠して、NDH 2000(日本電色工業株式会社製)を使用して測定した。表中のヘイズ及び全光線透過率の各値は、3回測定した平均値であり、Δヘイズ値は、摩耗試験後のヘイズ値から初期ヘイズ値を差し引いた値である:
(スチールウール摩耗抵抗試験)
スチールウール摩耗抵抗試験器(ラビングテスターIMC-157C、株式会社井元製作所製)を用い、27mm角の#0000スチールウールを使用し、350gの荷重、85mmのストローク、60サイクル/分の速さで、積層体の第2層表面を10回(サイクル)研磨する。
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
100 積層体
101 基材
103 第1層
105 第2層
107 バインダー
109 無機ナノ粒子

Claims (14)

  1. 基材、
    バインダー及び無機ナノ粒子を含む、前記基材の少なくとも一方の面に配置された第1層、並びに、
    前記第1層に配置された親水性の第2層、
    を含み、
    前記バインダーは、バインダーの全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含むバインダー前駆体の硬化物を含み、前記無機ナノ粒子は(メタ)アクリロイル基を有する、
    積層体。
  2. 前記第1層は、前記無機ナノ粒子を、前記第1層の総重量に基づき、50質量%超含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記無機ナノ粒子が、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、スズドープ酸化インジウム、及びアンチモンドープ酸化スズからなる群から選択される少なくとも一種の粒子である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記第2層が、両性イオン性シランを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記基材が、透明基材である、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記積層体のヘイズ値が、10%以下である、請求項5に記載の積層体。
  7. 前記基材の前記第2層側と反対側の面に、接着剤層を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を含む、物品。
  9. 医療用デバイスとして使用される、請求項8に記載の物品。
  10. マイクロ流路チップとして使用される、請求項9に記載の物品。
  11. バインダー前駆体及び無機ナノ粒子を含む、コーティング組成物であって、
    前記バインダー前駆体は、バインダー前駆体の全量に対し、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを30質量%以上含み、無機ナノ粒子は(メタ)アクリロイル基を有し、
    前記コーティング組成物は、親水性層が適用される層を形成する、
    コーティング組成物。
  12. 前記(メタ)アクリレートモノマーの(メタ)アクリロイル当量が、80~700である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記(メタ)アクリレートモノマーが、トリス[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート、及び3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項11又は12に記載の組成物。
  14. 前記無機ナノ粒子を、前記組成物の固形分100質量部を基準として、50質量部超含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の組成物。
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